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JPH10100362A - 熱モード記録材料及びドリオグラフイツク印刷版の作製法 - Google Patents

熱モード記録材料及びドリオグラフイツク印刷版の作製法

Info

Publication number
JPH10100362A
JPH10100362A JP9269168A JP26916897A JPH10100362A JP H10100362 A JPH10100362 A JP H10100362A JP 9269168 A JP9269168 A JP 9269168A JP 26916897 A JP26916897 A JP 26916897A JP H10100362 A JPH10100362 A JP H10100362A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
thermal mode
mode recording
recording material
printing plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9269168A
Other languages
English (en)
Inventor
Eric Verschueren
エリク・ベルシユエレン
Joan Vermeersch
ジヨアン・ベルメールシユ
Trier Jean Van
ジーン・バン・トリエ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Agfa Gevaert NV
Original Assignee
Agfa Gevaert NV
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agfa Gevaert NV filed Critical Agfa Gevaert NV
Publication of JPH10100362A publication Critical patent/JPH10100362A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/16Waterless working, i.e. ink repelling exposed (imaged) or non-exposed (non-imaged) areas, not requiring fountain solution or water, e.g. dry lithography or driography

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 あまりブロッキングを起こさない高品質のド
リオグラフィック印刷版を作製するための熱モード記録
材料を提供する。 【解決手段】 本発明は、親油性表面を有する柔軟性支
持体上に、(i)輻射線を熱に変換することができる光
から熱への変換物質を含有する記録層及び(ii)疎油
性表面層を含み、ここで該疎油性表面層及び該記録層は
同じ層であることができる熱モード記録材料であって、
該材料の1つの側が該材料の他の側上を滑る時の該材料
の動摩擦係数(μk)が2.6以下であることを特徴と
する熱モード記録材料を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【1.発明の分野】本発明は、湿し液を用いない平版印
刷で用いるための平版印刷版の作製のための熱モード記
録材料に関する。本発明はさらに、レーザーを用いて該
熱モード記録材料に画像形成するための方法に関する。
【0002】
【2.発明の背景】平版印刷は、その表面のいくらかの
領域がインキを受容することができるが(親油性領
域)、他の領域はインキを受容しない(疎油性領域)特
別に作られた表面からの印刷方法である。親油性領域は
印刷領域を形成するが、疎油性領域は背景領域を形成す
る。
【0003】2つの基本的な型の平版印刷版が既知であ
る。第1の型、いわゆる湿式印刷版に従うと、水又は水
性湿し液及びインキの両方が親水性及び疎水性領域を含
有する印刷版表面に適用される。親水性領域は水又は湿
し液で湿され、それにより疎油性とされるが、疎水性領
域はインキを受容する。第2の型の平版印刷版は湿し液
を用いずに操作され、ドリオグラフィック(driog
