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JPH10128349A - 廃水処理用容器を用いた廃水の処理方法 - Google Patents

廃水処理用容器を用いた廃水の処理方法

Info

Publication number
JPH10128349A
JPH10128349A JP28545496A JP28545496A JPH10128349A JP H10128349 A JPH10128349 A JP H10128349A JP 28545496 A JP28545496 A JP 28545496A JP 28545496 A JP28545496 A JP 28545496A JP H10128349 A JPH10128349 A JP H10128349A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wastewater
adsorbent
solid catalyst
reaction tower
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28545496A
Other languages
English (en)
Inventor
Yusuke Shioda
祐介 塩田
Toru Ishii
徹 石井
Kiichiro Mitsui
紀一郎 三井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP28545496A priority Critical patent/JPH10128349A/ja
Publication of JPH10128349A publication Critical patent/JPH10128349A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、各種産業プラントから排出され
る廃水を、経済的に安定して高度に浄化処理するため
に、固体触媒を用いて廃水を処理するに際して、該固体
触媒の耐久性を高める方法に関するものである。 【解決手段】 この発明は、固体触媒の存在下、廃水を
酸素含有ガスの供給のもとに処理するに際して、該固体
触媒を複数の容器に分割して、反応塔に充填し、なおか
つこれらを抜き出す場合にも、該容器にこれらを充填し
た状態で反応塔から抜き出すことを特徴とする廃水の処
理方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、化学プラント、食
品加工設備、金属加工設備、金属メッキ設備、印刷製版
設備、写真処理設備等の各種産業プラントから排出され
る廃水を浄化処理する方法に関する。さらに詳しくは、
各種産業プラントから排出される高い化学的酸素要求量
(以下、「COD」とも記載する)を有する廃水を浄化
処理する方法に関する。特に該廃水が、窒素含有化合
物、硫黄含有化合物およびハロゲン含有化合物を含有す
る場合に、優れている廃水の浄化処理方法に関するもの
である。また該廃水が、固形物および/またはスケール
生成物質を含有する場合にも、特に優れた廃水の浄化処
理方法に関するものである。該廃水の処理方法は、固体
触媒および/または吸着材の存在下に廃水を浄化する処
理方法であり、例えば、湿式酸化法、湿式分解法もしく
はオゾン酸化法などの処理方法に適用でき、特に効果的
なのは、固体触媒の存在下、酸素含有ガスの供給下に廃
水を処理する湿式酸化法である。
【0002】
【従来の技術】従来、廃水を処理する各種廃水の処理方
法では、固体触媒および/または吸着材を反応塔内に充
填するために、下方には触媒などを乗せる内作物を、上
方には触媒などを押さえる内作物を設置した。また固体
触媒については、反応塔内に直接充填した(特開昭58
−64188)。このため反応塔への触媒の充填および
触媒の抜き出しなどの作業には、かなりの時間および人
数を必要とし、作業性が非常に悪いものであった。
【0003】また本発明に係る廃水の処理方法のよう
な、固体触媒の存在下に廃水を処理する方法において
は、特に廃水の流れ方向に対して上流側の触媒(入口部
の触媒)が、下流側の触媒(出口部の触媒)よりも、触
媒の活性劣化および圧力損失の上昇などの問題が一般的
に生じ易いものである。これは、廃水が窒素含有化合
物、硫黄含有化合物およびハロゲン含有化合物などの触
媒の活性低下をもたらす物質を含有する場合、廃水の流
れ方向に対して上流側の触媒の方が、これらの濃度の濃
いことが多いためである。下流側の触媒では、これらの
物質は上流側の触媒で処理され、原廃水よりも減少して
いることが多い。また、該廃水が固形物やスケール生成
物質などの触媒の活性低下および圧力損失の上昇などを
もたらす物質を含有する場合は、廃水の流れ方向に対し
て上流側の触媒の方が、これらの付着量が多いためであ
る。さらに固体触媒を用いた廃水の処理においては、触
媒層の出口部に比べ入口部では、触媒反応が過剰に生じ
易くなる。このため、特に入口部付近において局所的に
過剰加熱(ホットスポット)などが生じて、触媒の機械
的強度および活性が低下することが多いものである。
【0004】また特に湿式酸化処理を行う際、その処理
条件が高温高圧と過酷であるために、触媒の活性劣化お
よび強度の低下は、著しいものとなることが多い。
【0005】このため触媒の交換に際しては、廃水の流
れ方向に対して上流側の触媒(入口部の触媒)を、重点
的に交換する必要があった。
【0006】また本発明に係る廃水の処理方法のよう
な、固体触媒の存在下に廃水を処理する方法において
は、廃水を触媒層の下部から上方向に上向流で流すこと
が一般的であり、特に酸素含有ガスを供給しながら廃水
を処理する方法では、多く採用されるものである。すな
わち、廃水の流れ方向に対して上流側の触媒とは、反応
塔下部の触媒であることが多い。このため従来の方法で
固体触媒を充填し、触媒層の上流側の触媒、すなわち反
応塔下部の触媒を交換するには、反応塔内の触媒を全量
取り出す必要があり、作業性が非常に悪いものであっ
た。また、この触媒の抜き出しの際には、触媒の多くが
粉砕し、抜き出した触媒は再充填できない触媒であるこ
とが多かった。
【0007】従って廃水の流れ方向に対して上流側の触
媒、すなわち触媒層下部の触媒を交換するには、触媒全
量を交換する必要があり、コスト的に問題があるもので
あった。
【0008】このような弊害を防止するために、従来は
廃水の処理条件を変更したり、触媒の活性を回復するた
めに洗浄などの操作(特開昭58−114731)を行
ったりして運転を継続した。しかしながらこのような操
作を行っても、従来は飛躍的に触媒の寿命を延ばすこと
はできず、最終的には触媒を全量交換することが多かっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このため本発明の目的
は、上記問題点を解決することのできる廃水の処理方法
を提供することにある。すなわち、固体触媒および/ま
たは吸着材の存在下、廃水を酸素含有ガスの供給のもと
に処理する各種廃水の処理方法において、該固体触媒の
反応塔への充填および抜き出しを容易にする。また、な
おかつ一部分の該固体触媒および/または吸着材を交換
することも可能とし、さらに廃水の処理を行った後に抜
き出した該固体触媒および/または吸着材の再使用(反
応塔への再充填)もできる、新規な廃水の処理方法を提
供することにある。
【0010】また廃水の処理を行うことで触媒活性の低
下した固体触媒、および処理に際して圧力損失の上昇し
た固体触媒および/または吸着材を、容易に再生できる
新規な廃水の処理方法を提供することにもある。すなわ
ち、該固体触媒および/または吸着材の耐久性を高め、
廃水を浄化性高く処理でき、経済的にも優れる新規な廃
水の処理方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために鋭意研究の結果、固体触媒および/ま
たは吸着材の存在下、廃水を処理するに際して、該固体
触媒および/または吸着材を詰めた容器の特定の使用方
法について見いだし、発明を完成したものである。特
に、廃水を酸素含有ガスの供給のもとに処理するに際し
て、固体触媒および/または吸着材を反応塔に充填する
場合に複数の該容器に分けて詰め、これら複数の容器を
反応塔に充填し、廃水を処理する。そして引き続き廃水
を任意の時間処理した後、これら反応塔に充填した複数
の容器を反応塔から抜き出し、再度、固体触媒および/
または吸着材を充填するに際して、これらの抜き出した
固体触媒および/または吸着材の全量もしくは一部を再
