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JPH10195186A - ポリエステル系ポリマーの連続製造法 - Google Patents

ポリエステル系ポリマーの連続製造法

Info

Publication number
JPH10195186A
JPH10195186A JP33355997A JP33355997A JPH10195186A JP H10195186 A JPH10195186 A JP H10195186A JP 33355997 A JP33355997 A JP 33355997A JP 33355997 A JP33355997 A JP 33355997A JP H10195186 A JPH10195186 A JP H10195186A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
polymerization
continuous
polymer
polyester
Prior art date
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Pending
Application number
JP33355997A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Iiyama
尚志 飯山
Takashi Sato
隆 佐藤
Manabu Yamada
学 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP33355997A priority Critical patent/JPH10195186A/ja
Priority to US09/079,530 priority patent/US5889127A/en
Priority to EP98401185A priority patent/EP0916684A3/en
Publication of JPH10195186A publication Critical patent/JPH10195186A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子量のポリエステル系ポリマーを工業製
造する際に問題となる反応物の高粘度化に起因する均一
混合の困難さ、除熱の困難さ及び高圧力損失による生産
性の低下を解決し、優れた品質のポリエステル系ポリマ
ーを連続的に工業製造する製造法を提供すること。 【解決手段】 連続反応装置(A)に、1種以上のラク
トンを連続的に供給し、開環重合させることおよび塔型
連続反応装置(A)に、1種以上のヒドロキシカルボン
酸の二分子間環状エステルと水酸基及び/またはエステ
ル結合を有する1種以上のポリマーを連続的に供給し、
共重合させることを特徴とするポリエステル系ポリマー
の連続製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル系ポ
リマーの連続製造法に関する。更に詳しくは、特にラク
トン類や2分子間環状エステルであるラクタイド類、即
ち、ジラクタイド(ラクタイド、または1,4−ジオキ
サ−3,6−ジメチルシクロヘキサン−2,5−ジオ
ン)またはジグリコライド(グリコライド、または1,
4−ジオキサ−シクロヘキサン−2,5−ジオン)及び
これらの共重合体であるポリエステル系ポリマーの連続
製造法に関する。上記ポリマーを製造する際、反応系が
高粘度になるために均一攪拌が困難になり熱分解、着色
等が発生したり、生成ポリマーの品質低下や高い圧力損
失による生産能力の低下などが起こることがあるが、こ
れらの問題を解決し、ポリエステル系ポリマーを工業的
に製造し得る優れた連続製造法に関する。尚、これらの
ポリマーは医療用の生体吸収性資材、カプセル等の医薬
及び農薬用製剤資材、コーティング材、シート及びフィ
ルム等の包材用資材、ラミネーション分野に於いて有用
な樹脂である。
【0002】
【従来の技術】2分子間環状エステルであるジラクタイ
ドまたはジグリコライド、1分子内環状エステルである
ラクトン及びこれらの共重合体であるポリエステル系ポ
リマー(以下、これらを単にポリエステル系ポリマーと
云う)は、光、熱、酵素等によって分解され、自然への
還元サイクルに取り込まれるため、安全性並びに地域環
境汚染防止の観点から、近年、生分解性ポリマー材料と
して多くの研究が為されている。2分子間環状エステル
であるジラクタイドまたはジグリコライドのホモポリマ
ーの製造方法に関しては、従来から大別して2通りの製
造方法が知られている。即ち、対応するヒドロキシカル
ボン酸から直接、脱水重縮合してポリマーを得る方法
と、一旦ジラクタイド或いはジグリコライドの例で知ら
れるヒドロキシ酸の脱水環状エステルを合成し、これを
更に開環重合する事によりポリマーを得る製造方法であ
る。
【0003】前者の直接重縮合法によると、分子量40
00以上のポリマーを得る事は難しく(C.H.Hal
ten著、〃Lactic Acid〃226頁、Ve
riag Chemie、1971)、反応操作条件の
検討により高分子量化を図っても、特公平2−5293
0号公報に見られるように分子量20000程度が限界
で、更なる高分子量ポリマーの製造が必要とされる場合
には、後者の環状エステル化物の開環重合法が用いられ
てきた。また、これらラクタイド類またはラクトン類の
連続製造方法に関しては、芳香族ポリエステルとラクト
ン類の連続製造方法が特開昭61−261124、61
−283619、61−287922、62−2052
5、60−27425号公報の「弾性ポリエステルの連
続的製造法」並びに特開平2−302433、2−30
2434号公報の「弾性ポリエステルの製造方法」に開
示されている。これらいずれもニーダーまたはエクスト
ルーダーのようなスクリューまたはパドル型の攪拌翼を
反応器内部に有し、攪拌器による攪拌により、反応系を
攪拌し、かつ内容物を順次原料仕込口から製品取り出し
口に移送するものである。
【0004】またラクタイド類の連続製造方法に関して
は、特開平5−93050号公報には、複数の攪拌槽を
直列につなぎ、これに反応原料を連続的に供給すること
によって最初の反応槽から最終反応槽までの滞留時間を
反応時間とする連続重合を行う、いわゆるCSTR連続
製造法が開示されている。しかしながらこれらはいずれ
も動的攪拌器を用いる反応装置であり、ラクタイド類ま
たはラクトン類から高い分子量を有するポリエステル系
ポリマーを連続的に製造する際に問題となる反応物の高
粘度化に起因する均一攪拌の困難さ及び除熱の困難さに
関しては、解決策を開示もしくは示唆するものではなっ
かた。即ち、前記特許もしくは文献に開示されているラ
クタイド類の製造方法を追試しても、生成ポリマーの平
均分子量の増大にともない、ポリマー粘度は1万〜数1
0万ポイズと非常な高粘度領域まで上昇し、通常の攪拌
器では攪拌が困難となるばかりか、反応内容物を取り出
すことさえ困難となる。また強力な攪拌器を用い、かつ
攪拌翼を工夫して反応系を攪拌しても、反応内容物は攪
拌翼の回転に従っての層流に近い動きとなり、系内全体
を均一に混合することは困難である。
