JPH09169542A - 透明結晶化ガラス - Google Patents
透明結晶化ガラスInfo
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- JPH09169542A JPH09169542A JP25798196A JP25798196A JPH09169542A JP H09169542 A JPH09169542 A JP H09169542A JP 25798196 A JP25798196 A JP 25798196A JP 25798196 A JP25798196 A JP 25798196A JP H09169542 A JPH09169542 A JP H09169542A
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Landscapes
- Glass Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 熱膨張が小さく、優れた短波長光透過性を有
する透明結晶化ガラスを提供する。 【解決手段】重量%で、Li2O:3.0〜5.0、N
a2O:0〜3.0、K2O: 0〜3.0、Na2O+K
2O:0.3〜3.0、MgO:0〜2.0、ZnO:
0〜2.0、Al2O3:18.0〜24.0、Si
O2:63.5〜72.0、SnO2:1.0〜4.0、
TiO2:0〜1、ZrO2:1.0〜4.0、TiO2
+ZrO2:3.5〜7.0、P2O5:0〜4.0の組
成を有し、β−石英固溶体結晶を主たる析出結晶とし、
2.3mm厚における分光透過率曲線の短波長側の吸収
端が313nm以下であることを特徴とする透明結晶化
ガラスとした。
する透明結晶化ガラスを提供する。 【解決手段】重量%で、Li2O:3.0〜5.0、N
a2O:0〜3.0、K2O: 0〜3.0、Na2O+K
2O:0.3〜3.0、MgO:0〜2.0、ZnO:
0〜2.0、Al2O3:18.0〜24.0、Si
O2:63.5〜72.0、SnO2:1.0〜4.0、
TiO2:0〜1、ZrO2:1.0〜4.0、TiO2
+ZrO2:3.5〜7.0、P2O5:0〜4.0の組
成を有し、β−石英固溶体結晶を主たる析出結晶とし、
2.3mm厚における分光透過率曲線の短波長側の吸収
端が313nm以下であることを特徴とする透明結晶化
ガラスとした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明結晶化ガラス
に関し可視光短波長域から紫外域にかけての透過率が優
れた透明結晶化ガラスに関する。
に関し可視光短波長域から紫外域にかけての透過率が優
れた透明結晶化ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロニクス産業の発展に伴
い、ICフォトマスクや精密光学装置用の部材として、
低膨張で寸法の温度変化が小さく、しかも光源に用いる
短波長光、例えば436nmあるいは365nmの透過
率が高い透明材料の要求が高まっている。シリカガラス
は、膨張率が低くフォトマスクや種種の光学用の材料と
して使用されているが、一般に高価であり、例えばフォ
トマスク基板の用途においては、クロムの付着性が悪く
電気伝導率が小さくて帯電しやすいという問題がある。
また、低膨張の透明材としては、Li2O−Al2O3−
SiO2系低膨張透明結晶化ガラスが知られている。こ
れらの結晶化ガラスの中には、組成あるいは熱処理条件
によって、透明なものが存在するが、その多くのもの
は、TiO2を結晶化促進剤として1.5〜5%程度含
んだβ−石英固溶体結晶を主結晶とする結晶化ガラスで
ある。この結晶化ガラスは、優れた透明性と小さな熱膨
張係数に基づく優れた耐熱衝撃性により、耐熱食器、調
理器具、反射望遠鏡、光学機器の反射鏡のミラーブラン
クスなどに用いられている。しかしながら、この種の結
晶化ガラスは、TiO2に起因する吸収のため、短波長
側の透過性が悪い。
い、ICフォトマスクや精密光学装置用の部材として、
低膨張で寸法の温度変化が小さく、しかも光源に用いる
短波長光、例えば436nmあるいは365nmの透過
率が高い透明材料の要求が高まっている。シリカガラス
は、膨張率が低くフォトマスクや種種の光学用の材料と
