JPH09263916A - 形状記憶合金管の製造方法 - Google Patents
形状記憶合金管の製造方法Info
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- JPH09263916A JPH09263916A JP7162696A JP7162696A JPH09263916A JP H09263916 A JPH09263916 A JP H09263916A JP 7162696 A JP7162696 A JP 7162696A JP 7162696 A JP7162696 A JP 7162696A JP H09263916 A JPH09263916 A JP H09263916A
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Landscapes
- Metal Extraction Processes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】形状記憶合金管を生産性よく製造する方法を提
供する。 【解決手段】その内面を少なくとも非形状記憶合金材料
で被覆してなり、材料相互の隙間が2mm以下になるよ
うに組み立てた組立素材を熱間延伸して所定の寸法の複
合材料に成形し、この成形後の複合材料に回転曲げ変形
加工を施した後に内面被覆材料を抜き取る方法。 【効果】内面被覆材を効率よく抜き取ることが可能とな
る結果、生産性が向上する。
供する。 【解決手段】その内面を少なくとも非形状記憶合金材料
で被覆してなり、材料相互の隙間が2mm以下になるよ
うに組み立てた組立素材を熱間延伸して所定の寸法の複
合材料に成形し、この成形後の複合材料に回転曲げ変形
加工を施した後に内面被覆材料を抜き取る方法。 【効果】内面被覆材を効率よく抜き取ることが可能とな
る結果、生産性が向上する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、形状記憶合金管、
特に小径・薄肉で長尺の形状記憶合金管を製造するのに
適用して好適な形状記憶合金管の製造方法に関する。
特に小径・薄肉で長尺の形状記憶合金管を製造するのに
適用して好適な形状記憶合金管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】形状記憶合金管は、管継手やヒートパイ
プ、さらには内視鏡装置など多くの分野に適用されつつ
ある。しかし、形状記憶合金は、加工性、特に冷間加工
性が悪く、成形加工が極めて困難である。このため、そ
の仕上げ加工を主として冷間にて行う、例えば、外径が
20mm以下、肉厚が2mm以下であり、かつ長さが2
000mm以上というような、いわゆる小径・薄肉の長
尺管を高能率に製造する技術は、今だ確立されていな
い。
プ、さらには内視鏡装置など多くの分野に適用されつつ
ある。しかし、形状記憶合金は、加工性、特に冷間加工
性が悪く、成形加工が極めて困難である。このため、そ
の仕上げ加工を主として冷間にて行う、例えば、外径が
20mm以下、肉厚が2mm以下であり、かつ長さが2
000mm以上というような、いわゆる小径・薄肉の長
尺管を高能率に製造する技術は、今だ確立されていな
い。
【0003】ところで、形状記憶合金管を得る方法とし
ては、板材を素材とし、この板材をロール成形法などの
適宜な手段によって管状に成形して相対向する板材両エ
ッジを溶接接合する溶接管の製造方法がある。しかし、
この方法で製造された形状記憶合金製の溶接管は、その
溶接部の形状記憶特性の信頼性に問題があり、実用に供
し得ないのが実情である。
ては、板材を素材とし、この板材をロール成形法などの
適宜な手段によって管状に成形して相対向する板材両エ
ッジを溶接接合する溶接管の製造方法がある。しかし、
この方法で製造された形状記憶合金製の溶接管は、その
溶接部の形状記憶特性の信頼性に問題があり、実用に供
し得ないのが実情である。
【0004】これに対し、特公平7−55338号公報
には、Ni−Ti系の形状記憶合金からなる管状体の内
面または内外面にステンレス鋼またはNi基合金製の管
または棒状の合せ材を積層してクラッド素材となし、こ
のクラッド素材の内外両面を軟加工性材料で被覆して得
られた複合材料に熱間加工を施してそれぞれの接合面を
拡散接合し、しかる後に前記内外面に被覆した軟加工性
材料を酸洗除去することによって形状記憶合金層を有す
る継目無のクラッド管を得る方法が示されている。
には、Ni−Ti系の形状記憶合金からなる管状体の内
面または内外面にステンレス鋼またはNi基合金製の管
または棒状の合せ材を積層してクラッド素材となし、こ
のクラッド素材の内外両面を軟加工性材料で被覆して得
られた複合材料に熱間加工を施してそれぞれの接合面を
拡散接合し、しかる後に前記内外面に被覆した軟加工性
材料を酸洗除去することによって形状記憶合金層を有す
る継目無のクラッド管を得る方法が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公平7−5
5338号公報に示される方法は、内外面に積層した軟
加工性材料からなる被覆材層の除去を酸洗によって行う
方法であるため、この処理に多大の工数と費用が必要で
ある。特に、管が小径・長尺の場合には、その内面側の
被覆材層を効率よく除去することが極めて困難であるの
で、生産性が劣るのに加え、製造コストが高くなるとい
う欠点を有している。
5338号公報に示される方法は、内外面に積層した軟
加工性材料からなる被覆材層の除去を酸洗によって行う
方法であるため、この処理に多大の工数と費用が必要で
ある。特に、管が小径・長尺の場合には、その内面側の
被覆材層を効率よく除去することが極めて困難であるの
で、生産性が劣るのに加え、製造コストが高くなるとい
う欠点を有している。
【0006】本発明は、前述の実情に鑑みなされたもの
で、その課題は、管が小径・長尺であっても、素材の内
部に配置した心金を効率よく除去することが可能であ
り、主として継目無の形状記憶合金管を生産性よく製造
することができる製造方法を提供することにある。
で、その課題は、管が小径・長尺であっても、素材の内
部に配置した心金を効率よく除去することが可能であ
り、主として継目無の形状記憶合金管を生産性よく製造
することができる製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を達成するために鋭意研究を重ね、次の〜のこと
を知見し、本発明を完成するに至った。
題を達成するために鋭意研究を重ね、次の〜のこと
を知見し、本発明を完成するに至った。
【0008】形状記憶合金管を製造するに際し、その
成形加工を容易にするためには、形状記憶合金製の管状
体の内面または内外両面を熱間延伸加工時における変形
抵抗が形状記憶合金材料よりも小さい非形状記憶合金材
料で被覆するのが好ましい。
成形加工を容易にするためには、形状記憶合金製の管状
体の内面または内外両面を熱間延伸加工時における変形
抵抗が形状記憶合金材料よりも小さい非形状記憶合金材
料で被覆するのが好ましい。
【0009】しかし、両者の変形抵抗の差が小さい場
合、非形状記憶合金材料としては、その変形抵抗が形状
記憶合金材料よりも大きい材料を用いることができるこ
と。
合、非形状記憶合金材料としては、その変形抵抗が形状
