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JPH09150720A - 車両の運動制御装置 - Google Patents

車両の運動制御装置

Info

Publication number
JPH09150720A
JPH09150720A JP7338037A JP33803795A JPH09150720A JP H09150720 A JPH09150720 A JP H09150720A JP 7338037 A JP7338037 A JP 7338037A JP 33803795 A JP33803795 A JP 33803795A JP H09150720 A JPH09150720 A JP H09150720A
Authority
JP
Japan
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control
wheel
vehicle
control means
skid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7338037A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3627331B2 (ja
Inventor
Kenji Toutsu
憲司 十津
Yoshiyuki Yasui
由行 安井
Masanobu Fukami
昌伸 深見
Takayuki Ito
孝之 伊藤
Norio Yamazaki
憲雄 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP33803795A priority Critical patent/JP3627331B2/ja
Priority to US08/758,245 priority patent/US5752752A/en
Priority to DE19649660A priority patent/DE19649660C2/de
Publication of JPH09150720A publication Critical patent/JPH09150720A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3627331B2 publication Critical patent/JP3627331B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/17Using electrical or electronic regulation means to control braking
    • B60T8/1755Brake regulation specially adapted to control the stability of the vehicle, e.g. taking into account yaw rate or transverse acceleration in a curve
    • B60T8/17555Brake regulation specially adapted to control the stability of the vehicle, e.g. taking into account yaw rate or transverse acceleration in a curve specially adapted for enhancing driver or passenger comfort, e.g. soft intervention or pre-actuation strategies
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T2201/00Particular use of vehicle brake systems; Special systems using also the brakes; Special software modules within the brake system controller
    • B60T2201/16Curve braking control, e.g. turn control within ABS control algorithm

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御対象の車輪に対する制動操舵制御、アン
チスキッド制御等の間で、優先処理によって制御干渉を
防止する。 【解決手段】 車両状態判定手段DRの判定結果に基づ
きブレーキ液圧制御装置PCを駆動制御し各車輪に制動
力を付与して車両の安定性を制御する制動操舵制御手段
STと、各車輪に対する制動力を制御してスリップを防
止するアンチスキッド制御手段ABと、これに従属し所
定の関係に基づいてアンチスキッド制御を修正する従属
制御手段SCを有する。制御対象の車輪に対し、アンチ
スキッド制御手段ABによる制御と制動操舵制御手段S
Tによる制御とが同時に開始する条件を充足したときに
は、優先制御手段PRによって、アンチスキッド制御手
段ABの制御を優先すると共に、従属制御手段SCの制
御に対し制動操舵制御手段STの制御を優先する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の旋回時等におい
て、ブレーキペダル操作とは無関係に各車輪に対して制
動力を付与することにより、過度のオーバーステア及び
過度のアンダーステアを抑制制御する制動操舵制御機能
と、制動時に車輪がロックしないように車輪に対する制
動力を制御してスリップを防止するアンチスキッド制御
機能を有する車両の運動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、車両の運動特性、特に旋回特性を
制御する手段として、制動力の左右差制御により旋回モ
ーメントを直接制御する手段が注目され、実用に供され
つつある。例えば、特開平2−70561号公報には、
車両の横力の影響を補償する制動制御手段により車両の
安定性を維持する運動制御装置が提案されている。同装
置においては、実ヨーレイトと目標ヨーレイトの比較結
果に応じて制動制御手段により車両に対する制動力を制
御するように構成されており、例えばコーナリング時の
車両の運動に対しても確実に安定性を維持することがで
きる。
【0003】一般的に、操舵特性を表す語としてオーバ
ーステアあるいはアンダーステアという語が用いられる
が、前者が過大となると、車両の旋回中に後輪の横すべ
りが大となって車両が所望の旋回半径の内側にはみ出す
状態となる。この状態を過度のオーバーステアと呼び、
前輪のコーナリングフォースCFf が後輪のコーナリン
グフォースCFr より極端に大きく(CFf >>CFr
)なったときに生ずる。例えば、図18に示すように
車両VLが旋回半径Rのカーブを旋回するときに必要な
横加速度Gy は、車両の速度をVとするとGy =V2
Rとして求められ、これに車両VLの質量mを乗じた値
m・Gy が、旋回半径Rを旋回するときに必要なコーナ
リングフォースの合計CFo となる(CFo =ΣCF=
m・Gy )。従って、旋回半径Rのカーブを旋回するの
に必要なコーナリングフォースの合計CFo より前輪及
び後輪のコーナリングフォースCFf ,CFr の和の方
