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JPH11233734A - 半導体メモリ素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体メモリ素子及びその製造方法

Info

Publication number
JPH11233734A
JPH11233734A JP10035639A JP3563998A JPH11233734A JP H11233734 A JPH11233734 A JP H11233734A JP 10035639 A JP10035639 A JP 10035639A JP 3563998 A JP3563998 A JP 3563998A JP H11233734 A JPH11233734 A JP H11233734A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
iro
semiconductor memory
memory device
thickness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10035639A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Yokoyama
誠一 横山
Takashi Mitarai
俊 御手洗
Masaya Osada
昌也 長田
Atsushi Kudo
淳 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP10035639A priority Critical patent/JPH11233734A/ja
Priority to US09/219,310 priority patent/US6313539B1/en
Publication of JPH11233734A publication Critical patent/JPH11233734A/ja
Priority to US09/950,804 priority patent/US6608383B2/en
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐酸化性を高めるために高い結晶性を有する
Ir及びIrO2が必要となるが、Ir上に高温で直接
IrO2を形成しようとした場合、膜むらが生じ、高温
で均質な膜を形成することができないという問題があっ
た。 【解決手段】 TaxSi1-xy又はHfxSi1-x
y(0.2<x<1、0<y<1)からなる拡散バリア
膜5上にIr膜4を形成した後、300℃以上400℃
以下で、膜厚が300Å以下の初期膜5を形成する。次
に、初期膜5上にIrO2膜6、誘電体膜7を順次形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体メモリ素子
及びその製造方法に関し、更に詳しくは、選択トランジ
スタと導電性プラグ及び拡散バリア膜を介して電気的に
接続された、下部電極及び誘電体膜及び上部電極からな
るキャパシタを備えた半導体メモリ素子及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強誘電体は、自発分極、高誘電率、電気
光学効果、圧電効果及び焦電効果等の多くの機能をもつ
ことから、広範なデバイス応用されている。例えば、そ
の焦電性を利用して赤外線リニアアレイセンサに、ま
た、その圧電性を利用して超音波センサに、その電気光
学効果を利用して導波路型光変調器に、その高誘電性を
利用してDRAMやMMIC用キャパシタにと様々な方
面で用いられている。中でも、近年の薄膜形成技術の進
展に伴って、半導体メモリ技術との組み合わせにより高
密度でかつ高速に動作する強誘電体不揮発性メモリ(F
RAM)の開発が盛んである。
【0003】強誘電体薄膜を用いた不揮発性メモリは、
その高速書き込み/読みだし、低電圧動作、及び書き込
み/読みだしの操作の繰り返しに対する高い耐性等の特
性から、従来の不揮発性メモリの置き換えだけでなく、
SRAM、DRAM分野の置き換えも可能なメモリとし
て、実用化に向けての研究開発が盛んに行われている。
【0004】従来、強誘電体キャパシタに用いる強誘電
体材料として、酸化物強誘電体(PZT(チタン酸ジル
コン酸鉛)、SrBi2Ta29、Bi4Ti312)が
検討されており、その下部電極として、Pt、Pt/T
a、Pt/Ti等の貴金属材料或いは貴金属材料と密着
膜との複合電極が強誘電体薄膜の特性検討のため用いら
れてきた。
【0005】強誘電体膜の機能を利用するには結晶化し
た膜が要求される。そのため、結晶化のプロセスとし
て、酸素雰囲気中での、600〜800℃の高温熱処理
が必要とされている。
【0006】更に、これら強誘電体キャパシタ及びプロ
セスを用いて、4Mbit以上の高集積化を実現するに
は、デバイス構造としてスタックト型構造が不可欠であ
ると言われている。すなわち、選択トランジスタと強誘
電体キャパシタとをポリシリコンなどの導電性プラグを
用いて電気的に接続する構造が必要となるが、Pt/ポ
リシリコン構造では、強誘電体の結晶化プロセスを行っ
た場合、Pt下部電極がシリサイド化反応を起こすた
め、TiNなどの拡散バリア膜が必要とされている。
【0007】しかしながら、Pt膜自体は耐酸化性は十
分であるが、Pt/TiN/Ti構造においては、強誘
電体の結晶化プロセスにおいて、Pt膜粒界を透過して
