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JPH0974970A - 加熱蒸散装置用正特性サーミスタ発熱体 - Google Patents

加熱蒸散装置用正特性サーミスタ発熱体

Info

Publication number
JPH0974970A
JPH0974970A JP25925095A JP25925095A JPH0974970A JP H0974970 A JPH0974970 A JP H0974970A JP 25925095 A JP25925095 A JP 25925095A JP 25925095 A JP25925095 A JP 25925095A JP H0974970 A JPH0974970 A JP H0974970A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
heating element
electrode
ptc heating
insulating case
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25925095A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Asakura
正博 朝倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurabe Industrial Co Ltd
Original Assignee
Kurabe Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurabe Industrial Co Ltd filed Critical Kurabe Industrial Co Ltd
Priority to JP25925095A priority Critical patent/JPH0974970A/ja
Publication of JPH0974970A publication Critical patent/JPH0974970A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被加熱体である吸上芯を均一に加熱すること
ができるとともに、構成の簡略化と小型化によってコス
トの低減を可能とした加熱蒸散装置用の加熱体として好
適なPTC発熱体を提供する。 【解決手段】 上面が開口した有底状の耐熱絶縁性ケー
ス1の略中央部に設けられた略半楕円形の筒状孔1bの
周囲に、バネ弾性を有し放熱部2aと電極部2bと電極
端子部2cとを備えた金属成形体2を嵌合し、前記金属
成形体2の電極部2bにPTC発熱素子3の一面を接触
配置するとともに、PTC発熱素子3の他面にバネ弾性
を有し電極部4aと電極端子部4bとを備えた電極板4
を押圧接触させ、前記耐熱絶縁性ケース1の上面開口部
を耐熱絶縁性ケース1の筒状孔1bと略等しい大きさの
穴部5aが設けられた耐熱絶縁性の蓋部材5で覆ったこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、液体式電
子蚊取器などの加熱蒸散装置における加熱体として好適
に使用される正特性サーミスタ(以下「PTC」と略記
する)発熱体に係り、特に、被加熱体である吸上芯を均
一に加熱することができるとともに、構成の簡略化と小
型化によってコストの低減を図ったものに関する。
【0002】
【従来の技術】加熱蒸散装置の一例として、例えば、フ
ラメトリン、アレスリン等の殺虫成分を含む薬液を吸上
芯により吸い上げつつ、これを加熱体によって間接的に
加熱して前記薬液を蒸散させる液体式電子蚊取器があ
る。通常、この種の電子蚊取器においては加熱体とし
て、PTC発熱体が使用されているが、これはPTC発
熱体が、キュリー温度以下では固有の抵抗値を有し発熱
体として作用し、キュリー温度を超えた場合には急激に
抵抗値が増大して通電をカットするという自己温度制御
機能を備えており、温度センサや制御回路が無くても被
加熱体である吸上芯を安全に加熱することができるから
