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JPH09217627A - 直噴式リーンバーン高圧縮比ガソリンエンジン - Google Patents

直噴式リーンバーン高圧縮比ガソリンエンジン

Info

Publication number
JPH09217627A
JPH09217627A JP4962596A JP4962596A JPH09217627A JP H09217627 A JPH09217627 A JP H09217627A JP 4962596 A JP4962596 A JP 4962596A JP 4962596 A JP4962596 A JP 4962596A JP H09217627 A JPH09217627 A JP H09217627A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
combustion chamber
compression ratio
piston
fuel
central combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4962596A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Matsuoka
寛 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP4962596A priority Critical patent/JPH09217627A/ja
Publication of JPH09217627A publication Critical patent/JPH09217627A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F3/00Pistons 
    • F02F3/26Pistons  having combustion chamber in piston head
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/12Other methods of operation
    • F02B2075/125Direct injection in the combustion chamber for spark ignition engines, i.e. not in pre-combustion chamber
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B23/00Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation
    • F02B23/08Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition
    • F02B23/10Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition with separate admission of air and fuel into cylinder
    • F02B23/101Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with positive ignition with separate admission of air and fuel into cylinder the injector being placed on or close to the cylinder centre axis, e.g. with mixture formation using spray guided concepts

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ピストン又はシリンダヘッドに中
央燃焼室を形成し、中央燃焼室でリッチ混合気で低い圧