【0005】また環状エステルの開環重合は発熱を伴う
ため、高粘度化に伴う均一攪拌の困難さによって反応槽
内の温度コントロールが困難になり、反応が暴走した
り、ポリマー中の温度分布が生じ、局所加熱による品質
の劣化が起こる。近年、これらの問題点を解決する為、
可動部分、即ち攪拌機のないスタティック・ミキサー
(SM)が使われ始めてきたが、管内に固定された可動
しないミキシング・エレメントにより、流れを分割・転
換・反転を繰り返す構造の為、流体自身への抵抗が非常
に大きい。すなわち、反応系の圧力損失が非常に大きく
なり、反応器やポンプ等の設計が難しくなる。しかも、
この吐出圧の上限により生産能力の低下が発生する。ま
た、SMの場合、混合すなわち剪断力をコントロールす
べき可動部がない為、ある特定の運転条件のみにしか最
適設計ができず、これ以外の場合すなわち殆どの運転条
件では、混合のコントロールができない為、常に一定以
上の混合不良、熱分布を持ったまま運転せざるを得な
い。さらに、高い圧力損失を低下させる為にSMの口径
すなわち流体が通る断面積を大きくした場合、この混合
不良及び熱分布は極めて大きくなる。これを回避する
為、SMをループ式連続反応装置として使う場合がある
が、ループを増せば混合効果は増すが、その分だけ反応
器内の滞留時間分布が大きくなり、長時間の受熱による
ポリマーの分解・着色の品質劣化は避けられない。又、
ループ部の流量が増える為、設備が巨大化し、設備費が
非常に高くなり実用的ではない。
【0006】特にこれらの環状エステルから製造される
ポリエステル系ポリマーは、生分解性に優れるという特
性を有する反面、酸、アルカリ、あるいは水による加水
分解を受け易く、熱によっても容易に分子量の低下をき
たす性質を有している。例えば、GUPTAM,C,C
olloid Polym.Sol.(DEU)260
(3)308−311,1982には、空気中に於ける
昇温熱重量分析により、ジラクタイドのホモポリマーの
熱分解速度の研究例が報告されているが、密封された反
応容器内に於いてさえ、250℃以上の高温下では加速
された分子量の低下が起こる。加えて、このジラクタイ
ドのホモポリマー及びコポリマーは、高温暴露により着
色が進行するという性質をも有している。即ち、これら
の環状エステルの従来の製造方法では、ポリマーの高分
子量化に伴う高粘度化の為に、均一な混合が妨げられ、
その結果として局部加熱による部分変質を生じ、品質の
低下を来す問題点があり、小規模な研究室での実験では
ともかくも、大規模な工業生産にはより好ましい製造方
法が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明が解決
しようとする課題は、高分子量のポリエステル系ポリマ
ーを工業的に製造する際に問題となる反応物の高粘度化
に起因する均一混合の困難さ、除熱の困難さ及び高圧力
損失による生産性の低下を解決し、優れた品質のポリエ
ステル系ポリマーを連続的に製造する製造方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
問題点に鑑み、ポリエステル系ポリマーの攪拌・混合方
法、圧力損失を低下させる方法、更にその連続製造方法
について鋭意検討した結果、塔型連続反応装置(A)
(以下、「連続反応装置(A)」と称する)を用いるこ
とにより、重合液の粘度が高くても、反応内容物の良好
な混合が可能で、効率的に重合熱を除去でき、低い圧力
損失で安定な運転で分解や着色の無い高分子量のポリマ
ーを高品質、高効率かつ、高生産性で得られる事を見出
して本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は特定の連続反応装置(A)
に、1種以上のラクトンを連続的に供給し、開環重合さ
せることを特徴とするポリエステル系ポリマーの連続製
造法(以下、単に連続製造法とも云う)を提供する。ま
た、前記連続製造法において重合成分100重量部に対
して20重量部以下の溶剤を加えて反応させる連続製造
法、1種以上のラクトンを攪拌機を有する攪拌式反応槽
で重合させた後連続反応装置(A)を用いて、更に重合
反応を進める連続製造法、撹拌式反応槽で反応槽内温度
を重合温度まで上昇させ重合を開始させた後、連続反応
装置(A)を用いて、更に重合反応を進める連続製造
法、攪拌翼付き塔型連続反応器を使用したループ式反応
装置(B)(以下、「ループ式反応装置(B)」と称す
る)内に反応物を循環させて重合させる連続製造法、或
いは重合原料を不活性ガス雰囲気下で溶融または溶剤に
溶解させて、連続反応装置(A)に供給する連続製造法
等を提供する。さらには前記連続製造法において、連続
反応装置(A)を用いて重合させた後、該連続反応装置
(A)に連結した脱揮装置に於いて、生成ポリマー中の
残存モノマー及び/または溶剤を除去・回収し、回収モ
ノマー及び/または溶剤を再使用する連続製造法、ラク
トンがε−カプロラクトンである連続製造法、並びに前
記連続反応装置(A)が攪拌翼付きであることを特徴と
するポリエステル系ポリマーの連続製造法を提供するも
のである。
【0010】本発明は更に、連続反応装置(A)に、1
種以上のヒドロキシカルボン酸の二分子間環状エステル
と、水酸基及び/またはエステル結合を有する1種以上
のポリマーを連続的に供給し、共重合させることを特徴
とするポリエステル系ポリマーの連続製造法を提供す
る。また、前記連続製造法において重合成分100重量
部に対して20重量部以下の溶剤を加えて反応させる連
続製造法、特にヒドロキシカルボン酸の二分子間環状エ
ステルがジラクタイド及び/またはジグリコライドであ
る連続製造法、或いは、1種以上のヒドロキシカルボン
酸の2分子間環状エステルと、水酸基及び/またはエス
テル結合を有する1種以上のポリマーを攪拌機を有する
攪拌式反応槽で重合させた後、連続反応装置(A)を用
いて、更に重合反応を進める連続製造法、撹拌式反応槽
で反応槽内温度を重合温度まで上昇させ重合を開始させ
た後、連続反応装置(A)を用いて、更に重合反応を進
める連続製造法、ループ式反応装置(B)内で反応物を
循環させて重合させる連続製造法、重合原料を不活性ガ
ス雰囲気下で溶融または溶剤に溶解させて、連続反応装
置(A)に供給する連続製造法、または連続反応装置
(A)を用いて重合させた後、該連続反応装置(A)に
連結した脱揮装置において、生成ポリマー中の残存モノ
マー及び/または溶剤を除去・回収し、回収モノマー及
び/または溶剤を再使用する連続製造法、並びに前記連
続反応装置(A)が攪拌翼付きであることを特徴とする
ポリエステル系ポリマーの連続製造法を提供するもので
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明に用いられる連続反応装置(A)について説明す
る。本発明で云う連続反応装置(A)とは、通常の完全
混合型の攪拌式反応装置に対して、押し出し流れ性をも
った、いわゆるピストンフロー型の塔型反応装置を付け
たものを云う。より具体的には、ピストンフロー性の指
標として使われる完全混合槽列数換算で2〜100個、
より好ましくは10〜60槽の槽数を持ち、各槽内で
は、完全混合槽を達成し、各槽間では、逆流すなわちバ
ックミキシングのないピストンフロー性を持たせる様に
設計された反応装置を云う。このためには、攪拌翼付き