使用して廃水を処理するものである。またこの再充填に
際して、固体触媒および/または吸着材を充填した容器
は、本発明に係るところの特定の順番で設置するもので
ある。
【0012】かくして本発明は、以下のごとくの廃水の
処理方法を提供する。
【0013】(1)固体触媒および/または吸着材を用
いて廃水を処理するに際し、固体触媒および/または吸
着材を複数の容器に充填して廃水処理用の反応塔に設置
し、かつ固体触媒および/または吸着材を容器に充填し
た状態で抜き出すことを特徴とする廃水処理用容器を用
いた廃水の処理方法。
【0014】(2)上記1記載の廃水の処理方法におい
て、反応塔から抜き出した該固体触媒および/または吸
着材を、洗浄処理および/または再活性化処理した後、
反応塔に再度設置することを特徴とする上記1記載の廃
水の処理方法。
【0015】(3)廃水の流れ方向に対して上流側の該
固体触媒および/または吸着材を交換することを特徴と
する上記1または2記載の廃水の処理方法。
【0016】(4)交換した固体触媒および/または吸
着材を容器に充填し、交換しなかった固体触媒および/
または吸着材に対し、廃水の流れに対して下流側に設置
することを特徴とする上記1から3記載の廃水の処理方
法。
【0017】(5)廃水の流れに対して上流側の固体触
媒および/または吸着材を下流側へ設置し、下流側の固
体触媒および/または吸着材を上流側に設置することを
特徴とする上記1から4記載の廃水の処理方法。
【0018】(6)固体触媒と吸着材を併用する場合に
は、廃水の流れ方向に対して上流側に吸着材を設置し、
下流側には固体触媒を設置することを特徴とする上記1
から5記載の廃水の処理方法。
【0019】(7)該廃水の処理方法が湿式酸化処理方
法であることを特徴とする上記1から6記載の廃水の処
理方法。
【0020】以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】
【発明の実施形態】本発明は、反応塔を用いて廃水を処
理するに際して、固体触媒および/または吸着材を複数
の容器に詰めて、廃水処理用の反応塔に充填し、なおか
つこれらを抜き出す場合にも、該容器にこれらを充填し
た状態で反応塔から抜き出すものである。すなわち、固
体触媒および/または吸着材をそのまま反応塔に直接充
填するのではなく、固体触媒および/または吸着材を容
器に充填し、その容器にこれらを詰めた状態で、反応塔
から出し入れする新規な廃水の処理方法で廃水を浄化す
るものである。これにより、該固体触媒および/または
吸着材の耐久性が向上できるものである。具体的にはこ
れにより、廃水処理に使用した反応塔から抜き出した使
用済みの固体触媒および/または吸着材を、再度廃水処
理に使用できることが多くなり、廃水処理に係るランニ
ングコストが低減できるものである。本発明に係る廃水
の処理方法では、容器に該固体触媒および/または吸着
材を充填しているため、特にこれらの反応塔からの抜き
出し時もしくは反応塔への充填時に、これらの割れ、粉
砕、磨耗などを生じ難くなる。このため、機械的強度が
低下した固体触媒および/または吸着材でも、使用でき
ることが多くなるものである。
【0022】従来のように直接反応塔に固体触媒および
/または吸着材を充填した場合には、該固体触媒および
/または吸着材は、反応塔から抜き出す際に、割れ、粉
砕、磨耗などを生じ、機械的な原因での劣化および破損
を生じた。このため廃水の処理時には、劣化および破損
などを生じてなかった該固体触媒および/または吸着材
が、反応塔から抜き出したために、再使用できなくなる
ことが多かった。また多くの固体触媒および/または吸
着材の機械的強度は、廃水処理に使用した後には、使用
前と比較して低下していることが多い。このため一度使
用した後の該固体触媒および/または吸着材は、再度反
応塔に充填する際に、割れ、粉砕、磨耗などを生じ、触
媒活性もしくは吸着能力の低下、並びに反応塔内での圧
力損失の増加などの原因となった。
【0023】また本発明に係る廃水の処理方法で、固体
触媒および/または吸着材を充填した複数の容器は、廃
水の流れ方向に対して直列に充填することが効果的であ
る。この原因は、廃水の流れ方向に対して上流側と下流
側では、処理後の固体触媒および/または吸着材の劣化
度合いが、大きく異なることが多いためである。従って
これにより、次に固体触媒および/または吸着材を反応
塔から抜き出した際には、廃水の流れ方向に対して上流
側と下流側のものに関して、異なる措置をとることがで
きるものである。特に限定されるものではないが、例え
ば、それぞれの容器の固体触媒および/または吸着材に
対して、特に化学的な処理を行わず固体触媒等に空気を
吹き付けゴミを吹き飛ばすなどの処理をするもの、洗浄
を実施するもの、再活性化処理を実施するもの、または
別のものと交換するものなどである。本発明に係る廃水
の処理方法では、反応塔から抜き出した固体触媒および
/または吸着材の一部もしくは全量を、洗浄もしくは再
活性化処理した後、再度反応塔に充填して廃水を処理す
ることができるものである。従来の充填方法では、固体
触媒および/または吸着材を反応塔から抜き出した後、
再度使用することは困難であった。このため従来、洗浄
もしくは再活性化処理することで使用可能となるもので
も、再使用されることは少なかった。
【0024】またこれにより、次に再充填するに際し
て、これらの反応塔への充填の位置を変更することもで
きる。これらから、さらに該固体触媒および/または吸
着材の耐久性が向上でき、廃水処理に係るランニングコ
ストが低減できるものである。
【0025】また本発明に係る廃水の処理方法は、該固
体触媒および/または吸着材の反応塔への充填、および
反応塔からの抜き出しの作業性が向上するものである。
これらから本発明者は、廃水処理にかかるコストが低減
し、経済的に優れることを見いだし、本発明を完成する
に至った。
【0026】また本発明に係る廃水の処理方法では、反
応塔から抜き出した容器に詰めた該固体触媒および/ま
たは吸着材は、一部は交換し、残りは容器に詰めた状態
で反応塔に再充填し、再使用することができるものであ
る。この場合、効果的には、先の反応塔の充填時で、廃
水の流れ方向に対して上流側の容器であった固体触媒お
よび/または吸着材は交換し、流れ方向に対して下流側
の容器であった固体触媒および/または吸着材は交換し
ないで、これらを反応塔に再充填するものである。廃水
の流れ方向に対して上流側の容器で用いた固体触媒およ
び/または吸着材は、固体触媒の活性が低下しているこ
と、もしくは吸着材の吸着性能の低下していることが多
い。また廃水中の固形物やスケール生成物質などによ
り、特に廃水の流れ方向に対して上流側で、固体触媒層
もしくは吸着材層が、閉塞もしくは圧力損失の増加して
いることが多い。すなわち廃水の流れ方向に対して上流
側で用いた固体触媒および/または吸着材は、その耐久
性が低下していることが多い。逆に、廃水の流れ方向に
対して下流側の容器で用いた固体触媒および/または吸
着材は、再使用可能であることが多いものである。これ
により該固体触媒および/または吸着材の耐久性が向上
でき、廃水処理に係るランニングコストが低減できるも
のである。
【0027】この場合、反応塔から抜き出した該固体触
媒および/または吸着材のうち、廃水の流れ方向に対し
て下流側の容器の固体触媒および/または吸着材は、洗
浄もしくは再活性化処理を実施した後、再度反応塔に充
填することが効果的である。
【0028】また、本発明に係る廃水の処理方法におい
て、固体触媒および/または吸着材の交換は、これらを
充填した容器ごとに交換してもよいし、容器は交換せず
中身の固体触媒および/または吸着材だけを交換しても
よく、これらの交換は本発明の趣旨に反しないかぎり特
に限定されるものではない。
【0029】本発明に係る廃水の処理方法で、一部の容
器の固体触媒および/または吸着材を交換し、廃水処理
用の反応塔に再充填するに際して、効果的には、該固体
触媒および/または吸着材を交換した容器は、廃水の流
れ方向に対して下流側に再設置し、該廃水の流れ方向に
対して上流側には、固体触媒および/または吸着材を交
換しなかった容器を再設置するものである。これによ
り、さらに該固体触媒および/または吸着材の耐久性が
向上でき、廃水処理に係るランニングコストが低減でき
るものである。逆に交換した固体触媒および/または吸
着材を、廃水の流れ方向に対して上流側に再設置した場
合、廃水の流れ方向に対して上流側の固体触媒および/
または吸着材が、先にも記載したような理由で、最もそ
の耐久性が低下することが多い。このためこの場合に