縮比に設定し、主燃焼室をリーン混合気で高い圧縮比に
設定し、燃焼室全体としてリーン混合気にして熱効率を
向上させる直噴式リーンバーン高圧縮比ガソリンエンジ
ンを提供する。 【解決手段】 本発明は、シリンダヘッド12に中央燃
焼室2を形成し、ピストン上死点近傍でキャビティ20
に突入して開口30のほとんど閉鎖できる突起部6をピ
ストン3に形成する。燃料噴射ノズル4からの燃料を中
央燃焼室2内に噴射できるように設定し、スパークプラ
グ5で中央燃焼室2内のリッチ混合気を点火する。ピス
トン圧縮上死点において、中央燃焼室2の圧縮比は主燃
焼室1の圧縮比より低く設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリンダヘッド又は
ピストンに形成された中央燃焼室を備えた直噴式リーン
バーン高圧縮比ガソリンエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリンダヘッドに燃焼室内に突出
させる突起部を設けたエンジンは、例えば、実開昭53
−153102号公報に開示されている。該エンジン
は、ピストンに形成された燃焼室に突入できる突部をシ
リンダヘッドに形成し、シリンダヘッドに噴射ノズルを
設けている。ピストン上死点前でピストンと突部との間
に形成される最小隙間において燃焼室へ流れ込むスキッ
シュ流の空気流速を増大させたものである。
【0003】また、特開平6−264747号公報に開
示された内燃機関の燃焼室は、ピストンに突部を設け、
シリンダヘッドに燃焼室形成空間を形成し、スキッシュ
による燃焼改善を十分に確保しつつ、始動性悪化や運転
中の失火を防止したものである。
【0004】更に、特開平6−317161号公報に開
示された直噴層状燃焼機関は、燃料噴射ノズルと点火栓
とをシリンダヘッドに設け、ピストンに形成した燃焼室
に燃料噴射ノズルからの燃料を噴射し、ピストン上死点
近傍で点火栓の点火によって着火燃焼させるものであ
る。
【0005】また、特開平7−259566号公報に開
示された縮形燃焼室内燃機関の燃焼室は、シリンダヘッ
ド又はピストンにキャビティを形成して燃焼室を構成
し、上死点近傍で燃焼室に突入する突部を形成したもの
である。該燃焼室では燃焼室内の残留ガス流量と噴射時
期とを計算し、空燃費を計算制御するものであり、これ
を行うためにキャビティと突部とが有効であり、多数の
噴口からの攪拌と空燃費コントロールが局部的に行うこ
とができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、ガソリンエン
ジンでは、燃料と空気とを混合して生成した混合気にス
パークプラグにより点火して混合気を着火燃焼させる
が、混合気は理論混合気でなければ良好な着火燃焼がで
きない。従って、ガソリンエンジンは、燃料を着火燃焼
させるため、理論混合気を生成し、生成した理論混合気
に対してスパークプラグで点火し、燃料を着火燃焼させ
ている。しかしながら、燃料を理論混合気で燃焼させた
場合、理論熱効率は混合気が薄いほうが良くなるため、
燃費を良くすることはできない。一方、エンジンの理論
熱効率は圧縮比(膨張比)による影響も大きく、理論熱
効率は圧縮比が高い程良化する。しかし、圧縮比を高く
すると、摩擦損失が増大するため、圧縮比の最適値が有
り、一般に、圧縮比が15〜16が良い。しかし、ガソ
リンエンジンでは、ノッキングの問題から圧縮比を高く
することはできず、これが燃費を悪化する大きな要因と
なっている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は、上記
の課題を解決することであり、燃焼室の一部のみに理論
混合気であるリッチ混合気(以下、リーン混合気と区別
するため、リッチ混合気という)を生成し、他の部分に
はリーン混合気を生成し、リッチ混合気に対してスパー
クプラグを点火し、燃料を着火燃焼させ、ディーゼルエ
ンジンと同等或いはそれ以上の熱効率を確保する直噴式
リーンバーン高圧縮比ガソリンエンジンを提供すること
である。
