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JPH0963110A - 光学ピックアップ - Google Patents

光学ピックアップ

Info

Publication number
JPH0963110A
JPH0963110A JP7236212A JP23621295A JPH0963110A JP H0963110 A JPH0963110 A JP H0963110A JP 7236212 A JP7236212 A JP 7236212A JP 23621295 A JP23621295 A JP 23621295A JP H0963110 A JPH0963110 A JP H0963110A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
photodetector
hologram element
optical pickup
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7236212A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Iwasaki
正則 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP7236212A priority Critical patent/JPH0963110A/ja
Publication of JPH0963110A publication Critical patent/JPH0963110A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型に構成でき、しかも製造の簡略化,信頼
性の向上、さらに光検出器への戻り光の入射光量が増大
により、光検出器の検出出力の増大、発光部の低パワー
化、そして消費電力の低減化を図るようにした光学ピッ
クアップを提供すること。 【解決手段】 発光部21と、この発光部から出射され
た光ビームを光磁気記録媒体の信号記録面上に集光させ
る対物レンズ14と、前記発光部と対物レンズとの間に
配設され、前記入射光を0次光及びプラスマイナス1次
光に分離する偏光性ホログラム素子12と、この偏光性
ホログラム素子により分離された0次光の位相をずらす
直線位相子13と、前記偏光性ホログラム素子により分
離された戻り光ビームの0次光及びプラスマイナス1次
光を共焦点近傍で受光する第一及び第二の光検出器2
3,24と、を含むように、光学ピックアップ10を構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学ピックアップ
に関し、特に光磁気ディスク(MO)等の光磁気ディス
ク状記録媒体に記憶情報を記録及び/または再生を行な
うための光学ピックアップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような光磁気ディスクの記録
/再生を行なうための光学ピックアップは、図13に示
すように構成されている。図において、光学ピックアッ
プ1は、半導体レーザ素子2,回折格子3,ビームスプ
リッタ4,コリメータレンズ5,対物レンズ6,ウォラ
ストンプリズム7,マルチレンズ8及び光検出器9を備
えており、これらの各光学部品が個別にマウントされて
いる。
【0003】このような構成の光学ピックアップ1によ
れば、半導体レーザ素子2から出射された光ビームは、
回折格子3を透過して、ビームスプリッタ4に入射し、
ビームスプリッタ4で半導体レーザ素子2から出射され
た光ビームと光磁気ディスクMOからの戻り光ビームと
が分離される。ここで、ビームスプリッタ4は、一般
に、一対の光学プリズムとこれら一対の光学プリズムの
間に蒸着,スパッタリング等により形成された多層誘電
体層から成る反射面4aから構成されている。
【0004】上記ビームスプリッタ4により分離され透
過した半導体レーザ素子2からの例えばP偏光成分の光
ビームは、コリメータレンズ5に入射し、コリメータレ
ンズ5によって平行光に変換された後、対物レンズ6に
入射する。対物レンズ6は、入射光を光磁気ディスクM
Oの信号記録面のある一点に収束して照射すると共に、
図示しない駆動手段によって、フォーカス方向及びトラ
ッキング方向に駆動されるようになっている。
【0005】光磁気ディスクMOの信号記録面で反射さ