である。
【0003】液体式電子蚊取器で使用されるPTC発熱
体としては従来より様々な構成のものが提案され実用に
供されているが、例えば、当該出願人の出願にかかる実
開平5−88280号公報には、リング状に形成された
PTC発熱素子を用いたPTC発熱体が開示されてい
る。
【0004】この公報に示されたPTC発熱体は、優れ
た加熱効率をもって吸上芯を周方向から均一に加熱する
ことができるとともに、同公報の図面(図3)からも明
らかなように、リング状PTC発熱素子が、一対のリン
グ状電極板13とフッ素ゴムからなる保護層14によっ
て密封されているため、薬液の蒸気等の影響によってP
TC発熱素子の抵抗−温度特性や電圧−電流特性が劣化
することが殆ど無いという利点を有している。また、こ
のPTC発熱体は、前記リング状PTC発熱素子及び一
対のリング状電極板13と、リング状PTC発熱素子の
内壁に嵌合する筒柱15aを有する耐熱絶縁板15、前
記耐熱絶縁板15の筒柱15aに相対する穴部25aを
有する耐熱絶縁板25とが、円筒部16aを有しアルミ
ニウム等からなる保持具16によって押圧状態で固定さ
れているため、加熱によるフッ素ゴム保護層14の膨潤
等の影響によって、PTC発熱素子と電極板13間に電
気的接触不良が発生することが無いという利点も有して
いる。
【0005】しかしながら、上記構成のPTC発熱体に
おいては、使用されるリング状PTC発熱素子の外径が
19mm程度であり占有面積が大きいため、例えば、デ
ィスク状(例えば、円板状)のPTC発熱素子のような
小径のものと比較すると、単位面積当たりの生産数量が
少なく、生産性に劣ってしまう。一般に、PTC発熱素
子は平面的に置いて製造されるため、単位面積における
生産数量によってコストが大幅に左右されてしまう。
【0006】そこで最近では、リング状のPTC発熱素
子に代えて、直径を10mm程度以下まで小径化するこ
とが可能なディスク状のPTC発熱素子を使用してPT
C発熱体を構成し、これによってコストの低減を図ろう
とする試みがなされつつある。ディスク状のPTC発熱
素子を使用したPTC発熱体が開示されたものの例とし
て、例えば、特開平5−292862号公報、特開平6
−38657号公報などが挙げられる。
【0007】まず、特開平5−292862号公報に
は、両面に絶縁性接着剤を介して一対の電極板が固着さ
れたディスク状のPTC発熱素子が、厚み方向に形成さ
れる孔を有する筒状部を設けたアルミニウム等からなる
伝熱板とともに、前記伝熱板の外形にほぼ沿う内部形状
を備える放熱部を設けた有底の絶縁ケース内に収納さ
れ、絶縁蓋にて結合一体化されてなるPTC発熱体が開
示されている。
【0008】また、特開平6−38657号公報には、
両面に絶縁性接着剤を介して一対の電極板が固着された
ディスク状のPTC発熱素子が、アルミニウム等からな
る金属放熱体の一部に貫通孔状に形成された収納部に収
納された状態で第2の絶縁ケースに装着され、前記金属
放熱体の収納部内に充填樹脂が注入された後、第1の絶
縁ケースが被せられ一体化された構成のPTC発熱体が
開示されている。前記金属放熱体には、PTC発熱素子
の収納部の他に、第2の貫通孔が形成されており、この
貫通孔に吸上芯が挿通される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、まず、
特開平5−292862号公報に開示されたPTC発熱
体の場合には、アルミニウム等からなる伝熱板がブロッ
ク状に形成されており、この伝熱板が絶縁ケースの外壁
付近まで位置しているため、この部分から外部へ熱が放
散してしまうという欠点があった。その結果、吸上芯が
挿通される絶縁ケースの放熱部におけるPTC発熱素子
の備えられている側の内壁面と、PTC発熱素子の備え
られていない側の内壁面とで温度差が生じてしまい、吸
上芯を均一に加熱することができなかった。
【0010】また、特開平6−38657号公報に開示
されたPTC発熱体の場合には、PTC発熱素子の備え
られていない金属放熱体の他端部、即ち、吸上芯を挿通
するための貫通孔が形成された部分が、絶縁ケース外に
