JPH10184849A - 差動歯車装置 - Google Patents
差動歯車装置Info
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- JPH10184849A JPH10184849A JP33999296A JP33999296A JPH10184849A JP H10184849 A JPH10184849 A JP H10184849A JP 33999296 A JP33999296 A JP 33999296A JP 33999296 A JP33999296 A JP 33999296A JP H10184849 A JPH10184849 A JP H10184849A
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- 238000010168 coupling process Methods 0.000 description 31
- 238000005859 coupling reaction Methods 0.000 description 31
- XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N Silicon Chemical compound [Si] XUIMIQQOPSSXEZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 3
- 239000003921 oil Substances 0.000 description 3
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- 239000010703 silicon Substances 0.000 description 3
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- 229920002545 silicone oil Polymers 0.000 description 1
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- Retarders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】部品点数を増加させることなく、入力トルクに
比例した差動制限トルクを発生させることができる差動
歯車装置を提供する。 【解決手段】本発明の差動歯車装置100は、左右一対
の出力軸10L,10R間の差動を制限する差動制限機
構30と、この差動制限機構30と差動歯車ケース20
とによって形成されるコーンクラッチ40とを備えてい
る。そして、前記コーンクラッチ40は、ピニオンギヤ
24とサイドギヤ26との噛み合いによって生じる接触
圧力によって、サイドギヤ26および差動制限機構30
が軸線C方向に一体に変位させられることによって作動
するようにされている。
比例した差動制限トルクを発生させることができる差動
歯車装置を提供する。 【解決手段】本発明の差動歯車装置100は、左右一対
の出力軸10L,10R間の差動を制限する差動制限機
構30と、この差動制限機構30と差動歯車ケース20
とによって形成されるコーンクラッチ40とを備えてい
る。そして、前記コーンクラッチ40は、ピニオンギヤ
24とサイドギヤ26との噛み合いによって生じる接触
圧力によって、サイドギヤ26および差動制限機構30
が軸線C方向に一体に変位させられることによって作動
するようにされている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両の左右の駆動輪
を回転駆動する差動歯車装置に関し、特に左右一対の出
力軸間の差動を制限する差動制限機構を備えた差動歯車
装置に関する。
を回転駆動する差動歯車装置に関し、特に左右一対の出
力軸間の差動を制限する差動制限機構を備えた差動歯車
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両が旋回走行するときの内外輪
差を吸収するために、駆動軸には差動歯車装置が用いら
れている。ところが通常の差動歯車装置では、左右いず
れかの駆動輪が例えばぬかるみに落ち込んだり路面上の
氷雪等に乗り上げたりして空転を始めると、左右の駆動
輪の両方に駆動力を伝達できなくなるという欠点を有し
ている。このため、近年においては、シリコンオイル等
の高粘性流体中に配置された多数の薄板間に生じる粘性