反応装置であることが好ましい。
【0012】攪拌翼付き塔型連続反応装置の種類によっ
ては、攪拌翼自身に液体の送り機構がなくただ完全混合
のみを目的とするものもあり、又、攪拌翼自身に混合及
び送り機構をもつものもある。又、塔外局部に熱交換の
為のジャケットが備えられているもの、塔内部に熱交換
の為のチューブやエレメント等が備えられているもの、
さらに、攪拌翼自体に熱媒体を通す熱交換の為のチュー
ブが備えられているものもある。また、相当槽数をコン
トロールする目的で、塔内部にしきり板等で物理的に槽
を区切ってしまうタイプもあり、攪拌翼の数や構造及び
塔の構造のみで工夫するタイプもある。又、攪拌翼付き
塔型連続反応装置の種類によっては、それ自体の構造に
よって、竪型タイプと横型タイプがある。
【0013】熱分解性を有する本ポリエステル系ポリマ
ーの製造においては、樹脂粘度が1万ポイズを越えるよ
うな高粘度領域では、重合熱はもとより、攪拌剪断応力
により発生する攪拌熱の発生が激しいので、単純な完全
混合型の動的攪拌では局部発熱が激しく分子量低下や着
色などの品質劣化を引き起こす。又、SMを使った場合
は、剪断力のコントロールができない為、設計から少し
でもはずれた運転をした場合、やはり混合が不十分とな
り品質劣化を発生する。これを回避するため、SMでル
ープを組んで混合効果を高めた場合、逆に滞留時間分布
が大きくなり、同様に品質劣化を発生する。従って、熱
分解性を有する本ポリエステル系ポリマーの製造におい
ては、攪拌翼の回転数によって剪断力すなわち、混合を
コントロールでき、かつピストンフロー性の為滞留時間
が短く滞留時間分布の狭い連続反応装置(A)の使用が
特に好ましい。
【0014】また連続反応装置(A)は通常塔状であ
る。複数の攪拌翼付き塔型連続反応装置を直列に連結
し、不活性ガス雰囲気下で原料仕込口から原料を連続的
に供給し、反応物が該反応装置内を連続的に移動するこ
とにより、反応を連続的にしかも外部大気に全く触れる
ことなく行うことが出来る。このようにして原料仕込み
から、反応、ポリマーの脱揮、未反応モノマー及び/ま
たは溶剤の回収、ポリマーのペレット化までを行うこと
が出来る。これは従来のバッチ式反応装置による製造で
は得られない利点であり、特に本発明に用いられる酸
素、水分、ポリマーによっては更に光により分解する分
解性ポリマーの製造に極めて適した製造方法である。
【0015】また本発明において使用される連続反応装
置(A)は、その外部に熱交換器を設けたり、内部に熱
交換用のチューブやエレメントを配することにより、反
応器内の温度を制御することができる。また更に内部の
攪拌翼自体に媒体を流し、より広い熱交換面積を得るこ
とにより、さらに加えて、攪拌翼の回転数を制御するこ
とによって熱伝達率を上昇させ、最も効率的に反応装置
内の温度を制御することができる。
【0016】連続反応装置(A)を用いる本発明の構成
は、製造するポリマーの性質により種々の構成をとり得
る。即ち、連続反応装置(A)のみで全ての重合反応を
行うこともできるが、連続反応装置(A)をポリマーが
高粘度化する反応後半に用いて、特にその攪拌効果を顕
著に発揮させることができる。反応初期におけるポリマ
ー粘度の比較的低い段階では、通常の攪拌機を有する撹
拌式反応槽において反応させ、重合が進んだ後半のポリ
マーが高粘度化する工程を連続反応装置(A)で反応さ
せることもできる。より具体的には撹拌機を有する撹拌
式反応槽で反応槽内温度(反応温度とも云う)を重合反
応温度付近の180℃程度まで上昇させ、重合を開始さ
せた後、重合液を連続反応装置(A)に移送し、さらに
重合反応を進める。触媒は、別途、少量の低温モノマー
に溶解させておいて、昇温後原料モノマーに混合する方
がよい。常温のまま、僅かに重合した状態で、連続反応
装置(A)に送液すると周囲のみの重合が進行し、真中
部分の重合が進まず、真中部分の重合していない部分の
みが早く通過してしまう。結果として残存モノマーが減
らない状態となる。それ故、本発明では攪拌機を有する
反応槽と、これに連結した連続反応装置(A)により構
成される連続反応装置も用いることができる。また重合
の初期段階で、ポリマー粘度は低いが、重合発熱が著し
いものには、攪拌翼付き塔型連続反応器を直列につない
だ連続反応装置(A)を用いることが好ましく、更に1
基又は複数の攪拌翼付き塔型連続反応器を直列あるいは
並列に配置した反応器を配管で循環できるように繋いだ
ループ式反応装置(B)(以下にループ式循環重合ライ
ンまたはループ式反応装置(B)と称することがある)
において反応させることが好ましい。
【0017】即ち、攪拌翼付き塔型連続反応器内で反応
させた重合液を、一度の通過、ワンパスもしくはワンス
ルーで反応装置から抜き出すのではなく、ループ式に再
度反応装置に戻して循環させることにより、反応熱の大
きな重合領域で反応物による除熱と混合を行い、次にこ
のループ式循環重合ラインに連結された連続反応装置
(A)により、更に重合させる構成の重合装置を用いる
ことがより好ましい。
【0018】原料供給速度、言い換えれば、反応内容物
の線速度は、混合効率及び除熱効率に直接関係する因子
であるので、製造するポリマーの重合度、粘度および発
熱量に合わせて各々選択する。但し、攪拌翼の回転数制
御により、混合・除熱効果をコントロールできるので、
幅広い運転条件に対応できる。また本発明において使用
する重合原料は、生分解性または加水分解性を有するも
のであるので、酸素または水分による重合原料の分解を
抑える為、重合原料を窒素ガス等の不活性ガスを流しな
がら、供給原料のモノマーもしくはポリマーのいずれか
融点もしくは軟化点の低い方の融点もしくは軟化点以上
の温度で片方のモノマーもしくはポリマーを加熱溶融さ
せ、それに他方の高い融点もしくは軟化点を有するモノ
マー及び/またはポリマーを溶解させるか、もしくは原
料モノマー及び/またはポリマーを溶剤に溶解させて、
連続反応装置(A)に供給する。
【0019】本発明では連続反応装置(A)において、
反応性モノマー及び/またはポリマーから成る重合成分
を溶剤の非存在下で塊状重合で行うことができるが、反
応液の粘度を調整する目的で、重合反応に悪影響を与え
ない溶剤の存在下に反応を行うこともできる。反応系に
溶剤を加えた場合は、反応系の粘度を低下させることが
できる為、シェアの低下による均一混合の一層の向上が
図れ、また完全混合槽列数すなわち塔長を短くすること
ができ、混合に必要な流速を得る為の圧力を低下せし
め、反応装置全体の耐圧設計を低く抑えることができ
る。
【0020】反応系に添加できる溶剤は、重合原料のモ
ノマー及び/またはポリマー及び生成ポリマーと反応せ
ず、重合原料のモノマー及び/またはポリマー及び生成
ポリマーに対する溶解性が良く、かつ回収・再使用が容
易な溶剤であればよい。具体的例としては、トルエン、
キシレン、エチルベンゼン等が好ましく用いられる。反
応系に加える溶剤量は、重合原料のモノマー及び/また
はポリマーから成る重合成分100重量部に対して20
重量部以下で用いることが好ましく、全反応を通じての
反応液の最高粘度を50000ポイズ以下に調整するこ
とが好ましい。 この範囲の溶剤量であれば反応速度は
大きな影響を受けることはなく、得られる生成ポリマー