は、次回の固体触媒および/または吸着材の交換の際
に、この使用時間の短い固体触媒および/または吸着材
を交換する可能性が高い。従って、廃水の流れ方向に対
して下流側に設置した固体触媒および/または吸着材
は、長期間に渡って使用することになる。このためこれ
らの交換の数回毎に全量を交換する必要が生じ、ランニ
ングコストが上がるものである。
【0030】また、廃水の流れ方向に対して下流側に設
置した固体触媒および/または吸着材は、その固体触媒
の触媒活性、もしくは吸着材の吸着性能が、未使用のと
きと比較して、逆に向上している場合が多い。このため
廃水の流れ方向に対して下流側に設置した固体触媒およ
び/または吸着材は、交換に際して再充填することが効
果的であるときも生じるからである。そしてこの場合の
再充填位置は、最も廃水中の処理対象成分濃度が高い廃
水の流れ方向に対して上流側に、再設置することが最も
効果的である。これにより廃水の浄化性はさらに高くな
り、これらの耐久性もさらに高くなることから、廃水処
理に係るランニングコストがさらに低減できるものであ
る。従来の廃水の処理方法では、一度抜き出したこれら
の機械的強度が低下していたため、再充填することは困
難であった。
【0031】また本発明に係る廃水の処理方法で、固体
触媒および/または吸着材を交換せず、再充填する場合
には、廃水の流れ方向に対して上流側に設置していた固
体触媒および/または吸着材は、容器ごと廃水の流れ方
向に対して下流側に再設置することが効果的である。廃
水の流れ方向に対して上流側に設置していた固体触媒お
よび/または吸着材は、先にも記載したような理由で、
最もその耐久性が低下していることが多い。逆に廃水の
流れ方向に対して下流側に設置した固体触媒および/ま
たは吸着材は、その固体触媒の触媒活性、もしくは吸着
材の吸着性能が、逆に向上する場合が多い。すなわちこ
の場合、耐久性の低下した廃水の流れ方向に対して上流
側に設置していた固体触媒および/または吸着材は、廃
水の流れ方向に対して下流側に再設置することで、再活
性化できることがある。これにより、該固体触媒および
/または吸着材の使用可能な時間がさらに向上する。す
なわち、特別な再活性化処理を実施することなく、廃水
の処理を実施するだけで、該固体触媒および/または吸
着材の耐久性が向上でき、廃水処理に係るランニングコ
ストが大幅に低減できるものである。ただし、該固体触
媒および/または吸着材の機械的強度は、使用時間に応
じて低下することが多い。このため本発明に係るところ
の複数の容器に分割して、該固体触媒および/または吸
着材を充填することにより、この機械的強度の低下した
該固体触媒および/または吸着材が、長期間に渡り使用
可能となるものである。
【0032】本発明に係る廃水の処理方法において容器
とは、固体触媒および/または吸着材を詰めることがで
き、かつ容器内に廃水が通過できればよいものである。
また反応塔に当該容器を充填するので、反応塔の反応管
内に充填し易い形状であることが好ましい。通常反応管
(および反応塔)は円柱状であるので、当該容器は円柱
型であることが好ましく、また容器は液が流れやすい構
造であればよい。例えば該容器の形状は、容器の上部お
よび下部に開口部があるものが効果的である。通常の廃
水処理においては、固体触媒および/または吸着材の中
を、廃水が上方向もしくは下方向に流れる反応塔を用い
るからである。該容器の上部もしくは下部に開口部がな
い場合には、廃水の偏流が生じ、処理活性が低下するも
のである。また廃水の処理においては、酸素含有ガスを
用いることが多くある。このため該容器は、固体触媒お
よび/または吸着材を充填した該容器の中を、酸素含有
ガスも偏流が少なく流れる構造であることが効果的であ
る。なお、本発明において容器の形状は円柱状に限定し
ているものではなく、種々の形状の容器を使用すること
ができるが、説明を容易に行うため、特に好ましく、形
状としても一般的な円柱状を例として、以下に具体的に
説明する。
【0033】該容器は反応塔(もしくは反応管)に充填
するので、反応塔の内径とほぼ同じ径であることが好ま
しい。当該容器の長さは、単一のものを反応塔に充填す
る場合には、反応塔の反応を行う部分の長さとほぼ等し
いことが好ましい。さらに好ましくは、反応塔に該容器
を複数充填することである。この場合の該容器の長さ
は、20cm〜200cmであることが効果的であり、
さらに効果的には、50cm〜100cmである。20
cm未満であれば、充填する容器の数が多くなり非効率
的である。また200cmを越える場合には、固体触媒
および/または吸着材を充填した該容器の重量が重いも
のとなり、該容器の反応塔への充填および抜き出しの作
業性が低下するものである。
【0034】また本発明に係る廃水の処理方法におい
て、反応塔に充填した容器の形状は、個々の容器の形状
が円柱状でなくとも、反応塔に該容器を充填した状態
で、複数の容器を組み合わせた形状で円柱状であっても
よい。これは、該容器を反応塔に充填するにあたり、反
応塔の出入り口の形状およびサイズ等の点から、分割し
て反応塔内に持ち込む方が有利なことが多いためであ
る。例えば反応塔の出入り口部が反応塔の胴径より小さ
い場合に、N分割した容器の各々に固体触媒および/ま
たは吸着材を充填し、反応塔に入れ反応塔内で所定の円
柱を形成するものである。また単一の円柱状の容器とし
た時に大きな容器となる場合にも、分割して重量を軽く
した方が、作業性がよくなることが多いものである。
【0035】この形状に関しては特に限定されるもので
はないが、具体的には、円柱の円の面を半円、3分の
1、4分の1等のN分割した形状(円柱の円の面を扇状
に分割した形状,図4参照)、および円柱の円の面をH
型に分割した形状(図5参照)、円柱の円の面をドーナ
ツ状に分割し、さらに外周のドーナツ状の部分を幾つか
に分割した形状(図6参照)など種々の円を分割した形
状を採用することができる。
【0036】なお分割した該容器を反応塔内で充填する
に際しても、各々の容器の接続方法が特に限定されるも
のではなく、各々容器の間の隙間で、廃水および酸素含
有ガスの偏流が少なくなるように充填するものであれば
よい。例えば、各々の容器の間に詰め物を施したり、隙
間の上下に蓋のような押さえを施したりすることなどが
ある。
【0037】このような分割した該容器を採用するの
は、反応塔の直径が50cm以上である時に効果的であ
り、より効果的には60cm以上の時である。50cm
未満である時は特に分割する必要がなく、むしろ分割す
ることで廃水および酸素含有ガスなどの偏流が起きやす
くなるものである。
【0038】なお、本発明に係る廃水の処理方法におい
て、固体触媒および/または吸着材を充填する複数の容
器とは、上記のようにN分割した個々の容器、H型に分
割した個々の容器、ドーナツ状に分割した個々の容器な
どの種々の1つの円柱状の容器を分割した容器のことで
はなく、反応塔内部の形状およびサイズに近い形状の容
器を廃水の流れ方向に対して直列に設置した容器である
ことが効果的である。
【0039】本発明に係る廃水の処理方法において、固
体触媒および/または吸着材の洗浄とは、固体触媒およ
び/または吸着材を、水や薬剤を用いて洗浄することで
ある。この薬剤としては、特に限定されるものではない
が、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸の水溶液やシュウ
酸、クエン酸、蟻酸、酢酸などの有機酸の水溶液、水酸
化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリの水溶液
など種々のものを用いることができる。また洗浄の方法
も、容器から抜き出して行うこともできれば、容器に充
填した状態で洗浄することもでき、特に限定されるもの
ではない。
【0040】本発明に係る廃水の処理方法において、固
体触媒および/または吸着材の再活性化処理とは、固体
触媒の触媒活性の向上もしくは吸着材の吸着能力の向上
を図ることができる処理であるならば、特に限定される
ものではない。例えば、空気焼成処理や還元焼成処理な
どの焼成処理、酸やアルカリでの薬剤処理、ならびに触
媒活性成分の添加処理や吸着促進成分などの添加処理な
どがある。また再活性化処理の方法も、容器から抜き出
して行うこともできれば、容器に充填した状態で処理す
ることもでき、特に限定されるものではない。
【0041】本発明に係る廃水の処理方法において、廃
水の流れ方向に対して上流側もしくは下流側の容器は、
具体的には複数の容器を廃水の流れ方向に対して直列に
設置した中で、容器を2個用いた場合には、廃水の反応
