【発明の詳細な説明】
拡張可能なフラップを有する衛生ナプキン
発明の分野
本発明は、衛生ナプキン、パンティライナー、及び失禁者用パッド等の吸収物
品に関する。更に詳細には、本発明は、改良サイドフラップ形体又は側包囲要素
形体を有する衛生ナプキン等に関する。
発明の背景
衛生ナプキン、パンティライナー、及び失禁者用パッド等の吸収物品は、代表
的には、下着の股領域で着用する装置である。これらの装置は、人体から排出さ
れる液体及び他の排出物を吸収して保持し、身体や衣類を汚さないように設計さ
れている。衛生ナプキンは、女性が通常は着用者の脚部の間で身体の会陰領域と
隣接して位置決めされる一対のパンティで着用する種類の吸収物品である。
勿論、月経、尿、及び糞便といった身体の流体の吸収方法、及びこれらを吸収
するように形成された種々の吸収物品が周知である。ウィング又はフラップを有
する吸収物品、特定的には衛生ナプキン、は、文献に開示されており、商店で入
手できる。
一般的には、フラップは、中央吸収体手段から横方向に延び、股領域で着用者
のパンティの縁部の周りに折畳まれるようになっている。かくして、フラップは
、股領域で着用者のパンティの縁部と着用者の大腿との間に配置される。一般的
には、フラップには、フラップを着用者のパンティの下側に取り付けるための取
り付け手段が設けられている。
代表的には、上述の種類の現在販売されている使い捨て吸収物品は、延びない
材料でつくられている。即ち、材料及び物品自体が、着用時に吸収物品に通常加
わる力の作用で延びないのである。しかしながら、最近になって、快適さを高め
るため及び形体を着用者の身体及び下着と一致させるため、伸長性の吸収物品を
提供することに努力が注がれている。PCT公開公報第93/01785号及び
その対応する1992年7月23日に出願された米国特許出願第07/915,
133号(本願は、この出願の一部継続出願である)には、伸長性の吸収物品が
開示されている。
しかしながら、このような伸長性吸収物品用のサイドフラップを開発しようと
する場合には、特にこのような吸収物品及びフラップを着用者の下着の弾性側縁
部の大部分を覆うように形成する場合には、特別の問題点が生じる。これらの問
題点の幾つかは、全体に非伸長性の吸収物品で使用するためのフラップの開発に
も存在するということがわかっている。従って、このような吸収物品の特徴に対
する改善についての探究が続けられている。
かくして、伸長性の製品又は全体に非伸長性の製品で使用するのに適しており
、着用者の下着の周りに良好に折畳まれる改良側保護要素を有する、使用、製造
、包装、及び持ち運びが便利な衛生ナプキンのような吸収物品に対する必要が存
在する。
従って、本発明の目的は、伸長性の製品又は全体に非伸長性の製品で使用する
のに適しており、着用者の下着の周りに良好に折畳まれる改良側保護要素を有す
る、使用、製造、包装、及び持ち運びが便利な衛生ナプキンのような吸収物品を
提供することである。
本発明のこれらの目的及び他の目的は、添付図面を参照して以下の説明を読む
ことによって更に明らかになるであろう。
発明の概要
本発明は、衛生ナプキン、パンティライナー、又は失禁者用パッドといった吸
収物品を提供する。衛生ナプキンは、主長手方向中心線及び主横方向中心線を有
する。衛生ナプキンは、トップシート、バックシート、及び吸収体コアを有する
主本体部分を備えている。主本体部分は、第1端領域、第2端領域(又は「第2
領域」)、及びこれらの端領域間に配置された中央領域からなる。第1端領域及
び中央領域は、衛生ナプキンの第1領域を構成するものと考えることができる。
好ましい実施例では、衛生ナプキンは非対称形状であり、そのため、第2端領域
が第1端領域よりも大きい。着用者は、衛生ナプキンを、好ましくは第2端領域
が着用者の身体の後部に配置されるように、着用する。
衛生ナプキンは、着用者の下着の側縁部の周りに折畳むための一対の側延長部
を更に有する。側延長部には、好ましくは、衛生ナプキンを着用者のパンティに
置いて着用者がパンティを引き上げたときに着用者のパンティの弾性側縁部の周
りに自動的に折畳まれる側包囲要素(即ち「パンティカバー構成要素」)、又は
着用者が手でパンティに巻き付けるサイドフラップが含まれる。側延長部は、主
本体部分に接合されており、主本体部分の長手方向側縁部を越えて横方向外方に
延びる。側延長部形体は、伸長性又は非伸長性のいずれかの衛生ナプキンに設け
ることができる。衛生ナプキンには種々の改良側延長部形体が設けられる。一つ
の好ましい実施例では、側延長部は主本体部分の衣料に面する側に接合されてお
り、第1及び第2の領域を有する。第1領域は、実質的に主本体部分の長手方向
側縁部の横方向内方にあり、全体に長手方向に伸長性である。第2領域は、フラ
ップを延ばしたときに長手方向側縁部の少なくとも部分的に外方にあり、全体に
横方向に伸長性である。
側延長部には、同じ実施例又は別の実施例の第2の特徴を設けることができる
。側延長部は、長手方向に配向された接合部のところで主本体部分の衣料に面す
る側に接合されており、接合部から衛生ナプキンの主長手方向中心線に向かって
延びている。この特徴を備えた側延長部を折り目線のところで折り返し、折畳み
区分を形成する。側延長部は、側延長部の前記先端縁部が主長手方向中心線から
遠
ざかる方向で横方向外方に延びるように折畳まれる。側延長部は、力を側延長部
に加えて横方向外方に引っ張ったときに側延長部の折畳み区分を拡げて横方向に
延ばすことができるように、主本体部分の衣料に面する側に固定されていない。
第3実施例では、側延長部は少なくとも二つの伸長性ゾーンを有し、これらの
伸長性ゾーンのうちの少なくとも一方が側延長部の横方向中心線の各側に配置さ
れており且つ主本体部分の長手方向側縁部と隣接している。これらの伸長性ゾー
ンの伸長性は、少なくとも一方の伸長性ゾーンの伸長性が少なくとも一つの他方
の伸長性ゾーンの伸長性を少なくとも部分的に相殺するように方向が異なってお
り、そのため側延長部の全体としての伸長性は異なる伸長性ゾーンの伸長性の和
よりも小さい。
更に、衛生ナプキンには、性能の安定性、製造能力、又は便利の使用さを改善
する多くの他の特徴を備えることができる。例えば、滲出物の漏れを少なくし、
衛生ナプキンの安定性を改善するため、吸収体コアの中央領域にスリットを設け
、縁部に沿ってはスリットを設けないのがよい。別の例では、非伸長性の領域を
有する側延長部を伸長性の主本体部分を有する衛生ナプキンに効果的に接合でき
るようにする側延長部についての特徴を説明する。
図面の簡単な説明
本明細書は、本発明を形成するものと考えられる要旨を特定的に指摘し且つ明
瞭に特許請求する請求の範囲で終わるけれども、本発明は、以下の説明を添付図
面を参照して読むことによって更によく理解されるものと考えられる。
第1図は、伸長性の主本体部分を有する衛生ナプキンの一例の平面図である。
第2図は、第1図に示す衛生ナプキンの側面図である。
第3図は、第1図に示す衛生ナプキンの3−3線での概略断面図である。
第4図は、第1図に示す衛生ナプキンの、バックシートに付けた接着剤から剥
離紙を取り外した状態での底面図である。
第5図は、第1図乃至第4図に示す衛生ナプキンの使用時形体での斜視図であ
る。
第6図は、伸長性構成要素を有する従来形状の衛生ナプキンの伸長性を示す簡
略化した平面図である。
第7図は、衛生ナプキンに加えられた延伸力の大きさと、このような力に対す
る衛生ナプキンの延伸量との間の好ましい関係を示す表である。
第8図は、変形可能なネットワークを有するポリマーウェブ材料の好ましい実
施例の平面図(図面を見る人の方に変形部分が向けてある)である。
第9図は、第8図のポリマーウェブ材料の張力を加えていない状態での部分斜
視図である。
第10図は、第8図のポリマーウェブ材料の、第12図の力−伸び曲線の段階
Iに対応する張力が加えられた状態での部分斜視図である。
第11図は、第8図のポリマーウェブ材料の、第12図の力−伸び曲線の段階
IIに対応する張力が加えられた状態での部分斜視図である。
第12図は、第8図に示す変形可能なウェブ材料を、他の点では同じ平らなポ
リマーウェブベース材料と比較する%伸びに対する抵抗力を示すグラフである。
第13図は、トップシート及びバックシートが伸長性を付与する方法で互いに
機械的に結合された領域の拡大平面図である。
第14図は、衛生ナプキンに取り付けられてプリーツを備えた側包囲要素の一
方を形成する変形例の三日月形ウェブの平面図である。
第15図は、衛生ナプキンに取り付けて側包囲要素の一方を形成するリングロ
ール加工を施した変形例のウェブ材料の平面図である。
第16図は、長手方向に伸長性の第1領域及び全体に横方向に伸長性の第2領
域を備えた側延長部を有する本発明の衛生ナプキンの一つの好ましい実施例の平
面図である(明瞭化を図るため、バックシート及び側延長部に形成されるパター
ンの一部だけを示す)。
第17図は、第16図に示す衛生ナプキンの端面図である。
第18図は、第16図に示す衛生ナプキンの底面図である。
第19図は、本発明の衛生ナプキンに設けることができる幾つかの随意の特徴
を示す概略底面図である。
第19A図は、バックシートの長手方向中央領域だけに変形可能なネットワー
クが形成された変形例の衛生ナプキンの底面図である。
第20図は、タブ形状先端縁部を備えた側延長部を有する衛生ナプキンの一部
の底面図である。
第21図は、変形例の折畳み形体に形成された側延長部を有する衛生ナプキン
の平面図である。
第22図は、第21図に示す衛生ナプキンを二つの側延長部とともに示す端面
図である。
第23図は、変形例のタブ装置を備えた側延長部を有する衛生ナプキンの一部
を示す底面図である。
第23A図は、側延長部及びタブが使用前で折畳まれている第23図に示す衛
生ナプキンの部分の端面図である。
第23B図は、側延長部が一つの可能な使用時形体にある、第23図に示す衛
生ナプキンの部分の端面図である。
第24図は、反対方向に配向された伸長性成分を有する間隔が隔てられたゾー
ンが設けられ、側延長部の全体としての伸長性が前記伸長性ゾーンの伸長性の和
以下である、側延長部を有する衛生ナプキンの一部を示す底面図である。
第24A図は、複数のスリットを菱形形状のパターンに形成した側延長部を有
する衛生ナプキンの一部を示す底面図である。
第25図は、弛緩した材料又は余分な材料が先端縁部に沿って設けられた側延
長部を有する変形例の衛生ナプキンの一部を示す底面図である。
第26図は、衛生ナプキンをテーブルのような表面上に平らに拡げた場合の、
第25図に示す衛生ナプキンの先端縁部を示す側面図である。
第27図は、片持ち梁ドレープ試験機の斜視図である。
発明の詳細な説明
1.吸収物品のおおまかな特徴
第1図乃至第5図は、本発明の使い捨て吸収物品20の好ましい実施例を示す
。「吸収物品」という用語は、本明細書中で使用されているように、身体の滲出
物を吸収してこれを保持するための物品に関する。この用語は、更に特定的には
、身体から排出される種々の滲出物を吸収して包含するため、着用者の身体に当
てて又は着用者の身体の近くに置かれる物品に関する。「吸収物品」という用語
は、衛生ナプキン、パンティライナー、及び失禁者用パッド(及び衣料の股領域
で着用される他の物品)を含もうとするものである。「使い捨て」という用語は
、一回使用した後で廃棄されるようになっており、好ましくはリサイクル、堆肥
化、又は他の環境に適合した方法で処分されるようになっている。(即ち、洗濯
又は他の方法で吸収物品として再生されたり再使用されたりするようになってい
ない。)図示の好ましい実施例では、吸収物品は参照番号20を附した衛生ナプ
キンである。
「衛生ナプキン」という用語は、本明細書中で使用されているように、女性が
外陰部領域と隣接して着用する物品に関し、即ち身体から排出された種々の滲出
物(例えば、血液、月経、及び尿)を吸収して包含する物品に関する。しかしな
がら、本発明は、パンティライナーのような女性用の他の衛生パッド即ち月経パ
ッド、又は失禁者用パッド等の他の吸収物品にも適用できるということは理解さ
れるべきである。
衛生ナプキン20は、身体と接触する液体透過性の表面即ち「身体面」20A
及び液体不透過性の衣料面20Bの二つの表面を有する。衛生ナプキン20は第
1図にその身体面20Aから見た状態で示してある。身体面20Aは、着用者の
身体と隣接して着用されるようになっている。衛生ナプキン20の衣料面20B
(第2図参照)は、身体面の反対側にあり、衛生ナプキン20の着用時に着用者
の下着と隣接するように置かれる。
衛生ナプキン20は、主長手方向中心線L及び主横方向中心線Tの二つの中心
線を有する。「長手方向」という用語は、本明細書中で使用されているように、
衛生ナプキン20の着用時に直立している着用者を左側身体半部及び右側身体半
部に二分する垂直平面とほぼ整合(例えばほぼ平行)した衛生ナプキン20の平
面内の線、軸線、又は方向に関する。本明細書中で使用されている「横方向」と
いう用語は、長手方向に対してほぼ垂直な衛生ナプキン20の平面内の線、軸線
、又は方向に関する。衛生ナプキン20は、全体に主長手方向軸線Lの方向に延
びる長手方向、及び全体に主横方向中心線Tの方向に延びる横方向を有する。
第1図は、衛生ナプキン20を示し、この衛生ナプキンは、間隔が隔てられた
二つの長手方向縁部22、間隔が隔てられた二つの横方向縁部即ち端縁部(又は
「端部」)24、及び四つの隅部27を有し、これらは一緒になって、衛生ナプ
キン20の主本体部分21の周囲26を形成する。主本体部分21は、第1端領
域28及び第2端領域30の二つの端領域を更に有する。中央領域32は、端領
域28と30との間に配置されている。端領域28及び30は、中央領域32の
縁部から外方に主本体部分の長さの約1/8乃至約1/3延びている。中央領域
32及び二つの端領域28及び30の詳細な説明は、1987年9月1日にヒギ
ンズに付与された米国特許第4,690,680号に記載されている。衛生ナプ
キン20の長手方向中央領域23は、主長手方向中心線Lの少なくとも一部の所
定の長さに沿って配置されている(好ましくは、この中央に配置されている)。
衛生ナプキン20(又はその主本体部分)はどのような厚さでもよく、比較的
厚型でも比較的薄型でも非常に薄型でもよい。添付図面のうち、第1図、第2図
、及び第3図に示す衛生ナプキン20は、比較的薄型の衛生ナプキン(キャリパ
が約5mm又はそれ以下であり、好ましくは、約4mm又はそれ以下である)の一例
であり、好ましくは、「超薄型」衛生ナプキンである。しかしながら、これらの
図面を見ると、多数の材料層が示してあり、衛生ナプキン20を実際よりも厚型