記憶合金材料よりも大きい材料を用いることができるこ
と。
【0010】また、良好な熱間延伸加工を行なうために
は、組立素材の材料相互間の隙間を2mm以下にする必
要があること。
は、組立素材の材料相互間の隙間を2mm以下にする必
要があること。
【0011】形状記憶合金製の管状体の外面に被覆す
る非形状記憶合金層は、加工後の管肉厚が厚く、熱間延
伸加工時に発生した表面疵等の外面欠陥を切削除去もし
くは研磨除去することが可能な場合には、これを省略す
ることができる。
る非形状記憶合金層は、加工後の管肉厚が厚く、熱間延
伸加工時に発生した表面疵等の外面欠陥を切削除去もし
くは研磨除去することが可能な場合には、これを省略す
ることができる。
【0012】しかし、加工後の管肉厚が薄く、熱間延伸
加工時に発生した表面疵等の外面欠陥を除去することが
不可能な場合には、その外面を非形状記憶合金で被覆す
る必要がある。この場合、形状記憶合金管の外表面に疵
等の欠陥が発生するのを抑制することができる。従っ
て、形状記憶合金管の外表面にも、非形状記憶合金から
なる被覆層を形成するのが好ましいこと。
加工時に発生した表面疵等の外面欠陥を除去することが
不可能な場合には、その外面を非形状記憶合金で被覆す
る必要がある。この場合、形状記憶合金管の外表面に疵
等の欠陥が発生するのを抑制することができる。従っ
て、形状記憶合金管の外表面にも、非形状記憶合金から
なる被覆層を形成するのが好ましいこと。
【0013】熱間延伸加工後の複合材料から内面側の
被覆材(心金)を除去する手段としては、ボーリングマ
シーンによる孔明けや旋盤による切削加工、更には砥石
による研削などの機械的方法、あるいは酸溶解による化
学的方法が考えれられる。しかし、これらの方法では、
前述したように、その除去に多大の工数と費用がかか
る。特に、得られた複合材料が小径・薄肉の長尺材であ
ると、内面側の被覆材(心金)を効率よく除去すること
が困難であり、生産性が低下し、製造コストが上昇す
る。
被覆材(心金)を除去する手段としては、ボーリングマ
シーンによる孔明けや旋盤による切削加工、更には砥石
による研削などの機械的方法、あるいは酸溶解による化
学的方法が考えれられる。しかし、これらの方法では、
前述したように、その除去に多大の工数と費用がかか
る。特に、得られた複合材料が小径・薄肉の長尺材であ
ると、内面側の被覆材(心金)を効率よく除去すること
が困難であり、生産性が低下し、製造コストが上昇す
る。
【0014】ところが、熱間延伸加工後の複合材料に対
し、棒鋼や管材の曲がり矯正に用いられる矯正圧延機を
用いて回転曲げ変形加工を施すと、内面側の被覆材(心
金)外面と形状記憶合金管内面とが剥離離間して隙間が
形成され、内面側の被覆材(心金)を極めて容易に引き
抜き除去することが可能となること。
し、棒鋼や管材の曲がり矯正に用いられる矯正圧延機を
用いて回転曲げ変形加工を施すと、内面側の被覆材(心
金)外面と形状記憶合金管内面とが剥離離間して隙間が
形成され、内面側の被覆材(心金)を極めて容易に引き
抜き除去することが可能となること。
【0015】すなわち、パスラインを中心に所定の傾斜
角度をもって上下に対向配置され、かつ回転駆動される
凸型の上ロールと凹型の下ロールとを有する単スタンド
あるいは複数スタンドを備える一方、上下のロール間の
左右に所定曲率の案内面を有するガイド部材が配置され
た矯正圧延機を用い、この矯正圧延機に熱間延伸加工後
の複合材料を通すと、複合材料は上ロールの一点と下ロ
ールの二点とで支持されてスパイラル状にその軸長方向
へ進行する。この時、複合材料は、その全長にわたって
連続的に曲げ・曲げ戻しの回転曲げ変形を受け、形状記
憶合金管内面と内面被覆材(心金)外面とを剥離離間さ
せる力が作用して両者の間に微小空隙を形成させる。こ
の結果、内面側の被覆材(心金)は、形状記憶合金管か
ら極めて容易に引き抜き除去することが可能となるので
ある。
角度をもって上下に対向配置され、かつ回転駆動される
凸型の上ロールと凹型の下ロールとを有する単スタンド
あるいは複数スタンドを備える一方、上下のロール間の
左右に所定曲率の案内面を有するガイド部材が配置され
た矯正圧延機を用い、この矯正圧延機に熱間延伸加工後
の複合材料を通すと、複合材料は上ロールの一点と下ロ
ールの二点とで支持されてスパイラル状にその軸長方向
へ進行する。この時、複合材料は、その全長にわたって
連続的に曲げ・曲げ戻しの回転曲げ変形を受け、形状記
憶合金管内面と内面被覆材(心金)外面とを剥離離間さ
せる力が作用して両者の間に微小空隙を形成させる。こ
の結果、内面側の被覆材(心金)は、形状記憶合金管か
ら極めて容易に引き抜き除去することが可能となるので
ある。
【0016】なお、上記の微小空隙は、内面側被覆材の
変形抵抗が形状記憶合金よりも小さい場合には内面被覆
材の外径が縮小して生じ、内面被覆材の変形抵抗が形状
記憶合金より大きい場合は形状記憶合金の外径が拡大し
て生じる。
変形抵抗が形状記憶合金よりも小さい場合には内面被覆
材の外径が縮小して生じ、内面被覆材の変形抵抗が形状
記憶合金より大きい場合は形状記憶合金の外径が拡大し
て生じる。
【0017】一方、熱間延伸加工後の複合材料から外
面側の被覆材を除去する手段としては、上記同様の機械
的方法あるいは化学的方法を用いることができ、複合材
料が小径・薄肉の長尺材であっても何等の問題もなく除
去することができること。また、この外面側の被覆材除
去は、上記の回転曲げ変形加工を施す前後のいずれかに
おいて行うことができる。しかし、外面にスパイラルマ
ークなどの表面欠陥がなく、見栄えのよい製品を得るた
めには、外面側の被覆材除去を回転曲げ変形加工後に行
うのが好ましいこと。
面側の被覆材を除去する手段としては、上記同様の機械
的方法あるいは化学的方法を用いることができ、複合材
料が小径・薄肉の長尺材であっても何等の問題もなく除
去することができること。また、この外面側の被覆材除
去は、上記の回転曲げ変形加工を施す前後のいずれかに
おいて行うことができる。しかし、外面にスパイラルマ
ークなどの表面欠陥がなく、見栄えのよい製品を得るた
めには、外面側の被覆材除去を回転曲げ変形加工後に行
うのが好ましいこと。
【0018】本発明は、上記の知見に基づいてなされた
もので、その要旨は次の形状記憶合金管の製造方法にあ
る。
もので、その要旨は次の形状記憶合金管の製造方法にあ
る。
【0019】形状記憶合金製の管状体の内面または内外
面を非形状記憶合金材料からなる被覆材で被覆してな
り、前記の管状体と被覆材との間隙を2mm以下にして
なる組立素材を所定の温度に加熱した後、この組立素材
に熱間延伸加工を施して所定の寸法に加工し、この加工
後の複合材料に回転曲げ変形加工を施し、しかる後に内
面被覆材料を抜き取ることを特徴とする形状記憶合金管
の製造方法。
面を非形状記憶合金材料からなる被覆材で被覆してな
り、前記の管状体と被覆材との間隙を2mm以下にして
なる組立素材を所定の温度に加熱した後、この組立素材
に熱間延伸加工を施して所定の寸法に加工し、この加工
後の複合材料に回転曲げ変形加工を施し、しかる後に内
面被覆材料を抜き取ることを特徴とする形状記憶合金管
の製造方法。
【0020】上記本発明の方法において、形状記憶合金
としては、Ni−Ti合金、この合金に第三成分として
適量のCo、Cu、Fe、Moなどの適宜成分を1種も
