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JPH0959026A - ニッケル酸リチウムの製造方法 - Google Patents

ニッケル酸リチウムの製造方法

Info

Publication number
JPH0959026A
JPH0959026A JP7211461A JP21146195A JPH0959026A JP H0959026 A JPH0959026 A JP H0959026A JP 7211461 A JP7211461 A JP 7211461A JP 21146195 A JP21146195 A JP 21146195A JP H0959026 A JPH0959026 A JP H0959026A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxygen
lithium
carbonate
temperature
nickel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7211461A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Watanabe
政喜 渡辺
Tsutomu Toida
努 戸井田
Makoto Maeda
誠 前田
Susumu Yokono
進 横野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Original Assignee
Nikki Kagaku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikki Kagaku KK filed Critical Nikki Kagaku KK
Priority to JP7211461A priority Critical patent/JPH0959026A/ja
Publication of JPH0959026A publication Critical patent/JPH0959026A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リチウムイオン電池の正極剤として実用性が
あるニッケル酸リチウムを一回の焼成で製造できる方法
を提供する。 【構成】 塩基性炭酸ニッケルの粉末と水溶性リチウム
化合物の粉末を、NiとLiが実質的に1:1モルにな
る比率で緊密に混合し、不活性ガス又は酸素含有ガスの
存在下で250〜550℃の範囲の温度で予備焼成して
炭酸ガスの発生を実質的に終了させたのち、引き続き酸
素ガス又は酸素富化空気の存在下で700〜900℃の
範囲の温度で最終焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニッケル酸リチウムの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リチウムイオン電池は、ニッカド電池や
ニッケル水素に比べて体積エネルギー密度、質量エネル
ギー密度が高いので、携帯電話、カメラ一体型VTR、
ノート型パソコンなどの携帯機器の電源としての発展が
期待されている。リチウムイオン電池の正極剤としては
コバルト酸リチウム(LiCoO2 )が広く使用されて
いるが、高価であるので、これに代わる安価な正極剤が
望まれており、ニッケル酸リチウム(LiNiO2 )が
最有力候補として挙げられている。酸化ニッケル又は水
酸化ニッケルと炭酸リチウム又は水酸化リチウムとを乾
式混合/擂潰し、粉末のまま焼成、又は成型後焼成して
ニッケル酸リチウムを得ている報告はあるが、一回では
ニッケル酸リチウム結晶が十分に成長しないので、粉砕
/混合/焼成を数回繰り返す必要がある。第33回電池
討論会(1992年9月16日〜18日:東京)におい
て同和鉱業株式会社は、コバルト酸リチウムの製法とし
て塩基性炭酸コバルトと炭酸リチウムとからの製法を開
示し、その特性について発表しているが、有機物存在下
