JPH10152533A - 親水性樹脂及び医用材料 - Google Patents
親水性樹脂及び医用材料Info
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- JPH10152533A JPH10152533A JP8312102A JP31210296A JPH10152533A JP H10152533 A JPH10152533 A JP H10152533A JP 8312102 A JP8312102 A JP 8312102A JP 31210296 A JP31210296 A JP 31210296A JP H10152533 A JPH10152533 A JP H10152533A
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Abstract
耐熱性、機械的強度及び耐久性を有する親水性樹脂及び
医用材料を提供する。 【解決手段】式(1) 【化1】 (R1,R2:H又はメチル基、n:1〜10)で表され
る(メタ)アクリル酸エステル単位を含有する重合体1
〜99重量%と、室温で液状の重合性化合物99〜1重
量%とを重合してなる親水性樹脂及びそれを含む医用材
料。
Description
材料に関する。さらに詳細には、親水性、防汚性生体適
合性及び機械的強度に優れた親水性樹脂及び該親水性樹
脂を含む医用材料に関する。
性、印刷性、着色性や接着性等の特性を付与するかまた
は前記性能を向上する目的で、高分子材料を親水化する
技術が開発されている。例えば、材料に界面活性剤等の
親水性材料を添加する方法、高分子中にカルボン酸基、
ヒドロキシル基、アミノ基等の官能基を有する単量体を
共重合し導入する方法等が知られている。
を添加する方法では親水性材料が高分子材料から移行
し、耐久性を損なう等の問題点がある。官能基を有する
単量体を共重合する方法では耐久性に関しては改善され
てはいるが、親水性以外の汚染性、生体適合性等の生理
学的性能を付与する目的には適するものではない。
水性化等の性能を付与する方法として、プラズマ、コロ
ナ、紫外線(UV)、電子線、放射線等による処理等が
あり、親水基の出現や表面グラフト化による表面親水化
に利用されている。特にプラズマ処理では、生体適合性
の改良に利用した例が多く、表面第18巻第4号第19
5頁(1980)や工業材料第25巻第68頁(197
7)に例示されている。しかし、これらの処理方法は、
高価な処理設備を必要とすること、あるいは表面層の改
質深度に限界があること等の問題点がある。
ポリマーや生体適合性ポリマーを基材の高分子にコーテ
ィングする方法が提案されている。例えば、特開昭49
−44590号公報には、親水性モノマーをグラフトし
た樹脂をコーティングする方法が開示されており、特表
平7−502053号公報には、特定の両性イオン基と
材料表面への結合基からなるポリマーを表面コーティン
グする方法が開示されているが、これらコーティングに
よる方法では、表面層の改良には適するものの、材料か
らの剥離や耐久性の点では問題を残している。
4459号公報では、双性イオン基を有する高分子と他
の高分子材料との配合物の例が挙げられているが、配合
する材料との相溶性の違いや配合量により高分子物質間
の分散性が悪くなり、親水性、生体適合性、機械的強
度、耐熱性等が必ずしも十分ではない。
性、防汚性及び生体適合性に優れ、さらに耐熱性、機械
的強度及び耐久性を有する親水性樹脂を提供することに
ある。
医用材料を提供することにある。
点に鑑み鋭意検討した結果、特定の(メタ)アクリル酸
エステルの重合体と特定の重合性化合物とを混合した後
に重合すると、前記の性能を改善することを見いだし、
本発明を完成した。
の、下記一般式(1)
を表し、nは1〜10の数を表す。)で表される(メ
タ)アクリル酸エステル単位を含有する重合体1〜99
重量%と、B成分としての、室温で液状の重合性化合物
99〜1重量%とを重合してなる親水性樹脂が提供され
る。
含む医用材料が提供される。
しての(メタ)アクリル酸エステル単位を含有する重合
体と、B成分としての、室温で液状の重合性化合物とを
重合してなる。
クリル酸エステル単位は、前記一般式(1)で表される
単位(以下、単位(a)と略す)である。このようなホ
スホリルコリン基を含有する単位(a)を有することに
より、本発明の親水性樹脂は、親水性、防汚性及び生体
適合性等を兼ね備えることができる。前記一般式(1)
中、nが10を越えると重合体の強度、加工性が低下す
る。
−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメ
チルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピル−2’−(トリメチルアンモ
ニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイル
オキシエトキシエチル−2’−(トリメチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオ
キシジエトキシエチル−2’−(トリメチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオ
キシトリエトキシエチル−2’−(トリメチルアンモニ