しくは2種以上を添加含有させたNi−Ti系合金、A
g−Cd合金、Au−Cd合金、Cu−Zn−Al合
金、Cu−Au−Zn合金、Cu−Sn合金などを用い
ることができる。また、その加工前の管状体は、継目無
管であることが好ましいが、溶接管も使用可能である。
としては、Ni−Ti合金、この合金に第三成分として
適量のCo、Cu、Fe、Moなどの適宜成分を1種も
しくは2種以上を添加含有させたNi−Ti系合金、A
g−Cd合金、Au−Cd合金、Cu−Zn−Al合
金、Cu−Au−Zn合金、Cu−Sn合金などを用い
ることができる。また、その加工前の管状体は、継目無
管であることが好ましいが、溶接管も使用可能である。
【0021】被覆材となる非形状記憶合金材料として
は、例えば、炭素鋼、低合金鋼、ステンレス鋼、無酸素
銅、アルミニウムおよびその合金などを用いることがで
き、上記の形状記憶合金に比べてその変形抵抗が1〜1
0%程度小さい材料を用いるのが好ましい。
は、例えば、炭素鋼、低合金鋼、ステンレス鋼、無酸素
銅、アルミニウムおよびその合金などを用いることがで
き、上記の形状記憶合金に比べてその変形抵抗が1〜1
0%程度小さい材料を用いるのが好ましい。
【0022】また、形状記憶合金製素管の内面を被覆す
る被覆材の形状は、熱間延伸加工時にそれ自体が座屈変
形して偏平化する恐れのない十分な剛性を有する厚肉の
管状体であってもよいが、座屈変形を防止する観点から
は中実の棒状体を用いるのが好ましい。
る被覆材の形状は、熱間延伸加工時にそれ自体が座屈変
形して偏平化する恐れのない十分な剛性を有する厚肉の
管状体であってもよいが、座屈変形を防止する観点から
は中実の棒状体を用いるのが好ましい。
【0023】なお、従来から、上記形状記憶合金と同様
に、加工性の悪い難加工性材料材からなる製品を製造す
るに際し、難加工性材料材の表面を加工性のよい軟質材
料で被覆して成形加工する方法としては、例えば、被覆
材料と被被覆材料との複合化製品である電線ケーブルの
被覆押出し成形加工や複合金属材料の被覆押出し成形加
工などがある。しかし、これら複合化製品を得ることを
目的とする被覆押出し成形技術は、本発明とはその技術
思想を異にするものであり、本発明をなすに何らの参考
にもならない。
に、加工性の悪い難加工性材料材からなる製品を製造す
るに際し、難加工性材料材の表面を加工性のよい軟質材
料で被覆して成形加工する方法としては、例えば、被覆
材料と被被覆材料との複合化製品である電線ケーブルの
被覆押出し成形加工や複合金属材料の被覆押出し成形加
工などがある。しかし、これら複合化製品を得ることを
目的とする被覆押出し成形技術は、本発明とはその技術
思想を異にするものであり、本発明をなすに何らの参考
にもならない。
【0024】すなわち、本発明においては、被覆材料と
被被覆材料との複合化製品を得るのが目的ではなく、あ
くまで難加工性材料である形状記憶合金単体からなる製
品を得るのが目的である。そして、その被覆材料は、形
状記憶合金を単独で熱間延伸加工に供するとその表面に
疵が発生するので、この疵発生を抑制防止する目的で被
覆するが、成形加工後に除去される点で全く異なる。
被被覆材料との複合化製品を得るのが目的ではなく、あ
くまで難加工性材料である形状記憶合金単体からなる製
品を得るのが目的である。そして、その被覆材料は、形
状記憶合金を単独で熱間延伸加工に供するとその表面に
疵が発生するので、この疵発生を抑制防止する目的で被
覆するが、成形加工後に除去される点で全く異なる。
【0025】また、軟質材料を用いて製作されたカプセ
ル内に難加工性材料からなる金属粉末を充填封入してな
る中空ビレットを素材とし、この中空ビレットの孔内に
マンドレルを遊嵌挿入配置して熱間押出し成形加工する
ことで粉末冶金管を得る方法もある。
ル内に難加工性材料からなる金属粉末を充填封入してな
る中空ビレットを素材とし、この中空ビレットの孔内に
マンドレルを遊嵌挿入配置して熱間押出し成形加工する
ことで粉末冶金管を得る方法もある。
【0026】しかし、上記の熱間押出し成形加工法にお
いては、本発明における心金に相当するマンドレルは、
ダイスの孔内にほぼ固定的に支持されていて押出し管の
内径を決定するだけで、被加工材料とは一体的に押出さ
れないから、加工後にこれを除去する必要がない。これ
に対し、本発明においては、形状記憶合金の管状体の内
面に配置した心金は形状記憶合金の管状体とともに一体
的に縮径加工され、加工後の形状記憶合金管内に残留
し、これを除去する必要があるので、この点で両者は全
く異なる。
いては、本発明における心金に相当するマンドレルは、
ダイスの孔内にほぼ固定的に支持されていて押出し管の
内径を決定するだけで、被加工材料とは一体的に押出さ
れないから、加工後にこれを除去する必要がない。これ
に対し、本発明においては、形状記憶合金の管状体の内
面に配置した心金は形状記憶合金の管状体とともに一体
的に縮径加工され、加工後の形状記憶合金管内に残留
し、これを除去する必要があるので、この点で両者は全
く異なる。
【0027】さらに、特公平7−24856号公報に
は、形状記憶させるための最終熱処理を施した後に素管
を縮径減肉するのに用いた心金を引き抜く方法が示され
ているが、形状記憶させるための最終熱処理前に心金を
効率よく抜き取る手段については何ら示唆するところが
ない。
は、形状記憶させるための最終熱処理を施した後に素管
を縮径減肉するのに用いた心金を引き抜く方法が示され
ているが、形状記憶させるための最終熱処理前に心金を
効率よく抜き取る手段については何ら示唆するところが
ない。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の方法について、そ
の製造工程を示す図1を参照して詳細に説明する。
の製造工程を示す図1を参照して詳細に説明する。
【0029】[組立工程]形状記憶合金は、高価な材料
である。また、前述したように、難加工性材料でもあ
る。従って、形状記憶合金からなる素材管状体(以下、
素管という)をそのまま熱間延伸圧延などの成形加工に
供すると、その内外表面に割れ疵などの表面欠陥が多発
する。このため、表面欠陥の発生を抑制防止する目的
で、その内外表面を加工性のよい軟質材料で被覆するの
が好ましい。
である。また、前述したように、難加工性材料でもあ
る。従って、形状記憶合金からなる素材管状体(以下、
素管という)をそのまま熱間延伸圧延などの成形加工に
供すると、その内外表面に割れ疵などの表面欠陥が多発
する。このため、表面欠陥の発生を抑制防止する目的
で、その内外表面を加工性のよい軟質材料で被覆するの
が好ましい。
【0030】ただし、素管の内面側については、後述の
熱間延伸加工において素管を縮径・減肉する際、その内
径を決定する内面規制工具としの役目をもたせる必要か
ら、加工性のよい軟質材料で必ず被覆する必要がある。
熱間延伸加工において素管を縮径・減肉する際、その内
径を決定する内面規制工具としの役目をもたせる必要か
ら、加工性のよい軟質材料で必ず被覆する必要がある。
【0031】これに対し、素管の外面側については、加
工後の形状記憶合金管の肉厚に熱間延伸加工で発生する
表面欠陥を除去するだけの余裕がある場合には、軟質材
料による被覆を省略してもよい。
工後の形状記憶合金管の肉厚に熱間延伸加工で発生する
表面欠陥を除去するだけの余裕がある場合には、軟質材
料による被覆を省略してもよい。