【0008】この発明は、シリンダヘッドに形成したキ
ャビティによって構成される中央燃焼室、前記キャビテ
ィの開口周縁部を形成するリップ部、シリンダ内を往復
動すると共にピストン上死点近傍で前記キャビティの周
縁開口に突入して前記開口のほとんど閉鎖できる突起部
を形成したピストン、前記ピストンの突起部の回りで前
記シリンダ側に形成される主燃焼室、前記中央燃焼室内
に燃料を噴射できるように前記シリンダヘッドに配置し
た燃料噴射ノズル、及び前記中央燃焼室内の混合気を点
火できるように前記シリンダヘッドに配置したスパーク
プラグ、から成る直噴式リーンバーン高圧縮比ガソリン
エンジンに関する。
【0009】又は、この発明は、シリンダ内を往復動す
るピストンに形成したキャビティによって構成される中
央燃焼室、前記キャビティの開口周縁部を形成するリッ
プ部、ピストン上死点近傍で前記キャビティの周縁開口
に突入して前記開口のほとんど閉鎖できるシリンダヘッ
ド下面から突出した突起部、前記突起部の回りで前記シ
リンダ側に形成される主燃焼室、前記中央燃焼室内に燃
料を噴射できるように前記シリンダヘッドに配置した燃
料噴射ノズル、及び前記中央燃焼室内の混合気を点火で
きるように前記シリンダヘッドに配置したスパークプラ
グ、から成る直噴式リーンバーン高圧縮比ガソリンエン
ジンに関する。
【0010】また、この直噴式リーンバーン高圧縮比ガ
ソリンエンジンにおいて、ピストン圧縮上死点において
前記中央燃焼室内の圧縮比が前記主燃焼室内の圧縮比よ
り低く設定されている。更に、前記燃料噴射ノズルから
の燃料噴射は前記中央燃焼室の壁面に沿って噴射拡散さ
れる。
【0011】また、この直噴式リーンバーン高圧縮比ガ
ソリンエンジンは、前記中央燃焼室内にリッチ混合気が
形成され、前記主燃焼室内にリーン混合気が形成される
ものである。また、前記中央燃焼室内が前記突起部で閉
鎖されたピストン上死点近傍で前記スパークプラグの点
火によってリッチ混合気が着火燃焼し、次いで前記主燃
焼室のリーン混合気に燃焼伝播するものである。
【0012】この直噴式リーンバーン高圧縮比ガソリン
エンジンは、上記のように構成したので、トータルの圧
縮比εを16程度に設定し、空気を圧縮すると、前記中
央燃焼室の前記リップ部のシリンダ側端面(即ち、シリ
ンダヘッド下面)と前記突起部の頂面とがクロスした時
点からピストン圧縮上死点までの各燃焼室の圧縮比
ε1 ,ε2 は、前記中央燃焼室と前記主燃焼室との間に
空気の移動がほとんどないので、両者の燃焼室間での圧
縮比ε1 ,ε2 を大きく変えることができる。例えば、
ピストンの前記突起部の頂面が前記シリンダヘッド下面
と同一面になった時点において、前記突起部の頂面と前
記中央燃焼室の底面との間の距離をL1 とし、ピストン
頂面とシリンダヘッド下面との間の距離をL2 とし、ピ
ストンが上死点まで更に上昇する距離をLとすると、中
央燃焼室と主燃焼室との圧縮比は次のとおりである。前
記中央燃焼室の圧縮比ε1 はL1 /(L1 −L)であ
り、前記主燃焼室の圧縮比ε2 はL2 /(L2 −L)/
である。従って、ε2 >ε1 となるように設定するに
は、L1 >L2 に設定すればよいことになる。
【0013】それ故に、前記中央燃焼室の圧縮比ε1
前記主燃焼室の圧縮比ε2 は、L1,L2 及びLを選定
すれば、適正にコントロールすることができることにな
る。両者の燃焼室で圧縮圧力に差が発生すると、リップ
部と突起部との隙間を通じて空気の移動が発生するが、
この通路面積はピストンの頂面の表面積に対して、0.
1〜0.5%程度に設定することができるので、予め移
動する空気量を計算して考慮しておけばよいことにな
る。
【0014】また、この直噴式リーンバーン高圧縮比ガ
ソリンエンジンについて、前記中央燃焼室の混合気をリ
ッチ混合気(特に、リッチ混合気である必要はなく、理
論混合気よりリーン混合気でもよく、主燃焼室に比較し
てリッチ混合気である)にするのは、点火して火炎が伝
播するには理論混合気に近い濃度が必要であり(空気過
剰率1〜1.2)、且つノッキングを発生しない程度に
