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JPH0990887A - 磁気記録体及び磁気記録体の記録消去方法並びに磁気記録体の記録消去装置 - Google Patents

磁気記録体及び磁気記録体の記録消去方法並びに磁気記録体の記録消去装置

Info

Publication number
JPH0990887A
JPH0990887A JP7247488A JP24748895A JPH0990887A JP H0990887 A JPH0990887 A JP H0990887A JP 7247488 A JP7247488 A JP 7247488A JP 24748895 A JP24748895 A JP 24748895A JP H0990887 A JPH0990887 A JP H0990887A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic recording
magnetic
recording medium
microcapsules
magnetic particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7247488A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiko Matsumoto
美子 松本
Harumi Matsumoto
陽美 松本
Tsutomu Naganuma
勉 長沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP7247488A priority Critical patent/JPH0990887A/ja
Publication of JPH0990887A publication Critical patent/JPH0990887A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】磁気印加した部分と、無印加の部分とが異なる
明暗を示し、かつ解像度が高く、鮮明で、さらに画像の
安定性に優れた、可逆表示及びカラー表示可能な磁気記
録体及びその記録方法並びに磁気記録体の記録消去装置
を提供する。 【解決手段】フレーク状磁性粒子、着色剤、着色剤の色
毎に異なる吸収波長を有するレーザー光吸収物質、これ
らを分散し常温において固相状態を示す分散媒とを内包
するマイクロカプセル、或いはマイクロカプセルの壁部
に着色剤の色毎に異なる吸収波長を有するレーザー光吸
収物質を含有してなるマイクロカプセルをバインダー中
に分散配置し磁気記録層を形成してなる磁気記録体であ
り、この磁気記録層をレーザー光吸収物質のレーザー光
吸収により生じる熱で分散媒を溶融し、水平又は垂直方
向の磁気印加によりフレーク状磁性粒子を配向せしめ、
マイクロカプセルの各色に対応した画像を記録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱とともに磁気
の印加により画像等のパターンを表示する磁気記録体及
び磁気記録体の記録方法並びに磁気記録体の記録消去装
置に係り、とくに非接触による情報の記録消去、カラー
表示が可能であり、かつ解像度及び画像の安定性に優れ
た可逆表示可能な磁気記録体及び磁気記録体の記録方法
並びに磁気記録体の記録消去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気を利用した磁気記録体とし
て、例えば、特開昭48−56393号公報に記載され
ているように、着色分散媒中に磁性粒子が分散されたサ
スペンジョンに磁界を作用させることにより、磁性粒子
を移動させ、着色分散媒の色を変化させて表示を行う方
法が知られている。
【0003】しかし、このような磁気記録体は、サスペ
ンジョンを2枚の基板間に封じこんで一方の基板から磁
気ペンで文字、模様を描いて磁気を作用させると、サス
ペンジョンの磁性粒子が吸引されて、その通りの文字や
模様が得られるが、磁性粒子の比重は分散媒のそれより
も極めて大きいので吸引された磁性粒子は、時間ととも
に沈降するため文字や模様を長時間保持できない欠点を
有する。
【0004】また、磁気ペンにより磁気を受けた磁性粒
子はすべて磁気ペンに吸引されるので、磁気ペンから離
れて存在していた磁性粒子まで吸引されるため、不鮮明
な文字や模様しか得られない欠点も有していた。磁性粒
子の沈降を防止するため、例えば磁性粒子を細かくする
か、磁性粒子に低比重のポリマー等を被覆して、磁性粒
子の見かけの比重を分散媒のそれと近似させると、磁性
粒子に働く磁気力が極端に小さくなるため、磁気ペンに
よって吸引されにくくなり、濃度の濃い、鮮明な文字や
模様が得られなくなるという欠陥を生じる。
【0005】さらに、磁性粒子の見かけの比重を分散媒
のそれと近似させると、文字や模様を消去する際も、磁
性粒子が基板の反対側に吸引されにくくなり、完全に消
去できず、これを繰り返していると全体的に黒ずんでし
まい、実用的ではなかった。
【0006】これらの欠点を解決する形態として、例え
ば、特公昭57−27463号公報、特開昭62−53
359号公報に記載されているように、分散媒として、
一定値以上の降伏値を有する液体、あるいは、増稠剤を
用いることによって、ぼけのない鮮明でコントラストの
高い文字、画像が表示でき、その表示は長時間安定に保
持でき、かつ、消去を完全にきれいに行える磁気記録体
が知られている。
【0007】しかし、この磁気記録体は、透明プラスチ
ックシートの全面に、一辺および深さが各2mm程度の
ハニカム状のセルを設けるように成形して、そのセルの
中に、磁性粒子と白色顔料を分散媒に分散したサスペン
ジョンを注入し、これを透明シートで密封した形態であ
り、以下の欠点を有していた。即ち、ハニカム状のセル
の中で磁性粒子を裏面より表面に移動させて像を形成す