オ)エチルホスフェート等が重合した際に与えられる単
位又はこれらの混合単位を挙げることができる。これら
のうちでも、経済性や入手の容易さの点から2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリメチルア
ンモニオ)エチルホスフェートにより与えられる単位が
特に好ましい。
必要に応じて、さらに共重合可能な他の単量体単位(以
下、単位(b)と略す)を含有してもよい。
%以下の配合割合で含有することができる。単位(b)
の含有量を95重量%以下とすることにより、単位
(a)により発現される親水性、防汚性、生体適合性等
の本願発明の所望の効果を得ることができる。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル
酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキ
ルモノエステル;(メタ)アクリル酸アミド、N,N−
ジメチル(メタ)アクリル酸アミド、N−ヒドロキシ
(メタ)アクリル酸アミド等の(メタ)アクリル酸アミ
ド系単量体;スチレン、メチルスチレン、α−メチルス
チレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン等のス
チレン系単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル;(メ
タ)アクリル酸等が重合した際に与えられる単位又はこ
れらの混合単位等が挙げられる。
されないが、例えば単位(a)を与える単量体(以下、
単に単量体(a)と称す)、又は単量体(a)と単位
(b)を与える単量体(以下、単に単量体(b)と称
す)との混合物を、公知のラジカル重合法、好ましくは
溶液重合法により、連鎖移動剤の存在下又は不存在下で
ラジカル重合を行なう方法が挙げられる。
が、数平均分子量で2000〜200000の範囲であ
ることが好ましい。
ル重合法、重付加重合法、重縮合重合法等の公知の重合
方法等により前記A成分と重合することができる化合物
であれば特に限定されないが、具体的には例えばラジカ
ル重合法により重合できるものとしてはアルキルメタク
リレート等のビニル単量体、不飽和ポリエステル−スチ
レン、フタル酸ジアリル等が挙げられる。重付加重合法
により重合できるものとしてはポリイソシアナート−ポ
リアミン、ポリイソシアナート−ポリオール、ポリイソ
シアナート−ポリチオール等の付加重合体等が挙げられ
る。さらに重縮合重合法により重合できるものとしては
無水フタル酸−グリセリン、エポキシ樹脂等が挙げられ
る。
分とを重合してなる。前記A成分とB成分とを重合させ
る際の配合割合は、A成分とB成分との合計中、A成分
1〜99重量%に対しB成分99〜1重量%であり、好
ましくはA成分が5〜70重量%、さらに好ましくは1
0〜50重量%の範囲内である。前記A成分の割合が1
重量%未満では親水性や生体適合性等の本発明の効果が
十分に発現しない。またA成分が99重量%を越える
と、得られる親水性樹脂に本発明の効果としての物理的
・化学的性質を付与することができない。
定されないが、重合反応に先立ち、前記A成分が、B成
分に溶解した状態又は分散している状態の混合物、ある
いは前記A成分が前記B成分中に含浸している混合物を
調製してから反応を行なうことが好ましい。また、この
混合物には、必要に応じて前記A成分のB成分に対する
溶解性を調整する目的で適当な溶媒を加えることができ
る。該溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、塩化メチレン、クロロホルム、アセ
トニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、アセトン、メチルエチルケトン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ジメチルスルフォキシド、ジメチルフォ
ルムアミド、又はこれらの混合物等が挙げられる。該溶
媒の使用量は、前記A成分とB成分との合計量100重
量部に対して、0〜90重量部の範囲で用いることがで
きる。
合方法としては、ラジカル重合法、重付加重合法、重縮
合重合法等の公知の重合方法を挙げることができる。
は、開始剤として例えば、過酸化ベンゾイル、ジイソプ
ロピルペルオキシカーボネート、t−ブチルペルオキシ
2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシピバ
レート、t−ブチルペルオキシジイソブチレート、過酸
化ラウロイル、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル等が用いられる。
さらに必要に応じてアミン類、アンモニウム類等の重合
促進剤を併用してもよい。前記重合開始剤の添加量は、
前記A成分とB成分との合計量100重量部に対して1
0重量部以下とすることができる。また、重合条件は、
重合開始剤の種類により異なるが、重合温度は20〜1
50℃、重合時間は6〜120時間であることが好まし
い。
剤として例えば、トリエチルアミン、1,8−ジアザビ
シクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下DBUと略
す)、DBUの塩等の3級アミン;ジメチルチンジクロ
