JPH09512512A - 冷凍船の船倉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は，冷凍船の船倉であって，支持部材（１４）上に配置されたパレット棚（６）と，内面に金属薄板覆い（５）を備えた断熱部（４）とを有する形式のものに関する。パレット棚（６）を支えている支持部材（１４）の下側には，支持能力のある材料から成っていて船の支持構造部上に支えられている下受け（９）があり，これらの下受け（９）は断熱部（４）の断熱物質及び金属薄板覆い（５）を貫通して，周囲の断熱部から突出しており，かつ水密の覆い（１１）を有しており，この水密の覆いは周囲の断熱部（４）の金属薄板覆い（５）に重なって，これと水密に結合されており，下受けの覆い上には支持部材（１４）の基礎板（１３）が固定されている。収納されるパレットのためのコンベヤ装置のレール（１６）の範囲においても，コンベヤ装置のこの底部レール（１６）の下側に下受け（９）が設けられており，この下受けは船の支持構造体上に支えられていて，断熱部（４）の断熱物質を貫通し，周囲の断熱部から突出しており，かつ水密の覆い（１１）を有しており，この覆いは周囲の断熱部の金属薄板覆い（５）に重なって，これと水密に結合されており，かつ底部レール（１６）を支えている。

Description

【発明の詳細な説明】 冷凍船の船倉 本発明は，請求項１の上位概念部の特徴を備えた冷凍船の船内の船倉の構成に 関するものである。 このような構成の船倉は公知の船においては船倉全体の少なくとも部分範囲内 に設けられており，殊に，船の全幅及び全高にわたって延びている船倉内に設け られていて，船倉内にパレットのための多数の収納室を互いに上下にかつ互いに 並べて有している背の高い棚を収容することができ，これらの収納室は，船倉内 で通路のレール上を走行可能な固有のコンベヤ装置並 在のWestfalia‐WST‐Systemtechnik GmbH．& Co．KG社によって販売されている ような棚列内を水平に走行可能なサテライトコンベヤによって，パレットを出し 入れすることができる。 特別な問題は，パレット棚を支持すること，並びにコンベヤ装置のレールを支 持することである。なぜなら，パレットが中間甲板によって支えられることなし に高く積み重ねられていることによって，若しくはコンベヤ装置によって，大き な力が支持されており，この大きな力を船構造体の支持結合部に導かなければな らないからである。 この場合，力を伝達しかつ断熱部を貫通している結合部への熱ブリッジが形成 されることを回避し，かつ水分が結合部のすき間内へ浸入することを回避しなけ ればならない。本発明の課題は結合部をこのように構成することである。 本発明はこの課題を，パレット棚の支持部材の場合には請求項１の特徴部の構 成を適用することによって，またコンベヤ装置のためのレールの場合には請求項 ２の特徴部の同じような構成によって，解決する。 本発明の構成によって，熱ブリッジを回避してパレット棚を支持するための大 きな力で負荷可能な受け体が達成される。貨物を積み込んだパレット棚による大 きな負荷は直接的な経路で，支持作用を行う船構造体に導くことができる。この 場合，支持部材のための若しくはコンベヤ装置のレールのための受け体の間の確 実なシールが達成され，これは大きな負荷の下でも維持される。 本発明の特別な特徴は，下受けが，支持部材の受け体を取り囲んでいる断熱部 の表面から突出していることであり，したがって液体，例えば凝縮水，掃除液体 などが側方に流れ落ちるので，これをうまく取り除くことができる。 パレット棚の間の通路内の走行可能なコンベヤ装置の底部レールの受け体につ いても同じことが当てはまる。本発明の特別な構成では，コンベヤ装置のための この底部レールは更に船倉底の溝形の陥凹部内に配置されていて，したがって船 倉内の液体は底部レール及びその支持部の両側で凹んだ溝内に集まり，そこから 導出することができる。 下受けのためには硬質木材を使用するのが有利である。それは硬質木材は大き な圧力に耐えるとともに，良好な断熱性質を有しており，なかんずく支持部材若 しくは走行レールのほとんど公差のない後取り付けを可能にするからである。 最後に本発明の構成によれば，船倉底の陥凹部の下方に，陥凹部の全幅にわた って延び，通行可能であり，かつエネルギ供給装置若しくは運転装置を受容する 二重底区画を構成しておくことができる。この二重底区画は隣接の二重底区画に 対してシールされており，別個に製作され，あらかじめ装備を設けられる。 