れると共にカー効果によって偏光面が回転されてS偏光
成分のMO信号(光磁気信号)を含む戻り光ビームは、
再び対物レンズ6及びコリメータレンズ5を介して、ビ
ームスプリッタ4に入射する。ここで、戻り光ビーム
は、ビームスプリッタ4の反射面4aにより、S偏光成
分が反射される。
【0006】ビームスプリッタ4の反射面4aにより反
射されたS偏光成分は、ウォラストンプリズム7によ
り、複数本(例えば3本)の光ビームに分離され、各光
ビームがそれぞれマルチレンズ7に入射する。マルチレ
ンズ8に入射した各光ビームは、フォーカスエラー検出
のために、非点収差が付与されると共に、光検出器9ま
での戻り光ビームの光路長を短縮するようになってい
る。光検出器9は、マルチレンズ8を介して入射される
各光ビームを受光するために、その受光面が、複数個の
受光部に分割されている。これにより、光検出器9の各
受光部からの検出信号に基づいて、差動法等によって、
MO信号と、フォーカスエラー信号,トラッキングエラ
ー信号等のエラー信号が検出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成された光学ピックアップ1においては、光磁気
ディスクMOからの戻り光ビームを、ビームスプリッタ
4により分離して、ウォラストンプリズム7により分割
することにより、各分割ビームを検出することにより、
MO信号が得られるようになっている。従って、ウォラ
ストンプリズム7は、比較的高価であるために、光学ピ
ックアップ1全体のコストが高くなってしまうと共に、
ウォラストンプリズム7は、MO信号(光磁気信号)の
分離角が制限されることから、比較的大型になってしま
うという問題があった。さらに、ウォラストンプリズム
7による光ビームの分割は、非点収差及びコマ収差が不
可避であることから、分割されたサイドビームの歪みが
比較的大きくなってしまうと共に、分割されたビーム同
士が重なってしまうことがあるという問題があった。
【0008】また、回折格子3,ビームスプリッタ4,
ウォラストンプリズム7,マルチレンズ8等の多数の光
学部品が個別に組み立てられることから、装置全体の構
成が複雑になるので、装置が大型化し、コストが高くな
ってしまうと共に、光学的な配置設定が煩雑で、量産性
の点で問題があった。
【0009】さらには、上述した従来の光学ピックアッ
プ1においては、光磁気ディスクMOからの戻り光ビー
ムが、ビームスプリッタ4により光源である半導体レー
ザ素子2に向かう光路から分離されるので、ビームスプ
リッタ4の反射率に基づいて、光量低下が発生し、光検
出器9への入射光量が低下するという問題があった。
【0010】また、光学ピックアップを構成する光学素
子を基板上にマウントして取付けて、一体型の受発光素
子を構成することも考えられる。しかし、発光部,受光
部を別基板上に設けると、受光効率が低下し、また、各
光学素子を取り付けるにあたっての位置決めも煩雑で、
厳格なアラインメント精度が必要となり、製造コストが
高くなってしまう。
【0011】本発明は、以上の点に鑑み、小型に構成で
き、しかも製造の簡略化,信頼性の向上、さらに光検出
器への戻り光の入射光量が増大により、光検出器の検出
出力の増大、発光部の低パワー化、そして消費電力の低
減化を図るようにした光学ピックアップを提供すること
を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、光ビームを出射する発光部と、この発光部から出
射された光ビームを光磁気記録媒体の信号記録面上に集
光するように照射する対物レンズと、前記発光部と対物
レンズとの間に配設され、前記発光部からの光ビームを
0次光とプラスマイナス1次光とに分離すると共に、光
磁気記録媒体からの戻り光ビームを常光と異常光とし
て、それぞれ0次光とプラスマイナス1次光とに分離す
る偏光性ホログラム素子と、この偏光性ホログラム素子
により分離された0次光の位相をずらす直線位相子と、
前記偏光性ホログラム素子により分離された戻り光ビー
ムの0次光を共焦点近傍で受光する第一の光検出器と、
前記偏光性ホログラム素子により分離された戻り光ビー
ムのプラスマイナス1次光を共焦点近傍で受光する第二
の光検出器とを備えている、光学ピックアップにより、
達成される。
【0013】上記構成によれば、発光部から出射された
光ビームは、偏光性ホログラム素子によって3つの光ビ