の分子量が低下することもない。但し、ここで云う溶剤
量は、連続反応での定常状態での溶剤量を表し、本発明
の連続反応開始時においては、反応系に加える溶剤量
は、重合原料のモノマー及び/またはポリマーから成る
重合成分100重量部に対して20重量部以上の量で用
いられる。これは急激な重合反応が起こらないように、
溶剤で反応系を希釈して反応を開始し、以後、様子を見
ながら徐々に重合原料のモノマー及び/またはポリマー
から成る重合成分の比率、反応温度を高めて行き、重合
反応を開始する。
【0021】従って、本発明でいう重合原料のモノマー
及び/またはポリマーからなる重合成分100重量部に
対して20重量部以下の溶剤量とは、定常連続反応状態
での反応系に加える溶剤量を意味する。溶剤の添加時期
は、原料仕込みの段階であってもよいし、また連続反応
装置(A)の混合能力は極めて良好で、高粘度の溶液と
溶剤も容易に均一に混合できるので、反応途中の発熱量
が著しい重合段階で、冷却を目的に反応系に加えること
もできる。また重合後期で高分子量化した生成ポリマー
により反応液の粘度が極めて増加した時点で、反応系に
添加することもできる。また反応途中で反応系中に溶剤
を添加する場合には、添加する溶剤に更に重合原料のモ
ノマー及び/またはポリマーを溶解させて、反応系に加
えることもできるし、その他の添加剤、例えば、分子量
調節剤、可塑剤、酸化防止剤等を溶剤に溶解させて、反
応系に加えることもできる。
【0022】連続反応装置(A)で、溶剤を加えた場合
のポリエステル系ポリマーの重合反応における系内の圧
力は、用いる重合原料のモノマー及び/またはポリマー
により異なるが、一般に2〜15kg/cm2 、通常は
10kg/cm2 以下、重合反応系での滞留時間(反応
時間)は一般に1〜8時間である。連続反応停止時に
は、溶剤比率を徐々に高めて行き、反応系内の生成ポリ
マー及び未反応原料モノマー及び/またはポリマーを連
続反応装置外に抜き出すとともに、反応を停止する。こ
の場合の溶剤比率も定常状態の溶剤比率からは外れ、2
0重量部以上となる。また無溶剤で反応を行う場合に
は、反応開始時は反応温度を低く設定し、生成ポリマー
を連続反応装置から取り出すことなく、原料仕込口にリ
サイクルし、反応装置内に原料モノマー及びポリマーを
数回循環させた後、徐々に反応温度を高め、重合反応を
行わせる。
【0023】本発明の連続反応装置(A)での反応率は
85%以上であれば好ましく、未反応モノマーは脱揮装
置によって回収し、再度原料として使用する。回収未反
応モノマーは連続的に原料仕込槽に戻すこともできる
し、一旦クッションタンクに貯蔵し、原料モノマーとタ
ンク内で混合してから反応に用いることもできる。反応
率が85%以上のものであっても、残存モノマーは反応
性であり、製品ポリマー中に残存すると貯蔵安定性に影
響を与え、またヒトに対する安全性や臭気の面からも残
存モノマー、オリゴマーは好ましくない為、除去するこ
とが望ましい。それ故、本発明では、未反応モノマーの
回収・再利用と併せて、ポリマー物性の改質を図る為
に、連続反応装置(A)でポリエステル系ポリマーを重
合させた後、連続反応装置(A)に接続した脱揮装置に
於いて生成ポリマー中の残存モノマー、オリゴマーまた
は溶剤を分離・回収する。回収された溶剤は回収モノマ
ーと分離され、貯蔵タンクに貯蔵され、必要に応じて再
使用される。
【0024】具体的な脱揮方法としては、重合反応終了
後の生成ポリマーをまず連続反応装置(A)に接続した
プレヒーターにおいて、ポリマーに十分な流動性を与え
ることと脱揮物の蒸発潜熱相当の熱を与えることを目的
に、加熱溶融させる。本発明の実施に係わる脱揮装置は
単なるフラッシュ・タンクを用いて脱揮するものでもよ
く、縦型の脱揮装置で一段階の脱揮装置を用い、残存モ
ノマー及び/または溶剤が脱揮される温度にて脱揮を行
うことができる。しかしながら、本発明では二段階の脱
揮槽の組み合わせにより脱揮を行うことがより好まし
い。即ち、第一段目の脱揮装置内では真空度20〜15
0mmHgで脱揮を行い、第二段目の脱揮装置内で更に
高い真空度、即ち、真空度1〜20mmHgで、脱揮
し、未反応モノマーを分離・回収する。真空装置は通常
のものを使用でき、フラッシュ式脱揮装置を用いること
もできるし、薄膜式脱揮装置を用いることもできる。
【0025】脱揮後、脱揮されたポリマーを脱揮装置の
底部からギアポンプにより抜き出し、ペレット化するこ
ともできる。またベント式押出し機によって、ポリマー
を直径0.3〜3mmの口径を有する複数の線状ポリマ
ーとして押し出し、脱揮装置内に連続的に供給して脱揮
することもできる。あるいは必要に応じて添加剤をエク
ストルーダー、スタティック・ミキサー等により混合し
た後、ペレット化することもできる。また未反応モノマ
ーは更にコンデンサーにより冷却、回収し、再度原料モ
ノマーとともに反応に供することができる。
【0026】回収された未反応モノマーは連続反応が定
常状態に達した後は、連続的に原料仕込槽にリサイクル
され、連続的に反応に使用される。また分離・回収され
た溶剤はコンデンサーにより冷却・回収後は、溶剤タン
ク内に貯蔵され必要に応じて再使用される。反応原料と
してポリマーを用いた場合は、未反応ポリマーが生成ポ
リマー中に侵入することを防ぐ為に、原料モノマーの原
料ポリマーに対する構成比を多くし、未反応モノマーを
回収、再使用することが好ましい。本発明においては、
連続的にこれらの脱揮装置を用いることによって、製造
されるポリエステル系ポリマー中の残存モノマー含量を
1%以下にすることができる。
【0027】次に本発明で用いられるポリエステル系ポ
リマーの重合成分について説明する。本発明で用いられ
るラクトンとは、分子内環状エステル構造を有するもの
を言い、具体的には、例えばε−カプロラクトン、α,
α−ジメチル−β−プロピオラクトン、ドデカノラクト
ン、β−プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラ
クトン、3−アルキルバレロラクトン、β,β−ジアル
キルバレロラクトン、ヒドロキシシクロヘキサンカルボ
ン酸のラクトン、イソクマリン、クマリン、ヒドロキシ
クマリン、フタライド等である。これらのうち、ε−カ
プロラクトンが好ましく用いられる。
【0028】これらは単独で開環重合させ、ポリエステ
ル系ポリマーを製造させることができるが、1種以上の
ヒドロキシカルボン酸の二分子間環状エステルと共重合
させることも出来る。その場合、二分子間環状エステル
とラクトンの重合比率は、目的とするポリマーにより種
々変えることができるが、二分子間環状エステルとラク
トンの組み合わせを種々選定することによって、互いに
好ましい性質を付加させることができる。例えば、ジラ
クタイドとε−カプロラクトンまたはジグリコライドと
の共重合体は靱性、柔軟性等に優れ、未延伸でのフィル
ム化が可能になる。またクマリンとの共重合体は熱安定
性に優れる利点を有する。一般的に透明な樹脂を得る目
的ではジラクタイドとの共重合が好ましく、その場合の
ジラクタイドと他のモノマーとの重合モル比率(ジラク
タイドのモル/他のモノマーのモルの比)は1以上であ
ることが好ましい。
【0029】本発明で云うヒドロキシカルボン酸の二分