更に本発明において特徴的なことは，陥凹部が船の中心縦方向に関して側方に ずらせて配置しておくことができることである。これによって，パレットのため のコンベヤ装置の位置を棚装置内のパレットのための収容室の基本寸法に申し分 なく適合させることができる。 本発明の別の構成及びその特別な利点は請求項５〜１０のとおりである。 図面には本発明の実施例が概略的に示されている。 図１は船倉の横断面図である。 図２は棚装置の底部支持部材の受け体を図１よりも拡大した尺度で示した鉛直 断面図である。 図３は図２の受け体の平面図である。 図４はコンベヤ装置の底部レールのための受け体を図２の尺度で示した鉛直断 面図である。 図５は底部レール及びその固定装置を図４よりも縮小した尺度で示した斜視図 である。 図６はパレット棚の側方支持部材を図２及び図３の尺度で示した鉛直断面図で ある。 図７は図６の側方支持部材の受け体の平面図である。 外殻２を有している船の内殻１の内部に船倉３が配置されている。内殻１及び 外殻２はいずれも鋼から成っており，船倉内には補強構造体が公知の形式で取り 付けられている。内殻１は内側の船倉側を断熱部４によって覆われており，断熱 部の見える方の面は金属薄板覆い５を有している。金属薄板覆い５を有している 断熱部４は有利には，適当な断熱材例えばポリウレタンフォームなどからあらか じめ製作された単個パネルから成っている。船倉３内にはパレット棚装置６が配 置されており，その収納室内にパレットを多数の列で互いに上下にかつ互いに左 右前後に並べて配置することができる。船倉は上側を上甲板７によって閉じられ ており，この上甲板は，単に１つのパレットパイルの横断面とほぼ同じ大きさの １つの開口を有しているに すぎない。船の縦中心に関して偏心的に，パレット棚の間に配置されている通路 ８内に，コンベヤ装置が配置されており，このコンベヤ装置は船の縦方向で鉛直 及び水平にパレットを搬送する。パレットの横搬送はいわゆるサテライトコンベ ヤ装置によって行われる。このサテライトコンベヤ装置はやはり公知であるが， 本発明とは無関係である。 パレット棚装置の下側の支持部材１４は大きな負荷を船の支持構造体，特に船 の二重底内に設けられている構造部材に伝達する。このために各支持部材の下側 には，適当な材料殊に硬質木材から成る下受け９が設けられており，この下受け は内殻１の内底１０上に直接に支えられており，断熱部４の切欠内に配置されて いる。したがって下受け９は断熱部４を貫通して，その上面は，図２に示すよう に，下受けを取り囲んでいる断熱部表面から高さ方向に突出している。下受け９ の上側の覆い１１は下受けの表面を覆っており，その縁は周囲の断熱部の金属薄 板覆い５に重なっており，したがってこの重なり１２の箇所において液密の結合 を行うことができる。覆い１１は有利にはやはり金属薄板から成っているが，し かし，ゴム，プラスチックその他の適当な材料から製作することもできる。覆い １１上には鋼板から成る基礎板１３が置かれ，場合によっては後述するように固 定されている。この基礎板１３上にはパレット棚の支持部材１４が支えられてい る。この支持部材は実施例の場合下方の端板１５を有するＩ型成形材から成って いる。 同じようにして，通路８内を走行可能なコンベヤ装置のためのレール１６も図 ４に示すように構成されている。有利には硬質木材などから成る下受け９は断熱 部４の切欠内に配置されていて，高さ方向で周囲の断熱部の表面から突出してい る。下受け９のための金属薄板覆い１１はその縁で断熱部の金属薄板覆い５に重 なっており，この重なり１２の範囲において金属薄板覆い５と緊密に結合されて いる。横断面がＩ形のレール１６は直接に覆い１１上に置かれていて，レール押 さえ１７によって固定されている。図２について説明した構成と異なって，この 場合下受けはレール１６の縦方向に延びるビームとして構成されており，したが って下受けはレールをその全長にわたって支えている。下受け９のために前述の 材料を選択することによって，固定は公差なしに後から行うことができ，その際 レール押さえ１７と下受け９との間に後から孔を形成することによってねじ結合 部が生ぜしめられる。 図２の実施例においても，図４の実施例においても，下受け９と断熱部４との 間の中空スペースは，覆い１１のシールの前に，やはり断熱性の材料性質を有す る埋め込み材１８などによって埋め込まれる。 以上述べた構造と同じような構造は船倉内のパレット棚の側方支持部のために も設けられている。