に見せているということは理解されるべきである。オズボーンに付与された米国
特許第4,950,264号及び米国特許第5,009,653号に記載された
「超薄型」衛生ナプキンのキャリパは、約3mm以下である。図示の薄型衛生ナプ
キン20は、好ましくは比較的可撓性であり、そのため、着用者は快適に着用で
きる。
他の実施例では、衛生ナプキン20の長手方向中央領域23に吸収体ハンプ又
は種類の異なる盛り上がり領域又は構造を設けることによって、衛生ナプキン2
0の一部のキャリパを比較的大きくし、周囲領域25のキャリパを小さくするの
がよい。好ましくは、周囲領域、特に端領域のキャリパは上述の薄型衛生ナプキ
ンと同じであるか或いはそれ以下である。長手方向中央領域23は、第1図には
、衛生ナプキンの長手方向に延びる矩形のストリップとして示してあるが、盛り
上がり領域及びかくして長手方向中央領域は、多くの他の形状であってもよいと
いうことは理解されるべきである。
周囲領域25は、長手方向中央領域23の外側にある、吸収力が大きい衛生ナ
プキンの部分である。「外側」という用語は、主長手方向中心線Lと主横方向中
心線の交点から離れて位置決めされているということを意味する。周囲領域25
は、「長手方向側領域」(又は「側領域」)25と呼ぶことができる。これは、
周囲領域が、代表的には、盛り上がり領域の少なくとも横方向外方にあり、その
ため、盛り上がり領域及び衛生ナプキンの長手方向両側にあるためである(従っ
て、「長手方向側領域」なのである)。しかしながら、周囲領域25は、長手方
向(端領域28及び30の盛り上がり領域の端部の外側)、横方向、又はこれら
の両方向のいずれかで、長手方向中央領域23の外側にあるのがよい。
第3図は、本発明の衛生ナプキン20の個々の構成要素を示す。第3図に示す
衛生ナプキンは、全体に、少なくとも三つの主構成要素からなる。これらの構成
要素には、液体透過性のトップシート38、液体不透過性のバックシート40、
及びトップシート38とバックシート40との間に位置決めされた吸収体コア4
2が含まれる。第1図、第2図、及び第3図に示す好ましい実施例は、伸長性が
小さい要素(less extensible element)44を更に有し、この要素は、少なく
とも一部が中央領域32に位置決めされており、延伸に応じて変形する(好まし
くは、持ち上がって身体との接触を改善する)。
衛生ナプキンは、PCT公開公報第WO93/01785号及び第WO93/
01786号に記載された基本的な構成要素の幾つかを有するのがよく、好まし
くは、一つ又はそれ以上の伸長性構成要素を有し、更に好ましくは、全ての伸長
性構成要素を有し(伸長性が小さい要素を除く)、及びかくして全体に伸長性を
有する。衛生ナプキン20の伸長性を第6図に簡単に示す。「伸長性」という用
語は、本明細書中で使用されているように、x−y平面内での寸法の少なくとも
一つが増大できる物品に関する。x−y平面は、衛生ナプキン20の面とほぼ平
行な平面である。伸長性という用語は、延伸可能な物品及び弾性的に延伸可能な
物品(以下に定義する)を含む。第1図乃至第5図に示す衛生ナプキン20は、
好ましくは、長手方向及び幅方向の両方向で伸長性である。最も好ましい実施例
では、衛生ナプキンはx−y平面内の全ての方向で伸長性である。しかしながら
、衛生ナプキン20は、他の実施例では、全体に非伸長性であってもよいし、こ
れらの方向のうちの一方でだけ伸長性であってもよいし、或いは、長手方向と横
方向との間の同じ方向で伸長性であってもよい。好ましくは、衛生ナプキン20
は、少なくとも長手方向で伸長性である。
衛生ナプキン20は、幾つかの好ましい実施例では、伸長性であるばかりでな
く延伸可能である。「延伸可能」という用語は、本明細書中で使用されているよ
うに、物品に延伸力を加えたときに伸長でき、延伸に対して或る程度の抵抗を示
す物品に関する。更に好ましくは、衛生ナプキン20は弾性的に延伸可能である
。「弾性的に延伸可能」又は「弾性的に伸長可能(伸長性)」という用語は、同
義語である。これらの用語は、本明細書中で使用されているように、延伸力を取
り除いたときに、衛生ナプキンがその伸長されていない即ち延伸されていない状
態(即ち「元の」寸法)に向かって戻る傾向があるということを意味する。衛生
ナプキン20は、必ずしもその延伸されていない寸法に戻る必要はないが、第6
図に示すように、その延伸されていない寸法Lu及びWuと伸長された寸法(即ち
延伸された寸法)Ls及びWsとの間の弛緩した寸法(LR及びWR)に戻る。衛生
ナプキンを弾性的に延伸可能にすることによって、着用者のパンティが収縮した
場合のように衛生ナプキンを延伸させる力を取り除かれたとき、衛生ナプキンを
長手方向内方に皺寄せする(即ち長手方向に隆起部を形成し液が溜まり易くなる
)という衛生ナプキンの望ましからぬ傾向を小さくする。
第1図乃至第5図に示す衛生ナプキン20の実施例は、好ましくは、PCT公
開公報第WO93/01785号及び第WO93/01786号に記載された量
だけ伸長性である。簡単に述べると、衛生ナプキンは、好ましくは、一対のパン
ティで衛生ナプキンを着用した場合と関連した力が加わった状態で、約5%乃至
約50%以下まで、更に好ましくは、約10%乃至約40%、最も好ましくは、
約25%乃至約40%伸長できる。好ましくは、衛生ナプキンは、約50g−1
00g乃至約1000g−1500g、更に好ましくは、約250g乃至約80
0gの力が加わった状態でこのように伸長できる。伸長性の他の好ましい量は、
表1(第7図)に記載してある。更に、本発明の衛生ナプキンには、衛生ナプキ
ンに加わえられる力の量を実質的に増大させることなく、一定量以上延びないよ
うにする「力壁」を提供する構造を含む、上掲の公開公報に記載された衛生ナプ
キンの他の特徴のうちの任意の特徴を備えることができる。
本明細書中に詳細に説明した幾つかの特に好ましい実施例では、衛生ナプキン
20の種々の実施例は、上述の最も広い範囲の下端の力(例えば、約100g乃
至200gの範囲内の力)が加わった状態での伸長量を小さくすることができる
。例えば、このような実施例では、衛生ナプキンは、好ましくは、100gの力
で約2.5%、更に好ましくは、約3%延びることができ、更に好ましくは、2
00gの力で約7.5%延びることができる。小さな力が加わった状態での伸長
量がこのように小さい吸収物品では、約5%の伸びといった低い伸びで力壁が発
生するが、伸びは、最大約50%の伸びまで起こる。
更に、本発明の伸長性の衛生ナプキン(又は他の吸収物品)の実施例では、衛
生ナプキンは、好ましくは、着用者のパンティ(又は他の下着)と同じ力が加わ
ったとき、少なくともこれと同じ量伸長でき、その結果、パンティが衛生ナプキ
ンの伸長性を着用中に制御する。換言すると、衛生ナプキンの弾性率は、好まし
くは、衛生ナプキンが配置された下着の弾性率と同じであるか或いはそれ以下で
ある。例えば、下着が約5%(又は約10%)伸びるのに所定の力が必要とされ
、衛生ナプキン(即ち衛生ナプキンの主本体部分)は、同じ量伸びるのに、下着
を伸ばすのに必要とされた力の約1.2倍と等しいか或いはそれ以下の所定の力
を必要とし、好ましくは、下着を伸ばすのに必要とされた力の約1倍と等しいか
或いはそれ以下の所定の力を必要とする。代表的な女性用北米型パンティの股領
域を(その最も狭幅の箇所で)横方向に伸ばすのに必要な力は、約135g/cmで
ある。衛生ナプキンの第2端領域が存在するこのようなパンティのバックパネル
の部分を長手方向に伸ばすのに必要な力は、約165g/cmである。北米型綿製パ
ンティのパンティ弾性体を伸ばすための力は、53.15g/cm(約135g/イ
ンチ)である。他の種類のパンティ又は下着についての弾性力は、これよりも幾
分
大きい。本発明の衛生ナプキンの主本体部分は、好ましくは、このような力で伸
ばすことができるため、消費者は、主本体部分を壊さないでナプキンの吸収面積
を少なくとも約5%大きくするために手で伸ばすことができる。
衛生ナプキンの伸長性に関する幾つかの追加の事項に言及する。本明細書中で
言及した伸長性は、吸収物品を単に皺付けしたり拡げたりすること、並びに弾性
(又は他の手段)によって湾曲された製品を真っ直ぐにすることとは異なり、こ
のような作用による伸長は、吸収物品をx−y平面内で伸長させるものとは考え
られない。更に、伸長性の部分又は領域及び比較的非伸長性の部分又は領域を吸
収物品に設けることは、本発明の範疇にある。所望であれば、吸収物品のこのよ
うな部分の性質が本明細書中に特定した範囲及び限度内にある場合には、上述の
範囲及び限度を吸収物品の部分に等しく適用でき、添付の請求の範囲にそのよう
に記載できる。
本発明の衛生ナプキン(又は他の種類の吸収物品)は、好ましくは、1994
年2月4日にオズボーン等の名で出願された「吸収物品」という標題の米国特許
出願第08/192,240号、及び1995年2月2日に出願された、この出
願の一部継続出願(番号が未だ付けられていない)に記載された他の性質を更に
有する。これらの特許出願について触れたことにより、これらの特許出願に開示
されている内容は本明細書中に組み入れたものとする。これらの他の性質には、
吸収物品の大きさ及び形状、身体との接触(例えばリフト)、エリアカバリッジ
、ドレープ性及び可撓性、圧縮力に対する応答性、レジリエンス、隆起部の湿潤
回復性、及び試験容量及び総容量が含まれるが、これらに限定されない。しかし
ながら、衛生ナプキンは、本明細書中に組み込んだ特許の吸収物品について説明
された種々の性質を有するのがよい。
2.衛生ナプキンの個々の構成要素及びこれらの構成要素からなるアッセンブリ
本発明の衛生ナプキン20の種々の実施例に適した個々の構成要素を、第1図
、
第2図、及び第3図に示す一つの好ましい実施例を参照して詳細に説明する。
A.トップシート
トップシート38は、液体透過性の第1構成要素を形成する。衛生ナプキン2
0の使用中、トップシート38は、使用者の皮膚の直ぐ近くにある。トップシー
ト38は、このトップシートが使用される吸収物品の種類に応じて伸長性であっ
てもよいし、非伸長性であってもよい。第1図乃至第5図に示す実施例で使用さ
れたトップシート38は、好ましくは、伸長性であり、更に好ましくは、弾性的
に伸長でき、着用者の皮膚に対し、できるだけ、柔軟であり且つ軟らかな触感を
提供し、刺激がない。トップシート38は、更に、良好な浸み通し性を有し、再
湿潤の傾向が小さく、身体の滲出物を迅速に通してコア42に向かって流すが、
このような排出物をトップシート38を通して着用者の皮膚に逆流させることが
ない。
トップシート38は、身体に面する側38A及び衣料に面する側(コアに面す
る側)38Bの二つの側(又は面又は表面)を有する。トップシート38の身体
に面する側38Aは、衛生ナプキン20の身体と接触する表面(「身体面」)2
0Aの少なくとも一部を形成する。トップシート38は、二つの長手方向縁部3
8C及び二つの端縁部38Dを有する。(衛生ナプキンの他の構成要素にも同様
の方法で参照番号が附してある。即ち、着用者の身体に面する構成要素の側部に
は、構成要素の参照番号と参照符号「A」が附してある。着用者の下着に面する
側部には、構成要素の参照番号と参照符号「B」が附してある。側縁部及び端縁
部には、構成要素の参照番号と参照符号「C」及び「D」が夫々附してある。)
適当なトップシート38は、織布材料及び不織布材料、有孔成形熱可塑性フィ
ルム、有孔プラスチックフィルム、ヒドロフォームドフィルム、多孔質フォーム
、網状フォーム、網状熱可塑性フィルム、及び熱可塑性スクリムを含むがこれら
に限定されない広範な材料から製造できる。適当な織布材料及び不織布材料は、
天
然繊維(例えば、木材繊維又は綿繊維)、合成繊維又は改質天然繊維(例えば、
ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、及びポリエチレン繊維、又はポリビニ
ルアルコール繊維、スターチを基材とした樹脂でできた繊維、ポリウレタン繊維
、セルロースエステル繊維、ナイロン繊維、及びレーヨン繊維のようなポリマー
繊維)、又は天然繊維と合成繊維の混紡からつくることができる。トップシート
38が不織布ウェブでできている場合には、ウェブには、スパンボンディング処
理、カーディング処理、湿式堆積処理、溶融吹付け処理、ヒドロエンタングルド
処理、これらの処理の組み合わせ、等を加えられているのがよい。
一般的には、トップシート38には、有孔フィルムが好ましい。これは、有孔
フィルムが液体透過性であり、適正に孔が設けられている場合には、液体を逆流
させる傾向が小さく、着用者の皮膚を再湿潤させる傾向が小さいためである。適
当な有孔フィルムは、1975年12月30日にトンプソンに付与された米国特
許第3,929,135号、1982年4月13日にミュラン等に付与された米
国特許第4,324,426号、1982年4月3日にラデル等に付与された米
国特許第4,342,314号、1984年7月31日にアー等に付与された米
国特許第4,463,045号、及び1991年4月9日にベイアードに付与さ
れた米国特許第5,006,394号に記載されている。イリノイ州テルホイテ
のトレッデガー社が販売しているX−3265型有孔成形フィルム又はP155
2型有孔成形フィルムでできたトップシート38が優れているということがわか
っている。
トップシート38は、プリーツ付け、波形付け、又はリングロール加工といっ
た機械的作業をトップシートの材料に施し、トップシートを延ばしたときに開く
ことができる折り目をトップシートに付けることによって、伸長性にすることが
できる。このようなプロセスは、上述のトップシート材料の多くに行うことがで
きる。本発明の一つの好ましい実施例では、トップシート38は米国特許第4,
465,045号に従って製造され、リングロール加工を施して或る程度の長手
方向伸長性を付与する。このようなトップシートは、1992年8月25日にジ
ョンJ.カルロ等の名で出願された「かなり大きな弾性をウェブに付与する変形
区分を有するポリマーウェブ」という標題の米国特許出願第07/936,19
5号に記載されている。
リングロール加工を施す即ち「予め波形を付ける」ための適当なプロセスは、
1978年8月15日にシソンに付与された米国特許第4,107,364号、
1989年5月30日にサビーに付与された米国特許第4,834,741号、
1992年9月1日にジェラルドM.ウェーバー等に付与された米国特許第5,
143,679号、1992年10月20日にケネスB.ブエル等に付与された
米国特許第5,156,793号、及び1992年12月1日にジェラルドM.
