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JPH09263608A - ホウ素含有樹脂の製造法 - Google Patents

ホウ素含有樹脂の製造法

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Publication number
JPH09263608A
JPH09263608A JP7437896A JP7437896A JPH09263608A JP H09263608 A JPH09263608 A JP H09263608A JP 7437896 A JP7437896 A JP 7437896A JP 7437896 A JP7437896 A JP 7437896A JP H09263608 A JPH09263608 A JP H09263608A
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JP
Japan
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group
boron
thermoplastic resin
extruder
boronic acid
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Application number
JP7437896A
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Kaoru Ikeda
薫 池田
Taichi Negi
太一 祢宜
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不純物の少ないホウ素含有熱可塑製樹脂を
製造すること。 【解決手段】押出機中で、二重結合量を0.0001m
eq/g以上含有する熱可塑性樹脂(A)にホウ素−水
素結合を有するホウ素化合物(B)を反応させ、次いで
分子内に水酸基を1個または2個有し、かつ760mm
Hg下で沸点300℃以下の化合物(C)を添加するホ
ウ素含有熱可塑性樹脂の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産性および経済
性に優れ、かつ不純物の少ない、ホウ素含有熱可塑性樹
脂の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】テトラヒドロフラン等の溶媒を用い、フ
ラスコ等の反応容器中で炭素−炭素二重結合を有する熱
可塑性樹脂にホウ素−水素結合を有するホウ素化合物を
反応させることが知られている(特開平3−11540
2、特開平4−45104)。また、二重結合を有する
オレフィン系重合体にボラン錯体およびホウ酸エステル
を反応させ、ボロン酸基を有するポリオレフィンを製造
する方法が知られている(特開平7−33820)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来法では、
溶剤を使用する必要があるため、溶媒への溶解、溶媒除
去、溶媒精製等の操作が必要で、複雑な工程が必要であ
った。また、過剰の試薬由来のホウ素化合物等の不純物
を除去するのが困難であった。また、従来法は、バッチ
式で製造するため、大量生産に向いていなかった。しか
して、本発明の目的は、より簡単な工程により、さらに
好ましくは溶媒を使用せずに、不純物の少ないホウ素含
有熱可塑性樹脂を製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、押出機中
で、二重結合量を0.0001meq/g以上含有する
熱可塑性樹脂(A)にホウ素−水素結合を有するホウ素
化合物(B)を反応させ、次いで、分子内に水酸基を1
個または2個有し、かつ760mmHg下で沸点300
℃以下の化合物(C)を添加することによって達成され
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、二重結合を0.
0001meq/g以上含有する熱可塑性樹脂(A)と
は、主鎖、側鎖あるいは末端から選ばれる少なくとも1
つに炭素−炭素二重結合を有する熱可塑性樹脂である。
二重結合を0.0001meq/g以上含有する熱可塑
性樹脂(A)とは、1)通常のオレフィン系重合体ある
いはビニル系重合体の末端に二重結合を有するもの;
2)通常のオレフィン系重合体あるいはビニル系重合体
を無酸素条件下、熱分解して得た、末端に二重結合を有
するオレフィン系重合体あるいはビニル系重合体。;
3)オレフィンあるいはビニル系重合体とジエン系重合
体との共重合により得た、オレフィン−ジエン系共重合
体あるいはビニル−ジエン系共重合体などが挙げられ
る。1)の製法については、公知のオレフィン系重合体
あるいはビニル系重合体の製法を用いることができる
が、特に、連鎖移動剤として水素を用いず、重合触媒と
してメタロセン系重合触媒を用い、オレフィン系単量体
