JPH09509164A - 免疫グロブリンaを用いた炎症を予防及び治療するための組成物並びに方法 - Google Patents
免疫グロブリンaを用いた炎症を予防及び治療するための組成物並びに方法Info
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Abstract
(57)【要約】
炎症は、IgAを含む製剤を投与することにより完全に治療又は予防し得る。該製剤は、免疫調節をも行い得る。該製剤が、多量体IgAからなり、種々の形態のIgGを実質的に含まないのが好ましい。他の化合物、例えば、抗生物質、消炎剤及び制酸薬を投与してもよい。免疫グロブリンAを炎症予防用ワクチンに用いてもよい。さらに、抗炎症性を評価するための改良型アッセイも提供する。
Description
【発明の詳細な説明】
免疫グロブリンAを用いた炎症を予防及び治療するための組成物並びに方法
発明の背景
本発明は、免疫グロブリンA(「IgA」)を含む薬剤を投与することによる
急性及び慢性炎症性反応の予防又は治療法に関する。本発明はさらに、予防接種
コースにおいて、炎症性反応を治療、回避又は改善するために多量体IgAを含
む薬剤を使用することにも関する。さらに本発明は、ある物質の抗炎症性及び免
疫調節活性を評価するためのin vitroテストに関する。
有害な炎症性現象は身体全体に発生し得る。例えば、上気道の炎症及びアフタ
性口内炎のような粘膜表面でも発症し得る。炎症性現象は、気道並びに胃腸管全
体でも発生し得る。ある種の粘膜炎症性現象は感染性因子によって直接媒介され
るのではなく、むしろ微生物感染に応答した免疫系の過剰反応の結果発生する。
この疾患の例としては、急性閉塞性気管支炎及び喘息により悪化した気道感染症
がある。
有害な炎症は、粘膜表面以外の部位にも発生し得る。そ
のような非粘膜部位での疾患には、リウマチ性関節炎(全身性若年性リウマチ性
関節炎及び乾せん性関節炎)、ライター症候群、強直性脊椎炎、関節炎を伴うク
ローン病及びウィップル病、並びに全身性エリテマトーデスが含まれる。
有害な炎症は一般に、免疫系において制御不能な反応が生じた結果である。特
定の抗原が炎症プロセスにおいてある役割を果たし、この役割によって損傷が起
こる。例えば、全身性グラム陰性感染症及び内毒素血症の毒性作用の殆どは、免
疫系の細胞、特にマクロファージとの相互作用によって媒介される。単球/マク
ロファージ系の細胞は、腫瘍壊死因子−α(「TNF−α」)及びインターロイ
キン−6(「IL−6」)のような炎症性サイトカインの主要源である。
炎症性サイトカインは、種々の生物学的刺激、例えば、グラム陰性菌由来のリ
ポ多糖体(「LPS」)に応答して産生される。TNF−α及びIL−6は、炎
症及び免疫応答の間宿主の有効な防御に必要な多重エフェクター機能及び細胞相
互作用において中心的な役割を果たす。しかし、炎症性サイトカインが無制御に
産生されると、宿主が損傷を起こす。例えば、LPS誘発により無制御に放出さ
れた
TNF−αは、グラム陰性内毒素性ショックを含むLPS誘発毒性の中心的媒介
因子となることが示された。
高用量のTNF−αをラット又はマウスに注射すると、敗血症性ショック症候
を誘発し、致死率が高まる。さらに、高血清レベルのTNF−αは髄膜炎球菌菌
血症又は敗血症性ショックによる患者の致死率と相関関係を有する。高レベルの
TNF−αは、壊死性全腸炎を起こした新生児にも見られ、これは、TNF−α
が該疾患の病因に係わりがあり得ることを示唆している。確かに、内毒素チャレ
ンジ及びTNF−αの投与により、新生児壊死性全腸炎の実験モデルでは腸炎が
誘発された。細菌及びウイルス性髄膜炎並びにHIV感染症を含む種々の臨床症
状においてIL−6レベルの増大が認められた。内毒素がIL−6合成を誘発す
ることは公知であり、熱損傷のような内毒素血症に係わる症状ではIL−6の血
清レベルが増大する。細菌毒素の有害な作用は、しばしば死を招く炎症を引き起
こすこれらの化合物の肥大した自己増幅放出に係わりがある。グラム陰性菌又は
内毒素による致死性は、特定の抗TNF抗体を投与することにより防止された。
免疫系の種々の成分が炎症性現象に係わっている。免疫
系の主成分の一つは免疫グロブリンである。免疫グロブリンを含む薬剤は細菌性
及びウイルス性感染症の予防及び治療に既に用いられている。例えば、米国特許
第4,335,099号において、IgA及び免疫グロブリンG(「IgG」)
を含む経口製剤が腸管感染症の治療に用いられた。さらに、総免疫グロブリン含
量に対して73%のIgAと26%のIgGを含む製剤を未熟児に予防的に投与
すると、壊死性全腸炎の発生率を低減させ得る。Eiblら,J.Clin.I
mm.10(6):72S−79S(1990)参照。この作用は、多数の潜在
的病原体及びそれらの毒素と高力価のその抗体との抗原抗体複合体の形成の結果
と考えられる。そのような病原体には、百日咳、破傷風及びジフテリアを引き起
こす細菌類並びにポリオウイルス、コクサッキィーウイルス、ロタウイルス及び
エコーウイルスのようなウイルス類が含まれる。
IgA、IgG及びトランスフェリンは、細菌の増殖に対して相乗的に作用す
ることが示された(EP0506651号参照)。活性成分の割合は、IgA1
重量部当たり、IgGが0.40〜0.80重量部、トランスフェリンが0.1
5〜0.45重量部である。
IgG、IgA及びIgMは他の薬理上活性な化合物、例えば抗生物質と相乗
的に作用することが示された。これらの免疫グロブリンは、感染性微生物に結合
し、それによって凝集反応又は食作用の誘発が生起されると推定される。
EP0168830号参照。
従って、免疫グロブリンは、特定の抗体が特定の抗原を認識・結合して該抗原
を中和するので有用であり得ることは周知である。
しかし、特定の免疫複合体が特定の炎症性プロセスにおいて役割を果たすと考
えられていた。例えば、炎症性腸疾患及び強直性脊椎炎に罹患している患者にI
gA免疫複合体が見いだされたという報告があった。これらの疾患に罹患してい
る患者は、高濃度の血清IgA/循環性IgA免疫複合体を有していた。Pee
tersら、Ann Rheumat.Dis.49:638−640(199
0)参照。
特定のIgG抗体を含む製剤が、細菌毒素(スーパー抗原)により誘発された
T細胞活性化を抑制することにより、ぶどう球菌性感染に起因する全身性疾患を
防護することが知見された。Takeiら,J.Clin.Invest.