ウェーバー等に付与された米国特許第5,167,897号に記載されている。
リングロール加工を施したトップシートの波形の折り目線は、好ましくは、ト
ップシートが長手方向に伸長性であるように、少なくとも横方向に伸びている。
他の実施例では、折り目線は、長手方向に延びていてもよいし、両方向に延びて
いてもよいし、他の方向に延びていてもよい。トップシート38は、折り目線に
対して垂直方向に伸長性である。
第1図乃至第5図に示す特に好ましい実施例では、トップシート38は、弾性
材料を加えなくても弾性体様挙動を示す変形可能なネットワークを有する有孔ウ
ェブからなる。このような変形可能なネットワークを有するウェブ材料を、本明
細書中、「変形可能な有孔ウェブ材料」と呼び、又は簡単に「変形可能なウェブ
材料」と呼び、或いは、単に、「ウェブ材料」と呼ぶ。(変形可能なウェブ材料
及びウェブ材料という用語には、有孔ウェブ材料及び非有孔ウェブ材料が含まれ
るということに着目されたい。)この種の材料を、本明細書中、構造的弾性体様
フィルム(structural elastic-like film)又は「SELF」材料と呼ぶ。
変形可能な有孔ウェブ材料は、好ましい実施例では、ラデル等及びアー等に付
与された上述の特許に従って形成したフィルムのような有孔成形ポリマーフィル
ムからなる。一つの非常に好ましい実施例では、トップシートの開始材料は、吸
収体構成要素がトップシートの衣料に面する側に一体に形成された有孔フィルム
からなる。このフィルムは、以下の2Eの章に記載した任意の種類の材料からつ
くることができる。変形可能なネットワークを備えた材料の以下の説明は、有孔
材料及び非有孔材料の両方に適用できる。これは、SELF技術がバックシート
用の好ましい構成要素を形成する上でも有用であるためである。衛生ナプキンの
他の構成要素を理解する上で明瞭化を図るため、トップシート38の一部だけを
第1図にSELFとして示す。
変形可能なウェブ材料は、着用時に衛生ナプキンに通常加わる力が作用した状
態での伸長性が比較的低いベース材料でつくることができる。しかしながら、本
明細書中に説明したように付形を施して変形可能なウェブ材料にしたとき、かく
して付形したベース材料は、これらの力の作用で伸長できる。更に、変形可能な
ウェブ材料は、特定の予め選択された伸び及び力で「力壁」を形成する構造に付
形できる。変形可能なウェブ材料は、好ましくは、実質的に、線状低密度ポリエ
チレン(LLDPE)でできている。更に、変形可能なウェブ材料は、低密度ポ
リエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、高密度ポリエ
チレン(HDPE)を含むポリエチレンのような他のポリオレフィン、又はポリ
プロピレン及びポリプロピレンと上述の材料及び他の材料との混合物からつくる
ことができる。使用できる他の適当なポリマー材料の例には、ポリエステル、ポ
リウレタン、堆肥化可能な即ち生分解性のポリマー、熱収縮性ポリマー、熱可塑
性エラストマー、及び通気性ポリマー構造が含まれるがこれらに限定されない。
変形可能なウェブ材料60を第8図及び第9図に示す。簡単にするため、これ
らの図には孔は示してない。第8図及び第9図は、変形可能なウェブ材料60を
張力が実質的に作用していない状態で示してある。変形可能なウェブ材料は、下
文において軸線又は方向「1」と呼ぶ長手方向中心線、及び下文において軸線又
は方向「t」と呼ぶ横方向中心線の二つの中心線を有する。横方向中心線「t」
は、長手方向中心線「1」に対してほぼ垂直である。好ましい実施例では、変形
可能なウェブ材料の長手方向中心線1は、衛生ナプキンの主長手方向中心線Lと
整合している。しかしながら、別の実施例では、所望の伸長性方向に応じて、ウ
ェブ材料の長手方向中心線1を他の方向に配向できる。
第8図及び第9図に示すように、変形可能なウェブ材料60は、異なる類似し
ていない領域からなる「変形可能なネットワーク」を含む。本明細書中で使用し
たように、「変形可能なネットワーク」という用語は、或る有用な程度にまで所
定方向に伸長させることができ、抵抗力が比較的低い弾性体様の段階及び抵抗力
が比較的高い段階を変形可能なウェブ材料に提供する、相互連結され且つ相互関
連した領域群に関する。変形可能なネットワークは、少なくとも、第1領域64
及び第2領域66を含む。第1及び第2の領域の各々は、第1表面及び第1表面
の反対側の第2表面を有する。第8図及び第9図に示す好ましい実施例では、変
形可能なネットワークは、複数の第1領域64及び複数の第2領域66を含む。
第1領域64は、第1軸線68及び第2軸線69を有し、第1軸線68は、好ま
しくは、第2軸線69よりも長い。第1領域64の第1軸線68は、変形可能な
ウェブ材料60の長手方向軸線1と実質的に平行であり、第2軸線69は変形可
能なウェブ材料60の横方向軸線tと実質的に平行である。第2領域66は、第
1軸線70及び第2軸線71を有する。第1軸線70は、変形可能なウェブ材料
の長手方向軸線と実質的に平行であり、第2軸線71は変形可能なウェブ材料の
横方向軸線と実質的に平行である。第8図の好ましい実施例では、第1領域64
及び第2領域66は実質的に直線状であり、変形可能なウェブ材料の長手方向軸
線と実質的に平行な方向に連続的に延びる。
変形可能なネットワークの第1領域64は、弾性率E1及び断面積A1を有す
る。変形可能なネットワークの第2領域66は、弾性率E2及び断面積A2を有
する。
好ましい実施例では、所定の軸線と実質的に平行な所定方向に軸線方向延びを
加えたとき、変形可能なウェブ材料全体が、このような軸線に沿って、制御され
た抵抗力を示すように、変形可能なウェブ材料60の一部に「付形」が施されて
いる。図示の実施例の場合には、所定の軸線は、ウェブ材料の長手方向軸線と実
質的に平行である。本明細書中で使用するように、「付形」という用語は、所望
の構造又は幾何学的形状をウェブ材料につくりだすことに関し、ウェブ材料は、
外部から伸び又は力が加えられていない場合には、所望の構造又は幾何学的形状
を実質的に保持する。本明細書中で使用されているように、「付形部分」という
用語は、所望の構造又は幾何学的形状を有する変形可能なネットワークの材料の
部分に関する。本明細書中に説明した変形可能なウェブ材料のような材料を付形
するための適当な方法には、互いに噛み合うプレート又はロールを用いたエンボ
ス加工、熱成形、高圧油圧成形、又は流延が含まれるが、これらの方法に限定さ
れない。
本発明で使用されるウェブ材料は、隣接した「異なる」即ち「類似していない
」領域でできた変形可能なネットワークからなり、変形可能なネットワークは、
少なくとも、第1領域及び第2領域を含み、第1領域の「表面行路長(surface-
pathlength)」は、第2領域よりも短い。表面行路長は、材料に張力が加わって
いない状態で所定の軸線と平行に計測する。本明細書中で使用されているように
、「表面行路長」という用語は、問題の領域の地形学的表面即ちトポグラフ面に
沿って所定の軸線と平行な所定の方向に計測した計測値に関する。本明細書中で
使用されているように、「異なる」即ち「類似していない」という用語は、領域
に関する場合、ウェブ材料に張力が加わっていないとき、所定の軸線と平行に計
測
した場合にはっきりと異なる表面行路長を有する変形可能なネットワーク内の領
域に関する。
第8図及び第9図に示す好ましい実施例では、第1領域64は、実質的に平ら
な領域からなる。即ち、第1領域64内の材料は、変形可能なウェブ材料に加え
られた付形工程の前後で実質的に同じ状態にある。第2領域66は、複数の連続
した相互連結されていない変形部分74を含み、これらの変形部分は、第1領域
64の第1表面及び第2表面(夫々64A及び64Bである)の両方の平面を交
互に越えて延びている。他の実施例では、変形部分74は、第1領域の第1表面
又は第2表面のいずれか一方の平面を越えて延びる。
変形部分74は、ウェブ材料の横方向軸線と実質的に平行な第1軸線76及び
変形可能なウェブ材料の長手方向軸線と実質的に平行な第2軸線77を有する。
変形部分74の第1軸線76は、第2軸線77と少なくとも等しく、好ましくは
、第2軸線77よりも長い。本発明の衛生ナプキン20で使用する変形可能なウ
ェブ材料の伸び挙動に対する二段抵抗力の性質を高めるため、第1軸線76の第
2軸線77に対する比は、少なくとも1:1であり、好ましくは少なくとも2:
1又はそれ以上である。一般的には、この比が大きければ大きい程、ウェブ材料
の伸びに対する二段抵抗力の性質がはっきりする。
第1領域64及び第2領域66の各々は、「投影行路長」を有する。本明細書
中で使用されているように、「投影行路長」という用語は、変形可能なウェブ材
料60の所定の軸線に対して平行に(即ち長手方向軸線と平行に)計測した、ウ
ェブ材料の表面に対して垂直方向に見たときの領域の長さに関する。第1領域6
4の投影行路長及び第2領域66の投影行路長は互いに等しい。
しかしながら、第1領域64の表面行路長L1は、ウェブ材料に張力が加わっ
ていない状態でウェブ材料の長手方向軸線に対してトポグラフ的に平行に計測し
た場合の第2領域66の表面行路長L2よりも短い。変形可能なウェブ材料60
の伸び挙動特性に対する二段抵抗力を大きくするため、第2領域66の表面行路
長は、第1領域の表面行路長よりも少なくとも約15%大きく、更に好ましくは
、第1領域の表面行路長よりも少なくとも約30%大きく、最も好ましくは、第
1領域の表面行路長よりも少なくとも約70%大きい。
ウェブ材料60の変形「ポアソン横方向収縮効果」は、付形が施されていない
ということ以外は同じである従来技術のウェブ材料のポアソン横方向収縮効果よ
りもかなり小さい。本明細書中で使用されているように、「ポアソン横方向収縮
効果」は、伸びが加えられた材料の横方向収縮挙動を説明する。好ましくは、本
発明のウェブ材料のポアソン横方向収縮効果は、ウェブに約20%の伸びを加え
たとき、約0.4以下である。好ましくは、ウェブ材料のポアソン横方向収縮効
果は、ウェブ材料に約40%又は50%の伸びを加えたとき、約0.4以下であ
り、60%の伸びを加えた場合でも約0.4以下である。更に好ましくは、ポア
ソン横方向収縮効果は、ウェブ材料に約20%、40%、50%、又は60%の
伸びを加えたとき、約0.3以下である。
変形可能なウェブ材料について、矢印80で示す加えられた軸線方向伸びの方
向は、変形部分74の第1軸線76に対して実質的に垂直である。(軸線方向伸
びの量は、距離Dである。)変形部分74が第1軸線76に対して実質的に垂直
な所定方向に延びることができるため、軸線方向伸びを加えて変形可能なウェブ
材料を延ばす方向もまた変形部分74の第1軸線方向76に対して実質的に垂直
である。
矢印80で示す軸線方向伸びが加えられる方向は変形部分74の第1軸線76
に対して実質的に垂直であるが、加えられた軸線方向伸びの長手方向成分により
、変形可能なウェブ材料を加えられた軸線方向伸びの方向に延ばす。
第12図は、本発明の付形ポリマーウェブ材料の抵抗力−伸び曲線720を、
ウェブ材料を形成する平らなベースポリマーフィルムについての同様の曲線とと
もに示すグラフである。次に力−伸び曲線720参照すると、この曲線には、最
初の実質的に線形の、伸びに対する力が小さい参照番号720aを附した段階I
、参照番号720bを附した移行ゾーン、伸び挙動に対する力がかなり大きく、
これを越えるとウェブ材料に追加の永久変形を生じる抵抗力壁に対応することを
示す参照番号720cを附した実質的に線形の段階IIがある。
第12図でわかるように、変形可能なネットワークを有する付形ウェブ材料は
、ウェブ材料の長手方向軸線と平行な方向に伸びを加えたとき、制御された多段
階挙動を示す。加えられた伸びに対する抵抗力は、こうした挙動を示さない曲線
710と比較すると、曲線720の段階I(720a)と段階II(720c)と
の間でかなり異なる。次に、第10図を参照する。第8図に矢印80で示す軸線
方向伸びをウェブ材料に加えると、加えられた伸びに対する最初の抵抗力P1の
大部分を表面行路長L1が短い第1領域64が提供する。これが段階Iに対応す
る。段階Iにあるとき、第2領域66の変形部分74の大部分は、加えられた伸
びの平面の外にあり、加えられた延びに対して最少の抵抗を提供する。段階Iと
段階IIとの間の移行ゾーンでは、変形部分74が加えられた延びと整合する。段
階IIでは、第11図でわかるように、第2領域66の変形部分74が加えられた
延びの平面と実質的に整合し、これ以上の伸びに対して抵抗し始める。このとき
、第2領域66は、これ以上の伸びに対する第2の抵抗力P2に寄与する。伸び
に対する第1及び第2の伸びが全抵抗力PTを提供する。この値は、第1領域6
4が提供する抵抗力よりも大きい。従って、段階IIでの力−伸び曲線の全体的な
傾斜は、段階Iの力−伸び曲線の全体としての傾斜よりもかなり大きいという力
壁の特徴を表す。
抵抗力P1は、(L1+D)がL2以下である場合には、抵抗力P2よりもか
なり大きい。(L1+D)がL2以下である場合には、第1領域64は以下の等
式を満たす初期抵抗力P1を提供する。
(L1+D)がL2以上である場合には、第1及び第2の領域は、加えられた
延びDに対し、全体に以下の等式を満たす組み合わせ全抵抗力PTを提供する。
段階Iにウェブ材料の「有効な延伸範囲」があると考えられる場合に最大伸び