が大となり(CFo <CFf +CFr )、且つ前輪のコ
ーナリングフォースCFf が後輪のコーナリングフォー
スCFr より極端に大きくなると(CFf >>CF
r)、車両VLの旋回半径が小さくなり、車両VLはカ
ーブの内側に回り込み、図18に示す状態となる。
【0004】また、アンダーステアが過大となると、車
両の旋回中に生ずる横すべりが大となり、車両が所望の
旋回半径から外側にはみ出す状態となる。これを過度の
アンダーステアと呼び、図19に示すように前輪と後輪
のコーナリングフォースCFf ,CFr が略等しく釣り
合っているか、あるいは後輪側のコーナリングフォース
CFr の方が僅かに大きい場合(CFf <CFr )で、
旋回半径Rのカーブを旋回可能なコーナリングフォース
の合計CFo より前輪及び後輪のコーナリングフォース
CFf ,CFr の和の方が小さくなると(CFo >CF
f +CFr )、車両VLの旋回半径が大きくなり、車両
VLはカーブの外側へはみ出すこととなる。
【0005】上記過度のオーバーステアは、例えば車体
横すべり角(β)と車体横すべり角速度(Dβ)に基づ
いて判定される。車両が旋回中において、過度のオーバ
ーステアと判定されたときには、例えば旋回外側の前輪
に制動力が付与され、車両に対し外向きのモーメント、
即ち車両を旋回外側に向けるモーメントが生ずるように
制御される。これをオーバーステア抑制制御と呼び、安
定性制御とも呼ばれる。
【0006】一方、過度のアンダーステアは、例えば目
標横加速度と実横加速度との差、もしくは目標ヨーレイ
トと実ヨーレイトとの差に基づいて判定される。そし
て、上記車両VLが旋回中に過度のアンダーステアと判
定されたときには、例えば後輪駆動の場合、旋回外側の
前輪及び後二輪に制動力が付与され、車両に対し内向き
のモーメント、即ち車両を旋回内側に向けるモーメント
が生ずるように制御される。これはアンダーステア抑制
制御と呼び、コーストレース性制御とも呼ばれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近時の車両
は急制動時に車輪がロックしないように、各車輪の回転
状態に応じてホイールシリンダに対するブレーキ液圧を
制御して制動力を制御するアンチスキッド制御機能をは
じめ種々の機能も具備し、これらの機能に前述の操舵制
御機能が組み合わされ、運動制御装置として有効に機能
するように構成される。
【0008】然し乍ら、車両の各車輪で実行し得る制御
モードは一つであるので、一つの車輪で制動操舵制御が
行なわれているときに、アンチスキッド制御モードが設
定されると、その車輪について制御干渉を生ずることが
ある。この制御干渉は、制動操舵制御が車輪に対して制
動力を付与する制御であるのに対し、アンチスキッド制
御が、ロック傾向の車輪に対する制動力を低減する制御
であることから生ずる。
【0009】また、制動操舵制御及びアンチスキッド制
御を行なう際には、制御対象の車輪と他の車輪との関係
で制御干渉が生ずる。例えば、一つの車輪がアンチスキ
ッド制御の対象となったとき、当該対象車輪と所定の関
係(例えば前後、左右)にある他の車輪に対する制動力
を制御し、次の制御に備える等の手段を設けることがあ
る。従って、アンチスキッド制御中に、制動操舵に基づ
き一方の車輪に制動力が付与されると、他の車輪の制御
が干渉され、これに誘発されて(左右又は前後の)車輪
干渉制御が行なわれることになる。
【0010】以上のように、制御対象の車輪自体に対す
る制動操舵制御とアンチスキッド制御が同時に行なわれ
る場合の干渉と、制御対象の車輪がアンチスキッド制御
中に制動操舵制御が行なわれたとき、他の車輪との関係
で誘発される干渉が生じ得るが、これらの制御干渉は確
実に防止する必要がある。
【0011】そこで、本発明は、車両の運動制御装置に
おいて、制御対象の車輪に対する制動操舵制御、アンチ
スキッド制御等の間で、優先処理によって制御干渉を防
止し得るように構成することを課題とする。
【0012】また、本発明は、車両の運動制御装置にお
いて、制御対象の車輪に対しアンチスキッド制御を実行
中は、制動操舵制御によって誘発される車輪干渉制御等
を行なわないようにすることを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明の運動制御装置は、図1に構成の概要を示し
たように、車両前方及び後方の各車輪FR,FL,R
R,RLに対し少くともブレーキペダルBPの操作に応
じて制動力を付与するブレーキ液圧制御装置PCと、車
両の運動状態を判定する車両状態判定手段DRと、この
車両状態判定手段DRの判定結果に基づきブレーキ液圧
制御装置PCを駆動制御し車両の各車輪に制動力を付与
して車両の安定性を制御する制動操舵制御手段STと、
車両状態判定手段DRの判定結果に基づき車両の制動時
の各車輪の回転状態に応じてブレーキ液圧制御装置PC
を駆動制御し各車輪に対する制動力を制御してスリップ
を防止するアンチスキッド制御手段ABを備えている。
そして、アンチスキッド制御手段ABに従属し所定の関
係に基づいてアンチスキッド制御を修正する従属制御手
段SCと、車両の各車輪のうち一つの制御対象の車輪に
対し、アンチスキッド制御手段ABによる制御と制動操
舵制御手段STによる制御とが同時に開始する条件を充
足したときには、アンチスキッド制御手段ABによる制
御を優先すると共に、従属制御手段SCによる制御に対
し制動操舵制御手段STによる制御を優先する優先制御
手段PRを設けたものである。
【0014】上記従属制御手段SCとしては、請求項2
に記載のように、アンチスキッド制御時における車両の
各車輪相互の関係に基づき、制御対象以外の車輪の制動
力制御に対する制御対象の車輪の制動力制御を所定の関
係に調整する干渉制御手段RCを具備したものとし、制
御対象の車輪に対しアンチスキッド制御手段AB及び従
属制御手段SCによってアンチスキッド制御を実行する
際には、制動操舵制御手段STによって設定する車両の
各車輪に付与すべき制動力の条件に起因して干渉制御手
段RCが行なう制御対象の車輪に対する干渉制御を制限
する制限手段LTを備えたものとすることができる。
【0015】上記干渉制御手段RCとしては、請求項3
に記載のように、車両前方の車輪のうちの一方側の車輪
と他方側の車輪との間の干渉制御を行なう左右輪干渉制
御手段、及び車両前方の車輪のうちの一方側の車輪と、
車両後方の車輪のうちの車両前方の一方側の車輪と同一
側の車輪との間の干渉制御を行なう前後輪干渉制御手段
の少くとも一方を有することとするとよい。
【0016】上記従属制御手段SCは、請求項4に記載
のように、アンチスキッド制御手段AB及び/又は制動
操舵制御手段STによる制御の開始前に予め所定の制御
を行なう事前制御手段ACを含むものとし、優先制御手
段PRを、制動操舵制御手段STによる制御を事前制御
手段ACによる制御に対し優先させるように構成しても
よい。
【0017】上記優先制御手段PRにおける優先処理と
しては、例えば後輪駆動の車両において、前方の車輪F
R,FLに対して例えば以下の順序で優先処理されるよ
うに構成されている。即ち、アンチスキッド制御、オー
バーステア抑制制御、アンダーステア抑制制御、アンチ
スキッド事前制御、左右輪干渉制御、制動操舵事前制
御、そして液圧スタンバイ制御の順である。これらの制
御のうちの二以上の制御の組み合わせに対しても、前方
に位置する制御が後方の制御に優先して処理されるよう