を重合する製法(例えば、DE4030399)が好ま
しい。2)の製法については、公知の方法(例えばUS
2835659、3087922)によりオレフィン系
重合体を窒素下や真空条件下等の無酸素条件下で300
℃〜500℃の温度、反応時間1分〜10時間で熱分解
して得る方法が好ましい。3)の製法については、公知
のチーグラー系触媒を用いてオレフィン−ジエン系共重
合体を得る方法が好ましく(例えば特開昭50−442
81、DE3021273)、また公知のビニル−ジエ
ン系共重合体をラジカル重合またはアニオン重合で得る
方法も挙げられる。
【0006】熱可塑性樹脂(A)中の二重結合は0.0
001meq/g以上含有することが重要であり、上限
には特に制限はないが、約1eq/gである。好適には
0.001meq/g以上、さらには0.005meq
/g以上である。また、上限については0.5meq/
g以下が好ましく、さらに好ましくは0.2meq/g
以下である。
【0007】二重結合を有する熱可塑性樹脂(A)の具
体例としては、ポリエチレン(高密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度
ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等)、エチレン−
プロピレン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン、ポ
リ(3−メチル−1−ペンテン)等のオレフィン系重合
体;エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共
重合体、エチレン−イソプレン共重合体等のオレフィン
−ジエン系共重合体、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等
のビニル系重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、
ブタジエン−イソプレンのブロックおよびランダム共重
合体、プタジエン−スチレンのブロックおよびランダム
共重合体、イソプレン−スチレンのブロックおよびラン
ダン共重合体等のジエン系重合体およびその水添物;ポ
リフェニレンエーテル;ポリフェニレンスルフィド等が
挙げられる。前記重合体の中で、ポリエチレン(高密
度、中密度、直鎖状低密度、超低密度)およびエチレン
−プロピレン共重合体、ポリプロピレンが特に好まし
い。
【0008】本発明に使用するホウ素−水素結合を有す
るホウ素化合物(B)とは、少なくとも1つのホウ素−
水素結合を有するホウ素化合物である。この具体例とし
ては、ジボラン、テトラボラン、ペンタボラン、ヘキサ
ボラン、デカボラン類等のボラン類;ボラン−テトラヒ
ドラフラン錯体、ボラン−トリエチルアミン錯体、ボラ
ン−トリメチルアミン錯体、ボラン−ピリジン錯体、ボ
ラン−t−ブチルアミン錯体、ボラン−N,N−ジイソ
プロピルエチルアミン錯体、ボラン−ジメチルアミン錯
体、ボラン−N,N−ジエチルアニリン錯体、ボラン−
4−メチルモルフォリン錯体、ボラン−メチルスルフィ
ド錯体、ボラン−1,4−チオキサン錯体、ボラン−ト
リブチルフォスフィン錯体等のボランとルイス塩基の錯
体;テキシルボラン、カテコールボラン、9−ボラビシ
クロ[3,3,1]ノナン、ジイソアミルボラン、ジシ
クロヘキシルボラン等の炭化水素あるいは炭化水素オキ
シ置換ボラン等が挙げられ、このうち化学的安定性の点
からボラン−トリエチルアミン錯体(トリエチルアミン
ボラン)、ボラン−メチルスルフィド錯体等が好まし
い。
【0009】本発明において、熱可塑性樹脂(A)にホ
ウ素化合物(B)およびホウ酸エステル(D)を反応さ
せる方法はより好適な態様である。このホウ酸エステル
(D)としては、例えばホウ酸トリメチル、ホウ酸トリ
エチル、ホウ酸トリプロピル、ホウ酸トリブチル、ホウ
酸エチレングリコールエステル、ホウ酸プロピレングリ
コールエステル、ホウ酸トリメチレングリコールエステ
ル、ホウ酸1,3−ブタンジオールエステル、ホウ酸ネ
オペンチルグリコールエステル等のホウ酸エステルが好
ましく、これらのなかで特に、ホウ酸トリメチレングリ
コールエステル、ホウ酸1,3−ブタンジオールエステ
ル、ホウ酸ネオペンチルグリコールエステル等のエステ
ルが好ましい。これらのホウ酸エステルを添加すること
により、ホウ素化合物(B)の添加時にしばしば起こる
架橋を防ぐと同時に、化学的に安定なボロン酸エステル
基という形でホウ素含有基を導入できる。
【0010】本発明の分子内に水酸基を1個または2個
有する化合物(C)の沸点としては760mmHg下で
の沸点が300℃以下であることが重要で、60℃から
300℃の範囲が好ましく、60℃から250℃の範囲
がより好ましい。このような化合物(C)としては、例
えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2
−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等の