が起こる。有効延伸範囲は、力−伸び曲線720を検査することによって効果的
に決定でき、段階Iと段階IIとの間の移行ゾーン内の変曲点が存在するおおよそ
の場所が、「有効な延伸範囲」の%伸び点である。有効な延伸範囲は、約10%
乃至100%変化させることができ、多くの場合、この弾性体様応答範囲が使い
捨て吸収物品で重要であり、第2領域66の表面行路長L2が第1領域64の表
面行路長L1をどれ程大きく越えているかの程度及びベースフィルムの性質によ
って、大きく変化させることができる。ベースフィルムでは、ウェブ60の%伸
びと等しい%伸びを得るのにかなり大きな力を必要とする。おおよその程度は、
張力が加えられていない状態で行路長L1及びL2を調節することによって所望
の通りに制御できる。段階Iの力−伸び挙動は、第1領域64の幅、厚さ、及び
間隔、及びベースフィルムの性質を調節することによって制御できる。
第8図のウェブ材料に加えられた延びを加えたとき、ウェブ材料は、加えられ
た延びの方向に延びるときに弾性体様挙動を示し、加えられた延びをひとたび除
去すると、降伏点を越えていない限り、実質的に張力が加えられていない状態に
収縮する。ウェブ材料は、実質的に回復するその性能を損なうことなく、加えら
れた延びを多数回加えることができる。従って、ウェブ材料は加えられた延び又
は力がひとたび取り除かれると、その実質的に張力が加えられていない状態にま
で収縮できる。
ウェブ材料は、加えられた軸線方向延びの方向に、変形部分74の第1軸線方
向に対して実質的に垂直な方向に容易に且つ可逆的に延ばすことができるが、ウ
ェブ材料は、変形部分74の第1軸線方向76と実質的に平行な方向には比較的
非伸長性である。変形部分74に加えられた塑性変形により、変形部分を一方向
に変形部分の第1軸線方向に対して実質的に垂直な方向に伸長させることができ
、この際、伸長方向に対して実質的に垂直な方向、即ち、変形部分の第1軸線と
実質的に平行な方向では比較的非伸長性である。しかしながら、一実施例では、
変形可能な材料60を1つ以上の方向で伸長性にするために種々の方向に延びる
第1領域64を変形可能なウェブ材料60に設けることができる。例えば、変形
可能なウェブ材料60をx−y平面内で全ての方向に伸長性にするため、中央か
ら外方に延びる第1領域64、及び同心円をなして配置された第2領域66を変
形可能なウェブ材料60に設けることができる。
ウェブ材料を伸長させるのに必要な加えられた力の量は、ウェブ材料を形成す
るベース材料の固有の性質及び変形が加えられていない領域64の幅及び間隔で
決まり、変形が加えられていない領域64が狭幅で大きく間隔が隔てられている
場合には、所望の伸びを得るために必要な伸長力が小さい。変形が加えられてい
ない領域64の第1軸線68(即ち長さ)は、好ましくは、第2軸線方向69(
即ち幅)よりも大きく、長さの幅に対する好ましい比は、5:1乃至300:1
である。
更に、変形部分74の深さ及び数を変えて、本発明のウェブ材料を伸長させる
のに必要な、加えられた力又は延びを制御することができる。一つの好ましい実
施例では、変形部分は、12.7cm×30.48cm×1.905cmの外寸を有す
る二つの剛性プレートによって形成される。各プレートの一方の表面上には、互
いに噛み合う実質的に三角形断面の一連の歯が設けられ、これらの歯の基部の寸
法は0.762mm(0.030インチ)であり、半径が0.203mm(0.00
8インチ)の頂点に向かってテーパしている。歯の中心線は、0.762mm(0
.030インチ)づつ等間隔に間隔が隔てられている。一方のプレートの「歯が
設けられた」側には、互いに平行であり且つ等間隔に間隔が隔てられた歯に対し
て垂直な一連の溝が切ってある。これらの溝の幅は0.787mm(0.031イ
ンチ)であり、プレートの全長に亘って連続しており、中心間距離が6.35mm
(0.25インチ)である。これらの溝は、付形ウェブ材料の付形されていない
領域と対応する。
圧力を均等に分布させるためにプレートよりも大きいプラテンを有する油圧プ
レスに設置したプレート間に好ましいLLDPEベース材料を置く。プレートを
少なくとも1814.37kg(4000ポンド)の荷重で圧縮する。次いで、付
形ウェブ材料をプレートの間から取り出す。所与の数の変形部分について、変形
部分の高さ即ち変形の程度を大きくすると、有効な延伸即ち伸びが大きくなる。
同様に、変形部分の所与の高さ即ち変形の程度について、変形部分の数を多くす
ると、有効な延伸即ち伸びが大きくなる。
好ましい実施例では、トップシート38は、液体がトップシート38を更に迅
速に通過するように、親水性にしてある。これは、身体の滲出物が、トップシー
トを通して引き込まれて吸収体コアによって吸収されないで、トップシートから
流れ出る傾向を小さくする。トップシートは、界面活性剤で処理することによっ
て親水性にすることができる。界面活性剤を付けるための適当な方法は、オズボ
ーンに付与された米国特許第4,950,254号及び米国特許第5,009,
653号(付形フィルム製トップシートのポリマー材料に界面活性剤を組み込む
方法並びにトップシートの下にある構成要素の表面を界面活性剤で処理する方法
を含む)に記載されている。
更に、好ましい実施例では、トップシート38の内面38Bは、下側にある吸
収体層に接触した関係で固定されている。この接触関係により、液体はトップシ
ート38を更に迅速に通過する。トップシート38は、トップシートをその下側
の層に結合することによって、下側の層と接触関係に保持できる。しかしながら
、トップシート38の面を下側の層の面に結合することは絶対に必要というもの
ではない。トップシート38は、トップシートとその下側の構成要素との間に接
着剤を付けることによって、下側の層の繊維をトップシートに絡ませることによ
って、トップシート38を下側の吸収体層に複数の別個の個々の融着結合部によ
って融着することによって、又は当該技術分野で周知の任意の手段によって、下
側の吸収体構成要素と接触した状態に維持できる。
B.吸収体コア
吸収体コア42は、トップシート38とバックシート40との間に位置決めさ
れている。吸収体コア42は、月経及び他の身体の流体のような滲出物を吸収す
るための手段を提供する。吸収体コア42は、吸収されることが予想される身体
の流体の総量よりもはるかに大きい吸収力を有する必要はない。実際、吸収体コ
ア42の容量は、伸長性が小さい要素44の容量がこのような身体の滲出物の大
部分又は全部を吸収するのに十分である場合には、吸収される必要がある身体の
滲出物の量よりもかなり小さい。吸収体コア42は全体に圧縮性であり、形状に
馴染み、使用者の皮膚に対して刺激がない。
第1図乃至第5図に示す実施例では、吸収体コア42は、好ましくは、伸長性
である。しかしながら、吸収体コア42は、所定の利点を提供するため、全ての
実施例において伸長性である必要はない。例えば、トップシート及び下側にある
吸収体構成要素(又は一体の吸収体構成要素)が伸長性であり、トップシート及
びこのような吸収体構成要素がコアから分離(即ち外れることが)できるように
コアの面に取り付けられていない実施例では、比較的非伸長性のコアを使用でき
る。分離するという考えは、1991年4月16日にオズボーンに付与された米
国特許第5,007,906号に記載されている。このような実施例は、トップ
シート38が、比較的に非伸長性の吸収体コア及び下側にある任意の他の構成要
素とは別に伸長できる場合には有用である。このような実施例では、下側にある
構成要素が伸長性を備えていないにも関わらず、身体の形状に対して所望の通り
に一致させ、着用者に対して快適性を提供する上でトップシートが大きな役割を
果たす。
吸収体コア42は、このような目的について当該技術分野で使用されている、
天然材料及び合成材料を含む任意の材料でできているのがよい。このような材料
の非限定的例には、微粉砕した木材パルプにれは、一般的には、エアーフェルト
と呼ばれる)、紙綿、ヒドロゲル形成ポリマーゲル化剤、吸収体ポリマー又は超
吸収体ポリマーを含む繊維が入ったクレープティッシュ又はクレープ不織布、架
橋させた改質セルロース繊維(1993年6月8日にヤング等に付与された米国
特許第5,217,445号参照)、毛管チャンネル繊維(1993年4月6日
にトンプソン等に付与された米国特許第5,200,248号に記載されている
ような繊維間毛管チャンネルを有する繊維)、吸収体フォーム(1993年11
月9日にデスマライス等に付与された米国特許第5,260,345号、及び1
993年12月7日にデスマライス等に付与された米国特許第5,268,22
4号参照)、熱で結合した空気堆積材料(1993年10月21日にリチャーズ
等の名で出願された「月経流体の取扱いを改善するための熱で結合した層を有す
る月経用吸収体構造、及び装着性及び快適性が改善された月経パッドでのその使
用」という標題の米国特許出願第08/141,156号(プロクターアンドギ
ャンブル社の事件番号第5051号)参照)、吸収体スポンジ、合成ステープル
繊維、ポリマー繊維、ミズゴケ、又は任意の等価の材料又はこれらの材料の組み
合わせが含まれる。
上掲のポリマーゲル化剤は、「吸収体ゲル化剤(AGM)」又は「超吸収体材
料」とも呼ばれる。ポリマーゲル化剤は、水又は他の身体の液体のような液体と
の接触時にこのような液体で膨潤し、これによってヒドロゲルを形成する材料で
ある。このように、ポリマーゲル化剤は、吸収体コア42内に排出された液体を
捕捉して保持でき、これによって、本明細書中に説明した物品の吸収力を高め、
及び/又は液体保持特性を向上させる。吸収体コア42で使用されたポリマーゲ
ル化剤は、一般的には実質的に水不溶性の僅かに架橋させた部分的に中和したヒ
ドロゲル形成ポリマー材料である。ポリマーゲル化剤は、粒子状、薄片状、又は
繊維状といった形体を含む多くの形体である。
一つの好ましい実施例では、吸収体コア42は積層体である。この積層体は、
二つの空気堆積薄葉紙である第1及び第2の薄葉紙層間に配置された例えば粒子
41の形体の超吸収体ポリマー材料層を含む。第1及び第2の薄葉紙層は、超吸
収体ポリマー材料を包み、吸収した滲出物の毛管作用による横方向移動を吸収体
コア42に亘って改善し、所定程度の吸収力を提供する。薄葉紙層は、超吸収体
材料粒子を挟んで折畳んだ一枚の薄葉紙からなってもよいし、同じ(又は異なる
)薄葉紙からなる二枚の別々のシートからなってもよい。適当な積層体は、アイ
オワ州ムスカチンのグレインプロセッシング社から入手できるウォーターロック
L−535として周知の超吸収体積層体である(ウォーターロック(WATER-LOCK
)はグレインプロセッシング社の登録商標である)。このような超吸収体積層体
は、1984年8月21日にペダーソン等に付与された米国特許第4,467,
012号、1981年4月7日にリンゼー等に付与された米国特許第4,260
,443号、及び1986年3月25日にクラマー等に付与された米国特許第4
,578,068号に開示されている。
上文中に説明した吸収体コアの材料は、切断やスリット形成を含む多くの種々
の方法で伸長性にすることができる。第1図は、トップシート38の一部が切り
欠いてあり、吸収体コア42が上文中に説明したような積層体であり、長手方向
伸長性のため横方向スリットが設けられた、実施例を示す。平面図で見た吸収体
コア42の全領域に第1図に示す種類のスリットを設けてもよいし、コアの一部
だけにスリットを設けてもよい。好ましくは、第1図に示す実施例において、コ
アの全体にスリットを設ける。変形例では、伸長性の小さい要素44を越えて伸
びる吸収体コア42の部分にスリットを設け、伸長性の小さい要素44の下にあ
るコアの部分にはスリットを設けない、又はこの逆を行う。この他の実施例では
、吸収体コア42の大部分にスリットを設け(又は他の方法で伸長性を付与し)
、コアの周囲領域又は帯域にスリットを設けず、コアに安定した縁部を形成し、
滲出物がコア42の側部から毛管作用で出ないようにする。
主本体部分21の長手方向縁部22及び端縁部24は、好ましくは、ナプキン
を延ばしたときに液体や液体を含む超吸収体材料がナプキンから出ないようにす
るため、シールされている。変形例では、主本体部分全体の縁部をシールするの
でなく、吸収体コア42の長手方向縁部42C及び端縁部42Dをシールする。
コア42の縁部は、例えば、薄葉紙層で包まれている即ち覆われているのがよい
。他の変形例では、薄葉紙層の縁部に折畳み等の操作を加え、液体や液体を含む
超吸収体材料粒子41がコア42から出ないようにする。主本体部分の周囲の全
ての永久的シールは延ばしたときに壊れてはならない(即ち、衛生ナプキンの使
用中に亘ってシールが保持されるようになっている)。
C.バックシート
バックシート40は、吸収体コア42内に吸収され且つ包含された滲出物が、
パンティ、パジャマ、及び下着といった、衛生ナプキン20と接触する物品を濡
らさないようにする。バックシート40は、可撓性であり且つ液体(例えば、月
経及び/又は尿)に対して不透過性でなければならない。
バックシート40は、織布材料又は不織布材料、ポリエチレンやポリプロピレ
ンでできた熱可塑性フィルムのようなポリマーフィルム、フィルムでコーティン
グした不織布材料のような複合材料でできているのがよい。好ましくは、バック
シート40は、厚さが約0.012mm(0.5ミル)乃至約0.051mm(2.