ライド、ジブチルチンジラウレート等の有機スズ化合物
等を、前記A成分とB成分との合計量100重量部に対
して5重量部以下添加して反応を行なうことができる。
重合条件は、重合温度が20〜150℃、重合時間が
0.1〜48時間であることが好ましい。
して脂肪族ポリアミン、第3級アミン、ポリカルボン
酸、酸無水物等を、A成分とB成分との合計量100重
量部に対して150重量部以下添加して反応を行なうこ
とができる。または、硬化剤なしで重合させることもで
きる。重合条件は、重合温度が20〜250℃、重合時
間が1〜48時間であることが好ましい。
も、重合に際して、酸化安定剤、紫外線吸収剤、着色
剤、可塑剤、充填剤、難燃剤等の添加剤を、さらに添加
することができる。
としては、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスで
空気を置換したこれらのガス雰囲気下又は大気下にて、
一般的重合反応容器や金属、ガラス、プラスチック製等
の所望の型中であるいは他材料に塗布した状態で、加熱
又は光照射を行なうことにより重合させることができ
る。前記他材料に塗布した状態で重合反応を行なった場
合、得られた重合硬化物をそのまま本発明の親水性樹脂
として使用することができる。あるいは、例えば溶液、
懸濁液、粉末等の状態で得られた重合体を、そのまま本
発明の親水性樹脂として、または適当な溶剤による沈殿
や洗浄操作により精製して粉末として、若しくはさらに
該粉末を適当な溶媒等に溶解、分散、乳化等して溶液等
の形態として、本発明の親水性樹脂として用いることが
できる。
を含む。具体的には、例えば前述の重合硬化物として得
られた本発明の親水性樹脂をそのまま本発明の医用材料
として使用することができ、または、本発明の親水性樹
脂単独若しくは本発明の親水性樹脂に酸化安定剤、紫外
線吸収剤、着色剤、可塑剤等の添加物を混合したもの
を、溶融成型法、溶媒キャスト法等により、シート、フ
ィルム、チューブ等の所望の形状に成型して得られた成
型品を本発明の医用材料として用いることもできる。さ
らに、必要に応じて前記成型品を粉砕、切削加工、研磨
等してさらに成型して用いてもよい。また、本発明の親
水性樹脂にその他の樹脂をブレンドあるいはコーティン
グして所望の製品形態を得、本発明の医用材料として用
いることもできる。
らず、1μm以上の樹脂の内部にわたって親水性、防汚
性や生体適合性を保持するため、樹脂の切削、研磨、加
工等によって、それらの性質を損なうことがない。
ン基を含有する特定の(メタ)アクリル酸エステル単位
と特定の重合性化合物とを重合させてなる親水性樹脂で
あるので、親水性、防汚性及び生体適合性に優れ、さら
に耐熱性、機械的強度及び耐久性を有する。このため、
本発明の親水性樹脂は、防曇性・帯電防止性樹脂、塗
料、光学材料、化粧用材料等の一般的用途、具体的には
例えば有機ガラス、衣料用化学繊維、船舶用塗料、漁網
陽防汚塗料、サングラス、ファウンデーション、マニキ
ュア等に広く用いることができる他、特に医用材料用の
親水性樹脂として有用である。
脂を含有するので、親水性、防汚性及び生体適合性に優
れ、さらに耐熱性、機械的強度及び耐久性を有し、カテ
ーテル、透析膜、人工臓器、血液回路、眼鏡レンズ、コ
ンタクトレンズ等の材料として有用である。
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
チル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェ
ート(以下MPCと略す)20g(単量体(a)とし
て、単量体(a)と単量体(b)との合計中100重量
%)とアゾビスイソブチロニトリル0.2g(触媒とし
て単量体(a)100重量部に対して1重量部)とエタ
ノール80gとからなる混合液を、かき混ぜ機、温度
計、還流器、窒素導入管を備えた容量200mlの4つ
口フラスコに仕込み、恒温槽中で50℃、10時間加熱
重合させた。重合後、大量のジイソプロピルエーテル中
に重合液を投入し、重合物を沈殿させた後、濾別、真空
乾燥させた。得られた重合体(以下、重合体Cと称す)
は白色粉末で収率92%であり、GPC測定法によるそ
の数平均分子量は55,800であった。
として、単量体(a)と単量体(b)との合計中50重
量%)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下2−
HEMAと略す)10g(単量体(b)として、単量体
(a)と単量体(b)との合計中50重量%)との混合
物を用いた以外合成例1と同様に操作して重合体(以
下、重合体Dと称す)17gを得た。重合体Dは白色粉
末で収率85%であり、GPC測定法によるその数平均
分子量は63,700であった。
して、単量体(a)と単量体(b)との合計中30重量
%)とスチレン5g(単量体(b)として、単量体
(a)と単量体(b)との合計中50重量%)とメタク
リル酸グリシジル(以下、GMAと略す)2g(単量体
(b)として、単量体(a)と単量体(b)との合計中
20重量%)との混合物を用いた以外合成例1と同様に
操作して重合体(以下、重合体Eと称す)17.8gを
得た。重合体Eは白色粉末で収率89%であり、GPC
測定法によるその数平均分子量は45,600であっ
た。
5g(A成分として、A成分とB成分との合計中33.