塔入口部に近い容器は上流側の容器であり、処理した後
の液の反応塔出口部に近い容器は下流側の容器である。
また、容器を3個以上用いた場合には、廃水の反応塔入
口部に最も近い容器は上流側の容器であり、処理した後
の液の反応塔出口部に最も近い容器は下流側の容器であ
る。そして、中央の容器は、そのときのケースに応じて
上流側および下流側のどちらとしても扱うことができ
る。ただし容器を4個以上用いた場合、中央部の容器
は、廃水の流れ方向に対して、上流側の容器として扱う
ものと、下流側の容器として扱うものが、廃水の流れ方
向に対して逆転することはない。すなわち廃水の流れ方
向に対して、廃水の反応塔入口部に近い方から下流側に
連続的に任意の数の容器が、上流側の容器であり、廃水
の処理した後の液の反応出口部に近い方から上流側に連
続的に任意の数の容器が、下流側の容器である。但し、
種類の異なる固体触媒もしくは吸着材を数種類充填して
いる場合、あるいは固体触媒と吸着材を両方用いている
場合には、これらの間では、特に限定して上流側もしく
は下流側としての概念を適用しないものである。
【0042】これらの固体触媒および/または吸着材を
入れ替える時期および該容器の充填位置を移動する時期
は、特に限定されるものではなく、任意に実施すること
ができるものである。しかしながら効果的には、装置の
定期整備もしくは点検時に実施することが好ましい。こ
の理由は、装置の定期整備もしくは点検時に実施する場
合は、処理の停止していることが多く、容易に実施する
ことができるからである。またさらに効果的には、固体
触媒を入れ替える時期および該容器の充填位置を移動す
る時期は、該固体触媒の活性の低下が観察もしくは予想
されたとき、あるいは装置の圧力損失が上昇したときに
実施することが好ましい。また吸着材を入れ替える時期
および該容器の充填位置を移動する時期は、さらに効果
的には、該吸着材の吸着能力の低下が観察もしくは予想
されたとき、あるいは装置の圧力損失が上昇したときに
実施することが好ましい。
【0043】本発明に係る廃水の処理方法において、固
体触媒および/または吸着材の一部を交換するに際し
て、固体触媒および/または吸着材の交換する量は、特
に限定されるものではない。しかしながら、一つの容器
の中の固体触媒および/または吸着材を全量交換するこ
とが効果的であり、すなわち容器単位ごとに必要な量の
固体触媒および/または吸着材を交換することが効果的
である。これは容器の中の一部のものだけを交換するに
は、作業が繁雑であるためである。ただし、容器の中の
一部の固体触媒および/または吸着材を交換することも
可能である。これは例えば、容器内の一部の固体触媒お
よび/または吸着材が、割れもしくは粉砕などした場合
に実施することがある。具体的には、これらを容器から
取り出し、篩にかけた後、再使用可能なものは再充填
し、減量分は追加するなどの操作で実施することができ
る。
【0044】また本発明に係る廃水の処理方法におい
て、反応塔(反応管)内には整流板、仕切り板等の内作
物を充填することもできる。そしてこの内作物は、固体
触媒および/または吸着材を充填した容器と交互に設置
することが好ましいものである。
【0045】当該反応塔に廃水を導入する方法は、反応
塔の下方より廃水を導入し上方より処理後の処理液を排
出する方法、または反応塔の上方より廃水を導入し下方
より処理後の処理液を排出する方法の他に、当該反応塔
の中段に廃水を導入することもでき、特に限定されるも
のではない。
【0046】本発明に係る廃水の処理方法は、反応塔を
用いて本発明に係る廃水を固体触媒および/または吸着
材の存在下に処理する種々の方法に適用することがで
き、例えば湿式酸化法、湿式分解法もしくはオゾン酸化
法などの処理方法に適用できるが、効果的には酸素含有
ガスを供給しながら廃水を処理する各種廃水の処理方法
が好ましいものである。このなかでも特に効果的である
廃水の処理方法は、湿式酸化法による廃水の処理方法と
オゾン酸化法による廃水の処理方法であり、さらに効果
的であるのは湿式酸化法による廃水の処理である。
【0047】湿式酸化法では廃水を高温に加熱し、なお
かつ高圧下で処理を実施するため、該固体触媒の劣化、
ならびに固体触媒および/または吸着材を充填および抜
き出すときの作業性が悪く、上記の問題点が顕著になる
ことが多い。このため、本発明に係る廃水の処理方法が
特に効果的になるものである。
【0048】本発明に係る廃水の処理方法において、処
理対象の廃水の種類は、特に限定されるものではない。
しかしながら、該廃水が、窒素含有化合物および硫黄含
有化合物、有機ハロゲン化合物の群から選ばれる少なく
とも1種を含むもの、あるいは固形物および/またはス
ケール生成物質を含有するものである場合に、特に本発
明に係る廃水の処理方法による効果が高くなるものであ
る。これは、該廃水が窒素含有化合物、硫黄含有化合物
およびハロゲン含有化合物の少なくとも1種を含む場
合、特に廃水の流れ方向で上流側の固体触媒の劣化が顕
著となることが多いためである。また、該廃水が固形物
および/またはスケール生成物質の少なくとも1種を含
む場合、特に廃水の流れ方向で上流側の固体触媒および
/または吸着材の圧力損失の上昇および劣化が顕著とな
ることが多いためである。
【0049】本発明に係る窒素含有化合物とは、特に限
定されるものではないが、例えば、硝酸イオン、亜硝酸
イオン、アンモニア等の各種無機化合物、およびピリジ
ン、ジメチルホルムアミド、アニリン、エタノールアミ
ン等の窒素を含有する有機物等である。
【0050】本発明に係る硫黄含有化合物とは、硫酸イ
オン以外の硫黄化合物であれば特に限定されるものでは
なく、例えば、硫黄自体のほか、低級酸化数の硫黄化合
物としては、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等
の各種チオ硫酸塩、または硫化ナトリウム、硫化カリウ
ム、硫化水素ナトリウム等の各種硫化物無機塩、硫化水
素、または各種硫化アルキル、メルカプタン類等のイオ
ウを含有する有機物等である。
【0051】本発明に係る有機ハロゲン化合物とは、特
に限定されるものではないが、例えば、塩化メチル、テ
トラクロロエチレン、p−クロロフェノール等のハロゲ
ンを含有する有機物等である。
【0052】本発明に係るスケール生成物質とは、廃水
の処理により固形物を生成しやすい成分のことであり、
具体的には、重金属類、アルミニウム、リン、ケイ素、
カルシウムおよびマグネシウムからなる群から選ばれる
少なくとも1種の元素である。またこの重金属類とは特
に限定されるものではなく、重金属全般にわたるが、例
えば、カドミウム(Cd)、ニッケル(Ni)、コバル
ト(Co)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、亜鉛(Z
n)、銀(Ag)、鉄(Fe)、スズ(Sn)、アンチ
モン(Sb)、鉛(Pb)、タリウム(Tl)、水銀
(Hg)、ヒ素(As)、クロム(Cr)、ビスマス
(Bi)である。
【0053】また本発明に係るスケール生成物質の状態
としても、該廃水の処理により固形物を生成するもので
あるならば特に限定されるのではなく、例えば、各種の
イオンまたは有機金属化合物等の形態がある。
【0054】また本発明に係る固形物の状態としても特
に限定されるものではなく、例えば、不溶性もしくは難
溶性の酸化物や塩などの各種化合物のいずれの状態のも
のであってもよい。
【0055】さらに本発明において効果を有する廃水
は、窒素含有化合物および硫黄含有化合物、有機ハロゲ
ン化合物の群から選ばれる少なくとも1種の化合物、並
びに固形物および/またはスケール生成物質を含有する
廃水である。これら両方のものを含有する場合には、固
体触媒および/または吸着材の耐久性が、より顕著に低
下することが多く、本発明による効果がより一層向上す
るものである。
【0056】本発明は、単に湿式酸化法のみに限定して
使用できるものではなく、上記の問題を有する種々の処
理方法に使用することができるが、説明を容易に行うた
め、上記処理方法のうち、特に好ましい処理方法である
湿式酸化法を例として、具体的に説明する。湿式酸化法
とは、廃水を140℃〜370℃に加熱し、該廃水が液
相を保持する圧力下で、酸素含有ガスを導入し、廃水を
浄化処理する方法である。該廃水の処理方法における反
応塔での最高温度は、140℃以上370℃未満であ
り、好ましくは、160℃以上300℃未満である。3
70℃以上である場合は、液が液相を保持できないもの
である。一方、140℃未満である場合は、処理効率が
著しく低下し、廃水を浄化できないことが多い。また3