きた酸素ガスによりTiNが酸化されることが、「19
96年春季第43回応用物理学関係連合講演会講演予稿
集28p−V−6,(pp.500)」で報告されてい
る。更に、「1996年春季第43回応用物理学関係連
合講演会講演予稿集28p−V−7,(pp.50
0)」で報告されているように、TiNの酸化に伴う体
積膨張により発生するストレス変化を緩和するために、
Pt/TiN界面で剥離あるいはPtヒロックが上方に
向かって生じるという非常に大きな問題があった。
【0008】また、Pt膜の酸素透過性という上述の理
由により、密着膜を用いた場合には、Pt/Ta/Ti
N/Ti、Pt/Ti/TiN/Tiの両構造で、Pt
直下のTa又はTiが酸化され、その結果絶縁体が形成
され、電気的な接続が断たれてしまうという別の問題が
発生する。尚、最下部のTiはポリシリコンとのコンタ
クトをとるために必要な膜である。
【0009】このように、Pt或いはPtと密着膜のみ
を電極に用いた場合、TiNなどの拡散バリア膜が酸化
され、ヒロックやコンタクト不良の問題が大きくなり、
スタックト型構造の実現は難しい状況であった。
【0010】一方、上記酸化物強誘電体膜の下部電極と
して、酸化物電極材料、例えばIrO2、RuO2、Rh
2、OsO2、ReO2などがその優れたバリア性や上
部に形成される酸化物誘電体との整合性などの点から検
討され始めている。
【0011】中でも、IrO2については、文献「Ap
pl.Phys.Lett.vol.65(1994)
pp.1522−1524」や「Jpn.J.App
l.Phys.vol.33(1994)pp.520
7−5210」において、Ir/IrO2/ポリシリコ
ン或いは、Pt/IrO2/ポリシリコン電極上に形成
したPZTの疲労特性が著しく改善されると報告されて
いる。この理由は、IrO2膜のPbなどの強誘電体膜
構成元素に対するバリヤ性によるものとしている。
【0012】しかしながら、この構造では、IrO2
ポリシリコンとの界面でのポリシリコンの酸化によるコ
ンタクト不良問題、また、ポリシリコン直上に形成した
IrO2のシリサイド化の問題がIrO2膜形成及び強誘
電体膜形成時のプロセスにおいて発生する。
【0013】上記のIr、IrO2とポリシリコンの反
応の問題を解決するものとして、酸化物電極IrO2
バリヤメタルとしてTiNを適用したIrO2(100
0Å)/Ir(500Å)/TiN/Ti下部電極が
「1996年春季第43回応用物理学関係連合講演会講
演予稿集28p−V−4,(pp.499)」で報告さ
れている。
【0014】高誘電体であるSrTiO3膜を形成、イ
オン注入を行って低抵抗化したシリコン基板とのコンタ
クトを調べた結果、オーミックコンタクトが取られてい
ることが確認され、リーク電流密度〜10-7A/c
2、比誘電率〜216とPt電極上の特性と遜色無い
程度の値が得られるとしている。このようなIrO2
Ir/TiN/Ti構造は、高誘電体材料であるSrT
iO3膜に用いられる200〜450℃と比較的低温の
プロセスにおいては、ヒロックや平坦性の劣化に伴うキ
ャパシタの電気的特性劣化がないため、高誘電体キャパ
シタを用いたスタックト型構造に有望であることが確認
されている。
【0015】しかし、強誘電体結晶化プロセスにおいて
はPZT膜を形成する場合でも600℃以上の酸素雰囲
気が必要であり、また、SrBi2Ta29においては
800℃以上の酸素雰囲気が一般的によく用いられてい
る。この温度ではPt/TiN/Ti構造では密着膜で
あるTiの酸化により導通がとれなくなるという問題が
発生するほか、TiNの酸化に起因する膜応力の為にヒ
ロックが発生する。また、IrO2/Ir/TiN/T
i構造においても高温(>600℃)での結晶化プロセ
スに起因する膜応力のためにヒロックが発生する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、耐酸化
性を高めるために高い結晶性を有するIr及びIrO2
が必要となるが、Ir上に高温で直接IrO2を形成し
ようとした場合、膜むらが生じ、高温で均質な膜を形成
することができないという問題があった。また、拡散バ
リア膜の耐熱性が低く、高温雰囲気においてヒロックな
どが発生する等の問題があった。
【0017】このように、スタックト型構造で強誘電体
膜又は高誘電体膜を用いたメモリの実用化には600℃
以上の酸化雰囲気中熱処理工程でのプロセス耐性及び上
部に積膜する強誘電体との反応がなく、平坦で緻密な形
状をもち、従来のPt電極と同等上の抵抗率をもつこと
が望まれていた。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
の半導体メモリ素子は、導電性プラグ及び拡散バリア膜
を介して、選択トランジスタと電気的に接続された、下
部電極及び誘電体膜及び上部電極からなるキャパシタを
備えた半導体メモリ素子において、上記拡散バリア膜が
TaxSi1-xy又はHfxSi1-xy(0.2<x<
1、0<y<1)から成り、該拡散バリア膜上に下部電
極としてIr膜とIrO2膜とが順次形成されて成るこ
とを特徴とするものである。
【0019】また、請求項2に記載の本発明の半導体メ
モリ素子は、上記下部電極として、上記Ir膜と上記I
rO2膜とPt、Ir、Ru、Rh、Os及びReから
なる群から選択される金属元素のうち少なくとも一つを
含有する導電膜とが順次形成されて成ることを特徴とす
る、請求項1に記載の半導体メモリ素子の製造方法であ
