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JPH10184494A - 内燃機関の燃料加圧ポンプ - Google Patents

内燃機関の燃料加圧ポンプ

Info

Publication number
JPH10184494A
JPH10184494A JP8350261A JP35026196A JPH10184494A JP H10184494 A JPH10184494 A JP H10184494A JP 8350261 A JP8350261 A JP 8350261A JP 35026196 A JP35026196 A JP 35026196A JP H10184494 A JPH10184494 A JP H10184494A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pump
fuel
oil
plunger
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8350261A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiro Okada
芳裕 岡田
Iwane Inokuchi
岩根 井之口
Kimio Tomita
公夫 富田
Naoki Yamamoto
直樹 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP8350261A priority Critical patent/JPH10184494A/ja
Publication of JPH10184494A publication Critical patent/JPH10184494A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Details Of Reciprocating Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プランジャ6をシールするシール部材18の
耐久性を向上させるとともに、可変動弁機構が正常に動
作するように機関低速域の潤滑油圧を高める。 【解決手段】 シリンダ3内を往復動するプランジャ6
によって燃料用ポンプ部1Aが構成され、高圧の燃料を
燃料噴射弁15へ供給している。燃料が漏洩しないよう
に、プランジャ6はシール部材18によってシールされ
ている。プランジャ6と一体のピストン部22が背圧室
23内を往復動することにより潤滑油用補助ポンプ部1
Bが構成され、オイルポンプ29から吐出した潤滑油を
さらに加圧して可変動弁機構用油圧アクチュエータ32
に供給する。背圧室23内に大気圧より高い潤滑油が充
満するので、シール部材18に作用する圧力差が小さく
なり、万一燃料が漏洩した場合でも背圧室23には滞留
しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内燃機関に供給
するガソリン等の燃料を比較的高い圧力に加圧する燃料
加圧ポンプの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、近年、ガソリン機関における希
薄燃焼の実現のために、燃料を圧縮行程等において気筒
内に直接噴射するようにした直噴型火花点火式内燃機関
が種々提案されているが、このような直噴型内燃機関に
おいては、燃料噴射弁に供給する燃料を十分に高い圧
力、例えば10MPa程度にまで加圧する必要がある。
【0003】そして、このような高圧を得るためには、
一般に、円柱状のプランジャによってシリンダ端部にポ
ンプ作動室を画成するようにした往復動型燃料加圧ポン
プが用いられており、例えば機関の吸排気弁用カムシャ
フトと同軸状に設けたポンプ駆動用カムによってプラン
ジャを往復動作させる構成となっている(例えば特開平
8−14140号公報、特開平8−68370号公報等
参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなプランジャ
型の燃料加圧ポンプにおいては、ポンプ作動室内の燃料
