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JPH09121580A - 低慣性化制御による2慣性共振系の振動抑制装置 - Google Patents

低慣性化制御による2慣性共振系の振動抑制装置

Info

Publication number
JPH09121580A
JPH09121580A JP7278191A JP27819195A JPH09121580A JP H09121580 A JPH09121580 A JP H09121580A JP 7278191 A JP7278191 A JP 7278191A JP 27819195 A JP27819195 A JP 27819195A JP H09121580 A JPH09121580 A JP H09121580A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
inertia
output
load
vibration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7278191A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Yamamoto
康弘 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meidensha Corp, Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd filed Critical Meidensha Corp
Priority to JP7278191A priority Critical patent/JPH09121580A/ja
Publication of JPH09121580A publication Critical patent/JPH09121580A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Feedback Control In General (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸トルクオブザーバのゲインが小さいときで
も、2慣性共振系の振動抑制効果を向上させるとともに
機械トルク損を補正することにより特性の安定化を図
る。 【解決手段】 モータの角速度指令ωM*とモータの角
速度ωMとの偏差を偏差器11で採る。この偏差器11
の偏差出力は速度アンプ12に入力される。この速度ア
ンプ12の出力と負荷オブザーバの出力を加算器13a
で加算して負荷トルク指令τL*を得る。この負荷トル
ク指令τL*と負荷機械損トルクτLMを加算器13bで
加算して入力トルクτiを得、この入力トルクτiと軸ね
じれ抑制部30の出力を加算して得られたモータトルク
指令τM*とモータ機械損トルクτMMを加算器13dで
加算してモータのトルクを制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は低慣性化制御によ
る振動抑制装置に係り、特にモータと負荷が弾性軸で結
合されているような2慣性共振系の振動抑制装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エレベータや鉄鋼の圧延機,ロボットの
アームなどにおいて電動機と負荷が剛性の低い軸で結合
されていると、軸ねじり振動が発生し、速度制御系の応
答を速くすることができなくなるという問題がある。軸
ねじり振動は電動機と負荷との慣性モーメントの比によ
って影響を受け、特に負荷の慣性モーメントが電動機よ
り小さい場合はより振動的となり、振動抑制制御はさら
に困難なものになる。近年、軸トルクを高速に推定し、
トルク指令へフィードバックすることにより、見かけ上
のモータ慣性を低くして、安定化を図る共振比(モータ
共振周波数と例えばロボットのアーム共振周波数との
比)制御手段が提案されている。(参考文献A:電学
論、113巻10号、平成5年;共振比制御による2慣
性共振系の振動抑制制御) 上記文献の共振比制御を用いると、負荷の慣性がモータ
