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JPH08506378A - セルロースを含有する成形材料および紡糸材料 - Google Patents

セルロースを含有する成形材料および紡糸材料

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JPH08506378A
JPH08506378A JP7508850A JP50885095A JPH08506378A JP H08506378 A JPH08506378 A JP H08506378A JP 7508850 A JP7508850 A JP 7508850A JP 50885095 A JP50885095 A JP 50885095A JP H08506378 A JPH08506378 A JP H08506378A
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JP7508850A
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レンツィング アクチェンゲゼルシャフト
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    • D01F2/00Monocomponent artificial filaments or the like of cellulose or cellulose derivatives; Manufacture thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 セルロースと、水性3級アミン酸化物と、非溶剤と、安定剤とをそれぞれ含有し、全体として塩基の作用および抗酸化剤の作用を有する1以上の安定剤を使用するが、ただし塩基の安定剤がリン酸塩ではないことを特徴とする成形材料および紡糸材料。それぞれこの発明による成形材料および紡糸材料は、分解反応の暴走に対して熱的に安定化されている。セルロースおよびアミン酸化物の分解も大幅に防止される。

Description

【発明の詳細な説明】 セルロースを含有する成形材料および紡糸材料 この発明は、それぞれセルロース、水性3級アミン酸化物、セルロースの非溶 剤、特に水、および安定剤を含有する成形材料および紡糸材料に関する。更にこ の発明は、セルロース紡糸材料の調製方法、およびセルロース成形体、特に繊維 およびフィルムの調製方法に関する。 3級アミン酸化物はセルロースの代替的な溶剤であることが知られている。例 えば、US−PS217981号から、3級アミン酸化物は、セルロースを誘導 体に変換する必要なしに溶解させる性質を有し、このような溶液から沈殿によっ て繊維のようなセルロース成形体を得ることができることは公知である。US− PS3447939号、US−PS3447956号およびUS−PS3508 941号では、更なる溶剤として環状のアミン酸化物が推奨されている。それ以 外に、次のものが例として挙げられる:ジメチルエタノールアミンオキシド、ト リエチルアミンオキシド、N−メチルピペリジン−N−オキシド、およびN−メ チルピロリジン−N−オキシド、他の3級アミン酸化物は、本出願人のEP−A −0553070号から公知である。セルロースを溶解する性質を有する全ての 3級アミン酸化物は、次のものとして意図する。この場合、単純化のために、こ の明細書の他の部分で相異するものに言及しない限り、単にNMMO(=N−メ チルモルホリン−N−オキシド)の名称とする。更に、セルロースを含有する成 形材料または紡糸材料は、「NMMO−セルロース溶液」と呼ぶ。 代替的な溶剤としての3級アミン酸化物は、ビスコース法に対して、予め誘導 体に変換することなくNMMOによってセルロースが溶解されるという利点を与 えるものであり、この理由により、セルロースを化学的に再生する必要がない。 NMMOは化学的に変化しないまま残り、沈殿の際に沈殿浴によって捕捉され、 これから新たな溶液を作製するために回収することができる。よって、NMMO 法は、閉鎖された溶剤回路の可能性を与えるものである。加えて、NMMOが有 する毒性は非常に低い。 3級アミン酸化物中でセルロースの溶液を作製する方法は、例えばFR−A2 450293号から公知である。この文献の実施例2によれば、セルロースは、 9.5%の水を含有する水和物として固体の形態で存在するN−メチルモルホリ ン−N−オキシド(NMMO)と混合され、この固体混合物は押出機中で溶融さ れる。