低級アルコール;エチレングリコール、1,2−プロピ
レングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタ
ンジオール等の低級ジオールが挙げられる。
【0011】本発明に使用する押出機としては、特に制
限はなく、一軸押出機、二軸同方向回転押出機、二軸異
方向回転押出機のいずれを用いてもよいが、二軸同方向
回転押出機あるいは二軸異方向回転押出機が好ましい。
また、押出機の樹脂出口近くにベントを設けることが好
ましい。これにより過剰のホウ素化合物を除去および回
収することができる。また、1台の多段ベントを有する
押出機を使用してもよいし、2台以上の押出機を使用し
てもよい。1台の押出機を用いる場合、押出機の本体側
から順に、1)熱可塑性樹脂(A)のフィード口、2)
ホウ素化合物(B)およびホウ酸エステル(D)の添加
口、3)ベント口、水酸基を有する化合物(C)の添加
口および5)ベント口を有する多段式押出機が好まし
く、スクリュー形状としては、前記2)、3)、4)お
よび5)の間にそれぞれシールあるいは逆ネジスクリュ
ーを有していることが好ましい。2台の押出機を使用す
る場合、1台目の押出機では本体側から順に、1)熱可
塑性樹脂(A)のフィード口、2)ホウ素化合物(B)
およびホウ酸エステル(D)の添加口および3)ベント
口を有する押出機が好ましく、2台目の押出機では本体
側から順に、1)1台目の押出機で得られた樹脂をフィ
ードするためのフィード口、水酸基を有する化合物
(C)の添加口およびベント口を有する押出機が好まし
く、前記1台目および2台目の押出機のスクリュー形状
としては前記2)および3)の間にシールあるいは逆ネ
ジスクリューを有していることが好ましい。本発明に使
用するホウ素化合物(B)は高温では空気中の酸素ある
いは水あるいは酸素により分解されるため、押出機中の
酸素および水蒸気の濃度はできるだけ低いことが好まし
い。従って、押出機のフィーダーに窒素ガスを流した
り、押出機に脱気用ベント口を設けることが好ましい。
押出機内の最高温度は使用する熱可塑性樹脂(A)およ
びホウ素化合物(B)によって異なるが、通常、(A)
の融点から350℃の範囲が好ましく、さらに(A)の
融点+10℃から300℃の範囲がより好ましい。熱可
塑性樹脂(A)とホウ素化合物(B)を反応させた後、
未反応のホウ素化合物(B)を除去、特に減圧下で除去
した後に、水酸基を有する化合物(C)を添加するのが
好適である。ここでは未反応のホウ素化合物は、ホウ素
量に換算して、500ppm以下さらには100ppm
以下になるように除去するのがよい。ここで減圧とは、
内部の真空度が300mmHg以下、好ましくは50m
mHg以下である。水酸基を有する化合物を添加するこ
とにより、不純物をより効率的に除くことができる。ま
た同時に、反応によって導入されたボロン酸基のエステ
ルの種類をエステル交換反応により、添加した水酸基を
有する化合物のエステルに変えることもできる。水酸基
を有する化合物(C)を添加したあと、さらに減圧状態
にし、未反応のホウ素化合物(B)を除去することが好
ましい。この除去により、不純物のホウ素化合物の量は
ホウ素量に換算して、100ppm以下、さらには20
ppm以下とすることが好ましい。
【0012】ホウ素化合物(B)の添加法としては、通
常、押出機のバレルの途中からポンプにより注入する方
法、あるいは、原料樹脂にあらかじめドライブレンドす
る方法、あるいは前記の途中で注入する方法およびあら
かじめドライブレンドする方法を併用する方法が挙げら
れる。ホウ素化合物(B)の添加量は特に制限はない
が、熱可塑性樹脂(A)に対し、0.001〜10重量
%の範囲が好ましく、さらに好ましくは、0.01〜5
重量%の範囲である。また、ホウ酸エステル(D)の添
加量の好適な範囲は熱可塑性樹脂(A)に対し、0.0
1〜100重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは
0.05〜10重量%の範囲である。また、水酸基を有
する化合物(C)の添加量は特に制限はないが、熱可塑
性樹脂(A)に対し、0.1〜100重量%の範囲が好
ましく、さらに好ましくは0.5〜20重量%の範囲で
ある。
【0013】本発明によってえられるホウ素含有熱可塑
性樹脂の代表例としては、ボロン酸基、ボリン酸基およ
び水の存在下でボロン酸基またはボリン酸基に転化しう
るホウ素含有基から選ばれる少なくとも一つの官能基を
有する熱可塑性樹脂が挙げられる。ここでボロン酸基、
ボリン酸基あるいは水の存在下でボロン酸またはボリン
酸基に転化しうるホウ素含有基からなる群より選ばれる
少なくとも一つの官能基がホウ素−炭素結合により主
鎖、側鎖または末端に結合した熱可塑性樹脂である。こ
のうち前記官能基が側鎖または末端に結合した熱可塑性
樹脂が好ましく、末端に結合した熱可塑性樹脂が最適で
ある。ここで末端とは片末端または両末端を意味する。
【0014】本発明において、ボロン酸基とは、下記式
(I)で示されるものである。