の慣性より小さい場合でも、良好な振動抑制効果が得ら
れる。しかし、外乱抑圧効果が低下するので、負荷トル
クオブザーバを追加して外乱抑圧効果を向上させる方式
も提案されている。(参考文献B:平成5年電気学会全
国大会、669;共振比制御とSFCによる2慣性系の
制御) 上記のほか、1慣性系における低慣性化制御方法につい
ても提案されている。(参考文献C:平成3年電気学会
産業応用部門全国大会、142;誘導機を用いた低慣性
化制御方式) まず、軸ねじり振動系(2慣性系)について述べる。軸
ねじり振動系については、特開平4−319715号公
報がある。次にこの公報を基に軸ねじり振動系の運動方
程式を示す。図4に示す2慣性系のモデルから次の運動
方程式が得られる。
【0003】
【数1】
【0004】(3)式は次のように表すことができる。
【0005】
【数2】
【0006】上記式を用いてねじり振動系のブロック図
を描くと、図5のようになる。ここで、τMはモータの
発生トルク、τSは軸トルク、τLは負荷トルク、ωM
ωLはモータ及び負荷の角速度、θM,θLはモータの角
変位、TM,TLはモータの機械時定数(定格トルク⇒定
格回転数)、TSは軸のばね時定数=1/Km,Rmは
軸の粘性係数である。
【0007】次に軸ねじり振動系の伝達関数について述
べる。粘性係数Rm(Rm=0とする)を無視したモデ
ルでの発生トルクτMからモータ速度(角速度)ωM,負
荷速度(角速度)ωLまでの伝達関数GMM(S)とGML
(S)を求める。τMからωMまでの伝達関数GMM(S)
を求めると(5)式のようになる。
【0008】
【数3】
【0009】また、τLからωMまでの伝達関数G
LM(S)は(6)式のようになる。
【0010】
【数4】
【0011】次に、τMからωLまでの伝達関数G
ML(S)を求めると、(7)式のようになる。
【0012】
【数5】
【0013】さらに、τLからωLまでの伝達関数G
LL(S)は(8)式のようになる。
【0014】
【数6】
【0015】ここで、二次遅れ系の伝達関数Kωn 2/S
2+2ζωn+ωn 2の一般表現と比較すると、(9)式と
なる。
【0016】
【数7】
【0017】つまり、粘性係数Rm=0と近似したこと
によりζ=0となり、永久振動系となる。また、その共
振周波数はωnとなる。伝達関数の分母
【0018】
【数8】
【0019】とする極を求めると(11)式のようにな
る。
【0020】
【数9】
【0021】(11)式から極が虚軸上に存在するた
め、振動系である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上述した参考文献A,
Bに示されている共振比制御では軸トルクオブザーバの
ゲインを大きくし、高速に軸トルクτSを推定する必要
がある。しかし、速度検出ノイズ等を考慮すると、オブ
ザーバゲインを大きくできないことがあり、振動抑制効
果が低減するという問題がある。
【0023】かかる問題点を解決するためには、2慣性
系の振動制御、すなわち軸トルクオブザーバのゲインが
小さいときでも、2慣性共振系の抑制効果を向上させる
ことができるようにした低慣性制御による2慣性共振系
の振動抑制装置が考えられる。
【0024】しかし、実際には、モータ、及び、負荷の
軸受け等の損失トルク成分がある。そこで、厳密にこの
損失成分を取り扱うとき、これらの成分を補正するため
にはどうすれば良いかという問題点がある。
【0025】また、実際には出力可能なトルクには、駆
動装置の容量などによる制限が存在する。この場合に
は、制御不可能となることはやむおえないが、トルク制
限から解除されたときに、よりすばやく、軸抑制状態に
復帰できる必要がある。このように、出力トルクが制限
された時の制御系の挙動はどうあるべきかという問題点
がある。
【0026】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、軸トルクオブザーバのゲインが小さいときでも、
2慣性共振系の振動抑制効果を向上させることができる
ようにするとともに、トルクリミッタ解除後における特
性の安定化を図った低慣性化制御による2慣性共振系の
振動抑制装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、第1発明は、軸トルクオブザーバを