raphic)印刷版と呼ばれる。この型の印刷版は高
インキ反発性領域と親油性領域を含む。一般に高インキ
反発性領域はシリコン層により形成される。
【0004】ドリオグラフィック印刷版は、写真材料を
露光すると画像通りにインキに対して受容性又は反発性
とされる写真材料を用いて作製することができる。しか
し、画像通りに熱に暴露すると及び/又は続いて現像す
ると、その表面をインキに対して画像通りに受容性又は
反発性とすることができる熱モード記録材料も、ドリオ
グラフィック印刷版の作製に関して既知である。
【0005】例えばDE−A−2512038には、親
油性表面を担持しているか又は有している支持体上に、
(i)自己酸化性結合剤、例いえばニトロセルロース及
び輻射線を熱に変換することができる物質、例えばカー
ボンブラックを含有する熱モード記録層、ならびに(i
i)表面層としての非−硬膜シリコン層を含む熱モード
記録材料が開示されている。開示されている熱モード記
録材料は、レーザーを用いて画像通りに露光され、続い
て露光された領域のシリコン層を溶解することができる
現像液を用いて現像される。この現像に続き、シリコン
表面層が硬膜される。現像液としてナフサが用いられる
ので、この方法は生態学的に不利である。さらに、表面
層が硬膜されていないので、熱モード記録材料が取り扱
いの間に容易に損傷を受け得る。
【0006】FR−A−1.473.751は、親油性
表面を有する基質、ニトロセルロースとカーボンブラッ
クを含有する層及びシリコン層を含む熱モード記録材料
を開示している。レーザーを用いる画像通りの露光の
後、画像形成された領域は親油性とされると言われてい
る。分解されたシリコン層は除去されない。得られる印
刷版のインキ受容性は低く、印刷耐久性及びコピーの解
像度などの印刷性は幾分劣っている。
【0007】1980年4月のResearch Di
sclosure 19201は、熱モード記録層とし
てのビスマス層及びその上にシリコン層が設けられたポ
リエステルフィルム支持体を含む熱モード記録材料を開
示している。開示されている熱モード記録材料は、アル
ゴンレーザーを用いて画像形成され、ヘキサンを用いて
現像される。
【0008】EP−A−573091は、親油性表面を
有する支持体上に、(i)厚さが3μm以下であり且つ
レーザービーム輻射線を熱に変換することができる物質
を含有する記録層、及び(ii)硬膜された疎油性表面
層を含み、ここで該記録層及び疎油性表面層が同じ層で
あることができる熱モード記録材料を必要とする平版印
刷版の作製法を開示している。
【0009】以上のとおり、熱モード記録材料を用いて
ドリオグラフィック印刷版を作製するための複数の提案
が成されてきたことがわかる。これらの印刷版はすべ
て、それらがブロッキングを起こすという欠点を有す
る。これは、二次加工の間の巻き上げ、フォーマットカ
ッティング及び包装、印刷機上の自動装填、照射ステー
ションを通る輸送などの該材料が輸送されるすべての段
階で困難を生ずる。
【0010】
【3.発明の概略】本発明に従うと、目的は、ブロッキ
ングをあまり起こさない高品質のドリオグラフィック印
刷版を作製するための、代換え的熱モード記録材料を提
供することである。
【0011】本発明のさらなる目的は、ブロッキングを
あまり起こさない熱モード記録材料を用いて高品質のド
リオグラフィック印刷版を得るための方法を提供するこ
とである。
【0012】本発明のさらに別の目的は、下記の記述か
ら明らかになるであろう。
【0013】本発明に従えば、親油性表面を有する柔軟
性支持体上に、(i)輻射線を熱に変換することができ
る光から熱への変換物質を含有する記録層及び(ii)
疎油性表面層を含み、ここで該疎油性表面層及び該記録
層は同じ層であることができる熱モード記録材料であっ
て、該材料の1つの側が該材料の他の側上を滑る時の該
材料の動摩擦係数(μk)が2.6以下であることを特
徴とする熱モード記録材料が提供される。
【0014】本発明に従えば、また、 −上記の熱モード記録材料をレーザービームを用いて画
像通りに露光し; −露光された熱モード記録材料を現像し、それにより露
光された領域の該疎油性表面層を除去して下にある親油
性層を露出させる段階を含む、湿し液を必要としない平
版印刷版の作製法も提供される。
【0015】
【4.発明の詳細な記述】上記の熱モード記録材料は、
動摩擦係数が2.6以下である場合にブロッキングの低