3重量%)、メタクリル酸メチル(以下MMAと略す)
10g(B成分として、A成分とB成分との合計中6
6.7重量%)、及びエタノール50g(溶媒として、
A成分とB成分との合計1重量部に対して3.33重量
部)からなる混合液にアゾビスイソブチロニトリル0.
1gを添加し、かき混ぜ機、温度計、還流器、窒素導入
管を備えた容量200mlの4つ口フラスコに仕込み、
恒温槽中で60℃、20時下加熱重合させた。重合後、
大量のジイソプロピルエーテル中に重合液を投入し、重
合物を沈殿させた後、濾別、真空乾燥させた。得られた
重合物をさらにエタノールに溶解し、50〜100℃で
ホットプレート上でキャストシートを作成し、これにつ
いて後述の接触角、防汚性及び抗血栓性の評価試験を行
なった。試験結果を表2に示す。
5g(A成分として、A成分とB成分との合計中33.
3重量%)、不飽和ポリエステル(無水マレイン酸、無
水フタル酸及びプロピレングリコールの、重量比78:
178:167の重合物)6g(B成分として、A成分
とB成分との合計中40重量%)、及びスチレン4g
(B成分として、A成分とB成分との合計中26.7重
量%)からなる混合物に、ナフテン酸コバルト(II)塩
の10%スチレン溶液0.15mlとメチルエチルケト
ンペルオキシドのフタル酸ジブチル溶液0.4mlを加
えて混合し、テフロンシャーレに流し込んだ。3時間放
置後、50℃の乾燥器中で1時間加熱処理し、硬化物の
シートを得た。得られたシートについて実施例1と同様
に評価試験を行なった。試験結果を表2に示す。
5g(A成分として、A成分とB成分との合計中25重
量%)、m−キシレンジイソシアナート10g(B成分
として、A成分とB成分との合計中50重量%)、及び
ブタンジオール5g(B成分として、A成分とB成分と
の合計中25重量%)からなる混合物にDBU0.01
gを添加し、テフロンシャーレに流し込んだ。室温下に
2時間放置した後、60℃で15時間保持し、硬化物の
シートを得た。得られたシートについて実施例1と同様
に評価試験を行なった。試験結果を表2に示す。
(A成分として、A成分とB成分との合計中19.2重
量%)、無水フタル酸15g(B成分として、A成分と
B成分との合計中57.7重量%)及びグリセリン6g
(B成分として、A成分とB成分との合計中23.1重
量%)をガラス管中、窒素気流下、撹拌しながら200
℃で2時間加熱した。その後、テフロンシャーレに移
し、さらに乾燥器中、200℃で3時間加熱し、硬化物
のシートを得た。得られたシートについて実施例1と同
様に評価試験を行なった。試験結果を表2に示す。
5g(A成分として、A成分とB成分との合計中33.