で湿式混合してから乾燥、600℃での一次焼成、粉砕
後二次焼成(750〜900℃)をしており、塩基性炭
酸コバルトを塩基性炭酸ニッケルと読み替えても、有機
物の存在下で混合し、焼成を2回も繰り返して行うので
は安価な製造法にはならない。
【0003】ニッケル酸リチウムの結晶成長度を示す目
安としてはX線回折測定による方法が知られている。試
料のX線回折測定を行ない、特定波長におけるピーク強
度と他の特定波長におけるピーク強度を比較する方法で
ある。例えば銅ターゲットのKα線を用い、2θで1
8.7°(003)と44.3°(104)のピーク度
比(003)/(104)で示す方法である。この強度
比が大きいほどニッケル酸リチウムの結晶成長が進んで
いることを示す。リチウムイオン電池の正極剤として実
用性があるニッケル酸リチウムは、上記強度比が1以上
である必要があると言われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、リチウムイ
オン電池の正極剤として実用性があるニッケル酸リチウ
ムを一回の焼成で製造できる方法を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に関わるニッケル
酸リチウムの製造方法は、塩基性炭酸ニッケルの粉末と
水溶性リチウム化合物の粉末をNiとLiが実質的に
1:1モルになる比率で緊密に混合し、不活性ガス又は
酸素含有ガスの存在下で250〜550℃の範囲の温度
で予備焼成して炭酸ガスの発生を実質的に終了させたの
ち、引き続き酸素ガス又は酸素富化空気の存在下で70
0〜900℃の範囲の温度で最終焼成することを特徴と
する。
【0006】本発明の骨子は、ニッケル源として塩基性
炭酸ニッケルを使用すること、焼成を温度領域の異なる
2段階で引き続き行うこと、及び最終焼成を酸素ガス又
は酸素富化空気の存在下で行うことである。塩基性炭酸
ニッケルは多孔性物質であるが、約200℃で分解を開
始し、300℃を越えると分解が活発になり、450℃
では分解が完了する。分解したNiOの融点は1950
℃である。 Ni3 (OH)4 CO3 →3NiO+2H2 O+CO2 (1) 一方、炭酸リチウムは600℃でも安定で、更に高温に
すると分解しつつ融解(融点618℃)する。分解した
酸化リチウムの融点は1700℃以上である。 Li2 CO3 → Li2 O+CO2 (2) 従って、塩基性炭酸ニッケルの粉末と水溶性リチウム化
合物の粉末の混合物を先ず250〜550℃、好ましく
は300〜500℃に加熱すると、塩基性炭酸ニッケル
の分解のみが進行し、結晶構造中の炭酸ガスが離脱す
る。炭酸ガスの発生を実質的に終了させた後、即ち塩基
性炭酸ニッケルがすべて微細な孔を多数有する酸化ニッ
ケルになった後、さらに昇温すると、溶融した炭酸リチ
ウム及び分解した酸化リチウムは酸化ニッケルの微細孔
中に侵入し、極めて密接な接触状態になるものと推定さ
れる。ここで酸素ガス又は酸素富化空気の存在下で70
0〜900℃の温度で焼成すると、Niは2価から3価
になり、ニッケル酸リチウムが生成する。推定される反
応式は下記の通りである。 4Ni3 (OH)4 CO3 →12NiO+8H2 O+4CO2 (1’) 12NiO+6Li2 CO3 +3O2 →12LiNiO2 +6CO2 (3)
【0007】最終焼成温度の下限を700℃とするの
は、これ以下の温度ではニッケル酸リチウムの結晶成長
が遅く、工業的に許容し得る以上の焼成時間を必要とす
るからである。最終焼成温度の上限を900℃とするの
は、これ以上の温度ではリチウムの揮散が起こり易くな
るからである。目的物であるニッケル酸リチウムにおけ
るNiとLiの比率が1:1モルであるから、NiとL
iが実質的に1:1モルになる比率で塩基性炭酸ニッケ
ルの粉末と水溶性リチウム化合物の粉末を混合するのは
当然であるが、最終焼成段階におけるリチウムの揮散を
考慮して、リチウムのモル比を若干大目にしても良い。
250〜550℃の予備焼成期間は塩基性炭酸ニッケル
を分解して炭酸ガスを放出することが目的であるから不
活性ガス又は酸素含有ガスの流通下で良いが、700〜