下を示し、それは該材料のより容易な製造及び使用なら
びにその物理的性質(より少ないしわ)に関して改良さ
れた印刷版に導くことが見いだされた。
【0016】動摩擦係数(μk)は標準ASTM D1
894に従って測定され、それによると、下にある材料
の裏側が上にある材料の前側と接触しているように熱モ
ード記録材料が置かれる。該材料の裏側は、柔軟性支持
体に関して疎油性表面層が載せられていない材料の側を
意味し、前側は、柔軟性支持体に関して疎油性表面層が
載せられている材料の側を意味する。
【0017】動摩擦係数(μk)は1.25以下である
のが好ましい。下限は可能な限り低いが、実行上の理由
で好ましくは0.05以上、より好ましくは0.10以
上である。
【0018】動摩擦係数を低下させるために、熱モード
記録材料の柔軟性支持体は裏側コーティングで処理され
るか又は疎油性表面層に艶消し剤が加えられ、あるいは
両方法が一緒に用いられる。
【0019】本発明に従う好ましい裏側コーティング
は、175〜750mg/m2のゼラチン、50〜10
00mg/m2の少なくとも100m2/グラム、より好
ましくは少なくとも300m2/グラムの表面積を有す
るコロイドシリカ、及び1〜100mg/m2の好まし
くは1〜10μmの直径を有する非晶質シリカを含有す
る。
【0020】本発明に従う他の好ましい裏側コーティン
グは、100〜500mg/m2のポリメチル−メタク
リレートラテックス(粒径が好ましくは25〜300n
m)、5〜50mg/m2の少なくとも100m2/グラ
ムの表面積を有するコロイドシリカ、3〜30mg/m
2のポリエチレンワックス、3.1〜12mg/m2のポ
リスチレンスルホン酸、0.9〜4mg/m2のポリ
(3,4−エチレンジオキシ−チオフェン)及び10〜
100mg/m2のポリメチル−メタクリレート艶消し
剤(好ましくは2〜10μmの直径を有する)を含む。
【0021】本発明に従うさらに別の好ましい裏側コー
ティングは、PVA、TiO2及び加水分解テトラアル
キルオルトシリケートを含み、ここでSiO2は該マト
リックスの合計重量の7〜30重量%を構成し、TiO
2は該マトリックスの合計重量の63〜83重量%を構
成し、PVAは該マトリックスの合計重量の7〜30重
量%を構成する。該マトリックスの合計重量は5〜10
g/m2に含まれる。該マトリックスに3〜500mg
/m2の量で艶消し剤、例えば澱粉、酸化ケイ素、ケイ
酸塩、ガラス粒子、トナー粒子を加えることができる。
【0022】動摩擦係数を低下させるために疎油性表面
層に加えられる艶消し剤は、有機ポリマー又はコポリマ
ー、例えばアクリル酸及びメチルアクリレートのコポリ
マー、又はスチレン、メチル−メタクリレート及びマレ
イン酸のコポリマーであることができる。該艶消し剤は
無機化合物、例えばシリカ又はケイ酸塩であるのがより
好ましい。
【0023】該艶消し剤は少なくとも2μm、より好ま
しくは少なくとも3μm、最も好ましくは少なくとも4
μmの重量平均直径を有する。最大重量平均はあまり重
要ではないが、実施上の理由から100μm未満、より
好ましくは60μm未満である。
【0024】本発明に従うと、該疎油性表面層は好まし
くは少なくとも2μmの重量平均直径を有する少なくと
も30mg/m2の艶消し剤、より好ましくは50〜1
000mg/m2の該艶消し剤、最も好ましくは75〜
500mg/m2の該艶消し剤を含む。
【0025】本発明に従って用いられる熱モード記録材
料に適した柔軟性支持体は、透明又は不透明の、例えば
紙支持体又は樹脂支持体であることができる。紙の支持
体を用いる場合、片側又は両側にアルファ−オレフィン
ポリマー、例えばポリエチレン層がコーティングされた
ものが好ましく、それは場合によりハレーション防止色
素もしくは顔料を含有することができる。有機樹脂支持
体、例えば硝酸セルロースフィルム、酢酸セルロースフ
ィルム、ポリ(酢酸ビニル)フィルム、ポリスチレンフ
ィルム、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルム、ポ
リ(エチレンナフタレンジカルボキシレート)フィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィル
ム又はポリ−アルファ−オレフィンフィルム、例えばポ
リエチレンもしくはポリプロピレンフィルムを用いるこ
ともできる。そのような有機樹脂フィルムの厚さは0.