裸状態で露出していることから外気中に多量の熱が放散
してしまい、その結果、前記貫通孔のPTC発熱素子の
備えられている側の内壁面と、PTC発熱素子の備えら
れていない側の内壁面とで温度差が生じてしまい、吸上
芯を均一に加熱することができないという欠点があっ
た。
【0011】本発明はこのような点に基づいてなされた
もので、その目的とするところは、被加熱体である吸上
芯を均一に加熱することができるとともに、構成の簡略
化と小型化によってコストの低減を可能とした加熱蒸散
装置用の加熱体として好適なPTC発熱体を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するべ
く本発明による加熱蒸散装置用正特性サーミスタ発熱体
は、上面が開口した有底状の耐熱絶縁性ケース1の略中
央部に設けられた略半楕円形の筒状孔1bの周囲に、バ
ネ弾性を有し放熱部2aと電極部2bと電極端子部2c
とを備えた金属成形体2を嵌合し、前記金属成形体2の
電極部2bに正特性サーミスタ発熱素子3の一面を接触
配置するとともに、正特性サーミスタ発熱素子3の他面
にバネ弾性を有し電極部4aと電極端子部4bとを備え
た電極板4を押圧接触させ、前記耐熱絶縁性ケース1の
上面開口部を耐熱絶縁性ケース1の筒状孔1bと略等し
い大きさの穴部5aが設けられた耐熱絶縁性の蓋部材5
で覆ったことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる耐熱絶
縁性ケースは、上面が開口した有底状のものであり、そ
の略中央部には略半楕円形の筒状孔が形成されている。
ここで、「略半楕円形」とは、例えば、楕円を半分にし
たような形状や、半円部と方形部とが結合したような形
状を意味している。本発明の実施例の項で参照する図1
及び図2には、半円部と方形部とが結合したような形状
の筒状孔1bを有する耐熱絶縁性ケース1の構成が示さ
れている。図2において、図中右側が半円部、図中左側
が方形部をそれぞれ示している。本発明のPTC発熱体
が実使用に供される場合には、例えば、図4に示すよう
に、筒状孔1bの半円部の略中心に、被加熱体である吸
上芯6が配置され、後述するPTC発熱素子の発熱によ
って吸上芯6の表面が所望の温度に加熱されることにな
る。
【0014】尚、これらの図面に示された耐熱絶縁性ケ
ース1の場合は、その外郭1aが前記筒状孔1bと同
様、半円部と方形部とが結合したような形状に形成され
ているが、勿論これ以外の形状であっても良い。要は、
上面が開口した有底状をなし、その略中央部に略半楕円
形の筒状孔が形成されたものであれば、どのような形状
のものであっても良い。これらは本発明において使用さ
れるPTC発熱素子の形状や大きさ、本発明のPTC発
熱体が組み込まれる加熱蒸散装置内の設置スペースなど
を考慮して適宜に設計する。
【0015】ケースを構成する材料は、耐熱性と絶縁性
を兼ね備えたものであれば良く特に限定されない。例え
ば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、シリ
コーン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素
樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂材料が挙げられる。これら
は本発明において使用されるPTC発熱素子の加熱温度
(キュリー温度)などを考慮して適宜に選択すれば良
い。例えば、PPS樹脂は、優れた耐熱性と絶縁性を有
するとともに、耐薬品性、寸法安定性及び高温時の機械
的強度に優れることから特に好ましい。尚、耐熱絶縁性
ケースには、後述する金属成形体の電極端子部及び/又
は電極板の電極端子部を外部に導出するための貫通孔を
設けても良い。
【0016】耐熱絶縁性ケースに設けられた筒状孔に
は、放熱部と電極部と電極端子部とを備えた金属成形体
が密着状態で嵌合される。従って、金属成形体の形状と
しては、前記耐熱絶縁性ケースの筒状孔と同様に略半楕
円形であることが好ましく、また構成材料としては、バ
ネ弾性に優れ、かつ電極として機能するものが好まし