0ミル)のポリエチレンフィルムのような薄いプラスチックフィルムである。例
示のポリエチレンフィルムは、オハイオ州シンシナチのクロペー社がP18−1
401の表示で製造し、及びインディアナ州テルホイテのトレッデガーフィルム
プロダクツ社がXP−39385の表示で製造しているポリエチレンフィルムで
ある。第1図乃至第5図に示す好ましい実施例では、バックシート40は、これ
らの例示のポリマーフィルムの一つにSELF加工を施すことによって形成され
る。
D.伸長性が小さい要素
第1図乃至第5図に示す衛生ナプキン20には、好ましくは、随意の伸長性が
小さい領域又は非伸長性領域、又は伸長性が小さい要素(又は「挿入体」)44
が更に設けられ、この要素は、トップシート38と吸収体コア42との間に位置
決めされる。挿入体44は、好ましくは、衛生ナプキン20のほぼ中央領域32
に配置されるが、第1図に示すように、少なくとも一部が衛生ナプキンの第1端
領域28にある(衛生ナプキンの第2端領域30にある場合もある)。図示の特
に好ましい実施例では、挿入体44は少なくとも二つの異なる力の源からの力に
応じて付勢される。挿入体44は、好ましくは、衛生ナプキンの残りの部分の延
伸に応じて変形し(及び好ましくは中央部を上方に変形させ即ち持ち上げて身体
との接触を改善する)、好ましくは使用中に着用者の大腿によって及ぼされる内
方への圧縮力に応じて上方に変形する。
挿入体44は、身体に面する側44A、衣料に面する側44B、一対の長手方
向縁部44C、及び一対の端縁部44Dを有する。挿入体44は、全体に、衛生
ナプキン20の主本体部分21の他の部分の少なくとも幾つかよりも伸長性が小
さい任意の種類の構成要素であるのがよい。挿入体44は、比較的非伸長性であ
るのがよい。他の実施例では、伸長性が小さい要素は、主本体部分21の他の部
分よりも伸長性の程度が小さいけれども、或る程度の伸長性を有する。
挿入体44は、好ましくは、可撓性でなければならない。挿入体44の可撓性
は、衛生ナプキンを快適に着用できるのに十分でなければならない。しかしなが
ら、伸長性が小さい要素44は、ナプキンの着用と関連した力の作用で衛生ナプ
キンを潰すことなく、衛生ナプキンを所望の使用時形体に維持するのに十分に抗
可撓性でなければならないため、挿入体44の可撓性は、無制限ではない。しか
しながら、挿入体44の構造は、好ましくは、内向きの横方向圧縮力が伸長性の
小さい要素の長手方向縁部44Cに加わったときに曲がったり折れたりできるの
に十分剛性である。挿入体44は、好ましくは、使用中に衛生ナプキン20に及
ぼされる横方向圧縮力に応じてZ軸方向に持ち上がらないで内方に潰れ(即ち、
スポンジのように「ぺしゃんこ」になる)てはならない。挿入体44は、材料層
の形体又は幾つかの他の適当な形体であるのがよい。挿入体44は、好ましくは
、乾燥時及び湿潤した(身体の滲出物等によって)後の両方で十分な剛性を維持
する。更に、挿入体44は、好ましくは、抗可撓性(flexure-resistant)であ
り且つ再形成可能(reformable)であり、水分安定性(moisture stable)である
。これらの用語は、ブエルに付与された米国特許第5,171,302号に定義
されている。更に、挿入体44及び衛生ナプキンは、上述の特許に記載された多
くの断面形体をとるようにつくることができる。更に詳細には、本明細書中に記
載した挿入体は、薄く且つ消費者にとって更に好ましい実施例で所望の使用時形
体を更に効率的に得るように設計された改良構造を有する。
挿入体44は、衛生ナプキンを快適に着用できるように、比較的小さな力の作
用で横方向に圧縮できなければならない。衛生ナプキン及び他の関連した月経用
製品には、横方向圧縮力が着用時に加わる。これらの圧縮力が解放されたとき、
衛生ナプキンはその圧縮状態から元に戻る。挿入体44は、着用者の大腿によっ
て及ぼされた横方向内方への圧縮力が取り除かれた後、使用時に圧縮されていな
い形体に戻るのに十分に弾性であるのがよい。変形例では、挿入体が吸収体コア
の長手方向側縁部に接合されている場合、挿入体は、着用者の脚部によって及ぼ
された圧縮力が取り除かれたとき、パンティの股とともに受動的に膨張できるの
がよい。これによって、挿入体44は、使用中、衛生ナプキン20が着用者のパ
ンティの大部分を覆い、衛生ナプキンの側部の周りでの滲出物の横漏れを最少に
できるようにする。滲出物の横漏れが起こると、着用者のパンティが汚れてしま
う(これを「側部汚損」と呼ぶ)。
挿入体44は、以下に特定する多くの基本的な種類の材料からつくることがで
きる。しかしながら、これらの材料には、材料に伸長性を与える任意のプロセス
(SELF加工、リングロール加工、プリーツ付け、波形付け、又はスリット付
け)を加えてはならない。第1図乃至第5図は、スリットが設けられていない吸
収体積層体から挿入体44が形成された実施例を示す。更に、挿入体44は、好
ましくは、挿入体を折り曲げることによって長手方向に配向された中央折り目線
を形成するように、制御下で折曲げられるように設計されている。
特に好ましい実施例では、挿入体44は、セルロース繊維と合成繊維の混合物
から製造された熱で結合した吸収体材料からなる積層体である。このような挿入
体44の好ましい材料は、1993年10月21日にリチャーズ等の名で出願さ
れた「月経流体の取扱いを改善するための熱で結合した層を有する月経用吸収体
構造、及び装着性及び快適性が改善された月経パッドでのその使用」という標題
の米国特許出願第08/141,156号に記載されている。特に好ましい熱で
結合した吸収体材料は、デンマーク国オルフスのダンウェブ社からダンウェブ材
料第1079−2338号及び第2339号として得られる。ダンウェブ材料第
1079−2338号は、約70%がフリントリバーフラッフ、15%がダナク
ロンES−C1.7デテックス×6mm異相構造繊維、及び約15%がナルコ11
80吸収体ゲル化剤粒子からなる均等な混合物からなる。ダンウェブ材料第10
79−2338号は、坪量が約152g/m2、0.014kg/cm2の荷重が加わった
状態でのキャリパが約1.2mm、密度が約0.13g/ccのウェブに形成される。
挿入体44は、好ましくは、ダンウェブ材料第1079−2338号材料ででき
た積層体、及びサウスカロライナ州シンプソンビルの北米ファイバウェブ社から
入手できるセレストラとして周知の少なくとも一層の21.5g/m2(18g/yd2
)のステッチボンデッドポリプロピレン不織布材料からなる。この材料は、次い
で、1988年11月1日にメジソン等に付与された米国特許第4,781,7
10号に記載されたパターンでエンボス加工が施される。不織布材料は、好まし
くは、148.9℃(300°F)の高温のアイロンを使用して、積層体が或る
程度の多孔性を保持するように注意を払いながら、ダンウェブ材料の後側に融着
される。
挿入体44は、単にコア42の上に置き、衛生ナプキン20の周囲構成要素に
対してぴったりと装着することによって所定位置に保持することができる。第1
図乃至第5図に示す実施例では、挿入体44は、長手方向側縁部の各々の単一の
箇所46で取り付けられている。衛生ナプキン20を延ばすと、衛生ナプキンの
中央領域32が狭幅になる。これによって、挿入体44は、曲がったり折れ曲が
ったりし、押縁48(第5図参照)を衛生ナプキン20の主長手方向中心線Lに
沿って形成する。
図示の好ましい実施例では、トップシート38、バックシート40、及び吸収
体コア42は伸長性であり、挿入体44は吸収体コアの上に位置決めされており
、これらの他の構成要素よりも伸長性が小さい。挿入体44の底部に設けられた
不織布材料を溶融することによって、挿入体44の底面を滑らかにすることがで
き(即ち、摩擦係数を低くすることができる)、そのため、下側にある吸収体コ
ア
42が延伸したとき、挿入体44はコア42に対して更に容易に摺動できる。こ
れは、コア42の延伸性を改善し、伸長性が小さいこの挿入体44をぽんと飛び
出すようにするものと考えられる。
E.他の随意の構成要素
本発明の衛生ナプキン20には、随意の追加の構成要素を設けることができる
。本発明の衛生ナプキン20には、例えば、一つ又はそれ以上の追加の透過性の
又は吸収性の部分又は層を設けることができる。追加の透過性の又は吸収性の部
分又は層は、トップシート又は吸収体コアのような衛生ナプキンの構成要素の一
つの一体の部分であるのがよく、又は吸収体コア42とトップシート38又はバ
ックシート42のいずれか又は両方との間に位置決めされた別の層であるのがよ
い。第3図は、第1図乃至第5図に示す衛生ナプキンの好ましい実施例において
、ウィッキング材料(即ち捕捉材料)50のような下側にある吸収体部分がトッ
プシート38の衣料に面する側を形成するということを示す。第3図に示す実施
例では、捕捉構成要素50は、吸収体コア42と同じ形体を有する不織材料であ
り、トップシートの付形フィルム部分に接着剤によって取り付けられており、ト
ップシートの付形フィルム部分と一体であり、衛生ナプキンの組み立て前に付形
フィルムとともにSELF加工が施されている。トップシートの捕捉構成要素5
0として使用するのに適した一つの材料は、日本国岐阜市のハビックス社(旧社
名「フクムラ」)がハビックスS2146の商標で製造している異相構造繊維で
できたエアスルー結合した不織材料である。この材料は、その伸長性が長手方向
であり、その「毛羽立った」側がフィルムと隣接して配置されるように配向され
ている。
F.トップシート、バックシート、及びコア材料の組み合わせ及び衛生ナプキン
の主本体部分へのこれらの組み立て
本発明の衛生ナプキン20の主本体部分21は、本明細書中に記載した種々の
トップシート、バックシート、及びコア材料の任意の組み合わせからなるのがよ
い。主本体部分21は、上述のように、全ての伸長性構成要素からなる。更に、
主本体部分は、PCT公開公報第WO93/01785号及び第WO93/01
786号に記載された伸長性又は非伸長性のトップシート、バックシート、及び
吸収体コアの組み合わせ又は任意の他の組み合わせからなるのがよい。
上文中に説明した主本体部分の構成要素(トップシート、バックシート、及び
吸収体コア)は、任意の適当な方法で組み立てることができる。第1図、第2図
、及び第3図に示す好ましい実施例では、主本体部分の構成要素は、「サンドウ
ィッチ」形体に組み立てられる。構成要素は、トップシート38及びバックシー
ト40の縁部が吸収体コア42の縁部を越えて外方に伸びるような寸法になって
いる。トップシート38及びバックシート40の周囲は、好ましくは、周知の技
術を使用して少なくとも部分的に接合されている。第1図に示すように、トップ
シート38は、好ましくは、シーム90のようなシームに沿ってバックシート4
0に固定されている。シーム90は、好ましくは、液体不透過性である。シーム
90は、例えば糊付け、クリンプ付け、又はヒートシールといった、当該技術分
野においてこの目的で一般的に使用されている任意の手段で形成できる。
本明細書中で使用されているように、接合という用語は、要素を他の要素に直
接的に取り付けることによって、要素を他の要素に直接的に固定した形体、要素
を中間部材に取り付け、中間部材を他の要素に取り付けることによって、要素を
他の要素に間接的に固定した形体、及び1つの要素が他の要素と一体の形体、即
ち一つの要素が本質的に他の要素の部分である形体を含む。
衛生ナプキン20の構成要素は、接着剤、縫い付け、熱結合及び/又は圧力結
合、動的機械的結合、超音波結合、一つの構成要素を構成する繊維を別の構成要
素上に溶融吹付けすること等による衛生ナプキンの構成要素を構成する繊維又は
他の構造的要素を絡み合わせる方法、一方の構成要素を他方の構成要素上に押出
す方法、又は当該技術分野で周知の任意の他の方法によって互いに結合できる。
衛生ナプキンの構成要素を取り付けるための適当な手段は、1991年12月1
7日にクリー等の名で出願された米国特許出願第07/810,744号(19
93年6月24日に公開されたPCT出願公開第WO93/11725号)に記
載されている。
主本体部分21が伸長性の構成要素でできている場合には、これらの構成要素
は、主本体部分21の少なくとも部分が伸長できるようにする任意の適当な方法
で互いに接合できる。周知の衛生ナプキンで現在使用されている種類の比較的非
伸長性の液体不透過性のクリンプシールをこの目的で使用でき、主本体部分21
は、受け入れることができる量の伸長性を得る。
しかしながら、第1図乃至第5図に示す伸長性の衛生ナプキンの実施例では、
トップシート及びバックシートの縁部は、衛生ナプキンの周囲に亘って伸長性接
着剤92を使用して、及び周囲領域の追加の複数の機械的結合94によって互い
に固定されている。伸長性接着剤92は、衛生ナプキンの周囲に亘って不透過性
の伸長性シールを形成する。機械的結合94(第1図にその一部だけを示す)は
追加の強度を提供する。機械的結合94は、結合された領域及び結合されていな
い領域からなる断続的なゾーン(又は領域)をなして配置されている。
第13図は、この目的について使用できる結合領域96及び非結合領域98か
らなる一つのパターンの詳細を示す。第13図に示す実施例では、結合領域は間
隔が隔てられた複数の線セグメントからなる。これらの線セグメントは、各結合
部で吸収体コア42の長手方向縁部42Cに対してほぼ垂直である。かくして、
結合領域96は、代表的には、横方向に配向された少なくとも一つの構成要素を
有する。結合領域96は、他の実施例では、円又は正方形又は他の適当な形体又
は連続した又は断続的な線を含むがこれらの幾何学的形状に限定されない多くの
適当なパターンであるのがよい。使用された正確なパターンに関わらず、結合領
域は、完全に組み立てられた吸収物品について、非結合領域によって分離される
ように所望の伸長性方向に間隔が隔てられていなければならない。結合領域96
は、非伸長性であり、非結合領域98は伸長性である。
結合領域96は、好ましくは、熱−圧力プロセスによって形成されている。こ
のプロセスでは、温度及び圧力の付与は、トップシートを形成する材料及びバッ
クシートを形成する材料のいずれも、プロセス中に溶けないように注意深く制御
される。温度又は圧力のいずれかが高過ぎ、トップシート、バックシート、又は
両方が溶融した場合には、形成された結合部が脆くなり、そのため、トップシー
ト及び/又はバックシートの材料が結合場所で裂けてしまう。SELF加工を施
したポリエチレン製の付形フィルムトップシート及びSELF加工を施したポリ
エチレン製のバックシートの適当なシールを、5mmの間隔が隔てられた約6mm×
2mmの第1図に示す結合領域を有する加熱プレートによって形成できる。プレー
トは、5秒間に亘って76.7℃(170°F)に加熱され、シールは、手の圧
力を使用して形成される。
構成要素の上述の結合方法は、製造を容易にする上で好ましい。(種々の構成
要素を合一する他の手段を使用できる。)例えば、本発明は、いわゆる「チュー
ブ」製品も含む。これらの製品では、液体透過性のカバー材料(例えばトップシ
ート材料)を吸収体コア及びバックシートに完全に巻き付け、次いで構成要素を
互いに固定することができる。変形例では、トップシートをコアに巻き付け、巻