ーム即ち0次光とプラスマイナス1次光に分離され、そ
れぞれ直線位相子により直線偏光に変換された後、対物
レンズを介して光磁気記録媒体の信号記録面に照射され
る。光磁気記録媒体の信号記録面により反射されると共
にカー効果によって偏光面が回転された光磁気信号を含
む戻り光ビームは、再び対物レンズを介して偏光性ホロ
グラム素子に入射する。そして、戻り光ビームは、偏光
性ホログラム素子によって、3つの光ビーム即ち0次光
とプラスマイナス1次光とに分離される。従って、0次
光ビームが、第一の光検出器に入射すると共に、プラス
マイナス1次光ビームが、第二の光検出器に入射するこ
とになる。かくして、第一の光検出器の0次光が入射す
る分割受光面の各出力信号に基づいて、フォーカシング
エラー信号及びトラッキングエラー信号が検出されると
共に、第一の光検出器及び第二の光検出器の検出信号に
基づいて、光磁気信号あるいは再生信号が検出されるこ
とになる。
【0014】上記発光部及び第一及び第二の光検出器
が、一つの基板上に一体に形成されていると共に、上記
発光部が、水平共振器を有する半導体レーザと反射鏡と
を有しており、上記光検出器が、フォトダイオードから
構成されていて、上記フォトダイオードの受光面の少な
くとも一部が戻り光の回折限界内に配設されている場合
には、発光部及び第一及び第二の光検出器が、共通の基
板上に一体化した構造となり、組立の際の発光部及び光
検出器の相互の位置決めすることなく、製造時のマスク
の精度による位置決め精度が得られることになり、光学
ピックアップの組立が容易に行われるので、組立コスト
が低減されると共に、発光部に向かって進む戻り光が直
接に第一の光検出器に入射することになり、且つ第一の
光検出器が共焦点近傍に配設されていることにより、受
光効率が高められることになる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を図1乃至図12を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例で
あるから、技術的に好ましい種々の限定が付されている
が、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を
限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られる
ものではない。
【0016】図1は、本発明による光学ピックアップの
一実施形態を示しており、この場合、光学ピックアップ
10は、往復同一光路型の光学ピックアップである。図
1において、光学ピックアップ10は、受発光素子1
1,偏光性ホログラム素子12,直線位相子13及び対
物レンズ14を含んでいる。
【0017】上記受発光素子11は、図示のように、一
つの半導体基板20上に一体に構成されている。即ち、
受発光素子11は、発光部が、半導体基板20上に形成
された半導体レーザ素子21と、半導体基板20の表面
から斜めに傾斜するように形成された反射鏡22とから
構成され、また光検出器が、半導体基板20上に形成さ
れたフォトダイオードから成る第一の光検出器23及び
第二の光検出器24とから構成されている。半導体レー
ザ素子21は、半導体の再結合発光を利用した発光素子
であり、図示の場合には、水平共振器を有する構成であ
って、発光部として使用される。半導体レーザ素子21
から水平方向に出射した光ビームは、反射鏡22に導か
れる。
【0018】反射鏡22は、例えば45度の傾斜角を有
するように、半導体基板20に設けられた斜面に対し
て、例えば金属膜や誘電体多層膜等から成る反射膜を形
成することにより、構成されている。これにより、反射
鏡22は、半導体レーザ素子21からの光ビームの例え
ばS偏光成分を、図面にて上方に反射するようになって
いる。上方に反射されたレーザ光は、上述のように、偏
光性ホログラム素子12,直線位相子13及び対物レン
ズ14を介して、光磁気ディスクMOの信号記録面に収
束され、光磁気ディスクMOの信号記録面に照射された
レーザ光は、光磁気ディスクMO上で反射される際に、
カー効果を受けて、偏光面が回転されたP成分(光磁気
信号を含む成分)となる。このP成分を含む光磁気ディ
スクMOからの戻り光は、再び、対物レンズ14,直線
位相子13,偏光性ホログラム素子12を介して、受発
光素子11の第一の光検出器23及び第二の光検出器2
4に入射するようになっている。