抵抗を利用して左右一対の出力軸間の差動を制限する、
ビスカスカップリングを備えた差動歯車装置が用いられ
ている。
差を吸収するために、駆動軸には差動歯車装置が用いら
れている。ところが通常の差動歯車装置では、左右いず
れかの駆動輪が例えばぬかるみに落ち込んだり路面上の
氷雪等に乗り上げたりして空転を始めると、左右の駆動
輪の両方に駆動力を伝達できなくなるという欠点を有し
ている。このため、近年においては、シリコンオイル等
の高粘性流体中に配置された多数の薄板間に生じる粘性
抵抗を利用して左右一対の出力軸間の差動を制限する、
ビスカスカップリングを備えた差動歯車装置が用いられ
ている。
【0003】ところで、上述したビスカスカップリング
は、左右一対の出力軸の間に回転数差が生じた場合に差
動制限トルクを発生させるものであるため、レスポンス
が悪く、また、図3に示したように回転数差が大きくな
ると差動制限トルクが頭打ちとなる等のマイナス面を有
している。
は、左右一対の出力軸の間に回転数差が生じた場合に差
動制限トルクを発生させるものであるため、レスポンス
が悪く、また、図3に示したように回転数差が大きくな
ると差動制限トルクが頭打ちとなる等のマイナス面を有
している。
【0004】そこで本発明の出願人は、ビスカスカップ
リングと摩擦クラッチとを組み合わせ、ビスカスカップ
リングの作動室内の圧力が上昇すると前記摩擦クラッチ
が係合し、差動制限トルクを高めるように構成された差
動歯車装置を先に出願している。(実公平3−3284
0号公報参照)
リングと摩擦クラッチとを組み合わせ、ビスカスカップ
リングの作動室内の圧力が上昇すると前記摩擦クラッチ
が係合し、差動制限トルクを高めるように構成された差
動歯車装置を先に出願している。(実公平3−3284
0号公報参照)
【0005】また、本発明の出願人は、ビスカスカップ
リングの作動室内の圧力が上昇すると、ビスカスカップ
リングを形成する壁面が弾性変形して差動歯車ケースと
接触し、差動制限トルクを高めるように構成された差動
歯車装置を先に出願している。(実公平3−42261
号公報参照)
リングの作動室内の圧力が上昇すると、ビスカスカップ
リングを形成する壁面が弾性変形して差動歯車ケースと
接触し、差動制限トルクを高めるように構成された差動
歯車装置を先に出願している。(実公平3−42261
号公報参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ビスカスカップリングと摩擦クラッチを組み合わせた先
願に係る差動歯車装置においては、摩擦クラッチを構成
する部品の点数が増加する分だけコストアップとなって
しまう。 また、上述のビスカスカップリングを形成す
る壁面が弾性変形する先願に係る差動歯車ケースにおい
ては、差動歯車装置に入力するトルクに比例した差動制
限トルクを発生させることができない。
ビスカスカップリングと摩擦クラッチを組み合わせた先
願に係る差動歯車装置においては、摩擦クラッチを構成
する部品の点数が増加する分だけコストアップとなって
しまう。 また、上述のビスカスカップリングを形成す
る壁面が弾性変形する先願に係る差動歯車ケースにおい
ては、差動歯車装置に入力するトルクに比例した差動制
限トルクを発生させることができない。
【0007】そこで、本発明の目的は、部品点数を増加
させることなく、かつ入力トルクに比例した差動制限ト
ルクを発生させることができる差動歯車装置を提供する
ことにある。
させることなく、かつ入力トルクに比例した差動制限ト
ルクを発生させることができる差動歯車装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の差動歯車装置は、互いに同軸な左右一対の
出力軸と、これらの出力軸の軸線周りに回転駆動される
差動歯車ケースと、この差動歯車ケース内に収納され、
かつ前記左右一対の出力軸とそれぞれ一体に回転する左
右一対のサイドギヤと、これらのサイドギヤと噛み合
い、かつ前記差動歯車ケースと一体に前記軸線周りに公
転して前記サイドギヤを回転駆動するピニオンギヤと、
前記左右一対の出力軸間の差動を制限する差動制限機構
を備える。前記差動制限機構は、前記左右一対のサイド
ギヤのいずれか一方と一体に前記軸線方向に変位可能と
され、かつ前記ピニオンギヤと前記サイドギヤとの噛み
合いによって生じる接触圧力によって前記軸線方向に変
位させられた時に係合するコーンクラッチを、前記差動
歯車ケースと共に形成する。
め、本発明の差動歯車装置は、互いに同軸な左右一対の
出力軸と、これらの出力軸の軸線周りに回転駆動される
