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JPH0875891A - 原子炉の炉心性能計算方法および装置 - Google Patents

原子炉の炉心性能計算方法および装置

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Publication number
JPH0875891A
JPH0875891A JP6210243A JP21024394A JPH0875891A JP H0875891 A JPH0875891 A JP H0875891A JP 6210243 A JP6210243 A JP 6210243A JP 21024394 A JP21024394 A JP 21024394A JP H0875891 A JPH0875891 A JP H0875891A
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JP
Japan
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distribution
core
fuel
burnup
calculation
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JP6210243A
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English (en)
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Tatsuya Iwamoto
達也 岩本
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Publication of JPH0875891A publication Critical patent/JPH0875891A/ja
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】炉心内の出力分布および燃料ノード内の燃料棒
出力分布を精度よく短時間で計算できる炉心性能計算方
法と装置を提供する。 【構成】本計算装置10は、炉心11からの炉心状態パ
ラメータを取り入れ燃料ノード内の核定数を算出し、炉
心内の高速中性子束分布と燃料ノードの漸近スペクトル
を計算する炉心3次元中性子拡散計算装置12と,高速
中性子束分布と漸近スペクトルを入力して燃料ノード内
のスペクトル分布を求めるスペクトル分布計算装置13
と,このスペクトル分布を用いて燃料ノード内のスペク
トル履歴と燃焼度分布を計算する積算装置14と,この
積算装置からのスペクトル分布と燃焼度分布を用いて燃
料ノード内核定数に対するスペクトル履歴補正量と燃焼
度分布補正量を算出する補正計算装置15と,このスペ
クトル履歴補正量および燃焼度分布補正量を入力して燃
料ノード内の局所出力分布を計算する局所出力分布計算
装置16とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子炉の炉心性能計算
方法およびその炉心性能計算装置に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉における炉心性能計算では、炉心
の3次元物理モデルに基づく中性子拡散方程式あるいは
輸送方程式を計算により解いて、炉心内の実効増倍率、
中性子束分布および出力分布を計算する。集合体内断面
で規格化した燃料棒出力を局所出力と称し、炉心の熱的
制限値は集合体断面平均出力と、燃料棒局所出力により
計算される。
【0003】炉心内の中性子束分布計算は通常、炉心を
燃料集合体の径方向のピッチを一辺とする立方体を単位
とする多数の小体積(燃料ノード)に分割し、燃料ノー
ド内では燃料の組成が均質であると近似して、拡散方程
式あるいは輸送方程式を解く。この場合、燃料ノードの
核定数は集合体への中性子の漏れ込みあるいは漏れ出し
がないと仮定した径方向の2次元無限体系の単一集合体
燃焼計算により与えられることが一般的である。集合体
の核特性は、集合体内の中性子スペクトル分布、すなわ
ち高速中性子束に対する熱中性子束の比の分布に大きく
依存する。ここで、単一集合体燃焼計算の場合の中性子
スペクトルを漸近スペクトルという。
【0004】ところが、集合体が炉心内で中性子スペク
トルの異なる他の集合体と隣接すると、隣接集合体との
間にスペクトル干渉効果による中性子の移動が生じ、燃
料ノード内の中性子スペクトルは漸近スペクトルから変
化する。スペクトル干渉を受けて燃焼すると、燃料ノー
ド内の物質組成が単一集合体計算の場合から変化するた
めに、燃料ノードの核定数も変化することになる。これ
をスペクトル干渉履歴効果と呼ぶ。
【0005】また、隣接集合体との中性子のやりとりに
より中性子束分布が単一集合体燃焼計算に比べて歪むこ
とから、集合体内が不均一に燃焼することに起因する核
定数の変化も生じる。不均一燃焼に起因する核定数変化
を集合体内の燃焼度分布効果と呼ぶ。また、スペクトル
干渉履歴効果および燃焼度分布効果を総称して燃焼履歴
効果と呼ぶ。なお、燃料集合体の軸方向の燃料組成の変
化は緩やかなため、軸方向ノード間のスペクトル干渉効
果は径方向のスペクトル干渉効果に比べて小さい。した
がって、以下のスペクトル干渉効果の議論では径方向に
限定して説明する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】燃焼履歴効果を取り入
れる1つの方法は、多数の集合体を組み合せた燃焼計算
を行なって、核定数を求めることであるが、特に沸騰水
型原子炉(BWR)の場合は、集合体間のボイドミスマ
ッチのために組み合せ数は膨大なものとなり、計算コス
トがかかるという問題があるるこの問題に対して、単一
集合体燃焼計算のみを用いて、スペクトル干渉の履歴効
果を評価する方法がレンペ他により提案されている(K.
Rempe,K.Smith and A.Henry,“SIMULATE-3 Pin Power R
econstruction Methodology and Benchmarking, ” Pro
ceedings of International Reactor Physics Conferen
ce,JacksonHole,USA,III-19,1988) 。
【0007】この評価方法では、スペクトル干渉履歴効
果を取り入れるために、燃料ノードの中性子スペクトル
の漸近スペクトルに対する比の燃焼度平均値(スペクト
ル履歴)をパラメータとして加え、その燃焼度平均値
(=漸近スペクトル/燃料ノードの中性子スペクトル)
のずれに対して均質化核定数を変化させている。例え
ば、燃料ノード内位置rにおける熱群核分裂断面積の変
化δΣf2(r)は、次式で与えられる。
【0008】
【数1】 スペクトル履歴SHは燃料ノード内位置rのスペクトル
fの漸近スペクトルf∞との比の燃焼度Eに対する平均
値であり、次式で定義する。
【0009】
【数2】
【0010】
【外1】
【0011】しかしながら、レンペらの評価手法では燃
料ノード内の中性子スペクトル分布は、中性子エネルギ
ー2群の全炉心拡散計算より得られる熱群と高速群の中
性子束の比により求めるため、計算時間がかかるという
問題がある。
【0012】さらに、燃料ノードのスペクトル履歴は燃
料ノードの径方向の4辺に対する値のみを記憶し、燃料
ノード内のスペクトル履歴の分布は、燃料ノードの辺で
の値をexp(−κx)倍することにより求めている。
ここで、κは燃料ノードの熱群拡散距離の逆数であり、
xは燃料ノードのある辺から燃料ノード内の着目点まで
の距離である。しかしながら、この評価方法は1次元モ
デルに基づいているため、燃料ノード内の2次元的なス
ペクトル分布を正確に考慮できないという問題がある。
【0013】また、スペクトル干渉履歴効果を取り入れ
る方法として、燃料ノードの中性子スペクトルの漸近ス
ペクトルに対する比の燃焼度平均値をパラメータとして
追加するのではなく、燃料ノードの中性子スペクトルの
燃焼度平均値そのものを従来の履歴ボイド率に代わるパ
ラメータとして導入し、このパラメータにより核定数を
整理する運転計画方法が特開平4−320996号公報
(原子力発電所と原子炉の運転計画方法およびその計画
装置)に開示されている。
【0014】しかしながら、この運転計画方法は核定数
の整理方法のみが異なるだけで、本質的にはレンペらの
評価手法と同一である。また、特開平4−320996
号公報には、燃料ノードの平均中性子スペクトルを2群
(熱群と高速群)計算によらないで評価する方法とし
て、着目している燃料ノードと隣接している燃料ノード
の集合体平均の漸近スペクトルの荷重平均値をとること
が記載されているが、この荷重因子は経験的に定めるも
のであり、精度的に問題がある。さらに、この運転計画
方法では燃料ノード平均の中性子スペクトルは評価でき
たとしても、燃料ノード内の中性子スペクトル分布は評
価し得ないという問題がある。
【0015】また、隣接集合体との中性子のやりとり
(スペクトル干渉効果)により中性子束分布が単一集合
体燃焼計算に比べて歪み、その結果集合体内が不均一に
燃焼することに起因する核定数の変化については、レン
ペらの評価手法では、燃料ノードの辺における燃焼度の
平均値および燃料ノードの体積平均値を記憶し、燃料ノ
ード内の燃焼度分布はこれらの値をもとに双2次式展開
により求めている。
【0016】しかしながら、後述する実施例で示すよう
に、高速群の傾きに起因する燃焼度分布とスペクトル干
渉に起因する燃焼度分布では空間分布が大きく異なるこ
とから、これらの燃焼度分布の区別せずに、2次式展開
を行なうことは精度上問題がある。
【0017】また、燃料ノードの核定数を評価るするた
めの単一集合体燃焼計算は、通常、集合体に制御棒が挿
入されない状態で行なわれる。これは燃料ノード毎に制
御棒の挿入される期間を予め特定することが困難なため
である。集合体に制御棒が挿入されると、熱中性子が制
御棒に吸収されてスペクトルの硬化が生じる。
【0018】したがって、制御棒が挿入されたままで燃
焼した場合と、通常の燃焼を行なって瞬時に制御棒が挿
入された場合とでは、スペクトル履歴の差による核定数
の差が生じる。スペクトル履歴の差による核定数の差を
制御棒履歴効果と呼ぶ。制御棒履歴効果は、スペクトル
履歴効果の一種であるが、制御棒は集合体内に局在して
いるために、集合体内での局所的なスペクトル履歴の変
化が大きい(片燃え)という特徴がある。片燃えの効果
は特に燃料棒局所出力に対して顕著となるが、レンペの
評価方法および特開平4−320996号公報記載の運
転計画方法では制御棒履歴効果については記述されてい
ない。
【0019】BWRの燃料棒局所出力に対する制御棒履
歴効果の補正方法として、特公平2−11120号公報
(原子炉監視装置)で提案されたものがある。この補正
方法では、片燃えのない時の通常の局所出力ピーキング
と、片燃え効果を考慮した十字型制御棒に最も近い制御
棒の局所出力ピーキングを比較して大きい方を燃料ノー
ドの最大局所出力ピーキングとするものである。片燃え
効果は、燃料ノードの制御棒が挿入されて燃焼した期間
と制御棒が抜けてからの燃焼期間との関数として与えら
れる。
【0020】しかしながら、特公平2−11120号公
報記載の補正方法では、燃料ノード内の他の核定数に対
する効果が考慮されておらず、また、局所出力について
も、十字型制御棒の中心に最も近い燃料棒に対してしか
効果が考慮されていないという問題がある。さらに、隣
接集合体との中性子のやりとりに起因するスペクトル干
渉履歴効果との関係についても考慮されていないという
問題がある。なお、シターマンらが燃料ノードの核定数
の1つである無限増倍率に対する制御棒履歴効果の補正
方法を提案している(S. Sitarman and F.Rahnema,“Co