るため、像の解像度をハニカム状のセルより小さくする
ことは不可能である。また、ハニカム状のセルを成形す
ること、ハニカム状のセルを大型化、あるいは非常に小
型化すること、ハニカム状のセルにサスペンジョンを注
入する工程等が困難である。
【0008】別の形態として、例えば、特開平特開平2
−146082号公報、特開平4−233581号公報
に記載されているように、前記のようなハニカム状のセ
ルに磁性粒子と顔料を密封した磁気記録体とは異なり、
磁性粒子をマイクロカプセルに封入し、これを支持体上
に塗布した磁気記録体が知られている。この方法によれ
ば、マイクロカプセルの粒径を制御することにより、解
像度を高くすることができ、製造工程も容易である。ま
た、マイクロカプセルを塗布する基板に種々のフィルム
等の選択が可能となり、形状、大きさも自由に選択が可
能となる。
【0009】しかし、ここで示される画像形成は以下の
方法で行なわれる。まず永久磁石によって、マイクロカ
プセル内の光吸収性の磁性粒子を磁気記録体の裏面側に
吸引し、それに伴い、光反射性の非磁性粒子が磁気記録
体の表面に残留することによって、表面が非磁性粒子の
色となり、消去状態となる。次に磁気記録体表面から永
久磁石によって磁気を印加・記録することにより、表面
に光吸収性の磁性粒子が磁気によって吸引され、所望の
文字、画像が形成される。従って、このような画像形成
では、磁気粒子の吸引に時間がかかり、感度の劣る磁気
記録体となる。
【0010】さらに、マイクロカプセルを利用した別の
形態として、例えば、1−145637号公報、特開昭
63−153197号公報、特公平4−7518号公
報、特開平6−79986号公報、特開平6−9206
8号公報、あるいは、EyneS.Trumble
P.S.&E.7 213(1963)に記載されてい
るように、光吸収性の磁性粒子と、光反射性の非磁性粒
子をマイクロカプセルに封入した磁気記録体が知られて
いる。
【0011】この形態の画像形成の方法は、まず磁気記
録体作製時に、塗布したカプセル中の磁性粒子をあらか
じめ磁気記録体平面に平行に配向させることにより入射
光を全部反射させ明るく見せておく。次に、磁気的な記
録をすることにより、磁性粒子が回転し入射光を散乱、
吸収するようになり、コントラストが生じ黒色の像が形
成される。
【0012】しかし、このようにして得た磁気記録体
は、磁気の力が広範囲に及ぶため、解像度が他の熱や光
による記録と比べ、非常に劣るものである。さらに、上
記磁気記録体は、磁気の力で容易に印字、消去が行える
ため、磁石に触れただけで、未印字部にかぶりを生じた
り、画像が消去されてしまったりとするように画像の安
定性が悪いという欠点を有する。
【0013】さらに、カラー表示を行える磁気記録体と
して、例えば特開平1−63991号公報に記載される
磁性粒子のN極とS極を異なる色に着色し、磁力の印加
により磁性粒子を回転させカラー表示を行う磁気記録
体、また特開平4−175196号公報に記載される磁
気特性の異なる磁性粒子をそれぞれ異なる色に着色し、
磁界強度を制御してカラー表示を行う磁気記録体が知ら
れている。
【0014】ところが、上記のカラー表示を行う磁気記
録体は、前者では微小な磁性粒子に着色用染料溶液をス
プレーして着色するなどの作製工程、例えば磁性粒子の
N極とS極を異なる色に着色する場合の微細な磁性粒子
へ着色が困難であることで、各極の色分けが不完全であ
ること、また後者では表示時の磁界強度の制御が難し
く、磁界の制御の曖昧さがあるという問題を有してお
り、両者とも鮮明なカラー表示を行うことができないと
する欠点を有する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上から従来の磁性体
を表示手段として利用した磁気記録体は、高い解像度の
画像を表示することができず、また外部からの磁気の影
響により表示した画像の部分的又は判読が不可能な状態
に画像が消去或いは未印字部にかぶりを生じるため、安
定した記録を行うことができず、さらに鮮明なカラー表
示を行うことができなかった。また内包される磁性粒子
の移動性、すなわち記録の反応性の良さと記録画像の安
定性の両方を備える磁気記録体は存在していなかった。
そこで、本発明は磁気印加した部分と、無印加の部分と
が異なる明暗を示し、かつ解像度が高く、鮮明で、さら
に画像の安定性に優れた、可逆表示及びカラー表示可能
な磁気記録体及びその記録方法並びに磁気記録体の記録
消去装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、請求項1に記載の発
明は、非磁性材料からなる支持体上に、少なくともフレ
ーク状磁性粒子、着色剤、レーザ光吸収物質、これらを
分散してなる常温において固相状態を示す分散媒とを内
包してなるマイクロカプセルをバインダー中に分散配置
し磁気記録層を形成してなることを特徴とする磁気記録
体である。
【0017】請求項2の発明は、非磁性材料からなる支
持体上に、少なくともフレーク状磁性粒子、着色剤、こ
れらを分散してなる常温において固相状態を示す分散媒
とを内包し、かつその壁部にレーザ光吸収物質を含有し
てなるマイクロカプセルをバインダー中に分散配置し磁
気記録層を形成してなることを特徴とする磁気記録体で
ある。
【0018】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載
の磁気記録体において、着色剤の色に対応するマイクロ
カプセルは1種以上であり、かつ着色剤の色毎にレーザ
光吸収物質の吸収波長が異なることを特徴とする。
【0019】請求項4の発明は、請求項1又は2に記載
の磁気記録体において、分散媒は、融点が35℃以上1
00℃以下の範囲にある有機化合物であることを特徴と
するものである。
【0020】請求項5の発明は、請求項1又は2に記載
の磁気記録体において、着色剤が染料、あるいは顔料か
らなることを特徴とするものである。
【0021】請求項6の発明は、請求項1又は2に記載