その後、水含量が17%未満であればセルロースは溶解する。 出発材料として固体のアミン酸化物(水和物)を使用する方法は、実際に押出 機内で実施することができ、この場合、アミン酸化物水和物の単純な融解によっ てセルロースの溶解が開始される。しかしながら、これらの方法は、市販のアミ ン酸化物水溶液または既に使用した精製後の紡糸浴から開始するものであるため 、コストがかかる。そのための溶液の調製の前に、比較的大量の水を除去してN MMO溶液を濃縮しなければならず、高い蒸発能力を達成できないことから、こ れは押出機内では不可能である。この方法は、それぞれ最初は撹拌した容器内か 、またはミキサー内で行われていた。 液体の表面積と液体の体積との間の比率が望ましくないために、撹拌した容器 を使用する場合は水の除去が貧弱であり、この結果、撹拌した容器内での滞留時 間は数時間となる。この間に、3級アミン酸化物および重合体セルロース鎖の部 分分解も生起する。この方法は、昇温した温度でより起り易い。この部分分解は 、紡糸の信頼性に対して、および例えば引張強度、伸びおよびループ強度のよう な最終製品のある種の性質に対して影響を与える。更に、使用したアミン酸化物 の分解のために、重篤な暗色化が起り得ることが知られている。 NMMO中でのセルロースの分解 セルロースの重合度は、NMMO中に溶解させると減少し、その分子量分布は 狭くなる[Golovaら、Khim Volokna,No.3、第30頁(1987)]。NMMO中の セルロースの「溶融溶液」では、セルロースの純粋に熱的な分解、または熱加水 分解による分解により説明し得るより何倍も速く、最初の鎖の開裂が生起する。 加えて、分解の増加は、NMMOの純度の程度に依存することが観察された[B. Lukanoffら、Acta Polym,35,No.5、第399頁(1984)]。 文献には、NMMO中120℃でセルロースの分解は、加水分解的に起るもの ではなく、重合体セルロース鎖の末端基における「直接酸化的」過程によって起 ることも報告されている。更に、特に金属イオン(例えばFe3+)の存在により 、ラジカル的に開始された鎖の開裂が導かれ、これによりセルロースおよび溶剤 の明らかな分解が導かれる[Buijtenhuijsら、N−メチルモルホリン−N−オキ シド[NMM]に溶解したセルロースの分解および安定化、”Das Papier”中、 40年目、第12巻、第615-619頁、1986]。 NMMO中での熱処理に供したリンター標本のカルボキシル基含量の約2倍の 増加が示され得た(Lukanoffら、前記参照)。 種々の安定剤を使用することにより、NMMO中のみならず、溶液中で極めて 一般的に観察されるセルロースの分解を防止するよう、当業者は長年試みてきた 。これは以下の刊行物に示されている。 アルカリセルロースの場合では、DE−A2000082号から、使用するセ ルロースの酸化的分解を防止するために、アルカリを用いてセルロースを処理す る際に抗酸化剤を添加すべきことが知られている。例えば、ピロカテコール、ピ ロガロールおよび没食子酸が抗酸化剤として挙げられている。抗酸化剤は、加熱 した際にNMMO−セルロース溶液の相対粘度が低下するのを遅くする筈であり 、この場合はヒドロキノンが最も有効であることが分っている[Golovaら、Khim Volokna,No.3、第30頁(1987)]。重合体の分解を低減させるために、クエ ン酸および/またはグルコースを添加すべきことが随所に示唆されている(DE −A3021943号)。EP−A0047929号によれば、これらの添加物 で満足し得る効果を有するものはないが、グリセルアルデヒドのような有機化合 物、および少なくとも4つの炭素原子を有し、2つの共役二重結合および少なく とも2つのヒドロキシル基および/またはアミノ基を有し、少なくとも1つの水 素原子を有する化合物は、より良好な効果を示す筈である。これらの物質も抗酸 化剤として機能する。EP−A0047929号では、最も活性な添加物として 没食子酸プロピルエステル(GPE)が挙げられている。GPEは、一連の後の 参考文献または特許文書でも安定剤として挙げられている[例えば、Buijtenhui jsら(1986)前記参照、Loubinoux D ら、Lenzinger Berichte,No.59、第105 頁(1985)、Text Res J,57,No.2、第16頁(1987)、CA−A125188 0号およびUS−A4880469号]。 