00℃以上である場合は、液相を保持するための圧力が
たいへん高く、このための設備費およびランニングコス
トが高いものとなる。また160℃未満である場合も、
処理効率が一般に低く廃水の浄化性の劣ることが多いも
のである。
【0057】本発明に係る廃水の処理方法において湿式
酸化の処理圧力は、処理温度との相関性により適宜選択
され、液が液相を保持する圧力で行う。
【0058】本発明に係る廃水の処理方法において廃水
の空間速度としては、0.1hr-1〜10hr-1が効果
的である。空間速度0.1hr-1未満である場合は廃水
の処理液量が低下し、設備が過大なものとなり、逆に1
0hr-1を超える場合には処理効率が低下し好ましくな
い。また好ましくは、0.3hr-1〜5hr-1である。
【0059】本発明に係る酸素含有ガスとは、酸素分子
およびオゾンを含有するガスであり、オゾンおよび酸素
等のガスを用いる場合には、適宜不活性ガス等により希
釈して用いることができる。また酸素富化ガスを使用す
ることもでき、これらのガス以外にも他のプラントより
生じる酸素含有の排ガスも、適宜使用することもでき
る。しかしながら最も好ましいものは、価格の安価な空
気である。
【0060】本発明において使用する湿式酸化処理装置
は、通常使用されるものが用いられ、湿式酸化反応塔
は、単管式、多管式のいずれの形式であってもよいが、
好ましくは単管式のものである。また本発明に係る廃水
の処理方法において「反応塔」と記載した箇所は、「反
応管」と置き換えることができるものである。
【0061】本発明に係る廃水の処理方法において、固
体触媒の種類は特に限定されるものではなく、種々の廃
水処理に用いる固体触媒を使用することができる。例え
ば、チタン、鉄、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム
または活性炭等を含有する触媒が挙げられ、好ましく
は、チタン、チタン−ジルコニウム、チタン−鉄等の酸
化物を用いる。これらの触媒は、上記成分(以下、第1
成分とも記載する)の他、第2成分を含有してもよい。
【0062】この第2成分としては、マンガン、コバル
ト、ニッケル、タングステン、銅、セリウム、銀、白
金、パラジウム、ロジウム、金、イリジウム、ルテニウ
ム等の少なくとも1種の金属、またはこれらの金属化合
物よりなる成分を用いることができる。この触媒は、第
1成分75〜99.95重量%に対して、第2成分25
〜0.05重量%の割合であることが好ましい。
【0063】また該固体触媒の形状は、ぺレット状、球
状、粒状、リング状およびハニカム状から選ばれる少な
くとも1種であることが効果的であるが、特に限定され
るものではない。
【0064】本発明に係る廃水の処理方法において、吸
着材の種類は特に限定されるものではなく、種々の廃水
処理に用いる吸着材を使用することができる。例えば、
チタン、鉄、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウムまた
は活性炭等を含有する吸着材が挙げられ、好ましくは、
チタン、チタン−ジルコニウム、チタン−鉄等の酸化物
を用いる。この吸着材は、固体触媒を組み合わせて使用
することが効果的であるが、特に限定されるものではな
い。また該吸着材の形状も、ペレット状、球状、粒状、
リング状およびハニカム状から選ばれる少なくとも1種
であることが効果的であるが、特に限定されるものでは
ない。
【0065】
【発明の効果】本発明に係る廃水の処理方法では、反応
塔に容器を設置する前に、予め容器に固体触媒および/
または吸着材を充填することができる。そして該容器を
反応塔に設置することで、容易に固体触媒および/また
は吸着材を反応塔に充填することができる。このため、
固体触媒および/または吸着材を反応塔に充填する際の
作業性が著しく向上し、従来の固体触媒および/または
吸着材の充填に要する時間の短縮、および必要人数の減
少を図ることができる。また、該固体触媒および/また
は吸着材の反応塔からの抜き出しも、反応塔から固体触
媒および/または吸着材の詰まった容器を取り出すこと
で可能である。このため、この際の作業性が著しく向上
し、従来の固体触媒および/または吸着材の抜き出しに
要する時間の短縮、および必要人数の減少を図ることが
できる。従って本発明に係る廃水の処理方法は、この点
から経済的に優れるものである。
【0066】また本発明に係る廃水の処理方法では、該
固体触媒および/または吸着材を複数の容器に分割して
充填、ならびに該容器をさらに複数に分割して充填する
ことを実施できる。これにより、個々の該容器のサイズ
および重量が減少され、より上記の作業性が向上するも
のである。
【0067】また本発明に係る廃水の処理方法では、容
器に固体触媒および/または吸着材を詰めているので、
固体触媒および/または吸着材を特定量、一括して反応
塔から抜き出すことができる。これにより該固体触媒お
よび/または吸着材は、反応塔内に充填していたとき
と、ほぼ同じの状態で抜き出すことが可能となり、この
際の該固体触媒および/または吸着材の劣化を最小限度
にとどめることができる。従って一度廃水の処理を行
い、反応塔から抜き出した該固体触媒および/または吸
着材を、再度使用することができるものである。またこ
の抜き出したときに、該固体触媒および/または吸着材
を洗浄もしくは再活性化処理することが容易にでき、該
固体触媒および/または吸着材の耐久性を向上すること
ができるものである。
【0068】また本発明に係る廃水の処理方法では、複
数の容器に固体触媒および/または吸着材を充填し、反
応塔に設置する。このため、固体触媒および/または吸
着材を交換するにあたって、交換の必要な部分だけの固
体触媒および/または吸着材を交換することが可能とな
る。このため固体触媒および/または吸着材の使用可能
時間を高めることになり、経済的に廃水を処理すること
ができるものである。
【0069】また本発明に係る廃水の処理方法では、処
理により劣化した固体触媒および/または吸着材の反応
塔内での設置位置を変更することで、再活性化処理を実
施することができる。すなわち特別な再活性化処理を実
施することなく、廃水の処理を実施するだけで、該固体
触媒および/または吸着材の耐久性が向上でき、廃水処
理に係るランニングコストが大幅に低減できるものであ
る。
【0070】また本発明に係る廃水の処理方法では、容
器に固体触媒および/または吸着材を充填する。このた
め、該固体触媒および/または吸着材の形状維持のため
の機械的強度を下げることができる。一般に廃水処理に
用いる固体触媒および/または吸着材は、種々のガス用
の固体触媒および/または吸着材と比較して高い機械的
強度を要求される。このため廃水処理用の固体触媒およ
び/または吸着材には、高い機械的強度を得るための制
限が付くことが多い。しかしながら、本発明に係る廃水
の処理方法では、該固体触媒および/または吸着材に必
要な機械的強度を低減させることが可能となり、より幅
広い範囲で廃水処理用の固体触媒および/または吸着材
を作ることができるものである。
【0071】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例をあげて
詳細に説明するが、本発明は、これだけに限定されるも
のではない。
【0072】(実施例1)図1に示す湿式酸化処理装置
を使用し、下記の条件下で処理を合計で800時間行っ
た。この処理は100時間ごとに停止し、反応塔の中の
固体触媒を充填した容器を取り出した。取り出した容器
は、固体触媒を充填したそのままの状態で水洗し、必要
に応じて固体触媒を交換し、特定の順番で再度反応塔に
設置して、処理を継続した。以下に詳細な実験方法およ
び結果について記述する。
【0073】処理に使用した固体触媒は、主成分として
チタニアと白金からなる触媒で、それぞれの重量比がT
iO2:Pt換算で99:1.0であった。また形状は、
直径4mmφ×長さ7mmのペレット状であった。そし
てこの触媒を直径9.1cm、長さ100cmの円筒状
の容器に充填した。該容器は、容器の上部および下部が
金網でできており、側面は板状であった。また容器下部
の金網の位置は、側面の円筒状の下部の端よりも10c
m上の位置に取り付けてあった(図2)。この容器と同
じ形状をし、同じ触媒を充填した容器を全部で5本反応
塔内に設置した。充填した触媒量は、28リットルであ
った。
【0074】また該容器を反応塔内に設置するにあたっ
て、該容器の下に整流板として内作物を各容器の下にそ
れぞれ1個充填した。この整流板の形状はロート状で、
下部の開口部の直径9.1cm、上部の開口部の直径2.