【0019】上記偏光性ホログラム素子12は、常光を
透過させ且つ異常光を回折するように構成されている。
これにより、偏光性ホログラム素子12は、光磁気ディ
スクMOの記録面からの戻り光を0次光及びプラスマイ
ナス1次回折光に分離するようになっている。
【0020】偏光性ホログラム素子12は、例えば図2
に示すように、複屈折回折格子型素子として構成されて
おり、ニオブ酸リチウムから成る基板12aと、この基
板12aの入射側に、例えば安息香酸によるプロトン交
換法により形成された格子12bとから構成されてい
る。これにより、この格子12bの領域にて、常光に対
する屈折率は、0.13程度増大し、また異常光に対す
る屈折率は、0.04程度減少する。
【0021】さらに、偏光性ホログラム素子12は、上
記プロトン交換による格子12bの上に、透過する常光
線が受ける位相差をキャンセルするように選定された厚
さの誘電体から成る位相補償膜12cが設けられてい
る。これにより、見かけ上、異常光線に対してのみプロ
トン交換による屈折率変化が生ずるように、観察される
ことになる。
【0022】ここで、偏光性ホログラム素子は、図3に
示すようにして、製造される。即ち、図5において、偏
光性ホログラム素子30は、先づニオブ酸リチウム等の
一軸性結晶から成る基板30aに対して、その両面にア
ルミニウム薄膜30bがコーティングされる。その後、
この基板30aの一面に、アルミニウム薄膜30bの上
から、レジスト膜30cがコーティングされる。このレ
ジスト膜30cに対して、格子状のパターンマスクが載
置され露光されることにより、レジスト膜30cのパタ
ーニングが行なわれる。続いて、エッチング等により、
アルミニウム薄膜30bのパターニングが行なわれた
後、レジスト膜30cが除去される。
【0023】そして、アルミニウム薄膜30bが除去さ
れた格子状の部分に関して、例えば安息香酸によるプロ
トン交換が行なわれて、プロトン交換層30dが形成さ
れる。続いて、表面全体に亘って、ニオブ酸Nb2 5
等の誘電体から成る位相補償膜30eのコーティングが
行なわれた後、リフトオフにより、アルミニウム薄膜3
0bが除去される。最後に、表面全体に亘って、SiO
2 層30fがスパッタリングにより形成される。これに
より、基板30aの一面(上面)に、偏光性ホログラム
素子30が形成されることになる。尚、上記の製造工程
及び構成材料は、例示したものであり、他の工程や材料
が使用されることは明らかである。
【0024】かくして、偏光性ホログラム素子12は、
図2に示すように、入射光を、光学軸Xの方向に関し
て、垂直な方向の常光と平行な方向の異常光に分割する
ことになる。即ち、入射する戻り光ビームは、図示のよ
うに、常光が0次光として透過すると共に、異常光がプ
ラスマイナス1次光として、回折されることになる。こ
れに対して、前述した第一の光検出器23及び第二の光
検出器24は、それぞれ偏光性ホログラム素子12によ
り分割された0次光とプラスマイナス1次光が入射し得
るように、共焦点近傍に配設されている。尚、第二の光
検出器24は、マイナス1次光に対しては焦点位置の前
側に、またプラス1次光に対しては焦点位置の後側に配
設されている。
【0025】さらに、偏光性ホログラム素子12は、そ
の光学軸が、入射光の偏光方向に対して45度傾斜する
ように配設されている。
【0026】上記直線位相子13は、楕円偏光を直線偏
光に変換するものであり、例えば1/4波長板や1/8
波長板が使用される。尚、1/4波長板または1/8波
長板の選択は、使用される偏光性ホログラム素子12の
特性に基づいて決定される。
【0027】対物レンズ14は、凸レンズであって、偏
光性ホログラム素子12から直線位相子13を透過した
光ビームを、回転駆動される光磁気ディスクMOの記録
面の所望のトラック上に収束させる。
【0028】前記第一の光検出器23と第二の光検出器
24は、図4に示すように、それぞれ分割されて形成さ
れている。すなわち、第一の光検出器23は、4つのセ
ンサ部a,b,c,dに分割されており、第二の光検出
器24は、それぞれ3つのセンサ部e,f,gとh,
i,jに分割されている。
【0029】そして、第一及び第二の光検出器23,2
4の各センサ部a乃至jの検出信号は、図示しない処理
回路において、それぞれヘッドアンプにより増幅された
後、出力信号Sa,Sb,Sc,Sd,Se,Sf,S
g,Sh,Si,Sjとなり、さらに演算回路によっ