圧力が上述したように非常に高いものとなるので、摺動
可能に嵌合したシリンダ内周面とプランジャ外周面との
間の僅かなクリアランスを通した燃料の漏洩が非常に大
きな問題となる。この燃料の漏洩を防止するために、上
記特開平8−68370号公報の装置においては、ゴム
製のキャップ状のシール部材を設け、往復動するプラン
ジャをシールするようにしている。
【0005】しかしながら、このようにポンプ作動室か
らの燃料の漏洩を防止すべく何らかのシール部材を設け
たとしても、このシール部材によって仕切られる低圧側
つまりポンプ作動室と反対側の領域は、常に大気に解放
されたものとなるので、ポンプ作動室内の燃料圧力との
圧力差は大きく、シール部材が早期に劣化に至るという
問題がある。また、仮にシール部材が劣化して燃料が漏
洩した場合に、この燃料が、例えばリターンスプリング
を収納した背圧室内に滞留してしまうと、背圧室内各部
で腐食が発生し、また潤滑性能が悪化したりして好まし
くない。
【0006】一方、内燃機関においては、周知のように
機関各部へ潤滑油を圧送するために、歯車式ポンプ等か
らなる機械駆動式のオイルポンプを備えているが、この
種のオイルポンプは、機関クランク軸に連動して駆動さ
れるので、機関回転数が低い領域では、油圧を十分に確
保することが難しい。従って、例えば、何らかの油圧機
構でもってバルブリフト特性を可変制御するようにした
可変動弁機構を備えているような場合には、始動直後の
低速回転時あるいはアイドリング時に、油圧が不足がち
となり、正常な動作を確保できなくなる、といった不具
合もある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、この発明は、シ
リンダと、このシリンダに摺動可能に嵌合し、該シリン
ダの一端部にポンプ作動室を画成するプランジャと、上
記ポンプ作動室に接続された燃料吸入通路および燃料吐
出通路にそれぞれ設けられた吸入側逆止弁および吐出側
逆止弁と、上記プランジャを駆動するカムと、を備えて
なる内燃機関の燃料加圧ポンプにおいて、上記シリンダ
の内周に上記プランジャとの間をシールするシール構造
を有するとともに、このシール構造を挟んで上記ポンプ
作動室と反対側に背圧室を画成し、この背圧室に、外部
の流体ポンプにより、上記ポンプ作動室内の吐出圧より
も低く、かつ大気圧よりも高い圧力の流体を導入するよ
うに構成したことを特徴としている。
【0008】より一層具体的な請求項2の発明では、上
記の外部流体ポンプとして内燃機関のオイルポンプが用
いられており、該オイルポンプにより加圧された潤滑油
が上記背圧室に導入される。
【0009】すなわち、シリンダに対し往復摺動するプ
ランジャは、上記シール構造によってシールされ、燃料
の漏洩が防止される。そして、このように、背圧室内に
適宜に加圧された潤滑油等の流体を保持しておくことに
より、シール構造が負担する圧力差が小さくなり、その
シール性能が確実なものになる。そして、シール構造の
前後圧力差が小さいので、メカニカルシール等でも充分
に漏れ量を抑制することができる。
【0010】また請求項3の発明では、上記背圧室にオ
イル出口通路が接続されており、上記オイルポンプによ
り導入された潤滑油が常時循環するようになっている。
【0011】これにより、仮に燃料がポンプ作動室側か
らシール部材を通して漏洩したとしても、背圧室内には
滞留しない。
【0012】さらに請求項4の発明では、上記プランジ
ャの一端に設けられた大径のピストン部が、上記シリン
ダと同軸に設けられた補助シリンダに摺動可能に嵌合し
て上記背圧室が画成されているとともに、この背圧室に
接続されたオイル吸入通路およびオイル吐出通路にそれ
ぞれ逆止弁が設けられ、プランジャの往復動に伴って、
導入された潤滑油を加圧する補助ポンプを構成してい
る。
【0013】すなわち、この請求項4の構成では、燃料
加圧用のポンプ機構と一体に潤滑油加圧用の補助ポンプ
が構成されており、プランジャが往復動することによ
り、一方のポンプ作動室側では燃料を加圧し、他方の背
圧室側では潤滑油を加圧することになる。従って、オイ
ルポンプにより高められた油圧が、この補助ポンプによ
ってさらに上昇する。