差動歯車ケースと、この差動歯車ケース内に収納され、
かつ前記左右一対の出力軸とそれぞれ一体に回転する左
右一対のサイドギヤと、これらのサイドギヤと噛み合
い、かつ前記差動歯車ケースと一体に前記軸線周りに公
転して前記サイドギヤを回転駆動するピニオンギヤと、
前記左右一対の出力軸間の差動を制限する差動制限機構
を備える。前記差動制限機構は、前記左右一対のサイド
ギヤのいずれか一方と一体に前記軸線方向に変位可能と
され、かつ前記ピニオンギヤと前記サイドギヤとの噛み
合いによって生じる接触圧力によって前記軸線方向に変
位させられた時に係合するコーンクラッチを、前記差動
歯車ケースと共に形成する。
【0009】すなわち、本発明の差動歯車装置によって
駆動される左右の駆動輪の一方が空転すると、差動制限
機構が左右一対の出力軸間の差動を制限する。すると、
サイドギヤとピニオンギヤとの間の噛み合い圧力が高ま
るので、いずれか一方のサイドギヤと一体とされた差動
制限機構は出力軸の軸線方向に変位させられる。これに
伴い、差動制限機構と差動歯車ケースとが形成するコー
ンクラッチが係合し、機械摩擦による差動制限トルクが
追加的に発生する。そして、この機械摩擦による差動制
限トルクは、ピニオンギヤとサイドギヤとの噛み合い圧
力、すなわちこの差動歯車装置に入力する駆動トルクに
比例するから、入力トルクに比例した差動制限トルクを
得ることができる。また、コーンクラッチは、差動制限
機構と差動歯車ケースとによって形成されるから、部品
点数が増加することもない。
駆動される左右の駆動輪の一方が空転すると、差動制限
機構が左右一対の出力軸間の差動を制限する。すると、
サイドギヤとピニオンギヤとの間の噛み合い圧力が高ま
るので、いずれか一方のサイドギヤと一体とされた差動
制限機構は出力軸の軸線方向に変位させられる。これに
伴い、差動制限機構と差動歯車ケースとが形成するコー
ンクラッチが係合し、機械摩擦による差動制限トルクが
追加的に発生する。そして、この機械摩擦による差動制
限トルクは、ピニオンギヤとサイドギヤとの噛み合い圧
力、すなわちこの差動歯車装置に入力する駆動トルクに
比例するから、入力トルクに比例した差動制限トルクを
得ることができる。また、コーンクラッチは、差動制限
機構と差動歯車ケースとによって形成されるから、部品
点数が増加することもない。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面に基づいて、
本発明に係る一実施形態の差動歯車装置を詳細に説明す
る。ここで、図1は本発明に係る一実施形態の差動歯車
装置の全体縦断面図、図2は本発明の差動歯車装置によ
って得られる差動制限トルクを模式的に示した線図であ
る。
本発明に係る一実施形態の差動歯車装置を詳細に説明す
る。ここで、図1は本発明に係る一実施形態の差動歯車
装置の全体縦断面図、図2は本発明の差動歯車装置によ
って得られる差動制限トルクを模式的に示した線図であ
る。
【0011】図1に示したように、本実施形態の差動歯
車装置100は、互いに同軸とされた左右一対の出力軸
10L,10Rと、これらの出力軸の軸線C周りに回転
駆動される差動歯車ケース20とを備えている。そし
て、前記左右一対の出力軸10L,10Rは、その嵌合
部11L,11Rが差動歯車ケース20の嵌合部21
L,21Rと摺動自在に遊嵌し、差動歯車ケース20に
よって相対回転自在に支持されている。
車装置100は、互いに同軸とされた左右一対の出力軸
10L,10Rと、これらの出力軸の軸線C周りに回転
駆動される差動歯車ケース20とを備えている。そし
て、前記左右一対の出力軸10L,10Rは、その嵌合
部11L,11Rが差動歯車ケース20の嵌合部21
L,21Rと摺動自在に遊嵌し、差動歯車ケース20に
よって相対回転自在に支持されている。
【0012】前記差動歯車ケース20の内部には、前記
軸線Cに直交するピニオンシャフト23が取り付けられ
ている。そして、このピニオンシャフトによって回転自
在に支持されたピニオンギヤ24は、左右一対のサイド
ギヤ25,26と噛み合い、差動歯車ケース20に入力
した駆動トルクをこれらのサイドギヤ25,26に伝達
するようになっている。そして、図示右側のサイドギヤ
25は図示右側の出力軸10Rのスプライン部12Rと
直接嵌合し、両者は一体に回転するようになっている。
軸線Cに直交するピニオンシャフト23が取り付けられ
ている。そして、このピニオンシャフトによって回転自
在に支持されたピニオンギヤ24は、左右一対のサイド
ギヤ25,26と噛み合い、差動歯車ケース20に入力