しかしながら、GPEは重篤な欠点を有する。すなわち、GPEは全体として 実際にセルロースの分解を抑止しても、酸化可能な末端基における全ゆる反応を 殆ど防止しない[Buijtenhuijsら、(1986)、前記参照]。更にDD−A021 8104号によれば、GPEは、リサイクルさせた場合、NMMO−セルロース 溶液の暗色化を導き、GPEの反応生成物が蓄積する。類似する挙動は、本出願 人のAT−B393841号から公知である。 例示したエステルが基材とする酸である没食子酸も、抗酸化剤としてのみなら ず自動酸化材としても、アスコルビン酸と正に同様に作用し得るものであり、こ れも欠点である。GPEの更に重篤な欠点は、これがNMMO−セルロース溶液 の熱不安定性を除去できない点である(後記参照)。これは、Buijtenhuijsら( 1986、前記参照)によって最初に確立された。本発明の発明者による更なる検討 によって、金属の存在下にある種の条件下で、GPEはNMMO−セルロース溶 液の熱不安定性を増加させ得ることさえが示されている(後記参照)。 DD158656号から、アミン酸化物に対して還元作用を有する物質は、セ ルロースの分解にも対抗することが公知である。このような物質は、以下のよう に例示される:アミン、尿素、ヒドロキシルアミンおよびヒドラジンのような窒 素含有物質、亜硫酸塩類、チオ硫酸塩類、亜ニチオン酸塩類、チオ尿素または硫 黄のような還元作用を有する硫黄含有物質、およびアルデヒドおよび還元糖のよ うな還元作用を有するC、HおよびOを含有する化合物。 DD−A0229708号から、フェノール、特に2,6−ジターシャリーブ チル−p−クレゾール、およびこれらの化合物とアルカリヘキサメタホスフェー トとの混合物は、セルロースの熱酸化分解を防止することが公知である。 純粋に抗酸化剤として作用する化合物を使用することにより、NMMO−セル ロース系における有色成分の生成を低減させることができる[Guthrieら、「セ ルロース源と活用」、J F Kennedy,G O Phillips,P A Williams編(Ellis Hor wood社、Chichester,UK)、第6章、第49頁(1990)]。 また、アミンの存在下でも、セルロースの分解が低減すると言われている[Go lovaら、Vysokomol Soedin,Ser A 28,No.11、第2308頁(1986)]。 NMMOの分解 アミン酸化物は、一般に限定された熱安定性を示すのみであるが、これは構造 に応じて変化する。通常の条件では、NMMOの一水和物は、72℃で融解する 白色結晶固体として存在する。一方、無水化合物は単に172℃で融解する。一 水和物を加熱すると、120/130℃で強い暗色化が起る。175℃では爆発 的な様式で発熱反応が起り、融解物の完全な脱水および激しいガス放出を伴い、 250℃を越える到達温度に達する[前記Taegerら(1985)参照、Langら、Cell Chem Technol,20,No.3、第289頁(1986)]。 NMMOの熱分解によって、主としてN−メチルモルホリン、モルホリン、ホ ルムアルデヒド、N−ホルミルモルホリンおよびCO2が生ずる。この分解は恐 らく一部はラジカル的な性状のものであり、金属イオンによって更に促進される [Taegerら、Formein,Faserstoffe,Fertigware,4、第14-22頁(1985)、お よびTaegerら、Das Papier,No.12、第784頁(1991)]。 金属鉄および銅、特にこれらの塩は、NMMOの分解温度を相当に低下させ、 それぞれの分解速度は同時に増加する[Ferrisら、J Org Chem,33、第3493頁( 1986)、Taegerら(1985)前記参照、Langら(1986)前記参照、Buijtenhuijsら (1986)前記参照]。 セルロース自体が、NMMO一水和物の融解物の分解を強く促進するとしても 、セルロースはNMMO分解過程の速度を増加させるのみであり、その特性には 影響を与えないことが示されている[前記参照、Teagerら(1985)、Langら(19 86)、Buijtenhuijsら(1986)およびGolovaら(1987)]。 EP−A0111518号によれば、リン酸およびホスホン酸並びにそれらの 塩および金属イオンとの複合体は、分解過程の速度を低減させることにより、溶 剤、すなわちNMMOおよびセルロースを安定化させる筈である。