子間環状エステルとは、二分子のヒドロキシカルボン酸
が分子間で脱水環状エステル化したものであり、例え
ば、一部は一般式1で表される乳酸、グリコール酸、エ
チルグリコール酸およびジメチルグリコール酸の二分子
間環状エステルであるジグリコライド、ジラクタイド、
ジエチルグリコライド、メチルグリコライド、α,α−
ジメチルグリコライド、トリメチルグリコライド、テト
ラメチルグリコライド、またL−乳酸またはD−乳酸が
各々、二分子間で環状エステル化したL−ジラクタイ
ド、D−ジラクタイド、D,L−乳酸の二分子が環状エ
ステル化したD.L−ジラクタイド、L−乳酸またはD
−乳酸の一分子づつが環状エステル化したMESO−ジ
ラクタイド等のジラクタイド類、あるいはα−ヒドロキ
シ酢酸、α−ヒドロキシ吉草酸、α−ヒドロキシイソ吉
草酸、α−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシイソ
カプロン酸、α−ヒドロキシ−β−メチル吉草酸、α−
ヒドロキシヘプタン酸、α−ヒドロキシオクタン酸、α
−ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシミリスチン酸、
α−ヒドロキシスチアリン酸のヒドロキシ酸類の二分子
間環状エステルを云う。
【0030】
【化1】
【0031】本発明に用いられる二分子間環状エステル
は目的とするポリマーの特性により選定され、かつ2種
以上組み合わせて用いることが出来る。例えば、ジラク
タイドとジグリコライドのコポリマーとしてジラクタイ
ドを用いる場合であっても、単にジラクタイドとしてL
−ジラクタイドまたはD−ジラクタイドのみを用いるの
ではなく、L−ジラクタイド、D−ジラクタイド、D,
L−ジラクタイド、MESO−ジラクタイドから選ばれ
る2種以上のジラクタイドをジグリコライドに組み合わ
せることによって、樹脂の結晶性の観点から成形性や透
明性、耐熱性において、より好ましい樹脂特性を実現で
きる。
【0032】また本発明では、1種以上の二分子間環状
エステルと、水酸基及び/またはエステル結合を有する
1種以上のポリマーを共重合させてポリエステル系ポリ
マーを製造できる。水酸基を有するポリマーとしては、
ポリビニルアルコール、澱粉、セルロース、セルロース
エーテルであり、これらを用いた場合はグラフト系重合
に近い重合体が得られ易く、ポリオキシアルキレンエー
テルはブロック系重合に近い重合体が得られ易い。
【0033】またエステル結合を有するポリマーとして
は、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/エチレン共重合体、
ポリカーボネートであり、水酸基及びエステル結合を有
するポリマーとしては、セルロースエステル、ポリエス
テルが挙げられる。
【0034】本発明にはこれらの1種以上のポリマーま
たはこれらの混合物を特に制限なく用いることができる
が、用いるポリマーの分子量の比較的大きなもの、具体
的には重量平均分子量(Mw)5,000〜300,0
00、更に好ましくは重量平均分子量3,000〜20
0,000を有し、融点が200℃以下であるものが好
ましく、 更に相溶性の点から、セルロースエステルで
は含有水酸基の43〜65%がエステル化されているも
のが好ましく、また酢酸ビニル/エチレン共重合体で
は、酢酸ビニル/エチレンのモル比が60/40以上の
ものが好ましい。またポリエステルは融点200℃以
下、分子量10000以上のものが好ましい。
【0035】これら二分子間環状エステルと、水酸基及
び/またはエステル結合を有するポリマーとが、共重合
する反応機構は複雑であるが、反応初期では、環状エス
テルの開環重合が優先し、ある程度環状エステルのオリ
ゴマーが生成した後、水酸基及び/またはエステル結合
を有するポリマーとの間での、エステル交換反応が進行
して、共重合体が生成されるものと考えられる。更に、
環状エステルとしてジラクタイドを用い、ジラクタイド
の共重合モル比率を1以上とすると、透明な樹脂を得る
ことができる。
【0036】本発明に用いられる重合触媒としては、塩
化チタン、チタン酸テトラブチル、チタン酸テトラプロ
ピル、チタン酸テトラエチル等のチタン系化合物、塩化
第1スズ、臭化第1スズ、ヨウ化第1スズ、2−エチル
ヘキサン酸スズ等のスズ系化合物、塩化亜鉛、酢酸亜
鉛、ステアリン酸亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、塩基性炭
酸亜鉛、ジエチル亜鉛等の亜鉛化合物、アルミニウム化
合物、マグネシウム化合物、バリウム化合物、ジルコニ
ウム化合物、ゲルマニウム化合物等であり、これらは単
独或いは組み合わせて用いる事ができ、その添加量は、
通常0.001〜1.0%であり、更に好ましくは、
0.01〜0.1%の範囲である。
【0037】反応に際しての共重合成分の比率は、目的
とする共重合ポリマーの求められる性質によって異なる
が、二分子間環状エステル(X)とラクトン(Y)の共
重合に際しては、X/Yのモル比率は通常は99/1〜
1/99、好ましくは98/2〜50/50、更に好ま
しくは95/5〜75/25であり、ジラクタイド
(X)とジグリコライド(Y)の共重合に際しては、X
/Yの比率は通常は99/1〜1/99、好ましくは9
8/2〜50/50、更に好ましくは95/5〜75/
25である。
【0038】また二分子間環状エステル(X)と水酸基
及び/またはエステル結合を有するポリマー(Z)の共
重合に際しては、X/Zの比率は通常は、99/1〜1
/99、好ましくは98/2〜50/50、更に好まし
くは95/5〜75/25である。
【0039】二分子間環状エステル(X)とラクトン
(Y)の共重合ポリマーの溶融粘度は、生成ポリマーの
重量平均分子量および(X)と(Y)の構成比率に依存
するが、通常、重量平均分子量20000〜80000
の生成ポリマーの180℃での溶融粘度は5000〜5
0000ポイズ、重量平均分子量80000〜5000
00の生成ポリマーの溶融粘度は20000〜2000
00ポイズであり、ラクトン(Y)の構成比率が高くな
ると、生成ポリマーの粘度が低下する傾向にある。
【0040】本発明による連続反応装置(A)に、二分
子間環状エステル(X)としてジラクタイド類を用い、
ラクトン(Y)と反応させる場合の、85%の反応収率
で連続反応を行う為の滞留時間(反応時間)は、用いる
ラクトン(Y)の種類により異なるが、重量平均分子量
20000〜80000の生成ポリマーを得る場合に
は、反応温度150〜185℃で一般に2〜8時間、系
内の最大反応圧力2〜10kg/cm2 であり、重量平
均分子量80000〜500000の生成ポリマーを得
る場合には、反応温度150〜185℃で一般に3〜1
0時間、系内の最大反応圧力3〜15kg/cm2 であ
る。
【0041】また二分子間環状エステル(X)としてジ
グリコライド類を用い、ラクトン(Y)と反応させる場
合の、85%の反応収率で連続反応を行う為の滞留時間
(反応時間)は、用いるラクトン(Y)の種類により異
なるが、重量平均分子量20000〜80000の生成
ポリマーを得る場合には、反応温度155〜230℃で
一般に2〜8時間、系内の最大反応圧力2〜10kg/
cm2 であり、重量平均分子量80000〜50000