91:602−607(1993)参照。IgG製剤のこの防護作用は、抗体を
中和すると弱まり得る。これらの抗体の作用は、細菌性スーパー抗原によるT細
胞の活性化を抑制することにより発生すると考えられ、さもなければ、全身性炎
症性反応が伝播・増強され得る。従って、抗スーパー抗原仮説によれば、抗体欠
乏障害以外の種々の免疫学的疾患に対して特定のIgG抗体を使用することは実
現可能であり得る。Rich,J.Clin.Invest.91:378(1
993)参照。
他の主要免疫グロブリンであるIgAも免疫系において重要な役割を果たす。
例えば、分泌性IgA(「SIgA」)は、気道、胃腸管及び尿路の粘膜表面を介し
て侵入する病原性微生物による感染からの宿主の保護に主要な役割を果たす。I
gA抗体は、毒素及びウイルス粒子を中和し、細菌性病原体の付着を阻害し、病
原性微生物による粘膜表面でのコロニー形成及び侵入を防止することにより、粘
膜表面からの病原性細菌、ウイルス又は寄生微生物及び種々の摂取又は吸入抗原
の排除に関与する。
実質的にIgGを含まないIgAを含む製剤の抗感染作用は、特公昭56−5
3622号及び同57−59815
号に開示されている。これらの製剤は、92%のIgAと6%のIgGを含むも
のであった。該製剤は、マウスにおいて、緑膿菌(Pseudomonas a
eruginosa)に起因する致死率を減少させた。該製剤は、非重合IgA
を含んでおり、ロタウイルス、大腸菌(Escherichia coli)及び
チフス菌(Salmonella typhi)に対する中相作用を有している
ことが示された。種々の製剤をテストしてみると、一般にIgGの総含量が低く
なるに従って、抗感染作用が強くなることが示された。
IgAを得る方法も公知である。例えば、イオン交換クロマトグラフィーによ
る10%を超えるIgAを含む免疫グロブリン製剤の製造法がDE392711
1 C2号に開示されている。IgMを排除する溶離条件を選択すると、30〜
60%のIgAと70〜40%のIgGを含む生成物を得ることができる。この
製剤の抗補体活性は比較的低い。
血清からIgAを得るためのかつての手順は、免疫グロブリンの重合を阻止し
て多量体IgAの形成を回避することに集中していた。一般にIgAの重合は、
実際にはダイ
マーであるSIgAを分離する際にも回避される。かつてはSIgAのモノマー
分画が最も価値あるものと考えられていた。SIgA製剤の製造法はEP047
9597 A2号に記載されている。
約80%という非重合IgA収率を得るために安定剤が用いられた。次いで、
ポリエチレングリコールを用い、分別沈殿により免疫グロブリンポリマーを分離
する。しかし、従来技術における多量体IgAの回避は、IgAの臨床使用に限
定されていた。この限定使用は、ウイルスの不活化と重合の回避とを拮抗させよ
うとした結果である。
例えば、IgA製剤は一般に約60℃に加熱して汚染ウイルスを不活化した。
この加熱によっても、免疫グロブリンの変性及びその後の重合により多量体Ig
Aが形成される。ウイルス不活化の際の重合を回避するために、免疫グロブリン
含有溶液に安定剤が加えられた。しかし、安定剤は、汚染ウイルスをも安定化し
、それによって汚染ウイルスが不活化から保護される。
発明の要旨
本発明の目的は、被験者、例えばヒト患者における急性及び慢性炎症性反応の
治療及び予防法を提供することであ
る。
本発明の別の目的は、被験者にIgAを投与することによる急性及び慢性炎症
性反応の治療及び予防法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、被験者に多量体(マルチマー)形態のIgAを投
与することによる急性及び慢性炎症性反応の治療及び予防法を提供することであ
る。
本発明のさらに別の目的は、炎症性反応の予防及び治療に適した種々の形態の
IgAを含む薬剤を提供することである。
IgAを投与して炎症を最小限に抑えることによる改良型予防接種を提供する
ことが本発明のさらに別の目的である。
本発明のさらに別の目的は、抗炎症性化合物のスクリーニング用アッセイを提
供することである。
本発明のさらに別の目的は、特定のサイトカインの放出のような免疫応答を調
節する製剤を提供することである。
上記及び他の目的を達成するために、IgAを含む製剤を予防又は治療を要す
る患者に投与する段階を含む炎症の予防又は治療法が提供される。該製剤が多量
体IgAから
なり、実質的にIgGを含まないのが好ましい。さらに該製剤はウイルスのよう
な生存可能な感染性因子を含まないのが好ましい。汚染ウイルスを熱処理して不
活化するのが好ましい。他の化合物、例えば、抗生物質、消炎剤及び制酸薬を患
者に投与してもよい。
本発明により、多量体IgAからなる薬剤も提供される。
本発明により、さらにIgAを含む製剤が提供される。該製剤が多量体IgA
からなり、実質的にIgGを含まないのが好ましい。該製剤は、抗生物質、消炎
剤及び制酸薬のような他の化合物を含んでいてもよい。1種以上のこれらの化合
物が抗炎症剤キットの一部を構成してもよい。抗炎症剤キットは、炎症の予防又
は治療用の該製剤の使用説明書を含んでいなければならない。使用説明書には、
用量及び投与経路も記載されている。
本発明により、テスト物質の抗炎症活性を評価する方法が提供され、該方法は
、不活化細菌(Haemophilus influenzae)由来の抗原のよ
うな炎症性刺激及びテスト物質の存在下に、無血清培地中でサイトカイン産生細
胞をインキュベートする段階及びインキュベートした細胞のサイトカイン産生能
を評価する段階を含む。細
胞が単球であり、評価されるサイトカインがTNF−α、TNF−β、IL−1
又はIL−6からなるのが好ましい。その結果を、炎症性刺激とは接するがテス
ト物質には接しない単球のような対照のサイトカイン産生能と比較する。
本発明により、IgA及び抗原を投与することを含む予防接種法が提供される
。投与は同時又は順次であってよい。IgAが多量体IgAからなり、製剤が実
質的にIgGを含まないのが好ましい。アジュバントを投与してもよい。1種以
上のこれら化合物が予防接種キットの一部を構成してもよい。予防接種キットは
、予防接種の前、間及び後の炎症の予防又は治療用製剤の使用説明書を含んでい
なければならない。
全ての成分又は製剤は、潜在的に汚染性の病原性微生物、例えば血液媒介ウイ
ルスを排除又は不活化するように処理する必要がある。本発明の他の目的、特徴
及び利点は、以下の説明、表及び図面から明らかになるであろう。
図面の簡単な説明
図1は、ヒト血清IgAが、インフルエンザ菌(Haemophilus i
nfluenzaB型)によって活性化されたヒト単球におけるTNF−α及び
IL−6の放出
をダウンレギュレートすることをグラフで示している。
図2は、ヒト血清IgAが、ヒト単球におけるHib誘発TNF−α及びIL
−6の放出をダウンレギュレートするのに対し、Hib刺激後のGM−CSF産
生は不変のままであることをグラフで示している。
図3は、精製LPSで刺激した単球におけるTNF−α及びIL−6の放出に
対するヒト血清IgAの効果をグラフで示している。
図4は、サイトカインの放出に対する多量体IgA(熱凝集)及び非重合Ig
Aの効果をグラフで示している。
図5は、ヒト血清IgAがヒト単球におけるTNF−α及びIL−6の放出を
ダウンレギュレートするのに対し、ヒト血清IgGは効果を示さないことをグラ
フで示している。
図6は、IgA及びIgG抗体とインフルエンザ菌(Haemophilus
influenzaB型)との結合をグラフで示している。