して使用されているが、一般に高価であり、例えばフォ
トマスク基板の用途においては、クロムの付着性が悪く
電気伝導率が小さくて帯電しやすいという問題がある。
また、低膨張の透明材としては、Li2O−Al2O3−
SiO2系低膨張透明結晶化ガラスが知られている。こ
れらの結晶化ガラスの中には、組成あるいは熱処理条件
によって、透明なものが存在するが、その多くのもの
は、TiO2を結晶化促進剤として1.5〜5%程度含
んだβ−石英固溶体結晶を主結晶とする結晶化ガラスで
ある。この結晶化ガラスは、優れた透明性と小さな熱膨
張係数に基づく優れた耐熱衝撃性により、耐熱食器、調
理器具、反射望遠鏡、光学機器の反射鏡のミラーブラン
クスなどに用いられている。しかしながら、この種の結
晶化ガラスは、TiO2に起因する吸収のため、短波長
側の透過性が悪い。
【0003】一方、TiO2を含まないLi2O−Al2
O3−SiO2系低膨張透明結晶化ガラスとしては、結晶
化促進剤としてZrO2のみを含むもの(例えば、特公
昭37−15320号、特公昭39−7914号公
報)、あるいはSnO2及びZrO2を含むもの(例え
ば、特公昭42−9600号、特公昭47−4198号
公報)が知られている。しかしながら、これらの結晶化
ガラスは、ZrO2のみを結晶化促進剤として含む場合
には溶解が困難であり、ZrO2及びSnO2を結晶化促
進剤として含む場合には、半透明であるか、表面に光沢
を有する程度で光の透過性が悪く、上記短波長域で透過
率のよい結晶化ガラスとはならなかった。
O3−SiO2系低膨張透明結晶化ガラスとしては、結晶
化促進剤としてZrO2のみを含むもの(例えば、特公
昭37−15320号、特公昭39−7914号公
報)、あるいはSnO2及びZrO2を含むもの(例え
ば、特公昭42−9600号、特公昭47−4198号
公報)が知られている。しかしながら、これらの結晶化
ガラスは、ZrO2のみを結晶化促進剤として含む場合
には溶解が困難であり、ZrO2及びSnO2を結晶化促
進剤として含む場合には、半透明であるか、表面に光沢
を有する程度で光の透過性が悪く、上記短波長域で透過
率のよい結晶化ガラスとはならなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、かかる事
情に鑑み、熱膨張率が小さく、また、優れた短波長光透
過性を有する低膨張透明結晶化ガラスを提供することを
目的とする。
情に鑑み、熱膨張率が小さく、また、優れた短波長光透
過性を有する低膨張透明結晶化ガラスを提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量%で Li2O 3.0〜5.0 Na2O 0〜3.0 K2O 0〜3.0 Na2O+K2O 0.3〜3.0 MgO 0〜2.0 ZnO 0〜2.0 Al2O3 18.0〜24.0 SiO2 63.5〜72.0 SnO2 1.0〜4.0 TiO2 0〜1 ZrO2 1.0〜4.0 TiO2+ZrO2 3.5〜7.0 P2O5 0〜4.0 の組成を有し、β−石英固溶体結晶を主たる結晶相と
し、2.3mm厚における分光透過率曲線の短波長側の
吸収端が313nm以下であることを特徴とする透明結
晶化ガラスである。
し、2.3mm厚における分光透過率曲線の短波長側の
吸収端が313nm以下であることを特徴とする透明結
晶化ガラスである。
【0006】この結晶化ガラスは、上記成分を有する原
料を溶融してガラス体を得た後に、このガラス体を70
0〜900℃の温度域で0.5〜10時間保持すること
等により得ることができる。この熱処理により作成され
た結晶化ガラスは、通常、粒径100nm以下の微細な
結晶粒子をガラス層のマトリックス内に均一に分散させ
た構造となっている。熱処理の加熱スケジュールは、1
段階でも目的とする結晶化物が得られるが、多段階熱処
理(例えば2段階あるいは3段階)を行った方が、結晶
粒径が小さくなり散乱による透過率低下が低減してより
透過率の高い結晶化物が得られるので好ましい。本発明
における結晶化促進剤であるSnO2およびZrO2の作
用は明確ではない。しかしながら、本発明において限定
している程度の量のZrO2、SnO2をそれぞれ単独で
加えたのみでは、いずれも目的とする微細な結晶が均一
に析出した透明結晶化ガラスが得られなかった。すなわ