【0015】
【化1】
【0016】また水の存在下でボロン酸基に転化しうる
ホウ素含有基(以下単にホウ素含有基と略記する)とし
ては、水の存在下で加水分解を受けて上記式(I)で示
されるボロン酸基に転化しうるホウ素含有基であればど
のようなものでもよいが、代表例として下記一般式(I
I)で示されるボロン酸エステル基、下記一般式(II
I)で示されるボロン酸無水物基、下記一般式(IV)
で示されるボロン酸塩基が挙げられる。
【0017】
【化2】
【0018】
【化3】
【0019】
【化4】
【0020】{式中、X,Yは水素原子、脂肪族炭化水
素基(炭素数1〜20の直鎖状、または分岐状アルキル
基、またはアルケニル基など)、脂環式炭化水素基(シ
クロアルキル基、シクロアルケニル基など)、芳香族炭
化水素基(フェニル基、ビフェニル基など)を表わし、
X,Yは同じ基でもよいし、異なっていても良い。また
XとY葉結合していてもよい。ただしX,Yがともに水
素原子である場合は除かれる。またR↑1,R↑2,R
↑3は上記X,Yと同様の水素原子、脂肪族炭化水素
基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基を表わし、R
↑1,R↑2,R↑3は同じ基でもよいし、異なってい
てもよい。またMはアルカリ金属またはアルカリ土類金
属を表わす。また上記のX,Y,R↑1,R↑2,R↑
3には他の基、たとえばカルボキシル基、ハロゲン原子
などを有していてもよい。}
【0021】一般式(II)〜(IV)で示されるボロ
ン酸エステルの具体例としてはボロン酸ジメチルエステ
ル基、ボロン酸ジエチルエステル基、ボロン酸ジプロピ
ルエステル基、ボロン酸ジブチルエステル基、ボロン酸
ヘキシルエステル基、ボロン酸ジシクロヘキシルエステ
ル基、ボロン酸エチレングリコールエステル基、ボロン
酸1,2−プロパンジオールエステル基、ボロン酸トリ
メチレングリコールエステル基、ボロン酸1,3−ブタ
ンジオールエステル基、ボロン酸ネオペンチルグリコー
ルエステル基、ボロン酸カテコールエステル基、ボロン
酸グリセリンエステル基、ボロン酸トリメチロールエタ
ンエステル基等のボロン酸エステル基;ボロン酸無水物
基;ボロン酸のアルカリ金属塩、ボロン酸のアルカリ土
類金属塩等が挙げられる。
【0022】また本発明において、ボリン酸基とは、下
記式(V)で示されるものである。
【0023】
【化5】
【0024】また水の存在下でボリン酸基に転化しうる
ホウ素含有基としては、水の存在下で加水分解を受けて
上記式(V)で示されるボリン酸基に転化しうるホウ素
含有基であればどのようなものでもよいが、代表例とし
て下記一般式(VI)で示されるボリン酸エステル基、
下記一般式(VII)で示されるボリン酸無水物基、下
記一般式(VIII)で示されるボリン酸塩基が挙げら
れる。
【0025】
【化6】
【0026】
【化7】
【0027】
【化8】
【0028】{前記(V〜VIII)式中、Xは前記一
般式(II)のXと同じ意味であり、Zは前記のXと同
様の脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化
水素基を表わす。またXとZは結合していてもよい。ま
たR↑1,R↑2,R↑3は前記の一般式(IV)のR
↑1,R↑2,R↑3と同じ意味である。またMは前記
一般式(IV)のMと同じ意味である。}
【0029】一般式(V)〜(VIII)で示されるボ
リン酸エステル基の具体例としてはX,Z,R↑1,R
↑2,R↑3がメチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、1−メチルプロピル基、ペンチル基、ヘキシル
基、フェニル基等の低級炭化水素基を示すものが挙げら
れる。代表例としてはメチルボリン酸基、メチルボリン
酸メチルエステル基、エチルボリン酸基、エチルボリン
酸メチルエステル基、メチルボリン酸エチルエステル
基、ブチルボリン酸メチルエステル基、3−メチルボリ
ン酸−2−ブチルボリン酸メチルエステル基が挙げられ
る。前記の官能基の中で特にボロン酸エチレングリコー
ルエステル基などのボロン酸エステル基がエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体などのビニルアルコール共重合
体との相溶性の点から好ましい。なお前記の水の存在下
でボロン酸基またはボリン酸基に転化しうるホウ素含有
基とは、熱可塑性樹脂(A)を、水または水と有機溶媒
(トルエン、キシレン、アセトンなど)との混合液体、
またホウ酸水溶液と前記有機溶媒との混合液中で反応時
間10分〜2時間、反応温度室温〜150℃の条件下に
加水分解した場合にボロン酸基またはボリン酸基に転化
しうる基を意味する。
【0030】本発明によって得られた、ホウ素含有熱可
塑性樹脂は、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ビ
ニルアルコール系重合体等の多価水酸基を含有する重合
体と高い反応性を有するため、これらの重合体の相溶化