図7は、Hibで刺激した単球におけるサイトカインの誘発及び放出に対する
ヒト血清IgAの効果をグラフで示している。
発明の詳細な説明
有害な炎症の結果を考えると、急性及び慢性炎症に伴う有害な局所的及び全身
的続発症をダウンレギュレートする機構が必要である。本発明は、かつては知ら
れていなかったIgAの特性を有利に用いて有害な炎症性反応を予防又は治療す
る。この特性は、特定の外来抗原の抗体中和という周知モデルとは異なる。この
特性の存在及び抗炎症性因子としてのIgAの有用性は、Peetersら,前
出及び他の知見を考えて見れば驚異的である。
従って、本発明は、有効量のIgAを用い、急性及び慢性炎症性反応、例えば
、全身的又は局所的炎症性反応を予防又は治療するための組成物及び方法に関す
る。
免疫グロブリンAは、炎症を発症する恐れのある被験者に予防的に投与し得る
。そのような被験者には、予防接種を受けようとするもの並びに最近予防接種を
受けたか、あるいは炎症性刺激又はサイトカインを受けたものが含まれる。Ig
Aの予防的使用により、有害な炎症性反応の発生は抑制又は最小限に抑えられる
であろう。
予防の場合には、炎症性刺激に暴露される前又は該刺激に暴露された直後に被
験者にIgAを投与する必要がある。
例えば、アレルギー性鼻炎のようなアレルギー性疾患の場合、花粉のようなアレ
ルゲンに暴露される前に被験者を治療すべきである。さらに、結果として炎症を
伴う上気道感染症に罹患する恐れのある被験者には、通常の寒冷期にはIgAを
繰り返し投与する必要がある。
免疫グロブリンAは、既に有害な炎症性反応を起こしている被験者にも投与し
得る。炎症性反応は、蜂に刺されたり、あるいは炎症性刺激に暴露された被験者
に発生し得る。こうした場合に、1gAは進行中の炎症性反応を治癒、改善又は
最小限に抑えるであろう。
IgAは、局所的、経口又は全身的経路で投与し得る。実質的にIgGを含ま
ない薬剤中にIgAを用いるのが好ましい。また、多量体IgAを含む製剤を用
いるのも好ましい。IgMの存在も最小限に抑えるか、又は完全に排除する必要
がある。
用量は、投与の経路及び頻度、並びに炎症の程度及び原因に応じて異なる。I
gAの総用量が多い場合、1日の間にIgAを数回に分割して投与するのが好ま
しい場合が多い。当業者には、これらの用量及び投与経路は容易に考え得るもの
である。
例えば、IgAは、経口的に(通常1〜10g/日、重症の場合にはそれ以上
)、好ましくは3回以上に分けて制酸薬と同時に投与する。
さらに、IgAは静脈注射(濃縮、連続注入又はその両方による)のような手
段により全身的に投与し得る。典型的には、50〜2000mgのIgA/kg
/日を投与する。通常、約50〜100mg用量のIgA/kg/日を筋肉内投
与することも希にはあり得る。
免疫グロブリンAは、吸入(最高10mg/日、10〜100mgのIgA/
ml;経鼻的には:スプレー又は点鼻により50〜200mg/ml)のような
経路、又は関節内注射(必要に応じ、10〜1000mg IgA/mlで1〜
5ml)により局所的にも投与し得る。他の経路には、座薬(100〜1000
mg IgA/用量)及び経皮パッチが含まれる。皮膚の炎症(乾せん又はにき
び)の治療に経皮パッチを用いることができる。
かつては、病原体に対するIgAの効果は、特定の抗体によってのみ媒介され
ると考えられていた。例えば、抗体が、微生物の付着の阻害及び細菌毒素及びウ
イルス粒子の中和に係わることは公知であった。従って、IgAの一般
的な抗炎症及び免疫調節作用の発見は驚くべきことであった。特定のIgG抗体
の抗スーパー抗原作用に関する現行の仮説に反して、同様にテストを行ってみる
と、IgGはIgAに匹敵し得る作用を有していない。むしろIgGは実際には
炎症性活性を増強するように見え、これは望ましくないことである。従って、実
質的にIgGを含まないIgAを用いるのが好ましい。
本発明によれば、炎症性反応の予防及び治療には、予防又は治療を必要とする
被験者にIgAを投与することが含まれる。そのような被験者は、炎症にかかり
やすいか、又は実際に有害な炎症性現象に罹患しているものである。適切な抗生
物質及び/又は消炎剤をそのような被験者に投与してもよい。制酸薬が含まれる
場合もあり得る。1種以上のこれらの成分を用量及び投与方式を指示し得る適切
な使用説明書と共にパッケージしてもよい。該成分はそれぞれ実質的にIgGを
含んでいないのが好ましい。
「実質的にIgGを含まない」という用語は、免疫グロブリン総量に対して最
大でも20%、好ましくは10%以下のIgGしか含まないことを意味する。免
疫グロブリン分画が実質的にIgMを含まない(5%以下、好ましくは
3%以下)であるのも好ましい。従って、本発明の実施に際して、IgG及びI
gMの存在を最小限に抑えるか又は排除するのが好ましい。
本発明の方法及びそのキットにアジュバントを組み合わせるのも有用である。
アジュバントは典型的には、予防接種に用いられる抗原に対する免疫応答の増強
に用いられる不活化微生物又は毒素である。IgAをアジュバントと共に投与す
ると、該アジュバントにより誘発される望ましくない炎症が確実に最小限に抑え
られるか又は完全に排除される。
本発明の他の態様は、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%の多量体
IgAを含む薬剤に関する。該製剤は、実質的に重合IgGを含まないものでな
ければならない。「実質的に重合IgGを含まない」とは、免疫グロブリン総量
に対して最大でも10%の重合IgGしか含まないことを指す。免疫グロブリン
総量に対して5%以下の重合IgGしか含まないのが好ましい。さらに、多量体
IgAからなる免疫グロブリン製剤が実質的にIgMを含まないのも好ましい。
多量体IgAが望ましいのは、IgAの重合度(例えば、
熱凝集による)が低くとも、IgAの抗炎症作用が増強されるという驚くべき知
見に基づいている。多量体IgAのこの作用は、非特異的且つ過剰な抗補体活性
に係わる重合IgGの周知の危険な作用を考えて見れば予想外のことである。本
発明の薬剤は、主成分としてIgAを含み、場合によって少なくとも実質的にI
gGを含まないのが好ましい。種々の形態のIgG及びIgMの存在を最小限に
抑えるか又は排除するのが好ましい。
ある物質の抗炎症力価は、新規且つ信頼し得るin vitroアッセイによ
り測定され得る。本発明アッセイは、テストすべき物質の存在下無血清培地中で
単球(サイトカイン産生細胞)をインキュベーションすることを含む。次いで、
典型的には単球に炎症性サイトカインを発現させる炎症性刺激に単球を暴露する
。次いで、発現したサイトカイン、例えば、TNF−α、TNF−β、IL−1
及びIL−6の量を測定する。テスト物質と共にインキュベートした単球中で発
現したサイトカインの量を、該テスト物質の不在下に実施する対照と比較し、テ
スト物質の抗炎症活性を正確に測定する。このアッセイにリンパ球及び顆粒球を
用いてもよい。
本発明アッセイに用いられる炎症性刺激は、インフルエンザ菌(Haemop
hilus influenza)のような不活化細菌、又はその構成成分であ
るのが好ましい。他の適当な刺激には、大腸菌(E.coli)LPS又は髄膜
炎多糖体が含まれる。
上記の新規なアッセイは、IgAが、周知の抗体機能モデルとは異なる一般的
な抗炎症活性を有していることを示した。この抗炎症活性は、単球及び顆粒球に
よる酸素ラジカル放出の抑制によっても示され得る。炎症性反応においてこれら