ち、ZrO2のみを加えた場合には結晶化が非常に起こ
りにくく、比較的高温で長時間熱処理して初めて結晶化
が起こる状態であった。得られた結晶化ガラスも粗大な
結晶粒が不均一に析出した透明性の悪い、著しい場合に
は、全く不透明な結晶化物であった。また、SnO2の
みを加えた場合には、加熱処理の初期段階でSnO2の
微細な結晶が生じ、ガラスは白濁状態となった。さらに
加熱処理を継続するとこの結晶が発達して、不透明とな
った。この不透明な結晶化ガラスは、さらに高温で加熱
しても不透明化が進行するだけで透明な結晶化物は得ら
れなかった。本発明者らは、結晶化促進剤としてTiO
2の代わりに結晶化促進剤としてSnO2およびZrO2
を採用することにより、これら問題点を解決したばかり
ではなく、さらにその余の成分も上記所定範囲とするこ
とにより、熱膨張率が低く、短波長側の吸収端が313
nm以下である程度にまで、透明性の高い低膨張透明結
晶化ガラスを得ることに成功した。
料を溶融してガラス体を得た後に、このガラス体を70
0〜900℃の温度域で0.5〜10時間保持すること
等により得ることができる。この熱処理により作成され
た結晶化ガラスは、通常、粒径100nm以下の微細な
結晶粒子をガラス層のマトリックス内に均一に分散させ
た構造となっている。熱処理の加熱スケジュールは、1
段階でも目的とする結晶化物が得られるが、多段階熱処
理(例えば2段階あるいは3段階)を行った方が、結晶
粒径が小さくなり散乱による透過率低下が低減してより
透過率の高い結晶化物が得られるので好ましい。本発明
における結晶化促進剤であるSnO2およびZrO2の作
用は明確ではない。しかしながら、本発明において限定
している程度の量のZrO2、SnO2をそれぞれ単独で
加えたのみでは、いずれも目的とする微細な結晶が均一
に析出した透明結晶化ガラスが得られなかった。すなわ
ち、ZrO2のみを加えた場合には結晶化が非常に起こ
りにくく、比較的高温で長時間熱処理して初めて結晶化
が起こる状態であった。得られた結晶化ガラスも粗大な
結晶粒が不均一に析出した透明性の悪い、著しい場合に
は、全く不透明な結晶化物であった。また、SnO2の
みを加えた場合には、加熱処理の初期段階でSnO2の
微細な結晶が生じ、ガラスは白濁状態となった。さらに
加熱処理を継続するとこの結晶が発達して、不透明とな
った。この不透明な結晶化ガラスは、さらに高温で加熱
しても不透明化が進行するだけで透明な結晶化物は得ら
れなかった。本発明者らは、結晶化促進剤としてTiO
2の代わりに結晶化促進剤としてSnO2およびZrO2
を採用することにより、これら問題点を解決したばかり
ではなく、さらにその余の成分も上記所定範囲とするこ
とにより、熱膨張率が低く、短波長側の吸収端が313
nm以下である程度にまで、透明性の高い低膨張透明結
晶化ガラスを得ることに成功した。
【0007】本発明における組成限定理由は以下のとお
りである。 SiO2:75wt%を越えると難溶となり結晶化コン
トロールが困難となって目的とする結晶化物が得られ
ず、60wt%未満では結晶化ガラスの膨張係数が大き
くなる。また、透明性の確保のためには、63.5〜7
2.0wt%とする必要がある。 Al2O3:30wt%を越えると難溶となり膨張係数が
大きくなり、15wt%未満では結晶化物の透明性が悪
くなる。また、透明性の確保のためには、18.0〜2
4.0wt%とする必要がある。 Li2O:6wt%を越えると熱処理時に急激な結晶化
が起こり目的とする結晶化ガラスは得られず、2.5w
t%未満では難溶となる。また、透明性の確保のために
は3.0〜5.0wt%とする必要がある。 SnO2:4wt%を越えると結晶化促進の効果は変わ
らないものの未溶解が生じ、1wt%未満では難溶にな
るとともに結晶化促進の効果が十分に得られず目的とす
る結晶化ガラスが得られない。 ZrO2:4wt%を越えると未溶解が生じ、1wt%
未満では難溶になるとともに結晶化促進の効果が十分に
得られず結晶粒径が大きくなり透明性が悪くなる。 S
nO2+ZrO2:7wt%を越えると未溶解が生じ、
3.5%未満では十分な結晶化促進の効果が得られず目
的とする結晶化ガラスが得られない。必須成分ではない
が、次の成分を添加することができる。 TiO2:結晶を微細化させることにより透明性を改善