る。
【0020】また、請求項3に記載の本発明の半導体メ
モリ素子は、上記拡散バリア膜がTaxSi1-xy又は
HfxSi1-xy(0.75<x<0.95、0.3<
y<0.5)から成ることを特徴とする、請求項1又は
請求項2に記載の半導体メモリ素子である。
【0021】また、請求項4に記載の本発明の半導体メ
モリ素子は、上記IrO2膜の膜厚と上記Ir膜の膜厚
との比が、1≦(IrO2膜の膜厚/Ir膜の膜厚)≦
3となることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のい
ずれかに記載の半導体メモリ素子である。
【0022】また、請求項5に記載の本発明の半導体メ
モリ素子の製造方法は、導電性プラグ及び拡散バリア膜
を介して選択トランジスタと電気的に接続された、下部
電極、誘電体膜及び上部電極からなるキャパシタを備え
た半導体メモリ素子の製造方法において、上記拡散バリ
ア膜上にIr膜を形成した後、300℃以上、且つ、4
00℃以下で、Ir、Ru、Rh、Os及びReからな
る群から選択される金属元素のうち少なくとも一つを含
有する、膜厚が50Å以上、且つ、300Å以下の初期
膜を形成する工程と、上記初期膜上にIrO2膜、上記
誘電体膜及び上部電極を順次形成する工程とを有するこ
とを特徴とするものである。
【0023】また、請求項6に記載の本発明の半導体メ
モリ素子の製造方法は、上記IrO2膜と上記誘電体膜
との間に、Pt、Ir、Ru、Rh、Os及びReから
なる群から選択される金属元素のうち少なくとも一つを
含有する導電膜を形成する工程を有することを特徴とす
る、請求項5に記載の半導体メモリ素子の製造方法であ
る。
【0024】また、請求項7に記載の本発明の半導体メ
モリ素子の製造方法は、上記IrO2膜を450℃以
上、且つ、700℃以下で形成することを特徴とする、
請求項5又は請求項6に記載の半導体メモリ素子の製造
方法である。
【0025】また、請求項8に記載の本発明の半導体メ
モリ素子の製造方法は、上記IrO2の膜厚とIrの膜
厚との比が、1≦(IrO2の膜厚/Irの膜厚)≦3
となることを特徴とする、請求項5乃至請求項7のいず
れかに記載の半導体メモリ素子の製造方法である。
【0026】また、請求項9に記載の本発明の半導体メ
モリ素子の製造方法は、導電性プラグ及び拡散バリア膜
を介して選択トランジスタと電気的に接続された、下部
電極、誘電体膜及び上部電極からなるキャパシタを備え
た半導体メモリ素子の製造方法において、上記拡散バリ
ア膜上にIr膜を形成した後、酸素を含む原料を用いて
上記誘電体膜を形成する工程と、上記誘電体膜上に上部
電極を形成する工程とを有することを特徴とするもので
ある。
【0027】また、請求項10に記載の本発明の半導体
メモリ素子の製造方法は、上記拡散バリア膜にTax
1-xy又はHfxSi1-xy(0.2<x<1、0<
y<1)を用いることを特徴とする、請求項5乃至請求
項9のいずれかに記載の半導体メモリ素子の製造方法で
ある。
【0028】また、請求項11に記載の本発明の半導体
メモリ素子の製造方法は、上記拡散バリア膜にTax
1-xy又はHfxSi1-xy(0.75<x<0.9
5、0.3<y<0.5)を用いることを特徴とする、
請求項10に記載の半導体メモリ素子の製造方法であ
る。
【0029】更に、請求項12に記載の本発明の半導体
メモリ素子の製造方法は、上記初期膜がIrO2膜から
なることを特徴とする、請求項5乃至請求項8、請求項
10及び請求項11のいずれかに記載の半導体メモリ素
子の製造方法である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に基づいて本発
明について詳細に説明する。
【0031】図1は本発明の一実施の形態の下部電極上
に強誘電体膜を形成した状態の断面構造を示す図、図2
はTaxSi(1-x)y膜中のTa組成xを変化させたと
きの抵抗率の変化を示す図、図3は成膜温度の変化によ
るXRDチャート特性を示す図、図4は成膜温度を変化
させたときの抵抗率のIrO2膜の抵抗率の変化を示す
図、図5は本発明の一実施の形態の半導体メモリ素子の
構造断面図、図6は図5に示す半導体メモリ素子により
得られたヒステリシスループを示す図である。また、図
1及び図5において、1はシリコン基板、2は熱酸化
膜、3はTaSiN膜、4はIr膜、5は初期膜、6は
IrO2膜、7は強誘電体膜、8は下部電極、9はロコ
ス酸化膜、10はゲート電極、11はソース/ドレイン
領域、12は第1のシリコン酸化膜、13はポリシリコ
ンプラグ、14はTaSiN膜、15はIr膜、16は
IrO2/初期膜、17は強誘電体膜、18は上部電
極、19は第2のシリコン酸化膜、20は第1のアルミ
ニウム引き出し電極、21は第2のアルミニウム引き出
し電極である。
【0032】本発明における強誘電体キャパシタを有す
る半導体メモリ素子に用いる基板は通常の半導体装置や
集積回路等の基板として使用することができる基板であ
れば特に限定されるものではなく、シリコン等の半導体
基板、GaAs等の化合物半導体基板、MgO等の酸化
物結晶基板、硝子基板など、形成しようとする素子の種
類、用途等により選択することができるが、シリコン基
板が望ましい。
【0033】この基板上には、下部電極が形成されてい
る。この下部電極は、本発明において、形成される半導
体メモリ素子の一部、つまり、キャパシタの容量材料と
して使用する場合に利用される電極を意味する。この下