のラジカルが放出されると、炎症部位に有意な組織損傷が生じる。この現象は、
「呼吸バースト」(respiratory burst)として知られ、向神
経性顆粒球の存在下にインキュベートしたHibを用いるin vitroモデ
ルにより測定し得る。抗炎症活性は、スーパー抗原(例えば、ブドウ球菌エンテ
ロトキシン、毒性ショック症候群毒素1)及びリコール抗原(例えば、破傷風ト
キソイド)応答におけるTリンパ球活性化の抑制によっても測定し得る。
IgAの抗炎症性作用は、必ずしも特定の中和抗体の存在のみに基づくわけで
はない。これは、間接免疫蛍光法を
用いるフローサイトメトリーによって示された。この分析は、IgA製剤及びI
gG製剤が共に、Hibに結合する同等の力価の抗体を含んでいるが、IgAの
みがTNF−α及びTL−6の産生レベルを減少させることを示している。同様
の実験において同様な濃度で検査したIgG製剤は、Hib誘発サイトカイン放
出に対してダウンレギュレート作用を有していない。
IgAが特定の中和活性に依存しないということは、IgA抗体とHibを、
該混合物を単球に加える前にインキュベートする実験でも実証された。このイン
キュベーションにより抗原抗体複合体が形成される。しかし、HibをIgAと
共にインキュベートしても炎症性サイトカイン放出の抑制は増強されない。
本発明によれば、主としてモノマーであるヒト血清IgAは、単球のサイトカ
インの放出を抑制する。多量体IgAを形成する熱凝集により、TNF−αの放
出に対するIgAの抑制作用が増強される。本発明の薬剤は、多量体IgAから
なるのが好ましく、該マルチマーは、少なくとも80%、好ましくは少なくとも
90%のIgAを溶液又は凍結乾燥形態で含む製剤を加熱することにより得るこ
とが
できる。該製剤は、実質的にIgGを含まず、検出し得るIgMを含まないもの
でなければならない。IgG及びIgMは、単純放射状免疫拡散法(「RID」
)により検出し得る。
血漿分画をIgA源として用いるのが好ましい。例えば、IgA分画は、血漿
分画、例えばコーン分画IIIのイオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマト
グラフィー、親水性クロマトグラフィー又はアフィニティークロマトグラフィー
によって得ることができる。ウイルスはコーン分画法により不活化及び/又は排
除されるので、このプロセスは潜在的ウイルス感染性の低減にも役立つ。
加熱は、40〜70℃、好ましくは60〜65℃で、数分〜24時間、好まし
くは1〜10時間行ってよい。次いで、マクロ集塊を除去するために、該分画を
遠心する。その後で、ゲル浸透クロマトグラフィー又は他の一般法により多重結
合度を測定し得る。多量体IgAの相対量は、適切な加熱プロセス温度及び時間
を選択することにより調節し得る。
本発明の薬剤は、抗補体活性を含んでいてはならない。これは、重合IgG含
量を最小限に抑えることにより達成
される。組成物の抗補体活性は、Kabat及びMayer,EXPERIME
NTAL IMMUNOCHEMISTRY(Thomas,Springfi
eld 1961)及びPublic Health Monograph第7
4号:STANDARADIZED DIAGNOSTIC COMPLEME
NT FIXATION METHOD AND ADOPTION TOMI
CROTEST(Washington,1965)(第4章,Complem
ent and Complement Fixation)による方法で測定
し、C′H50単位(50%溶血に必要な補体の量と定義された50%溶血単位)
の中和に少なくとも10mgのタンパク質が必要である値と対応させて予測する
ことができる。C′H50単位の中和に少なくとも35mgのタンパク質を必要と
するのが好ましい。
被験者に投与されるIgAは典型的には血液又はその種々の分画から得られる
ので、潜在的汚染性病原体、例えばウイルスを排除又は不活化するように処理す
る必要がる。血液製剤中のウイルスを不活化する手順は、EP0159311号
及び米国特許出願第07/900,164号(該明細書の全文は本明細書に参照
として組込むものとする)
に開示されている。他のウイルス不活化法を用いてもよい。ウイルスの不活化に
より、IgA製剤がウイルスに関して安全となる。
上記のように、本発明のIgA製剤は、局所的又は全身的に投与し得る。従っ
て、IgA含有製剤は、経口、経鼻、静脈内、関節内、洞内、筋肉内、皮下、経
皮、直腸内又は当業者には公知の他の経路で投与し得る。
IgAは医薬上許容し得る担体と組み合わせるのが一般的である。そのような
担体には、水溶液、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL
SCIENCES,第15版.Easton:Mack Publishing
Co.1405−1412ページ及び1461−1487ページ(1975)並
びにTHE NATIONAL FORMULARY XIV,第14版.Wa
shington:American Pharmaceutical Ass
ociation(1975)(これらの文献の内容は、本明細書に参照として
組込むものとする)に記載のような、塩、保存剤、緩衝剤などを含む非毒性希釈
剤が含まれる。非水性溶媒の例としては、プロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール、植物油及びエチルオレエートの
ような注射可能な有機エステルがある。水性担体には、水、アルコール/水溶液
、塩溶液、非経口ビヒクル、例えば、塩化ナトリウム、リンゲルデキストロース
などが含まれる。静脈内ビヒクルには、流体及び栄養補充物が含まれる。保存剤
には、抗菌剤、酸化防止剤、キレート化剤及び不活性ガスが含まれる。結合組成
物の種々の成分のpH及び正確な濃度は、当業者により調整される。GOODM
AN AND GILMAN'S THE PHARMACOLOGICAL
BASIS FOR THERAPEUTICS(第7版)参照。
以下の実施例は、本発明を詳細に説明するためのものであり、いかなる点にお
いても本発明を限定するものではない。実施例I
.ヒト血清IgAの精製
血漿分画法により精製ヒト血清IgA製剤を調製した。先ず、IgAをEP0
506651号に従って大型血漿プールの血清コーン分画IIから精製した。次い
で、IgA濃厚製剤をさらに精製し、単純放射状免疫拡散法で検査して、95%
を超えるIgAを含み、検出可能なIgG又はIgMを含まない最終IgA産物
を得た。比較実験に用いるた
めのIgG製剤も同様に血清コーン分画IIから調製した(純度>97%)。
両方の免疫グロブリン製剤を凍結乾燥形態で4℃で貯蔵し、全ての実験を1ロ
ットのIgA又はIgG製剤を用いて行った。細胞培養に用いる直前に、免疫グ
ロブリン製剤を、市販のヒト血清アルブミン(Plasma Protein
Fraction Human 3.5% IMMUNO AG,Vienna
)1%を含む、ペニシリン(100IU/ml)、ストレプトマイシン(100
μg/ml)及びグルタミン(2mM,Gibco,Paisley,Scot
land)を補足したRPMI 1640培地(Flow Laborator
ies,Irvine,UK)(RPMT補足培地)に溶解した。この培地は、
「RPMI−HSA」として知られている。実施例II
.多量体IgAの調製
ヒト血清IgAをRPMI−HSA中20mg/mlの濃度に溶解し、63℃
で20分間加熱して凝集させた。次いで調製物を600×gで10分間遠心して