06〜0.35nmに含まれるのが好ましい。これらの
有機樹脂支持体は親油性接着剤層がコーティングされて
いるのが好ましい。
【0026】本発明の好ましい実施態様に従うと、熱モ
ード記録材料は、熱変換物質を含有する分離された熱モ
ード記録層を、支持体及び疎油性表面層の間に含有する
ことができる。輻射線を熱に変換することができる物質
の例は、例えばカーボンブラック、赤外又は近赤外吸収
色素もしくは顔料、Bi、Sn、Teなどの金属、又は
それらの組み合わせである。適した赤外色素は、例えば
US−4833124、EP−321923、US−4
772583、US−4942141、US−4948
776、US−4948777、US−494877
8、US−4950639、US−4950640、U
S−4912083、US−4952552、US−5
024990、US−5023229などに開示されて
いる。適した赤外顔料は、例えばHeubach La
ngelsheimから入手可能なHEUCODOR酸
化金属顔料である。ビスマスなどの金属を熱変換物質と
して用いる場合、記録層は真空蒸着金属層であるのが好
ましい。
【0027】本発明に従うと、記録層の厚さは、許容さ
れ得る品質の印刷版を得るために3μm以下であるのが
好ましく、厚さは2.5μm未満であるのがより好まし
い。典型的に記録層は15nm〜1.5μmの厚さを有
するのが好ましい。記録層の好ましい最大3μmという
厚さは、支持体を介して露光が行われる場合に特に重要
である。
【0028】本発明の特定の実施態様に従うと、記録層
は真空蒸着されたアルミニウム層であることができる。
しかしそのようなアルミニウム層の厚さは25nm未満
でなければならず、10nm〜22.5nmがより好ま
しい。アルミニウム記録層の厚さが厚くなりすぎると、
本発明と関連する熱モード記録材料は画像形成されるこ
とができない。
【0029】本発明と関連して用いられる熱モード記録
層は、結合剤、例えばゼラチン、セルロース、セルロー
スエステル類、例えば酢酸セルロース、ニトロセルロー
ス、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、塩
化ビニリデンとアクリロニトリルのコポリマー、ポリ
(メタ)アクリレート、ポリ塩化ビニル、シリコン樹脂
などを含有することができる。記録層はさらに他の成
分、例えば湿潤剤、艶消し剤、酸化防止剤などを含有す
ることができる。熱モード記録層は、共有結合した塩素
を含有するポリマーを含有するのが好ましい。別の場
合、このポリマーの一部又は全部を熱モード記録層に隣
接して、最も好ましくは支持体と熱モード記録層の間に
置かれる分離された層中に含有することができる。
【0030】本発明と関連する熱モード記録層は硬膜さ
れることができる。例えばイソシアナート又はメラミン
を用いて硬膜されたニトロセルロース層を用いることが
できる。
【0031】共有結合塩素を含有するポリマーが記録材
料の熱モード記録層又は隣接層に含有される場合、記録
材料の速度を増すことができることが見いだされた。
【0032】本発明に従って用いるのに適した塩素含有
ポリマーは、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニリデン、アクリルエステル及びイタコン酸
のコポリマー、塩化ビニル及び塩化ビニリデンのコポリ
マー、塩化ビニル及び酢酸ビニルのコポリマー、ブチル
アクリレート、酢酸ビニル及び塩化ビニルもしくは塩化
ビニリデンのコポリマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン
及びイタコン酸のコポリマー、塩化ビニル、酢酸ビニル
及びビニルアルコールのコポリマー、塩素化ポリエチレ
ン、ポリクロロプレン及びそれらのコポリマー、クロロ
スルホン化ポリエチレン、ポリクロロトリフルオロエチ
レン、ポリメチル−アルファ−クロロアクリレートなど
である。
【0033】本発明と関連して用いられる塩素含有ポリ
マーは、構成モノマーの種々の重合法により製造するこ
とができる。例えば触媒及び活性化剤、例えば過硫酸ナ
トリウム及びメタ亜硫酸水素ナトリウム、ならびに乳化
剤及び/又は分散剤を含有する水性分散液中で重合を行
うことができる。別の場合、希釈剤を添加せずに塊状で
モノマー成分を重合させることにより、本発明と共に用
いられるホモポリマー又はコポリマーを製造することが
でき、あるいはモノマーを適した有機溶媒反応媒体中で
反応させることができる。合計触媒−活性化剤濃度は一
般にモノマー装填量の約0.01%〜約2.0重量%の
範囲内に保たれねばならず、0.1%〜1.0%の範囲
内の濃度が好ましい。コポリマーの架橋を低下させるの
に有効であるエチルメルカプタン、ラウリルメルカプタ
ン、第3ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類の
存在下で重合を行うことにより、改善された溶解度及び
粘度の値を得ることができる。一般にメルカプタン類
は、装填物中に存在する重合可能なモノマーの重量に基
づいて0.1%〜5.0重量%の濃度で用いられるべき
である。
【0034】別の場合、ホモポリマー又はコポリマーを
塩素化することにより塩素含有ポリマーを製造すること
ができる。例えばゴムを塩素ガスと反応させることによ
り、ポリクロロプレンなどの塩素化ゴムを製造すること
ができる。類似の方法で塩素化ポリエチレンを製造する
ことができる。
【0035】別の実施態様に従うと、熱変換物質が疎油
性表面層に含有されることができ、但し該物質はそこに
均一に分布する。
【0036】本発明に従う疎油性表面層は、好ましくは
少なくとも1.0μm、より好ましくは少なくとも1.