の磁気記録体において、マイクロカプセルの平均粒径が
10μmから1000μmの間にあることを特徴とする
ものである。
【0022】請求項7の発明は、請求項1又は2に記載
の磁気記録体において、フレーク状磁性粒子の平均長径
が5μmから30μmの間にあり、平均厚みが0.1μ
mから5μmの間にあることを特徴とするものである。
【0023】請求項8の発明は、請求項1又は2に記載
の磁気記録体において、磁気記録層上に保護層を形成し
てなることを特徴とするものである。
【0024】請求項9の発明は、請求項1又は2に記載
の磁気記録体の磁気記録層に対する磁場の印加と加熱に
よるマイクロカプセル内の分散媒の溶融からフレーク状
磁性粒子の配向により可視情報の記録、消去を行なう磁
気記録体の記録消去方法において、磁気記録層に対する
垂直又は水平磁場の印加とレーザ光吸収物質の吸収波長
に対応する光の部分的な照射による情報の記録と、磁気
記録層に対する水平又は垂直磁場の印加とレーザ光吸収
物質の吸収波長に対応する光の全面照射又は加熱手段の
全面加熱による情報の消去を行なうことを特徴とする磁
気記録体の記録消去方法である。
【0025】請求項10の発明は、請求項1又は2に記
載の磁気記録体の磁気記録層に対する磁場の印加と加熱
によるマイクロカプセル内の分散媒の溶融からフレーク
状磁性粒子の配向により可視情報の記録、消去を行なう
磁気記録体の記録消去装置において、少なくとも垂直又
は水平磁場印加手段と、レーザ光照射手段、或いは加熱
手段を具備してなることを特徴とする磁気記録体の記録
消去装置である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を用いて詳細
に説明する。図1は本発明の磁気記録体の一実施例を示
す断面図であり、図2は本発明の第1の発明の磁気記録
体の磁気記録層に用いられるマイクロカプセルの一実施
例を示す断面図であり、図3は本発明の第2の発明の磁
気記録体の磁気記録層に用いられるマイクロカプセルの
一実施例を示す断面図であり、図4は本発明の磁気記録
体の未記録状態を示す断面図であり、図5は本発明の磁
気記録体の第1段階の記録状態を示す断面図であり、図
6は本発明の磁気記録体の第2段階の記録状態を示す断
面図であり、図7は本発明の磁気記録体の第3段階の記
録状態を示す断面図である。
【0027】図1は、本発明の磁気記録体1の構成を示
し、支持体11、フレーク状磁性粒子等を含むマイクロ
カプセル14又は14’をバインダー15に分散してな
る塗布材が塗布される磁気記録層12、保護層13が順
次積層されている。ここで磁気記録層12は着色剤の色
毎にレーザ光の吸収波長が異なるレーザ光吸収物質を内
包してなるマイクロカプセル14、或いは着色剤の色毎
にレーザ光の吸収波長が異なるレーザ光吸収物質を壁部
に含有してなるマイクロカプセル14’を2種以上、例
えば14−A、14−B、14−Cのような3種類のマ
イクロカプセルからなり、これらを多数、ランダムに磁
気記録層12中に分散配置してなるものである。なお、
ここでは説明のため、3種類のマイクロカプセルを順に
配列したものを記載しているが、実際は微粒子であるマ
イクロカプセルがランダムに配列された状態である。
【0028】図2は磁気記録体1の磁気記録層12に用
いられる、第1の発明におけるマイクロカプセル14の
一実施例を示す断面図である。マイクロカプセル14
は、フレーク状磁性粒子22と、顔料又は染料からなる
着色剤23、レーザ光吸収物質24、常温において固相
状態を示す分散媒(例えばワックスなど有機化合物)2
5中に分散されたサスペンジョンを主成分とする芯物質
21を、ポリマー等よりなる殻物質26でカプセル化し
た構成である。
【0029】また、図3は磁気記録体1の磁気記録層1
2に用いられる、第2の発明におけるマイクロカプセル
14’の一実施例を示す断面図である。マイクロカプセ
ル14’は、フレーク状磁性粒子22と、顔料又は染料
からなる着色剤23、常温において固相状態を示す分散
媒(例えばワックスなど有機化合物)25中に分散され
たサスペンジョンを主成分とする芯物質21’を、レー
ザ光吸収物質24を含有するポリマー等からなる殻物質
26でカプセル化した構成である。
【0030】次にマイクロカプセル14、14’の共通
の構成について述べる。フレーク状磁性粒子22は、例
えば鉄、ニッケル、鉄・ニッケル、鉄・ニッケル・クロ
ム等のステンレススチール、コバルト、コバルト・アル
ミニウムやサマリウム・コバルト合金等の微粒子等をア
トマイザーやハンマーミル等でフレーク状としたものを
用いることができる。とくに磁性粒子を有機溶媒等との
親和性を高めるために、高級エステル処理、シランカッ
プリング処理、チタネート系カップリング処理等を施し
ておくとよい。本発明におけるフレーク状磁性粒子22
の大きさは、磁気印加によるマイクロカプセル内での回
転のしやすさ、磁気記録層12の画像コントラスト等を
考慮すると粒径が5μmから30μm、厚さが0.1μ
mから3μmの間であることが好ましい。
【0031】着色剤23は、顔料又は染料からなり、顔
料単独、数種の顔料の混合物、顔料とポリマーからなる
混合物、染料単独、数種の染料の混合物等として用いら
れる。例えば、顔料の場合には二酸化チタン、硫化亜
鉛、チタン酸鉛、酸化ジルコニウム、鉛白、カドミウム
赤、カドミウム黄等の無機顔料やフタロシアニン系顔料
などの有機系顔料などの微粒子(例えば、大きさは1n
m〜1μmである)、また染料の場合にはアゾ染料、キ
ノリン染料、フタロシアニン系染料等の各種公知のもの
を用いることができる。なお、着色剤23に顔料又は染
料をポリマーとの混合物を用いる場合は、上述の顔料又
は染料とポリマーと混練後に粉砕する。また他に顔料又
は染料をモノマーを乳化重合、懸濁重合、分散重合など
の方法を用いて重合する方法などにより着色剤23を作
製してもよい。この場合のポリマーは架橋性のものとす
ることが好ましい。