【0032】図2および図3は、素管の全表面を加工性
のよい軟質材料で被覆した組立素材の一例を示す図であ
る。
のよい軟質材料で被覆した組立素材の一例を示す図であ
る。
【0033】図2に示す組立素材1は、次に述べるよう
にして組み立てられる。例えば、Ni−Ti系の形状記
憶合金からなる素管2の外面に、素管2の外径よりも内
径が若干大きく、長さが素管2の長さよりも若干長い低
炭素鋼からなる管状の外面被覆材3を外嵌する。また、
素管2の内部に、外径が素管2の内径よりも若干小さ
く、長さが素管2の長さと同じか若干短い低炭素鋼から
なる中実の内面被覆材(心金)4を内嵌する。しかる
後、その両端部に外径が外面被覆材3の内径よりも若干
小さい低炭素鋼からなる盤状の封止板5を内嵌装着す
る。
にして組み立てられる。例えば、Ni−Ti系の形状記
憶合金からなる素管2の外面に、素管2の外径よりも内
径が若干大きく、長さが素管2の長さよりも若干長い低
炭素鋼からなる管状の外面被覆材3を外嵌する。また、
素管2の内部に、外径が素管2の内径よりも若干小さ
く、長さが素管2の長さと同じか若干短い低炭素鋼から
なる中実の内面被覆材(心金)4を内嵌する。しかる
後、その両端部に外径が外面被覆材3の内径よりも若干
小さい低炭素鋼からなる盤状の封止板5を内嵌装着す
る。
【0034】図3に示す組立素材11は、素管12の内
部に内嵌する内面被覆材(心金)14の一方端部に、基
端部外径が外面被覆材13と同一の頂部を切断した円錐
状の突起部14aを形成し、この突起部14aに図2に
示した一方端の封止板5の役目をさせるようにした以外
は、図2に示す組立素材1と同様にして組み立てられ
る。
部に内嵌する内面被覆材(心金)14の一方端部に、基
端部外径が外面被覆材13と同一の頂部を切断した円錐
状の突起部14aを形成し、この突起部14aに図2に
示した一方端の封止板5の役目をさせるようにした以外
は、図2に示す組立素材1と同様にして組み立てられ
る。
【0035】この図3に示す組立素材11は、延伸加工
を熱間押出し装置を用いて行う場合に用いて好適であ
る。すなわち、図2に示す組立素材2を押出し加工する
と、押出し加工先端側になる一方の封止板5が脱落し、
内面被覆材4のみが先に押出される恐れがある。
を熱間押出し装置を用いて行う場合に用いて好適であ
る。すなわち、図2に示す組立素材2を押出し加工する
と、押出し加工先端側になる一方の封止板5が脱落し、
内面被覆材4のみが先に押出される恐れがある。
【0036】これに対し、図3に示す組立素材11は、
突起部14aを加工先端側にすると、上記のような現象
が発生する恐れは全くない。また、突起部14aがダイ
スに対して自動的にセンタリングされるので、周方向偏
肉の可及的に小さい形状記憶合金製の製品管を得ること
ができる。従って、延伸加工を熱間押出し装置を用いて
行う場合には、図3に示す組立素材11を用いるのが好
ましい。
突起部14aを加工先端側にすると、上記のような現象
が発生する恐れは全くない。また、突起部14aがダイ
スに対して自動的にセンタリングされるので、周方向偏
肉の可及的に小さい形状記憶合金製の製品管を得ること
ができる。従って、延伸加工を熱間押出し装置を用いて
行う場合には、図3に示す組立素材11を用いるのが好
ましい。
【0037】図2および図3に示す組立素材は、いずれ
もその両端部に封止板5(突起部14a)を内嵌装着し
てあるので、後述の端部溶接工程における溶接必要箇所
を少なくすることができる。しかし、この封止板5(突
起部14a)は、これを省略することができるが、この
場合その溶接箇所は2倍になり、生産性の低下を招くの
で好ましくない。
もその両端部に封止板5(突起部14a)を内嵌装着し
てあるので、後述の端部溶接工程における溶接必要箇所
を少なくすることができる。しかし、この封止板5(突
起部14a)は、これを省略することができるが、この
場合その溶接箇所は2倍になり、生産性の低下を招くの
で好ましくない。
【0038】上記組立素材は、被覆材と形状記憶合金管
との隙間が2mm以下になるようにして組み立てる必要
がある。これは、上記の隙間が2mmよりも大きいと、
次工程以降、特に熱間延伸加工工程において、材料相互
の密着性が悪くなって延伸加工することができなくなる
ためである。
との隙間が2mm以下になるようにして組み立てる必要
がある。これは、上記の隙間が2mmよりも大きいと、
次工程以降、特に熱間延伸加工工程において、材料相互
の密着性が悪くなって延伸加工することができなくなる
ためである。
【0039】なお、被覆材と形状記憶合金素管との対向
面の粗さは、特に規定する必要はないが、Rmaxで
0.8〜25μm程度とするのが好ましい。
面の粗さは、特に規定する必要はないが、Rmaxで
0.8〜25μm程度とするのが好ましい。
【0040】また、素管外面に被覆材を有しないを組立
素材にあっては、素管の内部に素管と同一長さの内面被
覆材を内嵌挿入すればよく、上記封止板は不要である。
素材にあっては、素管の内部に素管と同一長さの内面被
覆材を内嵌挿入すればよく、上記封止板は不要である。
【0041】[脱気工程]上記のようにして組み立てら
れた組立素材は、これをそのまま次の加熱工程に供して
もよい。しかし、次工程の加熱時に、素管と被覆材との
隙間に存在する空気に起因して両材料表面に酸化スケー
ルが生成しないように、両者の隙間に存在する空気をあ
る程度除去してから加熱工程に供するのが好ましい。
れた組立素材は、これをそのまま次の加熱工程に供して
もよい。しかし、次工程の加熱時に、素管と被覆材との
隙間に存在する空気に起因して両材料表面に酸化スケー
ルが生成しないように、両者の隙間に存在する空気をあ
る程度除去してから加熱工程に供するのが好ましい。
【0042】すなわち、本発明においては、上記の被覆
材は成形加工後に除去される。このため、成形加工後に
おける素管と被覆材とを必ずしも冶金的に接合させる必
要はない。従って、素管と被覆材との隙間に存在する空
気を脱気することなく、加熱工程に供しても何等の問題
もない。
材は成形加工後に除去される。このため、成形加工後に
おける素管と被覆材とを必ずしも冶金的に接合させる必
要はない。従って、素管と被覆材との隙間に存在する空
気を脱気することなく、加熱工程に供しても何等の問題
もない。
【0043】しかしながら、両材料表面に多量の酸化ス
ケールが生成すると、後述の熱間延伸加工工程において
も素管と被覆材とがほとんど冶金的に接合することはな
い。
ケールが生成すると、後述の熱間延伸加工工程において
も素管と被覆材とがほとんど冶金的に接合することはな
い。
【0044】このため、熱間延伸加工時に両者がその長
手方向にずれて延伸加工不良を招きやすくなるが、素管
と被覆材との隙間に存在する空気を脱気する場合には、
この延伸加工不良の発生を防ぐことが可能となる。以上
の理由から、組立素材は、素管と被覆材との隙間の空気
をある程度脱気してから加熱工程に供するのが好まし
い。なお、脱気の程度は、2〜3×10-3Torr程度
の真空度に脱気すれば十分である。
手方向にずれて延伸加工不良を招きやすくなるが、素管
と被覆材との隙間に存在する空気を脱気する場合には、
この延伸加工不良の発生を防ぐことが可能となる。以上
の理由から、組立素材は、素管と被覆材との隙間の空気
をある程度脱気してから加熱工程に供するのが好まし