ntrol BladeHistory Reactivity Model for Criticalit
y Calculations,”Proceedings ofJoint International
Conference on Mathematics and Supercomputing inNu
clear Applications, p222, Karlsruhe,1993)。
【0021】シターマンらの制御棒履歴効果の補正方法
では、制御棒を挿入して燃焼させた場合の核定数と、制
御棒なしの通常の燃焼計算による核定数の荷重平均によ
り、ノードの無限増倍率を求めるものである。しかしな
がら、この手法では、片燃え効果の大きい燃料棒出力に
対する補正は考慮されておらず、また、隣接集合体との
中性子のやりとりに起因するスペクトル干渉履歴効果に
ついても考慮されていないという問題がある。
【0022】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、単一集合体燃焼計算より与えられる核定数を
用いて燃焼履歴効果を補正し、炉心内の出力分布および
ノード内の燃焼出力分布を精度よく短時間で計算できる
原子炉の炉心性能計算方法およびその炉心性能計算装置
を提供することを目的とする。
【0023】本発明の他の目的は、単一集合体燃焼計算
により与えられる核定数を用い、隣接集合体間のスペク
トル干渉履歴効果、燃焼度分布効果、および制御棒履歴
効果による炉心内の出力分布と集合体内の燃料棒出力分
布に対する補正を、統一的に短時間で精度良く計算でき
る原子炉の炉心性能計算方法およびその炉心性能計算装
置を提供するものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明に係る原子炉の炉
心性能計算装置は、上述した課題を解決するために、請
求項1に記載したように、炉心からの炉心状態パラメー
タを取り入れて燃料ノード内の核定数を算出し、炉心内
の高速中性子束分布と燃料ノードの漸近スペクトルを計
算する炉心3次元中性子拡散計算装置と,この中性子拡
散計算装置からの高速中性子束分布と漸近スペクトルを
入力して燃料ノード内のスペクトル分布を求めるスペク
トル分布計算装置と,このスペクトル分布計算装置から
のスペクトル分布を用いて燃料ノード内のスペクトル履
歴と燃焼度分布を計算する積算装置と,この積算装置か
らのスペクトル分布と燃焼度分布を用いて燃料ノード内
核定数に対するスペクトル履歴補正量と燃焼度分布補正
量を算出する補正計算装置と,このスペクトル履歴補正
量および燃焼度分布補正量を入力して燃料ノード内の局
所出力分布を計算する局所出力分布計算装置とを備え、
前記炉心3次元中性子拡散計算装置は前記補正計算装置
からのスペクトル履歴補正量および燃焼度分布補正量を
フィードバックして収束計算により炉心内の中性子束分
布を算出するようにしたものである。
【0025】上述した課題を解決するために、本発明に
係る原子炉の炉心性能計算装置は、請求項2に記載した
ように、積算装置は、燃料ノード内のスペクトル分布を
入力して、燃料ノード内のスペクトル履歴を算出するス
ペクトル履歴計算装置と燃焼度分布を算出する燃焼度分
布計算装置とを備える一方、補正計算装置は、積算装置
からの出力により、燃料ノード核定数に対するスペクト
ル履歴補正量を計算するスペクトル履歴計算補正装置と
燃焼度分布補正量を算出する燃焼度分布補正計算装置と
を備えたものである。
【0026】また、本発明に係る原子炉の炉心性能計算
装置は、上述した課題を解決するために、請求項3に記
載したように、炉心からの炉心状態パラメータを取り入
れて燃料ノード内の核定数を算出し、炉心内の高速中性
子束分布と燃料ノードの漸近スペクトルを計算する炉心
3次元中性子拡散計算装置と,この中性子拡散計算装置
からの高速中性子束分布と漸近スペクトルを入力して燃
料ノード内のスペクトル分布を求めるスペクトル分布計
算装置と,このスペクトル分布計算装置からのスペクト
ル分布を用いて燃料ノード内のスペクトル履歴と燃焼度
分布を計算する積算装置と,この積算装置からのスペク
トル分布と燃焼度分布を用いて燃料ノード内核定数に対
するスペクトル履歴補正量と燃焼度分布補正量を算出す
る補正計算装置と,制御棒の挿入期間およびその引抜期
間を積算して燃料ノード内の制御棒履歴を計算する制御
棒履歴計算装置と,この制御棒履歴計算装置からの制御
棒履歴を入力して燃料ノードの核定数に対する補正量を
計算する制御棒履歴補正計算装置と,前記補正計算装置
からのスペクトル履歴補正量および燃焼度分布補正量な
らびに制御棒履歴補正計算装置からの制御棒履歴補正量
を入力して燃料ノード内の局所出力分布を計算する局所
出力分布計算装置とを備え、前記炉心3次元中性子拡散
計算装置は前記補正計算装置からのスペクトル履歴補正
量および燃焼度分布補正量ならびに制御棒履歴補正計算
装置からの制御棒履歴補正量をフィードバックさせて収
束計算により炉心内の中性子束分布を算出するようにし
たものである。
【0027】一方、本発明に係る原子炉の炉心性能計算
方法は、上述した課題を解決するために、請求項4に記
載したように、原子炉の炉心を小体積(燃料ノード)に
分割し、単一集合体燃焼計算により与えられる前記小体
積に対する核定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは
輸送方程式を解くことにより炉心内の中性子束分布およ
び集合体内の燃料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性
能計算方法において、前記小体積が隣接する小体積との
中性子のやりとりを受けて燃焼したことに起因する前記
核定数の単一集合体燃焼計算からの変化を、前記小体積
内の高速中性子束に対する熱中性子束の比の燃焼度平均
値を用いて求め、前記補正に用いる前記小体積内の高速
中性子に対する熱中性子の比の分布を、前記小体積とそ
れを囲む隣接領域からなる炉心内の小領域に対する拡散
方程式を解くことにより求める方法である。
【0028】上述した課題を解決するために、本発明に
係る原子炉の炉心性能計算方法は、請求項5に記載した
ように、小体積内の高速中性子に対する熱中性子の比の
分布を、前記小体積の辺上での比の値を境界値として中
性子拡散方程式を解析的に解いて得られる解析解による
非分離型の展開により求める方法である。
【0029】さらに、本発明に係る原子炉の炉心性能計
算方法は、上述した課題を解決するために、請求項6に
記載したように、原子炉の炉心を小体積に分割し、単一
集合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する核
定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式を
解くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内の
燃料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法に
おいて、前記小体積が隣接する小体積との中性子のやり
とりを受けて燃焼したことに起因する前記核定数の単一
集合体燃焼計算からの変化を、前記小体積内の高速中性
子束に対する熱中性子束の比の燃焼度平均値を用いて求
め、前記小体積内の高速中性子束に対する熱中性子束の
比の燃焼度平均値の分布を、前記小体積の辺上での燃焼
度平均値を境界値とする中性子拡散方程式の解析解によ
る非分離型の展開により求める方法である。
【0030】また、本発明に係る原子炉の炉心性能計算
方法は、上述した課題を解決するために、請求項7に記
載したように、原子炉の炉心の小体積に分割し、単一集
合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する核定
数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式を解
くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内の燃
料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法にお
いて、前記小体積が隣接する小体積との中性子のやりと
りを受けて燃焼したことに起因する前記核定数の単一集
合体燃焼計算からの変化を求め、隣接する小体積との中
性子のやりとりに基づく前記小体積内の燃焼度の分布
を、高速中性子束の傾きに基づく成分とスペクトルの歪
みに基づく成分に分け、高速中性子束の傾きに基づく成
分は前記小体積の辺上における値を境界値とする双多段
項式展開により求め、スペクトルの歪みに基づく成分は
前記小体積の辺上での値を境界値とする中性子拡散方程
式の解析解による非分離型の展開により求める方法であ
る。
【0031】またさらに、本発明に係る原子炉の炉心性
能計算方法は、上述した課題を解決するために、請求項
8に記載したように、原子炉の炉心を小体積に分割し、
単一集合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対す
る核定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程
式を解くことにより炉心内の中性子束分布および集合体
内の燃料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方
法において、前記小体積が隣接する小体積との中性子の
やりとりを受けて燃焼したことに起因する前記核定数の
単一集合体燃焼計算からの変化を、前記小体積内の高速
中性子束に対する熱中性子束の比の燃焼度平均値を用い
て求め、前記補正に用いる前記小体積の核定数の高速中
性子束に対する熱中性子束の比の燃焼度平均値に対する
感度係数は、前記小体積の燃焼度および水密度の燃焼度
平均値の関数である方法である。
【0032】他方、本発明に係る原子炉の炉心性能計算
方法は、上述した課題を解決するために、請求項9に記
載したように、原子炉の炉心を小体積に分割し、単一集
合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する核定
数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式を解
くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内の燃
料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法にお
いて、前記小体積が隣接する小体積との中性子のやりと
りを受けて燃焼したことに起因する前記核定数の単一集
合体燃焼計算からの変化を、前記小体積内の高速中性子
束に対する熱中性子束の比の燃焼度平均値を用いて求
め、前記補正に用いる前記小体積の核定数の高速中性子
束に対する熱中性子束の比の燃焼度平均値に対する感度
係数は、前記小体積に対して中性子の漏れ出しあるいは
漏れ込みを考慮した集合体計算により求める方法であ
る。
【0033】また、本発明に係る原子炉の炉心性能計算
方法は、上述した課題を解決するために、請求項10に
記載したように、原子炉の炉心を小体積に分割し、単一
集合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する核
定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式を
解くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内の
燃料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法に
おいて、前記小体積が隣接する小体積との中性子のやり
とりを受けて燃焼したことに起因する前記核定数の単一
集合体燃焼計算からの変化を求め、補正に用いる核定数
の燃焼度に対する感度係数は、燃料棒1本のみからなる