【0032】レーザ光吸収物質24としては、近赤外領
域に光吸収能を有し光熱変換が可能な物質であればよ
く、ポリメチン色素(シアニン系)、フタロシアニン
系、ジチオール金属錯塩系、ナフタロシアニン系、ナフ
トキノン、アントラキノン系、トリフェニルメタン系
(誘導体)、インドフェノール系、アルミニウムジイン
モニウム系等が用いられ、例えば吸収波長700〜80
0nmでは、IR−750(商品名)アントラキノン
系;日本化薬社製、SIR114(商品名)アントラキ
ノン系;三井東圧化学社製、CY−20(商品名)シア
ニン系;日本化薬社製、吸収波長800〜900nmで
は、KIR−103(商品名)フタロシアニン系;三井
東圧化学社製、PA1005(商品名)ジチオール金属
錯塩系;三井東圧化学社製、NK−2911(商品名)
シアニン系;日本感光色素研究所製、吸収波長900〜
1100nmでは、IRF−1000(商品名);富士
写真フィルム社製、IRG−003(商品名)ジインモ
ニウム系;日本化薬社製、CIR−1081(商品名)
シアニン系;日本カーリット社製などが挙げられ、本発
明では着色剤の色に応じてレーザ光吸収物質を適宜選択
し、異なる吸収波長のレーザ光吸収物質(例えば24−
A、24−B、24−C)をそれぞれ内包、或いは壁部
に含有するマイクロカプセルを作製するものであり、着
色剤及びレーザ光吸収物質の異なるマイクロカプセルは
それぞれ別個に作製し、最終的に混合することにより、
各色のマイクロカプセルはランダムに混合された状態と
なる。
【0033】分散媒25としては、常温(約10〜35
℃の範囲)で固体のもの(固相状態を示す)で、かつ常
温以上の温度(約40〜100℃の範囲)に加熱される
と流動状態になるものであればよく、例えば有機化合物
で、パラフィンワックス、カルナバワックスなどの天然
或いは合成ワックス、天然或いは合成樹脂、またはカル
ボン酸エステルなど上記条件を満たす一般に公知である
ものを単独、或いは混合して適宜使用することができ
る。
【0034】上記したフレーク状磁性粒子22、着色剤
23、レーザ光吸収物質24、分散媒25などを主成分
とする芯物質21をポリマー等の殻物質26で覆うか、
或いはフレーク状磁性粒子22、着色剤23、レーザ光
吸収物質24、分散媒25などを主成分とする芯物質2
1’をレーザ光吸収物質24を含有してなるポリマー等
の殻物質26で覆い、マイクロカプセル化する。なお、
レーザ光吸収物質24は芯物質としてマイクロカプセル
に内包させ、さらにマイクロカプセルの壁部に含有する
ようにしてもよい。この殻物質26として用いられる樹
脂には、一般に用いられている樹脂、例えばアクリル系
樹脂、メタクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド
樹脂、エポキシ樹脂、天然樹脂等が挙げられ、これらを
単独、あるいは2種以上混合して使用することも可能で
ある。
【0035】上述の殻物質を有するマイクロカプセル1
4、14’の製造法としては、ポリマー溶液に分散させ
た芯物質のまわりにポリマーの濃厚相を分離させる相分
離法、ポリマー溶液中の芯物質のまわりにポリマーの硬
化試験薬等によりポリマーを硬化させる液中硬化被覆
法、芯物質を分散させたエマルジョンの内、あるいは外
相のいずれか一方からモノマーや重合触媒を供給し芯物
質の表面をポリマーで覆うインシチュー重合法、芯物質
を分散させたエマルジョンの内相と外相の両方からモノ
マーを供給する界面重合法等のマイクロカプセル化技法
が好適であるが、これらの方法に限定されるものではな
い。
【0036】とくに芯物質21、21’を分散媒25に
均一に分散させたサスペンジョンの外相からモノマーを
供給するインシチュー重合法、あるいは相分離法を用い
て製造することにより、粒径の揃った、かつフレーク状
磁性粒子22の移動が容易なマイクロカプセル14、1
4’を製造することができる。ここで用いる重合性モノ
マーは、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、
スチレンおよびその誘導体、イソシアネート、各種アミ
ン、エポキシ基を有する化合物等が好適である。
【0037】次に本発明の磁気記録体1は、図1に示す
ように支持体11上に上述の構成を有するマイクロカプ
セル14をバインダー15とともに塗布し磁気記録層1
2を形成、さらに保護層13を積層することにより作製
される。
【0038】支持体11はポリ塩化ビニル、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
スチレン,ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂
類、天然樹脂、紙、合成紙、金属、セラッミクスなどを
単独または組み合わせた複合体として用いることができ
る。またその形状もカード状あるいはシート状、フィル
ム状など用途に応じて選択でき、さらに用途に応じて要
求される物性、例えば強度、剛性、隠蔽性、光不透過性
等を考慮し、上記材料から適宜選択することができる。
【0039】また、マイクロカプセル14、14’を分
散するバインダー15としては、水系バインダー、溶剤
系バインダー、エマルション系バインダー等が適宜用い
られる。さらに、保護層13としては、エポキシ樹脂、
テトラフルオロエチレン等、またはポリ塩化ビニル、ポ
リエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリスチレン,ポリエチレンテレフタレート等の合
成樹脂、天然樹脂等が使用可能である。この保護層13
は、支持体11上に形成されたマイクロカプセル14を
保持するとともに、外部からマイクロカプセル14、1
4’内のフレーク状磁性粒子22が見えるような光透過
性を有している必要があり、強度など必要な条件を満た
すものであれば用いることができる。
【0040】なお、保護層13は、下層の磁気記録層の
表示読み取りに影響しない範囲で着色してもよく、また