に構成されている。
【0018】また、後輪駆動車の後方の車輪RR,RL
に対しては例えば以下の順で優先処理され、二以上の制
御の組み合わせに対しても前方に位置する制御が後方の
制御に優先して処理されるように構成されている。即
ち、アンチスキッド制御、アンダーステア抑制制御、オ
ーバーステア抑制制御、前後制動力配分制御、アンチス
キッド事前制御、前後輪干渉制御、トラクション制御、
制動操舵事前制御、そして液圧スタンバイ制御の順であ
る。これらの制御の具体的内容については実施形態とし
て後述する。
【0019】尚、ブレーキ液圧制御装置PCは、後述の
実施形態に示すように、ブレーキペダルBPの操作に応
じてブレーキ液圧を出力するマスタシリンダのほか、例
えば液圧ポンプ及びアキュムレータを備えた補助液圧源
を含み、ブレーキペダルBPの非操作時にも補助液圧源
からブレーキ液圧を出力するように構成することができ
る。車両状態判定手段DRは、例えば各車輪の車輪速
度、車輪加速度、車体横加速度、ヨーレイト等を検出
し、これらの検出結果、並びに検出結果に基づいて演算
した推定車体速度、車体横すべり角等に基づき、車両の
運動状態を判定するように構成し、過度のオーバーステ
ア及び過度のアンダーステアの発生、並びに車輪のロッ
ク状態を判定することができる。
【0020】而して、例えばアンチスキッド制御中に車
両のヨーモーメントを制御する場合においては、例えば
車両が旋回する際に車両前方左右又は車両前後の車輪の
制動力を減少させる方向に制御する左右輪干渉制御又は
前後輪干渉制御と、例えば車両が旋回する際に車両の各
車輪に対し制動力を付与するように制御する制動操舵制
御とが同時に行なわれたときには、後者の制動操舵制御
が優先して処理される。
【0021】また、上記のヨーモーメント制御を各車輪
の制御からみたとき、例えば車両前方の一つの車輪に関
し制動操舵制御が行なわれているときには、アンチスキ
ッド制御が開始しても、左右輪干渉制御には移行しない
ように制限される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の望ましい実施の形
態を図面を参照して説明する。図2は本発明の運動制御
装置の一実施形態を示すもので、本実施形態のエンジン
EGはスロットル制御装置TH及び燃料噴射装置FIを
備えた内燃機関で、スロットル制御装置THにおいては
アクセルペダルAPの操作に応じてメインスロットルバ
ルブMTのメインスロットル開度が制御される。また、
電子制御装置ECUの出力に応じて、スロットル制御装
置THのサブスロットルバルブSTが駆動されサブスロ
ットル開度が制御されると共に、燃料噴射装置FIが駆
動され燃料噴射量が制御されるように構成されている。
本実施形態のエンジンEGは変速制御装置GS及びディ
ファレンシャルギヤDFを介して車両後方の車輪RL,
RRに連結されており、所謂後輪駆動方式が構成されて
いるが、本発明における駆動方式をこれに限定するもの
ではない。
【0023】次に、制動系については、車輪FL,F
R,RL,RRに夫々ホイールシリンダWfl,Wf
r,Wrl,Wrrが装着されており、これらのホイー
ルシリンダWfl等にブレーキ液圧制御装置PCが接続
されている。尚、車輪FLは運転席からみて前方左側の
車輪を示し、以下車輪FRは前方右側、車輪RLは後方
左側、車輪RRは後方右側の車輪を示しており、本実施
形態では前輪の液圧制御系と後輪の液圧制御系に区分さ
れた前後配管が構成されているが、所謂X配管としても
よい。ブレーキ液圧制御装置PCはブレーキペダルBP
の操作に応じて駆動され、各車輪毎のホイールシリンダ
液圧を制御するもので、種々の態様のものを用いること
ができる。本実施形態では例えば図17に示すように構
成されるが、これについては後述する。
【0024】図2に示すように、車輪FL,FR,R
L,RRには車輪速度センサWS1乃至WS4が配設さ
れ、これらが電子制御装置ECUに接続されており、各
車輪の回転速度、即ち車輪速度に比例するパルス数のパ
ルス信号が電子制御装置ECUに入力されるように構成
されている。更に、ブレーキペダルBPが踏み込まれた
ときオンとなるブレーキスイッチBS、車両前方の車輪
FL,FRの舵角δf を検出する前輪舵角センサSS
f、車両の横加速度を検出する横加速度センサYG及び
車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサYS等が
電子制御装置ECUに接続されている。ヨーレイトセン
サYSにおいては、車両重心を通る鉛直軸回りの車両回
転角(ヨー角)の変化速度、即ちヨー角速度(ヨーレイ
ト)が検出され、実ヨーレイトγとして電子制御装置E
CUに出力される。
【0025】尚、従動輪側の左右の車輪(本実施形態で
は車両前方の車輪FL,FR)の車輪速度差Vfd(=V
wfr −Vwfl )に基づき実ヨーレイトγを推定すること
ができるので、車輪速度センサWS1及びWS2の検出
出力を利用することとすればヨーレイトセンサYSを省
略することができる。更に、車輪RL,RR間に舵角制
御装置(図示せず)を設けることとしてもよく、これに
よれば電子制御装置ECUの出力に応じてモータ(図示
せず)によって車輪RL,RRの舵角を制御することも
できる。
【0026】本実施形態の電子制御装置ECUは、図2
に示すように、バスを介して相互に接続されたプロセシ
ングユニットCPU、メモリROM,RAM、入力ポー
トIPT及び出力ポートOPT等から成るマイクロコン
ピュータCMPを備えている。上記車輪速度センサWS
1乃至WS4、ブレーキスイッチBS、前輪舵角センサ
SSf、ヨーレイトセンサYS、横加速度センサYG等
の出力信号は増幅回路AMPを介して夫々入力ポートI
PTからプロセシングユニットCPUに入力されるよう
に構成されている。また、出力ポートOPTからは駆動
回路ACTを介してスロットル制御装置TH及びブレー
キ液圧制御装置PCに夫々制御信号が出力されるように
構成されている。マイクロコンピュータCMPにおいて
は、メモリROMは図4乃至図14に示したフローチャ
ートを含む種々の処理に供するプログラムを記憶し、プ
ロセシングユニットCPUは図示しないイグニッション
スイッチが閉成されている間当該プログラムを実行し、
メモリRAMは当該プログラムの実行に必要な変数デー
タを一時的に記憶する。尚、スロットル制御等の各制御
毎に、もしくは関連する制御を適宜組合せて複数のマイ
クロコンピュータを構成し、相互間を電気的に接続する
こととしてもよい。
【0027】図3は上記マイクロコンピュータCMPの
処理機能を示したブロック図で、ブロックB1では車輪
速度センサWS1乃至WS4の出力信号に基づき各車輪
速度Vw** (**は車輪FL,FR,RL,RR を代表して表す)及
び車輪加速度DVw** が演算され、これらに基づきブロ
ックB2にて各車輪毎に推定車体速度Vso**が演算され
る。また、ブロックB3ではヨーレイトセンサYS、横
加速度センサYG、前輪舵角センサSSf等の出力信号
に基づき各種車両状態量の推定演算が行なわれ、ブロッ
クB4では各車輪について以下の各種制御の開始又は終
了の処理が行なわれる。
【0028】而して、先ずブロックB5では制動操舵制
御が行なわれる。即ち、車両旋回時に、車両の安定性及
びコーストレース性を確保するように、ブロックB51
にてオーバーステア抑制制御が行なわれ、ブロックB5
2にてアンダーステア抑制制御が行なわれる。前者のオ