単位セル燃焼計算により求めるか、あるいは、集合体平
均核定数に対する燃焼度の進んだ点の燃焼度依存性か
ら、燃焼度に関する多項式近似により求める方法であ
る。
【0034】さらに、本発明に係る原子炉の炉心性能計
算方法は、上述した課題を解決するために、請求項11
に記載したように、原子炉の炉心を小体積に分割し、単
一集合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する
核定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式
を解くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内
の燃料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法
において、前記小体積が隣接する小体積との中性子のや
りとりを受けて燃焼したことに起因する前記核定数の単
一集合体燃焼計算からの変化を求め、補正に用いる核定
数の燃焼度および高速中性子束に対する熱中性子束の比
の燃焼度平均値に対する感度係数は、可燃性毒物を含ま
ない燃料棒と可燃性毒物を含む燃料棒に対して別個に与
える方法である。
【0035】さらにまた、本発明に係る原子炉の炉心性
能計算方法は、上述した課題を解決するために、請求項
12に記載したように、原子炉の炉心を小体積に分割
し、単一集合体燃焼計算により与えられる前記小体積に
対する核定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送
方程式を解くことにより炉心内の中性子束分布および集
合体内の燃料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計
算方法において、前記小体積に制御棒が挿入されて燃焼
したことに起因する核定数の単一集合体燃焼計算からの
変化を、前記小体積に制御棒が挿入された場合の集合体
非均質計算により与えられる前記小体積内の高速中性子
束に対する熱中性子束の比の分布を用いて算出した高速
中性子束に対する熱中性子束の比の燃焼度平均値を用い
て補正する方法である。
【0036】また、本発明に係る原子炉の炉心性能計算
方法は、上述した課題を解決するために、請求項13に
記載したように、原子炉の炉心を小体積に分割し、単一
集合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する核
定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式を
解くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内の
燃料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法に
おいて、前記小体積が隣接する小体積との中性子のやり
とりを受けて燃焼したことに起因する前記核定数の単一
集合体燃焼計算からの変化に対しては、前記小体積内の
高速中性子束に対する熱中性子束の比の燃焼度平均値を
用いて補正するとともに、前記小体積に制御棒が挿入さ
れて燃焼したことに起因する核定数の単一集合体燃焼計
算からの変化に対しては、制御棒が挿入された期間の燃
焼度積算値と制御棒が引き抜かれた後の燃焼度積算値を
用いた補正を加える方法である。
【0037】上述した課題を解決するために、本発明に
係る原子炉の炉心性能計算方法は、請求項14に記載し
たように、前記小体積に制御棒が挿入されたことに起因
する前記小体積内における核定数の単一集合体燃焼計算
からの変化量を、制御棒からの距離に応じた補正係数を
用いて求める方法である。
【0038】また、本発明に係る原子炉の炉心性能計算
方法は、上述した課題を解決するために、請求項15に
記載したように、原子炉の炉心を小体積に分割し、単一
集合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する平
均核定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程
式を解くことにより集合体内の燃料棒出力分布を計算す
る原子炉の炉心性能計算方法において、前記小体積が隣
接する小体積との中性子のやりとりを受けて燃焼したこ
とに起因する前記小体積内の燃料棒出力を補正し、燃料
棒の局所出力に対する補正を各燃料棒の局所ピーキング
の燃焼度および高速中性子束に対する熱中性子束の比の
燃焼度平均値に対する感度係数を用いて行なう方法であ
る。
【0039】上述した課題を解決するために、本発明に
係る原子炉の炉心性能計算方法は、請求項16に記載し
たように、炉心の小領域のなかで熱的に厳しい数個の燃
料棒を候補者として選択し、この候補者に対して、核定
数の単一集合体燃焼計算からの変化を考慮した燃料棒出
力を計算する方法である。
【0040】また、本発明に係る原子炉の炉心性能計算
方法は、上述した課題を解決するために、請求項17に
記載したように、原子炉の炉心を小体積に分割し、単一
集合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する核
定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式を
解くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内の
燃料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法に
おいて、前記小体積が隣接する小体積との中性子のやり
とりを受けて燃焼したことに起因する前記核定数の単一
集合体燃焼計算からの変化を考慮した燃料棒出力を用い
て、燃料棒の焼損の監視指標である限界出力比を計算す
る方法である。
【0041】さらに、本発明に係る原子炉の炉心性能計
算方法は、上述した課題を解決するために、請求項18
に記載したように、原子炉の炉心を小体積に分割し、単
一集合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する
核定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式
を解くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内
の燃料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法
において、前記小体積に制御棒が挿入されて燃焼したこ
とに起因する前記核定数の単一集合体燃焼計算からの変
化を考慮した燃料棒出力を用いて、燃料棒の焼損の監視
指標である限界出力比を計算する方法である。
【0042】
【作用】本発明に係る原子炉の炉心性能計算方法および
装置によれば、上述した構成により、(1)燃料ノード
内のスペクトルの空間分布を、既知の修正1群モデルを
用いて着目ノードの近傍のみで決定し、計算時間の短縮
を図ることができ、(2)着目ノード内のスペクトル分
布とスペクトル履歴分布に対して、拡散方程式の解析解
による非分離型の展開を行なうことによりスペクトル履
歴効果の計算精度を向上させることができ、(3)燃料
ノード内の燃焼度分布は、高速群の傾きの寄与とスペク
トルの歪みの寄与に分離して展開することにより燃焼度
分布効果の精度を向上させることができ、(4)核定数
の燃焼度分布およびスペクトル履歴分布に対する感度計
数の計算精度を向上させることができ、(5)スペクト
ル干渉履歴の効果と制御棒履歴の効果を組み合せること
ができる。
【0043】これにより精度よく炉心内の出力分布(中
性子束分布)および燃料ノード内の燃料棒出力分布を計
算することができる。
【0044】請求項1記載の原子炉の炉心性能計算装置
においては、集合体が炉心内でスペクトルの異なる他の
集合体との間の中性子のやりとりを受けて燃焼した場合
でも、単一集合体燃焼計算より与えられる核定数のみを
用いて燃焼履歴効果を補正し、十分短かい計算時間で、
精度良く炉心内の出力分布および集合体内の燃料棒出力
分布を計算できる。
【0045】請求項2に記載の原子炉の炉心性能計算装
置においては、積算装置を用いて燃料ノード内のスペク
トル分布と燃焼度分布を求め、このスペクトル分布と燃
焼度分布を補正計算装置により補正したので燃料ノード
内のスペクトル分布と燃焼度分布を精度よく求めること
ができ、炉心内の出力分布および燃料ノード内の燃料棒
出力分布を迅速かつ正確に求めることかできる。
【0046】請求項3に記載の原子炉の炉心性能計算装
置によれば、集合体が炉心内でスペクトルの異なる他の
集合体との間の中性子のやりとりを受けて燃焼したり、
集合体に制御棒が挿入されて燃焼した場合でも、単一集
合体燃焼計算より与えられる核定数のみを用いて燃焼履
歴効果を補正し、十分短かい計算時間で、精度良く炉心
内の出力分布および集合体内の燃料棒出力分布を計算で
きる。
【0047】請求項4に記載の原子炉の炉心性能計算方
法においては、集合体サイズの燃料ノード(小体積)の
中心では、中性子スペクトルは単一集合体燃焼計算にお
ける漸近値に近付く性質を利用して、スペクトル分布計
算装置により、着目ノード内の中性子スペクトルを炉心
内の小領域において拡散方程式を解くことにより計算す
ることができ、これにより、熱中性子に対する全炉心計
算を行なうことなく、燃料ノード内のスペクトル履歴を
精度よく求めることができ、計算時間を大幅に短縮でき
る。
【0048】請求項5に記載の原子炉の炉心性能計算方
法においては、スペクトル分布計算装置を用いて、燃料
ノード(小体積)内のスペクトル分布を、燃料ノードの
辺上の点での中性子スペクトルの値を境界値として拡散
方程式を解析的に解いて非分解型の展開により求めるこ
とにより、拡散方程式を解く時間をさらに短縮してスペ
クトル履歴を計算することができる。
【0049】請求項6に記載の原子炉の炉心性能計算方
法においては、燃料ノード(小体積)内のスペクトル分
布に対する展開式をスペクトル履歴分布についても適用
し、スペクトル履歴計算装置により、燃料ノードの辺上
の値により、非分離型の展開によりスペクトル履歴を求
め、スペクトル履歴分布の精度を向上させたものであ
る。
【0050】請求項7に記載の原子炉の炉心性能計算方
法においては、隣接ノードとの中性子のやりとりによる
燃料ノード内の燃焼度分布に対する高速群の傾きの寄与
とスペクトル干渉の寄与とを分離することにより、燃料
ノード内の燃焼度分布を、燃焼度分布計算装置により精
度よく計算し、燃料ノード内の燃焼度分布に起因する核
定数の補正精度の向上を図ることができるようにしたも
のである。
【0051】請求項8に記載の原子炉の炉心性能計算方
法においては、隣接ノードとの中性子のやりとりに起因
するスペクトル干渉履歴の補正に用いる核定数のスペク
トル履歴に対する感度係数に、履歴水密度への依存性を
考慮し、スペクトル履歴補正計算装置により、感度係数
を燃焼度と履歴水密度ないし履歴ボイド率の関数として
表わして感度係数を向上させたものである。
【0052】請求項9に記載の原子炉の炉心性能計算方
法においては、スペクトル履歴補正計算装置により感度
係数を中性子の漏出、あるいは漏れ込みを考慮した集合
体燃焼計算により求め(隣接ノードとの中性子のやりと
りに起因するスペクトル干渉履歴の補正に用いる)核定
数のスペクトル履歴に対する感度係数の精度を向上させ
たものである。
【0053】請求項10に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、隣接リードとの中性子のやりとりに起
因する燃料ノード内の燃焼度分布の核定数の燃焼度依存
性を、燃焼度分布補正計算装置を用いて単位セル燃焼計
算により求めるか、あるいは集合体平均定数に対して燃
焼度の進んだ点での燃焼度依存性から燃焼度に関する多
項式近似(2次式フィット)により求め、核定数の変化