また他の参照 文献には、リンを基材とする化合物、特にヘキサメタリン酸ナトリウムおよびヒ ドロキシエチルジホスホン酸の安定化効果が記載されている[前記参照、Guthri eら(1990)]。しかしながら、DD−A0229708号によれば、NMMO −セルロース溶液中でのNMMOの分解は、処理温度では阻害されないか、また は十分には阻害されない。 NMMOおよびセルロースの分解を防止するために、DD−A0218104 号から、セルロース溶液を基準として0.1〜10モル%の量の1以上の塩基物 質をアミン酸化物に添加すべきことが公知である。例えばNaOHのようなアル カリ水酸化物、例えばNa2CO3のような塩基として反応する塩、および有機窒 素塩基が、塩基物質として推奨されている。しかしながら、塩基物質の添加によ りNMMOの熱分解が遅くなるものの、これらは完全な阻害を実現するものでは ない[Langら、Cell Chem Technol,20,No.3、第289頁(1986)]。これに加 えて、本発明の発明者による検討によって、塩基物質の添加によっては長期間熱 にさらした際のセルロースの分解を防止できないことが示された。したがって、 このような塩基を用いる安定化は、NMMO法の両者の要件、すなわちNMMO 分解のみならずセルロース分解をも信頼性良く防止することを同時に満たすには 適切ではない。 分解過程の多重性は、NMMO−セルロース溶液の安定化を困難としている。 多数の最適化実験にも拘らず、NMMOおよびセルロースの分解を満足し得る様 式で同時に防止する際に、前記した安定剤では成功は遥かに遠いものであった。 文献に記載されている問題を解決する多数の試みのあることが、この事実を反映 している。 前記言及した問題に加えて、通常は他の問題がある。すなわち、NMMO−セ ルロース溶液自体の熱不安定性である。これは、昇温した処理温度(約110〜 120℃)では、これらの溶液中に制御不能な分解過程が存在することを意味し 、これはガスの放出のために、激しい爆燃、発火、更に爆発にさえ至り得る。 この溶液、すなわち押出混合物の熱的に不安定な性状については、文献に認め られる証拠は殆どない。この現象に対する最初の明確な言及は、1986年にBu ijtenhuijsらによって行われた。幾つかの状況では、特に金属イオンの存在下で は、紡糸材料中の分解反応は暴走し得る。しかしながら、プラントの部品は金属 で構成されていることから、溶液中の金属イオンは決して排除できない。この暴 走反応は、GPEの添加によっても防止することはできない[Buijtenhuijsら、 1986]。逆に、本発明の発明者による検討によって、GPE並びに良好な錯体形 成特性を有する他の芳香族ヒドロキシ化合物は、金属の存在下でNMMO−セル ロース溶液の熱不安定性を更に増加させることが示された。これは、GPEは、 危険な暴走または爆発を(共同)起動することを意味する(以下も参照)。 NMMOおよびセルロースを適切に安定化させ、同時にNMMO−セルロース 溶液の熱不安定性をも明確に低減させ、よって処理条件下で爆発的な分解を防止 する安定化手段は全く突き止められていない。加熱された紡糸材料の熱不安定性 が特別の問題であることは自明である。これらの紡糸材料は、撹拌容器、ミキサ ー等のような大きい容積を有するプラントの該当部分における安全性リスクであ るからである。 溶液調製段階で爆発の危険を避け、溶液に対する熱ストレスを低いレベルに維 持するために、撹拌容器等に代えたフィルム押出機(filmtruder)内で溶液を調 製することは、EP−A0356419号から公知である。この処理の過程で、 40%までの水含量を有し得るNMMO中のセルロースの懸濁物を層に広げ、フ ィルム押出機の加熱した表面上を移送し、これによりセルロースが溶液になるま で、昇温した温度および低減した圧力に露呈して水を除去する。コストのかから ない方法で、これにより溶液を調製するために必要な温度への懸濁物の迅速な加 熱、および同時に溶液の迅速な調製が可能となる結果、3級アミン酸化物の分解 およびセルロースの分解を大幅に防止することができる。更に、撹拌容器内で溶 液を調製するのと比較すると安全性リスクは実質的に小さい。大量の溶剤に代え て比較的少量の溶剤のみを一度に加熱すべきものであるからである。 したがって、技術的な手段を用いることにより、EP−A0356419号に 記載された方法では、セルロース溶液を調製する際の安全性リスクが低減されて いる。