ーバーステア抑制制御は、車両旋回時に過度のオーバー
ステアとなるのを防止するため、ブロックB53を経て
ブロックB9にてブレーキ液圧制御装置の電磁弁(後
述)のソレノイドを駆動制御することにより、例えば旋
回外側前輪に制動力を付与し、車両を旋回外側に操向す
るものである。後者のアンダーステア抑制制御は、車両
旋回時に過度のアンダーステアとなるのを防止するた
め、例えば旋回外側前輪及び後二輪に制動力を付与し、
車両を旋回内側に操向しつつ減速するものである。尚、
必要に応じブロックB54を経てブロックB10にてス
ロットルが駆動制御され、車両の旋回運動が維持され
る。
【0029】また、ブロックB6ではアンチスキッド制
御が行なわれ、車両制動時に、車輪のロックを防止する
ように、各車輪に付与する制動力が制御される。ブロッ
クB7では前後輪の制動力配分制御が行なわれ、車両の
制動時に車両の安定性を維持するように、後輪に付与す
る制動力の前輪に付与する制動力に対する配分が制御さ
れる。尚、これらのブロックB6,B7における制御を
実行するため、ブロックB9にてソレノイドが駆動処理
され、ブレーキ液圧制御が行なわれる。
【0030】そして、ブロックB8ではトラクション制
御が行なわれる。即ち、ブロックB81にて、車両駆動
時に駆動輪のスリップを防止するように、駆動輪に対し
制動力が付与されると共に、ブロックB82及びブロッ
クB10にてスロットル制御が行なわれ、これらの制御
によって駆動輪に対する駆動力が制御される。
【0031】上記のように構成された本実施形態におい
ては、電子制御装置ECUにより制動操舵制御、アンチ
スキッド制御等の一連の処理が行なわれ、イグニッショ
ンスイッチ(図示せず)が閉成されると図4乃至図14
等のフローチャートに対応したプログラムの実行が開始
する。図4は車両の運動制御作動を示すもので、先ずス
テップ101にてマイクロコンピュータCMPが初期化
され、各種の演算値がクリアされる。次にステップ10
2において、車輪速度センサWS1乃至WS4の検出信
号が読み込まれると共に、前輪舵角センサSSfの検出
信号(舵角δf)、ヨーレイトセンサYSの検出信号
(実ヨーレイトγ)及び横加速度センサYGの検出信号
(即ち、実横加速度であり、Gyaで表す)が読み込まれ
る。
【0032】続いてステップ103に進み、各車輪の車
輪速度Vw** が演算されると共に、これらの車輪速度V
w** が微分されて車輪加速度DVw** が求められる。続
いてステップ104にて、各車輪の車輪速度Vw** に基
づき車体速度が推定され、各車輪毎に推定車体速度Vso
**が求められ、更に、必要に応じ、車両旋回時の内外輪
差等に基づく誤差を低減するため正規化が行われる。即
ち、正規化推定車体速度NVso**がNVso**=Vso**
(n) −ΔVr** (n) として演算される。ここで、ΔVr*
*(n)は旋回補正用の補正係数で、例えば以下のように設
定される。即ち、補正係数ΔVr** (**は各車輪FR等を
表し、特にFWは前二輪、RWは後二輪を表す)は、車両の
旋回半径R及びγ・VsoFW(≒横加速度Gya)に基づ
き、基準とする車輪を除き各車輪毎のマップ(図示省
略)に従って設定される。例えば、ΔVrFLが基準とす
ると、これは0とされるが、ΔVrFRは内外輪差マップ
に従って設定され、ΔVrRLは内々輪差マップに従い、
ΔVrRRは外々輪差マップ及び内外輪差マップに従って
設定される。更に、推定車体速度Vso(=MAX[Vw
**])が微分されて前後方向の車体加速度DVsoが求め
られる。
【0033】そして、ステップ105において、アンチ
スキッド制御等、種々の制御モードに供する制御目標と
して規範量が演算される。即ち、目標スリップ率(So*
* )、目標横加速度及び目標ヨーレイトが演算される。
【0034】次に、ステップ106にて初期特定制御が
行なわれた後、ステップ200,300にて夫々前輪側
と後輪側の各車輪の制御モードに応じた実スリップ率が
演算される。本実施形態では、上記ステップ103及び
104で求められた各車輪の車輪速度Vw** と推定車体
速度Vso(あるいは、正規化推定車体速度NVso**)に
基づき、例えばアンチスキッド制御に供する各車輪の車
輪スリップ率Sa** (以下、実スリップ率Sa** とい
う)がSa** =(Vso**−Vw** −BVw** )/Vso**
として求められる(BVw** はバイアス速度を表す)。
この他、各制御モードに応じたスリップ率が設定され
る。そして、各制御モード毎に設定される実スリップ率
及びステップ105で演算された目標スリップ率に応じ
てステップ107にて液圧サーボ制御が行なわれ、ステ
ップ108にて終了特定制御が行なわれた後にステップ
102に戻る。
【0035】図5は図4のステップ200における前輪
側制御モード演算の処理内容を示すもので、先ず、ステ
ップ201において制動操舵制御の演算処理が行なわ
れ、制動操舵制御に供する制動操舵制御用のスリップ率
補正量ΔSvが演算され、それがステップ105で演算
された目標スリップ率に加算されて目標スリップ率St*
* が設定される。図4のステップ107の液圧サーボ制
御により、車両の運転状態に応じてブレーキ液圧制御装
置PCが制御され各車輪に対する制動力が制御される。
この制動操舵制御は、後述する全ての制御モードにおけ
る制御に対し重畳される。この後ステップ202以降に
進み、各車輪毎に制御モードの演算処理が行なわれる。
以下、ステップ202乃至208の順で、順次開始判定
が行なわれ、各判定処理相互では上位の処理が下位の処
理に優先するように設定されている。また、ステップ2
02乃至208の開始判定のうち、ステップ203,2
04,207及び208は制動操舵制御時に開始判定が
行なわれ、ステップ202,205及び206はアンチ
スキッド制御時に開始判定が行なわれる。尚、図5等に
おいて「ABS制御」はアンチスキッド制御を意味す
る。
【0036】先ず、ステップ202にて、アンチスキッ
ド制御開始条件を充足しているか否かが判定され、開始
条件を充足しアンチスキッド制御開始と判定されると、
ステップ220にてアンチスキッド制御(+制動操舵制
御)を行なうための演算処理が行なわれ、制御目標とす
る目標スリップ率が設定される。
【0037】ステップ202にてアンチスキッド制御開
始条件を充足していないと判定されたときには、ステッ
プ203以降に進み、アンチスキッド制御に従属する制
御の開始判定が順次行なわれる。ステップ203におい
ては、オーバーステア抑制制御開始条件を充足している
か否かが判定され、制御開始と判定されるとステップ2
30に進み、オーバーステア抑制制御用の演算処理が行
なわれ、充足していなければステップ204に進みアン
ダーステア抑制制御開始条件を充足しているか否かが判
定される。アンダーステア抑制制御開始と判定されると
ステップ240にてアンダーステア抑制制御を行なうた
めの演算処理が行なわれ、オーバーステア抑制制御及び
アンダーステア抑制制御の何れの制御も開始と判定され
ていないときには、ステップ205にてアンチスキッド
事前制御の開始判定が行なわれる。結局、ステップ20
3及び204により、車両前方の車輪に関し過度のオー
バーステアと過度のアンダーステアが同時に生じたとき
には、オーバーステア抑制制御が優先して行なわれるこ
とになる。
【0038】ステップ205ではアンチスキッド事前制
御の開始条件を充足しているか否かが判定され、充足し