の補正に用いる核定数の燃焼度依存性の精度を向上させ
たものである。
【0054】請求項11に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、補正に用いる核定数の燃焼度や燃焼度
平均値に対する感度係数を燃焼度分布補正計算装置を用
いて通常の燃料棒と可燃性毒物を含む燃料棒で別個に与
え、隣接ノードとの中性子のやりとりに起因する燃料ノ
ード内のスペクトル履歴および燃焼度分布による補正に
用いる核定数の精度の向上を図るようにしたものであ
る。
【0055】請求項12に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、制御棒挿入によるスペクトル履歴の空
間分布を正しく評価するために、非均質詳細計算により
与えられる、制御棒が挿入された場合の集合体内の高速
中性子束に対する熱中性子束の比の分布を用いて、制御
棒履歴計算装置により、制御棒挿入ノード内のスペクト
ル履歴を計算することにより、制御棒履歴効果をスペク
トル履歴感度係数を用いて計算し、これにより制御棒履
歴効果をスペクトル履歴効果として統一的に扱い得るよ
うにしたものである。
【0056】請求項13に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、制御棒履歴効果の局所性を考慮し、制
御棒履歴計算装置を用いて制御棒履歴の計算をスペクト
ル履歴係数を用いることなく直接的に行ない、隣接集合
体との中性子のやりとりによるスペクトル干渉履歴の補
正と足し合せ、スペクトル干渉履歴の補正と矛盾なく計
算することができるようにしたものである。
【0057】請求項14に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、制御棒履歴効果の空間的分布を考慮
し、制御棒履歴補正計算装置を用いて、制御棒履歴効果
による核定数の単一集合体燃焼計算からの変化を、予め
計算しておいて制御棒からの距離の関数として補正し、
制御棒履歴効果を直接補正するようにしたものである。
【0058】請求項15に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、燃料ノード内の燃料棒出力変化を補正
するとき、燃料棒の局所出力に対する補正を局所出力分
布計算装置を用いて各燃料棒の局所出力の燃焼度および
スペクトル履歴に対する感度係数を用いて行ない、熱群
核分離断面積等の核定数に対する感度係数を用いること
なく、簡便に局所出力分布を直接補正することができる
ものである。
【0059】請求項16に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、隣接するノードとの中性子のやりとり
を受けて燃焼したことに起因するノード内の燃料棒出力
の変化を補正する場合、局所出力分布計算装置を用いて
熱的に最も厳しくなるであろうと予測される数個の燃料
棒を候補者として選択し、この候補者に対して核定数の
単一集合体計算からの変化を考慮した局所出力ピーキン
グを計算することにより、燃料棒出力計算に要する時間
を大幅に短縮することができる。このことは、オンライ
ンでの炉心性能監視に好適に適用できる。
【0060】請求項17に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、隣接するノードとの中性子のやりとり
を受けて燃焼したことに起因する燃料ノード内の核定数
の変化を考慮した燃料棒出力を用いて、燃料棒の焼損
(バーンアウト)の監視指標である限界出力比を局所出
力分布計算装置を用いて計算することにより、限界出力
比の計算精度を向上させることができる。
【0061】請求項18に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、集合体に制御棒が挿入されて燃焼した
ことに起因する燃料ノード内の核定数の変化を考慮した
燃料棒出力を用いて、局所出力分布計算装置によりR因
子を計算するこにより、燃料棒のバーンアウトの監視指
標である限界出力比を精度良く計算することができる。
【0062】このように、本発明の炉心性能計算方法お
よび装置によれば、 (1)燃料ノード内のスペクトル履歴分布を着目ノード
の近傍のみで、拡散方程式の解析解による非分離型展開
を用いて精度良く求めることができるために、スペクト
ル履歴効果の精度が向上する。 (2)燃焼度分布効果については、燃料ノード内の燃焼
度分布を高速群の傾きの寄与とスペクトル干渉の寄与に
分けて計算でき、燃料ノード内燃焼度分布の計算精度が
向上する。 (3)制御棒履歴効果については、その効果の局所性を
考慮して、スペクトル履歴効果を計算する。
【0063】したがって、短時間で精度良く炉心内の出
力分布および燃料ノード内の燃料棒出力分布に対するス
ペクトル干渉履歴効果、燃焼度分布効果および制御棒履
歴効果を補正することが可能となる。
【0064】
【実施例】以下、本発明の一実施例について添付図面を
参照して説明する。
【0065】本発明に係る原子炉の炉心性能計算を説明
するに当り、この原子炉の炉心性能計算の基本的な考え
方を説明する。
【0066】この原子炉の炉心性能計算においては、原
子炉の炉心を小体積(燃料ノード)に分割し、この燃料
ノード内の中性子スペクトルの空間分布の決定に、既知
の修正1群モデルを使用する。そして、この修正1群モ
デルに基づき、着目ノードの近傍のみで拡散方程式を解
いて燃料ノード内の中性子スペクトル(熱群中性子束の
高速群中性子束に対する比)の分布を求めることによ
り、燃料ノード内のスペクトル履歴分布および燃焼度分
布を計算する。スペクトル履歴分布および燃焼度分布は
数値計算によってもよいが、さらに計算時間を短縮する
ために、スペクトル分布を拡散方程式の解析解を用いた
非分離型の展開により表す。
【0067】燃料ノード内の中性子スペクトルの空間分
布の決定方法の詳細については、岩本らの文献(T.Iwam
oto and M.Tsuiki, “New Nodal Diffusion and Pin Po
werCalculationd Method Based on Modified One Group
Scheme, ”Proceedings ofthe Topical Meeting on Ad
vance in Reactor Physics, Charleston, USA,pl-476,1
992)に記述されている。燃料ノード内の位置rおける中
性子スペクトルf(r)は、次式で表わされる。
【0068】
【数3】 なお、添え字jは、燃料ノードの4辺を表わし(図2参
照)、kは燃料ノードの4頂点を表わし、j1 ,j2 は
頂点kを挟む2辺をそれぞれ表わしている。展開係数C
j(C1 〜4 ),Ck(C5 〜8 )は燃料ノードの辺上
の点(図2に白丸で示す。)における中性子スペクトル
により決定される。
【0069】スペクトル履歴の分布は燃料ノード内の中
性子スペクトル分布と漸近スペクトルの比を燃焼度平均
することにより得られるが、この場合も、燃料ノードの
辺上のスペクトル履歴のみを記憶し、燃料ノード内の中
性子スペクトル分布は、(3)式と同様の解析解による
非分離型との展開により表わすことが可能である。さら
に、燃料ノード内のスペクトル履歴分布をもとに、燃料
ノード内の燃焼度分布のうち、隣接ノードとの中性子の
やりとり(スペクトル干渉効果)による中性子スペクト
ルの歪に基づく成分を計算できる。
【0070】制御棒履歴効果は、スペクトル履歴効果の
一種ではあるが、燃料ノード内でのスペクトル履歴効果
の局所性が大きいために、そのスペクトル履歴効果を考
慮して、スペクトル干渉履歴効果と組み合せる。
【0071】図1は本発明に係る原子炉の炉心性能計算
の第1実施例に示すブロック図である。
【0072】この炉心性能計算装置10は、原子炉の炉
心11からの出力データである炉心状態パラメータを入
力する炉心3次元中性子拡散計算装置12と、この炉心
3次元中性子拡散計算装置12で演算された高速中性子
束分布および漸近スペクトルを入力する燃料ノード内ス
ペクトル分布計算装置13と、このスペクトル分布計算
装置13で計算された燃料ノード内スペクトル分布を入
力する積算装置14と、この積算装置14で計算された
スペクトル履歴と燃焼度分布を入力する補正計算装置1
5と、燃料ノード内局所出力分布計算装置16から構成
される。
【0073】このうち、炉心3次元中性子拡散計算装置
12は炉心11から炉心状態パラメータを取り入れて、
燃料ノード内の核定数を算出し、既知の修正一群拡散計
算に基づいて炉心内の高速中性子束分布と燃料ノードの
漸近スペクトルを計算する。
【0074】また、燃料ノード内スペクトル計算装置1
3は、炉心3次元中性子拡散計算装置12から高速中性
子束分布と漸近スペクトルを入力され、燃料ノード内の
スペクトル分布を解析的に求める。
【0075】求められた燃料ノード内スペクトル分布を
積算装置14に入力している。この積算装置14は燃料
ノード内スペクトル履歴計算装置18と燃料ノード内燃
焼度分布計算装置19とを備えており、燃料ノード内の
スペクトル分布を入力して演算し、燃料ノード内のスペ
クトル履歴と燃焼度分布を計算するようになっている。
【0076】一方、補正計算装置16は燃料ノード内核
定数スペクトル履歴補正計算装置20と燃料ノード内核
定数燃焼度分布補正計算装置21とを備えており、これ
らの補正計算装置20,21はスペクトル履歴と燃焼度
分布を入力して燃料ノード核定数に対するスペクトル履
歴補正量および燃焼度分布補正量を出力するようになっ
ている。
【0077】スペクトル履歴補正量および燃焼度分布補
正量の計算結果は3次元中性子拡散計算装置11にフィ
ードバックされ、収束計算により炉心10内の中性子束
分布を算出する。
【0078】また、燃料ノード内局所出力分布計算装置
16は、スペクトル履歴補正装置15により燃料ノード
内核定数に対するスペクトル履歴補正量および燃焼度分
布補正量を入力して、燃料ノード内の局所出力分布を計
算するようになっている。
【0079】ところで、原子炉の炉心性能計算装置10
に備えられる燃料ノード内スペクトル分布計算装置13
は、着目する燃料ノード(以下、着目ノードという。)
23内の中性子スペクトルを、図2に示されるような着
目ノード23を囲む8つの燃料ノード24よりなる炉心
11内の小領域において拡散方程式を解くことにより計
算する。これは、熱中性子の拡散距離がノ燃料ード幅に
比べて小さく、集合体サイズの燃料ノードの中心では、
スペクトルは単一集合体燃焼計算における漸近値に近付
くという性質を利用したものであり、各燃料ノードの中
心において、スペクトルの漸近値を境界条件として与え
ることにより数値計算により解くことができる。これに
より、熱中性子に対する全炉心計算を行なうことなく、
燃料ノード内スペクトル履歴を精度良く求めることが可
能となり、計算時間を大幅に短縮できる。
【0080】次に、燃料ノード内スペクトル分布計算装
置13の変形例を説明する。
【0081】この変形例に示された燃料ノード内はスペ
クトル分布計算装置13は、拡散方程式を解く時間をさ
らに短縮し、燃料ノード内の中性子スペクトル分布を、
図2の白丸で示される燃料ノード24の辺上の点での中
性子スペクトルの値を境界値として、(3)式で表わさ
れる拡散方程式の解析解による非分離型の展開により表
わし、燃料ノード24内のスペクトル履歴を計算する。
白丸の点における中性子スペクトルは前述した岩本氏ら
の文献に示されるように既知の修正1群モデルにより解
析的に与えられる。
【0082】また、燃料ノード内スペクトル分布を入力
して演算する燃料ノード内スペクトル履歴計算装置18
は、燃料ノード内のスペクトル履歴分布の精度を向上す
るものである。レンペらの評価手法では、燃料ノードの
辺でのスペクトル履歴の値から、燃料ノード内のスペク
トル履歴を1次元的に展開していたために精度が不十分
であった。このスペクトル履歴計算装置18では、燃料