い。例えば、ステンレス板、りん青銅板、ニッケルメッ
キ真鍮板、スズメッキ真鍮板、銀メッキ真鍮板などを挙
げることができる。これらの中でも、ステンレス板、り
ん青銅板などは長期間冷熱サイクルを受けた場合にも、
そのバネ弾性を充分に保持することができことから特に
好ましい。尚、バネ弾性を更に強化するために、金属成
形体の放熱部の一部に切欠部を設けることも考えられ
る。
【0017】金属成形体の電極部にはPTC発熱素子の
一面が接触配置され電気的に接続される。PTC発熱素
子は、チタン酸バリウム系セラミック素子の相対する両
面に、銀ペースト焼付け、アルミニウム溶射などにより
電極層が形成されたものであり、その形状としては、円
板状、角板状などのディスク状のものが好ましく用いら
れる。リング状のものも使用可能ではあるが、ディスク
状のものと比較した場合に、生産性に劣るためコストの
低減を図ることが困難となってしまう。
【0018】PTC発熱素子の他面には、バネ弾性を有
し電極部と電極端子部とを備えた電極板がそのバネ弾性
によって押圧接触され電気的に接続される。構成材料は
バネ弾性に優れ、かつ電極として機能するものであれば
良く特に限定されない。例えば、ステンレス板、りん青
銅板、ニッケルメッキ真鍮板、スズメッキ真鍮板、銀メ
ッキ真鍮板などを挙げることができる。これらの中で
も、ステンレス板、りん青銅板などは長期間冷熱サイク
ルを受けた場合にも、そのバネ弾性を充分に保持するこ
とができることから特に好ましい。
【0019】形状としては、例えば、電極部が断面略U
字状に形成されたものなどが考えられる。本発明の実施
例の項で参照する図1及び図3には、電極部4aの形状
が断面略U字状となるように厚さ0.2mmのステンレ
ス板を折り曲げ加工してなる電極板4の構成が示されて
いる。このような形状とすることによりステンレス板の
バネ弾性が更に強化される。このため、PTC発熱素子
3は電極板4のバネ弾性を受けて金属成形体2の電極部
2b側に強固に密着配置されることになる。尚、図1
中、符号4bは電極部4aに連続して形成された電極端
子部である。
【0020】金属成形体、PTC発熱素子及び電極板を
耐熱絶縁性ケース内に収納し、次いで、前記耐熱絶縁性
ケースの上面開口部を耐熱絶縁性ケースの筒状孔と略等
しい大きさの穴部が設けられた蓋部材で覆って本発明の
PTC発熱体とする。蓋部材を構成する材料は、前記耐
熱絶縁性ケースと同様に、使用するPTC発熱素子の加
熱温度(キュリー温度)などを考慮して適宜に選択すれ
ば良く特に限定されない。例えば、PPS樹脂、シリコ
ーン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹
脂、エポキシ樹脂等の樹脂材料が挙げられる。尚、蓋部
材には、上述した金属成形体の電極端子部及び/又は電
極板の電極端子部を外部に導出するための貫通孔を設け
ても良い。
【0021】上記の構成を備えた本発明のPTC発熱体
は、次のような作用を呈するものである。まず、耐熱絶
縁性ケースに設ける筒状孔の形状を従来のような円筒形
状から略半楕円形に変更したことにより、被加熱体であ
る吸上芯の設置位置を、PTC発熱素子が備えられる側
の筒状孔の内壁面から所定の距離だけ離すことができ
る。従って、仮に、PTC発熱素子が備えられる側の筒
状孔の内壁面と、PTC発熱素子が備えられていない側
の筒状孔の内壁面との間に温度差が生じたとしても、吸
上芯の表面は周方向に均一に加熱されることになる。
【0022】また、筒状孔の周囲に密着状態で嵌合して
いる金属成形体と耐熱絶縁性ケースの外郭との間には充
分な隙間が形成されているとともに、耐熱絶縁性ケース
の開口部は蓋部材によって完全に封止されているので、
前記隙間が空気断熱層として作用する。従って、PTC
発熱素子の熱は金属成形体を介して筒状孔側に良好に伝
導されることになり、無用な熱放散が無くなる。
【0023】更に、PTC発熱素子として、小径化が可
能なディスク状のものを使用することができるため、リ
ング状PTC発熱素子を使用する場合に比べて単位面積
当たりの生産数量を飛躍的に増加させることができると
ともに、金属成形体の一部に電極機能を持たせることに