して光の透過率を上昇させることができる。1wt%を
越えて加えるとその紫外線吸収性のために紫外域の光の
透過率を減少させる。 Na2OおよびK2O:溶融性を向上させるとともに結晶
化度を減少させ膨張係数を調整することができる。各々
4wt%を越えて加えると透明性を悪くする。透明性の
良い結晶化ガラスを得るためには、各々3.0wt%以
下とする必要がある。また、Na2O+K2Oが3wt%
よりも多い場合には、白濁が増加して透明性が悪くなり
やすく、0.3wt%より少ないとガラスの溶融が困難
になりやすい。 MgO:溶融性を向上させるとともに少量の添加で膨張
係数を大きく増加させる。そのため、過度に加えると膨
張係数が増加したり、結晶化時にクラックが発生したり
するので、2wt%以下とする必要がある。β−スポジ
ュメン固溶体結晶を主結晶とする本発明に係る結晶化ガ
ラスにおいては、添加しないことが好ましい。 ZnO:溶融性を向上させるのに有効であるばかりでな
く、結晶化温度を低下させ、結晶粒径を微小化し、透明
性をも向上させる。しかし、過度に添加するとガラス除
冷時に失当を起こしやすく。熱コントロールが困難とな
りやすいので、2wt%以下とすることが好ましい。特
に、β−スポジュメン固溶体結晶を主結晶とする本発明
に係る結晶化ガラスにおいては、2.0wt%以下とす
ることが好ましい。 P2O5:少量ではZrO2の溶融に有効であるが、4w
t%を越えると未溶解物を生じる。
りである。 SiO2:75wt%を越えると難溶となり結晶化コン
トロールが困難となって目的とする結晶化物が得られ
ず、60wt%未満では結晶化ガラスの膨張係数が大き
くなる。また、透明性の確保のためには、63.5〜7
2.0wt%とする必要がある。 Al2O3:30wt%を越えると難溶となり膨張係数が
大きくなり、15wt%未満では結晶化物の透明性が悪
くなる。また、透明性の確保のためには、18.0〜2
4.0wt%とする必要がある。 Li2O:6wt%を越えると熱処理時に急激な結晶化
が起こり目的とする結晶化ガラスは得られず、2.5w
t%未満では難溶となる。また、透明性の確保のために
は3.0〜5.0wt%とする必要がある。 SnO2:4wt%を越えると結晶化促進の効果は変わ
らないものの未溶解が生じ、1wt%未満では難溶にな
るとともに結晶化促進の効果が十分に得られず目的とす
る結晶化ガラスが得られない。 ZrO2:4wt%を越えると未溶解が生じ、1wt%
未満では難溶になるとともに結晶化促進の効果が十分に
得られず結晶粒径が大きくなり透明性が悪くなる。 S
nO2+ZrO2:7wt%を越えると未溶解が生じ、
3.5%未満では十分な結晶化促進の効果が得られず目
的とする結晶化ガラスが得られない。必須成分ではない
が、次の成分を添加することができる。 TiO2:結晶を微細化させることにより透明性を改善
して光の透過率を上昇させることができる。1wt%を
越えて加えるとその紫外線吸収性のために紫外域の光の
透過率を減少させる。 Na2OおよびK2O:溶融性を向上させるとともに結晶
化度を減少させ膨張係数を調整することができる。各々
4wt%を越えて加えると透明性を悪くする。透明性の
良い結晶化ガラスを得るためには、各々3.0wt%以
下とする必要がある。また、Na2O+K2Oが3wt%
よりも多い場合には、白濁が増加して透明性が悪くなり
やすく、0.3wt%より少ないとガラスの溶融が困難
になりやすい。 MgO:溶融性を向上させるとともに少量の添加で膨張
係数を大きく増加させる。そのため、過度に加えると膨
張係数が増加したり、結晶化時にクラックが発生したり
するので、2wt%以下とする必要がある。β−スポジ
ュメン固溶体結晶を主結晶とする本発明に係る結晶化ガ
ラスにおいては、添加しないことが好ましい。 ZnO:溶融性を向上させるのに有効であるばかりでな
く、結晶化温度を低下させ、結晶粒径を微小化し、透明
性をも向上させる。しかし、過度に添加するとガラス除
冷時に失当を起こしやすく。熱コントロールが困難とな
りやすいので、2wt%以下とすることが好ましい。特
に、β−スポジュメン固溶体結晶を主結晶とする本発明
に係る結晶化ガラスにおいては、2.0wt%以下とす
ることが好ましい。 P2O5:少量ではZrO2の溶融に有効であるが、4w