い。なお、脱気の程度は、2〜3×10-3Torr程度
の真空度に脱気すれば十分である。
【0045】[端部溶接工程]隙間の脱気が完了した組
立素材は、前述の図2および図3に示すように、その両
端部の外面被覆材3(13)と封止板5(15、突起部
14a)の嵌合面をその全周にわたって溶接して密封シ
ール6(16)される。
立素材は、前述の図2および図3に示すように、その両
端部の外面被覆材3(13)と封止板5(15、突起部
14a)の嵌合面をその全周にわたって溶接して密封シ
ール6(16)される。
【0046】密封シールに用いる溶接手段としては、ど
のような溶接法を用いてもよいが、上記の脱気処理を真
空チャンバー内で行う場合には、電子ビーム溶接法を用
いるのが好ましい。
のような溶接法を用いてもよいが、上記の脱気処理を真
空チャンバー内で行う場合には、電子ビーム溶接法を用
いるのが好ましい。
【0047】上記の密封シール6(16)部は、組立素
材1(11)の外面被覆材3(13)と封止板5(1
5、突起部14a)の嵌合面相互の隙間を気密保持し、
材料相互の各隙間への空気侵入を防ぐ。また、熱間延伸
加工時における組立素材の各材料相互が長手方向へズレ
るのを拘束防止する。
材1(11)の外面被覆材3(13)と封止板5(1
5、突起部14a)の嵌合面相互の隙間を気密保持し、
材料相互の各隙間への空気侵入を防ぐ。また、熱間延伸
加工時における組立素材の各材料相互が長手方向へズレ
るのを拘束防止する。
【0048】なお、素管の外面に外面被覆材を有しない
組立素材にあっては、組立素材両端の素管と内面被覆材
の嵌合面のみをその全周にわたって溶接して密封シール
すればよい。
組立素材にあっては、組立素材両端の素管と内面被覆材
の嵌合面のみをその全周にわたって溶接して密封シール
すればよい。
【0049】この両端部の溶接による密封シールは、上
記の説明からわかるように、素管と被覆材との熱間延伸
圧延時における材料相互の軸長方向ずれを防止し、かつ
前記工程での脱気状態を維持するために行う。しかし、
前述の脱気工程において脱気を省略した場合、その両端
部を完全に密封シールすると、材料相互の隙間に存在す
る空気が加熱時に膨張して材料、特に外面被覆材を変形
させる恐れがある。従って、その一方端については不完
全密封シール溶接とするのが好ましい。
記の説明からわかるように、素管と被覆材との熱間延伸
圧延時における材料相互の軸長方向ずれを防止し、かつ
前記工程での脱気状態を維持するために行う。しかし、
前述の脱気工程において脱気を省略した場合、その両端
部を完全に密封シールすると、材料相互の隙間に存在す
る空気が加熱時に膨張して材料、特に外面被覆材を変形
させる恐れがある。従って、その一方端については不完
全密封シール溶接とするのが好ましい。
【0050】[加熱工程]上記の各工程を経て得られた
組立素材は、次工程の熱間延伸加工に先立って所定の温
度に加熱される。加熱温度は、素管の材質、すなわち形
状記憶合金の材質に応じて決定され、例えば、素管の材
質がNi−Ti合金の場合には700〜950℃程度、
Ag−Cd合金の場合には600〜850℃程度、Cu
−Zn−Al合金の場合には700〜850℃程度、C
u−Al−Ni合金の場合には750〜900℃程度に
加熱すれば十分である。
組立素材は、次工程の熱間延伸加工に先立って所定の温
度に加熱される。加熱温度は、素管の材質、すなわち形
状記憶合金の材質に応じて決定され、例えば、素管の材
質がNi−Ti合金の場合には700〜950℃程度、
Ag−Cd合金の場合には600〜850℃程度、Cu
−Zn−Al合金の場合には700〜850℃程度、C
u−Al−Ni合金の場合には750〜900℃程度に
加熱すれば十分である。
【0051】この加熱に際し、形状記憶合金素管は、上
記したようにその内面または全表面が加工性のよい軟質
材料の被覆材で覆われ、各材料相互間の隙間が脱気密封
シールされているので酸化雰囲気に曝されることなく加
熱される。従って、材料相互の対向面に酸化スケールが
生成形成することがない。この結果、材料相互が冶金的
に拡散接合し、両端部の密封シール溶接と相俟ってその
延伸圧延時に材料相互が軸長方向にずれることがない。
記したようにその内面または全表面が加工性のよい軟質
材料の被覆材で覆われ、各材料相互間の隙間が脱気密封
シールされているので酸化雰囲気に曝されることなく加
熱される。従って、材料相互の対向面に酸化スケールが
生成形成することがない。この結果、材料相互が冶金的
に拡散接合し、両端部の密封シール溶接と相俟ってその
延伸圧延時に材料相互が軸長方向にずれることがない。
【0052】[熱間延伸加工工程]加熱された組立素材
は、熱間延伸加工工程に供され、所定の寸法に仕上げら
れる。熱間延伸加工手段としては、次の(a) 〜(d) に示
すような成形加工方法を単独または組み合わせて用いる
ことができる。
は、熱間延伸加工工程に供され、所定の寸法に仕上げら
れる。熱間延伸加工手段としては、次の(a) 〜(d) に示
すような成形加工方法を単独または組み合わせて用いる
ことができる。
【0053】(a) 棒材の製造に用いられる多孔型ロール
を備えるリバース圧延機による成形加工方法、(b) 棒材
あるいは管材の製造に用いられる孔型ロールを有する複
数スタンドを連設配置してなる連続圧延機による成形加
工方法、(c) 棒材の製造に用いられる熱間押出し装置に
よる成形加工方法、(d) 棒材あるいは管材の製造に用い
られる傾斜圧延機による成形加工方法。
を備えるリバース圧延機による成形加工方法、(b) 棒材
あるいは管材の製造に用いられる孔型ロールを有する複
数スタンドを連設配置してなる連続圧延機による成形加
工方法、(c) 棒材の製造に用いられる熱間押出し装置に
よる成形加工方法、(d) 棒材あるいは管材の製造に用い
られる傾斜圧延機による成形加工方法。
【0054】この熱間延伸加工に際し、素管と被覆材と
は冶金的に接合する。このため、上記密封シールと相俟
って、相互の材料がその長手方向にズレを生じることな
く円滑に行われ、生産性が低下することはない。
は冶金的に接合する。このため、上記密封シールと相俟
って、相互の材料がその長手方向にズレを生じることな
く円滑に行われ、生産性が低下することはない。
【0055】なお、延伸加工は、上記熱間加工後、さら
に上記(b) に示す方法を用いて冷間または温間で行って
もよく、また更に、棒材あるいは管材の製造に用いられ
る冷間引き抜き加工方法を用いて行ってもよい。従っ
て、本発明にいう熱間延伸加工とは、冷間または温間に
ての成形加工をも含むものとする。
に上記(b) に示す方法を用いて冷間または温間で行って
もよく、また更に、棒材あるいは管材の製造に用いられ
る冷間引き抜き加工方法を用いて行ってもよい。従っ
て、本発明にいう熱間延伸加工とは、冷間または温間に
ての成形加工をも含むものとする。
【0056】また、上記成形加工に際して冷間あるいは
温間加工を施すに当たり、その加工前後の寸法差が大き
く、加工を複数回に分けて施す必要がある場合には、加
工繰り返し間で軟化熱処理を施すのが好ましいことはい
うまでもない。
温間加工を施すに当たり、その加工前後の寸法差が大き
く、加工を複数回に分けて施す必要がある場合には、加
工繰り返し間で軟化熱処理を施すのが好ましいことはい
うまでもない。
【0057】[回転曲げ変形加工工程]上記の熱間延伸