900℃での焼成ではNiを2価から3価にする必要が
あるので、酸素ガス又は酸素富化空気の存在下で実施す
る必要がある。酸素富化空気は酸素含有量50%以上の
ものが好ましい。後述の比較例に見るように、空気の存
在下での焼成ではX線回折測定による前記強度比が1以
上の製品は得難い。
【0008】塩基性炭酸ニッケルは、水溶性ニッケル化
合物と炭酸アルカリ、重炭酸アルカリ、炭酸アンモニウ
ム及び重炭酸アンモニウムからなる群から選ばれる化合
物を水中で反応させて得られる沈澱物を濾過、乾燥する
ことにより得られる。また塩基性炭酸ニッケルは、水溶
性ニッケル化合物と炭酸アルカリ、重炭酸アルカリ、炭
酸アンモニウム及び重炭酸アンモニウムからなる群から
選ばれる化合物と水酸化ナトリウムとの組み合わせから
なる混合物を水中で反応させて得られる沈澱物を濾過、
乾燥することによっても得られる。水酸化ナトリウムの
比率を変えることにより、塩基性炭酸ニッケルの水酸基
と炭酸根の比率を変えることができる。水溶性ニッケル
化合物としては、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、塩化ニ
ッケルなどが挙げられる。塩基性炭酸ニッケルを沈殿さ
せるには、炭酸根が若干過剰、即ちNi1モルに対しC
3 根が約1.2モル以上の割合で上記炭酸塩又は重炭
酸塩を使用するのが良い。塩基性炭酸ニッケルは、比表
面積が大きなものほど好ましいと考えられる。
【0009】水溶性リチウム化合物としては、炭酸リチ
ウムのほか、水酸化リチウムを使用できる。
【0010】塩基性炭酸ニッケルの粉末と水溶性リチウ
ム化合物の粉末を緊密に混合した粉末は、粉末のまま2
段階の焼成(250〜550℃の温度での予備焼成及び
700〜900℃の温度での最終焼成)を行っても良い
し、混合粉末を成形物にした状態で2段階の焼成を行っ
ても良い。成形物にする場合、炭酸ガスの放散と酸素の
侵入を著しく阻害することがないように、長さ、幅、厚
さのうちの少なくとも一つは2mm以下とすることが望
ましい。
【0011】以下実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。実施例及び比較例で使用した原料は表1の通りであ
る。
【0012】
【表1】
【0013】
【塩基性炭酸ニッケル調製例1】硝酸ニッケル581.
4g(2モル)を水に溶解し、2Lの硝酸ニッケル水溶
液とした。炭酸ナトリウム254.4g(2.4モル;
Ni:CO3 モル比=1:1.2)を水に溶解し1.8
Lの炭酸ナトリウム水溶液とした。70℃の熱水1Lに
前記硝酸ニッケル水溶液と炭酸ナトリウム水溶液を80
分かけて同時に一定速度で注加し反応させた。この際温
度は70℃を維持し、良好な撹拌状態を保った。注加終
了後、更にこの状態を30分間保持し、熟成を行った。
このようにして得られた沈澱を濾過し、水洗後120℃
で16時間乾燥した。このようにして得られた塩基性炭
酸ニッケル粉末のニッケル含量は53.7%で、比表面
積はBET法によれば250m2 /gであった。
【0014】
【実施例1】調製例1で得られた塩基性炭酸ニッケル5
0.0gと炭酸リチウム17.1g(Ni:Liモル比
=1:1)を乳鉢で良く粉砕混合した。これを空気の流
通下400℃まで昇温し、炭酸ガス発生が認められなく
なる迄約2時間この温度に維持して予備焼成した。その
後酸素流通に切り替えて800℃で18時間最終焼成し
た。昇温時間及び降温時間を含めた加熱処理時間は合計
24時間であった。得られた試料のX線回折測定は銅タ
ーゲットのKα線を用い粉末測定法で行った。2θで1
8.7°(003)と44.3°(104)のピーク強
度比(003)/(104)は1.45で、リチウムイ
オン電池の正極剤として実用性があると言われる強度比
1以上であった。
【0015】
【実施例2】400℃で予備焼成後酸素流通に切り替え
て850℃で最終焼成した以外は実施例1と同様な操作
を行った。得られた試料のX線回折測定によるピーク強
度比は1.47であった。
【0016】
【比較例1】400℃で予備焼成後空気流通のまま80