ノード内スペクトル分布に対する展開式(3)をスペク
トル履歴分布についても適用し、燃料ノードの辺上の値
より、非分離型の展開により求める。
【0083】燃料ノード内の位置rにおけるスペクトル
履歴SH(r)は、
【数4】 1 〜8 は図2の白丸で示される燃料ノード24の辺上
の点におけるスペクトル履歴により定めることができる
履歴係数である。この履歴係数d1 〜8 により、燃料ノ
ード内のスペクトル履歴の2次元分布に対して計算精度
の向上を図ることができる。このスペクトル分布計算装
置13の効果を示す例として、低濃縮燃料に囲まれた高
濃縮燃料内のスペクトル履歴の1からのズレについて、
このスペクトル履歴計算装置18による計算例(黒丸
印)と詳細計算(白丸印)との比較を図3に示す。
【0084】次に、燃料ノード内のスペクトル分布を受
けて演算する燃料ノード内燃焼度分布計算装置19につ
いて説明する。
【0085】この燃焼度分布計算装置19は、隣接ノー
ドとの中性子のやりとりによるノード内の燃焼度の分布
に起因する核定数の補正精度の向上方法を付与するもの
である。
【0086】レンペらの評価手法では、燃料ノードの辺
における燃焼度の平均値および燃料ノードの体積平均値
のみを記憶し、燃料ノード内の燃焼度分布は燃焼度の平
均値およびノードの体積平均値をもとに双2次式展開に
より求めている。このために、スペクトルの空間的歪み
に基づく成分を正しく表わすことができない。
【0087】例として、ある燃料ノードにおける瞬時的
なスペクトル干渉による燃料棒局所出力分布の単一集合
体燃焼計算からの変化と、その変化のうちのスペクトル
干渉の寄与および高速中性子束の傾きの寄与を図4に示
す。これからわかるように、スペクトル干渉の寄与は燃
料ノードの表面付近で指数関数的に大きな変化をしてい
るのに対して、高速群の寄与は燃料ノード全体でなだら
かに変化している。
【0088】本実施例では、燃焼度分布に対する高速群
の傾きの寄与とスペクトル干渉の寄与を分離することに
より、燃料ノード内の燃焼度分布を精度良く計算でき
る。すなわち、高速中性子束の傾きに基づく成分は燃料
ノードの辺上における燃焼度から双多項式展開により求
め、スペクトルの歪みに基づく成分は燃料ノードの辺上
の値からスペクトル履歴と同様の解析関数による非分離
型の展開により表わす。
【0089】燃料ノード内燃焼度分布のノード平均燃焼
度Eからのズレ8(r)は、スペクトル干渉に基づく成
分δESH(r)と高速中性子束の傾きに基づく成分δE
FG(r)の和で与えられる。スペクトル干渉に基づく成
分による燃料ノード内燃焼度分布のノード平均燃焼度E
からのズレδESH(r)は、次式で表わされる。
【0090】
【数5】 燃料ノード内燃焼度分布のノード平均燃焼度Eからのス
ペクトル干渉成分のズレδESH(r)は(2)式より求
めることができ、また、(5)式の右辺第2項の積分は
燃料集合体のインチャンネル領域での積分を示し、した
がって、右辺第2項は集合体の燃料棒部分の平均のスペ
クトル履歴の1からのズレを表わしている。
【0091】
【数6】 展開係数gは図2に示す燃料ノードの4中点の値より計
算される。
【0092】原子炉の炉心性能計算装置10に備えられ
る補正計算装置15としての燃料ノード内核定数スペク
トル履歴補正計算装置20を説明する。このスペクトル
履歴補正計算装置20は、隣接ノードとの中性子のやり
とり(スペクトル干渉効果)に起因するスペクトル干渉
履歴の補正に用いる核定数のスペクトル履歴に対する感
度係数の精度の向上に関するものである。
【0093】このスペクトル履歴補正計算装置20は、
感度係数を燃焼度と履歴水密度ないし履歴ボイド率の関
数とするものである。図5および図6は、それぞれ無限
増倍率および熱群核分裂断面積のスペクトル履歴に対す
る感度係数の燃焼変化を示したものである。これより、
感度係数には履歴ボイド率、すなわち履歴水密度に対す
る依存性があることがわかる。
【0094】
【外2】
【0095】
【数7】
【0096】また、燃料ノード内核定数スペクトル履歴
補正装置20として次の変形例も考えられる。この変形
例のスペクトル履歴補正装置20は、隣接ノードとの中
性子のやりとり(スペクトル干渉効果)に起因するスペ
クトル干渉履歴の補正に用いる核定数のスペクトル履歴
に対する感度係数の精度の向上に関するものであり、感
度係数はを中性子の漏れ出しあるいは漏れ込みを考慮し
た集合体燃焼計算により求めるものである。
【0097】レンペらの評価手法では、感度係数は履歴
ボイド率を変えることで中性子スペクトルを変化させた
単一集合体燃焼計算より抽出している。しかしながら、
ボイド率が変化することによる中性子のスペクトル変化
は集合体内でほぼ均一であるのに対して、隣接集合体と
の中性子のやりとり(スペクトル干渉効果)によるスペ
クトル変化は、図3に示したようにノード表面で大きい
という大きな違いがある。
【0098】したがって、集合体内に濃縮度分布や可燃
性毒物の濃度分布のある通常の集合体では、スペクトル
変化を与えるやり方により、感度係数に差が生じる。例
として、より現実に近いと考えられる中性子の漏れ込み
をアルベト境界条件により与えた単一集合体燃焼計算に
よる感度係数と、ボイド履歴を変えた燃焼計算により抽
出した感度係数の比較を、図5に示す。ここで三角印が
アルベト計算による感度係数である。これより、ホイド
履歴により抽出した感度係数にはかなりの誤差のあるこ
とがわかる。
【0099】また、原子炉の炉心性能計算装置10に備
えられる補正計算装置15は燃料ノード内核定数燃焼度
分布補正計算装置21を有する。この燃焼度分布補正計
算装置21は、隣接ノードとの中性子のやりとりに起因
する燃料ノード内の燃焼度分布による核定数の変化の補
正に用いる核定数の燃焼度依存性の精度の向上に関する
ものである。この実施例では核定数の燃焼度依存性を、
燃料棒1本よりなる単位セル燃焼計算により求めるか、
あるいは集合体平均定数に対して燃焼度の進んだ点での
燃焼度依存性より、燃焼度に関する2次式フィットによ
り求めるものである。
【0100】図8の白丸は、ある燃料集合体について、
集合体平均の熱群核分離断面積の燃焼度依存性を履歴ボ
イド率(VH)を0%,40%,70%について示した
ものである。これに対して、燃焼度10GWd/st以
上の燃焼度で2次式フィットさせた熱群核分裂断面積を
併せて示してある。
【0101】ある燃料棒についての熱群核分裂断面積は
本来は燃焼度に関する単調減少関数であるにも拘らず、
白丸の集合体平均値がそうなっていないのは、集合体内
の濃縮度分布および可燃性毒物の分布によるものであ
る。このように平均核定数を用いた場合は、燃料棒出力
に対する燃焼度分布効果を正しく補正できないが、本実
施例の方法を用いれば正しく評価できる。
【0102】次に、原子炉の炉心性能計算装置10に備
えられる燃焼ノード内燃焼度分布補正計算装置21の変
形例について説明する。
【0103】この燃焼度分布補正計算装置21は、隣接
ノードとの中性子のやりとりに起因するノード内のスペ
クトル履歴および燃焼度分布による補正に用いる核定数
の精度の向上に関するものである。この実施例では補正
に用いる核定数を可燃性毒物を有さない通常の燃料棒と
可燃性毒物を含む燃料棒で別個に与えるものである。補
正に用いる核定数を別個に与えるのは、可燃性毒物を含
む燃料棒では核定数の燃焼特性が通常の燃料棒と大きく
異なるためである。これにより、特に燃料棒出力分布の
精度が向上する。
【0104】また、炉心性能計算装置10には燃料ノー
ド内局所出力分布計算装置16が組み込まれている。こ
の局所出力分布計算装置16は隣接する燃料ノードとの
中性子のやりとりを受けて燃焼したことに起因する燃料
ノード内の燃料棒出力の変化を放射性する方法におい
て、燃料棒の局所出力に対する補正を各燃料棒の局所出
力の燃焼度およびスペクトル履歴に対する感度係数を用
いて行なうものである。この実施例では熱群核分裂断面
積等の核定数に対する感度係数を用いることなく、簡便
に局所出力分布を直接補正することができる。
【0105】燃料ノード内局所分布計算装置16は次の
ように構成してもよい。
【0106】この局所出力分布計算装置16は、隣接す
る燃料ノードとの中性子のやりとりを受けて燃焼したこ
とに起因する燃料ノード内の燃料棒出力の変化を補正す
る際に、熱的に最も厳しくなるであろうと予測される数
個の燃料棒を候補者として選択し、この候補者に対して
核定数の単一集合体燃焼計算からの変化を考慮した局所
出力ピーキングを計算するものである。
【0107】燃焼履歴効果を受けたことにより着目燃料
棒rの熱群の核分裂断面積Σf2が変化した場合の局所出
力ピーキング係数p(r)は、
【数8】 式(8)の分母の積分は集合体のインチャンネル(燃料
棒)部分での積分を表わしたものであり、式(8)の分
母は、燃焼履歴を受けた燃料棒領域平均の局所出力を表
わし、局所出力分布の再規格化を示している。局所出力
分布は燃料ノード内全燃料棒の出力の平均値を1.0に
規格化した相対出力であるので、p(r)の平均値は
1.0である。
【0108】式(8)において、熱群断面積の変化が燃
料ノード内スペクトル履歴および燃料ノード内燃焼度分
布によりもたらされるとすると、候補者に対する局所出
力ピーキングの燃焼履歴補正δp(r)は以下の式で表
わすことができる。
【0109】
【数9】 右辺第1項の積分の意味は、式(5)と同じであり、集
合体の燃料棒部分の平均のスペクトル履歴の1からのズ
レを表わしている。
【0110】右辺の[ ]内の第1項は、スペクトル履
歴の1からのズレに起因する局所出力ピーキングの単一
集合体燃焼計算からのズレが、燃料棒rにおけるスペク
トル履歴の1からのズレと燃料棒部分平均のスペクトル
履歴の1からのズレの差分に比例することを表わしてい
る。局所出力ピーキングは燃料ノード内全燃料棒の平均
値を1.0に規格化した相対出力であるから、燃料ノー
ド内のスペクトル履歴が一様であれば、スペクトル履歴
の効果は各燃料棒に対して同一であり、これによる局所
出力の変化は生じないことを意味している。
【0111】候補者としては、単一集合体燃焼計算にお
いて、集合体を数個の領域に分割し、各領域での最大局
所出力ピーキングを持つ燃料棒とすることが適当であ
る。このように、候補者について補正を行なうことによ
り、燃料棒出力計算に要する時間を大幅に短縮すること
が可能となる。このことは、本発明をオンラインでの炉
心性能監視に適用する場合において特に重要である。
【0112】燃料ノード内局所出力分布計算装置16の
さらに他の変形例を説明する。
【0113】この変形例に示される局所出力分布装置1
6は、隣接する燃料ノードとの中性子のやりとり(スペ
クトル干渉効果)を受けて燃焼したことに起因する燃料
ノード内の核定数の変化を考慮した燃料棒出力を用い
て、燃料棒の焼損(バーンアウト)の監視指標である限
界出力比を計算するというものである。ここで、限界出
力比とは、燃料棒が沸騰遷移を起こす集合体出力(限界
出力)と現在の集合体出力の比として定義される。限界
出力比は、例えば、「株式会社東芝:沸騰水型原子力発
電所GETABの概要、TLR−009(改訂1)、1
981年6月」に示されているように炉心圧力、沸騰長
さ、冷却水質量流束、加熱長さ、熱的等価直径、および
燃料集合体内の局所出力分布を特徴付けるR因子の関数
である「限界クオリティ相関式」を用いて計算される。
【0114】本実施例では、隣接する燃料ノードとの中
性子のやりとり(スペクトル干渉効果)を受けて燃焼し
たことに起因する燃料ノード内の核定数の変化を考慮し
た燃料棒出力を用いて、R因子を計算することにより限
界出力比の計算精度を向上することが可能となる。
【0115】燃料ノード内局所出力分布計算装置16の
さらに他の変形例では、後述するように、集合体に制御
棒が挿入されて燃焼したことに起因する燃料ノード内の
核定数の変化を考慮した燃料棒出力を用いて、R因子を
計算することにより、燃料棒のバーンアウトの監視指標