部電極は、基板上に形成されるものであり、絶縁膜、下
膜配線、所望の素子、層間絶縁膜等又はこれらの複数を
備えた基板上に形成されてもよい。
【0034】本実施の形態として、成膜方法はスパッタ
法を用い、IrO2/Ir間にIr、Ru、Rh、O
s、Reのうち少なくとも1つを含む薄膜膜を挿入する
ことで、IrO2の高温成膜時に発生するむらを無く
し、高温成膜が可能となり、電極材料の結晶性が向上
し、その結果、高耐酸化性、高耐熱性を併せ持つ電極構
造を提供するものである。更に、TaSiNの組成を最
適化し、下部電極と組み合わせることにより、耐高温酸
素雰囲気特性が向上した電極構造を実現することができ
る。
【0035】従来の方法では、Ir/IrO2/Ir/
Ti構造の電極において、拡散炉で600℃、60mi
nの熱処理で、Tiの酸化により下部のシリコンとの導
通が取れなくなってしまっている。しかし、本発明の成
膜では拡散炉で700℃、60minの熱処理でも、そ
の下の拡散バリア膜であるTaSiNを酸化することが
無かった。これにより、従来法と比較して、100℃以
上の温度での耐熱・耐酸化性をもつ酸化物電極を作成す
ることができるとしている。
【0036】また、本発明における電極構造上に強誘電
体膜を成膜し、強誘電体素子を形成するが、強誘電体薄
膜は、酸化物強誘電体(PZT(チタン酸ジルコン酸
鉛)、SrBi2Ta29、Bi4Ti312)等を使用
することが可能となる。この場合、層状ペロブスカイト
構造を有するBi系強誘電体であれば、特に限定される
ものではないが、強誘電体膜が、Bi2m-1m3m+3
(AはNa、K、Pb、Ca、Sr、Ba又はBi;B
はFe、Ti、Nb、Ta、W又はMo)が示される強
誘電体材料が好ましく、また、mが自然数である化合物
がより好ましい。具体的には、Bi4Ti312、SrB
2Ta29、SrBi2Nb29、BaBi2Nb
29、BaBi2Ta29、PbBi2Nb29、PbB
2Ta29、PbBi4Ti415、SrBi4Ti4
15、BaBi4Ti415、Sr2Bi4Ti518、Ba2
Bi4Ti518、Pb2Bi4Ti518、Na0.5Bi
4.5Ti415、K0.5Bi4.5Ti415、Sr2Bi4
418、Ba2Bi4Ti518、Pb2Bi4Ti518
等が挙げられるが、中でもSrBi2Ta29が好まし
い。
【0037】これらの強誘電体膜は、公知の方法、例え
ば、スピンオン法、反応性蒸着法、EB蒸着法、スパッ
タ法、レーザーアブレーション法等の方法を選択して行
うことができる。例えば、スピンオン法においては、一
般的には上記薄膜を構成する一部、又はすべての元素を
溶媒に分散させ、それをスピンコートにより基板上に塗
布、乾燥を行い、その後膜中に存在している炭素成分を
焼結により燃焼させ(仮焼結)、その後、ペロブスカイ
ト構造を有する結晶にするための酸素若しくは酸素化合
物を含むガス成分中で焼成を行い、基板上に強誘電体膜
を形成する。
【0038】強誘電体膜上には、上部電極膜が形成され
ている。この上部電極膜はPt膜等の一層構造にする
他、下部電極膜と同様の材料で同様の方法により形成す
ることもできる。この上部電極膜の上には、所望の配線
工程、絶縁膜形成工程などを行うことにより、強誘電体
キャパシタを形成することができる。
【0039】強誘電体膜を用いた場合の本発明の半導体
メモリ素子は、強誘電体素子自体を強誘電体キャパシタ
として、また、強誘電体素子を強誘電体デバイス又は半
導体装置の構成の一部として、集積回路用のウエハに搭
載して、集積回路を構成することができる。例えば、強
誘電体素子を不揮発性メモリの容量部として、または、
FETのゲート電極に適用し、ゲート絶縁膜、ソース/
ドレイン領域等を組み合わせて形成することにより、M
FMIS−FET、MFS−FET等として利用するこ
ともできる。
【0040】実施例1 以下、本発明の半導体メモリ素子の特に、キャパシタの
拡散バリア膜、下部電極及び強誘電体膜の製造工程につ
いて説明する。
【0041】まず、シリコン基板1の表面に膜厚が約6
000Åの熱酸化膜2を形成する。次にDCマグネトロ
ンスパッタ法で、拡散バリア膜となる膜厚1000Åの
アモルファス状のTaSiN膜3を成膜した後、窒素雰
囲気中で熱処理を行い、TaSiN膜3の安定化を行
う。この熱処理は成膜条件によっては、特に必要がない
場合もある。
【0042】形成されたTaSiN膜3の組成は、Ta
xSi1-xy(0.2<x<1、0<y<1)であるこ
とが望ましく、さらに、0.75<x<0.95、0.
3<y<0.5であることがより望ましい。
【0043】図2で示すように、窒素の組成yを0.
5、0.41、0.3及びそれぞれの場合のTaの組成
xを0.75〜0.95にすることで、1000〜20
00μΩcm前後の抵抗率に抑えることができ、下地の
ポリシリコンとTaSiN上部に形成した薄膜の成分と
の反応も十分に抑えられていた。このことは、オージェ
電子分光法により、解析を行い、反応がなかったことで
確認した。しかし、0.5<y、y<0.3のそれぞれ
の場合において、0.75<x<0.95の場合におい
ても、バリア性が弱く、下地のポリシリコンと上部に形
成した薄膜との反応が600℃以下の焼結温度で容易に
起こってしまうため、適切な条件ではない。
【0044】尚、アモルファス状のTaSiN膜3の本
実施例に用いた成膜条件は、Ta/Si=10/3の合
金ターゲットを用い、基板温度を500℃、スパッタパ
ワーを2000W、スパッタガス圧を0.7Pa、Ar