き付けたコアをバックシート上に置き、バックシートに固定することができる。
G.側延長部
衛生ナプキン20は、好ましくは、主本体部分21の各長手方向側縁部22に
沿って配置された一対の側延長部52を有する。側延長部52は、衛生ナプキン
を着用者のパンティに置き、着用者がパンティを引上げたときに着用者のパンテ
ィの弾性側縁部に好ましくは自動的に巻き付く側包囲要素(又は「パンティカバ
−構成要素」)、又は着用者がパンティの周りに手作業で巻き付けるサイドフラ
ップを形成できる。
側延長部52が、主本体部分21の長手方向側縁部22に「接合されている」
、「沿って配置されている」(又は「関連している」)という本明細書中の記載
は、側延長部52が主本体部分21と一体(トップシート及びバックシートのよ
うなその構成要素の延長部を含む)の実施例、並びに主本体部分21に主本体部
分21の長手方向側縁部22のところに又はこの内側に取り付けられた別体の要
素から側延長部52が形成された実施例を含もうとするものである。側延長部5
2が別体の要素からなる場合には、これらの要素は、身体に面する側、衣料に面
する側、又はこれらの二つの側の間の任意の場所といった主本体部分21の任意
の部分に取り付けることができる。
側延長部52は、伸長性であってもよいし、非伸長性であってもよいし、部分
的に伸長性で部分的に非伸長性であってもよい(即ち、幾つかの伸長性領域及び
幾つかの非伸長性領域を有するのがよい)。側延長部が伸長性である場合には、
側延長部は、全体に長手方向に伸長性であってもよいし、全体に横方向に伸長性
であってもよいし、長手方向と横方向との間の任意の方向で伸長性であってもよ
い。
第1図乃至第5図に示す実施例は、議論の目的のため、側包囲要素の性質を有
する側延長部の一例を提供する。側包囲要素52は、主本体部分21の各長手方
向側縁部22に沿ってナプキンの衣料に面する側29Bに取り付けられた一対の
別々の要素からなる。各側包囲要素52は、好ましくは、第14図に示すように
、伸長性材料でできた変形三日月形部片即ちウェブからなる。材料ウェブの内側
縁部は、主本体部分21の長手方向側縁部22に沿って取り付ける前には凹状に
なっている。三日月形ウェブの各々は、側包囲要素52が主本体部分21に取り
付けられた場所(又は側包囲要素52が主本体部分21から延びる場所)と隣接
し
て、基端縁部54を有し、各側包囲要素は、先端縁部56まで外方に延びている
。先端縁部56は、第4図に示すように、平面図において丸味を帯びた二つの部
分(即ちローブ)58A及び58Bを構成する形状を有する。これらの丸味を帯
びた部分(参照番号58が附してある)は、材料ウェブの端部の近くに配置され
ている。第4図は、側包囲要素52の先端縁部に設けられた丸味を帯びた部分5
8A及び58Bが、先端縁部の中間区分58Cによって分離されているというこ
とを示す。先端縁部56の中間区分58Cは、丸味を帯びた部分の最も外側の箇
所よりも衛生ナプキンの長手方向中心線の近くに配置されている。第1図乃至第
5図に示す実施例では、中間区分58Cは、三日月形部片の内側縁部を拡げ、こ
れらの部片を主本体部分21の長手方向側縁部22の湾曲に沿って取り付けるこ
とによってこの形体にされる。側包囲要素52の取り付けプロセスでは、この実
施例では、少なくとも一つの好ましくは二つのプリーツ59が側包囲要素52に
形成され、プリーツのところで側包囲要素の第1部分が側包囲要素の第2部分と
重なる。
第4図は、側包囲要素52の端縁部57が、好ましくは、約90°と等しいか
或いはそれ以下の角度αを長手方向中心線に関して形成するということを示す。
角度αは、側包囲要素52の長さが増大するに従って、特に、側包囲要素の長さ
(側包囲要素の基端縁部に沿って長手方向中心線と平行に計測した長さ)が17
0mmに等しいか或いはそれ以上である場合に更に重要になる。角度αを上文中に
特定した角度よりも小さく保つことによって、側包囲要素が着用者のパンティの
下に折畳まれるのを補助する。詳細には、角度αを適正にすると、衛生ナプキン
を着用者のパンティに置いたときに側包囲要素52が主本体部分の端部をそれら
自体上にフリップバックする望ましからぬ傾向がなくなる。これは、側包囲要素
が、最も大きな湾曲を有する(即ち曲率半径が最も小さい)パンティの脚開口部
領域と整合した領域で特に重要である。最も大きな湾曲を有するパンティの脚開
口部の領域は、代表的には、パンティ股の最も狭幅の部分から長手方向に最も外
方に見付けられる。
側包囲要素52は、1993年7月22日にラバッシュ等の名で出願された「
パンティの側部を自然に包むパンティカバー要素を有する吸収物品」という標題
の米国特許出願第08/096,121号(1994年2月3日に公開されたP
CT公開公報第WO94/02096号)、及び1993年9月20日にマンス
フィールド等の名で出願された「弾性体様挙動を示す伸長性ウェブ材料からなる
パンティカバー構成要素を有する吸収物品」という標題の米国特許出願第08/
124,180号の開示に記載された性質のうちの任意の性質を備えている。
更に、側包囲要素52の種々の変形例が可能である。例えば、第15図に示す
ように、別の実施例では、側包囲要素52にプリーツを設けることによって、側
包囲要素を着用者のパンティの側部の周りに折畳んだとき、側包囲要素が膨張で
きるようにする代わりに、側包囲要素52にリングロール加工を施した区分、S
ELF加工を施した区分、又は波形を側包囲要素52の種々の部分に設けること
ができる。
本発明の更に別の変形例では、衛生ナプキン20の各長手方向縁部22から外
方に延びるフラップを衛生ナプキン20に設けることができる。フラップは、任
意の適当な形体であるのがよい。適当なフラップは、例えば、1986年5月2
0日にヴァン・チルバーグに付与された米国特許第4,589,876号、19
87年8月18日にヴァン・チルバーグに付与された米国特許第4,687,4
78号、1993年12月7日にヴァン・チルバーグに付与された米国特許第5
,267,992号、1994年7月19日にリーカーに付与された米国特許第
5,330,461号、1994年9月6日にニイハラ等に付与された「内方に
折畳んだプリーツ付きフラップを有する吸収物品」という標題の米国特許第5,
344,416号、1994年9月13日にオズボーン等に付与された「着用者
の下
着に取り付けるための横方向に伸長性の手段を有する衛生ナプキン」という標題
の米国特許第5,346,486号、及び1995年2月14日にラバッシュ等
に付与された「フラップ及び伸長性の異なるゾーンを有する吸収物品」という標
題の米国特許第5,389,094号の教示に従って製作される。他の変形例で
は、上掲の特許又は特許出願に記載されたフラップの一つ又はそれ以上の特徴を
有する側包囲要素を衛生ナプキンに設けることができる。
第16図、第17図、及び第18図は、本発明の衛生ナプキンの一つの好まし
い実施例を示す。第16図、第17図、及び第18図に示す実施例は、側延長部
52を有し、これらの側延長部は、好ましくは伸長性の方向即ち主伸長性成分が
異なる少なくとも二つの領域を有する。「主伸長性成分」という用語は、本明細
書中で使用されているように、領域の主伸長性方向に配向されたベクトル成分に
関する。
側延長部52の各々は、好ましくは、少なくとも、主伸長性成分を第1方向D
1に有する第1領域52A及び主伸長性成分を第2方向D2に有する第2領域5
2Bを有する。しかしながら、他の変形例も可能である。第1領域52Aは、主
本体部分21の下にあり、第16図、第17図、及び第18図に示す実施例では
、全体に長手方向に伸長性である。第2領域52Bは、主本体部分21の長手方
向側縁部22の横方向外方にある、側延長部の伸長時に主に横方向に伸長性の少
なくとも幾つかの部分からなる。側延長部52の第1領域52Aの長手方向伸長
性により、側延長部52の第1領域52Aに接合された衛生ナプキンの主本体部
分21は長手方向に自由に伸長できる。しかしながら、第16図、第17図、及
び第18図に示す側延長部の設計は、全体に非伸長性の主本体部分を有する衛生
ナプキンでも有用であるということを理解しなければならない。第2領域52B
が横方向に伸長性であるため、側延長部は、着用者のパンティの湾曲した側縁部
に巻き付けたとき、横方向に拡張できる。これによって、側延長部は、皺が寄っ
た
り応力が加わったりすることなく、パンティの周りに更に良好に装着できる。側
延長部を着用者のパンティの側の周りに折畳んだときに側延長部に作用する応力
を更に減少させるため、ヴァン・チルバーグに付与された米国特許第4,589
,876号に記載されているように、側延長部の先端縁部56にスリット又はノ
ッチを設けるのがよい。
第16図、第17図、及び第18図は、側延長部52が主本体部分に接合され
ているばかりでなく、二重に折り返されてポケットを形成し、次いで展開しない
場合にはポケットにたくし込まれるようになった、この変形例の好ましい態様を
示す。側延長部52は、好ましくは、側延長部52を折り返した場所に形成され
たフランジ55のところで、及び更に側延長部52の端部57のところで、主本
体部分21に接合されている。側延長部52の端部57のところにある、主本体
部分21に接合された部分は、更に、好ましくは、第18図に示すように、テー
パしている、即ち斜めに切ってある。側延長部52の長い方の端縁部は、好まし
くは、側延長部を折畳むことによって形成したポケットに、このポケット内への
側延長部52のたくし込みを容易にするための広幅の口が形成されるように、主
長手方向中心線の遠くに配置されている。側延長部は、吸収物品の構成要素を接
合するための当該技術分野で周知の任意の適当な手段によって主本体部分に接合
できる。図示の好ましい実施例では、伸長性接着剤を使用して側延長部52を主
本体部分21に接合する。
側延長部52の基端縁部54は、好ましくは、長手方向に配向された線状結合
部100に沿って主本体部分21に接合されている。フラップの端部領域57(
好ましくは、その一部を第18図に示すように)は、斜めの端部結合部102に
沿って主本体部分21に接合されている。
側延長部52を基端縁部で折畳む、又は折り返すことによって、衛生ナプキン
の着用時に延ばし、追加の横方向伸長性を有する側延長部を提供することができ
る固定されていない部分53を形成する。これは特に好ましい実施例であって、
他の実施例では、側延長部52はバックシートに簡単な方法で取り付けられてい
るだけであるということは理解されるべきである。衛生ナプキンを折畳み、たく
し込むための適当な構成は、1994年1月25日にオズボーン等に付与された
米国特許第5,281,209号に詳細に記載されている。
第16図、第17図、及び第18図に示す好ましい実施例では、側延長部52
は、ポリプロピレン製のエアスルー結合した不織布をLLDPEフィルムの上に
置いた積層体からなり、この積層体にSELF加工を施す。積層体は、SELF
加工を施すことによって、第1及び第2の領域52A及び52Bの各々が第8図
に示すのと同様の変形可能なネットワーク60を有するように「付形」される。
しかしながら、側延長部52の第1領域52Aでは、変形可能なネットワークの
長手方向1(及びかくして、変形可能なネットワークの第1領域54)は、全体
に長手方向に配向され、側延長部52の第2領域52Bでは、変形可能なネット
ワークの長手方向1(及びかくして、変形可能なネットワークの第1領域64)
は、全体に横方向に配向される。
更に、SELF加工プロセスにより、可撓性及びドレープ性が高い材料が製造
されるため、側延長部52を強化するか或いはSELF加工を施した積層体より
も剛性が高い少なくとも幾つかの領域を他の方法で設けるのが好ましい。これを
行わないと、側延長部52がぱたぱたしてしまい、取扱いが困難になる。好まし
くは、第18図に示すように、側延長部52には、先端縁部56の近くに剛性領
域52Cが設けられている。図示の実施例では、剛性領域52Cは、側延長部5
2を折畳んでポケットにたくし込んだときに側延長部接着剤88を覆う剥離表面
又はストリップ89を側延長部に設けることによって、提供される。(第18図
は、接着剤の通常の単一のパッチの代わりに、好ましくは、側延長部ファスナ8
8でできた多数のゾーンを側延長部に設ける。これらの多数のゾーンは、側延長
部の長さのために必要とされ、側延長部52全体を着用者のパンティの下に固定
するのに必要である。)
更に、剛性領域52Cは、好ましくは、側延長部52を着用者のパンティの縁
部に巻き付けるのを助ける。これは、側延長部の残りの剛性が小さい部分を剛性
領域52Cに「追従」させることによって行われる(換言すると、側延長部全体
が剛性領域52Cとともに一体のユニットとして移動する)。これは、側延長部
52の伸長性領域の剛性領域が設けられていない場合とは対照的である。この場
合には、側延長部52の先端縁部56を摘んで側延長部を着用者のパンティの周
りに折畳むとき、側延長部52の幾つかの部分が延伸できるが、延伸可能な部分
の反対側に任意の部分(即ち遠方の部分)がある場合には、このような部分並び
に側延長部は、先端縁部が移動するときに移動しない。これは、移動の大部分が
延伸可能な部分で起こるためである。側延長部52に特にその先端縁部56全体
に沿って剛性領域52Cが設けられている場合には、これが起こる傾向が小さく
なる。
第19図は、本発明の種々の実施例において、側延長部52及び/又は主本体
部分21が、側延長部52又は主本体部分21の残りよりも伸長性が小さい部分
又は領域を有するのが望ましいということを示す。これらの伸長性が小さい部分
又は領域51は、他の領域よりも伸長性が僅かに小さいか、又は、衛生ナプキン
20の着用時に通常遭遇する力の作用を受けた場合の伸長性が非常に小さいよう
に、伸長性が十分小さいか或いは、全体に非伸長性である。衛生ナプキン20に
このように伸長性が小さい領域を設けるのが望ましい一つの理由は、SELF加
工を施した材料のような高度にテクスチャーを付けた一つの材料を、別の材料に
取り付けるのがSELF材料の表面テクスチャーのため困難である場合が多いと
いうことである。これは、この目的について接着剤を使用した場合に特にいえる
。これは、接着剤を使用する場合、結合されるべき表面間をぴったりと表面接触
さ
せることが一般的に必要とされるためである。同じ理由により、接着剤ファスナ
をSELF材料の衣料側に付ける場合、伸長性の小さい領域を設けるのが好まし
い。
伸長性が小さい部分又は領域51は、衛生ナプキンの伸長性に過度に影響を及
ぼすことなく、衛生ナプキン20の多くの場所に配置できるということがわかっ
ている。一般的には、伸長性が小さい領域51は大きさが比較的小さくなければ
ならず、主本体部分21の縁部の近くに配置されなければならない。これらの位
置には、第19図に示すように、主本体部分の長手方向縁部及び端縁部に沿った
位置及びこの位置の周りの位置、又は主本体部分の全周に亘る位置が含まれるが
、これらの位置に限定されない。伸長性が小さい領域51には、例えば、主本体
部分21又は吸収体コア42の長手方向側縁部22(又は42C)に沿った、主
本体部分21又は吸収体コア42の伸長性が小さい部分51Aが含まれる。これ
らの伸長性が小さい領域51には、主本体部分21の端部又は吸収体コア42の
