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JPH09331034A - 酸化物電極膜の形成方法 - Google Patents

酸化物電極膜の形成方法

Info

Publication number
JPH09331034A
JPH09331034A JP8145420A JP14542096A JPH09331034A JP H09331034 A JPH09331034 A JP H09331034A JP 8145420 A JP8145420 A JP 8145420A JP 14542096 A JP14542096 A JP 14542096A JP H09331034 A JPH09331034 A JP H09331034A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
partial pressure
forming
oxide
electrode film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8145420A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasushi Ogimoto
泰史 荻本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP8145420A priority Critical patent/JPH09331034A/ja
Publication of JPH09331034A publication Critical patent/JPH09331034A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、酸化物電極膜の平坦性、ρv(比
抵抗)、及び酸素雰囲気中での高温熱処理プロセスに対
する耐性に優れた酸化ルテニウムから成る酸化物電極膜
の形成方法を提供することを目的としている。 【解決手段】 基板1,2上に酸化ルテニウムから成る
酸化物電極膜3をスパッタ法により形成する酸化物電極
膜の形成方法において、スパッタガスの酸素分圧比を一
定とし、スパッタガスの全圧を変化させることにより酸
素分圧量を制御して酸化物電極膜3を形成することを特
徴とする酸化物電極膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物誘電体材料
から成る誘電体薄膜から構成されるDRAM等の誘電体
薄膜素子に用いられる酸化物電極膜の形成方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】DRAMの微細化・高集積化に伴い、キ
ャパシタ材料として高誘電率を有するSrTiO3
(BaxSr1-x)TiO3などの酸化物誘電体や、優れ
た不揮発性メモリとして注目される強誘電体メモリのキ
ャパシタ材料として用いられるPZT(チタン酸ジルコ
ン酸鉛),SrBi2Ta29,Bi4Ti312などの
酸化物強誘電体の開発が急速に進められている。
【0003】従来、これらの酸化物誘電体薄膜を下部電
極及び上部電極で挟んだ構造のキャパシタを構成する電
極としては、Pt,Pt/Ta,Pt/Ti,Pt/T
iN等の貴金属材料又は貴金属材料とバリヤ層あるいは
密着層との複合電極が用いられてきた。
【0004】また、このような酸化物誘電体薄膜を形成
する際には、酸化物誘電体薄膜の機能を利用するため
に、この薄膜の結晶化が要求される。そのため、結晶化
のプロセスとして、高誘電体の場合には300℃〜50
0℃、強誘電体の場合には600℃〜800℃のそれぞ
れの温度範囲で、酸素雰囲気中での高温熱処理プロセス
が必要とされている。
【0005】しかしながら、Pt及びその複合電極は、
この高温熱処理プロセスに対する耐性に乏しく、電極上
に形成された誘電体薄膜の剥離、クラック、又はPtヒ
ロックなどが発生し、電極上に形成された誘電体薄膜の
絶縁特性(リーク特性やB−D特性)に劣化の問題があ
ることや、さらにPt電極自体の微細加工が困難なこと
等、プロセス上多くの問題があった。
【0006】一方、上記の酸化物誘電体薄膜の下部電極
として、RuO2,IrO2,YBa2Cu37-x,La