て、それぞれ光磁気(MO)信号そしてフォーカスエラ
ー信号及びトラッキングエラー信号が演算されるように
なっている。尚、第一の光検出器23は、その受光面の
少なくとも一部が、半導体レーザ素子21から光ビーム
の波長をλ,対物レンズ14の開口数をNAとすると
き、この受光面の配置基準面を横切る光ビームの光軸か
らの距離が、例えば1.22λ/NA以内の位置に設け
られている。
【0030】本実施形態による光学ピックアップ10は
以上のように構成されており、半導体レーザ素子21か
ら出射されたP偏光の光ビームは、半導体基板20上の
反射鏡22により反射され、偏光性ホログラム素子12
に入射する。ここで、偏光性ホログラム素子12は、入
射光のうち、常光は透過させ、異常光のみを回折させ
る。即ち、入射する光ビームの常光成分をIo:(1マ
イナスX),異常光成分Ie:Xとし、また異常光線に
対する回折効率を(1マイナスη)とすると、図5に示
すように、半導体レーザ素子21からの光ビームは、偏
光性ホログラム素子12を通過後に、その0次光は、常
光成分Io0:(1マイナスX),異常光成分Ie0:
X×ηとなり、プラスマイナス1次光は、常光成分Io
1:0,異常光成分Ie1:X×(1マイナスη)/2
となる。
【0031】この場合、偏光性ホログラム素子12は、
矩形断面構造を有する薄い位相格子を有していることか
ら、その0次回折効率ηは、一般に
【数1】 で表わされ、γは格子を形成する二つの領域を透過する
光の位相差である。従って、偏光性ホログラム素子12
を透過した0次光の常光成分Io0と異常光成分Ie0
の間には、γなる位相差が生ずることになる。かくし
て、偏光性ホログラム素子12を透過した0次光の偏光
状態は、図6に示すように、入射偏光方向に対して45
度傾いた方位角の楕円偏光となる。ここで、偏光性ホロ
グラム素子12は、その光学軸が、入射偏光に対してマ
イナス45度傾いているので、位相差γは、
【数2】 となっている。
【0032】そして、偏光性ホログラム素子12を出射
した楕円偏光である0次光ビームは、直線位相子13に
入射する。直線位相子13を透過した0次光ビームは、
図7に示すように、入射偏光に対してδの方位角を有す
る直線偏光になる。ここでは、直線位相子13は、進相
角が入射偏光に対して45度となる1/4波長板が使用
されている。
【0033】ここで、上記偏光性ホログラム素子12と
直線位相子13による偏光の状態を数式で表現する。入
射偏光方向を基準として、偏光性ホログラム素子12の
光学軸の方位角θH,直線位相子13の方位角θQ,偏
光性ホログラム素子12により生ずる位相差ψ,直線位
相子13により生ずる位相差δとし、前記条件により、
偏光性ホログラム素子12における異常光線の50%が
透過し、50%が回折する場合、θH=マイナス45
度,θQ=45度,ψ=π/4,δ=π/2であるか
ら、偏光性ホログラム素子12の透過後は、
【数3】 となり、直線位相子13の透過後は、
【数4】 となる。このようにして直線位相子13により図9にて
符号Aで示す直線偏光に変換された0次光は、対物レン
ズ14を介して、光磁気ディスクMOの信号記録面に収
束される。
【0034】光磁気ディスクMOの信号記録面で反射さ
れると共にカー効果によって偏光面が回転されてS偏光
成分のMO信号(光磁気信号)を含む戻り光ビームは、
再び対物レンズ14を透過し、直線位相子13により楕
円偏光となって、再び偏光性ホログラム素子12に入射
する。この場合、偏光性ホログラム素子12に入射する
戻り光ビームは、偏光性ホログラム素子12により、常
光の0次光が透過すると共に、異常光のプラスマイナス
1次回折光が、それぞれ回折されることになる。
【0035】即ち、入射する光ビームの常光成分をIo
0:(1マイナスX),異常光成分Ie0:X×ηとす
ると、図10に示すように、光磁気ディスクMOからの
戻り光は、偏光性ホログラム素子12を通過後に、その
0次光は、常光成分Io00:(1マイナスX),異常
光成分Ie00:X×η2 となり、プラスマイナス1次
光は、常光成分Io01:0,異常光成分Ie01:X
×(1マイナスη)・η/2となる。
【0036】ところで、偏光性ホログラム素子12への
入射光が、Io:0.5,Ie:0.5であるようにし
た場合、0次光の常光成分Io00:0.5,異常光成
分Ie00:0.5×η2 となり、プラスマイナス1次
光の常光成分Io01:0,異常光成分Ie01:0.