ておればステップ250に進みアンチスキッド事前制御
を行なうための演算処理が実行される。アンチスキッド
事前制御モードは、例えば横加速度とスリップ率の関係
から、制御対象車輪がアンチスキッド制御に移行するこ
とを予測し、事前に特定の制御を開始するという制御モ
ードであり、次に説明する干渉制御モードが他の車輪と
の関係で特定されるものとは異なる。
【0039】アンチスキッド事前制御の開始条件を充足
していないと判定されると、ステップ206に進む。こ
のステップ206では左右輪干渉制御の開始条件を充足
しているか否かが判定され、充足しておればステップ2
60に進み左右輪干渉制御を行なうための演算処理が実
行される。この左右輪干渉制御モードは、前輪側左右何
れか一方の車輪に関しアンチスキッド制御が開始したと
き、他方の車輪はパルス増圧制御モードとし制動力の上
昇を緩やかにするというものである。
【0040】例えばスプリット路面を走行中に、一方の
車輪が低摩擦係数路面で他方の車輪が高摩擦係数路面に
あるときにブレーキ操作を行なうと、低摩擦係数路面側
の車輪が先にロック傾向となる。従って、低摩擦係数路
面側の一方の車輪についてはロックしないように減圧さ
れるが、高摩擦係数路面側の他方の車輪にブレーキ操作
に応じたブレーキ液圧が付与されると高摩擦係数路面側
の車輪に大きな制動力が加わるので、車両が回転するお
それがある。このため、高摩擦係数路面側の他方の車輪
に対しては制動力の急激な増加を抑えるべく、パルス増
圧制御として緩やかに制動力を増加させることとし、当
該他方の車輪に対してはアンチスキッド制御に移行する
前に、予め制動力を減ずる方向の制御を行なうこととし
たものである。而して、制動操舵制御が左右の車輪に制
動力を付与して車両のヨーモーメントを制御するもので
あるのに対し、左右輪干渉制御はアンチスキッド制御時
に左右の車輪に付与する制動力を減じて車両のヨーモー
メントを制御するものである。
【0041】例えば、車両が制動旋回中に過度のオーバ
ーステアが生じたとき、荷重は外側の車輪に多く付与さ
れるので、内側の車輪からアンチスキッド制御が開始す
る。過度のオーバーステアを防止するためには外側の車
輪の制動力を大とする必要があるが、左右輪干渉制御で
は外側の車輪がパルス増圧制御モードとなって制動力は
緩やかに増加することになり、制動操舵制御を行なうこ
とができなくなる。このため、左右輪干渉制御モードよ
り制動操舵制御モードが優先して処理される。
【0042】ステップ207では制動操舵事前制御の開
始条件を充足しているか否かが判定され、充足しておれ
ばステップ270に進み制動操舵事前制御の演算処理が
実行される。制動操舵事前制御モードは、制動操舵制御
毎に制御対象の車輪に対し摩擦係数に応じてブレーキ液
圧を付与するように予め制御量を設定するというもので
ある。ステップ207において制動操舵事前制御の開始
条件を充足していないと判定されると、ステップ208
に進む。
【0043】ステップ208では液圧スタンバイの開始
条件を充足しているか否かが判定され、充足しておれば
ステップ280に進み液圧スタンバイを行なうための演
算処理が実行される。この液圧スタンバイモードは、制
動操舵制御毎に制御対象車輪のブレーキ液を充填してお
くというものである。従って、この制御モードではブレ
ーキ液圧が付与されていないことが前提であり、例えば
アンチスキッド制御時のようにブレーキ液圧が付与され
ておればブレーキ液が充填されているので、液圧スタン
バイモードは不要となる。
【0044】図6及び図7は後輪側の制御モード演算処
理を示すもので、ステップ301にて制動操舵制御の演
算処理が行なわれた後、ステップ302乃至310にて
順次開始判定が行なわれる。後輪側の処理は基本的には
前輪側と同様であるが、後輪駆動車であるので図5の処
理に加えステップ305,350並びにステップ30
8,380の処理が付加された形となっており、ステッ
プ307,370が前輪との関係において設定されるよ
うに構成されている。また、後輪側については、オーバ
ーステア抑制制御よりもアンダーステア抑制制御が優先
して処理される。
【0045】ステップ370で行なわれる前後輪干渉制
御の演算処理は、前輪側の車輪がロック傾向にあってア
ンチスキッド制御が開始した時点で、次には後輪側の車
輪がロック傾向となると予測しブレーキ液圧の急上昇を
抑えようとするものである。即ち、前輪側の一方の車輪
に関しアンチスキッド制御が開始したときには、後輪側
の左右同一側の車輪はパルス増圧モードとし制動力を緩
やかに増加するように制御するというもので、これによ
り後輪側は制動力が急激に増加することはなく徐々に増
加するので、ロックを防止し安定方向の制御を行なうこ
とができる。
【0046】図8は前述のステップ220又はステップ
320において実行されるアンチスキッド制御演算処理
の具体的な処理内容を示すもので、ステップ225は車
両前方の車輪に対して行なわれ、ステップ226は車両
後方の車輪に対して行なわれ、その他の処理は各車輪に
共通して行なわれる。先ず、ステップ221では制御許
可/禁止判別が行なわれ、ステップ222にて制御開始
/終了判別が行なわれる。そして、ステップ223に進
み制御モード処理が行なわれた後ステップ224にてア
ンチスキッド制御処理が行なわれる。
【0047】次に、制御対象の車輪が車両前方の車輪で
あればステップ225にて前述の左右輪干渉制御処理が
行なわれ、車両後方の車輪であればステップ226にて
前後輪干渉制御処理が行なわれる。続いて、ステップ2
27に進み、制御許可後であるが制御開始前であれば、
アンチスキッド事前制御処理が行なわれる。以上の処理
の後、ステップ228に進み制御信号が設定され出力さ
れる。
【0048】図9は車両前方左右の車輪間の干渉制御を
示すもので、先ずステップ261にて車両前方の一方側
(例えば右側)の車輪F*1に関し、制動操舵制御中か否
かが判定される。ステップ261で車輪F*1が制動操舵
制御中と判定されると、制動操舵制御に誘発される干渉
制御を防止するため、後述する車両前方の他方側(左
側)の車輪F*2に関するアンチスキッド制御時の干渉制
御モードはセットされず、車輪F*1が制動操舵制御中で
ない場合にステップ263以降に進む。
【0049】ステップ263乃至265においては、車
輪F*1の現在の状態が、今回の制御サイクルでアンチス
キッド制御に移行したものか否かが判定される。即ち、
ステップ263で前回既にアンチスキッド制御中であっ
たと判定されるとそのままメインルーチンに戻るが、前
回はアンチスキッド制御中でなくステップ264にて今
回アンチスキッド制御に移行したと判定されると、ステ
ップ265において他方の車輪F*2についてアンチスキ
ッド制御中か否かが判定され、車輪F*2がアンチスキッ
ド制御中でなければ車輪F*2に対し干渉制御モードがセ
ットされる。ステップ264にて車輪F*1が今回アンチ
スキッド制御中でないと判定された場合には、ステップ
262に進み車輪F*2の干渉制御モードがクリアされ
る。ステップ264にて車輪F*1が今回アンチスキッド
制御中と判定され、且つステップ265で車輪F*2もア
ンチスキッド制御中と判定された場合にも同様に、ステ
ップ262にて車輪F*2の干渉制御モードがクリアされ
る。
【0050】図10は車両後方の車輪に対する前後輪干
渉制御の演算処理を示すもので、車両前方の車輪F*
(例えばFR)に対し同一側の車両後方の車輪R*(例
えばRR)に関し、干渉制御モードがセットされ、もし