流量/N2流量は3/2とし、また、熱処理条件は純窒
素雰囲気中で昇温速度を5℃/min、保持温度を60
0℃、保持時間を1時間とした。上記条件の下で形成さ
れたタンタルシリコン窒化物3はX線回折分光によりア
モルファス構造であることが確認され、さらに、オージ
ェ分光分析により、組成比がTa0.85Si0.150.41
あることが確認された。
【0045】続いて、この上にDCマグネトロンスパッ
タ法で下部電極8を形成した。IrO2/Irの積膜構
造はまずIr膜4を成膜し、引き続きIrO2膜6を形
成したものである。
【0046】まず、Ir膜4をDCパワー0.5kW、
基板温度500℃、ガス圧0.6Paとし、膜厚100
0Å作成した。スパッタガスはArガスのみとした。成
膜段階では500℃の高温成膜にも関わらず、緻密で平
坦な表面性を示していた。これは、スパッタパワーを落
とし、スパッタレートを落とすことで急速な粒成長が抑
制され、膜荒れを防ぐことができたからである。尚、電
極構造の表面性はSEMにより観察している。さらに、
Ir膜4上にIrO2膜6を500℃で成膜するための
初期膜5を形成する。成膜条件はDCパワー1kW、基
板温度350℃、ガス圧0.71Paとし、膜厚200
Å作成した。スパッタガスの流量比はAr/O2=1/
9とした。すなわち、Irターゲットを用いて、反応性
スパッタを行い、基板にIrO2膜5を形成する。
【0047】ここで、成膜温度を300℃としたのは、
成膜時の温度が400℃より大きい場合であると、Ir
膜4のようなメタル上に成膜むらが生じてしまうためで
あり、また、300℃未満であるとその後の高温での成
膜で、膜の結晶性にばらつきが生じるためである。
【0048】また、膜厚に関しては、今回200Åとし
たが、300Å以下であれば任意の膜厚で、均質な膜が
得られれば使用可能である。しかしながら、少なくと
も、50Å以上の膜厚は必要である。また、300Åよ
り厚くなってしまうと、高温プロセス中での薄膜の結晶
性のばらつきのために、薄膜の耐酸化性が不均一にな
り、場所によっては、ヒロックが生じる。また、スパッ
タで成膜する場合には、100Å以下では島状になって
しまうが、それ以下の膜厚で形成する場合には、酸素プ
ラズマにさらしたり、オゾンを基板表面に照射すること
で、Ir膜4の表面上を均質にIrO2膜6を任意の厚
さで形成することができ、それを初期膜5として使うこ
とができる。
【0049】尚、実施例1において、初期膜5はIrO
2膜となるが、Ir、Ru、Rh、Os及びReからな
る群から選択された金属元素のうち少なくとも1つを含
有すること膜であればよい。しかしながら、後のIrO
2膜6形成の際と同じ原料ターゲットを用いるIrO2
初期膜5に用いることが、膜特性の向上や工程簡略化の
点からも望ましい。
【0050】次に、この初期膜5上に500℃で、Ir
2膜6を形成する。成膜条件はDCパワー1kW、ガ
ス圧0.71Paとし、膜厚1300Å作成した。スパ
ッタガス流量比はAr/O2=1/9とした。本実施例
では、成膜温度を500℃とした。図3のXRDの結果
から、400℃と450℃以上で成膜した場合のXRD
チャートを比較すると、明らかにIrO2を450℃以
上で成膜した場合のIrO2(200)のピーク強度が
400℃で成膜した場合と比較して4倍以上大きくなっ
ていることが分かる。また、450℃での成膜と500
℃での成膜とを比較するとほとんど変わらないことが分
かる。そのため、400℃から450℃の間で結晶性が
変化し、IrO2(200)が優先的に配向しそれ以降
は結晶性が変化していないことが分かる。また、図4に
示すように、IrO2膜の抵抗率ρは450℃付近まで
次第に下がり、それ以降は低い値を保っている。よっ
て、IrO2膜6の成膜温度は450℃以上であればよ
い。
【0051】また、Irは雰囲気温度が700℃以上に
なるとIrO2膜6の成膜時にチャンバー内に導入され
た酸素と基板加熱によりIrが酸化され、細かいIrO
2の凝集体が基板にできてしまうという結果が実験的に
分かっており、そのため、IrO2膜6の成膜温度は7
00℃以下でなければならない。また、耐酸化性を検討
するために、それぞれの温度で酸素中で電極のみをアニ
ールした場合のヒロックの有無の検討したところ、40
0℃以下で成膜した場合には酸素中600℃以上の耐熱
・耐酸化性はないのに対し、450℃以上で成膜した場
合では、酸素中800℃までヒロックが生じなかった。
これらの結果から、450℃以上の成膜温度での優位性
が示された。
【0052】次に、基板上にスピンオン法を用いてSB
T膜7の成膜を行った。SBT膜の成膜方法は、まず構
成元素を溶媒に分散させた前駆体溶液を形成し、その前
駆体溶液をスピナーを用いて回転数を3000rpmと
して塗布し、大気中で150℃、10分間の乾燥を行っ
た後、大気中で400℃で30分間の仮焼成を行い、そ
の後、700℃で1時間の結晶化を行い形成する。これ
らの工程を3回繰り返し、SBT膜7を2000Å形成
した(図1)。SBT膜7形成後にヒロック等は認めら
れず、断面SEM及びオージェ分光分析より下部電極8
とSBT膜7との反応も見られなかった。
【0053】また、同様に、TaSiNの代わりにHf
SiNを使用した際も同様の結果が得られた。
【0054】また、上記下部電極上にPt膜を500Å
積膜した電極上にSBT膜を上記と同様に成膜した場合
にも、ヒロック等は認められず、反応も見られなかっ
た。更に、この構造の場合にはリーク電流値が1桁程度
小さくなった。すなわち、SBT/IrO2(初期膜と