SrCoO3等の酸化物電極材料が、その優れたバリヤ
性や上部に形成される酸化物誘電体薄膜との整合性など
の点から検討され始めている。その中でも、RuO
2(酸化ルテニウム)は、ドライエッチング条件が確立
していると報告されており(1994 DRY PROCESS SYMPOSI
UM,pp.73-78参照)、微細加工が可能であり、有望な酸
化物電極材料の一候補であると考えられる。このような
微細加工の点では問題がないRuO2においては、薄膜
化したときの平坦性、ρv(比抵抗)、酸素雰囲気中で
の高温熱処理プロセスに対する耐性が、下部電極として
要求される項目である。
【0007】このRuO2膜の形成方法としは、半導体
プロセス用の量産方法として実績のあるマグネトロンス
パッタ法が一般的に用いられる。RuO2膜を形成する
場合には、RuターゲットやRuO2ターゲットを用い
られるが、実際上はターゲットの純度、密度、及び酸素
欠損等の問題からRuメタルターゲットがよく用いられ
る。このようなターゲットを用いて、アルゴン(Ar)
及び酸素(O2)の混合ガスにより、反応性スパッタを
行うものである。
【0008】良く知られているように、スパッタ法にお
いては、スパッタパワー、基板温度、スパッタ圧力、ス
パッタガス比などが成膜条件を制御するパラメータであ
る。その中でも、反応性スパッタ法においては、酸化物
膜の形成条件として、Ar/O2比(酸素分圧比(スパ
ッタガス圧一定条件下))による制御が行われている。
このAr/O2比としては、RuO2膜が形成される酸素
分圧比条件よりも酸素分圧比を減少させることは行われ
ていない。一方、酸素分圧比が増加すると、成膜速度が
減少する。この原因としては、ターゲット表面に酸化物
が形成されることにより、見かけ上の成膜速度が減少す
ると報告されている(Thin Solid Films,Vol.173(1989)
pp.217-224参照)。このような成膜速度の減少は、生産
上の効率が低下するというだけでなく、膜の成長速度と
いう点からRuO2膜の平坦性等の膜質にも大きくかか
わってくるので問題となる。さらに、Thin Solid Film
s,Vol.173(1989)pp.217-224には、成膜速度は一般的に
スパッタパワーで制御するが、RuO2膜を形成する場
合においては、スパッタパワーを増加させるとRuO2
膜が形成されるAr/O2比がO2リッチ側にシフトする
ため、これによる制御も複雑になることが報告されてい
る。
【0009】上記のほかに、酸化物誘電体の下部電極に
関して、特公平6−87490号公報には、基板温度1
00℃、スパッタガス圧力10mTorr(約1.3P
a)という低温成膜条件にて、マグネトロンスパッタ法
で形成された膜が非常に平坦性に優れていることが開示
されている。
【0010】また、Appl.Phys.Lett.Vol.64(1994)pp.29
67-2969には、基板加熱せずに0.27〜0.53Pa
(約2〜4mTorr)の成膜条件にて、マグネトロン
スパッタ法で形成したRuO2膜が非常に平坦であると
の報告がなされている。しかしながら、このように形成
したRuO2膜は、ほとんど結晶化しておらず、RuO2
バルクの比抵抗が約40〜50μΩcmであるのに対し
て、200〜400nmの膜厚で比抵抗250μΩcm
と大きな値を示すことが報告されている。さらに、低温
成膜条件にて成膜しているため、上部への酸化物誘電体
薄膜形成の酸素雰囲気中での高温処理プロセスを施す
と、その後に電極成膜時には非常に平坦であった膜表面
が表面あれを生じたり、電極と誘電体薄膜との反応が引
き起こされキャパシタ特性を劣化させるという問題が容
易に予想される。
【0011】特開平7−94680号公報及びJpn.J.Ap
pl.Phys.Vol.33(1994)pp.L867-L869には、RuO2/R
uの積層電極構造の作製について開示されているが、R
uO2膜の成膜温度を350℃〜700℃の範囲で、ス
パッタガス圧力15mTorr(約2Pa)、Ar/O
2=1/4という条件にて、成膜を行っている。この成
膜温度の範囲の設定の理由として、350℃以下では結
晶性が悪くかつ上部の誘電体薄膜形成時に反応してキャ
パシタ特性の劣化を引き起こし、700℃以上ではRu