しかしながら、撹拌容器のようにフィルム押出機と紡糸装置との間のライ ン上に位置するプラントの該当部分で、最終溶液を処理する際に発熱、爆燃等が 生ずる可能性がなお存在する。 加熱したNMMO−セルロース溶液の熱不安定性、および随伴する危険は今日 でもなお問題である。これは本発明の出発点であり、その目的は、セルロース処 理の全体的な方法、すなわちセルロース溶液の調製から成形体の実際の調製まで の処理工程を開発することであり、これにより危険な発熱が生起し得ないように し、同時にセルロースおよびNMMOの分解をできるだけ低く維持するようにす る。したがって、本発明の目的は、危険を伴うことなく実施できるようNMMO 処理を更に開発することである。 本発明によれば、言及した目的は、セルロースと、水性3級アミン酸化物と、 非溶剤と、全体として抗酸化剤としてかつ塩基として作用する1以上の安定剤と をそれぞれ含有するが、ただし、塩基の安定剤としてリン酸塩を使用しない成形 材料および紡糸材料によって達成することができる。抗酸化剤およびOH-イオ ンを、好ましくは安定剤として使用する。 「抗酸化剤」という用語は、セルロースの酸化的およびラジカル的分解に対抗 する全ての物質および物質の混合物を含むものとして理解すべきである。スキャ ベンジャーおよび還元剤であっても、当然この用語に該当する。この種の物質に は、ポリフェノール類、ヒドロキシポリカルボン酸類、トリオキシベンゼン類等 があり、これらは例えばDE−A2000082号から公知である。好適な抗酸 化剤はタンニン類であり、またEP−B0047929号で言及されたような物 質、すなわちグリセルアルデヒド、および/または少なくとも4つの炭素原子、 少なくとも2つの共役二重結合、および少なくとも2つのヒドロキシル基および /または、少なくとも1つの水素原子を有するアミノ基を有する1以上の有機化 合物である。ピロカテコール、ピロガロール、没食子酸、および没食子酸のメチ ル、エチル、プロピルおよびイソプロピルエステルが特に好適である。また、ヒ ドロキノン、アントラキノン、および構造的類似物である化合物、並びにそれら の誘導体も抗酸化剤として使用することができる。 この発明は、加熱したNMMO−セルロース溶液で起るセルロースの分解およ び爆発的な暴走分解反応は、溶液を抗酸化剤のみならず適切な量のアルカリを用 いて処理すれば、単純な様式で効果的に防止することができるという知見に基い ている。これは幾つかの様式で行うことができる。よって、例えば、2つの物質 (抗酸化剤および塩基)の混合物を溶液中に存在させることができる。 しかしながら、分子中で両者の作用を組合せたものである限り、単一の物質を 添加することもでき、よってこの物質は抗酸化剤として作用すると共に、適切に 塩基性でもある。この種の物質には、例えばトリス−(2,4,6−ジメチルア ミノ)−フェノールがある。 本発明の範鴫において、十分な最小塩基性度がセルロース溶液に存在するか否 かは、後記するミクロ試験によって決定することができる。いずれの場合でも、 分解過程で生じたカルボン酸が、セルロース溶液を作製するのに使用する水性N MMO中で中和された状態で含まれている場合は、この評価基準が満たされるこ とが示された。これを行うために溶液に添加しなければならない必要な塩基の量 は、単に水性NMMO中での滴定によって決定することができ、これは塩基の好 適な量を表す。セルロース溶液中に塩基の留保物を有するものとして、処理の過 程の間に生ずる更なる酸を緩衝するために、過剰の塩基を添加するのが便利であ る(以下参照)。 この発明によるセルロース溶液に対する抗酸化的および塩基的効果により、溶 液中での爆発的な暴走分解反応が安全に防止されるのみならず、セルロースおよ びNMMOの分解に対して対抗することが保証される。溶液に対する同時的な抗 酸化的および塩基的作用は、セルロース分解の抑制に関して相乗的な効果を有す ることが実際に示されている。 多数の試験に基いて、本発明者らは、閉鎖された系内でのNMMOの加熱の際 に、金属塩および/または金属および/または金属成分の存在下で、より低い値 へと向かうpHの劇的なシフトがあることを確定した。また、NMMO−セルロ ース溶液における分解反応の過程に際して酸が生成され、これによりpHの下降 が起る。このような酸は、NMMOにおけるN−O結合の安定性の低下を導き、 よって更なる分解が導かれる。更に、酸によって金属イオンおよび金属粒子に対 する溶液の感度増加が導かれ、このためにNMMOの分解温度の劇的な低下が起 り、これにより明らかに暴走分解反応が起動され得ることを証明することができ る。 