マクロ集塊を除去した。実施例III
.ヒト単球の単分子層の形成及びサイトカイン放
出の刺激
Bφyum A Scan.J.Clin.Lab.Invest.21(補
遺97):77(1968)の方法に従って、Lymphoprep(Nyeg
aard & Co.Oslo,Norway)上の浮遊密度勾配遠心法により
、健康なボランティアのヘパリン処理末梢血(1ミリリットル当たり7.5IU
の保存剤非含有ヘパリン)からヒト単核細胞(「MNC」)を分離した。分裂間
期からの細胞を吸引し、0.9%NaCl中で3回洗浄した。最終洗浄段階の後
、10%のプール・熱不活化(56℃で30分)ヒトAB血清又は10%の熱不
活化ウシ胎児血清(FKS,Flow Laboratories)を含むRP
MI補足培地(完全培地)中に細胞を1×106/mlの濃度で再懸濁した。
単球の単分子層を形成するために、MNC懸濁液の1ミリリットルアリコート
を24ウエル平底プラスチック組織培養プレート(Falcon 3047 M
ultiwell Tissue Culture Plate,Becton
Dickinson Labware,LincolnPark,NJ)にピ
ペット添加した。CO2インキュベ
ーター(湿潤空気中5%CO2)中37℃で90分間インキュベートした後、付
着単球の単分子層を塩水で3回洗浄して、非付着細胞を除去した。次いで、付着
細胞を完全培地中でさらに24時間インキュベートし、非特異的バックグラウン
ドサイトカイン産生を減少させた。次いで、細胞を0.15MのNaClで3回
洗浄し、細胞培養株に、熱不活化した封入Hib株Eagan(ストック 2×
109細菌/ml、最終濃度1×106細菌/ml)又は精製LPS(Sigma
Chemicals Co.,Sigma No L−2630から得た、フ
ェノール抽出によりE.coli血清型O111:B4から調製したリポ多糖体
、最終濃度1ng/ml)を加え、サイトカインの放出を誘発させた。Hib(
2×106/ml)又はLPS(2ng/ml)を含む500μlのRPMI−
HSAを、0.2〜20mg/mlの希釈範囲でRPMI−HSA中0.5ml
のIgA又はIgGと混合した。この混合物1mlを、付着単球を含む24ウエ
ルプラスチック組織培養プレートのウエルに加えた。選択実験においては、細菌
と免疫グロブリンの混合物を37℃で30分間予備インキュベートしてから、細
胞培養株に加えた。Hibのみ、IgA若
しくはIgGのみ、又は培地のみの存在下での単球培養株を対照とした。
細胞に、Hib及び免疫グロブリン又はHibのみを添加した後、付着単球の
単分子層をCO2インキュベーター中37℃で24時間インキュベートした。次
いで、細胞上清を吸引し、9000×gで3分間遠心して、汚染細胞物質を除去
した。サイトカイン含量を測定した。同じ日にサイトカイン含量の測定が出来な
かった場合には、上清をアリコートに分け、TNF−α及びIL−6濃度の測定
まで、−20℃で最長3日間冷凍保存した。
ウエル毎の付着細胞の数及びHibによる24時間刺激後の付着単球の純度を
測定するために、付着細胞を丁寧にはがした。次いで、細胞を遠心し、コールタ
ーカウンターで細胞数を測定した。4回の実験において、24時間のHib刺激
後に、1ウエル当たり1.0±0.3×105個の細胞(4回の測定の平均±S
EM)を回収することができた。細胞の生存率(トリパンブルー排除法により測
定)は、78±5.5%であった。直接免疫蛍光法におけるCD14特異的モノ
クローナル抗体(MO2,Coulter Immunology,Hiale
ah、FL)を用い
たフローサイトメトリーにより検査したところ、付着細胞は、86±4.9%の
単球を含んでいた。実施例IV
.Hibで予備処理した単球におけるサイトカイン放出検査
上記付着単球を24時間刺激する代わりに、IgA(10mg/ml)の存在
下にHib又はHibのみで3時間細胞を刺激した。次いで、単球の単分子層を
塩水で2回洗浄して、遊離Hibを除去し、次いで、IgA(10mg/ml)
を含む新鮮な培地又は新鮮なRPMI−HSAのみ(対照培地)中で細胞を21
時間培養した。次いで、単球上清を上記のようにして分取し、ELISAにより
サイトカイン濃度を測定した。実施例V
.単球上清におけるTNF−α、IL−6及びGM−CSFの測定
市販のELISAキット(TNF−α−EASIA及びIL−6−EASIA、
Medgenix Diagnostics,Fleurus,Belgiu
m及びQuantikine Human GM−CSF Immunoass
ay,R&D systems,Minneapolis,MN)を用い、TN
F−αの場合は1:30、IL−
6の場合は1:5又はGM−CSFの場合は1:2に希釈した単球上清中でTN
F−α、IL−6及びGM−CSFの濃度を測定した。TNF−α及びIL−6
アッセイに用いたそれぞれのサイトカインに特異的なモノクローナル抗体は、レ
セプター結合部位とは異なるサイトカイン分子上のエピトープと反応する非中和
抗体である。従って、これらのアッセイから得られる結果は、可溶性サイトカイ
ンレセプター又はインヒビターの存在に影響されてはならない。結果は、ELI
SAキットにより供給されるサイトカイン基準のlog形質転換濃度対それぞれ
のlog形質転換ELISA光学密度の線形回帰により誘導された標準曲線から
計算されるIL−6、TNF−α又はGM−CSFのpg/mlとして表す。
サイトカイン放出に対するIgA又はIgGの効果を評価するために、免疫グ
ロブリン誘発抑制を、免疫グロブリンの不在下にHibのみで刺激した細胞培養
株(100%陽性対照)で認められたサイトカイン放出に対する対照の百分率と
して、又は抑制%(即ち、100−対照の%)として表す。対照の%は次式に従
って計算した:
対照の%=(X−I)/(C−B)×100
〔ここで、Xは、実験試料(単球+免疫グロブリン+Hib又はLPS)のサイ
トカイン濃度であり、Iは、免疫グロブリンのみの存在下にインキュベートした
単球の上清中のサイトカイン濃度であり、Bは、バックグラウンドサイトカイン
放出(単球のみの培養株)であり、Cは免疫グロブリン無しでHib又はLPS
の存在下にインキュベートした単球(100%対照)から放出されたサイトカイ
ン濃度である〕。実施例VI
.ヒト単球におけるTNF−α及びIL−6の放出に対するIgAの効
果
ヒト単球は、Hibのようなグラム陰性菌によって誘発されると有意な量の炎
症性サイトカインを放出する。Hib誘発TNF−α及びIL−6放出に対する
IgAの効果を調べた。
先ず、ヒト単球を、24ウエルプラスチック組織培養プレート(1×106M
NC/ウエル/ml 完全培地)への付着により末梢血単核細胞から分離した。
付着単球を、指示濃度でヒト血清IgAを含むRPMI−HSA中、Hib(1
×106細菌/ml/ウエル)で24時間刺激した。対照ウエルは、Hibのみ
の存在下に培養した単球を含む
ものであった。24時間インキュベートした後、細胞を含まない上清中のTNF
−α及びIL−6の濃度をELISAにより測定した。結果をpg/ml(8回
の個別実験の平均±SEM)として表す。培地のみ中で培養した単球は、18±
9pg/mlのTNF−α及び61±50pg/mlのIL−6を含んでいた。
IgAのみを含む培養株中のバックグラウンドサイトカイン放出は、31±20
pg/ml(0.1mg/ml)であり、TNF−αは562±263pg/m
l(10mg/ml)、IL−6は、255±148及び121±82pg/m
lであった。