25×(1マイナスη)・ηとなり、Ie01の最大値
を与えるのは、η=50%のときである。
【0037】また、0次光は、反射鏡22が存在するこ
とから、第一の光検出器23での全入射光に対する検出
可能光量が30%であるとすると、第一の光検出器23
における光量の総和と第二の光検出器24における光量
の総和の間には、第二の光検出器25における電気的増
幅率をAとすると、
【数5】 から、A=1.5が決まる。かくして、以上の条件の場
合には、光磁気信号MOは、図4にて、
【数6】 により検出される。
【0038】また、トラッキングエラー信号TRK(ま
たはウォブル信号)は、
【数7】 により検出される。さらに、フォーカスエラー信号FC
Sは、偏光性ホログラム素子12がレンズ効果を有して
いることから、プラス1次光は光検出器の前側に、また
マイナス1次光は光検出器の後側に焦点を結ぶようにな
っていることから、
【数8】 により検出される。
【0039】ここで、図1の実施形態においては、上記
発光部である半導体レーザ素子21及び反射鏡22と、
第一及び第二の光検出器23,24が、一つの半導体基
板20上に一体に形成されているので、相互の位置決め
が不要となり、半導体基板20の製造時のマスクの精度
による位置決め精度が得られることになり、光学ピック
アップ10の組立が容易に行われる。また、第一及び第
二の光検出器23,24が、偏光性ホログラム素子12
による戻り光の回折限界内に亘って配設されていること
により、発光部に向かって進む戻り光Lrが直接に第一
の光検出器23に入射することになると共に、第一の光
検出器23が共焦点近傍に配設されていることにより、
受光効率が高められることになる。
【0040】図11は、本発明による光学ピックアップ
の第二の実施形態である。図11において、光学ピック
アップ40は、図1の光学ピックアップ10に比較し
て、直線位相子13の上に、旋光子41が配設されてい
る点を除いて、他の構成即ち受発光素子11,偏光性ホ
ログラム素子12,直線位相子13,対物レンズ14に
ついては同じ構成である。上記旋光子41は、入射偏光
の偏光の方位角を傾けるものであり、例えば1/2波長
板が使用される。
【0041】このような構成の光学ピックアップ40に
よれば、受発光素子11からの光ビームは、偏光性ホロ
グラム素子12,直線位相子13,旋光子41を介して
対物レンズ14に入射し、光磁気ディスクMOの信号記
録面に収束される。そして、光磁気ディスクMOからの
戻り光は、対物レンズ14,旋光子41,直線位相子1
3を介して偏光性ホログラム素子12に入射し、その0
次光が、受発光素子11の第一の光検出器23に入射す
ると共に、そのプラスマイナス1次光が、第二の光検出
器24に入射する。これにより、各光検出器23,24
からの検出信号に基づいて、前述したように、光磁気信
号MO,フォーカスエラー信号FCS及びトラッキング
エラー信号TRKがそれぞれ検出されることになる。
【0042】この場合、旋光子41が配設されているこ
とにより、偏光性ホログラム素子12を透過した受発光
素子11からの光ビームの0次光は、直線位相子13に
より、δの方位角を有する直線偏光にされ、さらに旋光
子41によって、図8に示すように、偏光の方位角がマ
イナスδだけ回転されるので、旋光子41からの出射光
は、図9にて符号Bで示すように、入射偏光と同じ偏光
方向を有する直線偏光となる。このときの偏光状態を、
前述したと同様に数式で表現すると、
【数9】 となる。そして、光磁気ディスクMOからの戻り光は、
旋光子41により方位角δだけ回転された後、直線位相
子13により楕円偏光となり、再び偏光性ホログラム素
子12に入射することになる。
【0043】図12は、図11に示した光学ピックアッ
プ40の変形例を示している。図12において、光学ピ
ックアップ50は、図11の光学ピックアップ10に比
較して、受発光素子11と偏光ホログラム素子12との
間にコリメータレンズ51が配設されている点を除い
て、他の構成即ち、受発光素子11,偏光性ホログラム