光透過性を有する着色層(図示しない)を設けてもよ
い。なお保護層の着色には顔料又は染料を混合するか、
着色層(図示しない)を設ける場合は顔料又は染料をバ
インダー等に分散、或いは溶解させたものを磁気記録層
12と保護層13との間に塗布形成する。
【0041】これらの磁気記録層12、保護層13、の
形成方法は、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷
法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロ
ール塗布法、ナイフエッジ法などの塗布方式、上述のマ
イクロカプセル14を混入した転写層に有する転写シー
トによる転写方式、また上述の着色剤に応じた複数種の
マイクロカプセル14、14’(例えば、14−A、1
4−B、14−C)を混入したインキを基材に吹き付け
るインキジェット方式、支持体11と保護層13との間
に上述のマイクロカプセル14、14’を混入した溶液
を充填する方式などの形成方法により作製することがで
き、作製する情報記録媒体の用途、数量に応じて上述の
方式から適宜選択することができる。
【0042】次に、本発明の磁気記録体における表示画
像の形成方法を説明する。図1は、図2に示すフレーク
状磁性粒子22、着色剤23、レーザ光吸収物質24が
分散媒25である有機溶媒に分散されたサスペンジョン
を内包したマイクロカプセル14、または/および図3
に示すフレーク状磁性粒子22、着色剤23が分散媒2
5である有機溶媒に分散されたサスペンジョンを内包し
壁部にレーザ光吸収物質24を含有してなるマイクロカ
プセル14’を支持体11上に塗布した本発明の磁気記
録体1の一部を拡大した断面図を表す説明図である。作
製された当初は、マイクロカプセル14、14’内で、
フレーク状磁性粒子22、着色剤23は均一に分散され
た状態で分散媒24中に固定化されている。このマイク
ロカプセル14、14’は分散媒25にはフレーク状磁
性粒子22の他に着色剤23を内包し、さらに着色剤2
3の色、例えば3色(黄、赤、青)に応じて吸収波長の
異なるレーザ光吸収物質24をマイクロカプセルに内包
又はマイクロカプセルの壁部に含有してなるマイクロカ
プセル14−A、14−B、14−Cであり、これらが
ランダムに分散配置されているものである。本説明で
は、便宜上、3種類のマイクロカプセルを順に配列した
ものを記載しているが、実際は上記のような微粒子であ
るマイクロカプセルがランダムに配列された状態であ
る。
【0043】図4は、通常、画像が記録されていない状
態、すなわち消去時或いは未記録時の状態を示すもの
で、磁気記録層12に対し垂直にマイクロカプセル1
4、14’内のフレーク状磁性粒子22を配向させてな
る状態を示す説明図である。この場合、マイクロカプセ
ル14−A、14−B、14−Cの分散媒25が全て溶
融する温度、すなわち全てのレーザ光吸収物質24にレ
ーザ光吸収を生じる波長光を照射するレーザ光照射手段
31、或いは分散媒25の溶融温度にサーマルヘッドな
どの加熱手段32と、磁気記録体1の垂直及び水平方向
に磁気印加可能な磁気印加手段33から構成される記録
消去ヘッド30により、この磁気記録層12を加熱する
と、全てのマイクロカプセル14、14’内の分散媒2
5が溶融状態になり、フレーク状磁性粒子22が配向又
は移動(回転)可能となる。そして磁気印加することに
より、その配向状態が磁気印加方向と同じになる。した
がって、図中では磁気記録層12を一様に加熱・垂直方
向に印加された磁界により、マイクロカプセル14、1
4’中のフレーク状磁性粒子22は磁気記録層12に垂
直に配向される。これにより、磁気記録体表面は、入射
光はほとんど反射されず、散乱・吸収され、暗い色調と
なるか、或いは入射光は磁気記録層を透過し支持体表面
の反射による支持体の色彩が表示される。支持体11
は、ここでは暗色系の色であり、例えば黒色である。
【0044】図5は、本発明の磁気記録媒体1の第1段
階の記録状態を示す断面図であり、磁気記録体1の磁気
記録層12に対して、上記記録消去ヘッド30を用いて
特定のマイクロカプセル14−Aのレーザ光吸収物質2
4に吸収可能な波長のレーザ光の照射と、垂直方向の磁
気の印加により、レーザ光吸収物質24のレーザ光吸収
に伴う発熱によって第1段階の記録画像に応じて部分的
に磁気記録層12のマイクロカプセル14−Aの分散媒
25が溶融状態となるとともに、水平方向の磁場の印加
によりフレーク状磁性粒子22が移動(回転)可能とな
り、磁気印加することにより、その配向状態は磁気印加
方向と同じとなる。したがって、図中では加熱され分散
媒25が溶融状態となり、磁気記録層12のマイクロカ
プセル14中の垂直方向の配向されたフレーク状磁性粒
子22は、水平方向に印加された磁界により、磁気記録
層12に水平方向に配向される。そのため入射光は、フ
レーク状磁性粒子22によりほとんど反射され、マイク
ロカプセル14、14’に内包される着色剤23の色が
現れる。
【0045】これにより、記録が行われたマイクロカプ
セル14−A内のフレーク状磁性粒子22のみが水平に
配向され、その他のマイクロカプセル14、14’内の
フレーク状磁性粒子22は垂直に配向されているため、
支持体11の暗い色調の中にマイクロカプセル14−A
に内包される着色剤23の色による明るい画像が形成さ
れ、これにより第1の可視表示情報が記録できる。
【0046】さらに図6は本発明の磁気記録媒体1の第
2段階の記録状態を示す断面図であり、磁気記録体1の
磁気記録層12に対して、上記記録消去ヘッド30を用
いて特定のマイクロカプセル14−Bのレーザ光吸収物
質24に吸収可能な波長のレーザ光の照射と、垂直方向
の磁気の印加により、レーザ光吸収物質24のレーザ光
吸収に伴う発熱によって第1段階の記録画像に応じて部
分的に磁気記録層12のマイクロカプセル14−Aの分
散媒25が溶融状態となるとともに、水平方向の磁場の