0cm、高さ5.0cmであった(図3)。これらは、
反応塔の底から50cmの位置から整流板を、そして固
体触媒を充填した容器18の順で交互に設置した。
【0075】処理に使用した反応塔の形状は、高さ6.
0mの円筒形の反応塔であり、内径9.2cmであっ
た。
【0076】処理の方法は、廃水供給ライン7より送ら
れてくる廃水を、廃水供給ポンプ5で28リットル/h
rの流量で昇圧フィードした後、加熱器3で250℃に
加熱し、反応塔1の底より供給した。また空気を酸素含
有ガス供給ライン10より供給し、コンプレッサー9で
昇圧した後、O2/ThOD(空気中の酸素量/理論的
酸素要求量)=2.0の割合となるように酸素含有ガス
流量調節弁11で流量を調節して加熱器の手前から供給
し、該廃水に混入した。また25重量%の水酸化ナトリ
ウム水溶液を、アルカリ供給ライン8より供給して、ア
ルカリ供給ポンプ7を用いて、加熱器3の手前から0.
8リットル/hrの流量で供給した。反応塔1では電気
ヒーター2を用いて250℃に保温し、処理を実施し
た。湿式酸化処理した処理液は、処理液ライン12を経
て冷却器4で冷却した後、気液分離器13で気液分離処
理した。気液分離器13においては、液面コントローラ
(LC)により液面を検出して液面制御弁15を作動さ
せて一定の液面を保持するとともに、圧力コントローラ
(PC)により圧力を検出して圧力制御弁14を作動さ
せて75kg/cm2Gの圧力を保持するように操作し
た。そして処理液は、処理液排出ライン17から排出し
た。処理開始時の反応塔入口圧力(PI)は、76kg
/cm2Gであった。
【0077】処理に供した廃水は、以下のような性状で
あった。ThODが45g/リットル、COD(Cr)が3
3g/リットル、pHは9.9で、鉄を15mg/リッ
トル含有していた。また有機窒素化合物を3.5g/リ
ットル(窒素元素換算)、ハロゲン含有化合物をp−ク
ロロフェノールの形態で合計0.1g/リットル(塩素
元素換算)含有していた。
【0078】そしてこの廃水を100時間処理した後、
処理を停止し、触媒を充填した容器を抜き出した。10
0時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)2.4
g/リットル、pH8.1であった。また反応塔入口圧
力は、76kg/cm2Gであった。抜き出した容器
は、触媒を詰めたそのままの状態で水洗し、再度反応塔
に設置した。すなわち初めに詰めた容器の反応塔下から
の容器に、A,B,C,D,Eという番号を振り付ける
と、次に詰め直した容器の順番も、反応塔底からA,
B,C,D,Eであった。
【0079】引き続き100時間処理した後、すなわち
合計で200時間処理した後の処理液の結果は、COD
(Cr)3.7g/リットル、pH8.5であった。また反応
塔入口圧力は、76kg/cm2Gであった。このため
触媒を充填した容器を抜き出し、抜き出した容器は、触
媒を詰めたそのままの状態で水洗した。また、容器Aの
固体触媒は、この容器の分だけ未使用品と交換した。こ
れらの容器は、抜き出したときと同じ順番で、再度反応
塔に設置した。すなわち、詰め直した容器の順番は、反
応塔底からA,B,C,D,Eであった。
【0080】引き続き100時間処理した後、すなわち
合計で300時間処理した後の処理液の結果は、COD
(Cr)2.6g/リットル、pH8.2であった。また反応
塔入口圧力は、76kg/cm2Gであった。このため
触媒を充填した容器を抜き出し、抜き出した容器は、触
媒を詰めたそのままの状態で水洗し、再度同じ順番で反
応塔に設置した。すなわち、詰め直した容器の順番は、
反応塔底からA,B,C,D,Eであった。
【0081】引き続き100時間処理した後、すなわち
合計で400時間処理した後の処理液の結果は、COD
(Cr)4.1g/リットル、pH8.6であった。また反応
塔入口圧力は、76kg/cm2Gであった。このため
触媒を充填した容器を抜き出し、抜き出した容器は、触
媒を詰めたそのままの状態で水洗した。また、容器Aの
固体触媒は、この容器の分だけ未使用品と交換した。こ
れらの容器は、抜き出したときと同じ順番で、再度反応
塔に設置した。すなわち、詰め直した容器の順番は、反
応塔底からA,B,C,D,Eであった。また容器Aの
固体触媒を交換したのは、2回目であった。
【0082】引き続き100時間処理した後、すなわち
合計で500時間処理した後の処理液の結果は、COD
(Cr)2.8g/リットル、pH8.3であった。また反応
塔入口圧力は、76kg/cm2Gであった。このため
触媒を充填した容器を抜き出し、抜き出した容器は、触
媒を詰めたそのままの状態で水洗した。そして、先に反
応塔の最下部にあった容器Aは反応塔の最上部に設置
し、その他の容器は1本分ずつ下に詰めた。すなわち、
詰め直した容器の順序は、反応塔底からB,C,D,
E,Aであった。
【0083】引き続き100時間処理した後、すなわち
合計で600時間処理した後の処理液の結果は、COD
(Cr)3.2g/リットル、pH8.4であった。また反応
塔入口圧力は、76kg/cm2Gであった。このため
触媒を充填した容器を抜き出し、抜き出した容器は、触
媒を詰めたそのままの状態で水洗した。また、容器Bの
固体触媒は、この容器の分だけ未使用品と交換した。そ
して、先に反応塔の最下部にあり、固体触媒を交換した
容器Bは反応塔の最上部に設置し、その他の容器は1本
分ずつ下に詰めた。すなわち、詰め直した容器の順序
は、反応塔底からC,D,E,A,Bであった。
【0084】引き続き100時間処理した後、すなわち
合計で700時間処理した後の処理液の結果は、COD
(Cr)2.7g/リットル、pH8.2であった。また反応
塔入口圧力は、76kg/cm2Gであった。このため
触媒を充填した容器を抜き出し、抜き出した容器は、触
媒を詰めたそのままの状態で水洗した。また、容器Cの
固体触媒は、この容器の分だけ未使用品と交換した。そ
して、先に反応塔の最下部にあり、固体触媒を交換した
容器Cは反応塔の最上部に設置し、その他の容器は1本
分ずつ下に詰めた。すなわち、詰め直した容器の順序
は、反応塔底からD,E,A,B,Cであった。
【0085】引き続き100時間処理した後、すなわち
合計で800時間処理した後の処理液の結果は、COD
(Cr)2.4g/リットル、pH8.1であった。また反応
塔入口圧力は、76kg/cm2Gであった。
【0086】(比較例1)図1に示す湿式酸化処理装置
を使用し、下記以外は実施例1と同じ処理条件で処理を
行った。触媒は、実施例1と同じ触媒を28リットル用
い、反応塔1の底より上に50cmの位置から反応塔に
直接充填した。そして100毎に触媒を抜き出すことな
く、連続して処理を実施した。処理開始時の反応塔入口
圧力(PI)は、76kg/cm2Gであった。
【0087】100時間後に得られた処理液の結果は、
COD(Cr)2.4g/リットル、pH8.1であった。ま
た反応塔入口圧力(PI)は、76kg/cm2Gであ
った。
【0088】200時間後に得られた処理液の結果は、
COD(Cr)4.1g/リットル、pH8.6であった。ま
た反応塔入口圧力(PI)は、77kg/cm2Gであ
った。
【0089】300時間後に得られた処理液の結果は、
COD(Cr)4.5g/リットル、pH8.7であった。ま
た反応塔入口圧力(PI)は、77kg/cm2Gであ
った。
【0090】400時間後に得られた処理液の結果は、
COD(Cr)5.2g/リットル、pH8.8であった。ま
た反応塔入口圧力(PI)は、79kg/cm2Gであ
った。
【0091】500時間後に得られた処理液の結果は、
COD(Cr)5.5g/リットル、pH8.8であった。ま
た反応塔入口圧力(PI)は、83kg/cm2Gであ
った。処理活性はかなり低下し、反応塔入口圧力もかな
り上昇してきた。そしてその後、560時間後に反応塔
内の閉塞により、処理を停止した。
【0092】(実施例2)図4に示す湿式酸化処理装置
を使用し、下記の条件下で処理を合計で600時間行っ
た。この処理は100時間毎に停止し、反応塔内の固体
触媒および吸着材を充填した容器を取り出した。取り出
した容器は、固体触媒または吸着材を詰めたそのままの
状態で水洗し、そして特定の順番で再度反応塔に充填
し、処理を継続した。以下に詳細な実験方法および結果
について記述する。
【0093】処理に使用した固体触媒は、主成分として
チタニアとパラジウムからなる触媒で、それぞれの重量
比がTiO2:Pd換算で99:1.0であった。また形
状は、直径4mmφ×長さ7mmのペレット状であっ
た。そしてこの触媒を実施例1と同じ容器に充填し、実
施例1と同様の方法で整流板も同じものを用い、下流側
の反応塔1に設置した。充填した触媒量は、28リット
ルであった。
【0094】また処理に使用した吸着材は、主成分とし
てチタニアからなる吸着材であった。また形状は、直径
4mmφ×長さ7mmのペレット状であった。そしてこ
の吸着材を実施例1の触媒を充填した容器と同じ容器に
充填し、実施例1と同様の方法で整流板も同じものを用
い、上流側の反応塔19に設置した。充填した吸着材量
は、28リットルであった。
【0095】処理の方法は、廃水を28リットル/hr
の流量で供給し、空気をO2/ThOD(空気中の酸素
量/理論的酸素要求量)=1.2の割合で混入後、処理
圧力80kg/cm2G、処理温度260℃で処理し
た。また25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を、0.