した駆動トルクをこれらのサイドギヤ25,26に伝達
するようになっている。そして、図示右側のサイドギヤ
25は図示右側の出力軸10Rのスプライン部12Rと
直接嵌合し、両者は一体に回転するようになっている。
【0013】一方、本実施形態の差動歯車装置100
は、左右一対の出力軸10L,10R間の差動を制限す
る、差動制限機構としてのビスカスカップリング30を
備えている。このビスカスカップリング30は、図示左
側のサイドギヤ26に固着されて一体に回転するととも
に、図示左側の出力軸10Lのスプライン部12Lと嵌
合して一体に回転する第1の部材31と、この第1の部
材31に対して相対回転自在に嵌合するとともに、図示
右側の出力軸10Rの先端に形成された第2のスプライ
ン部13Rと嵌合して一体に回転する第2の部材32と
を有している。これら第1および第2の部材31,32
は、前記軸線Cと同軸な環状の作動室33を形成する。
この作動室33内には、シリコンオイル等の高粘性流体
が封入されるとともに、前記第1の部材31と回転方向
に係合する複数枚のアウタプレート34と、前記第2の
部材32と回転方向に係合する複数枚のインナプレート
35とが交互に積層されている。また、第1の部材31
と第2の部材33とが回転嵌合する部分には、シールリ
ング36.37が取り付けられ、作動室33内のシリコ
ンオイルが外部に漏れ出さないようにされている。な
お、このビスカスカップリング30、およびこのビスカ
スカップリング30と一体に回転する図示左側のサイド
ギヤ26は、前記軸線C方向に変位できるように差動歯
車ケース20に支持されている。
は、左右一対の出力軸10L,10R間の差動を制限す
る、差動制限機構としてのビスカスカップリング30を
備えている。このビスカスカップリング30は、図示左
側のサイドギヤ26に固着されて一体に回転するととも
に、図示左側の出力軸10Lのスプライン部12Lと嵌
合して一体に回転する第1の部材31と、この第1の部
材31に対して相対回転自在に嵌合するとともに、図示
右側の出力軸10Rの先端に形成された第2のスプライ
ン部13Rと嵌合して一体に回転する第2の部材32と
を有している。これら第1および第2の部材31,32
は、前記軸線Cと同軸な環状の作動室33を形成する。
この作動室33内には、シリコンオイル等の高粘性流体
が封入されるとともに、前記第1の部材31と回転方向
に係合する複数枚のアウタプレート34と、前記第2の
部材32と回転方向に係合する複数枚のインナプレート
35とが交互に積層されている。また、第1の部材31
と第2の部材33とが回転嵌合する部分には、シールリ
ング36.37が取り付けられ、作動室33内のシリコ
ンオイルが外部に漏れ出さないようにされている。な
お、このビスカスカップリング30、およびこのビスカ
スカップリング30と一体に回転する図示左側のサイド
ギヤ26は、前記軸線C方向に変位できるように差動歯
車ケース20に支持されている。
【0014】また、本実施形態の差動歯車装置100
は、差動歯車ケース20と前記ビスカスカップリング3
0との間に介装されたコーンクラッチ40を備えてい
る。すなわち、差動歯車ケース20を構成する蓋体27
には、前記ビスカスカップリング30の半径方向外側に
延びる、前記軸線Cと同軸な円筒状の突出部28が突設
されている。そして、その内周面は前記軸線Cに対して
傾斜するテーパ面28aとされている。さらに、ビスカ
スカップリング30を構成する前記第1の部材31の外
周面は、前記テーパ面28aと密着可能なテーパ面31
aとされ、両テーパ面28a,31aによってコーンク
ラッチ40が形成されている。
は、差動歯車ケース20と前記ビスカスカップリング3
0との間に介装されたコーンクラッチ40を備えてい
る。すなわち、差動歯車ケース20を構成する蓋体27
には、前記ビスカスカップリング30の半径方向外側に
延びる、前記軸線Cと同軸な円筒状の突出部28が突設
されている。そして、その内周面は前記軸線Cに対して
傾斜するテーパ面28aとされている。さらに、ビスカ
スカップリング30を構成する前記第1の部材31の外
周面は、前記テーパ面28aと密着可能なテーパ面31
aとされ、両テーパ面28a,31aによってコーンク
ラッチ40が形成されている。
【0015】次に、上述のように構成された本実施形態
の差動歯車装置100の作動について説明する。
の差動歯車装置100の作動について説明する。
【0016】まず、差動歯車ケース20に伝達された駆
動力は、ピニオンシャフト23およびピニオンギヤ24
を介し、左右一対のサイドギヤ25,26にそれぞれ分