印加によりフレーク状磁性粒子22が移動(回転)可能
となり、磁気印加することにより、その配向状態は磁気
印加方向と同じとなる。したがって、図中では加熱され
分散媒25が溶融状態となり、磁気記録層12のマイク
ロカプセル14中の垂直方向の配向されたフレーク状磁
性粒子22は、水平方向に印加された磁界により、磁気
記録層12に水平方向に配向される。そのため入射光
は、フレーク状磁性粒子22によりほとんど反射され、
マイクロカプセル14、14’に内包される着色剤23
の色が現れる。
【0047】これにより、記録が行われたマイクロカプ
セル14−B内のフレーク状磁性粒子22のみが水平に
配向され、その他のマイクロカプセル14内のフレーク
状磁性粒子22は垂直に配向されているため、支持体1
1の暗い色調の中にマイクロカプセル14−Bに内包さ
れる着色剤23の色による明るい画像が形成され、これ
により第2の可視表示情報が記録できる。
【0048】さらに図7は、本発明の磁気記録体の第3
段階の記録状態を示す断面図であり、磁気記録体1の磁
気記録層12に対して、上記記録消去ヘッド30を用い
て特定のマイクロカプセル14−Cのレーザ光吸収物質
24に吸収可能な波長のレーザ光の照射と、垂直方向の
磁気の印加により、レーザ光吸収物質24のレーザ光吸
収に伴う発熱によって、記録消去ヘッドによる第3段階
の記録画像に応じて部分的に磁気記録層12を加熱し、
加熱されたマイクロカプセル14−C内の分散媒24が
溶融状態とするとともに、フレーク状磁性粒子22が移
動(回転)可能となり、磁気印加することにより、その
配向状態は磁気印加方向と同じとなる。したがって、図
中では加熱され分散媒24が溶融状態となり、磁気記録
層12のマイクロカプセル14中の垂直方向の配向され
たフレーク状磁性粒子22は、水平方向に印加された磁
界により、磁気記録層12に水平方向に配向される。そ
のため入射光は、フレーク状磁性粒子22によりほとん
ど反射され、マイクロカプセル14、14’に内包され
る着色剤23の色が現れる。
【0049】これにより、記録が行われたマイクロカプ
セル14−C内のフレーク状磁性粒子22のみが水平に
配向され、その他の未記録のマイクロカプセル14、1
4’内のフレーク状磁性粒子22は垂直に配向されてい
るため、支持体11の暗い色調の中にマイクロカプセル
14−Cに内包される着色剤23の色による明るい画像
が形成され、これにより第3の可視表示情報が記録でき
る。
【0050】このように着色剤の色毎に設定される吸収
波長の異なるレーザ光吸収物質24を用いた複数種のマ
イクロカプセルを配置してなる磁気記録層12に対し
て、上記の記録を順次行うことにより、記録画像に応じ
てマイクロカプセルによる色毎の複数の可視表示情報を
記録することができ、使用する色数も2色以上可能であ
る。すなわち、本発明により多色のカラー画像表示が可
能となる。
【0051】なお、本発明の磁気記録体1の記録に用い
る記録消去ヘッド30は、例えば記録方式として全体に
一様な磁場を形成した後記録箇所のみにレーザ光を照射
する、消去方式として全体に一様な磁場を形成した後全
面又は必要箇所にレーザ光を照射する、或いは全体に一
様な磁場を形成した後全面を加熱して消去するものがあ
る。なお、全体に一様に熱を印加した後記録箇所のみに
磁場を形成して記録を行なう方式も可能である。例えば
前者の方式では、(1)具体的にはレーザ光などの熱変
換が可能なレーザ光照射手段と一様な磁場の印加が可能
な磁場形成手段、(2)加熱手段と一様な磁場の印加が
可能な磁場形成手段があり、後者は(3)磁気ヘッドと
一様な熱印加可能な加熱手段などがあり、また熱と磁場
をライン状に走査する構成としてもよく、用途に応じて
適宜選択することができる。とくに(2)、(3)の熱
を印加する加熱手段はワックス、有機化合物など上記し
た分散媒26を溶融させるだけの加熱能力を有していれ
ばよい。
【0052】この画像形成は、磁気と分散媒の粘度を低
下させる程度の低エネルギーの熱による単純なもので、
その熱源にレーザ光吸収物質による発熱であるため記録
・消去が容易であり、マイクロカプセルの粒径を制御す
ることにより、解像度の高い像形成が可能である。また
記録消去ヘッドで形成された画像は、分散媒が常温に戻
ると同時に固定状態となるため、その記録安定性がよ
く、しかも、溶融状態以外では磁気のみでの画像形成が
行えないため、磁石に触れてかぶりを生ずることがな
い。本発明による磁気記録体は内包されるフレーク状着
色磁性粒子の記録時の移動性(回転)、すなわち記録の
反応性の良さと記録画像の安定性の両方を備えるもので
ある。また、マイクロカプセル14、14’に着色剤2
3の色毎に設定した異なる吸収波長のレーザ光吸収物質
24をそれぞれ用いることにより、吸収班長毎に画像記
録を行うことができ、色数に応じた記録など鮮明な多色
のカラー化が可能であり、或いは印刷と同様に黄(イエ
ロー)、赤(マゼンタ)、青(シアン)の各色によるカ
ラー画像記録も可能である。
【0053】さらに、マイクロカプセルはバインダーに
混ぜることで塗液化することができるため、様々な支持
体に塗布することができ、また、様々な形状に加工する
ことが可能であり、製造工程も簡単であることから、用
途範囲を広げることができる。さらに着色剤、分散媒な
ど適宜選択することにより、種々の色の表示が可能な磁
気記録体を得ることができる。
【0054】本発明の磁気記録体に記録される画像は文
字・数字・マーク・模様・絵・写真等の種々の可視情報
であり、入射光の磁気記録層透過・支持体表面の反射に
よる支持体の色彩と、水平方向に配向されたフレーク状
磁性粒子上の着色剤による明るい画像の表示とのコント
ラストにより可視情報の表示が行なわれ、鮮明なカラー
画像が得られる。
【0055】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を挙げて、詳
細に説明する。 <実施例>シランカップリング処理を施したフレーク状