5μmの厚さを有する。表面層の最大の厚さは重要では
ないが、5μm以下が好ましく、4μm以下がより好ま
しい。疎油性表面層の厚さは、印刷版の印刷耐久性、鮮
鋭度及び解像度に影響することが見いだされた。
【0037】本発明に従うと、疎油性表面層は硬膜され
るのが好ましく、硬膜されたシリコンコーティングを含
有するのがより好ましい。シリコンコーティングは、そ
の1種が一般に、両末端において化学的に反応性の基で
停止されている直鎖状シリコンポリマーである1種又は
それ以上の成分、ならびに硬膜剤としての多官能基成分
を含有するのが好ましい。シリコンコーティングは、縮
合硬膜、付加硬膜又は放射線硬膜により硬膜させること
ができる。
【0038】縮合硬膜は、多官能基シランを用いて硬膜
することができるヒドロキシ末端ポリシロキサンを用い
ることにより行うことができる。適したシラン類は、例
えばアセトキシシラン類、アルコキシシラン類及びオキ
シム官能基を含有するシラン類である。一般に縮合硬膜
は、1種又はそれ以上の触媒、例えば錫塩又はチタン塩
の存在下で行われる。別の場合、ヒドロキシ末端ポリシ
ロキサンを、例えばジブチル錫二酢酸塩を例とする触媒
の存在下でポリヒドロシロキサンポリマーを用いて硬膜
することができる。
【0039】付加硬膜は、例えば白金などの触媒の存在
下における二重結合へのSi−Hの付加に基づく。かく
して付加硬膜に従って硬膜することができるシリコンコ
ーティングは、ビニル基含有ポリマー、例えばクロロ白
金酸錯体などの触媒及びポリメチルヒドロシロキサンな
どのポリヒドロシロキサンを含む。適したビニル基含有
ポリマーは、例えばビニルジメチル末端ポリジメチルシ
ロキサン及びジメチルシロキサン/ビニルメチルシロキ
サンコポリマーである。
【0040】本発明に従って用いることができる放射線
硬膜コーティングは、例えばエポキシ基を含有するポリ
シロキサンポリマーを含有するU.V.硬膜可能なコー
ティングあるいは(メタ)アクリレート基を含有するポ
リシロキサンポリマーを含有する電子ビーム硬膜可能な
コーティングである。後者のコーティングは多官能基
(メタ)アクリレートモノマーも含有するのが好まし
い。
【0041】本発明に従うと、インキ反発性層は追加の
物質、例えば可塑剤、顔料、色素などを含むことができ
る。
【0042】本発明の方法に従うと、熱モード記録材料
はレーザーを用いて画像通りに露光される。用いられる
のが好ましいレーザーは、例えば半導体レーザー、YA
Gレーザー、例えばNd−YAGレーザー、アルゴンレ
ーザーなどである。後者は35〜20,000mWの出
力を有することができ、スペクトルの赤外部分で働くの
が好ましい。熱モード記録材料の支持体は透明であり、
支持体を介して画像通りの露光が行われるのが好まし
い。
【0043】画像通りの露光に続き、熱モード記録要素
は、照射された領域において疎油性表面層を除去するた
めに現像される。該現像は該疎油性表面層をこすること
により行われるのが好ましい。例えばブラシ又は綿パッ
ドを用いてこすることができる。表面層がポリシロキサ
ンを含有する場合、例えばイソプロパノール、n−ヘプ
タン又は他の炭化水素液体などの溶媒の存在下で熱モー
ド記録材料をこすることができ、あるいは液の不在下で
こするのがより好ましい。好ましい実施態様に従ってこ
することは、生態学的利点の他に、高い解像度及び鮮鋭
度の印刷版を与える。
【0044】ここで本発明を以下の実施例を用いて示す
が、本発明は実施例に制限されない。すべての部は、他
に特定されなければ重量による。
【0045】
【実施例】
実施例1 インキ反発性層のための以下のコーティング溶液を調製