有する2慣性共振系と、モータの角速度指令と2慣性共
振系の角速度との偏差出力を増幅する比例ゲインの速度
アンプと、この速度アンプの出力が供給され、出力に外
乱が送出されないようにする外乱抑圧機能部と、この外
乱抑圧機能部からの出力が供給され、前記2慣性共振系
に振動が発生しないように抑制する振動抑制回路と機械
的トルク損失を補正する手段とを備えてなるものであ
る。
【0028】また、この発明は、軸トルクオブザーバを
有する2慣性共振系と、モータの角速度指令と2慣性共
振系の角速度との偏差出力を増幅する比例ゲインの速度
アンプと、この速度アンプの出力が供給され、出力に外
乱が送出されないようにする負荷トルクオブザーバと、
この負荷トルクオブザーバからの出力が供給され、前記
2慣性共振系に振動が発生しないように抑制する振動抑
制回路とを備えてなる振動抑制装置であって、前記負荷
トルクオブザーバによる負荷トルクを推定し、該負荷ト
ルクをフィードバックする第1の制御系と、2慣性系負
荷時にモータ軸トルクを推定し振動抑制をする第2の制
御系と、負荷トルクオブザーバによる補償後に負荷の軸
摩擦トルク成分を加算する加算器と、軸振動抑制トルク
を加算した後にモータの軸摩擦トルク成分を加算する加
算器と、出力トルクを制限するトルクリミッタからなる
軸振動抑制する速度制御系によって構成したことを特徴
とするものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下この発明の一実施の形態を図
面に基づいて説明するに当たっては、この発明では軸ト
ルクを推定し、低慣性化制御を行うことにより、軸ねじ
り振動抑制を実行する手段を採っている。このため、ま
ず、最小次元オブザーバについて述べる。トルク指令τ
Mからモータ速度ωMまでのブロック図は図6のようにな
る。ここで、軸トルクτSをステップ状の一定値と仮定
する。そのため、軸トルク微分値を0と考える。図6よ
り状態方程式を求めると、(12)式のようになる。
【0030】
【数10】
【0031】(12)式は次の(13)、(14)式の
ように表すことができる。
【0032】
【数11】
【0033】モータ速度ωMは測定可能なので、軸トル
クτSを最小次元オブザーバを用いて推定する。この最
小次元オブザーバから、ゴピナス氏の方法を用いて軸ト
ルク推定オブザーバを求めると、図7のようになる。
【0034】次に低慣性化制御と共振比制御の比較を行
う。前述した参考文献Cに示されている低慣性化制御に
ついて、その概要を述べる。図8は低慣性化制御が必要
とされる応用例で、この図8は自動車のトランスミッシ
ョンTMの試験装置であり、ダイナモメータDY1がエ
ンジンを、ダイナモメータDY2が負荷を模擬する制御
を行う。ここで、エンジンは慣性が小さいために、ダイ
ナモメータDY1の慣性を見かけ上小さく制して、エン
ジンに見合った形に制御することが要求される。このた
め、低慣性化制御が提案された。図9は低慣性化制御の
ブロック図で、210は入力トルクτiが供給され、出
力に入力トルク推定値∧τiを送出する1次遅れフィル
タ回路部(TFは1次遅れ時定数)で、この入力トルク
推定値は第1偏差器211のプラス端に与えられる。こ
の第1偏差器211のマイナス端には後述する負荷トル
クオブザーバ212からの負荷トルク推定値τLが与え
られる。
【0035】213は慣性モーメント演算部で、この演
算部213には第1偏差器211の偏差出力が与えられ
る。慣性モーメント演算部213の出力は入力トルクと
加算器214で加算され、その出力にモータ発生トルク
τMを得る。このモータ発生トルクは第2偏差器215
のプラス端と負荷トルクオブザーバ212の第3偏差器
212aのプラス端に与えられる。第2偏差器215の
マイナス端には負荷トルクτLが与えられ、第2偏差器
215の偏差出力は図8に示したダイナモメータDY1
とDY2を1慣性系としたときの慣性モーメントの総和
MLの積分要素部216に入力される。TMLの積分要素
216の出力にはモータの角速度ωMが得られる。負荷
トルクオブザーバ212は第3偏差器212aの偏差出
力が入力されるオブザーバの慣性モーメントTML*の積