素子12,直線位相子13,旋光子41,対物レンズ1
4については同じ構成である。
【0044】この場合、第一の光検出器23は、その受
光面の少なくとも一部が、半導体レーザ素子21から光
ビームの波長をλ,コリメータレンズ51の開口数をN
Aとするとき、この受光面の配置基準面を横切る光ビー
ムの光軸からの距離が、例えば1.22λ/NA以内の
位置に設けられている。これにより、偏光ホログラム素
子12を透過した戻り光は、コリメータレンズ51によ
って収束されることになるため、偏光性ホログラム素子
12が、レンズ効果を有していなくてもよい。
【0045】このような構成の光学ピックアップ50に
よれば、受発光素子11からの光ビームは、コリメータ
レンズ51により平行光に変換された後、偏光性ホログ
ラム素子12,直線位相子13を介して対物レンズ14
に入射し、光磁気ディスクMOの信号記録面に収束され
る。そして、光磁気ディスクMOからの戻り光は、対物
レンズ14,直線位相子13を介して偏光性ホログラム
素子12に入射し、その0次光が、コリメータレンズ5
1により収束されて、受発光素子11の第一の光検出器
24に入射すると共に、そのプラスマイナス1次光が、
同様にコリメータレンズ51により収束されて、第三の
光検出器15に入射する。
【0046】これにより、各光検出器23,24からの
検出信号に基づいて、前述したように、光磁気信号M
O,フォーカスエラー信号FCS及びトラッキングエラ
ー信号TRKがそれぞれ検出されることになる。この場
合、コリメータレンズ51が設けられていることから、
偏光性ホログラム素子12がレンズ効果を有していなく
てもよいので、偏光性ホログラム素子12が容易に作製
されることになり、部品コストが低減されることにな
る。
【0047】上述した実施形態においては、偏光性ホロ
グラム素子12は、複屈折回折格子型素子として構成さ
れているが、これに限らず、他の構成の偏光性ホログラ
ムとして構成されていてもよいことは明らかである。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、小
型に構成でき、しかも製造の簡略化,信頼性の向上、さ
らに光検出器への戻り光の入射光量が増大により、光検
出器の検出出力の増大、発光部の低パワー化、そして消
費電力の低減化を図るようにした光学ピックアップを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光学ピックアップの一実施形態の
全体構成を示す概略図である。
【図2】図1の光学ピックアップにおける偏光性ホログ
ラム素子の構成例と入射光線の偏光方向を示す概略斜視
図である。
【図3】図1の光学ピックアップにおける偏光性ホログ
ラム素子の製造工程の一例を順次に示す工程図である。
【図4】図1の光学ピックアップにおける各光検出器の
構成を示す拡大平面図である。
【図5】図4の偏光性ホログラム素子の往路の回折状態
を示す断面図である。
【図6】偏光性ホログラム素子による光ビーム(往路)
の偏光状態の変化を示す図である。
【図7】直線位相子による偏光状態の変化を示す図であ
る。
【図8】旋光子による偏光状態の変化を示す図である。
【図9】偏光性ホログラム素子,直線位相子及び旋光子
による偏光状態の変化を示す図である。
【図10】偏光性ホログラム素子による戻り光ビーム
(復路)の偏光状態の変化を示す図である。
【図11】本発明による光学ピックアップの第二の実施
形態の全体構成を示す概略図である。
【図12】本発明による光学ピックアップの第三の実施
形態の全体構成を示す概略図である。
【図13】従来の光学ピックアップの一例の構成を示す
概略図である。
【符号の説明】
10 光学ピックアップ 11 受発光素子 12,30 偏光性ホログラム素子 13 直線位相子 14 対物レンズ 20 半導体基板 21 半導体レーザ素子 22 反射鏡 23 第一の光検出器 24 第二の光検出器 40 光学ピックアップ 41 旋光子 50 光学ピックアップ 51 コリメータレンズ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームを出射する発光部と、 この発光部から出射された光ビームを光磁気記録媒体の