くはクリアされる。即ち、先ずステップ371にて車両
前方の車輪F*に関し制動操舵制御中か否かが判定され
る。ステップ371で車輪F*が制動操舵制御中と判定
されると、制動操舵制御に誘発される干渉制御を防止す
るため、車両後方の車輪R*に関するアンチスキッド制
御時の干渉制御モードはセットされず、車輪F*が制動
操舵制御中でない場合にステップ373以降に進む。ス
テップ373で前回既にアンチスキッド制御中であった
と判定されるとそのままメインルーチンに戻るが、前回
はアンチスキッド制御中でなくステップ374にて今回
アンチスキッド制御に移行したと判定されると、ステッ
プ375において後方の車輪R*についてアンチスキッ
ド制御中か否かが判定され、車輪R*がアンチスキッド
制御中でなければ車輪R*に対し干渉制御モードがセッ
トされる。ステップ374にて車輪F*が今回アンチス
キッド制御中でないと判定された場合には、ステップ3
72に進み車輪R*の干渉制御モードがクリアされる。
ステップ374にて車輪F*が今回アンチスキッド制御
中と判定され、且つステップ375で車輪R*もアンチ
スキッド制御中と判定された場合にも同様に、ステップ
372にて車輪R*の干渉制御モードがクリアされる。
【0051】図11は車両後方の二つの車輪RR,RL
に関するアンチスキッド制御時の処理を示すもので、ス
テップ321にてオーバーステア抑制制御が行なわれて
いるか否かが判定され、オーバーステア抑制制御中であ
れば、ステップ322に進む。ステップ322では車輪
RR,RLが共にアンチスキッド制御中であるか否かが
判定され、そうであればステップ323にて各輪独立制
御モードがクリアされ、少くとも一方がアンチスキッド
制御中でない場合には、ステップ324にて各輪独立制
御モードがセットされる。ステップ321でオーバース
テア抑制制御中でないと判定されたときには、ステップ
325に進み、更にアンダーステア抑制制御中であるか
否かが判定され、そうであればステップ324にて各輪
独立制御モードにセットされるが、オーバーステア抑制
制御及びアンダーステア抑制制御の何れも実行中でなけ
ればステップ326に進み、低速側の車輪に基づいてブ
レーキ液圧制御を行なうローセレクトの判別処理が行な
われる。換言すれば、制動操舵制御時以外はアンチスキ
ッド制御本来の制御が行なわれることになる。
【0052】図12は車両後方の車輪RR,RLに対す
る前後制動力配分に係る制御を示すもので、ステップ3
51で先ず前後制動力配分制御処理が行なわれた後、ス
テップ352にて制御対象の車輪R*が制動操舵制御中
か否かが判定される。車輪R*が制動操舵制御中でなけ
ればステップ353にてローセレクト制御が行なわれる
が、制動操舵制御中の場合にはそのままメインルーチン
に戻る。尚、アンチスキッド制御においては、悪路走行
時に目標スリップ率を大に設定するという悪路制御モー
ドが設定される場合があるが、この場合においても、制
動操舵制御が行なわれるときには、悪路制御モードを禁
止し通常の制御が行なわれるように設定される。
【0053】図13及び図14は図4のステップ107
で行なわれる液圧サーボ制御の処理内容を示すもので、
各車輪についてホイールシリンダ液圧のスリップ率サー
ボ制御が行なわれる。先ず、前述のように設定された目
標スリップ率St** がステップ1001にて読み出さ
れ、これらがそのまま各車輪の目標スリップ率St** と
して読み出される。次に、ステップ1002に進みアン
チスキッド制御中か否かが判定され、そうであればステ
ップ1003にて目標スリップ率St** にアンチスキッ
ド用のスリップ率補正量ΔSs** が加算されて、目標ス
リップ率St** が更新される。アンチスキッド制御中で
なければ、ステップ1004に進み前後制動力配分制御
中か否かが判定される。ステップ1004で前後制動力
配分制御中と判定されると、ステップ1005にて目標
スリップ率St** にスリップ率補正量ΔSb** が加算さ
れて更新され、そうでなければステップ1006に進
む。
【0054】ステップ1006ではトラクション制御中
か否かが判定され、そうであればステップ1007にて
目標スリップ率St** にスリップ率補正量ΔSr** が加
算されて更新される。ステップ1003,1005及び
1007で目標スリップ率St** が更新された後、ある
いはステップ1006にてトラクション制御中でもない
と判定されたときにはそのままで、ステップ1008に
進み各車輪毎にスリップ率偏差ΔSt** が演算されると
共に、ステップ1009にて車体加速度偏差ΔDVso**
が演算される。尚、図13ではアンチスキッド制御、前
後制動力配分制御及びトラクション制御を例示したが、
図5及び図6に列挙した各制御についても同様に目標ス
リップ率St** が設定される。
【0055】上記ステップ1008においては、各車輪
の目標スリップ率St** と実スリップ率Sa** の差が演
算されスリップ率偏差ΔSt** が求められる(ΔSt**
=St** −Sa** )。また、ステップ1009において
は基準車輪(非制御対象の車輪)と制御対象の車輪にお
ける車体加速度DVso**の差が演算され、車体加速度偏
差ΔDVso**が求められる。このときの各車輪の実スリ
ップ率Sa** 及び車体加速度偏差ΔDVso**はアンチス
キッド制御、トラクション制御等の制御モードに応じて
演算が異なるが、これらについては説明を省略する。
【0056】続いて、ステップ1010に進みスリップ
率偏差ΔSt** が所定値Ka と比較され、所定値Ka 以
上であればステップ1011にてスリップ率偏差ΔSt*
* の積分値が更新される。即ち、今回のスリップ率偏差
ΔSt** にゲインGI** を乗じた値が前回のスリップ率
偏差積分値IΔSt** に加算され、今回のスリップ率偏
差積分値IΔSt** が求められる。スリップ率偏差|Δ
St** |が所定値Kaを下回るときにはステップ101
2にてスリップ率偏差積分値IΔSt** はクリア(0)
される。次に、図14のステップ1013乃至1016
において、スリップ率偏差積分値IΔSt** が上限値K
b 以下で下限値Kc 以上の値に制限され、上限値Kb を
超えるときはKb に設定され、下限値Kc を下回るとき
はKc に設定された後、ステップ1017に進む。
【0057】ステップ1017においては、各制御モー
ドにおけるブレーキ液圧制御に供する一つのパラメータ
Y**がGs** ・(ΔSt** +IΔSt** )として演算さ
れる。ここでGs** はゲインであり、車体横すべり角β
に応じて図16に実線で示すように設定される。また、
ステップ1018において、ブレーキ液圧制御に供する
別のパラメータX**がGd** ・ΔDVso**として演算さ
れる。このときのゲインGd** は図16に破線で示すよ
うに一定の値である。
【0058】この後、ステップ1019に進み、各車輪
毎に、上記パラメータX**,Y**に基づき、図15に示
す制御マップに従って液圧制御モードが設定される。図
15においては予め急減圧領域、パルス減圧領域、保持
領域、パルス増圧領域及び急増圧領域の各領域が設定さ
れており、ステップ1019にてパラメータX**及びY
**の値に応じて、何れの領域に該当するかが判定され
る。尚、非制御状態では、液圧制御モードは設定されな
い(ソレノイドオフ)。
【0059】更に、ステップ1019にて今回判定され
た領域が、前回判定された領域に対し、増圧から減圧も