分要素部212bと、この積分要素部212bの出力に
得られるモータ角速度推定値∧ωM’とモータ角速度ωM
との偏差を採る第4偏差器212cと、この第4偏差器
212cの偏差出力が供給されるオブザーバゲイン部2
12dとから構成される。負荷トルクオブザーバ212
の出力には負荷トルク推定値が得られ、この推定値は第
3偏差器212aと第1偏差器211に供給される。図
9において、慣性モーメント演算部213のTm*は低
慣性化したときの慣性モーメントである。
【0036】図20より次の(15)〜(17)式が求
まる。
【0037】
【数12】
【0038】ここで、TML=TML*と仮定すると、(1
5)〜(17)式より次の(18)式が求まる。
【0039】
【数13】
【0040】つまり、負荷トルクを1次遅れで推定した
値が負荷トルク推定値∧τLとなる。ここで、図9の低
慣性化制御の原理を述べる。図9を変形すると、図10
となる。図10で負荷トルク推定と入力トルク推定が非
常に高速であると仮定すると、モータの加減速トルクτ
ACは次の式で表わされる。
【0041】
【数14】
【0042】上記(19)式において、TML=TML*と
仮定すると、このトルクτACからモータ角速度ωMまで
の関係は次の(20)式となり、モータの慣性が見かけ
上Tm*となる。
【0043】
【数15】
【0044】以上から負荷トルク推定の高速化が可能な
ら図9により低慣性化制御が可能となる。
【0045】次に参考文献A,Bに示されている共振比
制御について述べる。図5において、Rm=0近似した
ときの2慣性系のブロック図を示すと、図11になる。
図11において、各符号は図5と同じである。ここで、
モータ発生トルクτMとモータの角速度ωMを用いて図1
7軸トルクオブザーバを構成し、軸トルク推定値∧τS
を(1−K)倍して、フィードフォワード補償を行う。
そのときの構成図を図12に示す。図12で軸トルク推
定値が高速に推定できるとして、軸トルク推定値∧τS
≒τSと仮定すると図13のようになる。図13を変形
して参考文献Bに示した共振比制御のブロック図を導出
すると図14のようになる。図14より共振比制御を行
うと、モータ慣性が見かけ上(1/K)となる。また、
図13の補償回路ではτi’の後に(1/K)がでてく
るので、トルク指令をK倍する必要がある。ここで、参
考文献A,Bより共振比RとKの関係は次式として得ら
れる。
【0046】 K=TM(R2−1)/TL …………(21) R:参考文献AよりR2=5が振動抑制の最適値 上述した低慣性化制御と共振比制御より次の置換を行う
と、低慣性化制御は共振比制御と全く同一となる。すな
わち、次の(1)〜(3)の置換を行うことにより参考
文献BのSFC挿入前のブロック図と等価になる。
(1)図9に示す低慣性化制御は1慣性系として扱われ
ているが、ダイナモメータDY1とダイナモメータDY
2に分けて2慣性系として取り扱う。(TML→TMとし
て取り扱う)、(2)図9に示すTML*→TM*とす
る。(3)図9に示すTML*/Tm=Kとする。
【0047】前述のように、実際には、モータ、及び負
荷の軸受等の損失トルク成分があり、そこで、厳密にこ
の損失成分を取り扱うと、図3のブロック図となる。ま
た、前述のように、単機には出力可能なトルクには、駆
動装置の容量などによる制限が存在する。この場合に
は、トルク制限から解除されたときに、よりすばやく軸
抑制状態に復帰できる必要がある。これらの問題を解決
するためのこの発明の好ましい実施の形態を図1〜図2
を参照しながら説明する。
【0048】図1はこの発明の第1実施の形態を示すブ
ロック図で、この図1において、11はモータの角速度
指令ωM*とモータの角速度ωMとの偏差を採る第1偏差
器で、この第1偏差器11の偏差出力は、PI制御また
はP制御からなる速度アンプ(Kωc)12に入力され
る。この速度アンプ12の出力は加算器13aに供給さ
れる。
【0049】13b,13c,13dは加算器、14は
遅延回路部、15はモータである。20は外乱抑圧機能
部である負荷トルクオブザーバ、30は軸ねじれ振動制
御部である。
【0050】負荷トルクオブザーバは、偏差器21a,
慣性モーメント演算部22,加算器23,偏差器21b
およびゲイン部25によって構成される。軸ねじれ振動