    信号記録面上に集光するように照射する対物レンズと、 前記発光部と対物レンズとの間に配設され、前記発光部
    からの光ビームを0次光とプラスマイナス1次光とに分
    離すると共に、光磁気記録媒体からの戻り光ビームを常
    光と異常光として、それぞれ0次光とプラスマイナス1
    次光とに分離する偏光性ホログラム素子と、 この偏光性ホログラム素子により分離された0次光の位
    相をずらす直線位相子と、 前記偏光性ホログラム素子により分離された戻り光ビー
    ムの0次光を共焦点近傍で受光する第一の光検出器と、 前記偏光性ホログラム素子により分離された戻り光ビー
    ムのプラスマイナス1次光を共焦点近傍で受光する第二
    の光検出器とを備えている、光学ピックアップ。
  2. 【請求項2】 前記直線位相子は、偏光性ホログラム素
    子と対物レンズとの間に配設されていることを特徴とす
    る請求項1に記載の光学ピックアップ。
  3. 【請求項3】 前記偏光性ホログラム素子と対物レンズ
    との間に、偏光の方位角を任意の方向に傾斜させる旋光
    子が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の
    光学ピックアップ。
  4. 【請求項4】 前記偏光性ホログラム素子は、その回折
    効率が、第二の光検出器においてプラスマイナス1次回
    折光量が最大となるように設定されていることを特徴と
    する請求項1に記載の光学ピックアップ。
  5. 【請求項5】 前記偏光性ホログラム素子による戻り光
    のプラスマイナス1次回折光が、任意の焦点距離を有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアッ
    プ。
  6. 【請求項6】 前記直線位相子が、発光部から偏光性ホ
    ログラム素子を透過した光ビームの0次光を直線偏光に
    することを特徴とする請求項1に記載の光学ピックアッ
    プ。
  7. 【請求項7】 前記旋光子が、直線位相子を透過した発
    光部からの光ビームの直線偏光の方位角を任意の方向に
    傾けることを特徴とする請求項3に記載の光学ピックア
    ップ。
  8. 【請求項8】 前記発光部及び第一及び第二の光検出器
    が、一つの基板上に一体に形成されていると共に、 前記発光部が、水平共振器を有する半導体レーザと反射
    鏡とを有しており、 前記光検出器が、フォトダイオードから構成されてい
    て、 前記フォトダイオードの受光面の少なくとも一部が戻り
    光の回折限界内に配設されていることを特徴とする請求
    項1に記載の光学ピックアップ。
  9. 【請求項9】 前記第一の光検出器と第二の光検出器と
    が、それぞれ少なくとも三分割されていることを特徴と
    する請求項1に記載の光学ピックアップ。
  10. 【請求項10】 前記第一の光検出器の出力信号の総和
    と、第二の光検出器の出力信号の総和から、光磁気信号
    が検出されることを特徴とする請求項9に記載の光学ピ
    ックアップ。
  11. 【請求項11】 前記第一の光検出器または第一の光検
    出器及び第二の光検出器の出力信号に基づいて、トラッ
    キングエラー信号が検出されると共に、前記第二の光検
    出器の受光光量の差に基づいて、フォーカスエラー信号
    が検出されることを特徴とする請求項9に記載の光学ピ
    ックアップ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2023084589A1 (ja) * 2021-11-09 2023-05-19

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