である限界出力比を精度良く計算することができる。
【0116】次に本発明に係る原子炉の炉心性能計算装
置の他の実施例を説明する。
【0117】図9は本発明に係る原子炉の炉心性能計算
装置の他の実施例をブロック図である。
【0118】この実施例に示された炉心性能計算装置1
0Aは図1に示す炉心性能計算装置10に燃料ノード内
制御棒履歴計算装置25と燃料ノード内核定数制御棒履
歴補正計算装置26を備えたものである。
【0119】図9に示された炉心性能計算装置10A
は、図1に示した炉心性能計算装置10に加えて、燃料
ノード内制御棒履歴計算装置25を設け、この制御棒履
歴計算装置25は制御棒の挿入された期間および引き抜
き後の期間の積算を行ない、その計算結果を燃料ノード
内核定数制御棒履歴補正計算装置26に入力させる。こ
の制御棒履歴補正装置26は制御棒履歴計算装置25よ
り制御棒履歴を取り込んで燃料ノードの核定数に対する
補正量を計算する。これら補正結果は炉心3次元中性子
拡散計算装置11にフィードバックされ、収束計算によ
り炉心10内の中性子束分布を算出する。
【0120】また、この炉心性能計算装置10Aに備え
られる燃料ノード内局所出力分布計算装置16は、スペ
クトル履歴補正計算装置15より、燃料ノード内のスペ
クトル履歴と燃焼度分布による核定数補正量を、燃料ノ
ード内核定数制御棒履歴補正装置26から核定数制御棒
履歴補正量をそれぞれ入力して、燃料ノード内の局所出
力分布を計算するようになっている。
【0121】さらに、炉心性能計算装置10Aに備えら
れる燃料ノード内制御棒履歴計算装置25は、制御棒挿
入後の期間および引抜後の期間を積算して制御棒履歴が
計算される。この制御棒計算装置26は制御棒履歴の計
算に関するものである。
【0122】集合体に制御棒が挿入されて燃焼したこと
に伴う履歴効果はスペクトル履歴効果の一種ではある
が、制御棒が空間的に局在していることにより、制御棒
周辺でのプルトニウムの蓄積とウランの燃焼の遅れが大
きい。この一例を図10に示す。
【0123】図10において、黒丸はある集合体につい
て燃焼度が0GWd/stから10GWd/stまでの
間、制御棒を挿入して燃焼させ、その後制御棒を引き抜
いて燃焼させた場合の無限増倍率と、最初から制御棒な
しで燃焼させた場合の無限増倍率の差を示したものであ
る。履歴ボイド率(VH)はどちらも40%である。制
御棒引き抜き直後において無限増倍率の変化がジャンプ
しているのは、制御棒が引き抜かれたことにより、プル
トニウムの蓄積の大きかった制御棒周辺のインポータン
スが高くなったことによる。
【0124】これに対して三角印は、制御棒が挿入され
た場合の集合体平均のスペクトル履歴に対して、ボイド
履歴計算より抽出したスペクトル履歴感度係数を用いて
計算した例である。同じ集合体平均のスペクトル履歴変
化量に対して、制御棒挿入期間中はかなり良く制御棒履
歴効果を再現しているが、制御棒引き抜き後の誤差が大
きいことがわかる。これは先に述べたように制御棒挿入
によるスペクトル履歴の空間的分布を考慮していないた
めである。
【0125】そこで、この制御棒履歴計算装置では、制
御棒挿入によるスペクトル履歴の空間分布を正しく評価
するために、非均質詳細計算により与えられる。制御棒
が挿入された場合の集合体内の高速中性子束に対する熱
中性子束の比の分布を用いて、制御棒挿入燃料ノード内
のスペクトル履歴を計算することにより、制御棒履歴効
果をスペクトル履歴感度係数を用いて計算するものであ
る。これにより制御棒履歴効果をスペクトル履歴効果と
して統一的に扱うことができる。
【0126】また、燃料ノード内核定数制御棒履歴計算
装置25は次のように構成してもよい。
【0127】この制御棒履歴計算装置25の実施例で
は、制御棒履歴効果の特殊性を考慮して、制御棒履歴の
補正はスペクトル履歴感度係数を用いることなく直接的
に行ない、隣接集合体との中性子のやりとり(スペクト
ル干渉効果)によるスペクトル干渉履歴の補正と足し合
せるというものである。実施例では制御棒履歴効果につ
いては、制御棒が挿入されて燃焼した期間と、制御棒が
抜けてからの燃焼期間との関数により制御棒履歴効果を
計算し、隣接ノードからの中性子の漏れ込みによるスペ
クトル履歴効果はスペクトル履歴感度係数を用いて計算
する。
【0128】制御棒履歴効果の計算は、図10に示され
るように、制御棒挿入中は、制御棒挿入燃焼度の2次式
で、また制御棒引き抜き後は制御棒が引き抜かれた後の
燃焼度の指数関数として表わすことができる。これによ
り、制御棒履歴効果の局所性を考慮し、またスペクトル
干渉履歴補正と矛盾無く計算することが可能となる。
【0129】一方、燃料ノード内核定数制御棒履歴補正
計算装置26は制御棒履歴計算装置25で計算された制
御棒履歴効果を受け入れて、この制御棒履歴効果を直接
補正するものである。
【0130】この制御棒履歴補正計算装置26の実施例
は、制御棒履歴効果を直接補正する場合において、制御
棒履歴効果の空間的分布を考慮するものである。図11
は図10の制御棒履歴計算において、制御棒引き抜き直
後の制御棒の局所出力分布と通常の燃焼時の局所出力分
布の差(%)を示すものである。これより、局所出力分
布は十字型制御棒の中心に最も近い(1,1)燃料棒で
最も大きく、制御棒から遠くなるにつれて小さくなるこ
とがわかる。したがって、制御棒履歴効果による核定数
の単一集合体燃焼計算からの変化を、予め計算しておい
た制御棒からの距離の関数として補正する。
【0131】このように、この炉心性能計算装置は、ス
ペクトル分布計算装置13,スペクトル履歴計算装置1
8,燃焼度分布計算装置19,スペクトル履歴補正計算
装置20,燃焼度分布補正計算装置21,制御棒履歴計
算装置25,局所出力分布計算装置16を備えて、炉心
性能計算による炉心の実効増倍率および最大線出力密度
に対する燃焼履歴効果と、全炉心詳細計算によるそれと
の比較を12に示す。この炉心性能計算装置10Aは、
詳細計算を良く再現している。
【0132】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係る原子
炉の炉心性能計算方法および装置によれば、上述した構
成により、(1)燃料ノード内のスペクトルの空間分布
を、既知の修正1群モデルを用いて着目ノードの近傍の
みで決定し、計算時間の短縮を図ることができ、(2)
着目ノード内のスペクトル分布とスペクトル履歴分布に
対して、拡散方程式の解析解による非分離型の展開を行
なうことによりスペクトル履歴効果の計算精度を向上さ
せることができ、(3)燃料ノード内の燃焼度分布は、
高速群の傾きの寄与とスペクトルの歪みの寄与に分離し
て展開することにより燃焼度分布効果の精度を向上させ
ることができ、(4)核定数の燃焼度分布およびスペク
トル履歴分布に対する感度計数の計算精度を向上させる
ことができ、(5)スペクトル干渉履歴の効果と制御棒
履歴の効果を組み合せることができる。
【0133】これにより精度よく炉心内の出力分布(中
性子束分布)および燃料ノード内の燃料棒出力分布を計
算することができる。
【0134】請求項1に記載の原子炉の炉心性能計算装
置においては、集合体が炉心内でスペクトルの異なる他
の集合体との間の中性子のやりとりを受けて燃焼した場
合でも、単一集合体燃焼計算より与えられる核定数のみ
を用いて燃焼履歴効果を補正し、十分短い計算時間で、
精度良く炉心内の出力分布および集合体内の燃料棒出力
分布を計算できる。
【0135】請求項2に記載の原子炉の炉心性能計算装
置においては、積算装置を用いて燃料ノード内のスペク
トル分布と燃焼度分布を求め、このスペクトル分布と燃
焼度分布を補正計算装置により補正したので、燃料ノー
ド内のスペクトル分布と燃焼度分布を精度よく求めるこ
とができ、炉心内の出力分布および燃料ノード内の燃料
棒出力分布を迅速かつ正確に求めることかできる。
【0136】請求項3に記載の原子炉の炉心性能計算装
置によれば、集合体が炉心内でスペクトルの異なる他の
集合体との間の中性子のやりとりを受けて燃焼したり、
集合体に制御棒が挿入されて燃焼した場合でも、単一集
合体燃焼計算より与えられる核定数のみを用いて燃焼履
歴効果を補正し、十分短かい計算時間で、精度良く炉心
内の出力分布および集合体内の燃料棒出力分布を計算で
きる。
【0137】請求項4に記載の原子炉の炉心性能計算方
法においては、集合体サイズの燃料ノード(小体積)の
中心では、中性子スペクトルは単一集合体燃焼計算にお
ける漸近値に近付く性質を利用して、スペクトル分布計
算装置により、着目ノード内の中性子スペクトルを炉心
内の小領域において拡散方程式を解くことにより計算す
ることができ、これにより、熱中性子に対する全炉心計
算を行なうことなく、燃料ノード内のスペクトル履歴を
精度よく求めることができ、計算時間を大幅に短縮でき
る。
【0138】請求項5に記載の原子炉の炉心性能計算方
法においては、スペクトル分布計算装置を用いて、燃料
ノード(小体積)内のスペクトル分布を、燃料ノードの
辺上の点での中性子スペクトルの値を境界値として拡散
方程式を解析的に解いて非分解型の展開により求めるこ
とにより、拡散方程式を解く時間をさらに短縮してスペ
クトル履歴を計算することができる。
【0139】請求項6に記載の原子炉の炉心性能計算方
法においては、燃料ノード(小体積)内のスペクトル分
布に対する展開式をスペクトル履歴分布についても適用
し、スペクトル履歴計算装置により、燃料ノードの辺上
の値により、非分離型の展開によりスペクトル履歴を求
め、スペクトル履歴分布の精度を向上させたものであ
る。
【0140】請求項7に記載の原子炉の炉心性能計算方
法においては、隣接ノードとの中性子のやりとりによる
燃料ノード内の燃焼度分布に対する高速群の傾きの寄与
とスペクトル干渉の寄与とを分離することにより、燃料
ノード内の燃焼度分布を、燃焼度分布計算装置により精
度よく計算し、燃料ノード内の燃焼度分布に起因する核
定数の補正精度の向上を図ることができるようにしたも
のである。
【0141】請求項8に記載の原子炉の炉心性能計算方
法においては、隣接ノードとの中性子のやりとりに起因
するスペクトル干渉履歴の補正に用いる核定数のスペク
トル履歴に対する感度係数に、履歴水密度への依存性を
考慮し、スペクトル履歴補正計算装置により、感度係数
を燃焼度と履歴水密度ないし履歴ボイド率の関数として
表わして感度係数を向上させたものである。
【0142】請求項9に記載の原子炉の炉心性能計算方
法においては、スペクトル履歴補正計算装置により感度
係数を中性子の漏出、あるいは漏れ込みを考慮した集合
体燃焼計算により求め(隣接ノードとの中性子のやりと
りに起因するスペクトル干渉履歴の補正に用いる)、核
定数のスペクトル履歴に対する感度係数の精度を向上さ
せたものである。
【0143】請求項10に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、隣接リードとの中性子のやりとりに起
因する燃料ノード内の燃焼度分布の核定数の燃焼度依存
性を、燃焼度分布補正計算装置を用いて単位セル燃焼計
算により求めるか、あるいは集合体平均定数に対して燃
焼度の進んだ点での燃焼度依存性から燃焼度に関する多
項式近似(2次式フィット)により求め、核定数の変化
の補正に用いる核定数の燃焼度依存性の精度を向上させ
たものである。
【0144】請求項11に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、補正に用いる核定数の燃焼度や燃焼度
平均値に対する感度係数を燃焼度分布補正計算装置を用
いて通常の燃料棒と可燃性毒物を含む燃料棒で別個に与
え、隣接ノードとの中性子のやりとりに起因する燃料ノ
ード内のスペクトル履歴および燃焼度分布による補正に
用いる核定数の精度の向上を図るようにしたものであ
る。
【0145】請求項12に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、制御棒挿入によるスペクトル履歴の空