図1に示されているデータは、無血清条件(1%HSAを含むRPMI補足培
地中)下に、Hib(1×106細菌/ml)の存在下で単球をインキュベート
すると、有意なレベルのTNF−α(43198±6912pg/ml)及びI
L−6(10990±669pg/ml)の放出が誘発されたことを示している
。アスタリスク(「*」)は、IgA処理細胞と対照細胞との間に統計的に有意
な差があること(p<0.005、Mann−Whitney Uテスト)を示す
。
単球及びHibの培養株に0.1〜10mg/mlの最
終濃度でIgAを添加すると、両方のサイトカインの放出に用量依存性減少が見
られた(図1)。TNF−α放出のIgA媒介抑制は、3mg/mlで最大(抑
制%、8回の実験の平均±SEM:TNF−α 65±5)であり、Hibのみ
を含む培養株に比べて有意な差は、p=0.001636(Mann−Whit
ney Uテスト)であり、IgA濃度を10mg/mlに増大させてもそれ以
上増強されなかった。IL−6の放出に対するIgAの効果は、10mg/ml
で最大(81±5%の抑制率、p=0.000389)であったが、3mg/m
lでも、59±9%という統計的に有意な抑制率を認めることができた(p=0
.001161)。
サイトカイン放出のIgA媒介抑制は、培養株中の単球数の減少によるもので
も細胞生存率の減少によるものでもなかった。以下の表1に見られるように、培
養株にIgA(10mg/ml)を添加しても、ウエル当たりの単球数には何の
効果も与えなかった。細胞の生存率(トリパンブルー排除法により測定)も不変
であった(データは示さず)。これは、IgAが、当該サイトカインの産生及び
/又は放出に対して効果を有することを示している。
図2は、ヒト血清IgAが、ヒト単球におけるHib誘発TNF−α及びIL
−6の放出をダウンレギュレートするが、このモデルにおいてHib刺激後のG
M−CSF産生には何の効果も無いことを示している。先ず、図1の実験で説明
したように、IgA(10mg/ml)の存在又は不在下に、付着単球をHib
で24時間刺激した。ELISAにより、TNF−α,IL−6及びGM−CS
Fの濃度を測定し、結果をpg/ml(8回の個別実験の平均±SEM)として
示す。TNF−α及びIL−6のバック
グラウンドサイトカイン放出は図1の説明に記載されている。培地のみで培養し
た単球は、検出可能レベルのGM−CSFを放出しなかったが、8回の実験中2
回だけに、Hibを含まずIgA(100mg/ml)を含む培養株中に低バッ
クグラウンドGM−CSF放出(50pg/ml以下)が検出された。アスタリ
スク(「*」)は、IgA処理した細胞と対照細胞との間に統計的に有意な差(
p<0.005、Mann−Whitney U テスト)がないことを示す。
高濃度のIgA(10mg/ml)でさえHib刺激後のGM−CSF放出に
対して何の抑制効果も示さなかったのに対して、同一上清中で測定したTNF−
α及びIL−6の放出は有意に減少した。従って、TNF−α及びTL−6放出
のダウンモデュレーションは、Hibで刺激した後の単球のサイトカイン放出能
が全体的に減少したことによるものではなかった。
IgAの存在下の単球上清中で測定したTNF−α及びIL−6濃度の減少は
、サイトカイン検出の抑制によるものではなく、特定のサイトカインの放出の真
性ダウンレギュレーションによるものでった。以下の表2に示されてい
る結果は、最大25mg/mlのヒト血清IgA又はIgGをHib活性化単球
上清に添加しても、検出されたTNF−α及びIL−6の量には何ら有意な効果
を与えなかったが、これは、ELISAアッセイによりこれらのサイトカインを
測定した場合のIgA又はIgG抗体の可能な干渉をあり得ないものとすること
を示している。
さらに、TNF−α及びIL−6の放出において認められたIgAが媒介する
減少は、IgAを含む培養株中の高タンパク質濃度による人為的な結果ではなか
った。該培養株に等量のヒト血清アルブミン(HSA)を加えて20mg/ml
−HSAの最終濃度にしても、これらのサイトカインのHib誘発放出に何の効
果も与えなかった。結果は
以下の通りであった:TNF−αの放出、pg/ml〔対照の%〕:(i)HS
A 10mg/ml 18540±5678、HSA 20mg/ml 149
22±5040〔84±8%〕及び(ii)IL−6の放出、pg/ml:HS
A10mg/ml 2426±687、HSA 20mg/ml 2567±7
66〔109±10%〕(4回の実験の平均±SEM)。
Hib誘発TNF−α及びIL−6放出のIgA媒介抑制は、IgAとHib
の相互作用を助長させても増強されなかった。該データは、HibをIgA(1
0mg/ml)と共に予備インキュベートしても効果が増強されなかったことを
示した〔サイトカイン放出の抑制%、平均±SEM:(1)予備インキュベーシ
ョンせずに細胞にIgA(10mg/ml)及びHibを加えた場合(n=8)
:TNF−α 63±7、IL−673±11、並びに(2)細胞にHib及び
IgAを加える前にHibをIgAと共に37℃で30分間予備インキュベート
した場合(n=11):TNF−α 59±9、IL−6 51±18〕。
図3に示されている実験は、IgAが、可溶性刺激、即ち、E.coliから
精製されたLPSによる刺激に応答
してTNF−α及びIL−6の放出をもダウンレギュレートすることを示してい
る。先ず、付着単球を、ヒト血清IgA(0.1mg/ml〜10mg/ml)
を含むRPMI−HSA中、LPS(1ng/ml)で24時間刺激した。対照
ウエルは、単球とLPS、単球とIgA、又はRPMI−HSAのみ中で培養し
た単球を含んでいた。24時間インキュベートした後、ELISAにより無細胞
上清中でTNF−α及びIL−6の放出を測定した。図3に示されている結果は
、先に記載のように計算した(6回の実験の平均±SEM)対照サイトカインの
放出(IgAの不在下にLPSで刺激した単球により放出されたサイトカイン)
の百分率として表されている。LPSで刺激した対照細胞は、16657±55
36pg/mlのTNF−α及び1110±294pg/mlのIL−6を放出
した。IgA処理培養株と対照培養株とのサイトカインレベル(pg/ml)に
おける差のウィルコクソンマッチペア符号付き順位検定:p=0.029586
、**)p=0.018016。
図3の結果は、IgA媒介抑制の用量応答がTNF−α及びIL−6の放出に
比較し得るものであったことを示し
ている。実施例VII
.Hib誘発TNF−α及びIL−6放出に対する多量体IgAの効
果
図4のデータは、IgAが多量体形態で存在する場合にTNF−α放出に対す
るヒト血清IgAの免疫調節作用が有意に増強されることを示している。
健康な大人のボランティアの末梢血単核細胞からプラスチック表面に付着させ
て分離したヒト単球を24ウエルプラスチック組織プレート中で培養した。付着
単球をHib(1×106細菌/ml/ウエル)及び単量体又は熱凝集IgA(
最終濃度 10mg/ml)の存在下にインキュベートした。対照培養は、単球
及びHibのみで実施した。24時間後、無細胞上清を分取し、ELISAによ
りTNF−α及びIL−6の濃度を測定した。結果をpg/ml(6回の個別実
験の平均±SEM)として表す。
6回の実験で、非重合IgAはTNF−αの放出を48±9%だけ減少させた
のに対し、多量体(熱凝集させた)IgAにより誘発されたTNF−α放出の抑
制率は73±5%(平均±SEM、n=6、Mann−Whitney Uテス
トによる、非重合IgAによる抑制%に比べてp=0.