加工工程で所定の寸法に仕上げられた形状記憶合金管と
被覆材とからなる複合材料は、用いた組立素材が図2ま
たは図3に示すものである場合には封止板5(15、1
4a)を切断除去した後に、また、それ以外の組立素材
を用いた場合にはその両端の密閉シール溶接部を切断除
去した後に回転曲げ変形加工工程に供される。
加工工程で所定の寸法に仕上げられた形状記憶合金管と
被覆材とからなる複合材料は、用いた組立素材が図2ま
たは図3に示すものである場合には封止板5(15、1
4a)を切断除去した後に、また、それ以外の組立素材
を用いた場合にはその両端の密閉シール溶接部を切断除
去した後に回転曲げ変形加工工程に供される。
【0058】この回転曲げ変形加工工程で冷間加工され
た複合材料には、課題の解決手段の欄で詳述したよう
に、形状記憶合金管と被覆材との間に隙間が形成され
る。この時、生じさせる隙間としては、複合材料のいず
れかの材料径寸法が1〜5%程度変化する程度の加工度
を加えることにより得られる隙間で十分である。
た複合材料には、課題の解決手段の欄で詳述したよう
に、形状記憶合金管と被覆材との間に隙間が形成され
る。この時、生じさせる隙間としては、複合材料のいず
れかの材料径寸法が1〜5%程度変化する程度の加工度
を加えることにより得られる隙間で十分である。
【0059】なお、回転曲げ変形加工は、冷間(常温)
に限らず、複合材料を50〜500℃程度に加熱して後
に行ってもよい。この場合には、付与する加工度を小さ
くしても上記同様の隙間を形成させることができる。よ
って、回転曲げ変形加工は、冷間で行うのでなく、温間
もしくは熱間で行うのが好ましい。
に限らず、複合材料を50〜500℃程度に加熱して後
に行ってもよい。この場合には、付与する加工度を小さ
くしても上記同様の隙間を形成させることができる。よ
って、回転曲げ変形加工は、冷間で行うのでなく、温間
もしくは熱間で行うのが好ましい。
【0060】[内面側被覆材除去工程]上記の回転曲げ
変形加工により、各材料間に隙間が形成された複合材料
は、形状記憶合金管の内面を被覆するべくその管内に挿
入された内面被覆材を抜き取るため、内面側被覆材除去
工程に供される。
変形加工により、各材料間に隙間が形成された複合材料
は、形状記憶合金管の内面を被覆するべくその管内に挿
入された内面被覆材を抜き取るため、内面側被覆材除去
工程に供される。
【0061】この内面側被覆材除去工程においては、複
合材料を適宜な手段を用いてその長手方向に移動不能に
固定把持し、その一方端から内面被覆材のみを押圧して
その一部を他方端から突出させ、この突出部を把持して
引っ張ることにより、形状記憶合金管から内面被覆材を
抜き取り除去する。
合材料を適宜な手段を用いてその長手方向に移動不能に
固定把持し、その一方端から内面被覆材のみを押圧して
その一部を他方端から突出させ、この突出部を把持して
引っ張ることにより、形状記憶合金管から内面被覆材を
抜き取り除去する。
【0062】この時、内面被覆材は、上記の回転曲げ変
形加工によって形状記憶合金管との間に隙間が形成され
ているので、複合材料が小径・薄肉の長尺材であって
も、何等の問題もなく確実容易に効率よく除去すること
ができる。その結果、内面被覆材の除去に要する工数と
費用が少なくてすみ、生産性を向上させることが可能に
なる。
形加工によって形状記憶合金管との間に隙間が形成され
ているので、複合材料が小径・薄肉の長尺材であって
も、何等の問題もなく確実容易に効率よく除去すること
ができる。その結果、内面被覆材の除去に要する工数と
費用が少なくてすみ、生産性を向上させることが可能に
なる。
【0063】[外面側被覆材除去工程]内面被覆材の除
去された複合材料は、用いた組立素材が図2および図3
に示すような外面被覆材を有するものである場合には、
その外面被覆材を除去すべく、外面側被覆材除去工程に
供される。
去された複合材料は、用いた組立素材が図2および図3
に示すような外面被覆材を有するものである場合には、
その外面被覆材を除去すべく、外面側被覆材除去工程に
供される。
【0064】この外面側被覆材除去工程においては、内
面被覆材の除去手段とは異なり、旋盤による切削加工、
更には砥石による研削などの機械的方法、あるいは酸溶
解による化学的方法によって外面被覆材が除去される。
その理由は、内面被覆材を除去した後の複合材料に回転
曲げ変形加工を施した場合には、その変形応力を支える
部材(心金)がないために圧縮応力が形状記憶合金管に
直接作用し、形状記憶合金管外面と外面被覆材内面との
間に隙間が生じる以前に形状記憶合金管が変形してしま
い、形状記憶合金管に割れ疵などの欠陥が発生するから
である。
面被覆材の除去手段とは異なり、旋盤による切削加工、
更には砥石による研削などの機械的方法、あるいは酸溶
解による化学的方法によって外面被覆材が除去される。
その理由は、内面被覆材を除去した後の複合材料に回転
曲げ変形加工を施した場合には、その変形応力を支える
部材(心金)がないために圧縮応力が形状記憶合金管に
直接作用し、形状記憶合金管外面と外面被覆材内面との
間に隙間が生じる以前に形状記憶合金管が変形してしま
い、形状記憶合金管に割れ疵などの欠陥が発生するから
である。
【0065】なお、この外面被覆材の除去は、上記の回
転曲げ変形加工工程前に行ってもよいが、この場合には
前述したように、得るべき形状記憶合金管の外面にスパ
イラルマークなどの表面欠陥が発生し、製品の見栄えが
悪くなる。従って、この外面被覆材の除去は、回転曲げ
変形加工工程後の内面被覆材の除去後に行うのが好まし
い。
転曲げ変形加工工程前に行ってもよいが、この場合には
前述したように、得るべき形状記憶合金管の外面にスパ
イラルマークなどの表面欠陥が発生し、製品の見栄えが
悪くなる。従って、この外面被覆材の除去は、回転曲げ
変形加工工程後の内面被覆材の除去後に行うのが好まし
い。
【0066】[形状記憶熱処理工程]内外面の被覆材が
除去された形状記憶合金管は、そのまま、あるいは必要
とされる製品形状を得るための適切な冷間成形加工を施
した後、その形状を記憶させるために形状記憶熱処理工
程に供され、所定の熱処理が施される。熱処理条件とし
ては、形状記憶合金の材質によってそれぞれことなる
が、従来と同様の条件で行えば十分である。
除去された形状記憶合金管は、そのまま、あるいは必要
とされる製品形状を得るための適切な冷間成形加工を施
した後、その形状を記憶させるために形状記憶熱処理工
程に供され、所定の熱処理が施される。熱処理条件とし
ては、形状記憶合金の材質によってそれぞれことなる
が、従来と同様の条件で行えば十分である。
【0067】なお、以上に説明した本発明の方法は、形
状記憶合金管を得るためのものであるが、形状記憶合金
以外の材料であり、その加工性が形状記憶合金と同様に
悪い難加工材料、例えば銅合金や二相ステンレス鋼ある
いは粉末成形合金などの材料からなる小径・薄肉の長尺
管の製造にも適用できることはいうまでもない。
状記憶合金管を得るためのものであるが、形状記憶合金
以外の材料であり、その加工性が形状記憶合金と同様に
悪い難加工材料、例えば銅合金や二相ステンレス鋼ある
いは粉末成形合金などの材料からなる小径・薄肉の長尺
管の製造にも適用できることはいうまでもない。
【0068】
(実施例1)内外面の被覆材が0.05重量%のCを含
有する低炭素鋼製で、形状記憶合金素管が原子%でそれ