抑制部30はローパスフィルタ31とモータ軸トルクオ
ブザーバ32からなり、ローパスフィルタ31は偏差器
33a,一次遅れ演算部34,加算器35および遅延回
路部36によって構成される。モータ軸トルクオブザー
バ32は偏差器39a,慣性モーメント演算部40,加
算器41,遅延回路部42,偏差器39bおよびゲイン
部43によって構成される。
【0051】次に図1の装置の動作について述べる。モ
ータ角速度指令ωM*とモータ角速度ωMとの偏差器11
で検出される。この偏差出力は速度アンプ12を経て加
算器13aに入力される。加算器13aは速度アンプ1
2の出力と後述する負荷トルクオブザーバ20の出力を
入力として負荷トルク指令τL*を得、このτL*を負荷
トルクオブザーバ20と加算器13bに入力する。τL
*は負荷トルクを駆動するためのトルク成分であるの
で、この直後に負荷機械損トルク補正分を加える。加算
器13bでは負荷トルク指令τL*と負荷軸機械損トル
クTLLを加算して入力トルクτiを得、この入力トルク
τiを軸ねじれ振動抑制部30のローパスフィルタ31
と加算器13cに入力する。加算器13cでは、入力ト
ルクτiと後述する軸ねじれ振動抑制部30の出力信号
を加算してモータトルク指令τM*得、このτM*を加算
器13dに入力する。また、τM*はモータ軸出力トル
ク成分であるので、これに対して、モータ軸の機械損ト
ルクも加算する。加算器13dはモータトルク指令τM
*とモータ軸機械損トルクTMLを加算してその出力信号
を遅延回路部14を介してモータ15に入力する。これ
らの機械損は、回転速度などにより変化するので回転速
度に応じたテーブルデータなどにより補正を行う。も
し、この損失補正が無い場合には、負荷トルクオブザー
バや、軸ねじれ振動抑制制御部分の出力にこれらの損失
トルク成分が含まれてくるため、実際に負荷慣性を加速
するトルクに対して誤差が生じ、制御特性が悪化する事
がある。
【0052】モータ15の回転速度は速度検出器16に
よって検出され、速度検出回路17はモータ速度検出信
号ωMを出力する。モータ速度信号ωMは加算器11,負
荷トルクオブザーバ20および軸ねじれ振動抑制部30
に導かれる。
【0053】負荷トルクオブザーバ30においては、偏
差器21aがトルク指令τL*とゲイン回路部25の出
力信号との偏差信号を慣性モーメント演算部22に導
く。加算器23では慣性モーメント演算部22の演算信
号と遅延回路部24の遅延信号を加算する。偏差器21
bでは加算器23の加算信号とモータ速度信号ωMとの
偏差信号をゲイン部25を介して偏差器21aと加算器
13aに導く。
【0054】軸ねじれ振動抑制部30のローパスフィル
タ31においては、偏差器33aが、入力トルク信号τ
iと遅延回路部36の出力信号を入力として偏差信号を
得、この偏差信号を一次遅れ演算部34に導く。加算器
35は、一次遅れ演算部34の演算信号とその遅れ信号
を加算してその加算信号を偏差器37に導く。モータ軸
トルクオブザーバ32においては、偏差器39aが、モ
ータトルク指令τM*とゲイン部43の出力信号との偏
差信号を得、この偏差信号を慣性モーメント演算部40
に導く。加算器41は慣性モーメント演算部40の演算
信号とその遅れ信号との加算信号を得、その加算信号を
偏差器39bに導く。偏差器39bは、加算器41の加
算信号と速度検出回路部17のモータ速度信号ωMを入
力として、その偏差信号をゲイン回路部43を介して偏
差器39aと37に導く。偏差器37はローパスフィル
タ31の加算器35の加算信号とゲイン回路部43の出
力信号との偏差を得、その偏差信号を倍数回路部38に
よって(K−1)倍した後に加算器13cに導く。
【0055】第1の実施の形態を適用することにより従
来は無視していた、モータや負荷の軸摩擦トルク成分も
補正可能となり、振動抑制制御等の精度が良くなる。ま
た、軸摩擦トルク成分をフィードフォアード補償する事
により、オブザーバ部分にはこの成分が含まれなくな
る。この結果、オブザーバの応答時間遅れの要素がフィ
ードフォアードに置き換えることができ、応答特性も向
上する。
【0056】図2はこの発明の第2の実施の形態を示す
もので、トルクリミッタが動作した場合の対策を講ずる