018686)であった。熱凝集だけでは、IL−6放出に対するIgAの抑制
効果は僅かしか増強されなかった(抑制%、平均±SEM:非重合IgA78±
8%、IgAポリマー89±3%)。実施例VIII
.IgA及びIgGを用いた抑制実験
図5は、IgAが、Hibで刺激後の付着単球によりTNF−α及びIL−6
放出を有意に減少させたが、同様な濃度で調べたIgGは、サイトカイン放出レ
ベルに何の効果も与えなかったことを示している。先ず、健康なボランティアの
末梢血からプラスチックに付着させて分離したヒト単球を、Hib(1×106
細菌/ml/ウエル)及びIgA又はIgG(最終濃度 10mg/ml)の存
在下に組織培養プレート(約1×105付着細菌/ウエル/ml)中で24時間
培養した。次いで、無細胞上清中のTNF−α及びIL−6のレベルをELIS
Aにより測定した。結果をpg/ml(8回の個別実験の平均±SEM)で表す
。
陽性対照としての免疫グロブリン無しでHibの存在下に培養した単球、及び
Hib無しで培地のみで培養した細胞を調べて、バックグラウンドサイトカイン
放出(TNF
−α 202±123pg/ml、IL−6 15±8pg/ml)を測定した
。IgG(10mg/ml)のみの存在下に培養した単球は、449±182p
g/mlのTNF−α及び9±5pg/mlのIL−6を放出した。IgA(1
0mg/ml)のみで処理した細胞の上清は、721±244pg/mlのTN
F−α及び6±2pg/mlのIL−6を含んでいた。Mann−Whitne
y Uテストを用い、IgA又はIgGの存在下でのサイトカインの放出とHi
bのみの存在下に培養した細胞との差を統計的に評価した:*p=0.0043
26、**p=0.001638。実施例IX
.IgA及びIgGとHibとの結合
IgGではなくIgAのみがHib誘発サイトカイン放出をダウンレギュレー
トするので、IgA及びIgG製剤とHibとの結合を調べた。先ず、Hibを
精製ヒト血清IgA又はIgGの対数倍希釈液と共にインキュベートし、IgA
及びIgG抗体の結合を間接免疫蛍光法により検出し、サイトフルオログラフで
評価した。培地対照は、FITC結合抗IgA又は抗IgG試薬のみでの細菌の
染色を表す。
図6に示されている代表的なFACSヒトスグラムにより、IgA抗体もIg
G抗体もHibに結合することが示され、半定量測定により、どちらの製剤も匹
敵し得る力価のHib特異抗体を含んでいたことが示されている。実施例X
.Hibで刺激した単球におけるサイトカイン誘発及びサイトカイン放
出に対するヒト血清IgAの効果
Hib誘発TNF−α及びIL−6の放出に対するIgAの抑制作用について
はいくつかの解釈が存在し得る。例えば、IgAは、Hibの単球表面膜への結
合を遮断することによりサイトカイン放出のHib誘発刺激を阻害し得る。それ
によって、サイトカイン放出レベルが減少する。IgAが媒介するHib誘発T
NF−α及びIL−6放出の減少は、Hib刺激単球におけるサイトカイン産生
及び/又はサイトカイン放出の真性ダウンレギュレーションの結果でもあり得る
。
IgAの抗炎症機構をさらに究明するために以下の実験を行った。24ウエル
プラスチック組織プレート(1×106MNC/ml/ウエル)に付着させて末
梢血単核細胞(「MNC」)からヒト単球を分離した。単球の単分子層
を、10mg/mlのIgAを含むRPMI−HSA中、Hib(1×106細
菌/ml/ウエル)で3時間刺激した。次いで、付着単球を2回洗浄してHib
を除去し、10mg/mlのヒト血清IgAを含む新鮮な培地(RPMI−HS
A)(Hib+IgA→IgA)中又は新鮮なRPMI−HSAのみ(Hib+
IgA→培地)中でさらに21時間インキュベートした。平行培養株をHibで
3時間刺激して洗浄し、その後の21時間のインキュベーション期間の間、10
mg/mlのIgAに暴露した(Hib→IgA)。3時間のHib刺激後21
時間インキュベートした後で、無細胞上清を分取し、ELISAによりTNF−
α及びIL−6の濃度を測定した。Hibで3時間刺激して洗浄し、次いでIg
Aを含まないRPMI−HSA(Hib→培地)中で21時間培養した対照細胞
は、4939±1588pg/mlのTNF−α及び1626±728pg/m
lのIL−6を放出した。IgA処理した細胞中のサイトカイン放出を、上記の
ように計算した対照サイトカイン放出の百分率として表す(4回の個別実験の平
均±SEM)。Hibで処理しないが、適切な培地変更を行い、IgA又は培地
のみに暴露した追加のウエルは、6
5±54(培地→IgA)〜113±38(IgA→IgA)pg/mlのTN
F−α及び8±8(IgA→培地)〜21±14(培地→IgA)pg/mlの
IL−6を含んでいた。
Hibで3時間刺激した直後に分取した上清は、極く微量のTNF−α(50
2±178pg/ml)及びIL−6(288±124pg/ml、3回の実験
の平均±SEM)しか含んでいなかったのに対し、Hibで3時間刺激した後2
1時間インキュベートした(刺激を徹底的に洗浄して除去した後)後で分取した
上清は、3385±463pg/mlのTNF−α及び1900±953pg/
mlのIL−6を含んでいたが、これは、Hibでの3時間刺激により誘発され
た総TNF−αの88±3%及び総IL−6の86±3%が刺激後21時間の間
に放出されることを示している。Hibで24時間連続刺激すると、3時間Hi
bで予備処理した単球の21時間培養株におけるこれらのサイトカインレベルに
比べて2〜3倍高いレベルのTNF−α(12849±2904pg/ml)及
びIL−6(4278±766pg/ml)が放出された。
図7に示されているように、Hibで3時間刺激した単
球は、Hibを徹底的に洗浄して除去した後、サイトカイン放出時間の間に該系
にIgA(10mg/ml)を加えると(Hib→IgA)、著しく低レベルの
TNF−α及びIL−6を放出した。さらに、Hibでの3時間刺激の間に細胞
培養株に加えたIgAも、IgA及び刺激を徹底的に洗浄して除去してから刺激
した後の21時間の間にTNF−α及びIL−6放出を減少させた(Hib+I
gA→培地)。
これらの結果は、IgAがサイトカイン産生の誘発及びサイトカイン放出のい
ずれをもダウンモデュレートすることを示している。サイトカイン誘発(最初の
3時間)及び刺激の不在下のサイトカイン放出(その後の21時間)のいずれの
間にもIgAが存在すると、TNF−α及びIL−6の放出に対する抑制効果が
最大となった(Hib+IgA→IgA)。
結論として、IgAは、粒状刺激Hibにより活性化されたヒト単球における
TNF−α及びIL−6の放出をダウンレギュレートする。TNF−α及びIL
−6の放出は、Hibでの単球の連続刺激時間中にIgAが存在すると、ダウン
レギュレートされる。IgAはさらに、サイトカイ
ン誘発中に存在すると、TNF−α及びIL−6の放出をも抑制する。さらに、
IgAは、サイトカイン産生の誘発後、サイトカイン放出中、さらに刺激を徹底
的に洗浄して除去した後でさえ、Hibで予備処理した単球に加えると抑制性と
なる。IgAがサイトカインの誘発及びサイトカインの放出のいずれの間にも存
在すると、TNF−α及びIL−6産生のIgA媒介ダウンレギュレーションは
最大になる。これは、IgAの炎症性反応に対する予防効果だけでなく、治療効
果をも強力に示している。しかし、上記に提案された態様のIgA効果について
の知識又は正確性は、本発明の実施には必要ではない。
本発明の好ましい実施態様を示す説明、表、図面及び特定の実施例は、例示の
ために示されており、本発明を限定するものではないことを理解されたい。本発
明の精神及び範囲内での種々の変更及び改変は本明細書に含まれている説明及び
データから当業者には明らかになるであろう。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1996年1月15日
【補正内容】
本発明の薬剤は、抗補体活性を含んでいてはならない。これは、重合IgG含
量を最小限に抑えることにより達成される。組成物の抗補体活性は、Kabat
及びMayer,EXPERIMENTAL IMMUNOCHEMISTRY
(Thomas,Springfield 1961)及びPublic He
alth Monograph第74号:STANDARADIZED DIA