間分布を正しく評価するために、非均質詳細計算により
与えられる、制御棒が挿入された場合の集合体内の高速
中性子束に対する熱中性子束の比の分布を用いて、制御
棒履歴計算装置により、制御棒挿入ノード内のスペクト
ル履歴を計算することにより、制御棒履歴効果をスペク
トル履歴感度係数を用いて計算し、これにより制御棒履
歴効果をスペクトル履歴効果として統一的に扱い得るよ
うにしたものである。
【0146】請求項13に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、制御棒履歴効果の局所性を考慮し、制
御棒履歴計算装置を用いて制御棒履歴の計算をスペクト
ル履歴係数を用いることなく直接的に行ない、隣接集合
体との中性子のやりとりによるスペクトル干渉履歴の補
正と足し合せ、スペクトル干渉履歴の補正と矛盾なく計
算することができるようにしたものである。
【0147】請求項14に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、制御棒履歴効果の空間的分布を考慮
し、制御棒履歴補正計算装置を用いて、制御棒履歴効果
による核定数の単一集合体燃焼計算からの変化を、予め
計算しておいて制御棒からの距離の関数として補正し、
制御棒履歴効果を直接補正するようにしたものである。
【0148】請求項15に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、燃料ノード内の燃料棒出力変化を補正
するとき、燃料棒の局所出力に対する補正を局所出力分
布計算装置を用いて各燃料棒の局所出力の燃焼度および
スペクトル履歴に対する感度係数を用いて行ない、熱群
核分離断面積等の核定数に対する感度係数を用いること
なく、簡便に局所出力分布を直接補正することができる
ものである。
【0149】請求項16に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、隣接するノードとの中性子のやりとり
を受けて燃焼したことに起因するノード内の燃料棒出力
の変化を補正する場合、局所出力分布計算装置を用いて
熱的に最も厳しくなるであろうと予測される数個の燃料
棒を候補者として選択し、この候補者に対して核定数の
単一集合体計算からの変化を考慮した局所出力ピーキン
グを計算することにより、燃料棒出力計算に要する時間
を大幅に短縮することができる。このことは、オンライ
ンでの炉心性能監視に好適に適用できる。
【0150】請求項17に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、隣接するノードとの中性子のやりとり
を受けて燃焼したことに起因する燃料ノード内の核定数
の変化を考慮した燃料棒出力を用いて、燃料棒の焼損
(バーンアウト)の監視指標である限界出力比を局所出
力分布計算装置を用いて計算することにより、限界出力
比の計算精度を向上させることができる。
【0151】請求項18に記載の原子炉の炉心性能計算
方法においては、集合体に制御棒が挿入されて燃焼した
ことに起因する燃料ノード内の核定数の変化を考慮した
燃料棒出力を用いて、局所出力分布計算装置によりR因
子を計算するこにより、燃料棒のバーンアウトの監視指
標である限界出力比を精度良く計算することができる。
【0152】このように、本発明の炉心性能計算方法お
よび装置によれば、 (1)燃料ノード内のスペクトル履歴分布を着目ノード
の近傍のみで、拡散方程式の解析解による非分離型展開
を用いて精度良く求めることができるために、スペクト
ル履歴効果の精度が向上する。
【0153】(2)燃焼度分布効果については、燃料ノ
ード内の燃焼度分布を高速群の傾きの寄与とスペクトル
干渉の寄与に分けて計算でき、燃料ノード内燃焼度分布
の計算精度が向上する。
【0154】(3)制御棒履歴効果については、その効
果の局所性を考慮して、スペクトル履歴効果を計算す
る。
【0155】したがって、短時間で精度良く炉心内の出
力分布および燃料ノード内の燃料棒出力分布に対するス
ペクトル干渉履歴効果、燃焼度分布効果および制御棒履
歴効果を補正することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉の炉心性能計算装置の一実
施例を示すブロック図。
【図2】本発明に係る原子炉の炉心性能計算装置の計算
体系を示すブロック図。
【図3】燃料ノード内の中性子スペクトルの単一集合体
燃焼計算装置からのスペクトル変化を示す図。
【図4】燃料ノード内の燃料棒出力の単一集合体からの
変化例を示すもので、(a)は局所出力ピーキングの単
一集合体燃焼計算からの差,(b)は中性子スペクトル
の歪みの寄与,(c)は高速中性子束の傾きの寄与をそ
れぞれ示す図。
【図5】燃料ノード内核定数のスペクトル履歴に対する
感度係数(無限増倍率)を示す図。
【図6】燃料ノード内核定数のスペクトル履歴に対する
感度係数(熱群核分裂断面積)を示す図。
【図7】スペクトル履歴感度係数に履歴水密度依存性を
もたせた場合の炉心固有値の比較効果を示す図。
【図8】熱群核分裂断面積の燃焼度依存性を示す図。
【図9】本発明に係る原子炉の炉心性能計算装置の他の
実施例を示すブロック図。
【図10】無限増倍率に対する制御棒履歴効果を比較し
て示す図。
【図11】燃料棒局所出力(局所出力ピーキング係数)
に対する制御棒履歴効果を示した図。
【図12】本発明に係る原子炉の炉心性能計算装置の精
度を原子炉炉心の非均質詳細計算と比較してスペクトル
干渉履歴効果を示す図。
【符号の説明】
10,10A 原子炉の炉心性能計算装置 11 炉心 12 炉心3次元中性子拡散計算装置 13 燃料ノード内スペクトル分布計算装置 14 積算装置 15 補正計算装置 16 燃料ノード内局所出力分布計算装置 18 燃料ノード内スペクトル履歴計算装置 19 燃料ノード内燃焼度分布計算装置 20 燃料ノード内核定数スペクトル履歴補正計算装置 21 燃料ノード内核定数燃焼度分布履歴補正計算装置 23,24 燃料ノード 25 燃料ノード内制御棒履歴計算装置 26 燃料ノード内核定数制御棒履歴補正計算装置

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉心からの炉心状態パラメータを取り入
    れて燃料ノード内の核定数を算出し、炉心内の高速中性
    子束分布と燃料ノードの漸近スペクトルを計算する炉心
    3次元中性子拡散計算装置と,この中性子拡散計算装置
    からの高速中性子束分布と漸近スペクトルを入力して燃
    料ノード内のスペクトル分布を求めるスペクトル分布計
    算装置と,このスペクトル分布計算装置からのスペクト
    ル分布を用いて燃料ノード内のスペクトル履歴と燃焼度
    分布を計算する積算装置と,この積算装置からのスペク
    トル分布と燃焼度分布を用いて燃料ノード内核定数に対
    するスペクトル履歴補正量と燃焼度分布補正量を算出す
    る補正計算装置と,このスペクトル履歴補正量および燃
    焼度分布補正量を入力して燃料ノード内の局所出力分布
    を計算する局所出力分布計算装置とを備え、前記炉心3
    次元中性子拡散計算装置は前記補正計算装置からのスペ
    クトル履歴補正量および燃焼度分布補正量をフィードバ
    ックして収束計算により炉心内の中性子束分布を算出す
    るようにしたことを特徴とする原子炉の炉心性能計算装
    置。
  2. 【請求項2】 積算装置は、燃料ノード内のスペクトル
    分布を入力して、燃料ノード内のスペクトル履歴を算出
    するスペクトル履歴計算装置と燃焼度分布を算出する燃
    焼度分布計算装置とを備える一方、補正計算装置は、積
    算装置からの出力により、燃料ノード核定数に対するス
    ペクトル履歴補正量を計算するスペクトル履歴計算補正
    装置と燃焼度分布補正量を算出する燃焼度分布補正計算
    装置とを備えた請求項1に記載の原子炉の炉心性能計算
    装置。
  3. 【請求項3】 炉心からの炉心状態パラメータを取り入
    れて燃料ノード内の核定数を算出し、炉心内の高速中性
    子束分布と燃料ノードの漸近スペクトルを計算する炉心
    3次元中性子拡散計算装置と,この中性子拡散計算装置
    からの高速中性子束分布と漸近スペクトルを入力して燃
    料ノード内のスペクトル分布を求めるスペクトル分布計
    算装置と,このスペクトル分布計算装置からのスペクト
    ル分布を用いて燃料ノード内のスペクトル履歴と燃焼度
    分布を計算する積算装置と,この積算装置からのスペク
    トル分布と燃焼度分布を用いて燃料ノード内核定数に対
    するスペクトル履歴補正量と燃焼度分布補正量を算出す
    る補正計算装置と,制御棒の挿入期間およびその引抜期
    間を積算して燃料ノード内の制御棒履歴を計算する制御
    棒履歴計算装置と,この制御棒履歴計算装置からの制御
    棒履歴を入力して燃料ノードの核定数に対する補正量を
    計算する制御棒履歴補正計算装置と,前記補正計算装置
    からのスペクトル履歴補正量および燃焼度分布補正量な
    らびに制御棒履歴補正計算装置からの制御棒履歴補正量
    を入力して燃料ノード内の局所出力分布を計算する局所
    出力分布計算装置とを備え、前記炉心3次元中性子拡散
    計算装置は前記補正計算装置からのスペクトル履歴補正
    量および燃焼度分布補正量ならびに制御棒履歴補正計算
    装置からの制御棒履歴補正量をフィードバックさせて収
    束計算により炉心内の中性子束分布を算出するようにし
    たことを特徴とする原子炉の炉心性能計算装置。
  4. 【請求項4】 原子炉の炉心を小体積(燃料ノード)に
    分割し、単一集合体燃焼計算により与えられる前記小体
    積に対する核定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは
    輸送方程式を解くことにより炉心内の中性子束分布およ
    び集合体内の燃料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性
    能計算方法において、前記小体積が隣接する小体積との
    中性子のやりとりを受けて燃焼したことに起因する前記
    核定数の単一集合体燃焼計算からの変化を、前記小体積
    内の高速中性子束に対する熱中性子束の比の燃焼度平均
    値を用いて求め、前記補正に用いる前記小体積内の高速
    中性子に対する熱中性子の比の分布を、前記小体積とそ
    れを囲む隣接領域からなる炉心内の小領域に対する拡散
    方程式を解くことにより求めることを特徴とする原子炉
    の炉心性能計算方法。
  5. 【請求項5】 小体積内の高速中性子に対する熱中性子
    の比の分布を、前記小体積の辺上での比の値を境界値と
    して中性子拡散方程式を解析的に解いて得られる解析解
    による非分離型の展開により求める請求項4に記載の原
    子炉の炉心性能計算方法。
  6. 【請求項6】 原子炉の炉心を小体積に分割し、単一集
    合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する核定
    数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式を解
    くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内の燃
    料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法にお
    いて、前記小体積が隣接する小体積との中性子のやりと
    りを受けて燃焼したことに起因する前記核定数の単一集
    合体燃焼計算からの変化を、前記小体積内の高速中性子