t%を越えると未溶解物を生じる。
【0008】なお、この透明結晶化ガラスにFe2O3、
MnO2、V2O5、NiOおよびCoOからなる群より
選択した少なくとも1種の着色剤を含ませることによ
り、着色透明結晶化ガラスとすることができる。着色剤
は、0.01〜1.0wt%添加することが好ましい。
0.01wt%より少ないと色が薄すぎ、1.0wt%
よりも多いと色が濃すぎる。また、任意の最終製品の性
質を損なわない範囲で、Cr2O3、CeO2、Na2O3
などの着色剤およびAs2O3、Sb2O3などの清澄剤を
添加することもできる。
MnO2、V2O5、NiOおよびCoOからなる群より
選択した少なくとも1種の着色剤を含ませることによ
り、着色透明結晶化ガラスとすることができる。着色剤
は、0.01〜1.0wt%添加することが好ましい。
0.01wt%より少ないと色が薄すぎ、1.0wt%
よりも多いと色が濃すぎる。また、任意の最終製品の性
質を損なわない範囲で、Cr2O3、CeO2、Na2O3
などの着色剤およびAs2O3、Sb2O3などの清澄剤を
添加することもできる。
【0009】
【実施例】表1に示した組成となるように調合した原料
を白金るつぼを用いて1450〜1550℃で溶融し、
除冷後のガラスを表1に示した条件で熱処理した。得ら
れた透明結晶化ガラスの2.3mm厚における分光透過
率曲線の短波長側の吸収端、λ(T)=0(透過率が0
となる波長)、50〜100℃における膨張係数を表1
に併せて示す。各実施例のλ(T)=0となる波長は、
313nm以下であった。また、実施例1の結晶化ガラ
スと比較例1の結晶化ガラスの分光透過率を測定した。
結果を図1に示す。図1より、実施例1の結晶化ガラス
は、比較例に示したTiO2含有結晶化ガラスよりも吸
収端が約60〜70nm短波長側にあり、紫外線透過性
に優れていることがわかる。
を白金るつぼを用いて1450〜1550℃で溶融し、
除冷後のガラスを表1に示した条件で熱処理した。得ら
れた透明結晶化ガラスの2.3mm厚における分光透過
率曲線の短波長側の吸収端、λ(T)=0(透過率が0
となる波長)、50〜100℃における膨張係数を表1
に併せて示す。各実施例のλ(T)=0となる波長は、
313nm以下であった。また、実施例1の結晶化ガラ
スと比較例1の結晶化ガラスの分光透過率を測定した。
結果を図1に示す。図1より、実施例1の結晶化ガラス
は、比較例に示したTiO2含有結晶化ガラスよりも吸
収端が約60〜70nm短波長側にあり、紫外線透過性
に優れていることがわかる。
【0010】
【表1】
【0011】
【発明の効果】本発明に係る透明結晶化ガラスは、低膨
張と優れた紫外域周辺の優れた短波長光透過性を有し、
ICフォトマスク、精密光学材料などとして好適に使用
できる。
張と優れた紫外域周辺の優れた短波長光透過性を有し、
ICフォトマスク、精密光学材料などとして好適に使用
できる。
【図1】実施例1および比較例1の分光透過率を示す図
である。
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中垣 茂樹 大阪府大阪市東区道修町4丁目8番地 日 本板硝子株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】重量%で Li2O 3.0〜5.0 Na2O 0〜3.0 K2O 0〜3.0 Na2O+K2O 0.3〜3.0 MgO 0〜2.0 ZnO 0〜2.0 Al2O3 18.0〜24.0 SiO2 63.5〜72.0 SnO2 1.0〜4.0 TiO2 0〜1 ZrO2 1.0〜4.0 TiO2+ZrO2 3.5〜7.0 P2O5 0〜4.0 の組成を有し、β−石英固溶体結晶を主たる結晶相と
し、2.3mm厚における分光透過率曲線の短波長側の
吸収端が313nm以下であることを特徴とする透明結
晶化ガラス。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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Related Parent Applications (1)
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