より、部品点数を少なくすることができる。従って、従
来のPTC発熱体に比べてコストを低減することができ
る。
【0024】このように、本発明によるPTC発熱体
は、被加熱体である吸上芯を均一に加熱することができ
るとともに、構成の簡略化と小型化によってコストの低
減も図ることができる。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。
【0026】本実施例によるPTC発熱体は図1乃至図
3に示すような構成になっている。図1はPTC発熱体
の分解斜視図、図2はPTC発熱体を構成する耐熱絶縁
性ケースの上面図、図3はPTC発熱体の完成品状態に
おける断面図である。尚、図3の断面図の切断方向は、
図2中にI−Iで示した方向である。
【0027】まず、符号1は上面が開口した有底状の耐
熱絶縁性ケースであり、その略中央部には筒状孔1bが
一体に形成されている。筒状孔1bは図2に示すよう
に、半円部と方形部とが結合したような平面形状をなし
ている。尚、図2中、符号d、符号d、符号d
それぞれ筒状孔1bの寸法を示すためのものであり、本
実施例では、dを5.5mm、dを11mm、d
を7mmに設定している。
【0028】符号1aは耐熱絶縁性ケース1の外郭であ
り、この外郭1aも前記筒状孔1bと同様に、その平面
形状が半円部と方形部とが結合したような形状になるよ
うに設計されている。尚、この耐熱絶縁性ケース1は厚
さ0.8mmのPPS樹脂から構成されている。
【0029】筒状孔1bの周囲には厚さ0.2mmのス
テンレス板からなり、放熱部2aと電極部2bと電極端
子部2cとを備えた金属成形体2が密着状態で嵌合され
ている。金属成形体2の放熱部2aには、幅2mm程度
の切欠部2dが形成されており、これによって金属成形
体2のバネ弾性が強化されている。また電極端子部2c
の先端は耐熱絶縁性ケース1の底面に形成された貫通孔
1cから外部に導出されている。実使用に際しては、こ
の電極端子部2cに図示しない電源供給用リード線がス
ポット溶接等によって接続されることになる。
【0030】金属成形体2の電極部2bにはPTC発熱
素子3の一面が接触配置され電気的に接続されている。
PTC発熱素子3は、直径8mm、厚さ2.5mmの円
板状に形成されたチタン酸バリウム系セラミック素子
(キュリー温度170℃、常温抵抗値1.5kΩ)の相
対する両面に、銀ペースト焼付けによる電極層(図示せ
ず)が形成されたものである。
【0031】PTC発熱素子3の他面の電極層には、厚
さ0.2mmのステンレス板を折り曲げ加工することに
より電極部4aが断面略U字状に形成された電極板4
が、そのバネ弾性によって押圧接触されて電気的に接続
されている。符号4bは電極部4aに連続して形成され
た電極端子部であり、その先端は耐熱絶縁性ケース1の
底面に形成された貫通孔1cから外部に導出されてい
る。実使用に際しては、この電極端子部4bに図示しな
い電源供給用リード線がスポット溶接等によって接続さ
れることになる。
【0032】符号5は、耐熱絶縁性ケース1に設けられ
た筒状孔1bと略等しい大きさの穴部5aが設けられた
蓋部材であり、耐熱絶縁性ケース1の上面開口部を覆う
ように図示しないシリコーン樹脂系接着剤によって接着
固定されている。尚、この蓋部材5も耐熱絶縁性ケース
1と同様に厚さ0.8mmのPPS樹脂から構成されて
いる。
【0033】ここで、上記構成のPTC発熱体の加熱特
性を評価するために下記のような試験を実施した。図4
に示すように、耐熱絶縁性ケースに設けられた筒状孔1
b内に、直径8mm、長さ約80mmの市販の液体式電
子蚊取器用吸上芯6(薬液に浸されず、乾燥した状態の
もの)を設置しPTC発熱素子に所定の電圧を印加して
吸上芯6を加熱した。所定時間経過後、吸上芯6の高さ
方向の中央部に相当する位置の表面温度を周方向の4箇
所(図4に符号A、符号B、符号C、符号Dで示す方
向)において測定した。この試験を室温を25℃に保持
した状態と、40℃に保持した状態でそれぞれ行った。
尚、図4において、吸上芯6と筒状孔1bの内壁面との
距離は、符号A、符号B、符号Dの方向がそれぞれ1.