【0014】また請求項4をさらに具体化した請求項5
の発明では、上記オイル吸入通路と上記オイル吐出通路
との間に、バイパス通路が設けられているとともに、こ
のバイパス通路に、オイル吸入通路上流側の圧力が設定
圧以上になると開くバイパス弁が介装されている。
【0015】従って、機関回転数が低く、オイルポンプ
から上記オイル吸入通路へ向けて圧送される潤滑油の圧
力が設定圧より低い段階では、上記バイパス弁が閉じて
いるので、潤滑油は補助ポンプとなる背圧室に導入さ
れ、ここでプランジャの往復動によって加圧される。こ
れにより、十分に高い油圧が確保される。そして、機関
回転数が高くなり、オイルポンプから上記オイル吸入通
路へ向けて圧送される潤滑油の圧力が設定圧に達する
と、上記バイパス弁が開く。これにより、潤滑油は補助
ポンプとなる背圧室を通らずに下流側へ供給される。つ
まり、補助ポンプのポンプ作用が実質的に停止し、動力
損失の増大が回避される。
【0016】さらに請求項6の発明では、上記プランジ
ャを上記カムへ向けて付勢するリターンスプリングが上
記背圧室内に収納されている。つまり、潤滑油等の流体
が導入される背圧室が、リターンスプリングの収納スペ
ースを兼ねたものとなる。
【0017】
【発明の効果】上記のように、請求項1に係る燃料加圧
ポンプによれば、シール構造に作用する圧力差を低減で
きるため、そのシール作用が一層確実なものとなり、ポ
ンプ作動室からの燃料の漏洩を確実に防止できるととも
に、シール構造の耐久性が向上する。
【0018】特に請求項2のようにオイルポンプを利用
して潤滑油を導入するようにすれば、格別な部品点数の
増加がなく、簡単に構成することができる。
【0019】また、請求項3の発明によれば、シール構
造を通して万一燃料が背圧室内に漏洩したとしても、循
環する潤滑油によって外部へ排出されるため、背圧室内
に滞留することがなく、燃料による各部の腐食を防止で
きる。
【0020】また、請求項4の発明によれば、背圧室が
潤滑油を加圧するための補助ポンプとして利用される。
そのため、機関回転数が低い領域でも十分に高い油圧を
確保することができ、例えば、可変動弁機構の油圧によ
る制御を正しく行わせることが可能となる。
【0021】そして、請求項5のようにバイパス通路お
よびバイパス弁を設けるようにすれば、機関高速域にお
いて補助ポンプのポンプ作用が実質的に停止し、高速域
での動力損失の増大を防止できる。
【0022】また請求項6によれば、ポンプ全体の大型
化を回避できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】図1は、この発明に係る燃料加圧ポンプ1
の一実施例を示している。この燃料加圧ポンプは、燃料
用ポンプ部1Aと潤滑油用補助ポンプ部1Bとが一体に
構成されているものであって、ポンプハウジング2に、
燃料用ポンプ部1Aを構成する円筒状のシリンダ3が一
端が封止された形に形成されているとともに、このシリ
ンダ3の開放された他端に連続して、潤滑油用補助ポン
プ部1Bを構成する補助シリンダ4が形成されている。
上記補助シリンダ4は、上記シリンダ3よりも大径な円
筒状をなし、かつシリンダ3と同軸に設けられている。
この補助シリンダ4の端部は開放されており、この端部
に対向する位置に、ポンプ駆動用のカム5が配置されて
いる。
【0025】上記ポンプハウジング2は、例えば内燃機
関のシリンダヘッドに取り付けられ、上記カム5は、吸
排気弁駆動用のカムシャフトと一体に形成される。な
お、ポンプハウジング2を他の部位に配置し、カム5と
して、カムシャフトに対しカップリングを介して連結さ
れる別個のカムあるいは機関クランク軸にチェーン等を
介して連動する別個のカムを用いることも勿論可能であ
る。また、この実施例では、上記カム5は、4個のカム
山を有している。この場合、カム5およびこれを回転可
能に支承する構造は、燃料加圧ポンプ1に対して一体に
形成される。
【0026】上記シリンダ3には、円柱状をなすプラン
ジャ6が摺動可能に嵌合しており、このプランジャ6に
よって、シリンダ3の封止された端部に、ポンプ作動室
7が画成されている。このポンプ作動室7には、燃料吸