GNOSTIC COMPLEMENT FIXATION METHOD A
ND ADOPTION TO MICROTEST(Washington,
1965)(第4章,Complement and Complement
Fixation)による方法で測定し、C′H50単位(50%溶血に必要な補
体の量と定義された50%溶血単位)の中和に少なくとも10mgのタンパク質
が必要である値と対応させて予測することができる。C′H50単位の中和に少な
くとも35mgのタンパク質を必要とするのが好ましい。
被験者に投与されるIgAは典型的には血液又はその種々の分画から得られる
ので、潜在的汚染性病原体、例えばウイルスを排除又は不活化するように処理す
る必要がある。血液製剤中のウイルスを不活化する手順は、EP01
59311号(該明細書の全文は本明細書に参照として組込むものとする)に開
示されている。他のウイルス不活化法を用いてもよい。ウイルスの不活化により
、IgA製剤がウイルスに関して安全となる。
上記のように、本発明のIgA製剤は、局所的又は全身的に投与し得る。従っ
て、IgA含有製剤は、経口、経鼻、静脈内、関節内、洞内、筋肉内、皮下、経
皮、直腸内又は当業者には公知の他の経路で投与し得る。実施例II
.多量体IgAの調製
ヒト血清IgAをRPMI−HSA中20mg/mlの濃度に溶解し、63℃
で20分間加熱して凝集させた。次いで調製物を600×gで10分間遠心して
マクロ集塊を除去した。実施例III
.ヒト単球の単分子層の調製及びサイトカイン放出の刺激
Bφyum A Scan.J.Clin.Lab.Invest.21(補
遺97):77(1968)の方法に
o.Oslo,Norway)上の浮遊密度勾配遠心法により、健康なボランテ
ィアのヘパリン処理末梢血(1ミリリットル当たり7.5IUの保存剤非含有ヘ
パリン)からヒト単核細胞(「MNC」)を分離した。分裂間期からの細胞を吸
引し、0.9%NaCl中で3回洗浄した。最終洗浄段階の後、10%のプール
・熱不活化(56℃で30分)ヒトAB血清又は10%の熱不活化ウシ胎児血清
(FKS,Flow Laboratories)を含むRPMI補足培地(完
全培地)中に細胞を1×106/mlの濃度で再懸濁した。
請求の範囲
1.炎症を予防する薬剤を製造するためのIgAを含む製剤の使用。
2.前記製剤がIgGを実質的に含まない、請求項1に記載の使用。
3.前記IgAが多量体IgAからなる、請求項1に記載の使用。
4.前記製剤が重合IgGを実質的に含まない、請求項3に記載の使用。
5.前記製剤が、抗生物質、消炎剤及び制酸薬からなる群から選択された化合物
を含む、請求項1に記載の使用。
6.炎症を治療又は軽減する薬剤を製造するためのIgAを含む製剤の使用。
7.前記製剤がIgGを実質的に含まない、請求項6に記載の使用。
8.前記IgAが多量体IgAからなる、請求項6に記載の使用。
9.前記製剤が重合IgGを実質的に含まない、請求項8に記載の使用。
10.前記製剤が、抗生物質、消炎剤及び制酸薬からなる群から選択された化合
物をさらに含む、請求項6に記載の使用。
11.医薬上許容し得る担体中にIgAを含む製剤、及び炎症を予防又は治療す
るIgAの投与についての使用説明書を含む抗炎症剤キット。
12.前記IgAが多量体IgAからなる、請求項11に記載の抗炎症剤キット
。
13.前記製剤が、抗生物質、消炎剤及び制酸薬からなる群から選択された化合
物をさらに含む、請求項11及び12に記載の抗炎症剤キット。
14.IgGを実質的に含まない多量体IgAからなる抗炎症製剤。
15.前記製剤がウイルスに関して安全である、請求項11に記載の抗炎症剤キ
ット。
16.免疫グロブリンの抗炎症活性を評価する方法であって:
無血清培地中、炎症性刺激及び前記免疫グロブリンの存在下に、単球、リンパ
球及び顆粒球からなる群から選択されたサイトカイン産生細胞をin vito
roインキュベ
ートする段階;及び
炎症性サイトカインの産生について前記インキュベーション段階の前記細胞を
評価する段階
からなる前記方法。
17.ワクチンを製造するためのIgA及び抗原の使用。
18.前記ワクチンがアジュバントをさらに含む、請求項17に記載の使用。
19.前記IgAが多量体IgAからなる、請求項17に記載の使用。
20.前記製剤がIgGを実質的に含まない、請求項19に記載の使用。
21.抗原及びIgAを含む予防接種用製剤。
22.前記IgAが多量体IgAからなる、請求項21に記載の予防接種用製剤
。
23.前記製剤がIgGを実質的に含まない、請求項21に記載の予防接種用製
剤。
24.アジュバントをさらに含む、請求項21に記載の予防接種用製剤。
25.免疫調節用薬剤を製造するための1gAを含む製剤の使用。
26.前記IgAが多量体IgAからなる、請求項25に記載の使用。
27.医薬上許容し得る担体中にIgAを含む製剤、及び免疫調節を実施するI
gAの投与についての使用説明書を含む免疫調節キット。
28.前記IgAが多量体IgAからなる、請求項27に記載の免疫調節キット
。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI
G01N 33/53 0276−2J G01N 33/53 P
(72)発明者 ライブル,ハインツ
オーストリア国、アー−1120・ビーン、キ
ニンゲルガツセ・12
(72)発明者 リンナウ,イエンドラ
オーストリア国、アー−1224・ビーン、ラ
ベンデルベツク・24
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.IgAを含む製剤を患者に予防的に投与する段階を含む炎症の予防法。 2.前記製剤が実質的にIgGを含まない、請求項1に記載の方法。 3.前記IgAが多量体IgAを含む、請求項1に記載の方法。 4.前記製剤が実質的に重合1gGを含まない、請求項3に記載の方法。 5.抗生物質、消炎剤及び制酸薬からなる群から選択された化合物を投与する段 階をさらに含む、請求項1に記載の方法。 6.炎症を起こしている患者に該炎症を改善するに十分な量のIgAを投与する 段階を含む治療法。 7.前記製剤が実質的にIgGを含まない、請求項6に記載の方法。 8.前記IgAが多量体IgAを含む、請求項6に記載の方法。 9.前記製剤が実質的に重合IgGを含まない、請求項8 に記載の方法。 10.抗生物質、消炎剤及び制酸薬からなる群から選択された化合物を投与する 段階をさらに含む、請求項6に記載の方法。 11.医薬上許容し得る担体中にIgAを含む製剤、及び炎症を予防又は治療す るためのIgAの投与についての使用説明書を含む抗炎症剤キット。 12.前記IgAが多量体IgAを含む、請求項11に記載の抗炎症剤キット。 13.前記製剤が、抗生物質、消炎剤及び制酸薬からなる群から選択された化合 物をさらに含む、請求項11に記載の抗炎症剤キット。 14.実質的にIgGを含まない多量体IgAを含む抗炎症製剤。 15.前記製剤がウイルス安全である、請求項11に記載の抗炎症剤キット。 16.テスト物質の抗炎症性を評価する方法であって、 炎症性刺激及び前記テスト物質の存在下にサイトカイン産生細胞をインキュベ ートする段階;及び サイトカインの産生について前記インキュベーション段 階の前記細胞を評価する段階 からなる前記方法。 17.IgA及び抗原を投与する段階を含む予防接種法。 18.アジュバントを投与する段階をさらに含む、請求項17に記載の予防接種 法。 19.前記IgAが多量体IgAを含む、請求項17に記載の予防接種法。 20.前記製剤が実質的にIgGを含まない、請求項19に記載の予防接種法。 21.抗原及びIgAを含む予防接種用製剤。 22.前記IgAが多量体IgAを含む、請求項21に記載の予防接種用製剤。 23.前記製剤が実質的にIgGを含まない、請求項21に記載の予防接種用製 剤。 24.アジュバントをさらに含む、請求項21に記載の予防接種用製剤。 25.IgAを含む製剤を免疫調節を要する患者に投与する段階を含む免疫調節 法。 26.前記IgAが多量体IgAを含む、請求項25に記載の方法。 27.医薬上許容し得る担体中にIgAを含む製剤、及び免疫調節するためのI gAの投与についての使用説明書を含む免疫調節キット。 28.前記IgAが多量体IgAを含む、請求項27に記載の免疫調節キット。
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