ぞれ50%のNiとTiを含有するNi−Ti合金から
なる形状記憶合金素管であり、それぞれ機械加工によっ
て表1に示す寸法に仕上げた素材を用い、3種類の前述
した図2に示す形状の組立素材を組み立てた。また、各
組立素材の両端には、上記同様の低炭素鋼製で、外径5
7.8mm、肉厚5mmの封止板を装着した。なお、各
素材の対向面は、Rmaxで6.3μmに仕上げた。
有する低炭素鋼製で、形状記憶合金素管が原子%でそれ
ぞれ50%のNiとTiを含有するNi−Ti合金から
なる形状記憶合金素管であり、それぞれ機械加工によっ
て表1に示す寸法に仕上げた素材を用い、3種類の前述
した図2に示す形状の組立素材を組み立てた。また、各
組立素材の両端には、上記同様の低炭素鋼製で、外径5
7.8mm、肉厚5mmの封止板を装着した。なお、各
素材の対向面は、Rmaxで6.3μmに仕上げた。
【0069】
【表1】
【0070】次いで、これらの組立素材を真空チャンバ
ー内に挿入し、各素材の隙間の真空度を2〜3×10-3
Torrになるように脱気した後、上記真空チャンバー
内でその両端の封止板と外面被覆材の嵌合面を電子ビー
ム溶接することで密封シールした。
ー内に挿入し、各素材の隙間の真空度を2〜3×10-3
Torrになるように脱気した後、上記真空チャンバー
内でその両端の封止板と外面被覆材の嵌合面を電子ビー
ム溶接することで密封シールした。
【0071】その後、これらの組立素材を加熱炉に装入
して950℃に加熱し、3個のコーン型ロールを備える
傾斜圧延機を用いて外径17.5mm、長さ約5000
mmに延伸圧延した。この延伸圧延時、組立素材No. 3
については外側に膨れが発生し圧延不能となったが、組
立素材No. 1とNo. 2については何らの問題もなく圧延
することができた。
して950℃に加熱し、3個のコーン型ロールを備える
傾斜圧延機を用いて外径17.5mm、長さ約5000
mmに延伸圧延した。この延伸圧延時、組立素材No. 3
については外側に膨れが発生し圧延不能となったが、組
立素材No. 1とNo. 2については何らの問題もなく圧延
することができた。
【0072】次いで、延伸圧延することができた組立素
材No. 1とNo. 2から得られた複合材料の両端に設けた
封止板に相当する端部長を切断除去した後、外面被覆材
を18%硝酸水溶液中に浸漬して溶解除去した。この外
面被覆材の溶解除去時、内面被覆材の両端面部分が15
mm程度溶解除去されていた。また、この外面被覆材除
去後の複合材料のうち、組立素材No. 1のものについて
断面寸法を測定したところ、形状記憶合金管の外径が1
4.4mm、肉厚が1.65mmであり、内面被覆材の
外径が11.1mmであった。
材No. 1とNo. 2から得られた複合材料の両端に設けた
封止板に相当する端部長を切断除去した後、外面被覆材
を18%硝酸水溶液中に浸漬して溶解除去した。この外
面被覆材の溶解除去時、内面被覆材の両端面部分が15
mm程度溶解除去されていた。また、この外面被覆材除
去後の複合材料のうち、組立素材No. 1のものについて
断面寸法を測定したところ、形状記憶合金管の外径が1
4.4mm、肉厚が1.65mmであり、内面被覆材の
外径が11.1mmであった。
【0073】その後、組立素材No. 2を用いて得られた
外面被覆材除去後の複合材料については、内面被覆材の
溶解消失長さに相当する形状記憶合金管の両管端部分を
切断除去するとともに、一方端については形状記憶合金
管部分のみをさらに150mm切削除去した。そして、
伸線機を用い、形状記憶合金管をダイスで長手方向不動
に支持し、一方管端から突出した内面被覆材部分をグリ
ッパーで把持して内面被覆材を引き抜こうとしたとこ
ろ、形状記憶合金管が破損し、内面被覆材を形状記憶合
金管から引き抜くことができなかった。
外面被覆材除去後の複合材料については、内面被覆材の
溶解消失長さに相当する形状記憶合金管の両管端部分を
切断除去するとともに、一方端については形状記憶合金
管部分のみをさらに150mm切削除去した。そして、
伸線機を用い、形状記憶合金管をダイスで長手方向不動
に支持し、一方管端から突出した内面被覆材部分をグリ
ッパーで把持して内面被覆材を引き抜こうとしたとこ
ろ、形状記憶合金管が破損し、内面被覆材を形状記憶合
金管から引き抜くことができなかった。
【0074】一方、組立素材No. 1を用いて得られた外
面被覆材除去後の複合材料については、内面被覆材の溶
解消失長さに相当する形状記憶合金管の両管端部分を切
断除去後、凸型上ロールと凹型下ロールとを対向配置し
た単スタンドの棒鋼用矯正圧延機を用い、複合材の外径
を0.4mm(2.8%)減ずるパススケジュールで回
転曲げ変形を施した。
面被覆材除去後の複合材料については、内面被覆材の溶
解消失長さに相当する形状記憶合金管の両管端部分を切
断除去後、凸型上ロールと凹型下ロールとを対向配置し
た単スタンドの棒鋼用矯正圧延機を用い、複合材の外径
を0.4mm(2.8%)減ずるパススケジュールで回
転曲げ変形を施した。
【0075】しかる後、形状記憶合金管を長手方向不動
に固定し、一方管端より内面被覆材を外径10mmの棒
材を用いて人手で押したところ、いずれの複合材料も内
面被覆材を形状記憶合金管から極めて簡単に引き抜き除
去することができた。
に固定し、一方管端より内面被覆材を外径10mmの棒
材を用いて人手で押したところ、いずれの複合材料も内
面被覆材を形状記憶合金管から極めて簡単に引き抜き除
去することができた。
【0076】この時、抜き取られた内面被覆材について
外径を測定したところ、その外径は11.0mmであっ
た。また、その形状記憶合金管の寸法は、外径14.4
mm、内径11.1mm、肉厚1.65mm、長さ44
00mmであった。
外径を測定したところ、その外径は11.0mmであっ
た。また、その形状記憶合金管の寸法は、外径14.4
mm、内径11.1mm、肉厚1.65mm、長さ44
00mmであった。
【0077】(実施例2)内外面の被覆材がJIS−H
3300に規定されている無酸素銅製で、形状記憶合金
素管が原子%で21.3%のZnと6%Alを含有し、
残部がCuおよび不可避的不純部からなる形状記憶合金
素管であり、それぞれ機械加工によって表2に示す寸法
に仕上げた素材を用い、前述の図3に示す形状の組立素
材(No. 4)を組み立てた。また、組立素材の一方端に
は、上記同様の無酸素銅製で、外径33.8mm、肉厚
10mmの封止板を装着した。なお、各素材の対向面
は、Rmaxで25μmに仕上げた。
3300に規定されている無酸素銅製で、形状記憶合金
素管が原子%で21.3%のZnと6%Alを含有し、
残部がCuおよび不可避的不純部からなる形状記憶合金
素管であり、それぞれ機械加工によって表2に示す寸法
に仕上げた素材を用い、前述の図3に示す形状の組立素
材(No. 4)を組み立てた。また、組立素材の一方端に
は、上記同様の無酸素銅製で、外径33.8mm、肉厚
10mmの封止板を装着した。なお、各素材の対向面
は、Rmaxで25μmに仕上げた。
【0078】
【表2】
【0079】次いで、この組立素材を真空チャンバー内
に挿入し、各素材の隙間の真空度を2〜3×10-3To
rrになるように脱気した後、上記真空チャンバー内で
その一方端については封止板と外面被覆材との嵌合面
を、他方端については外面被覆材の端部に形成した突起
部との嵌合面を電子ビーム溶接することによって密封シ