した: イソ−オクタン 1000mlまで ジビニル末端ジメチルポリシロキサン 59.5g ジメチルポリシロキサンゴム 28.2g 白金のジビニルテトラメチルジシロキサン錯体 0.37g ハイドライド末端ジメチルポリシロキサン(Dowからの 1.79g DC 7048架橋剤) 安定剤(Air productsからの 0.18g Surfinol 61) 記録層のための以下のコーティング溶液を調製した: 酢酸エチル/酢酸ブチル(60:40)混合物 1000mlまで Spezial Schwarts(Degussaからの 24.6g カーボンブラック) Solsperse 28000(ICIからの湿潤剤) 2.64g Solsperse 5000(ICIからの湿潤剤) 0.52g ニトロセルロース 11.87g Cymel 301(Dyno Cytecからの 2.14g メラミン硬膜剤) p−トルエンスルホン酸 0.42g ポリエチレンテレフタレートフィルム支持体(175μ
m)に記録層のための上記のコーティング溶液を、2.
2μmの乾燥層厚さとなる22μmの湿潤コーティング
厚さでコーティングすることにより、比較熱モード記録
材料A0を製造した。
【0046】この層にインキ反発性層を上記のコーティ
ング溶液から、3.42μmの乾燥厚さまでコーティン
グした。続いてインキ反発性層を130℃で3分間硬膜
させた。
【0047】本発明の熱モード記録材料を、柔軟性支持
体の裏側をそのまま残して要素Anを得るか、あるいは
柔軟性支持体の裏側に裏側溶液Bをコーティングして要
素Bnを得、裏側溶液Cをコーティングして要素Cnを
得、又は裏側溶液Dをコーティングして要素Dnを得る
(ここでnは整数0〜3を示す)、及び/あるいはイン
キ反発性層のためのコーティング溶液がさらに補足剤を
含まずに要素X0を得、又は100mg/m2の艶消し
剤1を含有して要素X1を得る、又は100mg/m2
の艶消し剤2を含有して要素X2を得る、又は100m
g/m2の艶消し剤3を含有して要素X3を得る以外
は、比較試料と同様に製造し、XはA、B、C又はDを
示し、これらの大文字は上記の意味を有する。
【0048】裏コーティングBは233mg/m2のゼ
ラチン、520mg/m2の表面積が300m2/グラム
のコロイドシリカ及び10mg/m2の直径が4μmの
非晶質シリカを含有する。
【0049】裏コーティングCはPVA、TiO2及び
加水分解テトラアルキルオルトシリケートを含み、ここ
でSiO2は該マトリックスの合計重量の7.5重量%
を構成し、TiO2は該マトリックスの合計重量の75
重量%を構成し、PVAは該マトリックスの合計重量の
17.5重量%を構成する。該マトリックスの合計重量
は6.8g/m2の量である。
【0050】裏コーティングDは200mg/m2のポ
リメチル−メタクリレートラテックス(粒径は25〜3
00nm)、20mg/m2の表面積が100m2/グラ
ムのコロイドシリカ、10mg/m2のポリエチレンワ
ックス、7mg/m2のポリスチレンスルホン酸、3m
g/m2のポリ(3,4−エチレンジオキシ−チオフェ
ン)及び30mg/m2の直径が6μmのポリメチル−
メタクリレート艶消し剤を含む。
【0051】艶消し剤1は4.3〜5.3μmの重量平
均直径を有し、脂肪酸のアミドで処理された非晶質シリ
カである(SYLOBLOC 250)。艶消し剤2
は、4.3〜4.9μmの重量平均直径を有するワック
ス−処理非晶質シリカである(SYLOID 700
0)。艶消し剤3は、最大で40μmの重量平均直径を
有する非晶質アルミノシリケートである(SYLOSI
V A3)。SYLOBLOC 250、SYLOID
7000及びSYLOSIV A3はGraceDe
vison,Belgiumからの商品名である。
【0052】動摩擦係数(μk)及び得られる熱モード
記録材料のブロッキングを測定した。μkはASTM
D1894に従って測定した。ブロッキングは、フィル
ムの巻き上げの間に視覚試験により測定した。従って2
4cmの幅を有するフィルムを7m/分の速度で巻き上
げる。フィルムの巻き上げを操作する機構を2cmにわ
たって除去する。巻き上げられたフィルムへのこの除去
の影響を質的に評価する。
【0053】
【表1】
【0054】保証は2の評価まで許容され得る;3又は
それ以上の評価を有する保証はもう許容され得ない。種