25リットル/hrの流量で供給した。
【0096】処理に供した廃水は、以下のような性状で
あった。ThODが27g/リットル、COD(Cr)が2
1g/リットル、pHは5.5で、鉄を10mg/リッ
トル、アルミニウムを17mg/リットル、カルシウム
を25mg/リットル、リンを45mg/リットル含有
していた。また窒素含有化合物をアンモニアの形態で
1.1g/リットル(窒素元素換算)、有機窒素化合物
の形態で0.6g/リットル(窒素元素換算)含有して
いた。また硫黄含有化合物をチオ硫酸塩の形態で合計
2.2g/リットル(硫黄元素換算)含有していた。
【0097】100時間後に得られた処理液の結果は、
COD(Cr)0.8g/リットル、pH5.7であった。ま
たこの時の反応塔入口圧力は、81kg/cm2Gであ
った。そして廃水の処理を停止し、触媒または吸着材を
充填した容器を反応塔から抜き出した。抜き出した容器
は、触媒または吸着材を詰めたそのままの状態で水洗
し、再度反応塔に設置した。この時の吸着材を充填した
容器の設置は、初めに上流側の反応塔19に設置した反
応塔下からの吸着材の容器に、A,B,C,D,Eとい
う番号を振り付けると、B,C,D,E,Aであった。
すなわち反応塔底にあった容器を反応塔最上部に上げ、
他の容器は1本ずつ下の位置に設置した。
【0098】また同様に、この時の触媒を充填した容器
の設置は、初めに下流側の反応塔1に設置した反応塔下
からの触媒の容器に、F,G,H,I,Jという番号を
振り付けると、H,I,J,F,Gであった。すなわち
反応塔の下から2本の容器を反応塔上部に上げ、他の容
器は2本ずつ下の位置に設置した。そして廃水の処理を
再開した。
【0099】引き続き100時間処理した後、合計20
0時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.9
g/リットル、pH5.8であった。またこの時の反応
塔入口圧力は、81kg/cm2Gであった。そして1
00時間後のときと同様に処理を停止し、容器を反応塔
から抜き出した。抜き出した容器は、触媒または吸着材
を詰めたそのままの状態で水洗し、吸着材を充填した容
器はC,D,E,A,Bの順番で、また触媒を充填した
容器はJ,F,G,H,Iの順番で再度反応塔に設置
し、処理を再開した。
【0100】引き続き100時間処理した後、合計30
0時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.9
g/リットル、pH5.8であった。またこの時の反応
塔入口圧力は、82kg/cm2Gであった。そして同
様に処理を停止し、容器を反応塔から抜き出した。抜き
出した容器は、触媒または吸着材を充填したそのままの
状態で水洗し、吸着材を充填した容器はD,E,A,
B,Cの順番で、また触媒を充填した容器はG,H,
I,J,Fの順番で再度反応塔に設置し、処理を再開し
た。
【0101】引き続き100時間処理した後、合計40
0時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.9
g/リットル、pH5.8であった。またこの時の反応
塔入口圧力は、82kg/cm2Gであった。そして同
様に処理を停止し、容器を反応塔から抜き出した。抜き
出した容器は、触媒または吸着材を充填したそのままの
状態で水洗し、吸着材を充填した容器はE,A,B,
C,Dの順番で、また触媒を充填した容器はI,J,
F,G,Hの順番で再度反応塔に設置し、処理を再開し
た。
【0102】引き続き100時間処理した後、合計50
0時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.9
g/リットル、pH5.8であった。またこの時の反応
塔入口圧力は、82kg/cm2Gであった。そして同
様に処理を停止し、容器を反応塔から抜き出した。抜き
出した容器は、触媒または吸着材を詰めたそのままの状
態で水洗し、吸着材を充填した容器はA,B,C,D,
Eの順番で、また触媒を充填した容器はF,G,H,
I,Jの順番で再度反応塔に設置し、処理を再開した。
すなわち、初めに処理を実施した容器の順番と同じ位置
で処理を行った。
【0103】引き続き100時間処理した後、合計60
0時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.9
g/リットル、pH5.8であった。またこの時の反応
塔入口圧力は、82kg/cm2Gであった。
【0104】(比較例2)図4に示す湿式酸化処理装置
を使用し、下記以外は実施例2と同じ処理条件で処理を
行った。吸着材は実施例2と同じ吸着材を28リットル
用い、反応塔19の底より上に50cmの位置から反応
塔に直接充填した。また同様に触媒も、実施例2と同じ
触媒を28リットル用い、反応塔1の底より上に50c
mの位置から反応塔に直接充填した。
【0105】100時間後に得られた処理液の結果は、
COD(Cr)0.8g/リットル、pH5.7であった。ま
たこの時の反応塔入口圧力は、81kg/cm2Gであ
った。このためこのまま処理をさらに100時間継続し
た。
【0106】200時間後に得られた処理液の結果は、
COD(Cr)1.1g/リットル、pH5.8であった。ま
たこの時の反応塔入口圧力は、82kg/cm2Gであ
った。
【0107】さらに100時間処理を継続した後の30
0時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)1.5
g/リットル、pH5.9であった。またこの時の反応
塔入口圧力は、84kg/cm2Gであった。
【0108】さらに100時間処理を継続した後の40
0時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)3.2
g/リットル、pH6.2であった。またこの時の反応
塔入口圧力は、88kg/cm2Gであった。
【0109】そしてさらに処理を継続したが、480時
間後に反応塔が閉塞し、処理が停止した。
【0110】(実施例3)図1に示す湿式酸化処理装置
を使用し、下記の条件下で処理を合計で400時間行っ
た。この処理は100時間ごとに停止し、反応塔の中の
固体触媒もしくは吸着材を充填した容器を取り出した。
取り出した容器は、固体触媒もしくは吸着材を詰めたそ
のままの状態で水洗し、特定の順番で再度反応塔に設置
して、処理を継続した。またこの時、必要に応じて洗浄
もしくは再活性化処理を実施した。以下に詳細な実験方
法および結果について記述する。
【0111】処理に使用した吸着材は、主成分としてジ
ルコニアからなる吸着材であった。また形状は、直径4
mmφ×長さ7mmのペレット状であった。そしてこの
吸着材を実施例1の触媒を充填した容器と同じ容器に充
填し、実施例1と同様の方法で整流板も同じものを用
い、反応塔の下から2本設置した。充填した吸着材量
は、合計で11.2リットルであった。
【0112】また処理に使用した固体触媒は、主成分と
してジルコニアと白金からなる触媒で、それぞれの重量
比がTiO2:Pt換算で99:1.0であった。また形
状は、直径4mmφ×長さ7mmのペレット状であっ
た。そしてこの触媒も実施例1と同じ容器に充填し、実
施例1と同様の方法で整流板も同じものを用い、吸着材
を充填した容器を設置した反応塔の中に、吸着材の上に
なるように設置した。充填した触媒量は、合計で16.