配される。これにより、図示右側の出力軸10Rは図示
右側のサイドギヤ25によって直接回転駆動される。ま
た、図示左側の出力軸10Lは、図示左側のサイドギヤ
26と一体に回転する第1の部材31によって回転駆動
される。
動力は、ピニオンシャフト23およびピニオンギヤ24
を介し、左右一対のサイドギヤ25,26にそれぞれ分
配される。これにより、図示右側の出力軸10Rは図示
右側のサイドギヤ25によって直接回転駆動される。ま
た、図示左側の出力軸10Lは、図示左側のサイドギヤ
26と一体に回転する第1の部材31によって回転駆動
される。
【0017】本実施形態の差動歯車装置100によって
駆動される左右一対の駆動輪のいずれか一方が空転する
と、左右一対の出力軸10L,10R間に差動回転が生
じる。これにより、ビスカスカップリング30を構成す
る第1および第2の部材31,32の間にも差動回転が
生じるので、作動室33内に収納されたアウタプレート
34とインナプレート35との間には、シリコンオイル
の粘性抵抗に基づく差動制限トルクが発生する。そし
て、この差動制限トルクは左右一対の出力軸10L,1
0R間に作用し、非空転側の駆動輪に駆動力が伝達され
る。
駆動される左右一対の駆動輪のいずれか一方が空転する
と、左右一対の出力軸10L,10R間に差動回転が生
じる。これにより、ビスカスカップリング30を構成す
る第1および第2の部材31,32の間にも差動回転が
生じるので、作動室33内に収納されたアウタプレート
34とインナプレート35との間には、シリコンオイル
の粘性抵抗に基づく差動制限トルクが発生する。そし
て、この差動制限トルクは左右一対の出力軸10L,1
0R間に作用し、非空転側の駆動輪に駆動力が伝達され
る。
【0018】このとき、ピニオンギヤ24と左右一対の
サイドギヤ25,26との間では、ビスカスカップリン
グ30が発生する差動制限トルクに等しい駆動力が伝達
されるので、ピニオンギヤ24の歯面と左右一対のサイ
ドギヤ25,26の歯面との間には接触圧力が生じる。
すると、差動歯車ケース20の内部で軸線C方向に変位
可能とされた図示左側のサイドギヤ26及びビスカスカ
ップリング30は、前記接触圧力によって押圧され、図
示左側に変位させられる。
サイドギヤ25,26との間では、ビスカスカップリン
グ30が発生する差動制限トルクに等しい駆動力が伝達
されるので、ピニオンギヤ24の歯面と左右一対のサイ
ドギヤ25,26の歯面との間には接触圧力が生じる。
すると、差動歯車ケース20の内部で軸線C方向に変位
可能とされた図示左側のサイドギヤ26及びビスカスカ
ップリング30は、前記接触圧力によって押圧され、図
示左側に変位させられる。
【0019】これにより、前記コーンクラッチ40を構
成する一対のテーパ面28a,31aが互いに密着して
両者の間に機械摩擦が生じるので、差動歯車ケース20
と第1の部材31との間、すなわち左右一対の出力軸1
0L,10Rの間にはコーンクラッチ40が発生する機
械摩擦トルクに等しい差動制限トルクが付加される。そ
して、前記コーンクラッチ40が発生させる差動制限ト
ルクは、ピニオンギヤ24と左右一対のサイドギヤ2
5,26との間で伝達される駆動力、すなわちこの差動
歯車装置100に入力する駆動力に比例するから、図2
に示したように差動制限トルクが頭打ちになることがな
く、充分に大きな差動制限トルクを確保することができ
る。なお、差動歯車ケース20を構成する前記蓋体27
とビスカスカップリング30を構成する前記第1の部材
31との間には皿ばね38が介装されている。これによ
り、図示左側のサイドギヤ26及びビスカスカップリン
グ30が、ピニオンギヤ24との噛み合いによって図示
左側に変位させられない際には、前記皿ばね38によっ
て図示右側に押し戻され、コーンクラッチ40のテーパ
面28a,31aが離間するようにされている。
成する一対のテーパ面28a,31aが互いに密着して
両者の間に機械摩擦が生じるので、差動歯車ケース20
と第1の部材31との間、すなわち左右一対の出力軸1
0L,10Rの間にはコーンクラッチ40が発生する機
械摩擦トルクに等しい差動制限トルクが付加される。そ
して、前記コーンクラッチ40が発生させる差動制限ト
ルクは、ピニオンギヤ24と左右一対のサイドギヤ2
5,26との間で伝達される駆動力、すなわちこの差動
歯車装置100に入力する駆動力に比例するから、図2
に示したように差動制限トルクが頭打ちになることがな
く、充分に大きな差動制限トルクを確保することができ
る。なお、差動歯車ケース20を構成する前記蓋体27