々の熱モード記録材料に関する結果を表1に示す。
【0055】
【表2】
【0056】これらの結果から、4.4の動摩擦係数を
有する熱モード記録材料A0(比較材料)は非常に強い
ブロッキングを示したが、他の熱モード記録材料(本発
明の材料)は許容され得るブロッキング又はブロッキン
グなしを示したことが明らかである。インキ反発性層中
の艶消し剤と同様に裏層コーティングが用いられる場合
に最高の結果が得られる。
【0057】本発明の主たる特徴及び態様は以下の通り
である。
【0058】1.親油性表面を有する柔軟性支持体上
に、(i)輻射線を熱に変換することができる光から熱
への変換物質を含有する記録層及び(ii)疎油性表面
層を含み、ここで該疎油性表面層及び該記録層は同じ層
であることができる熱モード記録材料であって、該材料
の1つの側が該材料の他の側上を滑る時の該材料の動摩
擦係数(μk)が2.6以下であることを特徴とする熱
モード記録材料。
【0059】2.該動摩擦係数が1.25〜0.05に
含まれる上記1項に記載の熱モード記録材料。
【0060】3.該熱モード記録材料が裏側コーティン
グを含む上記1又は2項に記載の熱モード記録材料。
【0061】4.艶消し剤が疎油性表面層に存在する上
記1〜3項のいずれかに記載の熱モード記録材料。
【0062】5.−上記1〜4項のいずれかに記載の熱
モード記録材料をレーザービームを用いて画像通りに露
光し; −露光された熱モード記録材料を現像し、それにより露
光された領域の該疎油性表面層を除去して下にある親油
性層を露出させる段階を含む、湿し液を必要としない平
版印刷版の作製法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジヨアン・ベルメールシユ ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内 (72)発明者 ジーン・バン・トリエ ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親油性表面を有する柔軟性支持体上に、
    (i)輻射線を熱に変換することができる光から熱への
    変換物質を含有する記録層及び(ii)疎油性表面層を
    含み、ここで該疎油性表面層及び該記録層は同じ層であ
    ることができる熱モード記録材料であって、該材料の1
    つの側が該材料の他の側上を滑る時の該材料の動摩擦係
    数(μk)が2.6以下であることを特徴とする熱モー
    ド記録材料。
  2. 【請求項2】 −請求項1に記載の熱モード記録材料を
    レーザービームを用いて画像通りに露光し; −露光された熱モード記録材料を現像し、それにより露
    光された領域の該疎油性表面層を除去して下にある親油
    性層を露出させる段階を含む、湿し液を必要としない平
    版印刷版の作製法。
JP9269168A 1996-09-18 1997-09-17 熱モード記録材料及びドリオグラフイツク印刷版の作製法 Pending JPH10100362A (ja)

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DE96202603.5 1996-09-18

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JP2016504222A (ja) * 2012-12-19 2016-02-12 イノヴィア フィルムズ リミテッド レーザーマーキング可能なフィルム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016504222A (ja) * 2012-12-19 2016-02-12 イノヴィア フィルムズ リミテッド レーザーマーキング可能なフィルム
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