5mm、符号Cの方向が3mmとなっている。
【0034】また、比較例として、図8に示すような従
来構造のPTC発熱体(例えば、特開平6−38657
号公報に開示された構造で、本実施例と同様のPTC発
熱素子を使用したもの)を用意し、上記と同様の試験を
実施した。尚、図8中、符号11は絶縁ケース、符号1
2は絶縁ケース11の外側に露出した金属放熱体であ
り、この金属放熱体12に設けられた貫通孔12a内に
吸上芯6が配置される。吸上芯6と貫通孔12aの内壁
面との距離は、符号A、符号B、符号C、符号Dの方向
すべて1.5mmとなっている。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示した試験結果からも明らかなよう
に、本実施例によるPTC発熱体の場合は、吸上芯の表
面温度のバラツキが比較例のものに比べて極めて小さい
とともに、外気温の変動に対しても非常に安定した加熱
特性を示している。
【0037】次に、図5乃至図7を参照して本発明によ
るPTC発熱体を、加熱蒸散装置(例えば、液体式電子
蚊取器)に適用した場合の実施例(応用例)を説明す
る。
【0038】一般にこの種のPTC発熱体を加熱体とし
て使用する加熱蒸散装置においては、例えば、特公平4
−11172号公報、発明の名称「加熱蒸散装置」にも
開示されているように、加熱蒸散装置の下部(例えば、
外気取入口)から、PTC発熱体と吸上芯との間の周隙
を通る上昇気流によって蒸散量が異なるものであり、こ
の気流設計は蒸散装置の器体を設計する上で非常に複雑
な作業となる。しかしながら、本発明のPTC発熱体の
場合には、図5に示すように、PTC発熱体と吸上芯6
との間の温度勾配が不均一になっているため、吸上芯6
の図中右側の周隙と吸上芯6の図中左側の周隙を通過す
る上昇気流は均一ではなく、図中左側の周隙の方が多く
なっている。この現象を利用して、例えば図6に示すよ
うに、加熱蒸散装置21の下部からの上昇気流の発生を
抑える構造としたとき、PTC発熱体の近傍では不均一
な発熱空間が幅広く存在するため、内部でかなり大きな
自己対流(図6に矢印で示す)が発生し、薬液の充分な
蒸散が認められることになる。
【0039】この作用を調べるために、吸上芯の直径は
8mmと一定にし、吸上芯とPTC発熱素子が備えられ
ていない側の筒状孔の内壁面との距離をX、吸上芯とP
TC発熱素子が備えられている側の筒状孔の内壁面との
距離をY、PTC発熱素子のキュリー温度をTcとし、
通常、この種の加熱蒸散装置で必要とされる蒸散量約1
g/日が得られる範囲を求めたところ、図7に示された
面内の条件ならば、加熱蒸散装置下部からの上昇気流の
発生が無くてもPTC発熱体を収納した小部屋内だけの
自己対流により充分な蒸散量を得ることができる、とい
うことが判明した。これにより、加熱蒸散装置内の気流
設計を容易にし、蒸散量をPTC発熱体近傍の気流設計
だけの問題に絞ることができる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によるPTC
発熱体は、次のような効果を奏するものである。まず、
耐熱絶縁性ケースに設ける筒状孔の形状を従来のような
円筒形状から略半楕円形に変更したことにより、被加熱
体である吸上芯の設置位置を、PTC発熱素子が備えら
れる側の筒状孔の内壁面から所定の距離だけ離すことが
できる。従って、仮に、PTC発熱素子が備えられる側
の筒状孔の内壁面と、PTC発熱素子が備えられていな
い側の筒状孔の内壁面との間に温度差が生じたとして
も、吸上芯の表面は周方向に均一に加熱されることにな
る。
【0041】また、筒状孔の周囲に密着状態で嵌合して
いる金属成形体と耐熱絶縁性ケースの外郭との間には充
分な隙間が形成されているとともに、耐熱絶縁性ケース