のニッケル粉60重量部と黄色顔料(ベンチジンエロー
YT564)1重量部、レーザ光吸収物質として近赤外
線吸収剤CY−20(商品名)日本化薬社製・吸収波長
780nmを、80℃に加熱し融解した融点80℃のパ
ラフィンワックス80重量部に均一に分散し、この分散
液を80℃に加熱した10%ゼラチン水溶液200重量
部中に、ホモジナイザーを用いて、回転数2000rp
mで平均粒径75μmとなるように約5分間分散させ
た。得られた分散液に10%アラビアゴム水溶液200
重量部を混合し、さらに水1000重量部を添加し、4
0℃に保ち、10%酢酸水溶液を滴下し、pHを4に調
節した。その後、液温を7℃に冷却し、30%ホルマリ
ン水溶液10重量部を加え、10%水酸化ナトリウム水
溶液を滴下しpHを9に調節し、ゼラチン−アラビアゴ
ム壁のマイクロカプセルAを作製した。
【0056】次に黄色顔料(ベンチジンエローYT56
4)と近赤外線吸収剤CY−20(商品名)日本化薬社
製・吸収波長780nmに代えて、マゼンタ顔料(ウォ
ッチングレッドRT761D)と近赤外線吸収剤NK−
2911(商品名)日本感光色素研究所製・吸収波長8
30nmを用いた以外は同様に操作してマイクロカプセ
ルBを作製した。
【0057】さらに黄色顔料(ベンチジンエローYT5
64)に代えて、シアン顔料(フタロシアニンブルー)
と近赤外線吸収剤CIR−1081(商品名)日本カー
リット社製・吸収波長900〜1000nmを用いた以
外は同様に操作してマイクロカプセルCを作製した。
【0058】次に黒色のポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム上に、得られたマイクロカプセル
A、B、Cをポリビニルアルコール水溶液に均一に分散
した塗液を塗布し磁気記録層を設け、さらにアクリル樹
脂からなる保護層を形成し、本発明の磁気記録体を得
た。
【0059】この磁気記録体の全面を85℃に加熱し、
外部から磁気記録層に垂直となる磁界を印加し、全ての
マイクロカプセル中のフレーク状磁性粒子を磁気記録層
の表面に対して垂直となるように配向させ、磁気記録層
を未記録状態とした。次に磁気記録層の全面或いは記録
する第1の可視表示情報に合わせて部分的に780nm
のレーザ光を照射するとともに磁気記録層の水平方向に
磁界を印加しフレーク状磁性粒子を磁気記録層に対して
水平となるように配向させ、マイクロカプセルAの第1
の可視表示情報の記録を行った。
【0060】次に磁気記録層の全面或いは記録する第2
の可視表示情報に合わせて部分的に830nmのレーザ
光を照射するとともに磁気記録層の水平方向に磁界を印
加しフレーク状磁性粒子を磁気記録層に対して水平とな
るように配向させ、マイクロカプセルBの第2の可視表
示情報の記録を行った。さらに磁気記録層の全面或いは
記録する第3の可視表示情報に合わせて部分的に950
nmのレーザ光を照射するとともに磁気記録層の水平方
向に磁界を印加しフレーク状磁性粒子を磁気記録層に対
して水平となるように配向させ、第3の可視表示情報の
記録を行った。以上の操作により、暗い色調の中に、フ
ルカラーの明るい鮮明な画像を形成することができる。
【0061】なお、図示しないが、上記磁気記録層を透
明なポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上
に形成し、黒色の顔料(例えばカーボンブラック
鉛、アセチレンブラック、ナフトールブルーブラック
等)を混練したアクリル樹脂からなる層を形成し、支持
体(PET)側から画像の記録又は消去を行うこともで
き、またこの支持体(PET)側を表側として他の媒体
の凹部に嵌合し磁気記録部を形成する表示手段として利
用することも可能である。
【0062】
【発明の効果】本発明の磁気記録体及び磁気記録体の記
録方法によれば、フレーク状磁性粒子、着色剤、着色剤
の色毎に異なる吸収波長を有するレーザ光吸収物質、こ
れらを分散し常温において固相状態を示す分散媒とを内
包するマイクロカプセル、或いはフレーク状磁性粒子、
着色剤、これらを分散してなる常温において固相状態を
示す分散媒とを内包し、かつその壁部に着色剤の色毎に
異なる吸収波長を有するレーザ光吸収物質を含有してな
るマイクロカプセルをバインダー中に分散配置してなる
磁気記録層を有し、これらマイクロカプセルのフレーク
状磁性粒子を磁気記録層に対して水平に配向、或いは垂
直に配向させることによる反射光のコントラストにより
画像記録を行うものであり、マイクロカプセルに内包さ
れる着色剤を含有させることによりカラー表示が可能で
あり、また異なる色のマイクロカプセルを用いることに
より多色表示、さらにはフルカラー表示を行うことがで
きる。
【0063】とくに着色剤の色毎に異なる吸収波長のレ
ーザ光吸収物質を設定することにより、一色毎に画像記
録を行うことができるため、色が混じり合うことがな
く、鮮明なカラー表示が可能である。さらに磁気を印加
した部分と無印加の部分とが明確に異なるように明暗が
はっきりとしており、かつ解像度が高く、鮮明で、画像
の安定性に優れる繰り返し記録消去が可能な磁気記録体
である。
【0064】また本発明の磁気記録体は、低温度の加熱
と磁気の印加により簡易に像形成を行うことができるた
め、低エネルギー消費であり、記録層にマイクロカプセ
ルを用いることにより、マイクロカプセルの粒径を制御
することで解像度を高めることができる。しかもマイク
ロカプセル内で磁性粒子が常温で固相状態を示す分散媒
に分散され、記録消去時以外は固定されているため、情
報記録後に外部から磁石などの磁気が印加されても、マ
イクロカプセル内の磁性粒子に移動を生じることがな
く、安定した記録が得られる。加熱・磁気印加された部
分のみに磁性粒子の移動(配向)をほぼ限定できるた
め、解像度が高く、常温で固相状態を示す分散媒を用い
ることで画像の安定性も優れる。
【0065】またマイクロカプセルを含む塗液を塗布す
る工程とすることができるため、磁気記録体の製造工程