0℃で最終焼成した以外は実施例1と同様な操作を行っ
た。得られた試料のX線回折測定によるピーク強度比は
0.81であった。800℃での焼成時間を延長しても
ピーク強度比の向上は認められなかった。
【0017】
【比較例2】400℃で予備焼成後空気流通のまま85
0℃で最終焼成した以外は実施例1と同様な操作を行っ
た。得られた試料のX線回折測定によるピーク強度比は
0.91であった。850℃での焼成時間を延長しても
ピーク強度比の向上は認められなかった。
【0018】実施例1、実施例2、比較例1及び比較例
2の結果をまとめて表2に示す。X線回折測定によるピ
ーク強度比1.0以上のニッケル酸リチウムを得るに
は、最終焼成は酸素ガス又は酸素富化空気の存在下で行
う必要があることがわかる。
【0019】
【表2】
【0020】
【実施例3】調製例1で得られた塩基性炭酸ニッケル5
0.0gと炭酸リチウム17.1g(Ni:Liモル比
=1:1)に更に水35.0gを加え、混合し、擂潰器
でよく練り合わせた。さらに適量の水を加えつつ練った
のち、孔径(貫通孔の相当直径)0.8mmのサイズに
押出成型し長さ2〜5mmの円柱状チップにし、120
℃で16時間乾燥後、これを空気の流通下400℃まで
昇温し、炭酸ガスの発生が認められなくなるまで約2時
間この温度に維持して予備焼成した。その後酸素流通に
切り替えて800℃で18時間最終焼成した。昇温時間
及び降温時間を含めた加熱処理時間は合計24時間であ
った。得られた試料のX線回折測定によるピーク強度比
は1.43であった。
【0021】
【実施例4】400℃で予備焼成した後、酸素流通に切
り替えて850℃で最終焼成した以外は実施例3と同様
な操作を行った。得られた試料のX線回折測定によるピ
ーク強度比は1.43であった。
【0022】
【比較例3】400℃で予備焼成した後、空気流通のま
ま800℃で最終焼成した以外は実施例3と同様な操作
を行った。得られた試料のX線回折測定によるピーク強
度比は0.85であった。800℃での焼成時間を延長
してもピーク強度比の向上は認められなかった。
【0023】
【比較例4】400℃で予備焼成した後、空気流通のま
ま850℃で最終焼成した以外は実施例3と同様な操作
を行った。得られた試料のX線回折測定によるピーク強
度比は0.91であった。850℃での焼成時間を延長
してもピーク強度比の向上は認められなかった。
【0024】実施例3、実施例4、比較例3及び比較例
4の結果をまとめて表3に示す。塩基性炭酸ニッケルの
粉末と水溶性リチウム化合物の粉末を緊密に混合した粉
末を成形物にした状態で焼成(予備焼成及び最終焼成)
しても良いこと及びX線回折測定によるピーク強度比
1.0以上のニッケル酸リチウムを得るには、最終焼成
はやはり酸素ガス又は酸素富化空気の存在下で行う必要
があることがわかる。
【0025】
【表3】
【0026】
【実施例5】調製例1で得られた塩基性炭酸ニッケル5
0.0gと炭酸リチウム17.1g(Ni:Liモル比
=1:1)に更に水35.0gを加え、混合し、擂潰器
でよく練り合わせた。更に適量の水を加えつつ練った
後、孔径(貫通孔の相当直径)0.8mmのサイズに押
出成型し長さ2〜5mmの円柱状チップにし、120℃
で16時間乾燥後、これを空気の流通下400℃まで昇
温し、炭酸ガスの発生が認められなくなるまで約2時間
この温度に維持して予備焼成した。その後酸素流通に切
り替えて800℃で6時間最終焼成した。昇温時間及び
降温時間を含めた加熱処理時間は合計12時間であっ
た。得られた試料のX線回折測定によるピーク強度比は
1.16であった。実施例3(成型0.8mm 品焼成)と比
べた場合、最終焼成時間を3分の1(全加熱処理時間は
2分の1)にしても、リチウムイオン電池の正極剤とし
て実用性があるピーク強度比1以上のニッケル酸リチウ
ムを一回の焼成で製造できた。
【0027】
【実施例6】調製例1で得られた塩基性炭酸ニッケル5
0.0gと炭酸リチウム17.1g(Ni:Liモル比
=1:1)に更に水35.0gを加え、混合し、擂潰器
でよく練り合わせた。更に適量の水を加えつつ練った