なるIrO2を含む)/Ir/TaSiN構造ではリー
ク電流値は1.2×10-6(A/cm2)であったのに
対して、SBT/Pt/IrO2(初期膜となるIrO2
を含む)/Ir/TaSiN構造ではリーク電流値は
9.8×10-8(A/cm2)であった。今回はPtを
使用したが、Ir、Ru、Rh、Os、Re及びその合
金からなる例えばPt−Rh薄膜でも同様な効果を示し
た。
【0055】以上の結果より、実施例1に示した酸化物
導電性膜8を用いて形成した下部電極においては、Ir
膜上に初期膜5を用いることで、450℃以上での成膜
を可能にし、そのために、結晶性が向上し、高温酸素雰
囲気中での窒化タンタルシリコン膜3が酸化されること
がなくなった。そのため、高温・酸素雰囲気中での強誘
電体膜を形成することができ、高密度FRAMを実現す
るために必要十分な酸素バリア性をもった電極を形成す
ることが可能となった。
【0056】実施例2 次に、本発明の下部電極8を構成するIr膜及びIrO
2膜の膜厚についての実施例を示す。
【0057】実施例1と同様にシリコン基板1上に熱酸
化膜2を6000Å形成し、その上に窒化タンタルシリ
コン膜3を形成する。
【0058】続いて、この上にDCマグネトロンスパッ
タ法で下部電極8を形成した。IrO2/Irの積膜構
造はまずIr膜4を成膜し、引き続きIrO2膜6を形
成したものである。
【0059】まず、Ir膜4をDCパワー0.5kW、
基板温度500℃、ガス圧0.6Paとし、膜厚100
0Å作成した。スパッタガスはArガスのみとした。
【0060】さらに、Ir膜4上にIrO2膜6を50
0℃で成膜するためのIrO2からなる初期膜5を形成
する。成膜条件はDCパワー1kW、基板温度350
℃、ガス圧0.71Paとし、膜厚200Å作成した。
スパッタガスの流量比はAr/O2=1/9とした。
【0061】次に、この初期膜5の上に500℃でIr
2膜6を形成する。成膜条件はDCパワー1kW、ガ
ス圧0.71Paとし、膜厚500〜1800Åの膜厚
で作製した。スパッタガスの流量比はAr/O2=1/
9とした。
【0062】この膜厚と耐熱性との関係を示すために、
実施例1と同様に酸素中でのアニールによるヒロックの
有無により評価を行った。評価結果より、1≦(IrO
2膜の膜厚(IrO2膜からなる初期膜5が存在する場合
は初期膜の膜厚を含む。以下同様。)/(Ir膜の膜
厚)≦3の範囲でヒロックが無かった。1>(IrO2
膜の膜厚)/(Ir膜の膜厚)の場合には、IrO2
酸素バリア性が無く、酸素を透過してしまい、IrO2
膜上にIrが析出し、IrO2の単結晶体を形成し、膜
荒れが生じてしまう。
【0063】また、3<(IrO2膜の膜厚)/(Ir
膜の膜厚)の場合には、IrO2膜が厚いため、横方向
の高温処理中に強い応力が発生し、細かいクラックが生
じる。そこから酸素が進入し、更に、進入した酸素はI
r膜4上に到達するが、この条件の場合にはIr膜4の
膜厚が透過してきた酸素に対して十分な耐性をもたず、
その結果酸素がTaSiN膜3上に到達し、酸化膨張を
起こし、結果的には剥離が生じる。
【0064】尚、1≦(IrO2膜の膜厚)/(Ir膜
の膜厚)の場合には、IrO2膜が酸素に対して十分な
耐性をもち酸素を遮断するため、このような剥離は見ら
れない。また、(IrO2膜の膜厚)/(Ir膜の膜
厚)≦3であれば、応力が緩和され、ヒロックが生じな
くなることがわかった。
【0065】実施例1では、Ir膜の膜厚が1000Å
であり、初期膜5とIrO2膜6との合計の膜厚が15
00Åであり、(IrO2膜の膜厚)/(Ir膜の膜
厚)=1.5である。
【0066】以上の結果より、膜厚の制御によりヒロッ
クの抑制は可能であり、高密度FRAMを実現するため
の高耐熱電極の形成が可能となった。
【0067】実施例3 次に拡散バリア膜であるTaSiN膜の組成による耐熱
性、耐酸化性についての実施例を示す。
【0068】実施例1と同様にシリコン基板1上に膜厚
が約6000Åの熱酸化膜2を形成し、その上にTaS
iN膜3を成膜する。成膜を行ったTaSiN膜3の組
成は実施例1で示したものを用いた。
【0069】その上に、Ir膜4をDCパワー0.5k
W、基板温度500℃、ガス圧0.6Paとし膜厚10
00Å作製した。スパッタガスはArのみとした。
【0070】次に、この上にスピンオン法を用いて、S
BT膜7の成膜を実施例1と同様に形成した。この際、
結晶化のための焼成を各1時間、合計700℃で3時間
の焼成を行った。
【0071】SBT膜形成後はヒロック等は認められ
ず、断面SEM観察より、SBT膜7と他の膜との反応
は見られなかった。また、オージェ分析の結果、SBT
膜とIr電極界面に各構成元素が相互拡散している領域
が100Å程度観察され、また、Ir電極中に酸素が3
00Å程度拡散している様子が観察された。
【0072】実施例3では実施例1のようにIrO2
を用いていないが、酸素を透過させない原理は同様であ
る。つまり、SBT膜成膜時にIr膜表面が例えばスピ
ンオン法では溶液中に含有される酸素によって酸化さ
れ、100〜300Å程度の膜厚のIrO2膜が形成さ
れ、同時にSBT等の酸化物が上部に形成される。それ
らの膜がIrO2膜を直接形成したときと同様の効果を
示し、同様の酸素バリア性を示すようになる。本実施例
を用いることにより、別途IrO2膜を形成する工程を
行わなくても、酸素バリア性を有する下部電極を形成す
ることができる。
【0073】ここで、TaxSi1-xyの組成を、0.