入通路8と燃料吐出通路9とが接続されており、かつそ
れぞれの通路8,9に、吸入側逆止弁10および吐出側
逆止弁11がそれぞれ介装されている。上記燃料吸入通
路8は、電動モータ12によって駆動される燃料フィー
ドポンプ13の吐出側に接続されており、燃料タンク1
4から図示せぬ燃料フィルタを介してガソリン等の燃料
が送り込まれるようになっている。また上記燃料吐出通
路9は、高圧燃料配管を介して各気筒の電磁式燃料噴射
弁15に接続されている。この燃料噴射弁15は、気筒
内へ向けて燃料を直接噴射する構成となっている。
【0027】上記燃料吐出通路9の吐出側逆止弁11下
流側と、上記燃料吸入通路8の吸入側逆止弁10上流側
との間には、リリーフ通路16が設けられており、この
リリーフ通路16に、燃料吐出圧(P1)を適宜に調整
するプレッシャレギュレータ17が介装されている。こ
の実施例では、上記プレッシャレギュレータ17とし
て、ソレノイド17aの通電制御により吐出圧を可変制
御可能な形式のものが用いられているが、勿論、これに
限定されるものではない。
【0028】上記プランジャ6の外周面と上記シリンダ
3の内周面との間のクリアランスは、燃料の漏洩を防止
すべく、可及的に小さく設定されている。さらに、シリ
ンダ3の開放端側つまり補助シリンダ4との境界部分に
おいて、シリンダ3内周に、シール構造として、プラン
ジャ6外周面との間をシールするシール部材18が配置
されている。このシール部材18は、例えば、ゴム製の
シールリップと金属製のリテーナとを組み合わせてなる
パッキング状のものが用いられ、直線運動するプランジ
ャ6外周面に圧接してシールしている。なお、シール構
造として、メカニカルシールを採用することも可能であ
り、この場合、シリンダ3内周もしくはプランジャ6外
周にラビリンスを形成すれば良い。また、この実施例で
は、上記ポンプ作動室7と上記シール部材18との間を
隔てるように、シリンダ3内周面に凹溝状の低圧ポート
19が全周に亘って形成されており、かつこの低圧ポー
ト19と上記燃料吸入通路8の吸入側逆止弁10上流側
とが、低圧通路20によって常時連通している。これに
より、低圧ポート19は、常に低圧に維持され、シール
部材18に高圧が作用することが防止されるとともに、
シリンダ3とプランジャ6との嵌合隙間を通して漏洩し
ようとする燃料が燃料吸入通路8側に回収される。
【0029】上記プランジャ6の補助シリンダ4側の端
部には、ロッド部21を介してプランジャ6よりも大径
な有底円筒状のピストン部22が一体に形成されてい
る。このピストン部22は、補助シリンダ4に対応した
径を有しており、補助シリンダ4内周面に摺動可能に嵌
合している。そして、このようにピストン部22が補助
シリンダ4に嵌合することによって、補助シリンダ4内
に、背圧室23が実質的に密閉された状態に画成されて
いる。上記ピストン部22の端部壁は、カムフォロアを
兼ねており、上記のカム5に当接している。また、この
ピストン部22の端部壁をカム5へ向けて常時付勢する
コイルスプリングからなるリターンスプリング24が上
記背圧室23内に収納されている。従って、カム5が機
関の回転に伴って回転すると、プランジャ6がピストン
部22とともに往復動し、ポンプ作動室7内に吸入され
た燃料を加圧して燃料噴射弁15へ供給するのである。
尚、この燃料の吐出圧は、例えば7〜10MPa程度と
なる。
【0030】潤滑油用補助ポンプ部1Bは、上記の背圧
室23を主体として構成されているものであって、この
背圧室23に対し、オイル供給通路25とオイル吐出通
路26とが接続されているとともに、ポンプ作用を実現
すべく、それぞれの通路25,26に、オイル吸入側逆
止弁27およびオイル吐出側逆止弁28がそれぞれ介装
されている。上記オイル供給通路25は、内燃機関の潤
滑用オイルポンプ29の吐出側にメインオイルギャラリ
30を介して接続されている。このオイルポンプ29
は、例えば機関クランク軸によって駆動される歯車式ポ
ンプからなり、機関のオイルパン31に貯留されている
潤滑油を吸い上げてメインオイルギャラリ30に圧送し
ている。そして、オイルポンプ29により加圧された潤
滑油は、メインオイルギャラリ30から主軸受け部等の