ールした。
に挿入し、各素材の隙間の真空度を2〜3×10-3To
rrになるように脱気した後、上記真空チャンバー内で
その一方端については封止板と外面被覆材との嵌合面
を、他方端については外面被覆材の端部に形成した突起
部との嵌合面を電子ビーム溶接することによって密封シ
ールした。
【0080】その後、この組立素材を加熱炉に装入して
850℃に加熱し、熱間押出し装置を用いて外径22m
m、長さ約650mmの複合材料に延伸加工し、得られ
た複合材料の両端に設けた無酸素銅からなる封止板と突
起部に相当する端部長を切断除去して400mmの長さ
にした。この両端除去後の複合材料の断面寸法を測定し
たところ、形状記憶合金管はその外径が14.5mm、
肉厚が2.4mmであった。また、内面被覆材はその外
径が9.7mmであった。
850℃に加熱し、熱間押出し装置を用いて外径22m
m、長さ約650mmの複合材料に延伸加工し、得られ
た複合材料の両端に設けた無酸素銅からなる封止板と突
起部に相当する端部長を切断除去して400mmの長さ
にした。この両端除去後の複合材料の断面寸法を測定し
たところ、形状記憶合金管はその外径が14.5mm、
肉厚が2.4mmであった。また、内面被覆材はその外
径が9.7mmであった。
【0081】次いで、旋盤を用いて外面被覆材を切削除
去することにより、その外径を14mmに仕上げ、この
外面被覆材除去後の複合材料を、凸型上ロールと凹型下
ロールを対向配置した棒鋼の矯正圧延機に通し、外径を
0.2mm(1.4%)減ずるパススケジュールで回転
曲げ変形加工を冷間にて施した。
去することにより、その外径を14mmに仕上げ、この
外面被覆材除去後の複合材料を、凸型上ロールと凹型下
ロールを対向配置した棒鋼の矯正圧延機に通し、外径を
0.2mm(1.4%)減ずるパススケジュールで回転
曲げ変形加工を冷間にて施した。
【0082】しかる後、形状記憶合金管を長手方向不動
に固定し、一方管端より内面被覆材を外径8mmの棒材
を用いて人手で押したところ、内面被覆材を形状記憶合
金管から極めて簡単に引き抜き除去することができた。
に固定し、一方管端より内面被覆材を外径8mmの棒材
を用いて人手で押したところ、内面被覆材を形状記憶合
金管から極めて簡単に引き抜き除去することができた。
【0083】この時、抜き取られた各材料の断面寸法を
測定したところ、内面被覆材の外径は9.6mmであっ
た。また、形状記憶合金管の外径は14.0mm、内径
は9.7mm、肉厚は2.15mm、長さは400mm
であった。
測定したところ、内面被覆材の外径は9.6mmであっ
た。また、形状記憶合金管の外径は14.0mm、内径
は9.7mm、肉厚は2.15mm、長さは400mm
であった。
【0084】
【発明の効果】本発明の方法によれば、熱間延伸加工後
の複合材料に回転曲げ変形加工を施すことで、相互に密
着した形状記憶合金性管と内面側被覆材(心金)とを剥
離離間させて両者間に隙間を形成させる。この結果、内
面側被覆材(心金)を容易に引き抜き除去することが可
能になるので、生産性が向上する。
の複合材料に回転曲げ変形加工を施すことで、相互に密
着した形状記憶合金性管と内面側被覆材(心金)とを剥
離離間させて両者間に隙間を形成させる。この結果、内
面側被覆材(心金)を容易に引き抜き除去することが可
能になるので、生産性が向上する。
【図1】本発明の製造工程を示す図である。
【図2】本発明の方法に用いる加工前の組立素材の一例
を示す縦断面図である。
を示す縦断面図である。
【図3】本発明の方法に用いる加工前の組立素材の他の
例を示す縦断面図である。
例を示す縦断面図である。
1、11:組立素材、 2、12:形状記憶合金素管、 3、13:外面被覆材、 4、14:内面被覆材、 14a :突起部 5、15:封止板、 6、16:密封シール。
Claims (2)
- 【請求項1】形状記憶合金製の管状体の内面または内外
面を非形状記憶合金材料からなる被覆材で被覆してな
り、前記の管状体と被覆材との間隙を2mm以下にして
なる組立素材を所定の温度に加熱した後、この組立素材
に熱間延伸加工を施して所定の寸法に加工し、この加工
後の複合材料に回転曲げ変形加工を施し、しかる後に内
面被覆材料を抜き取ることを特徴とする形状記憶合金管
の製造方法。 - 【請求項2】組立素材が外面被覆材を有する場合、その
外面被覆材の除去を、回転曲げ変形加工の前後のいずれ
かにおいて、切削または酸洗によって除去することを特
徴とする請求項1に記載の形状記憶合金管の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7162696A JPH09263916A (ja) | 1996-03-27 | 1996-03-27 | 形状記憶合金管の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7162696A JPH09263916A (ja) | 1996-03-27 | 1996-03-27 | 形状記憶合金管の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09263916A true JPH09263916A (ja) | 1997-10-07 |
Family
ID=13466060
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7162696A Pending JPH09263916A (ja) | 1996-03-27 | 1996-03-27 | 形状記憶合金管の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09263916A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1295037C (zh) * | 2005-05-10 | 2007-01-17 | 江苏法尔胜技术开发中心 | 镍钛基形状记忆合金管材套拉成型方法 |
CN1295038C (zh) * | 2005-05-10 | 2007-01-17 | 江苏法尔胜技术开发中心 | 镍钛基形状记忆合金管材玻璃润滑冲击套挤成型方法 |
JP2009279633A (ja) * | 2008-05-26 | 2009-12-03 | Nippon Steel Corp | 無遊間接続用のレール継目板の製造方法 |
-
1996
- 1996-03-27 JP JP7162696A patent/JPH09263916A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1295037C (zh) * | 2005-05-10 | 2007-01-17 | 江苏法尔胜技术开发中心 | 镍钛基形状记忆合金管材套拉成型方法 |
CN1295038C (zh) * | 2005-05-10 | 2007-01-17 | 江苏法尔胜技术开发中心 | 镍钛基形状记忆合金管材玻璃润滑冲击套挤成型方法 |
JP2009279633A (ja) * | 2008-05-26 | 2009-12-03 | Nippon Steel Corp | 無遊間接続用のレール継目板の製造方法 |
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