コントロールする必要があるからである。前記中央燃焼
室を理論混合気に近い濃度にするには、燃料噴射ノズル
から噴射された燃料が前記中央燃焼室に溜まり易くなる
ように燃料を噴射する必要があるので、前記中央燃焼室
をシリンダヘッドに設けた場合には、前記中央燃焼室の
内周壁面に沿ってスパイラル状に噴射し、一部の燃料が
前記主燃焼室に流出するように噴射することで達成でき
る。或いは、前記中央燃焼室をピストンに設けた場合に
は、燃料噴射ノズルから噴射される燃料を前記中央燃焼
室内に向けて噴射し、一部の燃料が前記主燃焼室に流出
するように噴射することによって達成される。更に、前
記主燃焼室はリーン混合気であり、ノッキングが発生す
ることがないので、高い圧縮比に設定することが可能に
なる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
による直噴式リーンバーン高圧縮比ガソリンエンジンの
実施例を説明する。図1はこの発明による直噴式リーン
バーン高圧縮比ガソリンエンジンの一実施例を示す説明
図、図2〜図4は図1のガソリンエンジンの作動を示す
説明図、及び図5はクランク角に応じて筒内圧力の変化
を示す線図である。
【0016】この直噴式リーンバーン高圧縮比ガソリン
エンジンは、例えば、シリンダブロック13に形成され
た孔部18に配置されたシリンダ11を構成するシリン
ダライナ14、シリンダブロック13にガスケット16
を介在して固定されたシリンダヘッド12、シリンダヘ
ッド12に取り付けられた燃料噴射ノズル4及びシリン
ダ11内を往復運動するピストン3から構成されてい
る。燃料噴射ノズル4には単孔又は多噴孔が形成されて
いる。このガソリンエンジンは、主燃焼室1がシリンダ
11側でシリンダヘッド下面17とピストン頂面10と
で囲まれる領域に形成され、中央燃焼室2がシリンダヘ
ッド12に形成されたキャビティ20に形成されてい
る。更に、シリンダヘッド12には、燃料噴射ノズル4
及びスパークプラグ5が配置され、燃料噴射ノズル4は
中央燃焼室2内に燃料を噴射し、スパークプラグ5は中
央燃焼室2内で点火されるように設定されている。
【0017】シリンダブロック13には、エンジンの気
筒数に対応する孔部18が形成されている。シリンダ1
1は、上記のように、孔部18に嵌合したシリンダライ
ナ14で形成してもよく、又はシリンダブロック13の
孔部18によって直接構成してもよいものである。ま
た、シリンダヘッド12には、吸気ポート23及び排気
ポート21が形成され、吸気ポート23には吸気バルブ
22が配置され、排気ポート21には排気バルブ19が
配置されているが、或いは、少なくとも吸気ポートをシ
リンダ下部に設けて2ストローク構造に構成することも
できる。
【0018】この直噴式リーンバーン高圧縮比ガソリン
エンジンは、特に、シリンダヘッド12に形成したキャ
ビティ20によって構成される中央燃焼室2、キャビテ
ィ20の開口周縁部を形成するリップ部7、シリンダ1
1内を往復動すると共にピストン上死点近傍でキャビテ
ィ20の周縁開口30に突入する突起部6を形成したピ
ストン3、ピストン3の突起部6の回りでシリンダ11
側に形成される主燃焼室1、中央燃焼室2内に燃料を噴
射できるようにシリンダヘッド12に配置した燃料噴射
ノズル4、及び中央燃焼室2内の混合気を点火できるよ
うにシリンダヘッド12に配置したスパークプラグ5か
ら構成されている。ピストン3の突起部6がシリンダヘ
ッド12の中央燃焼室2に突入することによって、突起
部6とリップ部7との間の隙間9は極めて小さく、開口
30をほとんど閉鎖する状態になる。
【0019】この直噴式リーンバーン高圧縮比ガソリン
エンジンでは、、燃料噴射ノズル4からの燃料噴射は、
図2に示すように、中央燃焼室2の壁面に沿って噴射拡
散する状態に燃料噴射ノズル4からの燃料の噴射方向が
設定されており、それによって、中央燃焼室2内への噴
射燃料が多量になり、主燃焼室1内への噴射燃料が少量
になる。また、リップ7を有しているので、中央燃焼室
2内の噴射燃料がより多くなる。燃料噴射ノズル4から