各部へ供給されるとともに、その一部が、上記オイル供
給通路25を通して背圧室23へ導入されるようになっ
ている。また、オイル出口通路となる上記オイル吐出通
路26の下流側は、可変動弁機構の油圧アクチュエータ
32に接続され、駆動源となる油圧を供給している。な
お、上記油圧アクチュエータ32は詳細には図示しない
が、例えば、油圧シリンダあるいは油圧モータ等のアク
チュエータ部と、油圧供給経路の切換を行う制御弁部と
から構成されている。
【0031】上記オイル供給通路25の逆止弁27上流
側と上記オイル吐出通路26の逆止弁28下流側との間
には、両者を直接接続するバイパス通路33が設けられ
ており、このバイパス通路33に、該バイパス通路33
を開閉するバイパス弁34が介装されている。このバイ
パス弁34は、上流側つまりオイルポンプ29吐出側の
油圧(P4)が設定圧以上となると開く一種のパイロッ
ト機構付きのリリーフ弁(逆止弁)であって、例えば、
図2に示すように、セットスプリング35によって閉弁
方向に付勢されたバイパス通路33を開閉する主弁体3
6と、パイロットスプリング37の付勢力とオイルポン
プ29吐出圧(P4)との力のバランスによって移動
し、オイルポンプ29吐出圧(P4)が設定圧以上とな
ると主弁体36を押し開くパイロットピストン38と、
から構成されている。なお、39は、ドレン通路であ
る。
【0032】上記のように構成された潤滑油用補助ポン
プ部1Bは、カム5の回転に伴ってプランジャ6と一体
のピストン部22が往復動することにより、ポンプ作用
を果たし、オイルポンプ29から吐出された潤滑油をさ
らに加圧して、可変動弁機構用の油圧アクチュエータ3
2に供給する。この潤滑油用補助ポンプ部1Bは、ピス
トンポンプであるから、高い圧力を容易に得ることがで
きる。すなわち、図3の直線aは、オイルポンプ29自
体の油圧特性、直線bは、潤滑油用補助ポンプ部1Bで
さらに昇圧させた場合の油圧特性であって、機関回転数
が低い領域では、この直線bに沿って油圧が立ち上がる
ので、可変動弁機構用の油圧アクチュエータ32を確実
に動作させることができ、バルブリフト特性を所期の制
御特性に沿って正しく制御できる。そして、機関回転数
が所定の回転数に達し、オイルポンプ29の吐出圧(P
4)が設定圧以上となると、バイパス弁34(主弁体3
6)が押し開かれ、オイルポンプ29から吐出された潤
滑油は背圧室23を経由せずに油圧アクチュエータ32
に供給されるようになる。つまり、油圧アクチュエータ
32に供給される油圧P3は、図3の実線のように変化
する。このように、バイパス弁34が開いて潤滑油が背
圧室23を経由しないようになった段階では、潤滑油用
補助ポンプ部1Bは実質的なポンプ作用を行わないの
で、その仕事による動力損失は非常に小さなものとな
る。従って、補助ポンプを付加したことによる高速域で
の動力損失の増大を回避できる。
【0033】また上記の構成では、背圧室23内には常
に大気圧よりも高い圧力(P2)の潤滑油が充満してい
る。従って、燃料用ポンプ部1Aのポンプ作動室7をシ
ールするシール部材18に作用する圧力差は、相対的に
小さなものとなり、シール性が一層確実なものになると
ともに、その耐久性が向上する。なお、バイパス弁34
が開弁した状態では、背圧室23のポンプ作用は実質的
に停止するが、この状態でも、背圧室23内の圧力P2
は、オイルポンプ29の吐出圧(P4)よりも低くはな
らないので、図3から明らかなように、十分に高い圧力
がシール部材18に付与される。
【0034】また、上記背圧室23に存在する潤滑油
は、バイパス弁34が閉じている段階では勿論のこと、
バイパス弁34が開弁した状態でも、ピストン部22の
往復動に伴って常にオイルパン31との間で循環する。
従って、万一、シール部材18を通して燃料が背圧室2
3側に漏洩したとしても、その燃料は背圧室23に滞留
しない。そのため、燃料によるリターンスプリング24
等各部の腐食が防止される。
【0035】尚、上記実施例においては、バイパス弁3
4が圧力によって機械的に開閉動作する構成となってい
るが、外部からの制御信号によりバイパス通路33を開