もちろ んこの場合配置される固定部は単に純粋な押し力だけではなしに，例えば船が航 行する際に生ずる引き力及び曲げ力も受け止めなければならない。したがって， 前述のものよりも厚さが薄い下受け９，有利にはプラスチックから成る下受けが ，船の内殻１の，船倉を仕切る舷壁から間隔をおいて，この舷壁と固く結合され ている支持鋼材１９上に配置されており，その際下受け９の覆い１１の表面は周 囲の断熱部の金属薄板覆い５にほぼ一平面状に移行している。下受け９の背後の スペースは既に述べた断熱性の埋め込み材１８によって埋められている。支持鋼 材１９に対する下受け９の固定はねじ結合部によって行うことができ，このねじ 結合部は同時にパレット棚の側方支持部材２０の固定を行うこともできる。しか しこのようにする代わりに，後から公差なしに取り付けることのできるねじ結合 を行って，ねじのねじ山が下受け及び埋め込み材の材料内に切り込むようにする こともできる。 図１から分かるように，パレット棚６の間の通路８内でコンベヤ装置を走行さ せるレールは内底の陥凹部２１内に配置されており，周囲から隆起している覆い １１から流下する液体はレールの両側で溝内に集まり，そこから導出せしめられ る。これによって，走行レール６の下方において二重底範囲内に，溝の全幅にわ たって延びる二重底区画を配置することが可能である。この二重底区画は通行可 能であり，エネルギ供給装 置，運転装置その他の装置を受容する。このような装置は二重底区画をあらかじ め製作する際に，前もって取り付けておくことができ，その際，この二重底区画 は船の構造体を著しく補強するストリンガとして構成される。 符号表 １ 内殻 ２ 外殻 ３ 船倉 ４ 断熱部 ５ 金属薄板覆い ６ パレット棚 ７ 上甲板 ８ 通路 ９ 下受け １０ 内底 １１ 覆い １２ 重なり １３ 基礎板 １４ 支持部材 １５ 端板 １６ レール １７ レール押さえ １８ 埋め込み材 １９ 支持鋼材 ２０ 側方支持部材 ２１ 陥凹部

【手続補正書】特許法第１８４条の８ 【提出日】１９９５年１２月２１日 【補正内容】 請求の範囲 １ 冷凍船の船倉であって，船倉内で支持部材上に配置されているパレット棚と ，内面に金属薄板覆いを備えている断熱部とを有している形式のものにおいて， 支持部材の下側に，かつ船の支持構造部上に，支持能力のある材料から成る下受 け（９）が配置されており，この下受けは断熱部（４）の断熱物質を貫通して， 周囲の断熱部表面から突出しており，かつ水密の覆い（１１）を有しており，こ の覆いは周囲の断熱部の金属薄板覆い（５）に重なっていて，この金属薄板覆い と水密に結合されており，下受けの覆い上に支持部材（１４）の基礎板（１３） が固定されていることを特徴とする，冷凍船の船倉。 ２ 冷凍船の船倉であって，船倉内で底部レール上を走行可能な，パレット棚内 に収納可能なパレットのためのコンベヤ装置と，内面に金属薄板覆いを備えてい る断熱部とを有している形式のものにおいて，底部レールの下側に，かつ船の支 持構造部上に，支持能力のある材料から成る下受け（９）が配置されており，こ の下受けは断熱部（４）の断熱物質を貫通して，周囲の断熱部表面から突出して おり，かつ水密の覆い（１１）を有しており，この覆いは周囲の断熱部の金属薄 板覆い（５）に重なっていて，この金属薄板覆いと水 密に結合されており，下受けの覆い上に底部レール（１６）が支えられているこ とを特徴とする，冷凍船の船倉。 ３ コンベヤ装置の底部レール（１６）が船倉底（１０）の溝形の陥凹部（２１ ）内に配置されていることを特徴とする，請求項２記載の船倉。 ４ 船倉底（１０）の陥凹部（２１）の範囲内に，陥凹部（２１）の全幅にわた って延びている，通行可能なかつエネルギ供給装置若しくは運転装置を受容して いる二重底区画が構成されていて，隣接の二重底区画に対してシールされている ことを特徴とする，請求項３記載の船倉。 ５ 底部レール（１６）のための下受け（９）が，単数又は複数の，船の縦方向 に延びているビームから成っていることを特徴とする，請求項４記載の船倉。 ６ 支持能力のある材料から成る下受け（９）と下受けを取り囲んでいる断熱物 質との間のすき間が断熱性の埋め込み材，例えばポリウレタンフォームで埋めら れていることを特徴とする，請求項１又は２記載の船倉。 ７ 硬質木材から成る下受け（９）が設けられていることを特徴とする，請求項 １から６までのいずれか１項に記載の船倉。 ８ 支持部材（１４）の基礎板（１３）若しくはレール（１６）がレール押さえ （１７）あるいは類似の保持部材によって，かつ下受け（９）内にねじ込まれる ねじによって，固定されていることを特徴とする，請求項１記載の船倉。 ９ パレット棚（６）の側方支持部材（２０）における殊に断熱性のプラスチッ クから成る下受け（９）が，船の内殻（１）の船倉を仕切る舷壁から間隔を置い て舷壁と固く結合されている支持鋼材（１９）に配置されており，下受け（９） の覆い（１１）の表面がほぼ一平面状に周囲の断熱部（４）の金属薄板覆い（５ ）に移行していることを特徴とする，請求項１から８までのいずれか１項に記載 の船倉。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゲルハルト ホルトフレーター ドイツ連邦共和国 Ｄ−22047 ハンプル ク シュネーグレックヒェーンヴェーク 11 (72)発明者 ベルント ヴィットルフ ドイツ連邦共和国 Ｄ−22391 ハンブル ク オプ デ ゾルト 26 【要約の続き】 れと水密に結合されており，かつ底部レール（１６）を 支えている。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 冷凍船の船倉であって，船倉内で支持部材上に配置されているパレット棚と ，内面に金属薄板覆いを備えている断熱部とを有している形式のものにおいて， 支持部材の下側に，かつ船の支持構造部上に，支持能力のある材料から成る下受 け（９）が配置されており，この下受けは断熱部（４）の断熱物質を貫通して， 周囲の断熱部表面から突出しており，かつ水密の覆い（１１）を有しており，こ の覆いは周囲の断熱部の金属薄板覆い（５）に重なっていて，この金属薄板覆い と水密に結合されており，下受けの覆い上に支持部材（１４）の基礎板（１３） が固定されていることを特徴とする，冷凍船の船倉。 ２ 冷凍船の船倉であって，船倉内で底部レール上を走行可能な，パレット棚内 に収納可能なパレットのためのコンベヤ装置と，内面に金属薄板覆いを備えてい る断熱部とを有している形式のものにおいて，底部レールの下側に，かつ船の支 持構造部上に，支持能力のある材料から成る下受け（９）が配置されており，こ の下受けは断熱部（４）の断熱物質を貫通して，周囲の断熱部表面から突出して おり，かつ水密の覆い（１１）を有しており，この覆いは周囲の断熱部の金属薄 板覆い（５）に重なっていて，この金属薄板覆いと水 密に結合されており，下受けの覆い上に底部レール（１６）が支えられているこ とを特徴とする，冷凍船の船倉。 ３ コンベヤ装置の底部レール（１６）が船倉底（１０）の溝形の陥凹部（２１ ）内に配置されていることを特徴とする，請求項２記載の船倉。 ４ 船倉底（１０）の陥凹部（２１）の範囲内に，陥凹部（２１）の全幅にわた って延びている，通行可能なかつエネルギ供給装置若しくは運転装置を受容して いる二重底区画が構成されていて，隣接の二重底区画に対してシールされている ことを特徴とする，請求項３記載の船倉。 ５ 底部レール（１６）のための下受け（９）が，単数又は複数の，船の縦方向 に延びているビームから成っていることを特徴とする，請求項４記載の船倉。 ６ 支持能力のある材料から成る下受け（９）と下受けを取り囲んでいる断熱物 質との間のすき間が断熱性の埋め込み材，例えばポリウレタンフォームで埋めら れていることを特徴とする，請求項１又は２記載の船倉。 ７ 硬質木材から成る下受け（９）が設けられていることを特徴とする，請求項 １から６までのいずれか１項に記載の船倉。 ８ 支持部材（１４）の基礎板（１３）若しくはレール（１６）がレール押さえ （１７）あるいは類似の保持部材によって，かつ下受け（９）内にねじ込まれる ねじによって，固定されていることを特徴とする，請求項１から７までのいずれ か１項に記載の船倉。 ９ パレット棚（６）の側方支持部材（２０）が，先行請求項の特徴を使用して ，船の支持構造部に結合されていることを特徴とする，請求項１から８までのい ずれか１項に記載の船倉。 １０ パレット棚（６）の側方支持部材（２０）における殊に断熱性のプラスチ ックから成る下受け（９）が，船の内殻（１）の船倉を仕切る舷壁から間隔を置 いて舷壁と固く結合されている支持鋼材（１９）に配置されており，下受け（９ ）の覆い（１１）の表面がほぼ一平面状に周囲の断熱部（４）の金属薄板覆い（ ５）に移行していることを特徴とする，請求項１から９までのいずれか１項に記 載の船倉。