    束に対する熱中性子束の比の燃焼度平均値を用いて求
    め、前記小体積内の高速中性子束に対する熱中性子束の
    比の燃焼度平均値の分布を、前記小体積の辺上での燃焼
    度平均値を境界値とする中性子拡散方程式の解析解によ
    る非分離型の展開により求めることを特徴とする原子炉
    の炉心性能計算方法。
  7. 【請求項7】 原子炉の炉心を小体積に分割し、単一集
    合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する核定
    数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式を解
    くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内の燃
    料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法にお
    いて、前記小体積が隣接する小体積との中性子のやりと
    りを受けて燃焼したことに起因する前記核定数の単一集
    合体燃焼計算からの変化を求め、隣接する小体積との中
    性子のやりとりに基づく前記小体積内の燃焼度の分布
    を、高速中性子束の傾きに基づく成分とスペクトルの歪
    みに基づく成分に分け、高速中性子束の傾きに基づく成
    分は前記小体積の辺上における値を境界値とする双多項
    式展開により求め、スペクトルの歪みに基づく成分は前
    記小体積の辺上での値を境界値とする中性子拡散方程式
    の解析解による非分離型の展開により求めることを特徴
    とする原子炉の炉心性能計算方法。
  8. 【請求項8】 原子炉の炉心を小体積に分割し、単一集
    合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する核定
    数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式を解
    くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内の燃
    料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法にお
    いて、前記小体積が隣接する小体積との中性子のやりと
    りを受けて燃焼したことに起因する前記核定数の単一集
    合体燃焼計算からの変化を、前記小体積内の高速中性子
    束に対する熱中性子束の比の燃焼度平均値を用いて求
    め、前記補正に用いる前記小体積の核定数の高速中性子
    束に対する熱中性子束の比の燃焼度平均値に対する感度
    係数は、前記小体積の燃焼度および水密度の燃焼度平均
    値の関数であることを特徴とする原子炉の炉心性能計算
    方法。
  9. 【請求項9】 原子炉の炉心を小体積に分割し、単一集
    合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する核定
    数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式を解
    くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内の燃
    料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法にお
    いて、前記小体積が隣接する小体積との中性子のやりと
    りを受けて燃焼したことに起因する前記核定数の単一集
    合体燃焼計算からの変化を、前記小体積内の高速中性子
    束に対する熱中性子束の比の燃焼度平均値を用いて求
    め、前記補正に用いる前記小体積の核定数の高速中性子
    束に対する熱中性子束の比の燃焼度平均値に対する感度
    係数は、前記小体積に対して中性子の漏れ出しあるいは
    漏れ込みを考慮した集合体計算により求めることを特徴
    とする原子炉の炉心性能計算方法。
  10. 【請求項10】 原子炉の炉心を小体積に分割し、単一
    集合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する核
    定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式を
    解くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内の
    燃料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法に
    おいて、前記小体積が隣接する小体積との中性子のやり
    とりを受けて燃焼したことに起因する前記核定数の単一
    集合体燃焼計算からの変化を求め、補正に用いる核定数
    の燃焼度に対する感度係数は、燃料棒1本のみからなる
    単位セル燃焼計算により求めるか、あるいは、集合体平
    均核定数に対する燃焼度の進んだ点の燃焼度依存性か
    ら、燃焼度に関する多項式近似により求めることを特徴
    とする原子炉の炉心性能計算方法。
  11. 【請求項11】 原子炉の炉心を小体積に分割し、単一
    集合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する核
    定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式を
    解くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内の
    燃料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法に
    おいて、前記小体積が隣接する小体積との中性子のやり
    とりを受けて燃焼したことに起因する前記核定数の単一
    集合体燃焼計算からの変化を求め、補正に用いる核定数
    の燃焼度および高速中性子束に対する熱中性子束の比の
    燃焼度平均値に対する感度係数は、可燃性毒物を含まな
    い燃料棒と可燃性毒物を含む燃料棒に対して別個に与え
    ることを特徴とする原子炉の炉心性能計算方法。
  12. 【請求項12】 原子炉の炉心を小体積に分割し、単一
    集合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する核
    定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式を
    解くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内の
    燃料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法に
    おいて、前記小体積に制御棒が挿入されて燃焼したこと
    に起因する核定数の単一集合体燃焼計算からの変化を、
    前記小体積に制御棒が挿入された場合の集合体非均質計
    算により与えられる前記小体積内の高速中性子束に対す
    る熱中性子束の比の分布を用いて算出した高速中性子束
    に対する熱中性子束の比の燃焼度平均値を用いて補正す
    ることを特徴とする原子炉の炉心性能計算方法。
  13. 【請求項13】 原子炉の炉心を小体積に分割し、単一
    集合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する核
    定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式を
    解くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内の
    燃料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法に
    おいて、前記小体積が隣接する小体積との中性子のやり
    とりを受けて燃焼したことに起因する前記核定数の単一
    集合体燃焼計算からの変化に対しては、前記小体積内の
    高速中性子束に対する熱中性子束の比の燃焼度平均値を
    用いて補正するとともに、前記小体積に制御棒が挿入さ
    れて燃焼したことに起因する核定数の単一集合体燃焼計
    算からの変化に対しては、制御棒が挿入された期間の燃
    焼度積算値と制御棒が引き抜かれた後の燃焼度積算値を
    用いた補正を加えることを特徴とする原子炉の炉心性能
    計算方法。
  14. 【請求項14】 前記小体積に制御棒が挿入されたこと
    に起因する前記小体積内における核定数の単一集合体燃
    焼計算からの変化量を、制御棒からの距離に応じた補正
    係数を用いて求める請求項13に記載の原子炉の炉心性
    能計算方法。
  15. 【請求項15】 原子炉の炉心を小体積に分割し、単一
    集合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する平
    均核定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程
    式を解くことにより集合体内の燃料棒出力分布を計算す
    る原子炉の炉心性能計算方法において、前記小体積が隣
    接する小体積との中性子のやりとりを受けて燃焼したこ
    とに起因する前記小体積内の燃料棒出力を補正し、燃料
    棒の局所出力に対する補正を各燃料棒の局所ピーキング
    の燃焼度および高速中性子束に対する熱中性子束の比の
    燃焼度平均値に対する感度係数を用いて行なうことを特
    徴とする原子炉の炉心性能計算方法。
  16. 【請求項16】 炉心の小領域のなかで熱的に厳しい数
    個の燃料棒を候補者として選択し、この候補者に対し
    て、核定数の単一集合体燃焼計算からの変化を考慮した
    燃料棒出力を計算する請求項4ないし15のいずれかに
    記載の原子炉の炉心性能計算方法。
  17. 【請求項17】 原子炉の炉心を小体積に分割し、単一
    集合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する核
    定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式を
    解くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内の
    燃料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法に
    おいて、前記小体積が隣接する小体積との中性子のやり
    とりを受けて燃焼したことに起因する前記核定数の単一
    集合体燃焼計算からの変化を考慮した燃料棒出力を用い
    て、燃料棒の焼損の監視指標である限界出力比を計算す
    ることを特徴とする原子炉の炉心性能計算方法。
  18. 【請求項18】 原子炉の炉心を小体積に分割し、単一
    集合体燃焼計算により与えられる前記小体積に対する核
    定数を用いて、中性子拡散方程式あるいは輸送方程式を
    解くことにより炉心内の中性子束分布および集合体内の
    燃料棒出力分布を計算する原子炉の炉心性能計算方法に
    おいて、前記小体積に制御棒が挿入されて燃焼したこと
    に起因する前記核定数の単一集合体燃焼計算からの変化
    を考慮した燃料棒出力を用いて、燃料棒の焼損の監視指
    標である限界出力比を計算することを特徴とする原子炉
    の炉心性能計算方法。
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