3重量%)及びエポキシ樹脂(分子量1400、軟化点
約100℃、エポキシ当量971)10g(B成分とし
て、A成分とB成分との合計中66.7重量%)を10
mlのキシレン・酢酸エチル(1:1)の混合溶媒に溶
解した。一方、同一の混合溶媒5mlにベンジルジメチ
ルアミン1gを溶解した。2つの溶液を混合してテフロ
ンシャーレ上に流し、これを空気中で乾燥して溶媒を蒸
発させた後、100℃で30分間加熱し、硬化物のシー
トを得た。得られたシートについて実施例1と同様に評
価試験を行なった。試験結果を表2に示す。
重合体を加えない以外は実施例1〜5と同様に操作して
重合体のシートを調製し、評価試験を行なった。試験結
果を表2に示す。
m、電極間電圧270V、周波数60Hz)に比較例1
〜5で得た重合体のシートを設置して、0.04Tor
rのアルゴン雰囲気中で5秒グロー放電処理をした。放
電処理したシートを空気中にさらした後試験管に入れ、
10重量%アクリルアミド水溶液を加え、アルゴンガス
で置換した後、減圧封管した。前記封管した試験管を8
0℃の恒温槽中に1時間静置し、その後メタノールで表
面を洗浄し、真空乾燥してグラフト処理重合体シートを
得た。これらについて、実施例1と同様の操作により接
触角及び防汚性の評価試験を行なった。試験結果を表2
に示す。
れた重合体C〜Eそれぞれの10重量%エタノール溶液
10mlと比較例1〜5の各種重合体それぞれの粉末1
gとを、それぞれ表1に示す組み合わせで室温にて混合
し、ポリマーブレンドを行ない、50〜100℃でホッ
トプレート上でキャストシートを作成しようとしたが、
重合体の混和性が悪く、いずれも均質なシートが得られ
ず、評価試験は行なえなかった。
る。
0.5mmの試験片、及び表面の耐久性を調べるために
この試験片をラッピングペーパー(粒径3ミクロン)で
10回擦り操作を行ない表面研磨したものを各々作成
し、下記の試験を行なった。
定機を用いて水液滴法により、表面研磨しないものとし
たものとの両方の試験片について、接触角を測定した。
面研磨しないものとしたものとの両方の試験片につい
て、防汚性を調べた。即ち、アルブミン6mg/ml含
有リン酸緩衝液(pH7.0)に、調製したそれぞれの
重合体試験片を入れて37℃、3時間浸漬後、重合体を
取り出し、生理食塩水で軽くリンスし、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウムの0.5%水溶液で試験片から
吸着した蛋白質を分離した。分離蛋白質は、蛋白質定量
用の試薬を注入しUV測定法により定量した。
れ、そこにウサギの血小板多血漿を注ぎ、37℃で1時
間静置した後、試験片を取り出して、粘着血小板挙動を
電子顕微鏡で調べ評価した。表中の記号はそれぞれ、 ×;粘着血小板が多いもの △;粘着血小板が若干認められるもの 〇;粘着血小板が殆ど認められないもの であることを示す。
比較例のものに比べ、接触角が同等かより小さいことか
ら、親水性が比較例のものと同等かより大きいことが分
かる。また、蛋白質の吸着量が同等かより少ないことか
ら防汚性が優れていることが分かる。また、特に実施例
1〜6と比較例6〜10における表面研磨の有無による
接触角及び防汚性試験の結果の差異より、本発明の親水
性樹脂は、表面グラフト化処理をしたものに比べ、耐久
性に優れていることが分かる。さらに、本発明の親水性
樹脂は、比較例のものに比べ抗血栓性試験の結果が良好
であることから、生体適合性に非常に優れていることが
分かる。以上のことより、本発明の親水性樹脂は、親水
性、防汚性及び生体適合性のいずれにも優れ、良好な特
性を兼ね備えていることが分かる。
Claims (3)
- 【請求項1】 A成分としての、下記一般式(1) 【化1】 (式中R1及びR2は水素原子又はメチル基を表し、nは
1〜10の数を表す。)で表される(メタ)アクリル酸
エステル単位を含有する重合体1〜99重量%と、 B成分としての、室温で液状の重合性化合物99〜1重
量%とを重合してなる親水性樹脂。 - 【請求項2】 前記A成分が、前記A成分全量中95重
量%以下の共重合可能な他の単量体単位をさらに含む請
求項1記載の親水性樹脂。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のいずれかの親水性
樹脂を含む医用材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31210296A JP3825513B2 (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 親水性樹脂及び医用材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31210296A JP3825513B2 (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 親水性樹脂及び医用材料 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10152533A true JPH10152533A (ja) | 1998-06-09 |
JP3825513B2 JP3825513B2 (ja) | 2006-09-27 |
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ID=18025271
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JP31210296A Expired - Lifetime JP3825513B2 (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 親水性樹脂及び医用材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3825513B2 (ja) |
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