ものである。図2において図1のものと同一又は相当部
分には同一符号が付されている。この第2の実施の形態
においては、加算器13dと遅延回路部14との間にト
ルクリミッタ18が設けられており、遅延回路部の出力
段から負荷トルクオブザーバ20と軸ねじれ振動抑制部
30との間にフィードフォアードループ50を形成す
る。フィードフォアードループ50は偏差器51〜53
を有する。
【0057】図2の装置では、図1の装置に対して改善
を加えているが、図1の装置の要素が無くても上記対策
は有効である。トルクリミッタ18は振動抑制制御部3
0の出力トルク指令以降に配置されている。フィードフ
ォアードループ50の偏差器51はトルクリミッタ18
を通過したモータトルク指令τM*からモータ軸機械損
失トルクTMEを引いてモータ軸出力トルク指令τMO*を
算出する。偏差器52はモータ軸出力トルク指令τMO
から軸ねじれ振動抑制制御部30のモータ軸トルクオブ
ザーバ信号を引いて負荷軸トルク指令τMI*を算出す
る。偏差器53は負荷側軸トルク指令でτMI*から負荷
機械損トルクTLMを引いて負荷駆動トルク指令TL*を
算出する。
【0058】負荷トルクオブザーバ20は負荷駆動トル
ク指令TL*とモータ速度検出信号ωMと入力として所定
の演算を行う。軸ねじれ振動抑制制御部30において
は、ローパスフィルタ31が負荷側軸トルク指令τLI
を入力として演算を行うとともに、モータ軸オブザーバ
32がモータ軸出力トルク指令τMO*とモータ速度検出
信号ωを入力として所定の演算を実行する。
【0059】すなわち、トルクリミッタは軸振動抑制制
御の出力トルク指令以降に置かれており、このリミッタ
を通過したトルク指令τME*から、TMMのモータ軸を引
いてモータ軸出力トルクをτM*演算する。そして、こ
のトルクを用いて軸振動抑制を実施する。また、このト
ルクから、軸振動抑制トルク項や、負荷軸損失トルクを
引くことにより、負荷トルクτL*を求め、これを用い
て負荷トルクオブザーバを構成する。このように、トル
クリミッタを通過した最終出力トルクから、各トルク要
素を減算したものを各オブザーバのトルク指令として利
用することにより、より実際に近い状態にオブザーバモ
デル部分を近似でき、リミッタ解除後の特性についての
安定性が増す。
【0060】トルク指令がリミッタにかかった場合で
も、トルクオブザーバはモデル速度を計算しつづける。
そのため、出力トルクが制限されたときには、何らかの
方法でこのオブザーバ内部事情を修正する必要があった
が本実施例では、トルク制限後のトルク成分を逆演算
し、実際の出力トルク成分に近い値でオブザーバ演算を
行うことにより、トルクリミッタ動作時の特性を改善す
ることができる。
【0061】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
軸トルクオブザーバのゲインが小さいときでも、2慣性
共振系の振動抑制効果を向上させることができるととも
に、軸トルク推定値から負荷トルク推定値を引き算した
フィードバック回路部を設けることにより、より一層の
振動抑制効果が得られるとともに、負荷の機械損トルク
成分とモータの機械損トルク成分を補正することによ
り、特性の安定化か得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施の形態を示すブロック図。
【図2】第2実施の形態を示す外乱抑圧機能部のブロッ
ク図。
【図3】2慣性系のブロック図。
【図4】2慣性系モデルを示す説明図。
【図5】2慣性系のブロック図。
【図6】モータ部のモデル図。
【図7】軸トルク推定オブザーバのブロック図。
【図8】パワートレンテスタの概略構成説明図。
【図9】低慣性系制御のブロック図。
【図10】図20の変形例を示すブロック図。
【図11】2慣性系のブロック図。
【図12】図11にフィードフォワード補償を行ったと
きのブロック図。
【図13】共振比制御の効果を示すためのブロック図。
【図14】共振比制御の効果を示すためのブロック図。
【符号の説明】