の中央燃焼室2に向けての噴射タイミングは、図2或い
は図5の符号Aの噴射時期であるが、場合によっては、
符号Bの噴射時期に設定することもできる。従って、中
央燃焼室2内にリッチ混合気が形成され、主燃焼室1内
にリーン混合気が形成されることになる。
【0020】この直噴式リーンバーン高圧縮比ガソリン
エンジンは、ピストン圧縮上死点において、中央燃焼室
2内の圧縮比が主燃焼室1内の圧縮比より低く設定され
ているものである。中央燃焼室2内の圧縮比を主燃焼室
1内の圧縮比より低く設定するには、例えば、図3及び
図5に示すように、ピストン3の突起部6の頂面8がシ
リンダヘッド下面17と同一面になった時点Cにおい
て、突起部6の頂面8と中央燃焼室2の底面15との間
の距離をL1 とし、ピストン頂面10とシリンダヘッド
下面17との間の距離をL2 とすると、この時点からピ
ストン3は更にピストン圧縮上死点TDCまで上昇する
が、ピストン3が上死点まで更に上昇する距離がLであ
る時に、中央燃焼室2の圧縮比ε1 〔=L1 /(L1
L)〕を主燃焼室1の圧縮比ε2 〔=L2 /(L2
L)〕より小さくするには、L1 >L2 に設定すればよ
い。
【0021】しかも、この直噴式リーンバーン高圧縮比
ガソリンエンジンでは、突起部6の頂面8がシリンダヘ
ッド下面17と同一面になった時点Cからは、圧縮行程
に従って中央燃焼室2の筒内圧力は図5の曲線CPに沿
って変化し、主燃焼室1の筒内圧力は図5の曲線MPに
沿って変化することになり、主燃焼室1が中央燃焼室2
より高圧縮状態になる。従って、中央燃焼室2内は、理
論混合気に近い濃度となるが、圧力が低くなり、スパー
クプラグ5の点火まで自己発火することなく、ノッキン
グの発生がなく、安定状態を維持できる。しかも、主燃
焼室1内の筒内圧力は、リーン混合気であるので、高く
することができ、燃焼室全体としては圧縮比を高くする
ことができ、熱効率を向上させることができる。
【0022】また、図4及び図5に示すように、中央燃
焼室2内が突起部6で閉鎖されたピストン上死点TDC
近傍でスパークプラグ5の点火S1 ,S2 によってリッ
チ混合気が着火燃焼し、爆発行程に移行し、更に筒内圧
力が上昇し、ピストン3がシリンダ11内を下降し、上
死点後クランク角度20°で再びピストン3の突起部6
の頂面8がシリンダヘッド下面17と同一面になった時
点Oで、中央燃焼室2は主燃焼室1に連通し、筒内圧力
が同等になって主燃焼室1のリーン混合気に燃焼伝播す
るようになる。
【0023】次に、図6〜図9を参照して、この発明に
よる直噴式リーンバーン高圧縮比ガソリンエンジンの別
の実施例を説明する。この実施例は、上記実施例に比較
して中央燃焼室を形成するキャビティをピストンに形成
した以外は、同一の構成を有するので、同一の部品には
同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0024】図6〜図9に示す実施例は、シリンダ11
内を往復動するピストン3に形成したキャビティ25に
よって構成される中央燃焼室2、キャビティ25の開口
周縁部を形成するリップ部27、ピストン上死点近傍で
キャビティ25の周縁開口30に突入して開口30のほ
とんど閉鎖できるシリンダヘッド下面17から突出した
突起部24、突起部24の回りでシリンダ11側に形成
される主燃焼室1、中央燃焼室2内に燃料を噴射できる
ようにシリンダヘッド12に配置した単孔又は多噴孔の
燃料噴射ノズル4、及び中央燃焼室2内の混合気を点火
できるようにシリンダヘッド12に配置したスパークプ
ラグ5から構成されている。燃料噴射ノズル4及びスパ
ークプラグ5は、突起部24から突出して配置されてい
る。また、シリンダヘッド12の突起部24がピストン
3の中央燃焼室2に突入した時点で、突起部24とリッ
プ部27との間の隙間29は極めて小さく、開口30を
ほとんど閉鎖する状態になる。
【0025】この実施例の作動タイミングについては、
上記実施例に対応させて比較すると、燃料噴射ノズル4
からの燃料の噴射タイミングを示す図7は、上記実施例
の図2の作動タイミングに対応している。この時、燃料
噴射ノズル4からの燃料の噴射は、ピストン3の中央燃
焼室2に向かって中央燃焼室2内に燃料が衝突するよう
に噴射される。中央燃焼室2内に燃料が噴射されれば、
リップ部27によって燃料の多くが中央燃焼室2内に留
められるようになる。また、突起部24の頂面26とピ
ストン頂面10とのクロス時点Cを示す図8は、上記実
施例の図3のクロス時点Cの作動タイミングに対応して
いる。更に、ピストン圧縮上死点TDCにおけるスパー
クプラグ5の点火の作動タイミングを示す図9は、上記
実施例の図4の作動タイミングに対応している。
【0026】この実施例は、上記実施例と同様に、中央
燃焼室2内の圧縮比を主燃焼室1内の圧縮比より低く設
定するには、例えば、図5及び図8に示すように、シリ
ンダヘッド12の突起部24の頂面26がピストン3の
頂面10と同一面になった時点Cにおいて、突起部24
の頂面26と中央燃焼室2の底面28との間の距離をL
1 とし、ピストン頂面10とシリンダヘッド下面17と
の間の距離をL2 とすると、この時点からピストン3は
更にピストン圧縮上死点TDCまで上昇するが、ピスト
ン3が上死点まで更に上昇する距離がLである時に、中
央燃焼室2の圧縮比ε1 〔=L1 /(L1 −L)〕を主
燃焼室1の圧縮比ε2 〔=L2 /(L2−L)〕より小
さくするには、L1 >L2 に設定すればよい。
【0027】この実施例は、中央燃焼室2をピストン3
に形成したので、次のような作用効果を得ることができ
る。ピストン3の中央燃焼室2の壁面に燃料噴射ノズル
4から噴射された燃料を衝突させるので、ピストン3を
冷却させることになり、吸入効率を向上させることがで
きる。ピストン3の中央燃焼室2の壁面に燃料を噴き付
けて壁面から熱エネルギーを回収するので、熱効率を向
上させることができる。即ち、図1〜図4に示す実施例
では、中央燃焼室2をシリンダヘッド12に設けている
ので、シリンダヘッド12の温度はピストンの温度に比
較して低温であるので、中央燃焼室2の壁面からの熱エ
ネルギーの回収率は、図6〜図9に示す実施例に比較し
て少なくなる。更に、中央燃焼室2内を燃料で重点的に
冷却するので、圧縮上死点付近での中央燃焼室2内の空
気温度の上昇を低減できる。また、ピストン3の中央燃
焼室2内に向けて燃料噴射ノズル4から燃料を噴射すれ
ばよいので、燃料噴射タイミングにより筒内混合気の分
布を自由にコントロールすることができる。
【0028】
【発明の効果】この発明による直噴式リーンバーン高圧
縮比ガソリンエンジンは、上記のように構成したので、
ノッキング等の発生がなく、高い圧縮比にして高い膨張
比を得ることができ、燃焼室全体としてリーン燃焼を可
能にしてディーゼルエンジンと同等或いはそれ以上の熱
効率を確保することができる。また、前記中央燃焼室
は、予混合燃焼を構成するホモジニアスミクスチャーで
あるので、燃焼室全体としてリーン燃焼なるので、NO
X の発生を大幅に低減させることが可能である。言い換
えれば、この発明における直噴式リーンバーン高圧縮比
ガソリンエンジンは、燃焼室全体から考慮すると、予混
合均一希薄混合気であるので、NOX の発生を数十pp
m以下に低減させることができ、しかも、ホモジニアス
ミクスチャーであるので、パティキュレートも発生しな
い。即ち、前記中央燃焼室の予混合燃焼のリーン混合気
では、実際の混合比1とし、理論混合比を0.6とする
と、空気過剰率は(1/0.6)=1.67となり、そ
の時のNOX の発生は10ppm〜50ppm程度まで
低減できる。ガソリンエンジンでは、通常、理論混合気
で燃料を燃焼させると、NOX の発生は2000ppm
以上となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による直噴式リーンバーン高圧縮比ガ
ソリンエンジンの一実施例を示す説明図である。
【図2】図1のガソリンエンジンにおける燃料噴射ノズ
ルから燃料を噴射する噴射時期を示す説明図である。
【図3】図1のガソリンエンジンにおけるピストンの突
起部の頂面とシリンダヘッド下面とのクロス時期を示す
説明図である。
【図4】図1のガソリンエンジンにおけるピストン上死
点付近でのスパークプラグの点火時期を示す説明図であ
る。
【図5】図1のガソリンエンジンにおけるクランク角度
に対する筒内圧力の関係と燃料噴射タイミングを示す線
図である。
【図6】この発明による直噴式リーンバーン高圧縮比ガ
ソリンエンジンの別の実施例を示す説明図である。
【図7】図6のガソリンエンジンにおける燃料噴射ノズ
ルから燃料を噴射する噴射時期を示す説明図である。
【図8】図6のガソリンエンジンにおけるピストンの突
起部の頂面とシリンダヘッド下面とのクロス時期を示す
説明図である。
【図9】図6のガソリンエンジンにおけるピストン上死
点付近でのスパークプラグの点火時期を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 主燃焼室 2 中央燃焼室 3 ピストン 4 燃料噴射ノズル 5 スパークプラグ 6,24 突起部 7,27 リップ部 8,26 突起部の頂面 9,29 隙間 10 ピストン頂面 11 シリンダ 12 シリンダヘッド 15,28 キャビティ底面 17 シリンダヘッド下面 20,25 キャビティ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドに形成したキャビティに
    よって構成される中央燃焼室、前記キャビティの開口周
    縁部を形成するリップ部、シリンダ内を往復動すると共
    にピストン上死点近傍で前記キャビティの周縁開口に突
    入して前記開口のほとんど閉鎖できる突起部を形成した
    ピストン、前記ピストンの突起部の回りで前記シリンダ
    側に形成される主燃焼室、前記中央燃焼室内に燃料を噴
    射できるように前記シリンダヘッドに配置した燃料噴射
    ノズル、及び前記中央燃焼室内の混合気を点火できるよ
    うに前記シリンダヘッドに配置したスパークプラグ、か
    ら成る直噴式リーンバーン高圧縮比ガソリンエンジン。
  2. 【請求項2】 シリンダ内を往復動するピストンに形成
    したキャビティによって構成される中央燃焼室、前記キ
    ャビティの開口周縁部を形成するリップ部、ピストン上
    死点近傍で前記キャビティの周縁開口に突入して前記開
    口のほとんど閉鎖できるシリンダヘッド下面から突出し
    た突起部、前記突起部の回りで前記シリンダ側に形成さ
    れる主燃焼室、前記中央燃焼室内に燃料を噴射できるよ
    うに前記シリンダヘッドに配置した燃料噴射ノズル、及
    び前記中央燃焼室内の混合気を点火できるように前記シ
    リンダヘッドに配置したスパークプラグ、から成る直噴
    式リーンバーン高圧縮比ガソリンエンジン。
  3. 【請求項3】 ピストン圧縮上死点において前記中央燃
    焼室内の圧縮比が前記主燃焼室内の圧縮比より低く設定
    されている請求項1又は2に記載の直噴式リーンバーン
    高圧縮比ガソリンエンジン。
  4. 【請求項4】 前記燃料噴射ノズルからの燃料噴射は前
    記中央燃焼室の壁面に沿って噴射拡散される請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の直噴式リーンバーン高圧縮比
    ガソリンエンジン。
  5. 【請求項5】 前記中央燃焼室内にリッチ混合気が形成
    され、前記主燃焼室内にリーン混合気が形成される請求
    項1〜4のいずれか1項に記載の直噴式リーンバーン高
    圧縮比ガソリンエンジン。
  6. 【請求項6】 前記中央燃焼室内が前記突起部で閉鎖さ
    れたピストン上死点近傍で前記スパークプラグの点火に
    よってリッチ混合気が着火燃焼し、次いで前記主燃焼室
    のリーン混合気に燃焼伝播する請求項1〜5のいずれか
    1項に記載の直噴式リーンバーン高圧縮比ガソリンエン
    ジン。
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