を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録体の一実施例の断面図であ
る。
【図2】第1の発明の磁気記録体の磁気記録層に用いら
れるマイクロカプセルの一実施例を示す断面図である。
【図3】第2の発明の磁気記録体の磁気記録層に用いら
れるマイクロカプセルの一実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の磁気記録体の未記録状態を示す断面図
である。
【図5】本発明の磁気記録体の第1段階の記録状態を示
す断面図である。
【図6】本発明の磁気記録体の第2段階の記録状態を示
す断面図である。
【図7】本発明の磁気記録体の第3段階の記録状態を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 磁気記録体 11 支持体 12 磁気記録層 13 保護層 14、14’ マイクロカプセル 14−A マイクロカプセルA 14−B マイクロカプセルB 14−C マイクロカプセルC 15 バインダー 21、21’ 芯物質 22 フレーク状磁性粒子 23 着色剤 24 レーザ光吸収物質 25 分散媒 26 殻物質 30 記録消去ヘッド 31 レーザ光照射手段 32 加熱手段 33 磁気印加手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性材料からなる支持体上に、少なくと
    もフレーク状磁性粒子、着色剤、レーザ光吸収物質、こ
    れらを分散してなる常温において固相状態を示す分散媒
    とを内包してなるマイクロカプセルをバインダー中に分
    散配置し磁気記録層を形成してなることを特徴とする磁
    気記録体。
  2. 【請求項2】非磁性材料からなる支持体上に、少なくと
    もフレーク状磁性粒子、着色剤、これらを分散してなる
    常温において固相状態を示す分散媒とを内包し、かつそ
    の壁部にレーザ光吸収物質を含有してなるマイクロカプ
    セルをバインダー中に分散配置し磁気記録層を形成して
    なることを特徴とする磁気記録体。
  3. 【請求項3】前記着色剤の色に対応するマイクロカプセ
    ルは1種以上であり、かつ前記着色剤の色毎に前記レー
    ザ光吸収物質の吸収波長が異なることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の磁気記録体。
  4. 【請求項4】前記分散媒は、融点が35℃以上100℃
    以下の範囲にある有機化合物であることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の磁気記録体。
  5. 【請求項5】前記着色剤が染料、あるいは顔料からなる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気記録体。
  6. 【請求項6】前記マイクロカプセルの平均粒径が10μ
    mから1000μmの間にあることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の磁気記録体。
  7. 【請求項7】前記フレーク状磁性粒子の平均長径が5μ
    mから30μmの間にあり、平均厚みが0.1μmから
    5μmの間にあることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の磁気記録体。
  8. 【請求項8】前記磁気記録層上に保護層を形成してなる
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気記録体。
  9. 【請求項9】請求項1又は2に記載の磁気記録体の磁気
    記録層に対する磁場の印加と加熱によるマイクロカプセ
    ル内の分散媒の溶融からフレーク状磁性粒子の配向によ
    り可視情報の記録、消去を行なう磁気記録体の記録消去
    方法において、前記磁気記録層に対する垂直又は水平磁
    場の印加とレーザ光吸収物質の吸収波長に対応する光の
    部分的な照射による情報の記録と、前記磁気記録層に対
    する水平又は垂直磁場の印加とレーザ光吸収物質の吸収
    波長に対応する光の全面照射又は加熱手段の全面加熱に
    よる情報の消去を行なうことを特徴とする磁気記録体の
    記録消去方法。
  10. 【請求項10】請求項1又は2に記載の磁気記録体の磁
    気記録層に対する磁場の印加と加熱によるマイクロカプ
    セル内の分散媒の溶融からフレーク状磁性粒子の配向に
    より可視情報の記録、消去を行なう磁気記録体の記録消
    去装置において、少なくとも垂直又は水平磁場印加手段
    と、レーザ光照射手段、或いは加熱手段を具備してなる
    ことを特徴とする磁気記録体の記録消去装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006293358A (ja) * 2005-04-06 2006-10-26 Jds Uniphase Corp 印刷可能なフレネル構造を含む形成磁界内で印刷された動的外観変化光学デバイス(dacod)
JP5274020B2 (ja) * 2005-12-19 2013-08-28 国際先端技術総合研究所株式会社 真贋判別可能なカード
JP2014509958A (ja) * 2010-12-21 2014-04-24 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 着色された磁化可能なセキュリティ要素
JP2015028665A (ja) * 1997-08-28 2015-02-12 イー インク コーポレイション 電気泳動ディスプレイおよび材料

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