この望ましくない挙動は、塩基の添加によりNMMOを安定化させることによ って実際に対抗できるが、塩基の専らの使用による安定化は強く濃度に依存する ものであり、したがって実施に際しては極めて影響を受け易いものである。 一方では、低い塩基濃度は分解過程に対して殆ど何ら有効な安定化を与ないが 、他方では、高い塩基濃度の使用には疑問があることを示すことができる。特に 加熱時間が長い場合、分解が始まり、これは最初は遅いが、その後はますます急 速となり、セルロースの分解が起るためである。これらの分解過程により酸が形 成され、塩基が消費され、したがってpH値も低い値に向ってシフトする。酸の 含量が増加すると共にNMMOの安定性も減少する。個々の分解過程のこのよう な蓄積によって、いつかはある種の連鎖反応が開始されることが想定される。 抗酸化剤を用いてセルロースを分解に対して更に安定化させると、酸性領域に 向うpHのシフトを停止させることができることがこの度示された。タンニン、 フェノール、芳香族ポリヒドロキシ化合物、および特に没食子酸のプロピルエス テルは、特に適切な抗酸化剤である。抗酸化剤の安定化作用は、塩基性の物質が 同時に存在することによって影響を受けないばかりか、実際には増強される。望 ましくないGPEの副作用、すなわち金属イオンの存在下でNMMO−セルロー ス溶液の熱不安定性を増加させることが克服されるためである。 特に好適なGPEを使用する場合は、塩基は抗酸化剤の作用に影響を与えない という事実は驚くべきものである。GPEはエステルであるから、溶液の調製で は普通である高い温度(>110℃)およびNMMOの塩基性の環境(この発明 によりセルロース溶液を調製するのに使用するNMMO水溶液のpHは、好まし くは>11である)における加水分解によって直ちに破壊されると当業者は想定 するであろうからである。 塩基と抗酸化剤の溶液に対する同時作用の更なる積極的な効果は、抗酸化剤の みの作用と比較して、セルロースの分解が更に阻害されることである。 よって、この発明による抗酸化剤と塩基との組合せ作用によって、それぞれ個 々の薬剤の作用の場合と比較して、セルロースおよびNMMOの分解をなお更に 阻害することが可能であり、更に制御不能な暴走分解過程を防止することができ る。 アルカリ塩、および更にアルカリ土類塩、特に炭酸塩を、水酸化物が使用でき るように塩基として使用することができる。リン酸塩は一般には推奨されず、文 献では安定剤として提案されているリン酸は、その酸性の特性のために本発明の 目的を達成するのに全く不適切である。アミン、および最初に銘記した化合物と アミンとの混合物は十分に適切である。使用のための好適な塩基はアルカリ水酸 化物、特に水酸化ナトリウム、および/またはアミンである。 抗酸化剤として作用する物質として没食子酸のプロピルエステルを含有し、塩 基として作用する物質として水酸化ナトリウムを含有する成形材料または紡糸材 料は、特に有効であることが証明されている。 本発明による成形材料または紡糸材料では、抗酸化剤は、望ましくはセルロー スを基準として少なくとも100ppmの濃度で使用する。 抗酸化剤として作用する物質が、一部または全部ヒドロキシルアミンまたはヒ ドラジン、またはそれぞれこれらの化合物の対応する生成物または誘導体、また は置換された化合物またはこれらの塩である場合が有効であることが示されてい る。本発明の目的を達成するためには、ヒドロキシルアミンは、この発明によれ ば、他の抗酸化剤と、および塩基作用を有する物質と組合せた場合に極めて十分 に適切であることが示されている。NMMOは、使用すべき好適な3級アミンで ある。 またこの発明は、それぞれこの発明による成形材料および紡糸材料の調製方法 にも関するものであり、この方法は、セルロースを水性NMMOに懸濁し、かく して得られたセルロース懸濁物を、熱および低減した圧力を施すことによってそ れぞれ成形材料または紡糸材料へと変換するものであって、この方法は、 (x)予め塩基を添加した水性3級アミン酸化物を使用し、 (y)抗酸化剤として作用する安定剤を含有するセルロース懸濁物を使用する ことを特徴とする。 