0の生成ポリマーを得る場合には、反応温度155〜2
30℃で一般に3〜10時間、系内の最大反応圧力3〜
15kgcm2である。
【0042】本発明の重合反応の反応温度は、用いる二
分子間環状エステル、ラクトン、水酸基及び/またはエ
ステル結合を有するポリマーの性質および組み合わせに
より異なるが、通常120〜200℃であり、例えば、
二分子間環状エステル(X)がジラクタイド、メチルグ
リコライド、エチルグリコライドの場合には、ラクトン
(Y)との反応温度は通常125〜200℃、好ましく
は145〜195℃、更に好ましくは150〜185℃
である。
【0043】また二分子間環状エステル(X)がジグリ
コライド、α,α−ジメチルグリコライド、トリメチル
グリコライド、テトラメチルグリコライドである場合の
ラクトン(Y)との反応温度は通常125〜270℃、
好ましくは145〜260℃、更に好ましくは155〜
230℃である。またジラクタイドとジグリコライドの
反応温度は通常125〜270℃、好ましくは145〜
260℃、更に好ましくは155〜230℃である。
【0044】ジラクタイドとジグリコライドの共重合ポ
リマーの溶融粘度は、両者の構成比率並びに生成ポリマ
ーの重量平均分子量に依存するが、通常、重量平均分子
量20000〜80000の生成ポリマーの180℃で
の溶融粘度は5000〜50000ポイズ、重量平均分
子量80000〜500000の生成ポリマーの溶融粘
度は、20000〜200000ポイズであり、ジグリ
コライドの構成比率が高くなると、生成ポリマーの粘度
が低下する傾向にある。
【0045】ジラクタイド類とジグリコライド類を反応
させる場合の85%の反応収率で連続反応を行う為の滞
留時間(反応時間)は、重量平均分子量20000〜8
0000の生成ポリマーを得る場合には、反応温度15
5〜230℃で一般に2〜8時間、系内の最大反応圧力
2〜10kg/cm2 であり、重量平均分子量8000
0〜500000の生成ポリマーを得る場合には、反応
温度155〜230℃で一般に3〜10時間、系内の最
大反応圧力3〜15kg/cm2 である。
【0046】1種以上のラクトンの共重合反応の反応温
度は通常125〜290℃、好ましくは145〜280
℃、更に好ましくは155〜250℃である。1種以上
のラクトンの共重合ポリマーの溶液粘度は、構成ラクト
ンの種類および生成ポリマーの重量平均分子量に依存す
るが、通常、重量平均分子量10000〜80000の
生成ポリマーの180℃での溶融粘度は2000〜20
000ポイズ、重量平均分子量80000〜50000
0の生成ポリマーの溶融粘度は5000〜100000
ポイズである。
【0047】1種以上のラクトン類を反応させる場合
の、85%の反応収率で連続反応を行う為の滞留時間
(反応時間)は、重量平均分子量20000〜8000
0の生成ポリマーを得る場合には、反応温度155〜2
50℃で一般に2〜8時間、系内の最大反応圧力2〜1
0kg/cm2 であり、重量平均分子量80000〜5
00000の生成ポリマーを得る場合には、反応温度1
55〜250℃で一般に3〜10時間、系内の最大反応
圧力3〜15kg/cm2 である。
【0048】また二分子間環状エステル(X)と水酸基
及び/またはエステル結合を有するポリマー(Z)の共
重合反応の反応温度は、二分子間環状エステル(X)が
ジラクタイド、メチルグリコライド、エチルグリコライ
ド、ジグリコライド、α,α−ジメチルグリコライド、
トリメチルグリコライド、テトラメチルグリコライドで
あり、水酸基及び/またはエステル結合を有するポリマ
ー(Z)がセルロースエステル、セルロースエーテル、
ポリオキシアルキレンエーテルの場合には、通常125
〜200℃、好ましくは145〜195℃、更に好まし
くは150〜185℃である。
【0049】また二分子間環状エステル(X)がジラク
タイド、メチルグリコライド、エチルグリコライドであ
り、水酸基及び/またはエステル結合を有するポリマー
(Z)がセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸
ビニル、酢酸ビニル/エチレン共重合体、芳香族ポリエ
ステル、脂肪族ポリエステル、ホリカーボネートの場合
には、通常反応温度は125〜200℃、好ましくは1
45〜195℃、更に好ましくは150〜185℃であ
る。
【0050】更に二分子間環状エステル(X)がジグリ
コライド、α,α−ジメチルグリコライド、トリメチル
グリコライド、テトラメチルグリコライドであり、水酸
基及び/またはエステル結合を有するポリマー(Z)が
セルロース、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、
酢酸ビニル/エチレン共重合体、芳香族ポリエステル、
脂肪族ポリエステル、ポリカーボネートの場合には、通
常反応温度は125〜270℃、好ましくは145〜2
60℃、更に好ましくは155〜230℃である。
【0051】二分子間環状エステル(X)と水酸基及び
/またはエステル結合を有するポリマー(Z)との共重
合ポリマーの溶融粘度は、生成ポリマーの重量平均分子
量および(X)と(Z)の構成比率に依存するが、ポリ
マー(Z)は重量平均分子量10000以上、180℃
における溶融粘度10000ポイズ以上のものを用いる
と、通常、重量平均分子量20000〜80000の生
成ポリマーの180℃での溶融粘度は5000〜500
00ポイズ、重量平均分子量80000〜500000
の生成ポリマーの溶融粘度は20000〜200000
ポイズである。
【0052】二分子間環状エステル(X)としてジラク
タイド類を用いて、水酸基及び/またはエステル結合を
有するポリマー(Z)と反応させる場合の、85%の反
応収率で連続反応を行う為の滞留時間(反応時間)は、
重量平均分子量20000〜80000の生成ポリマー
を得る場合には、反応温度155〜185℃で一般に2
〜8時間、系内の最大反応圧力2〜10kg/cm2
あり、重量平均分子量80000〜500000の生成
ポリマーを得る場合には、反応温度150〜185℃で
一般に3〜10時間、系内の最大反応圧力3〜15kg
/cm2 である。
【0053】二分子間環状エステル(X)としてジグリ
コライド類を用いて、水酸基及び/またはエステル結合
を有するポリマー(Z)と反応させる場合の、85%の
反応収率で連続反応を行なう為の滞留時間(反応時間)
は重量平均分子量20000〜80000の生成ポリマ
ーを得る場合には、反応温度155〜230℃で一般に
2〜8時間、系内の最大反応圧力2〜10kg/cmで
あり、重量平均分子量80000〜500000の生成
ポリマーを得る場合には、反応温度155〜230℃で
一般に3〜10時間、系内の最大反応圧力3〜15kg
/cm2 である。
【0054】上述した系内の最大反応圧力は、無溶剤下
での反応条件であり、反応系に溶剤を用い、反応系の粘
度を60000ポイズ以下に調整した場合には、上述の
反応系の系内の最大反応圧力を更に低下せしめることが
でき、一般には10kg/cm2 以下となるが、反応装
置の設計条件は最大反応圧力2〜15kg/cm2 、滞
留時間1〜8時間とすることが安全上好ましい。
【0055】また本発明では、目的に応じ、水、乳酸、