75<x<0.95、0.3<y<0.5とすること
で、600℃以上の高温でのバリア性の高い膜を形成す
ることができる。
【0074】強誘電体膜の形成には、スピンオン法の他
に、スパッタ法、MOCVD法でも同様な効果が得られ
る。また、Ir、TaSiNの膜厚は実施例3で用いた
膜厚に限らず、所望の温度で反応が起こらない膜厚であ
ればよい。また、拡散バリア膜は、TaSiN膜を用い
たが、HfSiNでも同様の効果が得られた。また、バ
リアメタル膜であるTaSiNやHfSiN上に成膜す
る電極はIrの他にPt、Ru又はOsでも同様の結果
が得られた。
【0075】以上の結果より、実施例3に示した電極構
造により、耐熱性、耐酸化性が向上し、高温酸素雰囲気
中でのTaSiN膜3が酸化されることが無くなった。
このため、高温・酸素雰囲気中の強誘電体膜を形成する
ことができ、高密度FRAMを実現するために必要十分
な酸素バリア性をもった電極を形成することが可能とな
った。
【0076】実施例4 次に、実施例1〜3に示した酸化物導電体を用いた下部
電極8を用いた強誘電体を用いた半導体メモリ素子の形
成について実施例に示す。
【0077】まず、シリコン基板1の表面に膜厚が約5
000Åのロコス酸化膜9を形成して、素子分離領域を
形成する。次に、ゲート電極10、ソース/ドレイン領
域11等からなる選択トランジスタを形成した後、層間
絶縁膜としてCVD法で第1のシリコン酸化膜12を、
5000Å程度成膜し、続いて、直径0.5μmのコン
タクトホールを形成する。次にCVD法でポリシリコン
を埋め込んだ後、CMP法で表面を平坦化し、ポリシリ
コンプラグ13を形成する。
【0078】次に、このポリシリコンプラグ13上に、
実施例1及び2で示したように、DCマグネトロンスパ
ッタ法で膜厚1000Åのアモルファス状のTaSiN
膜14の安定化を行う。この熱処理は成膜条件によって
は特に必要がない場合もある。
【0079】アモルファス状のTaSiN膜14の成膜
条件は、Ta/Si=10/3の合金ターゲットを用
い、基板温度を500℃、スパッタパワーを2000
W、スパッタガス圧を0.7Pa、スパッタガスの流量
比はAr/N2=3/2とし、また、熱処理条件は純窒
素雰囲気中で昇温速度を5℃/min、保持温度を60
0℃、保持時間を1時間とした。
【0080】続いて、この上に、実施例1及び2で示し
たDCマグネトロンスパッタ法で酸化物誘電体を用いた
多膜電極構造を形成した。
【0081】まず、Ir膜15をDCパワー0.5k
W、基板温度500℃、ガス圧0.6Paとし、膜厚1
000Å作製した。スパッタガスはArガスのみとし
た。
【0082】さらに、Ir膜15上にIrO2膜16を
500℃で成膜するためのIrO2膜からなる初期膜を
形成する。成膜条件はDCパワー1kW、基板温度35
0℃、ガス圧0.71Paとし、膜厚200Å作製し
た。スパッタガスの流量比はAr/O2=1/9とし
た。
【0083】次に、この膜の上に500℃でIrO2
16を形成する。成膜条件はDCパワー1kW、ガス圧
0.71Paとし、膜厚1300Å作製した。スパッタ
ガス流量比はAr/O2=1/9とした。尚、IrO2
16上に更にPt膜を500Å形成した下部電極にした
場合、実施例1に示した場合と同様にリーク電流を更に
低減することができる。
【0084】次に、この積膜された電極上に実施例1で
示したように強誘電体膜17を形成した。次に、DCマ
グネトロンスパッタ法で膜厚500Åの電極を形成した
後、強誘電体膜17はアルゴン、C26を用いたドライ
エッチング法で、また、上部電極18はCl2を用いた
ドライエッチング法で例えば2.6μm角の大きさに加
工した。
【0085】続いて、これらの積膜構造の電極を例え
ば、Cl2及びC26を用いたドライエッチング法、及
びTaSiN膜14をC26を用いたドライエッチング
法で加工した。
【0086】その後、層間絶縁膜として、CVD法を用
いて、第2のシリコン酸化膜19を成膜した後、コンタ
クトホールを形成し、強誘電体キャパシタの上部電極1
8からのアルミニウム引き出し電極20をDCマグネト
ロンスパッタ法にて形成し、図5に示すような半導体メ
モリ素子が形成される。
【0087】上述の工程により作製された強誘電体膜を
有するキャパシタの上部電極18からのアルミニウム引
き出し電極20とシリコン基板1からのアルミニウム引
き出し電極20との間に三角波の電圧を印加することに
より、図6に示すヒステリシスループが得られた。尚、
この印加した三角波は強度が150kV/cmで周波数
は75Hzとした。図6に示すように、強誘電体キャパ
シタとして用いるのに十分な大きさの強誘電体特性が得
られており、ヒステリシスループの対称性が崩れていな
いことから、シリコン基板1とIr/IrO2下部電極
とのコンタクトは十分に取れていることが示されてい
る。このことは、Irとポリシリコンプラグとの反応が
ないことを示し、更に、拡散バリア膜とIr/IrO2
下部電極との反応もないということを示している。
【0088】更に、断面構造を電子顕微鏡で観察した結
果、各膜で反応している様子はなく、オージェ分光分析
によっても反応している様子は観察されなかった。
【0089】上記の実施例において、誘電体膜の成膜方
法としてMOD法を用いているが、真空蒸着法、DCマ
グネトロンスパッタ法、MOCVD法などの方法を用い
てもよい。また、本実施例において、強誘電体膜として
SBTを用いているが、ほかの誘電体膜として、SrB
2Nb29、Bi4Ti312、BaBi2Nb29、B
aBi2Ta29、PbBi2Ta29、SrBi4Ti4
15、SrBi4Ti415、PbBi4Ti415、Na
0.5Bi4.5Ti415、K0.5Bi4.5Ti415、Sr2
Bi4Ti418、Ba2Bi4Ti518、Pb2Bi4
518等においても、また、高誘電体膜としても(B
xSr1-x)TaO3、SrBi4Ti415等において
も、同様に十分な耐酸化性が得られる。
【0090】コンタクトプラグ材料として、ポリシリシ
コン以外にもタングステン等を用いた場合でも同様の効
果が得られた。
【0091】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明を
用いることにより、拡散バリア膜はアモルファス構造で
あるために、粒界を有さず、酸素、白金、ビスマス等に
対して顕著なバリア性を有している。更に、初期膜を用
いた高温で処理したIrO2膜を含む下部電極により、
高温酸素雰囲気中での焼結でも酸素を透過せず、この結
果ポリシリコンやタングステン等からなるプラグ上面が
酸化されず、良好なコンタクトを保つことができる。
【0092】したがって、高温でのアニールにも耐え得
る電極構造とすることにより、特性の良い半導体メモリ
素子を得ることができる。
【0093】また、請求項2及び請求項6に記載の本発
明を用いることにより、リーク電流の低減を図ることが
できる。
【0094】また、請求項3及び請求項11に記載の本
発明を用いることにより、更に酸素バリア性を向上させ