端部の伸長性が小さい部分51Bが含まれる。思いがけないことに、衛生ナプキ
ンの全周26にある伸長性が小さい領域52によって、十分な性能を達成できる
ということがわかった。これは、周囲26の内側に配置された衛生ナプキンの部
分がZ軸方向(x−y平面に対して垂直方向)に更に大きく伸長して着用者の身
体及び/又はパンティの形体と一致できるために可能であると考えられている。
更に、接着剤ファスナ82が衛生ナプキンに付けらえた選択された領域に伸長性
が小さい部分51Cを設けることができる。更に、保持部材又は側延長部用のポ
ケットを形成する側延長部51Dの部分は、これらの側延長部51が主本体部分
21の長手方向側縁部22の近くに固定されている場合には、伸長性を小さくで
きる。
好ましくは、側延長部のような伸長性が小さい要素が主本体部分21に取り付
けられている場合には、これらの要素は主本体部分21の長手方向側縁部22の
十分近くに配置されているため、向き合った側延長部52の取り付け箇所間に(
横方向に計測して)約40mm又はそれ以上の隙間がある。
第19A図は、本発明の衛生ナプキンの別の実施例を示す。第19A図に示す
実施例では、変形可能なネットワーク60が衛生ナプキン20の長手方向中央領
域23に沿ったバックシート40の部分だけに形成されている。変形可能なネッ
トワーク60は、第19A図に示すように、衛生ナプキン20の全長を延ばすこ
とができるか或いは、衛生ナプキンの長手方向の一部だけを延ばす。同様のパタ
ーンがトップシート38にも設けられている。
付形領域60を衛生ナプキンの長手方向中央領域23に制限することによって
、多くの利点が得られる。バックシート40にこのような形体を与えることによ
って、衛生ナプキンが第5図に示す使用時形体をとるのを助ける。これは、衛生
ナプキンの第2端領域30にとって特に有用である。第19A図に示すバックシ
ート40は、衛生ナプキンの上で押縁48を形成できるようにし、着用者の臀部
の間の割れ目にぴったりと嵌まるようにすることによって身体との接触を改善す
ると考えられている。この実施例の好ましい態様では、吸収体コア42の長手方
向側縁部に沿った吸収体コア42の領域には、衛生ナプキン20が第5図に示す
使用時形体をとるのを助けるため、スリットが設けられていない。この領域では
、長手方向中央領域23でバックシートが提供する伸長性及び剛性と長手方向側
領域25の対応する性質との間の差によって、身体との接触性が改善されるもの
と考えられている。更に、バックシート40の端部が着用者のパンティにファス
ナ84でしっかりと固定されていることが、衛生ナプキンがこのような使用時形
体を取るのを助ける。
更に、第19A図に示す実施例は、側延長部52をバックシート40の付形さ
れていない部分に、衛生ナプキンの長手方向側領域25で更に容易に固定できる
ために製造が容易であるため、好ましい。更に、バックシート40へのファスナ
84の取り付けを容易にするため、バックシート40の端縁部40Dの近くの領
域を付形していない状態に残すことができる。
第20図は、本発明の衛生ナプキンで使用するための側延長部52の変形例の
形体を示す。第20図に示す側延長部52の変形例の形体では、タブ部分がその
先端縁部56に設けられている。側延長部の先端縁部56は、タブ108が存在
しているため、これまでの図(例えば第18図)に示す衛生ナプキンの損延長部
の先端縁部56よりも長手方向幅がかなり小さい。第20図に示す側延長部52
の形状は、幾つかの利点を提供する。第1の利点は、側延長部ファスナ88の横
方向外方にある側延長部52の材料は、これまでの図では着用者のパンティの下
側に付着しないということである。この余分な材料110は、着用者のパンティ
股の湾曲した側縁部の周りに折畳んだとき、側延長部56の残りの部分に皺寄せ
したり応力を及ぼしたりする傾向がある。タブ部分108は、使用中に最も大き
く湾曲する着用者のパンティ股の部分と整合した余分な材料110をなくすこと
によって、皺が寄ったりこのような応力が及ぼされたりする傾向を小さくする形
状を側延長部52の先端縁部56に提供する。更に、タブ部分108は、便利な
摘むことのできるタブを側延長部52に提供し、使用者は、このタブを引っ張っ
て側延長部を使用のために延ばすことができる。
第21図及び第22図は、使用前に側延長部52を折畳む別の方法を示す。第
21図及び第22図では、側延長部52は、主本体部分21の身体に面する側2
0A上に折畳んである。先端縁部56を形成する側延長部の部分を、先端縁部5
6が主長手方向中心線Lから横方向外方に遠ざかるように延びるように折畳み、
又は折り返す。側延長部52は、パラフィンの点112のような一時的ファスナ
を側延長部53と主本体部分21の身体に面する側20Aとの間に置くといった
任意の適当な方法でこの形体に保持できる。側延長部52の各々は、折り目線と
側延長部の先端縁部56との間に配置された先端部分56Eを有する。これらの
先端縁部分56Eは、好ましくは、側延長部の先端部分上に配置された側延長部
ファスニング接着剤88を側延長部の基端部分54E上に配置された相補的剥離
面89に接着することによって、所定位置に保持されている。
第21図及び第22図に示す実施例の種々の変形例が可能である。例えば、他
の実施例では、側延長部ファスニング接着剤88及び相補的剥離面89の位置を
逆にすることができる。側延長部52の先端縁部56が横方向外方に延びる量も
また変化させることができる。例えば、第22図の右側に示すように、先端縁部
56が、主本体部分21の横方向で最も外側の部分又は側延長部に形成された最
も外側の折り目線を越えて横方向外方に延びるように、側延長部52を折畳むこ
とができる。変形例では、第22図の左側に示すように、側延長部52の先端縁
部56は、外方にそれ程大きく延びている必要がない。正確な態様に関わらず、
第21図及び第22図に示す基本的な実施例は、側延長部52がトップシート3
8を使用前に清浄に保つためにトップシート38を覆うという利点を提供するば
かりでなく、着用者が側延長部を摘んで開くのに側延長部52が便利に配置され
ているという利点を提供する。
第23図、第23A図、及び第23B図は、別の変形例の折畳まれた側延長部
52の形体を示す。第23図に示すように、側延長部52は、主本体部分21の
衣料側20B上に内方に折畳まれている。側延長部52には、その先端縁部56
から延びるタブ118が設けられている。タブ118は、この場合には、着用者
が引っ張って側延長部52を開くための摘むことができるタブをその先端120
が形成するように、折り返されている。
タブ118は、側延長部52の先端縁部56に任意の適当な方法で接合できる
。タブ118は、例えば、側延長部52の一体の部分であってもよいし、側延長
部52に取り付けられた別体の要素であってもよい。第23図に示す好ましい実
施例では、タブ118は、側延長部52に接合された別体の要素である。このよ
う
な形体は、第23B図に示すように、タブ118が着用者の脚(破線で示す)か
ら間隔が隔てられた使用時配向をとるため、有用である。これは、着用者の脚が
側延長部52やタブ118で擦れることによって着用者に不快感を与える可能性
をなくす。
更に、第23図、第23A図、及び第23B図は、側延長部ファスナ88を、
使用前に、主本体部分21の衣料側20Bに配置された相補的剥離面89によっ
て折畳み形体に保持する折畳み形体を有する衛生ナプキンの一例を提供する。
第24図は、別の変形例の側延長部52を示す。第24図に示す側延長部52
は、二つ(又はそれ以上)の弱め領域即ち変形ゾーンを有する。第24図に示す
実施例では、弱めゾーンは、これらのゾーンにリングロール加工又は「SELF
加工」を施すことによって(又は任意の他の適当な方法で加工を施すことによっ
て)形成された伸長性ゾーン130である。伸長性ゾーン130は、側延長部の
横方向中心線(即ちフラップの横方向中心線)T1の両側に配置された第1ゾー
ン130A及び第2ゾーン130Bからなる。
第1ゾーン130A及び第2ゾーン130Bは、好ましくは、主本体部分21
の長手方向縁部22に沿って延びている。第24図に示すように、第1伸長性ゾ
ーンと第2伸長性ゾーンとの間には、側延長部横方向中心線T1の領域に間隔が
ある。変形例では、第1ゾーン130A及び第2ゾーン130Bを当接関係にす
ることができる。第1ゾーン130A及び第2ゾーン130Bは、側延長部の横
方向中心線T1から側延長部の端縁部57まで長手方向に延びている。変形例で
は、あまり好ましくない実施例であるけれども、少なくとも一方の伸長性ゾーン
の端部とリングロール加工や「SELF加工」が施されていない側延長部の隣接
した端縁部57との間に隙間がある。伸長性ゾーン130は、任意の適当な幅で
あるのがよい。しかしながら、好ましくは、伸長性ゾーン130は、主本体部分
の長手方向側縁部22と隣接して垂直方向に計測した約4mm乃至約20mmの所定
の幅を有する。
第24図に示す実施例では、リングロール加工やSELF加工で形成した変形
部分の折り目線132が、主長手方向中心線Lに対して(内方に)所定の角度A
をなして延びている。伸長性の主成分は、折り目線即ち変形線132に対して垂
直方向である。かくして、第1ゾーン130Aの主伸長性成分D1は、主本体部
分21の隣接した長手方向縁部22とほぼ平行に配向されている。第2ゾーン1
30Bの主伸長性成分D2及び折り目線即ち変形線132もまた、主長手方向中
心線に対して所定の角度で配向されている。リングロール加工やSELF加工で
形成した変形部分の折り目線132は、図示のように、主長手方向中心線Lに対
し、0°以上90°以下、好ましくは、約30°乃至約60°、最も好ましくは
、約45°の角度Aを形成する。両角度Aが45°のこのような最も好ましい実
施例では、波形をなした折り目線(即ち押縁)132は、互いに垂直に配向され
る。二つの領域の主伸長性成分もまた互いに垂直である。
第24図に示す側延長部の実施例は、非常に独特の性質を示す。特定的には、
第1ゾーン130A及び第2ゾーン130Bの各々が延びることによって、側延
長部52を着用者のパンティの湾曲した側縁部の周りに折畳んだときに側延長部
52に生じる応力を解放することができる。しかしながら、側延長部52全体は
、第1ゾーン及び第2ゾーンの伸長性が互いに逆であり、好ましくは互いに無効
になるため、パンティの着用と関連した力の作用下で実質的に非伸長性である。
更に、第24図に示す側延長部52は、好ましくは、剛性及び可撓性が異なる
少なくとも三つの領域からなる。第1及び第2のゾーン130A及び130Bは
、好ましくは、側延長部52の第1可撓性領域Iを構成する。これらは、側延長
部の可撓性及びドレープ性が最も大きい領域である。側延長部52の先端縁部領
域52Cは、好ましくは、第3領域IIIを構成し、第3領域は、側縁部52の剛
性領域である。上述のように、これは、側延長部52に大きな安定性を提供し、
取
扱いを容易にする。第1及び第2のゾーンと先端縁部領域との間に配置された側
延長部の中間領域が第2可撓性領域IIを構成する。これらの中間第2領域IIは、
好ましくは可撓性であるが、可撓性が中間であり、先端縁部領域よりも可撓性で
あるが、第1及び第2の伸長性ゾーンよりも可撓性が小さい。
第1領域Iの撓み剛性は、好ましくは約300mg-cmであり、更に好ましくは
、約30mg-cmの撓み剛性を有する。第3領域IIIの撓み剛性は、好ましくは、第
1領域Iと等しいか或いはそれ以上であり、約400乃至500mg-cmと等しい
か或いはそれ以上であり、最も好ましくは、約1600mg-cmと等しい。撓み剛
性の上限は最大約4000mg-cmである。
第24図に示す側延長部52が示す性質は、他の方法でも提供できる。換言す
ると、これらの性質は、リングロール加工やSELF加工で形成した構造に限定
されない。別の変形例では、側延長部52に切れ目を入れるのでなく、適当なパ
ターンでエンボス加工を施すことができる。このような実施例には全て、好まし
くは、側延長部の部分を任意の方向に折畳むことができるようにする弱め領域(
複数の小型ヒンジのように機能する)が形成されている。かくして、第24図に
示すような巨視的パターンを使用して、又は小さな変形等が第25図に示すよう
に側延長部52の全領域に亘って分布した巨視的パターンで同様の効果を得るこ
とができる。側延長部52に形成された任意の伸長性ゾーンは、好ましくは、種
々のゾーンの伸長性が互いに少なくとも部分的に相殺されるように互いに向かっ
て差し向けられた主伸長性成分(又はその幾つかの成分)を有する。
第25図及び第26図は、側延長部52の変形例を示す。この実施例は、第2
5図に示すように、リングロール加工やSELF加工で形成した間隔が隔てられ
た一対の扇状領域が側延長部の横方向中心線T1の両側に配置されている。第2
5図及び第26図に示す側延長部52には、側延長部52の先端縁部56に沿っ
て余分な又は弛緩した材料144が設けられている。この余分な材料を「フレア
」
と呼ぶ(衣料産業の用語を使用する)。弛緩した材料144は、側延長部の湾曲
した基端延長部54を拡げ、これを第14図と関連して説明したように主本体部
分21に取り付けることによって形成される。側延長部52の先端縁部56は、
伸長性でも延伸可能でもない。側延長部52にはプリーツもスリットも設けられ
ていない。かくして、側延長部52には縮む傾向がなく、着用者のパンティの縁
部の周りに折畳んだとき、良好な装着のため、滑らかで平らか表面を提供する。
衛生ナプキン20のバックシートをテーブルのような平らな表面Sに置いた状
態で、衛生ナプキン20を平らな表面上で拡げ、側延長部の端部57をテーブル
に押し付けたとき、弛緩した材料144は、テーブルの表面Sが構成する平面か
ら突出する。弛緩した材料144が、表面Sが構成する平面から突出した距離は
、この材料を互いに挟んだ状態で計測される。好ましくは、これらの状態で示さ
れる寸法は、約10mmと等しいか或いはそれ以上である(か或いはこの二倍即ち
20mmと等しいか或いはそれ以上の全フレアに等しい)。第24図に示す衛生ナ
プキンには、パンティに良好に装着するため、側延長部52を着用者のパンティ
の縁部の周りに折畳んだとき、弛緩した材料144を真っ直ぐにできるという利
点がある。側延長部52を真っ直ぐにすることは、延伸等で側延長部52を長く
することなく行われる。
H.衛生ナプキンを着用者のパンティに取り付けるためのファスナ
衛生ナプキン20の衣料面20B及び側延長部52の衣料面には、衛生ナプキ
ンを着用者の下着に取り付けるためのファスナ82が設けられているのがよい。
衛生ナプキン20には、第4図に示すように、好ましくは、衛生ナプキンの主本
体部分21の下の部分を下着の股領域に固定するようになった少なくとも二つの
端ファスナ84が設けられている。端ファスナ84は、好ましくは、非伸長性の
接着剤パッチのような非伸長性のファスナである。端ファスナ84は、主本体部
分の端を着用者のパンティにしっかりと固定するのに役立つ。非伸長性の端ファ
スナ84は、このような目的で当該技術分野で使用されている任意の接着剤又は
糊からなるのがよく、感圧接着剤が好ましい。端ファスナとして使用するための
一つの適当な接着剤は、3シグマ社が製造した3シグマ3153である。他の適