しくは減圧から増圧に切換わる場合には、ブレーキ液圧
の立下りもしくは立上りを円滑にする必要があるので、
ステップ1020において増減圧補償処理が行われる。
例えば急減圧モードからパルス増圧モードに切換るとき
には、急増圧制御が行なわれ、その時間は直前の急減圧
モードの持続時間に基づき決定される。そして、ステッ
プ1021にて上記液圧制御モードに応じて、ブレーキ
液圧制御装置PCを構成する各電磁弁のソレノイドが駆
動され、各車輪の制動力が制御される。
【0060】図17は上記実施形態におけるブレーキ液
圧制御装置PCの一例を示すもので、マスタシリンダM
C及び液圧ブースタHBがブレーキペダルBPの操作に
応じて駆動される。液圧ブースタHBには補助液圧源A
Pが接続されており、これらはマスタシリンダMCと共
に低圧リザーバRSに接続されている。
【0061】補助液圧源APは、液圧ポンプHP及びア
キュムレータAccを有する。液圧ポンプHPは電動モー
タMによって駆動され、低圧リザーバRSのブレーキ液
を昇圧して出力し、このブレーキ液が逆止弁CV6を介
してアキュムレータAccに供給され、蓄圧される。電動
モータMは、アキュムレータAcc内の液圧が所定の下限
値を下回ることに応答して駆動され、またアキュムレー
タAcc内の液圧が所定の上限値を上回ることに応答して
停止する。尚、アキュムレータAccと低圧リザーバRS
との間にはリリーフバルブRVが介装されている。而し
て、アキュムレータAccから所謂パワー液圧が適宜液圧
ブースタHBに供給される。液圧ブースタHBは、補助
液圧源APの出力液圧を入力し、マスタシリンダMCの
出力液圧をパイロット圧として、これに比例したブース
タ液圧に調圧するもので、これによってマスタシリンダ
MCが倍力駆動される。
【0062】マスタシリンダMCと車両前方のホイール
シリンダWfr,Wflの各々を接続する前輪側の液圧
路には、電磁切換弁SA1及びSA2が介装されてお
り、これらは制御通路Pfr及びPflを介して夫々電
磁開閉弁PC1,PC5及び電磁開閉弁PC2,PC6
に接続されている。また、液圧ブースタHBとホイール
シリンダWrl等の各々を接続する液圧路には電磁開閉
弁SA3、給排制御用の電磁開閉弁PC1乃至PC8が
介装されており、後輪側には比例減圧弁PVが介装され
ている。そして、電磁開閉弁STRを介して補助液圧源
APが電磁開閉弁SA3の下流側に接続されている。図
17では前輪の液圧制御系と後輪の液圧制御系に区分さ
れた前後配管が構成されているが、所謂X配管としても
よい。
【0063】前輪側液圧系において、電磁開閉弁PC1
及びPC2は電磁開閉弁STRに接続されている。電磁
開閉弁STRは2ポート2位置の電磁開閉弁であり、非
作動時の閉位置では遮断状態で、作動時の開位置では電
磁開閉弁PC1及びPC2を直接アキュムレータAccに
連通する。電磁切換弁SA1及び電磁切換弁SA2は3
ポート2位置の電磁切換弁で、非作動時は図17に示す
第1位置にあってホイールシリンダWfr,Wflは何
れもマスタシリンダMCに連通接続されているが、ソレ
ノイドコイルが励磁され第2位置に切換わると、ホイー
ルシリンダWfr,Wflは何れもマスタシリンダMC
との連通が遮断され、夫々電磁開閉弁PC1及びPC
5、電磁開閉弁PC2及びPC6と連通する。
【0064】これら電磁開閉弁PC1及びPC2に対し
て並列に逆止弁CV1及びCV2が接続されており、逆
止弁CV1の流入側が制御通路Pfrに、逆止弁CV2
の流入側が制御通路Pflに夫々接続されている。逆止
弁CV1は、電磁切換弁SA1が作動位置(第2位置)
にある場合において、ブレーキペダルBPが開放された
ときには、ホイールシリンダWfrのブレーキ液圧を液
圧ブースタHBの出力液圧の低下に迅速に追従させるた
めに設けられたもので、液圧ブースタHB方向へのブレ
ーキ液の流れは許容されるが逆方向の流れは阻止され
る。尚、逆止弁CV2についても同様である。
【0065】次に、後輪側液圧系について説明すると、
電磁開閉弁SA3は2ポート2位置の電磁開閉弁で、非
作動時には図17に示す開位置にあって、電磁開閉弁P
C3,PC4は比例減圧弁PVを介して液圧ブースタH
Bと連通する。このとき、電磁開閉弁STRは閉位置と
され、アキュムレータAccとの連通が遮断される。電磁
開閉弁SA3が作動時の閉位置に切換えられると、電磁
開閉弁PC3,PC4は液圧ブースタHBとの連通が遮
断され、比例減圧弁PVを介して電磁開閉弁STRに接
続され、この電磁開閉弁STRが作動時にアキュムレー
タAccと連通する。
【0066】また、電磁開閉弁PC3及びPC4に対し
て並列に逆止弁CV3及びCV4が接続されており、逆
止弁CV3の流入側がホイールシリンダWrrに、逆止
弁CV4の流入側がホイールシリンダWrlに夫々接続
されている。これらの逆止弁CV3,CV4は、ブレー
キペダルBPが開放されたときには、ホイールシリンダ
Wrr,Wrlのブレーキ液圧を液圧ブースタHBの出
力液圧の低下に迅速に追従させるために設けられたもの
で、電磁開閉弁SA3方向へのブレーキ液の流れが許容
され逆方向の流れは阻止される。更に、逆止弁CV5が
電磁開閉弁SA3に並列に設けられており、電磁開閉弁
SA3が閉位置にあるときにも、ブレーキペダルBPに
よる踏み増しが可能とされている。
【0067】上記電磁切換弁SA1,SA2及び電磁開
閉弁SA3,STR並びに電磁開閉弁PC1乃至PC8
は前述の電子制御装置ECUによって駆動制御され、前
述の制動操舵制御を初めとする各種制御が行なわれる。
例えば、ブレーキペダルBPが操作されていない状態で
行なわれる制動操舵制御時には、液圧ブースタHB及び
マスタシリンダMCからはブレーキ液圧が出力されない
ので、電磁切換弁SA1,SA2が第2位置とされ、電
磁開閉弁SA3が閉位置とされ、そして電磁開閉弁ST
Rが開位置とされる。これにより、補助液圧源APの出
力パワー液圧が電磁開閉弁STR並びに開状態の電磁開
閉弁PC1乃至PC8を介してホイールシリンダWfr
等に供給され得る状態となる。
【0068】而して、電磁開閉弁PC1乃至PC8が適
宜開閉駆動されることによって各ホイールシリンダ内の
ブレーキ液圧が急増圧、パルス増圧(緩増圧)、パルス
減圧(緩減圧)、急減圧、及び保持状態とされ、前述の
制動操舵制御、アンチスキッド制御等が行なわれる。更
に、これらの制動力制御に加え、必要に応じ、車両の運
転状態に応じてスロットル制御装置THのサブスロット
ル開度が調整されエンジンEGの出力が低減され、駆動
力が制限される。
【0069】尚、本発明は後輪駆動車に限ることなく、
前輪駆動車又は四輪駆動車にも適用することができる。
四輪駆動車の場合には全ての車輪が制御対象となり、車
輪速度センサでは車体速度を検出することができなくな
るので別途センサを設ける必要がある。
【0070】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で以下の効果を奏する。即ち、本発明の車両の運動制御
装置においては、制御対象の車輪に対し、アンチスキッ
ド制御手段による制御と制動操舵制御手段による制御と
が同時に開始する条件を充足したときには、アンチスキ
ッド制御手段による制御を優先すると共に、従属制御手
段による制御に対し制動操舵制御手段による制御を優先
するように構成されているので、各車輪における制御干
渉を防止し、制御条件に応じて適切な制御モードに円滑
に移行することができる。