後、孔径(貫通孔の相当直径)0.8mmのサイズに押
出成型し長さ2〜5mmの円柱状チップにし、120℃
で16時間乾燥後、これを空気の流通下300℃まで昇
温し、炭酸ガスの発生が認められなくなるまで約2時間
この温度に維持して予備焼成した。その後酸素流通に切
り替えて800℃で6時間最終焼成した。昇温時間及び
降温時間を含めた加熱処理時間は合計12時間であっ
た。得られた試料のX線回折測定によるピーク強度比は
1.37であった。
【0028】
【実施例7】調製例1で得られた塩基性炭酸ニッケル5
0.0gと炭酸リチウム17.1g(Ni:Liモル比
=1:1)に更に水35.0gを加え、混合し、擂潰器
でよく練り合わせた。更に適量の水を加えつつ練った
後、孔径(貫通孔の相当直径)0.8mmのサイズに押
出成型し長さ2〜5mmの円柱状チップにし、120℃
で16時間乾燥後、これを空気の流通下500℃まで昇
温し、炭酸ガスの発生が認められなくなるまで約2時間
この温度に維持して予備焼成した。その後酸素流通に切
り替えて800℃で6時間最終焼成した。昇温時間及び
降温時間を含めた加熱処理時間は合計12時間であっ
た。得られた試料のX線回折測定によるピーク強度比は
1.19であった。
【0029】
【比較例5】調製例1で得られた塩基性炭酸ニッケル5
0.0gと炭酸リチウム17.1g(Ni:Liモル比
=1:1)に更に水35.0gを加え、混合し、擂潰器
でよく練り合わせた。更に適量の水を加えつつ練った
後、孔径(貫通孔の相当直径)0.8mmのサイズに押
出成型し長さ2〜5mmの円柱状チップにし、120℃
で16時間乾燥後、これを空気の流通下200℃まで昇
温し、炭酸ガスの発生が認められなくなるまで約2時間
この温度に維持して予備焼成した。その後酸素流通に切
り替えて800℃で6時間最終焼成した。昇温時間及び
降温時間を含めた加熱処理時間は合計12時間であっ
た。得られた試料のX線回折測定によるピーク強度比は
0.95であった。
【0030】実施例5、実施例6、実施例7及び比較例
4の結果をまとめて表4に示す。予備焼成温度は250
〜550℃、好ましくは300〜500℃の範囲で実施
するのが適当であることがわかる。
【0031】
【表4】
【0032】
【実施例8】調製例1で得られた塩基性炭酸ニッケル5
0.0gと炭酸リチウム17.1g(Ni:Liモル比
=1:1)を乳鉢で良く粉砕混合した。これを空気の流
通下400℃まで昇温し、炭酸ガスの発生が認められな
くなるまで約2時間この温度に維持して予備焼成した。
その後酸素流通に切り替えて800℃で6時間最終焼成
した。昇温時間及び降温時間を含めた加熱処理時間は合
計12時間であった。得られた試料のX線回折測定によ
るピーク強度比は1.27であった。実施例1(混合粉
末焼成)と比べた場合、最終焼成時間を3分の1(全加
熱処理時間は2分の1)にしても、リチウムイオン電池
の正極剤として実用性があるピーク強度比1以上のニッ
ケル酸リチウムを一回の焼成で製造できた。
【0033】
【比較例7】調製例1で得られた塩基性炭酸ニッケル5
0.0gと炭酸リチウム17.1g(Ni:Liモル比
=1:1)に更に水35.0gを加え、混合し、擂潰器
でよく練り合わせた。更に適量の水を加えつつ練った
後、孔径(貫通孔の相当直径)0.8mmのサイズに押
出成型し長さ2〜5mmの円柱状チップにし、120℃
で16時間乾燥後、これを酸素の流通下(予備焼成を行
うことなく)一気に800℃まで加熱してこの温度で6
時間最終焼成した。得られた試料のX線回折測定による
ピーク強度比は0.84であった。実施例5と比較例7
を比べてみると、表5に示すように、400℃での予備
焼成の有無によって得られた試料のX線回折測定による
ピーク強度比が大きく異なることがわかる。
【0034】
【表5】
【0035】
【実施例9】調製例1で得られた塩基性炭酸ニッケル5
0.0gと水酸化リチウム19.6g(Ni:Liモル
比=1:1)を乳鉢で良く粉砕混合した。これを空気の
流通下400℃まで昇温し、炭酸ガス発生が認められな
くなるまで約2時間この温度に維持して予備焼成した。