当な接着剤ファスナが米国特許第4,917,697号に記載されている。
周囲ファスナ86は、好ましくは、伸長性接着剤のような伸長性ファスナであ
る。周囲ファスナ86の伸長性により、主本体部分21の端間の衛生ナプキンの
部分が使用中に延びるのを助ける。周囲ファスナ86として使用するための一つ
の適当な伸長性接着剤は、ミネソタ州セントポールのH.B.フューラー社が製
造しているフューラー2238ホットメルト接着剤であり、この接着剤は、螺旋
状のパターンをなして付けられる。
ファスナの他の適当な形体は、1992年3月19日にパパ等の名で公開され
た「吸収物品の形状及び接着剤ファスニング手段」という標題のPCT国際特許
公開第WO92/04000号、オルセン等の名で公開されたPCT国際特許公
開第WO93/01783号、及びオズボーン等の名で公開されたPCT国際特
許公開第WO93/01785号に示されている。
衛生ナプキンの衣料面を形成する構成要素(及びこれと重なる任意の構成要素
)を着用者のパンティで伸長性であるようにするのが所望である場合には、伸長
性の接着剤が使用されるのか或いは非伸長性の接着剤が使用されるのかに応じて
使用できる接着剤の特定の形体が使用されるということは理解されるべきである
。伸長性接着剤が配置された衛生ナプキンの部分は伸長性である。非伸長性接着
剤を含む衛生ナプキンは、代表的には、非伸長性の接着剤パッチ間でのみ伸長で
きる。従って、非伸長性の接着剤を使用した場合には、接着剤は、好ましくは、
衛生ナプキンが接着剤パッチ間で延びることができるようにする断続的なドット
、断続的ストリップ、等を含むがこれらに限定されない断続的なパターンで付け
られる。他方、接着剤が伸長性である場合には、接着剤は、上掲の形体(及び他
の
形体)で連続したパターン又は断続的パターンで付けることができる。接着剤が
伸長性である場合には、接着剤は、好ましくは表1に記載した衛生ナプキンとほ
ぼ同じ量延びる。
更に、接着剤の代わりに又は接着剤に加えて他の種類のファスナを使用できる
。これらの他の種類のファスナは、好ましくは、上文中に言及した特許公開に記
載されたファスナと同様のパターンをなして配置されている。このようなファス
ナには、従来のベルクロフック材料、1990年8月7日にバットレルに付与さ
れた米国特許第4,946,527号、1991年10月22日及び1992年
5月26日にトーマス等に付与された米国特許第5,058,247号及び米国
特許第5,116,563号、及び1990年8月8日に公開された欧州特許出
願公開第0,381,087号に記載されたファスナ、高摩擦係数フォーム、及
び他の高摩擦係数材料が含まれるがこれらに限定されない。これらのファスナは
、米国特許出願第07/915,133号(PCT公開公報第93/01785
号)に記載されているように伸長性にできる。
側延長部52は、側包囲要素の性質を持ち、これは、上文中に説明したように
、着用者のパンティの側縁部の周りに折畳まなければならず、側延長部をパンテ
ィに固定するためのファスナを設けることなく折畳んだ状態を保持する。しかし
ながら、本発明の他の実施例には、安全性を付加するため、随意のファスナがそ
の上に設けられているのがよい。随意の側延長部ファスナ88は、本明細書中に
特定した任意の種類のファスニング材料であるのがよい。随意の側延長部ファス
ナは、側延長部52をパンティの股部分の縁部に巻き付けた後、所定位置に保持
するのを助ける。側延長部ファスナ88は、側包囲要素52の衣料面に側包囲要
素52の先端縁部56と隣接して配置されているのがよく、又は、側延長部がパ
ンティの弾性側部と交差する場所の近くといった側延長部の種々の他の位置に配
置されているのがよい。
I.他の変形例
他の実施例では、本明細書中に説明した実施例の特徴のうちの任意の特徴を任
意の適当な方法で組み合わせて更に他の実施例を形成することができるというこ
とは理解されるべきである。
本発明は、パンティライナーや失禁者用物品のような、下着の股領域で着用す
る他の種類の吸収物品にも適用できる。「パンティライナー」という用語は、衛
生ナプキンよりも嵩張らず、一般に女性が月経期間中に着用する吸収物品に関す
る。本発明の特徴を備えることができるパンティライナーの形体の適当な吸収物
品の例は、1988年4月19日にオズボーンに付与された「パンティライナー
」という標題の米国特許第4,738,676号に開示されている。
「失禁者用物品」という用語は、成人が着用するのか又は他の失禁者が着用す
るのかに関わらず、吸収物品用のパッド、下着(パッドは、ベルト等の同じ種類
の吊り下げシステムによって所定位置に保持されている)、吸収物品用挿入体、
吸収物品用容量ブースター、ブリーフ、ベッドパッド、等に関する。本発明の特
徴を備えることができる適当な失禁者用物品の例は、1994年4月5日にフェ
イスト等に付与された米国特許第5,300,045号、1994年4月19日
にノエル等に付与された米国特許第5,304,161号に開示されている。
3.試験方法
側延長部の種々の領域の撓み剛性を計測するための方法は、以下の通りである
。
参考
ASTMのB1388−64の方法:織物の剛性についての標準的な試験方法
(本明細書に記載したように変更した)。
原理
この試験は、片持ち梁原理に基づく。試料のストリップが45°の角度に曲が
る前に試料のストリップが平らなプラットホームを越えて延びることができる距
離を計測する。試料の重量と、試料が特定の試験状態で所与の角度でそれ自体の
重量で曲がるストリップドレープを形成するときの試料の剛性との間の相互作用
を使用して撓み剛性を計算する。
概論
ドレープ試験は、試料の剛性及び試料の柔らかさの一つの構成要素を計測する
唯一の方法である。しかしながら、この方法は、できるだけ正確に行わなければ
ならず、追加の試験が必要であり且つ適当である時間がある。例えば、長手方向
及び横方向だけでの試料の試験を説明する。
一般的には、単一の試料ストリップを上方に向いた試料の身体に面する側で一
度だけ試験しなければならない。同様に、この試験で使用するための同じストリ
ップは、折り目、皺、曲がり、等が付かないように非常に注意深く取り扱わなけ
ればならない。製造者は試料を折畳んだ形体で置いた場合には、試験のため、優
しく拡げなければならない。折畳んだ製品しか入手できない場合には、折り目線
間から得られた試料を計測することによって、撓み剛性を概算できる。試料から
折り目を完全になくすことが不可能な場合には、折り目の効果が最少になるよう
に、折り目の内方の物品を試験中に上方に向けた状態に試料を配向することによ
って計測を行うのがよい。
装置
片持ち梁ドレープ試験機 試験機は、第27図に従ってつくられている
2.54cm幅試料カッター ペンシルバニア州フィラデルフィアのツウィンアル
バート器機社から入手できるJDCカッター
紙カッター 試料を10.16±0.254cm(4.0±0.1
インチ)又は15.24±0.254cm(6.0±
0.1インチ)の長さに切断するのに便利な大きさ
空調が施された室 室温が22.78±1.11℃(73±2°F)、
相対湿度が50±2%に調整してある室
ゼロスタット帯電防止 ドレープ試験機及び/又はティッシュに帯電した静
ピストル(オプション) 電気を除去する。65201ミズーリ州コロンビア
のディスクワッシャー社が米国で販売している。4
5246オハイオ州シンシナチのサークルフリーウ
ェイ113、私書箱46442のモーガン器具社か
ら入手できる。モーガンカタログ第70−35−0
0である。レコード店や写真店でも入手できる。こ
のピストルの使用は、この試験のために静電気を除
去するための適当な方法である。ドレープ試験から
静電気を除去するのに織物軟化剤を使用してはなら
ない。帯電防止ピストルは、製造者の仕様書に従っ
て使用する。
試料の調製
試料を、室内の空気の循環が最大で湿度条件と温度条件が最大に均衡している
領域に置かなければならない。
試験されるべき吸収物品の四つの例示の試料から2.54cm(1インチ)幅の
(又はできるだけ広幅の)ストリップを長手方向及び横方向の両方向で注意深く
切る。側延長部の適当なゾーンの試験を行うことができるように、試料の長手方
向及び幅を調節する必要がある。先ず最初に、試験されるべきゾーンの一つの縁
部から反対側の縁部まで長手方向に延びるようにストリップを切断する。一方の
端部の上に方向をLD又はTDのイニシャルで非常に軽く印す。
紙カッターを使用して、一方の端部の近くでストリップの長い寸法に対して正
確に垂直に切断を行う。切断は、ストリップの長い寸法に対して正確に垂直であ
ることが重要である。試料ストリップを切断するとき、一端に切断方向を軽く印
す。
作業
試験されるべき試料の他の部分を使用し、試料の坪量をmg/cm2の単位で決定す
る。
ドレープ試験機150(第27図参照)を、オペレータの直ぐ前のベンチ上に
置かなければならない。頂部にある小さな気泡レベル152によって示されてい
るようにベンチを水平にしなければならず、ベンチは、振動や過度の熱が比較的
に加わらないようにされていなければならず、最も重要なことには、風が当たっ てはならない
。作業中に空気流が試験機に直接的にも間接的にも吹付けられない
ということが非常に重要なのである。これは、試料ストリップを震わせてしまう
ために結果に重大な影響が及ぼされるためである。
オペレータは、試験機の使用中、試験機の前で座っていてもよいし、立ってい
てもよい。オペレータが試験機の前で快適な姿勢を選んだ後、試験機の一端から
延びる角度をなした二つのプラスチック製のフィン156の上縁部が整合し又は
一致し、単一の平面を形成するように見えるように試験機に設けられた鏡154
を調節しなければならない。
試料スライドバー158をドレープ試験機の上プラットホームに設けられた試
料スロット160から取り出す。試験試料ストリップ52’の一つを、試料スト
リップの一端が、角度をなした二つのフィンが取り付けられた試験機の垂直縁部
と正確に同じであるように試料スロットに置く。試料スロットは2.54cm(1
インチ)の試料よりも僅かに広幅であるということに着目されたい。ストリップ
を試料スロットの中央にあり且つ試料スロットの縁部と接触しないように置く。
試料スライドバーを、その前縁部が試験機内の試料ストリップの縁部と整合する
ように試料ストリップの上に再び注意深く置く。試料ストリップは、試料スロッ
トの各側に一つづつ取り付けられた二つの物差し162と隣接している。試料ス
ライドバー158は、試料に皺ができないように(これは、側延長部材料と固有
に関連した「皺付け」のことではない)、或いは前方に移動しないように、そし
て一方又は他方の物差しのゼロの印が試料スライダーに付けた線と正確に一致す
るように、注意深く置かれなければならない。
試料スライドバーの一端に取り付けた摘み164に非常に軽い穏やかな圧力を
加え、試料スライドバーを前方(二つのフィンが取り付けられた試験機の端部に
向かって)に毎秒約0.85cm乃至1.3cm(1/3インチ乃至1/2インチ)
の一定の速度で非常にゆっくりと移動する。試料スライドバーが前方に移動する
とき、試料は同じゆっくりとした速度で移動しなければならない。試料スライダ
ーが前方に押されるとき、試料スライドバー自体に付けた二つの表示線の一方を
参照して試料ストリップの位置を観察することによって、試料ストリップのスリ
ップの傾向に注意することができる。試料スライドバー及び試料ストリップが試
験機の縁部を越えて突出したとき、試料ストリップは直ちに又は最終的に曲がり
始め、下方に垂れ下がる。試料スライドバーを移動させ続ける。試料ストリップ
の吸収体コアの前縁が、鏡で見て、二つのフィンによって形成された単一の(一
致し且つ整合した)45°の基準線のレベルの下に落ちた瞬間に、試料スライド
バーの移動を停止する。製造者から製品を受け取った状態のため、試料ストリッ
プに折り目線がある場合、可能であれば、折り目線のところで曲がらない試料ス
トリップの例示の区分を試験しなければならない。折り目線をなくすのが不可能
である場合には、上述のように試験を行う。試料が捩じれ始めた場合には、二つ
のフィンによって形成された基準線と前縁の中心点が交差したときにスライドを
停止する。捩じれが45°以上である場合には、試料を廃棄し、別の試料ストリ
ップについて試験を繰り返す。
吸収体コアの前縁が45°の基準線の下の高さに落ちるのに必要な程度にまで
試料ストリップが垂れ下がり、試料スライドバーが停止した後、試料の移動距離
を計測する。試料が垂れ下がった試料の場所に印を付ける。
次いで、試料の垂れ下がった部分の長さを、印と付けた場所から試料の端縁部
まで計測する。次いで、試料の垂れ下がった部分を印を付けた場所で切断する。
次いで、残った試料の重量をg単位で計量し、試料ストリップの坪量を計算する
。試験手順を特定の種類の吸収物品について各方向(LD及びTD)で全部で四
回実施する。ゾーンの最も可撓性の方向を記録する。
計算
撓み剛性を表現するのに使用された等式は以下の通りである。
G=W(L/2)3
ここで、Gは撓み剛性に等しく、Wはmg/cm2単位での試料の坪量であり、Lはcm
単位でのオーバーハングの長さである。結果は、mg-cmの単位で表現される。
本特許出願中で言及した全ての特許、特許出願(及びこの特許出願に基づいて
付与された特許、並びにこの特許出願と対応する外国特許出願)、及び公開公報
の開示は、当該特許、特許出願、及び公開公報について触れたことにより、本明
細書中に組み入れたものとする。しかしながら、本明細書中に組み入れた全ての
文献において、本発明は教示も開示もなされていないということは明らかである
。更に、本明細書中に記載した商業的に入手できる材料又は製品は、本発明を教
示も開示もしないということは明らかである。
本発明の特定の実施例を図示し且つ説明したが、本発明の精神及び範囲から逸
脱することなく、種々の他の変形及び変更を行うことができるということは当業
者には明らかであろう。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM,
AU,BB,BG,BR,BY,CA,CN,CZ,E
E,FI,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ
,LK,LR,LT,LV,MD,MG,MN,MX,
NO,NZ,PL,RO,RU,SE,SI,SK,T
J,TT,UA,UZ,VN
(72)発明者 ハインズ,レタ マージ
アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、
イースト、ミルズ、アベニュ、320
(72)発明者 ベントゥラ,ピーター デイビッド
アメリカ合衆国オハイオ州、ノーウッド、
フォレスト、アベニュ、3809
(72)発明者 ラバシュ,ブルース ウイリアム
アメリカ合衆国オハイオ州、ウェスト、チ
ェスター、サン、マテオ、ドライブ、6659
(72)発明者 リンマン,エルマー ケリー
アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、
パインヒル、レイン、5650
(72)発明者 マンスフィールド,マイケル アン
アメリカ合衆国オハイオ州、シンシナチ、
ラドロー、アベニュ、875、アパートメン
ト、2