8リットルであった。
【0113】処理の方法は、廃水を16.8リットル/
hrの流量で供給し、空気をO2/ThOD(空気中の
酸素量/理論的酸素要求量)=1.5の割合で混入後、
処理圧力65kg/cm2G、処理温度230℃で処理
した。25重量%の水酸化ナトリウム水溶液は供給しな
かった。
【0114】処理に供した廃水は、以下のような性状で
あった。ThODが31g/リットル、COD(Cr)が2
8g/リットル、pHは8.5で、カルシウムを70m
g/リットル、マグネシウムを19mg/リットル、ケ
イ素を44mg/リットル含有していた。また窒素含有
化合物を、有機窒素化合物の形態で1.2g/リットル
(窒素元素換算)含有していた。
【0115】100時間後に得られた処理液の結果は、
COD(Cr)0.3g/リットル、pH7.7であった。ま
たこの時の反応塔入口圧力は、66kg/cm2Gであ
った。そして廃水の処理を停止し、触媒または吸着材を
充填した容器を反応塔から抜き出した。抜き出した容器
は、触媒または吸着材を詰めたそのままの状態で水洗
し、再度反応塔に設置した。この時、吸着材を充填した
容器の設置は、初めに反応塔に設置した反応塔下からの
吸着材の容器に、A,Bという番号を振り付けると、
B,Aであった。すなわち吸着材を充填した2本の容器
は、その位置を入れ替えた。
【0116】また同様に、この時の触媒を充填した容器
の設置は、初めに反応塔に設置した反応塔下からの触媒
の容器に、C,D,Eという番号を振り付けると、D,
E,Cであった。すなわち触媒を充填した容器で最も下
にあったCの容器を反応塔の最上部に設置し、他の触媒
を充填した容器は、1本ずつ下の位置に設置した。従っ
て反応塔内に再度設置した吸着材または触媒を充填した
容器の順番は、反応塔の下からB,A,D,E,Cであ
った。そして廃水の処理を再開した。
【0117】引き続き100時間処理した後、合計20
0時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.5
g/リットル、pH7.8であった。またこの時の反応
塔入口圧力は、66kg/cm2Gであった。そして1
00時間後のときと同様に処理を停止し、容器を反応塔
から抜き出した。抜き出した容器は、触媒または吸着材
を詰めたそのままの状態で水洗した。さらに吸着材に関
しては、容器からも抜き出し、それぞれ90℃の1Nの
塩酸水溶液で洗浄した。そして水洗、乾燥後、再度容器
に充填し、反応塔の底からA,B順番で設置した。また
触媒を充填した容器は、吸着材の上に、下からE,C,
Dの順番で設置した。そして廃水の処理を再開した。
【0118】引き続き100時間処理した後、合計30
0時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.6
g/リットル、pH7.8であった。またこの時の反応
塔入口圧力は、66kg/cm2Gであった。そして1
00時間後のときと同様に処理を停止し、容器を反応塔
から抜き出した。抜き出した容器は、触媒または吸着材
を詰めたそのままの状態で水洗した。さらに触媒に関し
ては、容器に充填した状態で乾燥後、それぞれ水素雰囲
気下、400℃で1時間還元焼成処理を実施し、触媒を
再活性化した。これらの吸着材または触媒を充填した容
器は、反応塔の底からB,A,C,D,Eの順番で設置
し、廃水の処理を再開した。
【0119】引き続き100時間処理した後、合計40
0時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)0.3
g/リットル、pH7.7であった。またこの時の反応
塔入口圧力は、66kg/cm2Gであった。
【0120】(比較例3)図1に示す湿式酸化処理装置
を使用し、下記以外は実施例3と同じ処理条件で処理を
行った。吸着材は実施例3と同じ吸着材を11.2リッ
トル用い、反応塔1の底より上に50cmの位置から反
応塔に直接充填した。また同様に触媒も、実施例3と同
じ触媒を16.8リットル用い、吸着材を充填した上か
ら直接、反応塔に充填した。
【0121】100時間後に得られた処理液の結果は、
COD(Cr)0.3g/リットル、pH7.7であった。ま
たこの時の反応塔入口圧力は、66kg/cm2Gであ
った。このためこの状態で処理をさらに100時間継続
した。
【0122】200時間後に得られた処理液の結果は、
COD(Cr)0.6g/リットル、pH7.8であった。ま
たこの時の反応塔入口圧力は、66kg/cm2Gであ
った。
【0123】さらに100時間処理を継続した後の30
0時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)1.1
g/リットル、pH7.9であった。またこの時の反応
塔入口圧力は、68kg/cm2Gであった。
【0124】さらに100時間処理を継続した後の40
0時間後に得られた処理液の結果は、COD(Cr)1.5
g/リットル、pH8.0であった。またこの時の反応
塔入口圧力は、70kg/cm2Gであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理装置の実施態様の一つであ
る。
【図2】本発明に係る触媒充填用の容器の実施態様の一
つである。
【図3】本発明に係る整流板の実施態様の一つである。
【図4】本発明に係る処理装置の実施態様の一つであ
る。
【符号の説明】
1.反応塔 2.電気ヒーター 3.加熱器 4.冷却器 5.廃水供給ポンプ 6.廃水供給ライン 7.NaOH水溶液供給ポンプ 8.NaOH水溶液供給ライン 9.コンプレッサー 10.酸素含有ガス供給ライン 11.酸素含有ガス流量調節弁 12.処理液ライン 13.気液分離器 14.圧力制御弁 15.液面制御弁 16.ガス排出ライン 17.処理液排出ライン 18.触媒(吸着材)充填容器 19.反応塔(吸着材充填塔)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体触媒および/または吸着材を用いて
    廃水を処理するに際し、固体触媒および/または吸着材
    を複数の容器に充填して廃水処理用の反応塔に設置し、
    かつ固体触媒および/または吸着材を容器に充填した状
    態で抜き出すことを特徴とする廃水処理用容器を用いた
    廃水の処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の廃水の処理方法におい
    て、反応塔から抜き出した該固体触媒および/または吸
    着材を、洗浄処理および/または再活性化処理した後、
    反応塔に再度設置することを特徴とする請求項1記載の
    廃水の処理方法。
  3. 【請求項3】 廃水の流れ方向に対して上流側の該固体
    触媒および/または吸着材を交換することを特徴とする
    請求項1または2記載の廃水の処理方法。
  4. 【請求項4】 交換した固体触媒および/または吸着材
    を容器に充填し、交換しなかった固体触媒および/また
    は吸着材に対し、廃水の流れに対して下流側に設置する
    ことを特徴とする請求項1から3記載の廃水の処理方
    法。
  5. 【請求項5】 廃水の流れに対して上流側の固体触媒お
    よび/または吸着材を下流側へ設置し、下流側の固体触
    媒および/または吸着材を上流側に設置することを特徴
    とする請求項1から4記載の廃水の処理方法。
  6. 【請求項6】 固体触媒と吸着材を併用する場合には、
    廃水の流れ方向に対して上流側に吸着材を設置し、下流
    側には固体触媒を設置することを特徴とする請求項1か
    ら5記載の廃水の処理方法。
  7. 【請求項7】 該廃水の処理方法が湿式酸化処理方法で
    あることを特徴とする請求項1から6記載の廃水の処理
    方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013255905A (ja) * 2012-06-14 2013-12-26 Ricoh Co Ltd 流体浄化装置
JP2015020133A (ja) * 2013-07-22 2015-02-02 株式会社リコー 流体処理装置及び触媒配置構造
CN108310803A (zh) * 2018-04-08 2018-07-24 合润科技有限公司 一种制备聚α烯烃工序中除水用的分子筛精制器

Cited By (4)

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CN108310803B (zh) * 2018-04-08 2024-02-09 合润科技有限公司 一种制备聚α烯烃工序中除水用的分子筛精制器

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