更にこの発明は、セルロース成形体の連続調製方法に関するものであって、こ の方法は次の工程: (a)セルロースを水性3級アミン酸化物に混合し、これによりセルロース懸 濁物を取得し、 (b)熱および低減した圧力を施すことにより、セルロース懸濁物からセルロ ース溶液を形成し、 (c)セルロース溶液を成形し、水性沈殿浴へと導き、これによりセルロース 成形体および使用した沈殿浴を形成し、 (d)使用した沈殿浴を精製し、 (e)精製した沈殿浴を濃縮し、工程(a)で再度使用する第2の水性3級ア ミン酸化物を取得する、を行い、 工程(c)の後および工程(b)の前に、全体として塩基および抗酸化剤の作 用を有する1以上の安定剤を処理に導入することを特徴とする。 NMMOの回収を伴うセルロース成形体の調製方法は、WO93/11287 号から公知である。使用した沈殿浴の精製は、強い塩基性のイオン交換体によっ て実施する。 この発明による方法の好適な態様は、この発明の方法において、工程(a)の 直前または途中に、抗酸化剤として作用する安定化剤を導入することから構成さ れる。 この発明による方法の更に好適な態様は、工程(c)の後および工程(a)の 前に、塩基として作用する安定剤を処理に導入することを特徴とする。 前記既に詳細に言及したような化合物が、抗酸化剤および塩基として使用する のに最良である。 この発明による方法では、N−メチルモルホリン−N−オキシドを好適な3級 アミン酸化物として使用する。 この発明による方法の特に好適な態様では、セルロース懸濁物からセルロース 溶液を調製するためにフィルム押出機を使用する。 以下の試験によってこの発明を更に説明する。DSC技術(=示差走査測熱法 (differential scanning calorimetry)、使用機器:メトラ圧力DSCサーモ システム4000(Mettler Pressure DSC Thermosystem 4000))を使用し、Buijte nhuijsら[N−メチルモルホリン−N−オキシド(NMM)に溶解したセルロー スの分解および安定化、”Das Papier”中、40年目、第12巻、第615-619頁、198 6]に準じて熱不安定性に関する試験を実施した。 A)紡糸材料に対する酸および/または金属イオンの効果 紡糸材料の熱安定性に対する酸および/または金属または金属イオンそれぞれ の望ましくない効果は、以下の表Iから理解することができる。試験に使用した 紡糸材料は、76.5重量%NMMO、12重量%セルロース、および11.5 重量%H2Oを含有するものとした。EP−A0356419号に従ってこれを 調製した。10℃/分の加熱速度を用い(20バールの背圧の窒素下に)40〜 280℃の温度領域で熱分析をそれぞれ時期に行った。「開始」、「最高」およ び「終了」は、発熱が開始し(発熱=前記した分解反応の暴走)、その最高に到 達し、終了する温度をそれぞれ示す。これらの温度が低ければ低い程、標本の熱 安定性が低い。 試験1では、添加物を用いることなく、紡糸材料を最初に加熱した。発熱の最 初の徴候は204℃で観察された。Fe23の添加に当り、10℃早く発熱が開 始した(紡糸材料:Fe23=1:1)。HCOOHの添加に当り(紡糸材料: HCOOH=3.1:1.5)、開始温度は約60℃低下した。紡糸材料中に更 にFe23が存在すると(紡糸材料:Fe23:HCOOH=2.3:0.8: 2.1)、開始温度は更に50℃低下した。したがって、この場合は懸念された 分解反応の暴走が、約90℃で、すなわち紡糸材料の通常の処理温度(110〜 115℃)より既に低い温度で生起した。HCOOHと組合せたステンレス鋼の 切り屑は、類似する望ましくない効果を有している。ステンレス鋼の切り屑は、 紡糸材料を移送するためのパイプラインに通常に使用されるものと同一の材料で ある。 これらの結果は、それぞれカルボン酸および酸化鉄または鉄イオンの存在下で 紡糸材料の熱不安定性の顕著な増加があり、この場合両者の物質が同時に存在す ることにより、リスクのない紡糸材料の処理が最早不可能である程度に分解温度 が低下するという結論を導く。 試験1〜5は基本的な試験であると見做すべきであり、この場合HCOOHの 添加は、セルロースおよびNMMOの分解反応結果として紡糸材料中に形成され るカルボン酸の存在を模擬するものと考えられる。また、これらの試験は、NM MO−セルロースの系で生ずるような他の酸分解生成物も包含し得る。 Fe23(粉末、製造者:アルドリッチ(Aldrich))またはステンレス鋼切 り屑の添加は、それぞれ例えば紡糸材料の表面とプラントのスチール部分との接 触表面における局所的な鉄の存在を模擬すると考えられる。プラント部品につい てステンレス鋼を使用しているにも拘らず、鉄および他の金属の放出は決して排 除することはできない。 