の開口部は蓋部材によって完全に封止されているので、
前記隙間が空気断熱層として作用する。従って、PTC
発熱素子の熱は金属成形体を介して筒状孔側に良好に伝
導されることになり、無用な熱放散が無くなる。
【0042】更に、PTC発熱素子として、小径化が可
能なディスク状のものを使用することができるため、リ
ング状PTC発熱素子を使用する場合に比べて単位面積
当たりの生産数量を飛躍的に増加させることができると
ともに、金属成形体の一部に電極機能を持たせることに
より、部品点数を少なくすることができる。従って、従
来のPTC発熱体に比べてコストを大幅に低減すること
ができる。
【0043】このように、本発明によるPTC発熱体
は、被加熱体である吸上芯を均一に加熱することができ
るとともに、コストの低減を図ることができるものであ
る。よって、近年、需要が増大している液体式電子蚊取
器などの加熱蒸散装置の加熱体として極めて好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図で、PTC発熱体の
分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施例を示す図で、耐熱絶縁性ケー
スの上面図である。
【図3】本発明の一実施例を示す図で、PTC発熱体の
完成品状態におけるI−I断面図である。
【図4】本発明の一実施例を示す図で、耐熱絶縁性ケー
スの筒状孔内に吸上芯を設置した状態を示す上面図であ
る。
【図5】本発明の他の実施例(応用例)を説明するため
の図で、吸上芯とPTC発熱体との間の温度勾配を示す
図である。
【図6】本発明の他の実施例(応用例)を説明するため
の図で、吸上芯とPTC発熱体との間の周隙に生じる自
己対流の状態を示す図である。
【図7】本発明の他の実施例(応用例)を説明するため
の図で、吸上芯と耐熱絶縁性ケースの筒状孔内壁面間の
距離と、PTC発熱素子のキュリー温度の関係を示す図
である。
【図8】比較例(従来例)を示す図で、金属放熱体の貫
通孔内に吸上芯を設置した状態を示す上面図である。
【符号の説明】
1…耐熱絶縁性ケース 1a…外郭 1b…筒状孔 1c…貫通孔 2…金属成形体 2a…放熱部 2b…電極部 2c…電極端子部 2d…切欠部 3…PTC発熱素子 4…電極板 4a…電極部 4b…電極端子部 5…蓋部材 5a…穴部 6…吸上芯

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面が開口した有底状の耐熱絶縁性ケー
    ス1の略中央部に設けられた略半楕円形の筒状孔1bの
    周囲に、バネ弾性を有し放熱部2aと電極部2bと電極
    端子部2cとを備えた金属成形体2を嵌合し、前記金属
    成形体2の電極部2bに正特性サーミスタ発熱素子3の
    一面を接触配置するとともに、正特性サーミスタ発熱素
    子3の他面にバネ弾性を有し電極部4aと電極端子部4
    bとを備えた電極板4を押圧接触させ、前記耐熱絶縁性
    ケース1の上面開口部を耐熱絶縁性ケース1の筒状孔1
    bと略等しい大きさの穴部5aが設けられた耐熱絶縁性
    の蓋部材5で覆ったことを特徴とする加熱蒸散装置用正
    特性サーミスタ発熱体。
  2. 【請求項2】 前記金属成形体2の放熱部2aの一部に
    切欠部2dを設けたことを特徴とする請求項1記載の加
    熱蒸散装置用正特性サーミスタ発熱体。
JP25925095A 1995-09-11 1995-09-11 加熱蒸散装置用正特性サーミスタ発熱体 Pending JPH0974970A (ja)

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