その後酸素流通に切り替えて800℃で6時間最終焼成
した。昇温時間及び降温時間を含めた加熱処理時間は合
計12時間であった。得られた試料のX線回折測定によ
るピーク強度比は1.19であった。
【0036】
【実施例10】400℃で予備焼成後、酸素流通に切り
替えて850℃で最終焼成した以外は実施例1と同様な
操作を行った。得られた試料のX線回折測定によるピー
ク強度比は1.20であった。
【0037】実施例9及び10の結果より、水溶性リチ
ウム化合物として水酸化リチウムを使用しても良いこと
がわかる。
【0038】
【比較例8】水酸化ニッケル50.0gと炭酸リチウム
19.1g(Ni:Liモル比=1:1)を乳鉢で良く
粉砕混合した。これを空気の流通下400℃まで昇温
し、約2時間この温度に維持して予備焼成した。その後
酸素流通に切り替えて800℃で6時間最終焼成した。
昇温時間及び降温時間を含めた加熱処理時間は合計12
時間であった。得られた試料のX線回折測定によるピー
ク強度比は0.98であった。ニッケル源として塩基性
炭酸ニッケルの代りに水酸化ニッケルを使用した場合
は、焼成を温度領域の異なる2段階で引き続き行っても
リチウムイオン電池の正極剤として実用性があるピーク
強度比1以上のニッケル酸リチウムは得られない。
【0039】
【発明の効果】リチウムイオン電池の正極剤として実用
性があるニッケル酸リチウムを一回の焼成で製造でき
る。
フロントページの続き (72)発明者 横野 進 新潟県新津市滝谷本町1−26日揮化学株式 会社中央研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基性炭酸ニッケルの粉末と水溶性リチ
    ウム化合物の粉末をNiとLiが実質的に1:1モルに
    なる比率で緊密に混合し、不活性ガス又は酸素含有ガス
    の存在下で250〜550℃の範囲の温度で予備焼成し
    て炭酸ガスの発生を実質的に終了させたのち、引き続き
    酸素ガス又は酸素富化空気の存在下で700〜900℃
    の範囲の温度で最終焼成することを特徴とするニッケル
    酸リチウムの製造方法。
  2. 【請求項2】 予備焼成温度が300〜500℃の範囲
    である請求項1に記載のニッケル酸リチウムの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 塩基性炭酸ニッケルが、水溶性ニッケル
    化合物と炭酸アルカリ、重炭酸アルカリ、炭酸アンモニ
    ウム及び重炭酸アンモニウムからなる群から選ばれる化
    合物を水中で反応させて得られる沈澱物を濾過、乾燥し
    たものである請求項1に記載のニッケル酸リチウムの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 水溶性ニッケル化合物が硝酸ニッケル、
    硫酸ニッケル及び塩化ニッケルからなる群から選ばれる
    化合物である請求項3に記載のニッケル酸リチウムの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 水溶性リチウム化合物が炭酸リチウム又
    は水酸化リチウムである請求項1に記載のニッケル酸リ
    チウムの製造方法。
  6. 【請求項6】 塩基性炭酸ニッケルの粉末と水溶性リチ
    ウム化合物の粉末を緊密に混合した粉末を成形物にした
    状態で不活性ガス又は酸素含有ガスの存在下で250〜
    550℃の範囲の温度で予備焼成して炭酸ガスの発生を
    実質的に終了させたのち、引き続き酸素ガス又は酸素富
    化空気の存在下で700〜900℃の範囲の温度で最終
    焼成する請求項1に記載のニッケル酸リチウムの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 予備焼成温度が300〜500℃の範囲
    である請求項6に記載のニッケル酸リチウムの製造方
    法。
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