とビスカスカップリング30を構成する前記第1の部材
31との間には皿ばね38が介装されている。これによ
り、図示左側のサイドギヤ26及びビスカスカップリン
グ30が、ピニオンギヤ24との噛み合いによって図示
左側に変位させられない際には、前記皿ばね38によっ
て図示右側に押し戻され、コーンクラッチ40のテーパ
面28a,31aが離間するようにされている。
【0020】すなわち、本実施形態の差動歯車装置10
0によれば、左右一対の出力軸10L,10R間の差動
回転数に起因してビスカスカップリング30が発生させ
る差動制限トルクと、コーンクラッチ40が発生させる
入力トルクに比例した差動制限トルクとの両方を、左右
一対の出力軸10L,10R間に負荷することができ
る。これにより、ビスカスカップリングのみを用いた従
来の差動歯車装置のように差動制限トルクが頭打ちにな
ることがなく、充分に大きな差動制限トルクを確保する
ことができる。
0によれば、左右一対の出力軸10L,10R間の差動
回転数に起因してビスカスカップリング30が発生させ
る差動制限トルクと、コーンクラッチ40が発生させる
入力トルクに比例した差動制限トルクとの両方を、左右
一対の出力軸10L,10R間に負荷することができ
る。これにより、ビスカスカップリングのみを用いた従
来の差動歯車装置のように差動制限トルクが頭打ちにな
ることがなく、充分に大きな差動制限トルクを確保する
ことができる。
【0021】また、本実施形態の差動歯車装置100の
コーンクラッチ40は、差動歯車ケース20とビスカス
カップリング30とによって形成され、部品点数は従来
の差動歯車装置と同一であるから、部品点数の増加によ
る製造コストの上昇を避けることができる。
コーンクラッチ40は、差動歯車ケース20とビスカス
カップリング30とによって形成され、部品点数は従来
の差動歯車装置と同一であるから、部品点数の増加によ
る製造コストの上昇を避けることができる。
【0022】以上、本発明に係る差動歯車装置の一実施
形態について詳しく説明したが、本発明は上述した実施
形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可
能であることは言うまでもない。 例えば、上述した実
施形態においては、左右一対の出力軸の間の差動を制限
する差動制限機構としてビスカスカップリングを用いて
いるが、ハイドロリック・カップリング・ユニットやロ
ータリーブレード・カップリング若しくはオリフィス・
カップリング・ユニット等の、他のトルク伝達手段を用
いることもできる。
形態について詳しく説明したが、本発明は上述した実施
形態によって限定されるものではなく、種々の変更が可
能であることは言うまでもない。 例えば、上述した実
施形態においては、左右一対の出力軸の間の差動を制限
する差動制限機構としてビスカスカップリングを用いて
いるが、ハイドロリック・カップリング・ユニットやロ
ータリーブレード・カップリング若しくはオリフィス・
カップリング・ユニット等の、他のトルク伝達手段を用
いることもできる。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の差動歯車装置は、左右一対の出力軸間の差動回転に応
じた差動制限トルクを発生させるビスカスカップリング
等の差動制限機構と、ピニオンギヤと左右一対のサイド
ギヤとの噛み合いによって生じる接触圧力に応じた差動
制限トルクを発生させるコーンクラッチとの両方を用い
て差動制限トルクを得るように構成したものであるか
ら、従来のビスカスカップリングのみを用いた差動歯車
装置のように差動制限トルクが頭打ちになることがな
く、入力トルクに比例した差動制限トルクを得ることが
できる。また、前記コーンクラッチを、差動歯車ケース
と左右一対の出力軸間の差動を制限する差動制限機構と
により形成するので、前記差動制限機構のみを用いた従
来の差動歯車装置と比較して部品点数の増加がなく、製
造コストの上昇を避けることができる。さらに、本発明
の差動歯車装置は、左右一対の出力軸間の回転差に感応
できるのみならず、左右一対の出力軸間のトルク差にも
感応できるので、レスポンスが良い。
の差動歯車装置は、左右一対の出力軸間の差動回転に応
じた差動制限トルクを発生させるビスカスカップリング
等の差動制限機構と、ピニオンギヤと左右一対のサイド
ギヤとの噛み合いによって生じる接触圧力に応じた差動
制限トルクを発生させるコーンクラッチとの両方を用い
て差動制限トルクを得るように構成したものであるか
ら、従来のビスカスカップリングのみを用いた差動歯車
装置のように差動制限トルクが頭打ちになることがな