ることができる。
【0095】また、請求項4及び請求項8に記載の本発
明を用いることにより、ヒロックの発生を抑制すること
ができる。
【0096】また、請求項7に記載の本発明を用いるこ
とにより、IrO2膜の抵抗率を下げ、且つ、IrO2
の成膜時に下地のIr膜が酸化され細かいIrO2の凝
集体が生じるのを抑制することができる。
【0097】また、請求項9に記載の本発明を用いるこ
とにより、別途IrO2膜を形成する工程を行わずに、
酸素バリア性を有する下部電極を得ることができるの
で、工程数を低減することができる。
【0098】更に、請求項12に記載の本発明を用い、
IrO2膜形成の際と同じ原料ターゲットを用いるIr
2を初期膜に用いることで、膜特性の向上や工程簡略
化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の断面構造を示す図であ
る。
【図2】TaxSi1-xy膜中のTa組成xを変化させ
たときの抵抗率の変化を示す図である。
【図3】成膜温度の変化によるXRDチャート特性を示
す図である。
【図4】成膜温度を変化させたときの抵抗率のIrO2
膜の抵抗率の変化を示す図である。
【図5】本発明の一実施の形態の半導体メモリ素子の構
造断面図である。
【図6】図5に示す半導体メモリ素子により得られたヒ
ステリシスループを示す図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 熱酸化膜 3 TiSiN膜 4 Ir膜 5 初期膜 6 IrO2膜 7 強誘電体膜 8 下部電極 9 ロコス酸化膜 10 ゲート電極 11 ソース/ドレイン領域 12 第1のシリコン酸化膜 13 ポリシリコンプラグ 14 TaSiN膜 15 Ir膜 16 IrO2/初期膜 17 強誘電体膜 18 上部電極 19 第2のシリコン酸化膜 20 第1のアルミニウム引き出し電極 21 第2のアルミニウム引き出し電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 29/792 (72)発明者 工藤 淳 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性プラグ及び拡散バリア膜を介し
    て、選択トランジスタと電気的に接続された、下部電極
    及び誘電体膜及び上部電極からなるキャパシタを備えた
    半導体メモリ素子において、 上記拡散バリア膜がTaxSi1-xy又はHfxSi1-x
    y(0.2<x<1、0<y<1)から成り、該拡散
    バリア膜上に下部電極としてIr膜とIrO2膜とが順
    次形成されて成ることを特徴とする半導体メモリ素子。
  2. 【請求項2】 上記下部電極として、上記Ir膜と上記
    IrO2膜とPt、Ir、Ru、Rh、Os及びReか
    らなる群から選択される金属元素のうち少なくとも一つ
    を含有する導電膜とが順次形成されて成ることを特徴と
    する、請求項1に記載の半導体メモリ素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記拡散バリア膜がTaxSi1-xy
    はHfxSi1-xy(0.75<x<0.95、0.3
    <y<0.5)から成ることを特徴とする、請求項1又
    は請求項2に記載の半導体メモリ素子。
  4. 【請求項4】 上記IrO2膜の膜厚と上記Ir膜の膜
    厚との比が、1≦(IrO2膜の膜厚/Ir膜の膜厚)
    ≦3となることを特徴とする、請求項1乃至請求項3の
    いずれかに記載の半導体メモリ素子。
  5. 【請求項5】 導電性プラグ及び拡散バリア膜を介して
    選択トランジスタと電気的に接続された、下部電極、誘
    電体膜及び上部電極からなるキャパシタを備えた半導体
    メモリ素子の製造方法において、 上記拡散バリア膜上にIr膜を形成した後、300℃以
    上、且つ、400℃以下で、Ir、Ru、Rh、Os及
    びReからなる群から選択される金属元素のうち少なく
    とも一つを含有する、膜厚が50Å以上、且つ、300
    Å以下の初期膜を形成する工程と、 上記初期膜上にIrO2膜、上記誘電体膜及び上部電極
    を順次形成する工程とを有することを特徴とする、半導
    体メモリ素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記IrO2膜と上記誘電体膜との間
    に、Pt、Ir、Ru、Rh、Os及びReからなる群
    から選択される金属元素のうち少なくとも一つを含有す
    る導電膜を形成する工程を有することを特徴とする、請
    求項5に記載の半導体メモリ素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記IrO2膜を450℃以上、且つ、
    700℃以下で形成することを特徴とする、請求項5又
    は請求項6に記載の半導体メモリ素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記IrO2の膜厚とIrの膜厚との比
    が、 1≦(IrO2の膜厚/Irの膜厚)≦3 となることを特徴とする、請求項5乃至請求項7のいず
    れかに記載の半導体メモリ素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 導電性プラグ及び拡散バリア膜を介して
    選択トランジスタと電気的に接続された、下部電極、誘
    電体膜及び上部電極からなるキャパシタを備えた半導体
    メモリ素子の製造方法において、 上記拡散バリア膜上にIr膜を形成した後、酸素を含む
    原料を用いて上記誘電体膜を形成する工程と、 上記誘電体膜上に上部電極を形成する工程とを有するこ
    とを特徴とする、半導体メモリ素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 上記拡散バリア膜にTaxSi1-xy
    又はHfxSi1-xy(0.2<x<1、0<y<1)
    を用いることを特徴とする、請求項5乃至請求項9のい
    ずれかに記載の半導体メモリ素子の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記拡散バリア膜にTaxSi1-xy
    又はHfxSi1-xy(0.75<x<0.95、0.
    3<y<0.5)を用いることを特徴とする、請求項1
    0に記載の半導体メモリ素子の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記初期膜がIrO2膜からなること
    を特徴とする、請求項5乃至請求項8、請求項10及び
    請求項11のいずれかに記載の半導体メモリ素子の製造
    方法。
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