2の分解が起こり膜質が劣化することを挙げている。
しかしながら、この350℃〜700℃の温度範囲、特
に700℃付近の条件では、RuO2が粒成長を起こし
てしまうために、膜の平坦性が損なわれ、実際のデバイ
スで用いられる上部誘電体薄膜の膜厚が薄くなる領域
(例えば100nm未満)での誘電体膜の絶縁特性劣化
を引き起こす原因となることが当然考えられる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、上記の
従来の酸化物電極膜の形成方法では、膜の平坦性を優先
して基板加熱なし又は基板温度100℃以下の低温成膜
の条件としており、RuO2膜の結晶性が不十分である
ため、ρv(比抵抗)が大きくなり、更に上部の誘電体
薄膜成膜時において平坦性が損なわれるなどの問題があ
った。また、350℃〜700℃の高温成膜の条件で
は、RuO2膜が粒成長を起こしてしまうため膜の平坦
性に問題があった。
【0013】すなわち、膜の平坦性、ρv(比抵抗)、
及び酸素雰囲気中での高温熱処理プロセス(600℃程
度)に対する耐性が同時に満たされず、電極として大き
な問題であった。
【0014】また、RuO2膜形成時のAr/O2比(酸
素分圧比)による制御では、RuO2膜の形成条件とR
uO2膜質(平坦性、結晶性)を左右する膜成長速度に
大きく関わる酸素分圧量を同時に制御することが困難で
あるという問題があった。
【0015】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであって、膜の平坦性、ρv(比抵
抗)、及び酸素雰囲気中での高温熱処理プロセスに対す
る耐性に優れた酸化ルテニウムから成る酸化物電極膜の
形成方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、基板上に酸化ルテニウムから成る酸化
物電極膜をスパッタ法により形成する酸化物電極膜の形
成方法において、スパッタガスの酸素分圧比を一定と
し、スパッタガスの全圧を変化させることにより酸素分
圧量を制御して酸化物電極膜を形成することとしてい
る。
【0017】さらに、本発明では、上記の酸化物電極膜
の形成方法において、スパッタガスの酸素分圧比を酸化
ルテニウム膜が形成される酸素分圧比以上とし、スパッ
タガスの全圧を2Pa以下とすることとしている。
【0018】また、本発明では、上記の酸化物電極膜の
形成方法において、スパッタターゲットしてルテニウム
メタルターゲットを用い、スパッタガスの酸素分圧比を
酸化ルテニウム膜が形成される酸素分圧比以上とし、ス
パッタガスの酸素分圧量をルテニウムメタルターゲット
表面に化合物が形成し成膜速度が低下する酸素分圧量以
下に制御することとしている。
【0019】さらに、本発明では、上記の酸化物電極膜
の形成方法において、酸化物電極膜形成時の基板温度を
200℃より高く400℃より低い温度範囲とすること
としている。
【0020】本発明によれば、スパッタガスの全圧を変
化させることによりスパッタガスの酸素分圧量を制御し
ているので、スパッタガスの酸素分圧比を一定とするこ
とができ、RuO2膜の形成条件を保持しながら、Ru
2膜の膜質(平坦性、結晶性)を左右する成膜速度を
制御することができる。従って、本発明の形成方法によ
り酸化ルテニウムから成る酸化物電極膜を形成すれば、
膜の平坦性、ρv(比抵抗)、及び酸素雰囲気中での高
温熱処理プロセスに対する耐性に優れた酸化物電極膜を
実現することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態につ
いて、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実
施形態により基板上に酸化物電極膜を形成したサンプル
の断面構造を示す概略図である。図1に示すように、基
板としては、Si(100)基板1の表面を熱酸化によ
りシリコン熱酸化膜2(膜厚230nm)を形成したも
のを用いた。このシリコン熱酸化膜2上に、酸化ルテニ
ウム膜(RuO2膜)3をRF−反応性マグネトロンス
パッタ法により形成する。ここで、スパッタターゲット
してはルテニウム(Ru)メタルターゲット(純度:3
N以上)を用い、成膜の予備手順としては、表面にシリ
コン熱酸化膜2が形成されたSi基板1をスパッタ装置
の成膜室内に配置した後、その成膜室内のベースプレッ
シャー2×10-4Paまで真空排気してから基板加熱
し、スパッタガス(Ar及びO2)を導入してスパッタ
成膜を行う圧力に調整するものである。
【0022】まず、第1の実施形態のRuO2膜形成条
件の検討を行った結果について説明する。成膜条件とし
て、RFスパッタパワー100W、基板温度250℃、
スパッタガス全圧2Paとこれらの条件を固定し、ガス
比をAr/O2=85/15,7/3,6/4,5/
5,3/7と変化させて、RuO2膜3の成膜を行っ
た。なお、このときの成膜時間は15分間一定とした。
【0023】これらのサンプルについて、下表(表1)
にSEM観察に基づく表面性及び膜厚を、図2にXRD
ピーク強度を、図3に成膜速度をそれぞれ調べた結果を
示す。
【0024】
【表1】
【0025】これらの結果から、ガス比としては、Ar
/O2=7/3よりも酸素流量比が多い条件でRuO2
が形成された。また、Ar/O2比において酸素を増加
させていくと急激に成膜速度が低下し、Ar/O2=3
/7の場合には膜の付着が目視では確認することができ
ず、非常に成膜速度が遅いことがわかった。そして、A
r/O2=7/3では成膜速度が極大となっており、こ
れよりも酸素比が少ない条件ではRuが混在する。ま
た、Ar/O2=7/3よりも酸素比が増加すると、急
激に成膜速度が減少しており、酸素分圧比に対して敏感
であることがわかった。このように、急激に成膜速度や
膜形成条件が変化するため、Ar/O2比を変えて膜の
平坦性などを制御することが非常に困難であることが確
認された。
【0026】上記の結果から、以下ではAr/O2条件
としては、各スパッタパラメータによるAr/O2のず
れ等を見込んでAr/O2=6/4として、更に詳細な
検討を行った。
【0027】続いて、成膜温度を変化させて、RuO2
膜質の検討を行った結果について説明する。成膜条件と
しては、RFスパッタパワー100W、スパッタガス全
圧2Pa、Ar/O2=6/4とこれらの条件を固定
し、成膜温度を室温(基板加熱なし)〜500℃と変化
させて、RuO2膜の成膜を行った。なお、前述のもの
と同様、成膜時間は15分間一定とした。
【0028】これらのサンプルについて、下表(表2)
にSEM観察に基づく表面性及び膜厚を、図4にシート
抵抗(四探針法)測定によるρv(比抵抗)を、図5に
XRDピーク強度(結晶性)をそれぞれ調べた結果を示
す。
【0029】
【表2】
【0030】これらから、基板加熱を行って成膜を行っ
たサンプルは、いずれも膜厚が90〜100nmであっ
た。基板温度200℃では、すでにRuO2(101)
ピークが観察され結晶化していることがうかがえるが、
比抵抗が約500μΩcmと大きな値となり、結晶化が
不十分であると考えられる。基板温度250℃〜350
℃では、RuO2(110)ピークなども観察され多結
晶膜が得られており、比抵抗も90〜100μΩcmと
低い値が得られている。また、SEMによる観察結果に
よれば、基板温度250℃〜350℃では、成膜温度を
低くしているので、RuO2膜を構成する結晶粒子の粒
径が30〜50nmと小さく平坦な膜が得られているこ
とが分かった。基板温度400℃以上では、RuO2
XRDピーク強度が400℃を境にして急激に増加して
おり、それとともに粒成長が認められ、基板温度の上昇
に伴い膜の凹凸が激しくなり平坦性が劣化した。このた
め、基板温度400℃以上では、膜の凹凸が激しいので
膜厚の測定ができず、比抵抗の算出が行えなかった。従
って、基板温度400℃以上では、結晶化が促進され粒
成長が起こるために、膜の平坦性が損なわれるので、誘
電体薄膜の下部電極としては適さないことがわかった。
【0031】以上のことから、基板温度としては200
℃より高く400℃より低い範囲が好ましく、更に好ま
しい基板温度範囲は250℃以上350℃以下である。
特に、250℃以上350℃以下の基板温度範囲のと
き、十分に結晶化した比抵抗の低い優れた特性を示すR
uO2膜を約100℃の温度範囲で形成可能なことが確
認できた。
【0032】次に、酸素雰囲気中での高温熱処理に対す
る耐性を調べるために、アニールによるテストを行った
結果について説明する。ここで用いたサンプルは、Ru
2、膜成膜段階で平坦性に優れていた基板加熱なしの
もの(サンプルA)と基板温度250℃のもの(サンプ
ルB)とである。
【0033】サンプルAについては、酸素1atm雰囲
気中400℃で10分間アニールを行った後にSEM観
察を行った結果、図6(a)に示すようなものであっ
た。これによれば、凹凸の激しい表面性となっており、
高温熱処理耐性に乏しいことが確認された。これは、基
板加熱をせずにRuO2膜成膜を行ったため、安定なR
uO2が形成されず、膜中に残存する不安定なRuOx
ら蒸気圧の高いRuO4が昇華する際の形状変化による
ものと考えられる。
【0034】一方、サンプルBについては、O2(酸
素)1atm雰囲気中500℃で10分間アニールを行
った後にSEM観察を行った結果、図6(b)に示すよ
うなものであった。これによれば、やや粒成長がみられ
るものの、サンプルAよりも高温処理であるにも拘わら
ず、平坦性はほぼ保持されていた。また、結晶性及び比
抵抗を調べた結果、変化はほとんど認められなかった。
詳細は説明しないが、RuO2膜成膜時の基板温度が異
なるサンプルについても検討を行った結果、250℃以
上350℃以下のものでは、成膜したRuO2膜が酸素
雰囲気中の高温処理耐性に優れていることを確認でき
た。
【0035】以上のことから、基板上に酸化物電極膜で
ある酸化ルテニウム(RuO2)膜を形成する際に、そ
の形成条件をスパッタガスの酸素分圧比を一定にするこ
とが有効であることを確認することができた。そして、
基板温度としては、200℃より高く400℃より低い
温度範囲とすることにより、平坦かつ十分に結晶化した
膜を得ることができ、その結果、比抵抗が低く、SrT
iO3,(BaxSr1-x)TiO3等のから成る酸化物誘
電体薄膜をその上部に成膜するプロセスに耐え得る膜が
形成可能であることが示された。
【0036】なお、上記実施形態では、RuO2膜の膜
厚が90〜100nmのものを形成したが、これに限定
されるものではなく、30〜400nmの範囲であれば
同様の効果が得られることを確認している。また、基板
としては、SiO2/Siを用いたが、これに限定され
るものではなく、Si基板又はGaAs基板等の半導体
基板、半導体基板上にpoly−Siや層間絶縁膜を形
成したもの、メタル基板(半導体基板上にメタル膜を形
成したもの)などを用いても良い。また、成膜方法とし
てRF−反応性マグネトロンスパッタ法を用いたが、こ
れに限定されるものではなく、DC−反応性マグネトロ
ンスパッタ法を用いても良く、スパッタターゲットもR
uメタルターゲット以外にRuO2ターゲットを用いる
こともできる。
【0037】次いで、第2の実施形態として、スパッタ
ガスの酸素分圧比を一定とし、スパッタガスの全圧を変
化させた場合について検討した結果を説明する。本実施
形態で用いた基板は、上記第1の実施形態と同様のSi
2/Si基板であり、また、RuO2膜の成膜方法も上
記第1の実施形態と同様のRF−反応性マグネトロンス
パッタ法を用いた。成膜条件としては、RFスパッタパ
ワー100W、基板温度250℃、Ar/O2=6/4
とこれらの条件を固定し、スパッタガス全圧を0.4P
a〜2Paと変化させて、RuO2膜の成膜を行った。
なお、成膜時間についても、上記第1の実施形態と同様
15分間一定とした。
【0038】これらのサンプルについて、下表(表3)
にSEM観察に基づく表面性及び膜厚を、図7に成膜速
度を、図8にXRDピークに基づく結晶性を、図9にシ
ート抵抗(四探針法)測定によるρv(比抵抗)をそれ
ぞれ調べた結果を示す。
【0039】
【表3】
【0040】これらから、まず、酸素分圧比を一定にし
て、スパッタガス全圧を変化させると、1Paと1.5
Paの間で成膜速度が急激に変化していることがわかっ
た。これは、ターゲット表面に酸化物が形成されるか否
かが決まる臨界的な酸素分圧量の領域であることを示し
ていると考えられる。また、この領域の両側、即ち1P
a以下及び1.5Pa以上の領域では、成膜速度が変化
が少なく、1Pa以下では22〜23nm/min.、
1.5Pa以上では6nm/min.程度と比較的安定
したものとなっている。
【0041】スパッタガス全圧の変化によって成膜速度
が異なるので、各サンプルの膜厚はそれぞれ異なり、
0.4Pa,1Paのものでは約300nm、1.5P
a,2Paのものでは約100nmとなった。このよう
に、膜厚が異なる場合、X線回折強度(cps)を単純
に比較できないので、便宜的に100nmあたりの強度
(cps/100nm)として、回折強度(cps)×
100nm/膜厚(nm)を縦軸にしてスパッタガス全
圧に対する依存性を示したグラフが図8である。この図
8によれば、いずれのサンプルでも多結晶膜が得られて
いるが、膜厚100nmあたりの強度はスパッタガス全
圧にほぼ比例している。しかしながら、スパッタガス全
圧が1Pa以下の条件では、比抵抗が約60μΩcm
(膜厚300nm)と十分に低い値を示している。
【0042】一般に、比抵抗は膜厚依存性をもっている
ので、同程度の膜厚で比較することが必要である。そこ
で、RFスパッタパワー100W、基板温度250℃、
Ar/O2=6/4、スパッタガス全圧1Paの条件で
の比抵抗の膜厚依存性を調べた結果を、図10に示す。
この図10から、膜厚100nmでの比抵抗は、約10
0μΩcmであり、スパッタガス全圧1.5Pa以上の
条件で成膜したRuO2膜と同程度の比抵抗が得られて
いるので、結晶化が十分であることがわかった。
【0043】さらに、スパッタガス全圧1Paのサンプ
ルについてSEM観察を行った結果図11に示すよう
に、このRuO2膜は非常に平滑でかつ緻密であり、膜
を構成する結晶粒子の粒径も10nm程度と非常に小さ
いことがわかった。
【0044】次に、酸素雰囲気中での高温熱処理に対す
る耐性を調べるために、アニールによるテストを行った
結果について説明する。ここで用いたサンプルは、スパ
ッタガス全圧が1Pa以下の条件で平坦性の優れている
1Paのものを用いた。
【0045】このサンプルについて、O2(酸素)1a
tm雰囲気中600℃で10分間アニールを行った後に
SEM観察を行った結果、図12に示すようなものであ
った。これによれば、平坦性はほぼ保持されており、ま
た、結晶性及び比抵抗を調べた結果、変化はほとんど認
められなかった。詳細は説明しないが、RuO2膜成膜
時のスパッタガス全圧及び基板温度が異なるサンプルに
ついても検討を行った結果、スパッタガス全圧2Pa以
下、基板温度250℃以上350℃以下のものでは、成
膜したRuO2膜が酸素雰囲気中の高温処理耐性に優れ
ていることを確認できた。さらに、スパッタガス全圧が
1Pa以下のものでは、より酸素雰囲気中の高温処理耐
性にすぐれていることがわかった。
【0046】以上のことから、基板上に酸化物電極膜で
ある酸化ルテニウム(RuO2)膜を形成する際に、そ
の形成条件をスパッタガスの酸素分圧比を一定とし、ス
パッタガスの全圧を変化させることにより、酸素分圧比
を制御することができ、酸素分圧比がRuメタルターゲ
ット表面に化合物が形成し成膜速度が低下する酸素分圧
量以下の範囲(上記第2の実施形態ではAr/O2=6
/4、スパッタガス全圧が1Pa以下)でスパッタ成膜
することで、成膜速度の速い安定した条件で酸化ルテニ
ウム膜を形成できることが示された。
【0047】また、基板温度が200℃より高く400
℃より低い温度範囲で、スパッタガスの全圧が1Pa以
下で形成したRuO2膜は、スパッタガス全圧が1Pa
より高い条件で形成したものよりと比較して、平坦性が
更に優れ、かつ比抵抗は同程度に良好で、酸素雰囲気中
の高温処理耐性もより優れており、PZT,SrBi2
Ta29,Bi4Ti312等から成る酸化物強誘電体薄
膜をその上部に成膜するプロセスに耐え得る膜が形成可
能であることが示された。
【0048】なお、上記実施形態では、スパッタガス全
圧に関し0.4Paが最低圧力として示したが、これに
限定されるものではなく、成膜が可能であればこれより
も低い圧力でも良い。また、基板としては、SiO2
Siを用いたが、これに限定されるものではなく、Si
基板又はGaAs基板等の半導体基板、半導体基板上に
poly−Siや層間絶縁膜を形成したもの、メタル基
板(半導体基板上にメタル膜を形成したもの)などを用
いても良い。また、成膜方法としてRF−反応性マグネ
トロンスパッタ法を用いたが、これに限定されるもので
はなく、DC−反応性マグネトロンスパッタ法を用いて
も良く、スパッタターゲットもRuメタルターゲット以
外にRuO2ターゲットを用いることもできる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明の酸化物電極膜の
形成方法によれば、膜の平坦性、ρv(比抵抗)、及び
酸素雰囲気中での高温熱処理プロセスに対する耐性に優
れた酸化ルテニウム膜を実現することができる。さら
に、本発明は、DRAMや強誘電体メモリに用いられる
酸化物誘電体薄膜の電極として適用可能なものであり、
工業上極めて大きな価値を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の酸化物誘電体薄膜の形成方法により作
製したサンプルの構造を示す断面概略図である。
【図2】第1の実施形態において形成したRuO2膜の
XRDピーク強度のAr/O2ガス比依存性を示す図で
ある。
【図3】第1の実施形態において形成したRuO2膜の
成膜速度のAr/O2ガス比依存性を示す図である。
【図4】第1の実施形態において形成したRuO2膜の
ρv(比抵抗)の基板温度依存性を示す図である。
【図5】第1の実施形態において形成したRuO2膜の
XRDピーク強度の基板温度依存性を示す図である。
【図6】第1の実施形態において形成したRuO2膜に
対しアニール処理を施した後のSEM観察結果を示す電
子顕微鏡写真である。
【図7】第2の実施形態において形成したRuO2膜の
成膜速度のスパッタガス全圧依存性を示す図である。
【図8】第2の実施形態において形成したRuO2膜の
膜厚100nmあたりのXRDピーク強度のスパッタガ
ス全圧依存性を示す図である。
【図9】第2の実施形態において形成したRuO2膜の
ρv(比抵抗)のスパッタガス全圧依存性を示す図であ
る。
【図10】第2の実施形態において形成したRuO2
のρv(比抵抗)の膜厚依存性を示す図である。
【図11】第2の実施形態において形成したRuO2
のSEM観察結果を示す電子顕微鏡写真である。
【図12】第2の実施形態において形成したRuO2
に対しアニール処理を施した後のSEM観察結果を示す
電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 Si(100)基板 2 シリコン熱酸化膜 3 RuO2
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/285

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に酸化ルテニウムから成る酸化物
    電極膜をスパッタ法により形成する酸化物電極膜の形成
    方法において、 スパッタガスの酸素分圧比を一定とし、スパッタガスの
    全圧を変化させることにより酸素分圧量を制御して酸化
    物電極膜を形成することを特徴とする酸化物電極膜の形
    成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の酸化物電極膜の形成方
    法において、 前記スパッタガスの酸素分圧比を酸化ルテニウム膜が形
    成される酸素分圧比以上とし、前記スパッタガスの全圧
    を2Pa以下とすることを特徴とする酸化物電極膜の形
    成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の酸化物電極膜の形成方
    法において、 スパッタターゲットとしてルテニウムメタルターゲット
    を用い、前記スパッタガスの酸素分圧比を酸化ルテニウ
    ム膜が形成される酸素分圧比以上とし、前記スパッタガ
    スの酸素分圧量を前記ルテニウムメタルターゲット表面
    に化合物が形成し成膜速度が低下する酸素分圧量以下に
    制御することを特徴とする酸化物電極膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2又は3に記載の酸化物電
    極膜の形成方法において、 前記酸化物電極膜形成時の基板温度を200℃より高く
    400℃より低い温度範囲とすることを特徴とする酸化
    物電極膜の形成方法。
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