く、入力トルクに比例した差動制限トルクを得ることが
できる。また、前記コーンクラッチを、差動歯車ケース
と左右一対の出力軸間の差動を制限する差動制限機構と
により形成するので、前記差動制限機構のみを用いた従
来の差動歯車装置と比較して部品点数の増加がなく、製
造コストの上昇を避けることができる。さらに、本発明
の差動歯車装置は、左右一対の出力軸間の回転差に感応
できるのみならず、左右一対の出力軸間のトルク差にも
感応できるので、レスポンスが良い。
【図1】本発明に係る一実施形態の差動歯車装置の全体
縦断面図である。
縦断面図である。
【図2】本発明の差動歯車装置によって得られる差動制
限トルクを模式的に示した図である。
限トルクを模式的に示した図である。
【図3】従来のビスカスカップリング付き差動歯車装置
によって得られる差動制限トルクを模式的に示した図で
ある。
によって得られる差動制限トルクを模式的に示した図で
ある。
10L,10R 出力軸 11L,11R 嵌合部 12L,12R スプライン部 13R スプライン部 20 差動歯車ケース 21 嵌合部 22 本体部分 23 ピニオンシャフト 24 ピニオンギヤ 25,26 サイドギヤ 27 蓋体 28 突出部 28a テーパ面 30 ビスカスカップリング 31 第1の伝達部材 32 第2の伝達部材 33 作動室 34 アウタプレート 35 インナプレート 36,37 シールリング 38 皿ばね 40 コーンクラッチ
Claims (1)
- 【請求項1】互いに同軸な左右一対の出力軸(10)と、こ
れらの出力軸(10)の軸線(C)周りに回転駆動される差動
歯車ケース(20)と、この差動歯車ケース(20)内に収納さ
れ、かつ前記左右一対の出力軸(10)とそれぞれ一体に回
転する左右一対のサイドギヤ(25,26)と、これらのサイ
ドギヤ(25,26)と噛み合い、かつ前記差動歯車ケース(2
0)と一体に前記軸線(C)周りに公転して前記サイドギヤ
(25,26)を回転駆動するピニオンギヤ(24)と、前記左右
一対の出力軸(10)間の差動を制限する差動制限機構(30)
とを備え、 前記差動制限機構(30)は、前記左右一対のサイドギヤ(2
5,26)のいずれか一方と一体に前記軸線(C)方向に変位可
能とされ、かつ前記ピニオンギヤ(24)と前記サイドギヤ
(25,26)との噛み合いによって生じる接触圧力によって
前記軸線方向に変位させられた時に係合するコーンクラ
ッチを、前記差動歯車ケース(20)と共に形成しているこ
とを特徴とする差動歯車装置(100)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33999296A JPH10184849A (ja) | 1996-12-19 | 1996-12-19 | 差動歯車装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33999296A JPH10184849A (ja) | 1996-12-19 | 1996-12-19 | 差動歯車装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10184849A true JPH10184849A (ja) | 1998-07-14 |
Family
ID=18332716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33999296A Pending JPH10184849A (ja) | 1996-12-19 | 1996-12-19 | 差動歯車装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10184849A (ja) |
-
1996
- 1996-12-19 JP JP33999296A patent/JPH10184849A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20060210 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20060324 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060517 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060927 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |