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JPH09186403A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子及びその製造方法

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Publication number
JPH09186403A
JPH09186403A JP34188095A JP34188095A JPH09186403A JP H09186403 A JPH09186403 A JP H09186403A JP 34188095 A JP34188095 A JP 34188095A JP 34188095 A JP34188095 A JP 34188095A JP H09186403 A JPH09186403 A JP H09186403A
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JP
Japan
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semiconductor
layer
emitting device
light emitting
organic
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Application number
JP34188095A
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JP3875298B2 (ja
Inventor
Takayuki Yuasa
貴之 湯浅
Kazuhiko Inoguchi
和彦 猪口
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
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Priority to KR1019960062028A priority patent/KR970052613A/ko
Priority to US08/774,056 priority patent/US6017774A/en
Priority to KR1019960072766A priority patent/KR100271030B1/ko
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Inを含む化合物半導体膜と、Inを含まな
い化合物半導体膜とのへテロ構造を有し、ヘテロ接合界
面での変質や転位等が少なく、特性の良好な半導体発光
素子101を得る。 【解決手段】 半導体積層構造101aを構成する、I
nGaNからなる第1の化合物半導体層12,14と、
AlGaNまたはGaNからなる第2の化合物半導体層
13とを、有機ラジカルによるアシストを利用して成長
した構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体発光素子及び
その製造方法に関し、特に半導体発光素子における有機
金属気相成長法により成膜した窒素を含有するIII−
V族化合物半導体層を含む半導体積層構造、及び該窒素
を含有するIII−V族化合物半導体層を形成するプロ
セスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から半導体発光素子として、GaA
s系半導体材料を用いた発光ダイオード素子やレーザ素
子があり、これらの半導体発光素子の発光光の色(波
長)は、赤外から赤までの範囲である。
【0003】ところが、レーザ光を用いて光ディスクの
情報を書き込みを行うような場合には、より高密度な情
報の書き込みを行おうとすると、レーザ光の波長によ
り、書き込まれる情報の密度が制約されてしまう。この
ようなことから、より波長の短いレーザ光を発生できる
半導体レーザ素子に対する要求が高まってきている。
【0004】そこで、窒素を含むIII−V族化合物半
導体材料(以下、窒化物系半導体材材料という。)は、
2eV以上の広いバンドギャップを有していることか
ら、窒素系半導体材料を用いた、燈色から紫外領域まで
幅の広い短波長発光素子の開発が進められている。
【0005】ところで、現状における一般的な短波長発
光素子の製造方法としては、In、Ga、及びAlのう
ち所要のものと窒素との混晶からなる、組成の異なった
半導体層を積層してみることにより、設計した波長の発
光が可能となるよう素子構造と各半導体層の組成を決定
し、このようにして決定した素子構造及び組成に基づい
て結晶成長を行って発光素子を作製するというのが通例
である。
【0006】例えば、GaNを主組成とする青色発光素
子を作製する際の結晶成長方法では、III族原料とし
てトリメチルガリウム(以下、TMGaと略記す
る。)、トリメチルアルミニウム(以下、TMAlと略
記する。)、トリメチルインジウム(以下、TMInと
略記する。)等が使用され、V族原料としてはアンモニ
ア(NH3)(例えば、Japanese Journ
al of AppliedPhysics Vol.
30/No.12A(1991)p1998参照)が使
用されている。
【0007】具体的な例として、GaNを主組成とする
青色発光素子は、活性層(発光層)がInyGa1-yN層
(0≦y<1)から構成され、その上下のクラッド層が
AlxGa1-xN層(0≦x≦1)から構成された構造と
なる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、III
族原料とアンモニアを使用して、結晶構造的にまたは光
学的に良好な化合物半導体膜を成長しようとする場合、
AlxGa1-xN(0≦x≦1)の成長温度としては10
00℃以上の温度が必要であるのに対し、InyGa1-y
N(0≦y<1)については、In原子の蒸発を抑える
ためにその成長温度を800℃以下に抑える必要がある
(例えば、Journal of Electroni
c Materials/Vol.21/No.2(1
992)p157参照)。
【0009】従って、窒化物系半導体発光素子として有
効な構造である、Inを含む化合物半導体膜と、Inを
含まない化合物半導体膜とのへテロ構造を作製する場
合、これらの化合物半導体層の一方を成長した後、半導
体層の成長を一時中断し、成長温度を変える必要があ
る。このため、その待ち時間の間に熱の影響でヘテロ構
造の界面の変質や転位等の発生を招き、膜の特性が劣化
してしまうという問題があった。
【0010】また、このような問題は、InAlGaN
の4元系半導体材料からなる複数種類の化合物半導体層
を含む半導体積層構造を有する発光素子においても生ず
る。つまり、活性層を構成する4元系半導体材料と、ク
ラッド層を構成する4元系半導体材料とでは、エネルギ
ーバンドギャップが異なるものを用いることから、両者
ではInの含有量が異なる。このため、活性層とクラッ
ド層とでは成長温度が異なることとなる。従って、In
AlGaNの4元系半導体材料を用いた半導体発光素子
においても、これを構成する所定の半導体層を成長した
後、該半導体結晶の成長を一時中断し、成長温度を変え
る必要があり、このため、上記と同様にヘテロ構造の界
面での変質や転位等が生じて膜の特性が劣化してしまう
という問題がある。
【0011】さらに、AlxGa1-xN膜自体に関して
も、1000℃を越える高温では膜自身の蒸気圧が高い
ため、その成長中に、熱によりかなりの量の膜の構成分
子が昇華しており、成長された膜の構造的、光学的、電
気的な結晶の特性が悪くなるという現象も生じた。
【0012】また、水素と窒素の結合力は有機物とII
I族の金属元素との結合力に比べて強いため、アンモニ
アは窒化物半導体の成長条件では熱による分解の効率が
悪い。このようなことから、III族原料に対して極端
に多くのアンモニアを供給しないと十分な量の窒素が得
られず、10000程度の高いV/III比(V族原料
とIII族原料の供給比率)を必要とし、原料の使用効
率が非常に悪いという問題もあった。
【0013】ところで、先行技術に関する文献(App
l.Phys.Lett.59(17)21 Oct
1991,p.2124)には、GaAs系半導体層の
成長に、ラジカル原料としてアゾターシャルブタンを用
いることにより、GaAs系結晶の成長速度を大きくで
きる点が記載されている。この場合GaAs系結晶の成
長温度も低下することとなるため、上記窒化物系半導体
に関する結晶成長温度が高いことによる弊害については
解決されている。
【0014】ところが、GaAs系半導体材料を用いた
半導体発光素子における半導体積層構造、例えば活性層
としてのGaAs層を、その両側からクラッド層として
のAlGaAs層で挟んだ構造では、その製造プロセス
でアゾターシャルブタンを用いても用いなくても、Ga
As層の成長温度とAlGaAs層の成長温度とはほぼ
同一であり、上記窒化物系半導体の結晶成長における特
有の課題、半導体の組成の違いによる成長温度の相違に
関する課題については解決されていない。
【0015】さらに、上記窒化物系半導体の結晶成長に
おける、V族原料とIII族原料の供給比率が非常に高
く、原料の使用効率が非常に悪いという課題についても
解決されていない。
【0016】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、アンモニア原料と有機金属を用い
て半導体発光素子を製造する際、原料の使用効率を上
げ、かつ、該半導体発光素子を構成する各半導体層の成
長温度を800℃程度まで引き下げて、各半導体層を同
一の温度で成長可能とする半導体発光素子の製造方法を
得ることを目的とする。
【0017】また、本発明は、Inを含む化合物半導体
膜と、Inを含まない化合物半導体膜とのへテロ構造を
有し、接合界面での変質や転位等の発生が抑制された特
性の良好な半導体発光素子を得ることを目的とする。
【0018】また、本発明は、紫外から緑の範囲のレー
ザ光を容易に発振可能な半導体発光素子を得ることを目
的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明(請求項1)に
係る半導体発光素子は、Ga、Al、及びInのうち所
要のものと窒素との化合物からなる複数種類の半導体層
を有する半導体発光素子であって、該半導体層として、
InGaNからなる第1の化合物半導体層と、AlGa
NまたはGaNからなる第2の化合物半導体層とを含む
半導体積層構造を備えている。そして、該第1及び第2
の化合物半導体層は、有機金属をIII族原料とし、N
3をV族原料とし、熱により分解してラジカル状態に
なる有機原料を有機ラジカル源とする有機金属気相成長
処理により形成してなるものである。そのことにより上
記目的が達成される。
【0020】この発明(請求項2)に係る半導体発光素
子は、Ga、Al、及びInのうち所要のものと窒素と
の化合物からなる複数種類の半導体層を有する半導体レ
ーザ素子であって、該半導体層として、InGaNから
なる第1の化合物半導体層と、AlGaNまたはGaN
からなる第2の化合物半導体層とを含み、レーザ光を発
生するための半導体積層構造を備えている。そのことに
より上記目的が達成される。
【0021】この発明(請求項3)に係る半導体発光素
子は、Ga、Al、及びInのうち所要のものと窒素と
の化合物からなる複数種類の半導体層を有する半導体発
光素子であって、該半導体層として、InAlGaNの
4元系材料からなる複数種類の化合物半導体層を含む半
導体積層構造を備えている。そして、該各化合物半導体
層は、有機金属をIII族原料とし、NH3をV族原料
とし、熱により分解してラジカル状態になる有機原料を
有機ラジカル源とする有機金属気相成長処理により形成
してなるものとなっている。そのことにより上記目的が
達成される。
【0022】この発明(請求項4)に係る半導体発光素
子は、Ga、Al、及びInのうち所要のものと窒素と
の化合物からなる複数種類の半導体層を有する半導体レ
ーザ素子であって、該半導体層として、InAlGaN
の4元系材料からなる複数種類の化合物半導体層を含
み、レーザ光を発生するための半導体積層構造を備えて
いる。そのことにより上記目的が達成される。
【0023】この発明(請求項5)は、請求項1ないし
4のいずれかに記載の半導体発光素子において、前記半
導体積層構造を構成する化合物半導体層を、その伝導型
を規定するドーパントとして、Si,Mg,及びZnの
うちの少なくとも1つを含む構造としたものである。
【0024】この発明(請求項6)に係る半導体発光素
子の製造方法は、半導体発光素子を有機金属気相成長法
を用いて製造する方法であって、該半導体発光素子を構
成する、Ga、Al、及びInのうち所要のものと窒素
との化合物からなる半導体層を成膜する工程を含んでい
る。そして、該工程では該半導体層の成膜を行う際、該
成膜反応が行われる領域に、III族原料として有機金
属を供給するとともにV族原料としてNH3を供給し、
かつ該成膜反応が行われる領域に、熱により分解してラ
ジカル状態になる有機原料を有機ラジカル源として供給
するようにしている。そのことにより上記目的が達成さ
れる。
【0025】この発明(請求項7)は、請求項6記載の
半導体発光素子の製造方法において、前記有機原料とし
て、アゾターシャルブタンを用いるものである。
【0026】この発明(請求項8)は、請求項7記載の
半導体発光素子の製造方法において、前記半導体層の成
膜工程では、InGaNからなる半導体層を成膜するも
のである。
【0027】この発明(請求項9)は、請求項7記載の
半導体発光素子の製造方法において、前記半導体層の成
膜工程では、InGaNからなる半導体層と、AlGa
Nからなる半導体層とをほぼ同一の成膜温度でもって成
膜するものである。
【0028】以下、本発明の作用について説明する。
【0029】この発明(請求項1,5)においては、半
導体積層構造を構成する、InGaNからなる第1の化
合物半導体層と、AlGaNまたはGaNからなる第2
の化合物半導体層とを、有機ラジカルによるアシストを
利用して成長した構造としたから、InGaN結晶及び
AlGaNまたはGaN結晶が、低温で成長した特性の
良好なものとなる。また、InGaN結晶及びAlGa
NまたはGaN結晶が、同一の成長温度で形成可能なも
のとなり、上記第1及び第2の化合物半導体層のヘテロ
構造は、その接合部分でその界面での変質や転位等の発
生が抑制されたものとなる。さらに、上記ヘテロ構造を
有する発光素子では、その作製の際に、有機ラジカルに
よるアシストによりV族原料の分解効率が高まり、V族
原料のIII族原料に対する供給量の比率が小さいもの
となる。
【0030】この発明(請求項2,5)においては、レ
ーザ光を発生するための半導体積層構造を、InGaN
からなる第1の化合物半導体層と、AlGaNまたはG
aNからなる第2の化合物半導体層とを含む構造とした
ので、第1及び第2の化合物半導体層の有機金属気相成
長の際、有機ラジカルによるアシストを行うことによ
り、第1及び第2の化合物半導体層の成長温度が低下
し、しかも該両半導体層の成長温度が同じになることに
より、両者のヘテロ接合界面を非常に良好なものとで
き、これにより、紫外から緑の範囲のレーザ光を発生可
能な半導体発光素子を実現できる。
【0031】また、上記ヘテロ構造を有する発光素子で
は、上記と同様にしてその作製の際の、V族原料のII
I族原料に対する供給量の比率が小さいものとなる。
【0032】この発明(請求項3,5)においては、半
導体積層構造を構成する、InAlGaNの4元系材料
からなる複数種類の化合物半導体層を、有機ラジカルに
よるアシストを利用して成長した構造としたから、請求
項1と同様にして、種類の異なる化合物半導体層のヘテ
ロ接合部分ではその界面での変質や転位等の発生が抑制
されることとなり、これにより素子特性を非常に良好な
ものとできる。
【0033】またこのヘテロ構造を有する発光素子で
は、請求項1と同様、その作製の際の、V族原料のII
I族原料に対する供給量の比率が小さいものとなる。
【0034】しかも4元系材料では、エネルギーバンド
ギャップは異なるが格子定数が同一である半導体層を形
成することができ、半導体積層構造における格子不整合
による素子特性の劣化を回避できる。
【0035】この発明(請求項4,5)においては、レ
ーザ光を発生するための半導体積層構造を、InAlG
aNの4元系材料からなる複数種類の化合物半導体層を
含む構造としたので、上記化合物半導体層の有機金属気
相成長の際、有機ラジカルによるアシストを行うことに
より、上記と同様に種類の異なる化合物半導体層のヘテ
ロ接合界面を非常に良好なものとでき、これにより、紫
外から緑の範囲のレーザ光を発生可能な半導体発光素子
を実現できる。
【0036】また、上記と同様、半導体発光素子は、そ
の作製の際の、V族原料のIII族原料に対する供給量
の比率が小さいものとなり、しかも4元系材料では、エ
ネルギーバンドギャップは異なるが格子定数が同一であ
る半導体層を形成可能であることから、半導体積層構造
における格子不整合による素子特性の劣化を回避でき
る。
【0037】この発明(請求項6,7)においては、G
a、Al、及びInのうち所要のものと窒素との化合物
からなる半導体層を成膜する際、該成膜反応が行われる
領域に、III族原料として有機金属を供給するととも
にV族原料としてNH3を供給し、かつ該成膜反応が行
われる領域に、熱により分解してラジカル状態になる有
機原料を有機ラジカル源として供給するようにしている
ので、ラジカル状態になった有機原料の効果により、成
膜原料の分解効率を促進させることができる。これによ
り、窒素系化合物半導体を構成材料とする種々の半導体
層の成長温度を下げることができ、しかも種々の半導体
層の成長温度の低下により、これらの半導体層を同一の
成長温度で成長可能となる。また、NH3の分解促進に
より、NH3の供給量を少なくできる。
【0038】この発明(請求項8)においては、上記半
導体発光装置の製造方法において、ラジカル状態になる
有機原料としてアゾターシャルブタンを用いて、InG
aNからなる半導体層を成膜するので、InGaN層を
低温でしかもNH3の供給量を抑えて成膜することがで
きる。
【0039】この発明(請求項9)は、請求項7記載の
半導体発光素子の製造方法において、前記半導体層の成
膜工程では、InGaNからなる半導体層と、AlGa
Nからなる半導体層とをほぼ同一の成膜温度でもって成
膜するようにしたので、これらの半導体層を低温でしか
もNH3の供給量を抑えて成膜することができるだけで
なく、これらの膜を、途中で中断することなく連続して
成膜することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】まず、本発明の基本原理について
説明する。
【0041】本発明では、熱により分解してラジカル状
態になる有機原料を、成膜原料とともに反応管内に供給
し、ラジカル状態になった有機原料の効果により、成膜
原料の分解反応を促進させるようにしており、これによ
り成膜温度を低下させるとともに、組成や構成元素の異
なる半導体結晶を同一の温度で成長でき、しかもV/I
II比を約1/30程度まで減少できる。この結果、経
済的に有効で、良質のヘテロ構造を有する半導体発光素
子を作製できる。
【0042】以下詳述すると、有機ラジカル原料は、成
膜原料であるアンモニアや有機金属よりも低温で分解
し、C,Hよりなる有機ラジカルを発生する。例えば、
アゾターシャルブタンを有機ラジカル原料として使用し
た場合、200〜300℃程度の温度で分解が始まり、
安定なN2と、ターシャルブチルラジカル(t−C49r
adicals )を発生する。ターシャルブチルラジカルは活
性化しており、有機金属の金属とアルキル基とへの分解
を促進するほか、アンモニア(NH3)のN−H結合の
分解促進に寄与する。
【0043】図8(a)〜図8(c)は、V/III比
及び成長温度を変化させてGaN膜を成長した場合の膜
の状態を示している。図8(a)はアゾターシャルブタ
ンとIII族原料の比が0である場合、図8(b)はア
ゾターシャルブタンとIII族原料の比が0.5である
場合、図8(c)はアゾターシャルブタンとIII族原
料の比が1である場合に対応しており、これらの図にお
いて、○印は表面が平坦で透明な膜ができる点、△印は
表面は平坦であるが茶褐色に着色した膜ができる点、×
印は表面は凸凹でありしかも茶褐色に着色した膜ができ
る点を示している。
【0044】通常の成長において、良好な表面状態を有
する膜を得るためには、成長温度が1000℃以上、V
/III比が2000以上必要なのに対して、ターシャ
ルブチルラジカルを使用した場合、V/III比が一桁
程度、成長温度が200℃以上低い条件でも、良好な表
面状態の膜が成長できることがわかる。なお、膜が茶褐
色になる理由は、未分解の原料がC,Hを含んだまま、
膜中に取り込まれるためであり、表面が凸凹になる理由
は、十分な条件で成長していないため、二次元成長しな
いことによる。
【0045】また、図9はGaN膜中にInGaNから
なる量子井戸層を作製してなる半導体層構造におけるP
L(フォトルミネッセンス)発光のスペクトルを示す図
である。実線は、アゾターシャルブタンを、成膜材料で
ある有機金属材料に対し、1:1の比率で供給して作製
した試料AからのPL発光に対応するもの、点線は、ア
ゾターシャルブタンを用いずに作製した試料BからのP
L発光に対応するものである。
【0046】いずれの試料も、V族原料及びIII族原
料の供給量、成長時間は同じであるが、アゾターシャル
ブタンを用いる場合は、成長温度を800℃に保持し
て、下側のGaN層,InGaN量子井戸層,上側のG
aN層を連続成長した。一方、アゾターシャルブタンを
用いない場合は、1000℃で下側のGaN層を成長し
た後、一旦結晶成長を中断し成長温度を降温してこれが
800℃で安定するのを確認し、その後InGaN層の
成長を行った。そして該InGaN膜の膜厚が所定の膜
厚に達した後成長を中断し、成長温度の昇温を行い、こ
れが1000℃で安定するのを待ってから、上側のGa
N膜の成長を行った。
【0047】図9において、InGaN量子井戸層から
のPL発光(波長450nm付近)を、アゾターシャル
ブタンを用いて作製した試料Aと、これを用いないで作
製した試料Bとで比較すると、試料AではPL発光の半
値幅WAは約50meVと小さいのに対し、試料Bでは
PL発光の半値幅WBは100meVと大きな値を示し
ている。これは、試料Bでは、結晶成長を一旦中断する
ので、その間に熱の影響でInGaN膜の状態が変化し
たことに起因している。なお、波長370nm付近のP
L発光は、GaN層からのものである。
【0048】このように本発明では、GaAs系半導体
材料の結晶成長において有機ラジカル材料を用いたもの
とは異なり、単に結晶成長の速度を増大させるだけでな
く、従来は低温での良好な結晶成長が不可能であった窒
素系半導体材料を、低温での結晶成長が可能となり、し
かもこの際、組成や構成元素の違いにより成膜温度の異
なる異なるInを含む窒素系半導体材料を同一の温度で
成長可能となる。
【0049】(実施形態1)図1は本発明の実施形態1
による半導体発光素子及びその製造方法を説明するため
の断面図であり、上記半導体発光素子としての発光ダイ
オードの構造の一例を示している。
【0050】図において、101は本実施形態1による
発光ダイオードであり、その表面の面方位が(000
1)面であるサファイア基板11と、該基板11上に下
クラッド層12,活性層13,及び上クラッド層14を
順次積層してなる半導体積層構造101aとを有してい
る。ここで、上記下クラッド層12は、Siをキャリア
濃度が1×1019cm-3となるようドーピングした厚さ
2μmのn型GaN層からなり、活性層13は厚さ0.
01μmのIn0.2Ga0.8N層からなり、上クラッド層
14は、Mg及びZnの少なくとも一方を、ここではM
gをキャリア濃度が1×1018cm-3となるようドーピ
ングした2μm厚のp型GaN層から構成されている。
【0051】上記半導体積層構造101aは、その一部
に下クラッド層12が露出する断面構造となっており、
該下クラッド層12の露出部分には、金属電極16が形
成されており、また上クラッド層14の表面には金属電
極15が形成されている。
【0052】ここで、上記両クラッド層12,14及び
活性層13は、有機金属をIII族原料とし、アンモニ
アをV族原料とし、熱により分解してラジカル状態にな
る有機原料を有機ラジカル源とする有機金属気相成長処
理により形成してなるものである。また、上記各金属電
極15及び16は、それぞれ上クラッド層14及び下ク
ラッド層12を構成するp型及びn型GaNとの間でオ
ーミック性接触が形成される金属材料から構成されてい
る。
【0053】図2は上記実施形態1の半導体発光素子の
製造方法に使用する結晶成長装置の断面構造を概略的に
示す図である。
【0054】図において、201は結晶成長装置であ
り、成膜反応を行うための石英製の反応管26を有して
おり、該反応管26は、その上部に形成したガス導入管
21から、反応管26内に原料ガス等が導入され、反応
管下端部に形成したガス排気口22を通じて排気ガス2
2aが反応管26から排気されるようになっている。
【0055】また、上記反応管26内にはカーボン製の
サセプタ23が配設されており、基板11はこのサセプ
タ23上の、上記ガス導入管21の直下部分に配置され
るようになっている。
【0056】また、上記反応管26の上部壁面に沿っ
て、上記サセプタ23を誘導加熱する高周波加熱コイル
25が配設されており、また、該サセプタ23内には、
熱電対24が挿入され、サセプタ23上の基板11の温
度を検出可能になっている。
【0057】また、上記結晶成長装置201は、H2
スの供給源201a、N2ガスの供給源201b、NH3
ガスの供給源201c、TMGaの供給源201d、S
iH4ガスの供給源201f、及び有機Mgの供給源2
01gを有するとともに、有機ラジカル源となる有機原
料の供給源201eを有しており、各ガス供給源から
は、それぞれのガスがガス導入管21を介して反応管2
6に送られるようになっている。
【0058】また、上記有機原料の供給源201eは、
有機原料としての液体状のアゾーターシャルブタンを満
たした容器201e1と、H2ガスの供給源201e2
を有し、上記容器201e1内の液体状のアゾーターシ
ャルブタンをH2ガスによりバブリングして上記反応管
26に供給する構成となっている。
【0059】次に製造方法について説明する。
【0060】まず、表面を清浄化したサファイア基板1
1を上記サセプタ23上に載置し、反応管26内部の雰
囲気を高純度の水素により置換する。次いで、水素及び
窒素ガスの少なくとも一方を反応炉26に搬送するとと
もに、該反応炉26から排気を行う。この時、反応管2
6に供給されるガス量と、反応管から排気されるガス量
とのバランスにより、反応管内の圧力を100Torr
程度になるよう調整する。
【0061】その後、高周波加熱コイル25によりサセ
プタ23を誘導加熱し、基板11を温度1100〜12
00℃で約10分間保持して基板の清浄化を行い、その
後、基板温度を1100℃まで下げ、この状態でV族原
料ガスを反応管26内に導入する。この状態を30分間
維持して基板11の窒化を行う。
【0062】次いで、基板を成長温度(800℃)に設
定し、この状態でIII族ガスを上記V族原料ガスとと
もに、反応管26内に導入して結晶成長を開始する。こ
の時、III族原料と同時に反応管26内に有機ラジカ
ル源となる有機原料を導入する。これにより上記基板1
1上にGaN層からなる下クラッド層12を形成する。
ここでは、上記V族原料としてアンモニア、III族原
料としてTMGa、n型ドーパントの原料ガスとしてS
iH4ガスを使用し、V族/III族の供給比率が80
00になる条件で、GaN層の結晶成長を行う。また、
有機ラジカル源として、アゾーターシャルブタン((t
−C4922)を使用し、III族原料(TMGa)
の供給モル数に対して、モル比で1の割合で、アゾータ
ーシャルブタンを反応管26内に投入する。このアゾー
ターシャルブタンは熱分解により容易に(t−C49
ジカル)を発生することが知られている。
【0063】次に、上記下クラッド層12上にInGa
Nからなる活性層13の成長を行う。
【0064】ここでは、成長温度を800℃のまま維持
し、III族原料ガスとして、TMGaに加えてTMI
n(トリメチルインジウム)を供給する。また、有機ラ
ジカル源としては、アゾーターシャルブタンを使用し、
III族原料の供給モル数(TMIn+TMGa)に対
して、モル比で1の割合で、アゾーターシャルブタンを
反応管26内に供給する。
【0065】次に、上記活性層13上に上記下クラッド
層12と同様にして、GaNからなる上クラッド層14
を形成する。但し、ここでは該上クラッド層14はp型
の伝導型を有するため、伝導型を規定するドーパントの
原料として、n型ドーパントの原料ガス(SiH4
ス)に代えて、p型ドーパントの原料であるEtCp2
Mg(ビスエチル シクロペンタジエニル マグネシウ
ム)を用いる。
【0066】その後、上記上クラッド層14の表面から
下クラッド層12内の所定位置まで選択的なエッチング
を行い、上記下クラッド層12の露出部分にオーミック
電極16を形成するとともに、上記上クラッド層14の
表面にオーミック電極15を形成し、基板を所定の大き
さに分割して半導体発光素子(LEDチップ)101を
完成する。
【0067】次に作用効果について説明する。
【0068】この実施形態1では、上記半導体発光素子
を構成する下クラッド層12、活性層13、及び上クラ
ッド層14を、全て成長温度800℃で連続して形成す
るので、各層界面での成長待ち時間の熱の影響による損
傷はなく、界面から発生する転位も少なくすることがで
きた。
【0069】従って、本発明は、Inを有する層と、I
nを有していない層の多層構造を有する発光素子を作製
する際に極めて有効となる。
【0070】また、Mgをドーピングした際、その層
は、p型化が容易であった。これは製造膜中のMg原子
と水素原子との結合が少ないことを意味するため、製造
膜中への水素原子の混入が有機ラジカルの効果により押
さえられていることがわかる。
【0071】さらに、GaN及びInGaNの結晶成長
における有機ラジカルの効果を確かめる試験について説
明する。
【0072】ここでは、TMGa量に対してモル比で
0、0.5、1の割合で、有機ラジカルになる有機原料
を投入して試料の作製を行った。図3は、このようにし
て試料の作製を行った場合の、GaN膜の成長速度と成
長温度の関係を、有機原料の投入量をパラメータとして
グラフで示している。
【0073】また、V族原料としてアンモニア、III
族原料としてTMGaを使用し、V族/III族比が8
000になる条件で結晶成長を行った。ここでの試料の
作製では、有機ラジカル源として、アゾーターシャルブ
タン((t−C4922)を使用した。図3から明ら
かなように、有機ラジカル源の投与により、低温での成
長速度が速くなっていることがわかる。
【0074】図5は、Inを組成に含むInGaN混晶
について、In原料の供給比と製造膜中のInの組成比
との関係を測定した結果を示す。In原料としては、T
MInを使用した。また、この測定を行うためのInG
aNの成長は、基板の表面上にて行った。なお、基板の
窒化処理は、上記実施形態1で説明したものと同条件で
行った。
【0075】また、成長温度は800℃に固定し、II
I族原料の供給モル数を一定にして、TMIn/(TM
In+TMGa)値を変化させて、製造膜中のIn含有
量を測定した。さらに、有機ラジカル源としては、アゾ
ーターシャルブタンを使用し、III族原料の供給モル
数(TMIn+TMGa)に対して、モル比で0、0.
5、1の割合で、アゾーターシャルブタンを投入した。
図から明らかなように、アゾーターシャルブタン投入が
ない場合、製造膜中のIn量は、TMIn/(TMIn
+TMGa)値が0.9程度で急激に増加し、組成の制
御性が極めて難しくなっているのに対して、アゾーター
シャルブタンを投入した場合、曲線の立ち上がりが滑ら
かで、組成の制御性が向上していることがわかる。
【0076】上記実施形態1におけるGaN成長の条件
で、成長温度を1000℃に固定し、III族原料の供
給量を変えずに、V/III比を減少させる実験を行っ
た。
【0077】アゾーターシャルブタン供給量が0の場
合、V/III比≦1000で製造膜が黄色く着色し、
PL測定によるバンド端発光量が極力減少してくるとい
う現象を生じたのに対し、アゾーターシャルブタンをI
II族原料の供給モル数に対して、モル比で1の割合量
を投入した場合、V/III比=100程度までは製造
膜の色、及び、PLのバンド端発光強度にほとんど影響
は認められなかった。
【0078】図6は、V/III比が1000である条
件で成膜したGaN膜のPL強度を、アゾーターシャル
ブタンを使用した場合と、これを使用しない場合とで比
較して示している。
【0079】この図から、アゾーターシャルブタンを使
用した場合は、V/III比が小さいにもかかわらず、
発光素子作製に必要なバンド端の発光強度は強いことが
わかる。
【0080】なお、上記実施形態1では、上下のクラッ
ド層を、GaNの結晶成長により形成した構造を示した
が、上下のクラッド層は、AlGaN結晶により構成し
てもよい。
【0081】(実施形態2)次に本発明の実施形態2と
して、活性層がInGaN結晶からなり、上下のクラッ
ド層がAlGaN結晶からなる半導体発光素子(発光ダ
イオード)について説明する。
【0082】この実施形態2の半導体発光素子は、実施
形態1の半導体発光素子における上クラッド層を、厚さ
2μmのp型Al0.2Ga0.8N結晶から構成し、下クラ
ッド層を、厚さ2μmのn型Al0.2Ga0.8N結晶から
構成したものである。ここで上下の各クラッド層を構成
するAl0.2Ga0.8N結晶は、有機金属をIII族原料
とし、アンモニアをV族原料とし、熱により分解してラ
ジカル状態になる有機原料を有機ラジカル源とする有機
金属気相成長処理により形成してなるものである。ここ
で、上記下クラッド層は、Siをn型ドーパントとして
キャリア濃度が5×1018cm-3となるようドーピング
したものであり、上記上クラッド層は、Mgをp型ドー
パントとしてキャリア濃度が5×1017cm-3となるよ
うドーピングしたものである。
【0083】この実施形態2の半導体発光素子の製造方
法は、上下のクラッド層を形成する工程のみ上記実施形
態1と異なっている。また各半導体層の結晶成長には、
上記実施形態1と同様、図2に示す結晶成長装置を用い
る。但しこの場合の該結晶成長装置の構成は、TMAl
(トリメチルアルミニウム)の供給源を図2に示す構成
に付加したものとなる。
【0084】すなわち、実施形態1と同様に、基板の清
浄化及び基板の窒化を行った後、基板を成長温度(80
0℃)に設定し、この状態でIII族ガスを反応管26
内に導入して結晶成長を開始する。この時、III族原
料と同時に反応管26内に有機ラジカル源となる有機原
料を導入する。これにより上記基板上にAlGaN層か
らなる下クラッド層を形成する。ここでは、上記V族原
料としてアンモニア、Ga原料としてはTMGa、Al
原料としてはTMAl、n型ドーパントの原料ガスとし
てSiH4ガスを使用する。
【0085】また、TMGaとTMAlとの導入比は、
成長されるAlGaN混晶のAl組成が20%となるよ
う調整し、また、III族原料の供給モル数(TMGa
+1/2TMAl)を一定にしている。さらに、V族/
III族の供給比率は8000になる条件で、AlGa
N層の結晶成長を行うようにしている。また、有機ラジ
カル源として、アゾーターシャルブタン((t−C
4922)を使用し、III族原料(TMGa)の供
給モル数に対して、モル比で1の割合で、アゾーターシ
ャルブタンを反応管26内に投入する。
【0086】次に、上記下クラッド層上に上記実施形態
1と同様にして、InGaNからなる活性層の成長を行
い、さらに該活性層上に上記下クラッド層と同様にし
て、AlGaNからなる上クラッド層を形成する。但
し、この上クラッド層はp型の伝導型を有するため、伝
導型を規定するドーパントの原料としては、n型ドーパ
ントの原料ガス(SiH4)に代えて、p型ドーパント
の原料であるEtCp2Mgを用いる。
【0087】その後、上記実施形態1と同様にして、下
クラッド層の露出部分にオーミック電極を形成するとと
もに、上記上クラッド層の表面にオーミック電極を形成
し、基板を所定の大きさに分割して半導体発光素子(L
EDチップ)を完成する。
【0088】次に作用効果について説明する。
【0089】この実施形態2においても、上記実施形態
1と同様、上記半導体発光素子を構成する下クラッド
層、活性層、及び上クラッド層を、全て成長温度800
℃で連続して形成するので、各層界面での成長待ち時間
の熱の影響による損傷はなく、界面から発生する転位も
少なくすることができた。
【0090】また、この実施形態2においても上記上ク
ラッド層は、Mgのドーピングによりp型化を容易に行
うことができた。
【0091】さらに、AlGaNの結晶成長における有
機ラジカルの効果を確かめる試験について説明する。
【0092】図4は、Alを含むAlGaN混晶につい
て、成長温度と成長速度の関係を、有機原料の投入量を
パラメータとしてグラフで示している。
【0093】Ga原料としてはTMGa、Al原料とし
ては、TMAlを使用した。製造される混晶のAl組成
が20%となるようにTMGa、TMAl導入比を調整
し、また、III族原料の供給モル数(TMGa+1/
2TMAl)を一定にした。
【0094】さらにV族原料としてアンモニアを使用
し、V族/III族比が8000になる条件で結晶成長
を行った。有機ラジカル源としては、アゾーターシャル
ブタンを使用し、III族原料の供給モル数(TMGa
+1/2TMAl)に対して、モル比で0、0.5、1
の割合で、アゾーターシャルブタンを投入した。
【0095】図4から明らかなように、有機ラジカル源
の投与により、TMGa単独での導入時同様、低温での
成長速度が速くなっていることがわかる。
【0096】続いて、アゾーターシャルブタンを使用し
たことによる、InGaNとAlGaNのへテロ接合界
面における効果について説明する。
【0097】まず、InGaNとAlGaNのへテロ接
合構造を形成し、その界面の状態を観察する実験を行っ
た。
【0098】アゾーターシャルブタンを使用する場合
は、成長温度を800℃にしてInGaN層とAlGa
N層を連続成長した。一方、アゾーターシャルブタンを
使用しない場合は、800℃でInGaN膜を成長し、
その後、一旦結晶成長を中断して成長温度を1000℃
まで昇温し、この状態でAlGaN膜を再成長させた。
【0099】アゾーターシャルブタンを使用してInG
aN層とAlGaN層を連続成長した場合のヘテロ界面
は、凹凸が確認できないほど平坦であった。これに対
し、アゾターシャルブタンを使用せずにInGaN層と
AlGaNとを順次成長した場合のへテロ界面は、所々
で平坦性を大きく欠いており、界面から発生している欠
陥はアゾターシャルブタンを使用した場合の10倍以上
観測された。
【0100】なお、クラッド層及び活性層の構成材料
は、上記実施形態1及び2で示したものに限らず、In
GaAlN四元混晶の多層構造でもよく、この場合も有
機ラジカルを使用することにより、Inの組成制御性を
良好なものとできる。また、4元系材料では、図11に
示すように、格子定数を一定にしたままでエネルギーバ
ンドギャップを変化させることができる。このため、4
元系材料(図11の斜線で示す領域における組成)で
は、エネルギーバンドギャップは異なるが格子定数が同
一である半導体層を形成することにより、半導体積層構
造における格子不整合による素子特性の劣化を回避でき
る。
【0101】また、上記各実施形態では、サファイア基
板上への半導体層の成長について記したが、本発明は理
論上基板の影響を考える必要のないものであるため、S
iC基板やGaN基板等他の基板にも有効に適用でき、
半導体層の形成プロセスに本発明を適用した半導体発光
素子では電流注入により強い発光を示した。
【0102】さらに上記各実施形態2では、活性層を構
成するInxGa1-xN結晶のIn組成xが0.2であ
り、AlyGa1-yNのAl組成yが0.2である発光素
子を示したが、発光層(活性層)を構成するInxGa
1-xN結晶のIn組成xは0≦x<1の範囲で特に有効
であり、クラッド層を構成するAlyGa1-yNのAl組
成yは0≦y≦0.3の範囲で特に有効であることが確
認されている。
【0103】また、In、Ga、Alを含む4元混晶I
xAlyGa1-x-yN(x+y<1)においても同様
に、In組成xが0≦x<1の範囲であり、Al組成y
が0≦y≦0.3の範囲であれば、結晶の特性が向上
し、組成制御が容易であった。
【0104】(実施形態3)図7は本発明の実施形態3
による半導体レーザ素子を説明するための図であり、該
半導体レーザ素子の断面構造を示している。
【0105】図において、103は本実施形態3の半導
体レーザ素子であり、その表面の面方位が(0001)
面である6H−SiC基板31と、該基板31上にAl
Nバッファ層32を介して形成され、誘導放出光(レー
ザ光)を発生するための半導体積層構造103aとを有
している。該半導体積層構造は、下クラッド層33,活
性層34,及び上クラッド層35を順次積層してなる構
造となっている。
【0106】ここで、上記SiC基板31は、Nをn型
ドーパントとしてキャリア濃度が1×1019cm-3とな
るようドーピングしたものである。また、上記下クラッ
ド層33は、Siをキャリア濃度が5×1018cm-3
なるようドーピングした厚さ1μmのn型Al0.2Ga
0.8N層からなり、活性層34は厚さ7nmのIn0.2
0.8N層からなり、上クラッド層35は、Mgをキャ
リア濃度が1×1018cm-3となるようドーピングした
厚さ1μmのp型Al0.2Ga0.8N層から構成されてい
る。また、上記両クラッド層33,35及び活性層34
は、有機金属をIII族原料とし、アンモニアをV族原
料とし、熱により分解してラジカル状態になる有機原料
を有機ラジカル源とする有機金属気相成長処理により形
成してなるものである。
【0107】さらに上記上クラッド層35は断面凸形状
となっており、その突出部分上にはオーミック電極36
が形成され、該突出部分の両側には高抵抗膜38が形成
されている。また上記基板31の裏面にはオーミック電
極37が形成されている。
【0108】次に製造方法について説明する。
【0109】ここでは、上記実施形態1と同様、図2に
示す構造のMOCVD装置を用いて各半導体層の成長を
行う。
【0110】まず、基板31を上記MOCVD装置の反
応管26内に装填し、1000℃のNH3中で10分間
窒化処理を行い、その後、基板温度を800℃まで降下
し、TMAlとターシャルブチルアミンを所定量反応管
26内に供給し、約20nmの厚さのAlNバッファ層
32を形成する。
【0111】その後、TMGaの供給を開始し、TMA
lの供給量を調整し、さらにn型ドーパントの原料ガス
であるSiH4を反応管26内に供給しつつ、n−Al
GaNクラッド層33を1μmの厚さに成長する。
【0112】次にTMAlの供給を停止し、TMInの
供給を開始し、さらにTMGaの供給量を調整して、厚
さ7nmのInGaN活性層34を形成する。その後、
TMInの供給を停止し、TMAlとp型ドーパントの
原料ガスであるEtCp2Mgを反応管内に供給し、T
MGaの供給量を調整して、p型AlGaNクラッド層
35を1μmの厚さに成長する。
【0113】このように結晶成長処理を施した基板を、
MOCVD装置の反応管から取り出し、最表面のAlG
aN層35をフォトリソグラフィ技術を用いて、その断
面形状が凸形状となるよう選択的にエッチングし、高抵
抗膜38を該AlGaN層の表面に形成する。そして該
高抵抗膜38の、該AlGaN層35の突出部分に対応
する部分を除去して、該突出部分にp型AlGaN層3
5に対するオーミック電極36を蒸着する。
【0114】次に、基板をその厚さが約70μmとなる
まで裏面側から研磨し、該基板の裏面にn−SiCに対
するオーミック電極37を蒸着する。その後基板を劈開
等により分割して共振器端面を形成し、さらにチップに
分割して半導体レーザ素子を完成する。
【0115】このように本実施形態では、AlGaN層
及びInGaN層の結晶成長の際、熱により分解して有
機ラジカルを発生するターシャルブチルアミンを反応管
内に導入するようにしているため、上下のAlGaNク
ラッド層及びInGaN活性層を、低温でしかも同一の
成長温度で連続して形成することができ、これにより活
性層とクラッド層との界面を平坦にできる。この結果、
活性層の光学的特性が良好となり、紫外から緑までの波
長の光を容易に発振可能な半導体レーザ素子を実現する
ことができる。
【0116】なお、本実施形態3では、基板として6H
−SiC基板を用いたが、他の材料からなる基板を用い
てもよく、この場合も上記実施形態3と同様の効果が得
られる。
【0117】また、上記実施形態3では、クラッド層を
AlGaN結晶から、活性層をInGaN結晶から構成
した半導体レーザ素子を示したが、上記クラッド層及び
活性層は組成の異なる、In、Ga、Alを含む4元混
晶InxAlyGa1-x-yN結晶から構成してもよい。こ
の場合も上記実施形態3と同様に、活性層の光学的特性
が良好であって、紫外から緑までの波長の光を容易に発
振可能な半導体レーザ素子を実現することができる。
【0118】さらに、上記各実施形態1〜3では、結晶
成長装置として、有機ラジカル源としての有機原料を、
他の原料ガスと共に1つのガス導入管を介して反応管内
に供給する構成のものを示したが、有機ラジカル源とな
る有機原料は熱により分解しやすいため、ラジカル状態
が基板上部まで維持できるよう、かつ他の原料どうしの
前反応を抑さえられるよう、有機ラジカル源としての有
機原料を専用のガス導入管を通して基板の上部領域に導
入することが好ましい。
【0119】図10(a)及び図10(b)は、III
族原料、V族原料、及び有機原料を別々のガス導入通路
を介して反応管内の基板の上部領域に導入するための構
成を概念的に示している。
【0120】図10(a)は、図2に示す結晶成長装置
のガス導入管を多重構造としたものの断面構造を示して
いる。例えば、III族原料、V族原料、及び有機原料
に対して別々のガス導入通路を設けるのであれば、図1
0(a)に示すガス導入管21aのように、口径の異な
る大,中,小のガス導入管21a1,21a2,21a3
を同心円状に重ねた構造とし、最も内側のガス導入管2
1a3からはV族原料を供給し、内側のガス導入管21
3と中間のガス導入管21a2との間の隙間からは、I
II族原料を供給し、さらに中間のガス導入管21a2
と外側のガス導入管21a1との間の隙間からは、有機
ラジカル原料を供給するようにすればよい。
【0121】また、図10(b)は、III族原料、V
族原料、及び有機原料に対応する3本のガス導入管を有
する横型の結晶成長装置を概念的に示している。この横
型の結晶成長装置300は、上記図2に示す縦型の結晶
成長装置と同様、サセプタ23上に基板11を載置し
て、結晶成長を行うようになっており、上,中,下の3
本のガス導入管301,302,303からは、それぞ
れ有機ラジカル材料、III族ガス、V族ガスがチャン
バ304内に供給されるようになっている。
【0122】また、上記実施形態では、有機ラジカル源
としてアゾーターシャルブタンを使用した場合について
のみ記したが、一般にアゾ基を有する有機源はN2を放
出して有機ラジカルを作りやすいために、他のアゾ基を
有する原料においても同様の効果が得られる。事実、ア
ゾメタン等においても同様の効果が確認できた。
【0123】また、アゾ基を有する化合物に限らず、ア
ジゾ基を有する化合物や、ヒドラジン系の化合物等ラジ
カル状態になる有機化合物においても同様の効果は期待
できる。
【0124】つまり、本発明では、有機ラジカル源とし
ては、基本的には、熱により分解して有機ラジカルを発
生するものであればどのようなものでもよいが、実用
上、有機ラジカル材料は、図2に示すように、容器内に
蓄えられた液体状のものをバブリングにより反応管に供
給するので、その蒸気圧が有機金属の気相成長に使いや
すい範囲のものを選ぶ必要がある。具体的には、有機ラ
ジカル材料の蒸気圧が高すぎると、少しのバブリングに
より大量の有機ラジカル材料が反応管に供給されること
となり、有機ラジカル材料の供給量の制御が困難とな
る。また、有機ラジカル材料の蒸気圧が低くすぎると、
いくらバブリングを行っても十分が量の有機ラジカル材
料が反応管に供給されないといったこととなる。
【0125】
【発明の効果】以上のように本発明(請求項1,5)に
よれば、半導体積層構造を構成する、InGaNからな
る第1の化合物半導体層と、AlGaNまたはGaNか
らなる第2の化合物半導体層とを、有機ラジカルによる
アシストを利用して成長した構造としたので、InGa
N結晶及びAlGaNまたはGaN結晶の成長温度の低
下によりこれらの窒素系化合物半導体層の特性を向上で
きる。
【0126】また、AlGaNまたはGaN結晶の成長
温度の低下により、InGaN結晶及びAlGaNまた
はGaN結晶を同じ成長温度で連続成長可能となる。こ
れにより第1及び第2の化合物半導体層のヘテロ構造
を、その接合部分でその界面での変質や転位等の発生が
抑制されたものとできる。
【0127】さらに、上記ヘテロ構造を有する発光素子
では、有機ラジカルによるアシストによりV族原料の分
解効率が高まり、その作製の際の、V族原料のIII族
原料に対する供給量の比率が小さいものとなる。
【0128】この発明(請求項2,5)によれば、レー
ザ光を発生するための半導体積層構造を、InGaNか
らなる第1の化合物半導体層と、AlGaNまたはGa
Nからなる第2の化合物半導体層とを含む構造としたの
で、第1及び第2の化合物半導体層の有機金属気相成長
の際、有機ラジカルによるアシストを行うことにより、
InGaN結晶及びAlGaNまたはGaN結晶の成長
温度が低下して、これらの結晶が連続成長可能となる。
これによりヘテロ接合界面を非常に良好なものとでき、
紫外から緑の範囲のレーザ光を発生可能な半導体発光素
子を実現できる。また、有機ラジカルによるアシストに
より、V族原料の分解効率が高まり、V族原料のIII
族原料に対する供給量の比率が小さいものとなる。
【0129】この発明(請求項3,5)によれば、半導
体積層構造を構成する、InAlGaNの4元系材料か
らなる複数種類の化合物半導体層を、有機ラジカルによ
るアシストを利用して成長した構造としたので、上記請
求項1の効果に加えて、4元系材料では、エネルギーバ
ンドギャップは異なるが格子定数が同一である半導体層
を形成することができ、半導体積層構造における格子不
整合による素子特性の劣化を回避できる効果がある。
【0130】この発明(請求項4,5)によれば、レー
ザ光を発生するための半導体積層構造を、InAlGa
Nの4元系材料からなる複数種類の化合物半導体層を含
む構造としたので、上記請求項3の効果に加えて、4元
系材料では、エネルギーバンドギャップは異なるが格子
定数が同一である半導体層を形成可能であることから、
半導体積層構造における格子不整合による素子特性の劣
化を回避できる効果がある。
【0131】この発明(請求項6,7)に係る半導体発
光素子の製造方法によれば、Ga、Al、及びInのう
ち所要のものと窒素との化合物からなる半導体層を成膜
する際、該成膜反応が行われる領域に、III族原料と
して有機金属を供給するとともにV族原料としてNH3
を供給し、かつ該成膜反応が行われる領域に、熱により
分解してラジカル状態になる有機原料を有機ラジカル源
として供給するようにしているので、ラジカル状態にな
った有機原料の効果により、成膜原料の分解効率を促進
させることができる。これにより、窒素系化合物半導体
を構成材料とする種々の半導体層の成長温度を下げるこ
とができ、しかもAlGaNまたはGaN結晶の成長温
度の低下により、InGaN結晶及びAlGaNまたは
GaN結晶を同じ成長温度で連続成長可能となる。ま
た、NH3の分解促進により、NH3の供給量を少なくで
きる。
【0132】この発明(請求項8)によれば、上記半導
体発光装置の製造方法において、有機原料としてアゾタ
ーシャルブタンを用いて、InGaNからなる半導体層
を成膜するので、InGaN層を低温でしかもNH3
供給量を抑えて成膜することができる。
【0133】この発明(請求項9)によれば、請求項7
記載の半導体発光素子の製造方法において、前記半導体
層の成膜工程では、InGaNからなる半導体層と、A
lGaNからなる半導体層とをほぼ同一の成膜温度でも
って成膜するようにしたので、これらの半導体層を低温
でしかもNH3の供給量を抑えて成膜することができる
だけでなく、これらの膜を、途中で中断することなく連
続して成膜することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による半導体発光素子及び
その製造方法を説明するための断面図であり、上記半導
体発光素子としての発光ダイオードの構造の一例を示し
ている。
【図2】上記実施形態1の半導体発光素子の製造方法に
使用する気相成長装置の断面構造を概略的に示す図であ
る。
【図3】GaN結晶の成長温度と成長速度とについて有
機ラジカル量に対する依存性を示す特性図である。
【図4】AlGaN混晶の成長温度と成長速度について
有機ラジカル量に対する依存性を示す特性図である。
【図5】InGaN混晶のTMI量と製造膜中のインジ
ウム含有量とについて有機ラジカル量に対する依存性を
示す特性図である。
【図6】V/III比が1000である条件で成膜した
GaN膜のPL強度を、アゾーターシャルブタンを使用
した場合と、これを使用しない場合とで比較して示す図
である。
【図7】本発明の実施形態3による半導体レーザ素子を
説明するための図であり、該半導体レーザ素子の断面構
造を示している。
【図8】本発明の基本原理を説明するための図であり、
図8(a)〜図8(c)は、V/III比及び成長温度
を変化させてGaN膜を成長した場合の膜の状態を示し
ている。
【図9】本発明の基本原理を説明するための図であり、
GaN膜中にInGaNからなる量子井戸層を作製して
なる半導体層構造におけるPL(フォトルミネッセン
ス)発光のスペクトルを示している。
【図10】図10(a)及び図10(b)は、III族
原料、V族原料、及び有機原料を別々のガス導入通路を
介して、反応管内の基板の上部領域に導入するための構
成を概念的に示す図である。
【図11】InxGayAl1-x-yN(0≦x,y≦1)
について、格子定数とエネルギーバンドギャップEgと
の関係を示す図である。
【符号の説明】
11 基板 12 n型GaNクラッド層 13 InGaN活性層 14 p型GaNクラッド層 15,16,36,37 オーミック電極 33 n型AlGaNクラッド層 34 InGaN活性層 35 p型AlGaNクラッド層 38 高抵抗膜 101 半導体発光素子(発光ダイオード) 101a,103a 半導体積層構造 103 半導体発光素子(半導体レーザ素子)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ga、Al、及びInのうち所要のもの
    と窒素との化合物からなる複数種類の半導体層を有する
    半導体発光素子であって、 該半導体層として、InGaNからなる第1の化合物半
    導体層と、AlGaNまたはGaNからなる第2の化合
    物半導体層とを含む半導体積層構造を備え、 該第1及び第2の化合物半導体層は、有機金属をIII
    族原料とし、NH3をV族原料とし、熱により分解して
    ラジカル状態になる有機原料を有機ラジカル源とする有
    機金属気相成長処理により形成してなるものである半導
    体発光素子。
  2. 【請求項2】 Ga、Al、及びInのうち所要のもの
    と窒素との化合物からなる複数種類の半導体層を有する
    半導体発光素子であって、 該半導体層として、InGaNからなる第1の化合物半
    導体層と、AlGaNまたはGaNからなる第2の化合
    物半導体層とを含み、レーザ光を発生するための半導体
    積層構造を備えた半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 Ga、Al、及びInのうち所要のもの
    と窒素との化合物からなる複数種類の半導体層を有する
    半導体発光素子であって、 該半導体層として、InAlGaNの4元系材料からな
    る複数種類の化合物半導体層を含む半導体積層構造を備
    え、 該各化合物半導体層は、有機金属をIII族原料とし、
    NH3をV族原料とし、熱により分解してラジカル状態
    になる有機原料を有機ラジカル源とする有機金属気相成
    長処理により形成してなるものである半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 Ga、Al、及びInのうち所要のもの
    と窒素との化合物からなる複数種類の半導体層を有する
    半導体発光素子であって、 該半導体層として、InAlGaNの4元系材料からな
    る複数種類の化合物半導体層を含み、レーザ光を発生す
    るための半導体積層構造を備えた半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の半
    導体発光素子において、 前記半導体積層構造を構成する化合物半導体層は、その
    伝導型を規定するドーパントとして、Si,Mg,及び
    Znのうちの少なくとも1つを含むものである半導体発
    光素子。
  6. 【請求項6】 半導体発光素子を有機金属気相成長法を
    用いて製造する方法であって、 該半導体発光素子を構成する、Ga、Al、及びInの
    うち所要のものと窒素との化合物からなる半導体層を成
    膜する工程を含み、 該工程では該半導体層の成膜を行う際、該成膜反応が行
    われる領域に、III族原料として有機金属を供給する
    とともにV族原料としてNH3を供給し、かつ該成膜反
    応が行われる領域に、熱により分解してラジカル状態に
    なる有機原料を有機ラジカル源として供給する半導体発
    光素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の半導体発光素子の製造方
    法において、 前記有機原料は、アゾターシャルブタンである半導体発
    光素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の半導体発光素子の製造方
    法において、 前記半導体層の成膜工程では、InGaNからなる半導
    体層を成膜する半導体発光素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の半導体発光素子の製造方
    法において、 前記半導体層の成膜工程では、InGaNからなる半導
    体層と、AlGaNからなる半導体層とをほぼ同一の成
    膜温度でもって成膜する半導体発光素子の製造方法。
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