剤、改質剤、接着剤等として有用である。また、ボロン
酸基等のホウ素含有基は水酸基やアミノ基等の官能基に
容易に化学的に変換可能であるため、これらの官能基を
有する高分子の合成中間体としても有用である。ホウ素
含有熱可塑性樹脂中のホウ素含有量は使用される用途に
より異なるが、0.00001〜1ミリ等量/g(me
q/g)が好ましく、さらに好ましくは0.0001〜
0.3meq/gである。
【0031】以下実施例により、本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらに制限されるものではな
い。ポリオレフィン中の二重結合量は重パラキシレンを
溶媒として用い、270MHz↑1H−NMRにより定
量した。実施例1および実施例2のポリオレフィン中の
ボロン酸基量は重キシレンを溶媒として用い、500M
Hz↑1H−NMRにより定量した。
【0032】実施例1 下記の樹脂フィーダー(押出機C1部分)、液体フィー
ダー1(押出機C3部分)、液体フィーダー2(押出機
C11部分)、ベント1(押出機C8部分)およびベン
ト2(押出機C14部分)を有する37φ二軸押出機に
エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合
体(A)(三井石油化学製「三井EPT」(商品名)3
120P、メルトインデックス(MI)4g/10分
(190℃、2160g荷重)、二重結合量0.4me
q/g}を4kg/hrの割合で供給後、ベント1およ
びベント2の内圧が約20mmHgにまで減圧した。こ
の後、液体フィーダー1からはトリエチルアミンボラン
(B)とホウ酸1,3−ブタンジオールエステル(D)
の重量比29:71混合液を0.6kg/hrの割合で
添加し、また液体フィーダー2からは0.4kg/hr
の割合でエチレングリコール(C)を添加した。これに
よりメルトインデックス(MI)3g/10分(190
℃、2160g荷重)、不純物がホウ素量に換算して1
5ppmの、側鎖にボロン酸エチレングリコールエステ
ル基を0.28meq/g有するエチレン−プロピレン
共重合体を得た。 押出機:TEM−35B(東芝機械製、同方向2軸押出機) D=37mm、L/D=53.8 液体フィーダー位置:C3およびC11 ベント位置 :C6およびC14 窒素置換 :フィーダー部に1L/分の割合で窒素ガスを流す スクリュー構成 :C5、C7およびC10にシールを配置 温度設定 C1〜C6 :200℃ C7〜C15 :250℃ ダイ :250℃ スクリュー回転数:150rpm
【0033】比較例1 液体フィーダー2へのエチレングリコール供給を行わな
い以外、実施例1と同様な条件で試験を行った結果、メ
ルトインデックス(MI)3g/10分(190℃、2
160g荷重)、不純物量がホウ素量に換算して280
ppmの、側鎖にボロン酸1,3−ブタンジオールエス
テル基を0.28meq/g有するエチレン−プロピレ
ン共重合体を得た。
【0034】実施例2 樹脂フィーダーより、超低密度ポリエチレン{住友化学
製「エクセレン」(商品名)EUL430、MI=4g
/10分、二重結合量0.047meq/g}を10k
g/hrの割合で添加し、液体フィーダー1からはトリ
エチルアミンボラン(B)とホウ酸1,3−ブタンジオ
ールエステル(D)の重量比29:71混合溶液を0.
4kg/hrの割合で添加を行う以外は実施例1と同様
の条件で試験を行った結果、メルトインデックス(M
I)4g/10分(190℃、2160g荷重)、不純
物がホウ素量に換算して5ppmの、末端にボロン酸エ
チレングリコールエステル基を0.04meq/g有す
る、超低密度ポリエチレンを得た。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、エチレン−ビニルアル
コール系共重合体などの多価水酸基を有する重合体との
良好な相溶性を有するホウ素含有熱可塑性樹脂を押出機
により容易に製造できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機中で、二重結合量を0.0001
    meq/g以上含有する熱可塑性樹脂(A)にホウ素−
    水素結合を有するホウ素化合物(B)を反応させ、次い
    で分子内に水酸基を1個または2個有し、かつ760m
    mHg下で沸点300℃以下の化合物(C)を添加する
    ことを特徴とするホウ素含有熱可塑性樹脂の製造法。
  2. 【請求項2】 押出機中で、二重結合量を0.0001
    meq/g以上含有する熱可塑性樹脂(A)にホウ素−
    水素結合を有するホウ素化合物(B)およびホウ酸エス
    テル(D)を反応させ、次いで分子内に水酸基を1個ま
    たは2個有し、かつ760mmHg下で沸点300度以
    下の化合物(C)を添加することを特徴とするホウ素含
    有熱可塑性樹脂の製造法。
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