11…偏差器 12…速度アンプ 13a〜13d…加算器 14…トルクリミッタ 20…外乱抑圧機能部である負荷トルクオブザーバ 30…軸ねじれ振動抑制部 32…モータ軸トルクオブザーバ 50…フィードフオワードループ 51〜53…減算器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸トルクオブザーバを有する2慣性共振
    系と、モータの角速度指令と2慣性共振系の角速度との
    偏差出力を増幅する比例ゲインの速度アンプと、この速
    度アンプの出力が供給され、出力に外乱が送出されない
    ようにする外乱抑圧機能部と、この外乱抑圧機能部から
    の出力が供給され、前記2慣性共振系に振動が発生しな
    いように抑制する振動抑制回路とを備えてなる振動抑制
    装置であって、前記外乱抑圧機能部からの出力信号に負
    荷機械損トルク補正信号を加算する第1の補正手段と、
    前記振動抑制回路からの出力信号にモータ機械損トルク
    補正信号を加算する第2の補正手段とを有する低慣性化
    制御による2慣性共振系の振動抑制装置。
  2. 【請求項2】 前記振動抑制回路は1次遅れフィルタ部
    と、このフィルタ部の出力が供給される低慣性化ゲイン
    部と、このゲイン部の出力と1次遅れフィルタ部の入力
    とを加算する加算部とからなることを特徴とする請求項
    1記載の低慣性化制御による2慣性共振系の振動抑制装
    置。
  3. 【請求項3】 前記外乱抑圧機能部を負荷トルクオブザ
    ーバで構成し、前記第1の補正手段が前記負荷トルクオ
    ブザーバによるトルク補償後に前記負荷軸摩擦軸トルク
    成分を加算する手段を有する請求項1〜2記載の低慣性
    化制御による2慣性共振系の振動抑制装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の補正手段が前記振動抑制回路
    の出力信号に軸振動抑制トルク信号を加算した後にモー
    タの軸摩擦トルク成分を加算する手段を有することを特
    徴とする請求項1〜3記載の低慣性化制御による2慣性
    共振系の振動抑制装置。
  5. 【請求項5】 前記速度アンプを比例積分要素としたこ
    とを特徴とする請求項1〜5記載の低慣性化制御による
    2慣性共振系の振動抑制装置。
  6. 【請求項6】 軸トルクオブザーバを有する2慣性共振
    系と、モータの角速度指令と2慣性共振系の角速度との
    偏差出力を増幅する比例ゲインの速度アンプと、この速
    度アンプの出力が供給され、出力に外乱が送出されない
    ようにする負荷トルクオブザーバと、この負荷トルクオ
    ブザーバからの出力が供給され、前記2慣性共振系に振
    動が発生しないように抑制する振動抑制回路とを備えて
    なる振動抑制装置であって、 前記負荷トルクオブザーバによる負荷トルクを推定し、
    該負荷トルクをフィードバックする第1の制御系と、 2慣性系負荷時にモータ軸トルクを推定し振動抑制をす
    る第2の制御系と、 負荷トルクオブザーバによる補償後に負荷の軸摩擦トル
    ク成分を加算する加算器と、 軸振動抑制トルクを加算した後にモータの軸摩擦トルク
    成分を加算する加算器と、 出力トルクを制限するトルクリミッタからなる軸振動抑
    制する速度制御系によって構成したことを特徴とする、 低慣性化制御による2慣性共振系の振動抑制装置。
  7. 【請求項7】 軸振動抑制用の軸トルク推定に使用する
    トルク指令の値として前記トルクリミッタの出力からモ
    ータの軸摩擦トルク成分のフィードフォワード分を減算
    したトルク成分を用いることを特徴とする請求項6に記
    載の低慣性化制御による2慣性共振系の振動抑制装置。
  8. 【請求項8】 負荷トルク変動抑制のための負荷トルク
    の推定に使用するトルク指令の値として、前記トルクリ
    ミッタの出力から、モータの軸摩擦トルク成分のフィー
    ドフォワード分と、抑動抑制のためのトルク成分と、前
    記負荷の軸摩擦トルク成分のフィードフォワード分とを
    減算したトルク成分を用いることを特徴とする低慣性化
    制御による2慣性共振系の振動抑制装置。
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