【0071】請求項2に記載の運動制御装置において
は、制御対象の車輪に対しアンチスキッド制御手段及び
従属制御手段によってアンチスキッド制御を実行する際
には、制動操舵制御手段によって設定する車両の各車輪
に付与すべき制動力の条件に起因して干渉制御手段が行
なう制御対象の車輪に対する干渉制御を制限するように
構成されているので、アンチスキッド制御を実行中に制
動操舵制御によって誘発される制御干渉を、確実に防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の運動制御装置の概要を示すブロ
ック図である。
【図2】本発明の運動制御装置の一実施形態の全体構成
図である。
【図3】本発明の運動制御装置の一実施形態の機能ブロ
ック図である。
【図4】本発明の一実施形態における車両の運動制御の
全体を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態における前輪側の制御モー
ド演算処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態における後輪側の制御モー
ド演算処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態における後輪側の制御モー
ド演算処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態におけるアンチスキッド制
御演算処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態における車両前方左右の車
輪間の干渉制御を示すフローチャートである。
【図10】本発明の一実施形態における車両後方の車輪
に対する前後輪干渉制御の演算処理を示すフローチャー
トである。
【図11】本発明の一実施形態における車両後方の二つ
の車輪に関するアンチスキッド制御時の処理を示すフロ
ーチャートである。
【図12】本発明の一実施形態における車両後方の車輪
に対する前後制動力配分に係る制御を示すフローチャー
トである。
【図13】本発明の一実施形態における液圧サーボ制御
の処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の一実施形態における液圧サーボ制御
の処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態においてブレーキ液圧制
御に供するパラメータと液圧制御モードとの関係を示す
グラフである。
【図16】本発明の一実施形態における車体横すべり角
とパラメータ演算用のゲインとの関係を示すグラフであ
る。
【図17】本発明の一実施形態におけるブレーキ液圧制
御装置の一例を示す構成図である。
【図18】一般的な車両の左旋回時における過度のオー
バーステア状態を示す説明図である。
【図19】一般的な車両の左旋回時における過度のアン
ダーステア状態を示す説明図である。
【符号の説明】
BP ブレーキペダル BS ブレーキスイッチ MC マスタシリンダ HB 液圧ブースタ Wfr,Wfl,Wrr,Wrl ホイールシリンダ WS1〜WS4 車輪速度センサ FR,FL,RR,RL 車輪 PC ブレーキ液圧制御装置 ST サブスロットルバルブ EG エンジン GS 変速制御装置 YS ヨーレイトセンサ YG 横加速度センサ FI 燃料噴射装置 DF ディファレンシャルギヤ SSf 前輪舵角センサ CMP マイクロコンピュータ IPT 入力ポート OPT 出力ポート ECU 電子制御装置 AMP 増幅回路 ACT 駆動回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 孝之 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 山崎 憲雄 愛知県刈谷市昭和町2丁目3番地 アイシ ン・ニューハード株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前方及び後方の各車輪に対し少くと
    もブレーキペダルの操作に応じて制動力を付与するブレ
    ーキ液圧制御装置と、前記車両の運動状態を判定する車
    両状態判定手段と、該車両状態判定手段の判定結果に基
    づき前記ブレーキ液圧制御装置を駆動制御し前記車両の
    各車輪に制動力を付与して前記車両の安定性を制御する
    制動操舵制御手段と、前記車両状態判定手段の判定結果
    に基づき前記車両の制動時の各車輪の回転状態に応じて
    前記ブレーキ液圧制御装置を駆動制御し各車輪に対する
    制動力を制御してスリップを防止するアンチスキッド制
    御手段とを備えた車両の運動制御装置において、前記ア
    ンチスキッド制御手段に従属し所定の関係に基づいてア
    ンチスキッド制御を修正する従属制御手段と、前記車両
    の各車輪のうち一つの制御対象の車輪に対し、前記アン
    チスキッド制御手段による制御と前記制動操舵制御手段
    による制御とが同時に開始する条件を充足したときに
    は、前記アンチスキッド制御手段による制御を優先する
    と共に、前記従属制御手段による制御に対し前記制動操
    舵制御手段による制御を優先する優先制御手段とを備え
    たことを特徴とする車両の運動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記従属制御手段が、アンチスキッド制
    御時における前記車両の各車輪相互の関係に基づき、前
    記制御対象以外の車輪の制動力制御に対する前記制御対
    象の車輪の制動力制御を所定の関係に調整する干渉制御
    手段を具備し、前記制御対象の車輪に対し前記アンチス
    キッド制御手段及び前記従属制御手段によってアンチス
    キッド制御を実行する際には、前記制動操舵制御手段に
    よって設定する前記車両の各車輪に付与すべき制動力の
    条件に起因して前記干渉制御手段が行なう前記制御対象
    の車輪に対する干渉制御を制限する制限手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載の車両の運動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記干渉制御手段が、前記車両前方の車
    輪のうちの一方側の車輪と他方側の車輪との間の干渉制
    御を行なう左右輪干渉制御手段、及び前記車両前方の車
    輪のうちの一方側の車輪と、前記車両後方の車輪のうち
    の前記車両前方の一方側の車輪と同一側の車輪との間の
    干渉制御を行なう前後輪干渉制御手段の少くとも一方を
    有することを特徴とする請求項2記載の車両の運動制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記従属制御手段が、前記アンチスキッ
    ド制御手段及び/又は前記制動操舵制御手段による制御
    の開始前に予め所定の制御を行なう事前制御手段を含
    み、前記優先制御手段が、前記制動操舵制御手段による
    制御を前記事前制御手段による制御に対し優先させるよ
    うに構成したことを特徴とする請求項1記載の車両の運
    動制御装置。
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