閉するように構成することもできる。また、上記実施例
においては、背圧室23を潤滑油用補助ポンプとして構
成してあるが、オイル吸入側逆止弁27およびオイル吐
出側逆止弁28を除去し、単に背圧室23にオイルポン
プ29で加圧された潤滑油を循環させるように構成して
も、シール部材18の耐久性向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る燃料加圧ポンプの一実施例を示
す構成説明図。
【図2】そのバイパス弁の一実施例を示す構成説明図。
【図3】可変動弁機構用油圧アクチュエータに供給され
る油圧の特性を示す特性図。
【符号の説明】
1A…燃料用ポンプ部 1B…潤滑油用補助ポンプ部 3…シリンダ 4…補助シリンダ 6…プランジャ 7…ポンプ作動室 18…シール部材 23…背圧室 29…オイルポンプ 34…バイパス弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F04B 53/14 F04B 21/04 Z (72)発明者 山本 直樹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダと、このシリンダに摺動可能に
    嵌合し、該シリンダの一端部にポンプ作動室を画成する
    プランジャと、上記ポンプ作動室に接続された燃料吸入
    通路および燃料吐出通路にそれぞれ設けられた吸入側逆
    止弁および吐出側逆止弁と、上記プランジャを駆動する
    カムと、を備えてなる内燃機関の燃料加圧ポンプにおい
    て、 上記シリンダの内周に上記プランジャとの間をシールす
    るシール構造を有するとともに、このシール構造を挟ん
    で上記ポンプ作動室と反対側に背圧室を画成し、この背
    圧室に、外部の流体ポンプにより、上記ポンプ作動室内
    の吐出圧よりも低く、かつ大気圧よりも高い圧力の流体
    を導入するように構成したことを特徴とする内燃機関の
    燃料加圧ポンプ。
  2. 【請求項2】 上記の外部流体ポンプとして内燃機関の
    オイルポンプが用いられ、該オイルポンプにより加圧さ
    れた潤滑油が上記背圧室に導入されることを特徴とする
    請求項1記載の内燃機関の燃料加圧ポンプ。
  3. 【請求項3】 上記背圧室にオイル出口通路が接続され
    ており、上記オイルポンプにより導入された潤滑油が常
    時循環することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の
    燃料加圧ポンプ。
  4. 【請求項4】 上記プランジャの一端に設けられた大径
    のピストン部が、上記シリンダと同軸に設けられた補助
    シリンダに摺動可能に嵌合して上記背圧室が画成されて
    いるとともに、この背圧室に接続されたオイル吸入通路
    およびオイル吐出通路にそれぞれ逆止弁が設けられ、プ
    ランジャの往復動に伴って、導入された潤滑油を加圧す
    る補助ポンプを構成していることを特徴とする請求項2
    記載の内燃機関の燃料加圧ポンプ。
  5. 【請求項5】 上記オイル吸入通路と上記オイル吐出通
    路との間に、バイパス通路が設けられているとともに、
    このバイパス通路に、オイル吸入通路上流側の圧力が設
    定圧以上になると開くバイパス弁が介装されていること
    を特徴とする請求項4記載の内燃機関の燃料加圧ポン
    プ。
  6. 【請求項6】 上記プランジャを上記カムへ向けて付勢
    するリターンスプリングが上記背圧室内に収納されてい
    ることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記
    載の内燃機関の燃料加圧ポンプ。
JP8350261A 1996-12-27 1996-12-27 内燃機関の燃料加圧ポンプ Pending JPH10184494A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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