グリコール酸及び他のアルコールまたはカルボン酸等の
分子量調節剤(連鎖移動剤)を0.1%まで用い、低分
子量のポリマーを得ることもできる。更に、本発明には
一般に用いられる他のポリマー添加剤である酸化防止
剤、紫外線吸収剤、可塑剤等についても、特に制約無
く、本発明に用いることができ、これらは反応途中で溶
剤に溶解させて反応系に添加することができる。また、
本発明における連続反応の間、先に述べた共重合可能な
成分はもとより、イソシアネート類、酸無水物、エポキ
シ基を有する化合物等を更に追加添加する事も可能であ
り、ポリマーの性能を改質することができる。
【0056】本発明は連続反応装置(A)にヒドロキシ
カルボン酸の二分子間環状エステル、ラクトン、水酸基
及び/またはエステル結合を有するポリマーから成る群
から選ばれるモノマーもしくはポリマーを連続的に供給
し、溶剤の存在下または非存在下に、反応物が大気中の
酸素、水分に全く触れない状態で、重合反応温度125
〜270℃、反応系内圧力2〜15kg/cm2 の条件
で、ワンパスでの反応率85%以上で連続的に反応さ
せ、次いで脱揮により残存モノマー及び溶剤を除去・回
収し再使用する、溶融粘度500000ポイズ以下の重
量平均分子量10000以上のポリエステル系ポリマー
の連続製造方法である。
【0057】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は、もとよりこれらに限定さ
れるものではない。なお%及び部は、特に記載しない限
り全て重量%および重量部を表す。
【0058】(実施例1)本実施例では、連続反応装置
(A)として内径1/2インチ、長さ50cmの攪拌翼
付き塔型連続反応装置(換算槽列数=20)を、それぞ
れ4基直列に連結し、更に内径3/4インチ、長さ50
cmの攪拌翼付き塔型連続反応装置(換算槽列数=1
5)を4基直列に連結した連続重合装置を用いた。触媒
は触媒供給ポンプにより、主原料供給ポンプの直前で内
径1/4インチ、長さ15.5cmのスタティック・ミ
キサーにより主原料と混合した。原料供給槽にL−ジラ
クタイド95部とε−カプロラクトン5部とを加えて窒
素ガス雰囲気下に加温してL−ジラクタイドを溶解させ
て主原料溶液を調製し、触媒として2−エチルヘキサン
酸スズ0.02部を用い、主原料供給流量250ml/
時間(比重=1)、触媒供給流量:0.5ml/時間
(比重=1)、反応温度:165℃の条件で連続的に供
給し塊状重合せしめた。得られた重合物をペレット化し
た後に、各種の性状や物性測定を行った。測定結果を表
1に示す。
【0059】(実施例2)窒素ガス雰囲気下で調製した
主原料溶液として、L−ジラクタイド85部、ε−カプ
ロラクトン15部、触媒として塩化第一スズ0.03部
を用いる以外は、実施例1と同様にして本発明の重合を
行った後、得られた樹脂をペレット化し、各種の性状、
物性測定を行った。結果を表1に示す。
【0060】(実施例3)窒素ガス雰囲気下で調製した
主原料溶液として、L−ジラクタイド90部、クマリン
10部、触媒として塩化第一スズ0.03部を用いる以
外は、実施例1と同様にして本発明の重合を行った後、
得られた樹脂をペレット化し、各種の性状、物性測定を
行った。結果を表1に示す。
【0061】(実施例4)連続反応装置(A)として内
径0.5インチ、長さ60センチの攪拌翼付き塔型連続
反応装置を4基直列に連結した循環重合ラインと、内径
3/4インチ、長さ50センチの攪拌翼付き塔型連続反
応装置(換算槽列数=15)を4基直列に、循環用ギヤ
ポンプを備えた循環重合ラインより引き続き連結した重
合ラインとからなる重合領域を有する連続重合装置を用
いた。窒素ガス雰囲気下で調製した主原料溶液として、
L−ジラクタイド85部、D−ジラクタイド5部、コハ
ク酸とエチレングリコールとの脂肪族ポリエステル樹脂
(重量平均分子量:7万)10部、触媒としてチタン酸
テトライソプロピル0.04部を用い、主原料供給流
量:400ml/時間、触媒供給流量:1.6ml/時
間、反応温度:175℃、循環重合ラインに循環される
流量:2リットル/時間、還流比:5の条件で連続的に
重合せしめた。得られた重合物を実施例1と同様にペレ
ット化した後に、各種の性状や物性測定を行った。結果
を表1に示す。
【0062】(実施例5)アンカー型の攪拌翼を備えた
第一反応器の槽底排出部より、連続的に第一反応器内部
の重合液をギヤーポンプを用いて実施例1の連続反応装
置(A)に、供給する事が出来るように連結した連続重
合装置を用いた。窒素ガス雰囲気下で調製した主原料溶
液として、L−ジラクタイド85部、MESO−ジラク
タイド5部、ポリエチレンテレフタレート(重量平均分
子量:6000、融点85℃)10部、触媒としては2
−エチルヘキサン酸スズ0.03部を用い、主原料供給
流量:500ml/時間、触媒供給流量:1.5ml/
時間、第一反応器滞留液量:500ml、第一反応器反
応温度:160℃、連続反応装置(A)への供給液流
量:500ml/時間、連続反応装置(A)の反応温
度:175℃の条件で重合せしめた。得られた樹脂を実
施例1と同様にペレット化した後に、各種の性状や物性
測定を行った。結果を表1に示す。
【0063】(実施例6)窒素ガス雰囲気下で主原料溶
液として、トルエン15部、L−ジラクタイド79部、
D−ジラクタイド2部、テレフタル酸、イソフタル酸、
アジピン酸、エチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ールからなるポリエステル樹脂(重量平均分子量:3
万)4部を用いた以外は実施例5の重合条件で重合せし
め、 その後、重合液を熱交換器、脱揮槽等からなる装
置で脱揮処理を行った。脱揮装置の前の熱交換器の温度
は200℃、脱揮槽の真空度は10Torrであった。
得られた樹脂をペレット化した後、各種の性状、物性測
定を行った。結果を表1に示す。
【0064】(実施例7)窒素ガス雰囲気下で調製した
主原料溶液として、L−ジラクタイド90部、ポリエチ
レングリコール(重量平均分子量:20万)10部を用
いる以外は実施例1と同様にして得られた重合物をペレ
ット化し、各種の性状や物性測定を行った。結果を表1
に示す。
【0065】(実施例8)窒素ガス雰囲気下で調製した
主原料溶液として、ε−カプロラクトン90部、δ−バ
レロラクトン10部、触媒として2−エチルヘキサン酸
スズを用いる以外は実施例1と同様にして重合を行った
後、得られた重合物をペレット化し、各種の性状や物性
測定を行った。結果を表1に示す。
【0066】(実施例9)本実施例では、連続反応装置
(A)として内径1/2インチ、長さ60cmの攪拌翼
付き塔型連続反応装置(換算槽列数=20)をそれぞれ
4基直列に連結し、更に、内径3/4インチ、長さ50
cmの攪拌翼付き塔型連続反応装置(換算槽列数=1
5)を4基直列に連結した連続重合装置を用いた。触媒
は触媒供給ポンプにより、主原料供給ポンプの直前で内
径1/4インチ、長さ15.5cmのスタティック・ミ
キサーにより主原料と混合した。窒素ガス雰囲気下で調
製した主原料溶液として、トルエン15部、L−ジラク
タイド79部、D−ジラクタイド2部、テレフタル酸、
イソフタル酸、アジピン酸、エチレングリコールおよび
ネオペンチルグリコールからなるポリエステル樹脂(重
量平均分子量:3万)4部を用い、触媒としては2−エ
チルヘキサン酸スズを0.02部用い、主原料供給流
量:250ml/時間、触媒供給流量:0.8ml/時
間、反応温度:185℃の条件で重合せしめた。重合
後、重合液を熱交換器、脱揮槽等からなる装置で脱揮処
理を行った。尚、脱揮装置の前の熱交換器の温度は20
5℃、脱揮槽の真空度は9Torrであった。得られた
樹脂をペレット化した後、各種の性状、物性測定を行っ
た。結果を表1に示す。
【0067】(比較例1)ヘリカル型の攪拌翼を備えた
反応槽を用いて重合反応を行った。原料溶液組成、反応
温度は実施例1と同様で、6時間重合を行った後に、反
応槽内の各部より重合体をサンプリングし、各種の性状
や物性測定を行った。結果を表2に示す。
【0068】(比較例2)比較例1の反応槽に用いた攪
拌翼をアンカー翼に替え、原料溶液組成、反応温度は実
施例2と同様で6時間重合を行ったのちに、反応槽内の
各部より重合体をサンプリングし、各種の性状や物性測
定を行った。結果を表2に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】表に記載の残存モノマー(%)、数平均分
子量、及び重量平均分子量は、GPC測定により、また
融点については示差熱分析(DSC)法により測定し
た。また表2に記載の、比較例のA、B、C、部とは、
それぞれ反応槽内上層部、反応層内中央部、および反応
槽内下部からサンプリングしたポリマーサンプルの分析
結果を示す。本発明による実施例では、極めて均質性に
優れたポリマーが連続的に得られたのに対し、比較例で
は、同一反応容器の内部に於いてさえも、得られたポリ
マーの性状・物性値の振れが著しいことが判る。
【0072】
【発明の効果】本発明は、開環重合による高分子量ポリ
エステル系ポリマー製造の際の反応物の高粘度化に起因
する均一混合の困難さ及び除熱の困難さを解決し、医
療、塗料、包材分野に於いて有用な優れた品質のポリエ
ステル系ポリマーの連続製造法を提供できる。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塔型連続反応装置(A)に、1種以上の
    ラクトンを連続的に供給し、開環重合させることを特徴
    とするポリエステル系ポリマーの連続製造法。
  2. 【請求項2】 重合成分100重量部に対して20重量
    部以下の溶剤を加えて反応させることを特徴とする請求
    項1に記載のポリエステル系ポリマーの連続製造法。
  3. 【請求項3】 攪拌機を有する攪拌式反応槽で重合させ
    た後、塔型連続反応装置(A)を用いて、更に重合反応
    を進めることを特徴とする請求項1に記載のポリエステ
    ル系ポリマーの連続製造法。
  4. 【請求項4】 塔型連続反応器を使用したループ式反応
    装置(B)に反応物を循環させて重合させることを特徴
    とする請求項1から3のいずれか一項に記載のポリエス
    テル系ポリマーの連続製造法。
  5. 【請求項5】 重合原料を不活性ガス雰囲気下で溶融ま
    たは溶剤に溶解させて、塔型連続反応装置(A)に供給
    することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に
    記載のポリエステル系ポリマーの連続製造法。
  6. 【請求項6】 塔型連続反応装置(A)を用いて重合さ
    せた後、該連続反応装置(A)に連結した脱揮装置に於
    いて、生成ポリマー中の残存モノマー及び/または溶剤
    を除去・回収し、回収モノマー及び/または溶剤を再使
    用することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項
    に記載のポリエステル系ポリマーの連続製造法。
  7. 【請求項7】 ラクトンがε−カプロラクトンであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のポリエステル系ポリマー
    の連続製造法。
  8. 【請求項8】 塔型連続反応装置(A)に、1種以上の
    ヒドロキシカルボン酸の二分子間環状エステルと水酸基
    及び/またはエステル結合を有する1種以上のポリマー
    を連続的に供給し、共重合させることを特徴とするポリ
    エステル系ポリマーの連続製造法。
  9. 【請求項9】 重合成分100重量部に対して20重量
    部以下の溶剤を加えて反応させることを特徴とする請求
    項8記載のポリエステル系ポリマーの連続製造法。
  10. 【請求項10】 ヒドロキシカルボン酸の二分子間環状
    エステルが、ジラクタイド及び/またはジグリコライド
    である請求項8記載のポリエステル系ポリマーの連続製
    造法。
  11. 【請求項11】 攪拌機を有する攪拌式反応槽で重合さ
    せた後、塔型連続反応装置(A)を用いて、更に重合反
    応を進めることを特徴とする請求項8から10のいずれ
    か一項に記載のポリエステル系ポリマーの連続製造法。
  12. 【請求項12】 塔型連続反応器を使用したループ式反
    応装置(B)内に反応物を循環させて重合させることを
    特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載のポ
    リエステル系ポリマーの連続製造法。
  13. 【請求項13】 重合原料を不活性ガス雰囲気下で溶融
    または溶剤に溶解させて、塔型連続反応装置(A)に供
    給することを特徴とする請求項8から10のいずれか一
    項に記載のポリエステル系ポリマーの連続製造法。
  14. 【請求項14】 塔型連続反応装置(A)を用いて重合
    させた後、該反応装置(A)に連結した脱揮装置に於い
    て、生成ポリマー中の残存モノマー及び/または溶剤を
    回収し、再使用することを特徴とする請求項8から10
    のいずれか一項に記載のポリエステル系ポリマーの連続
    製造法。
  15. 【請求項15】 塔型連続反応装置(A)が攪拌翼付き
    であることを特徴とする請求項1または8に記載のポリ
    エステル系ポリマーの連続製造法。
  16. 【請求項16】 攪拌機を有する攪拌式反応槽で反応槽
    内温度を重合反応温度まで上昇させ、重合を開始させた
    後、塔型連続反応装置(A)を用いることを特徴とする
    請求項3または11記載のポリエステル系ポリマーの連
    続製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011529518A (ja) * 2008-07-31 2011-12-08 ピュラック バイオケム ビー.ブイ. ポリエステルの連続製造方法

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JP2015131967A (ja) * 2008-07-31 2015-07-23 ピュラック バイオケム ビー. ブイ. ポリエステルの連続製造方法

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