試験1〜5において添加物Fe23/HCOOHおよび紡糸材料間で選択した 重量比率は、一見すると高いと見えるが、これは紡糸材料の高い粘度に起因した ものである。例えば、スチールパイプを介する加熱した紡糸材料の移送の際には 完全な混合が起らず、このため幾つかの接触表面、例えば顕微鏡的な領域では、 前記した比率が生じ得るからである。この場合、このような小さい領域で発熱反 応が生起する。紡糸材料の粘度およびその貧弱な熱伝導率のため、このようにし て生ずる反応の熱を消散させることはできず、これにより局所的な過剰加熱が導 かれ、これは次いで周囲の領域における発熱反応も起動する。このような様式で 、前記したような爆燃および爆発を開始させるある種の連鎖反応が生起すると考 えられる。 表Iは、分解生成物として形成された酸は、例えば処理の実際の過程の際の不 完全な反応のための累積効果によって集積され得て、金属に対する紡糸材料の感 度を高度に増加させることを示す。これは本発明が基く知見であり、この知見か ら、紡糸材料中には、抗酸化剤に加えて、紡糸材料のリスクのない処理を確実に するために、適切な量の塩基として作用する物質も存在しなければならないとい う概念が生ずる。この量の大きさは、使用する塩基の性状、使用するNMMOの 酸含有量、および沈殿する時間までの加熱した紡糸材料の処理時間に依存するは ずである。以下に詳細に説明するように、当業者であれば単純な様式で、存在す る酸を中和するのに必要な塩基の至適量を滴定によって決定することができる。 塩基の留保物を添加することも有利である。安全手段として、当業者であれば、 以下に記載するDSC試験によって塩基添加の有効性を決定することができる。 B1)紡糸材料のための置換溶液に対するGPEの効果 前記既に記載したように、セルロースの分解を防止するために従来技術におい てその添加が提案された物質は、実際は紡糸材料の熱不安定性に寄与するもので ある。特に金属の存在下でのNMMO−セルロース溶液に対するGPEの脱安定 化効果を、モデル系で図1に示す。 図1は、紡糸材料のための置換溶液を使用し、112℃で等温的に得られた4 つのDSCプロット(曲線1a)1b、1cおよび1d)を示す(ミリワットの 熱束に対する分での時間のプロット)。置換溶液として、62.9%NMMO、 27%水、10%β−メチルグリコシドおよび0.1%グルコース(セルロース の末端基を模擬するため)の混合物を使用し、分解反応を開始するために、この 混合物に対して、9:1の比率のFe23と金属銅(主要な問題として知られい てる材料)との均一な混合物を添加した。2つの混合物の互いの全体的比率は約 2:1とした。同じ全体的な条件下でGPEの効果を試験するために、GPEな し(曲線1a)、0.5重量%GPEの添加(曲線1b)、0.5%NaOHの 添加(曲線1c)、および本発明によるGPE(0.5%)とNaOH(0.5 %)との組合せを用いて混合物を作製した。図1から、添加したGPEがない混 合物では、分解反応は約55分以後に暴走したことを見ることができる。GPE の存在はこの時間を約40分に短縮し、これはGPEが熱不安定性を増加させる ものであることを示す。特に金属の存在下で分解に対してセルロースを安定化さ せることは、明らかに紡糸材料の安全性のある程度の低下を代償とする。 曲線1cは、0.5%NaOHの添加により、熱不安定性が実際に防止される ことを示す。120分の加熱の後も混合物自体がなお発熱を示さないからである 。この混合物では、GPEの欠如およびNaOHの存在のために、重合体置換物 が相当な分解を受けると考えられる(以下参照)。 曲線1dは、この発明による紡糸材料の挙動を表す。ここでは、セルロースの 分解の防止は、材料の不安定性の増加を代償として達成されているのではなく、 安定性は、実際にGPE添加のない場合の安定性よりも遥かに高い。 B2)紡糸材料(実験室紡糸材料)に対するGPEの効果 試験6 21.6gの83%NMMO−水和物をビーカーに秤量し、マイクロ波エネル ギーを用いて融解させた。融解した一水和物をサーモスタット付き容器に移した 。その後直ちに、2.2gのセルロース(約630の重合度および8%の残余水 分含量を有するブナ合成繊維セルロース)を添加し、このようにして得られた紡 糸材料を金属棒により20分間激しく撹拌した。 セルロースの重合度(DP)を決定するために、スパチュラを使用して2gの 前記紡糸材料をビーカーにフィルムとして広げ、150mlの水で処理した。そ の後の時間内に、最初の洗浄相を廃棄し、水相を再度新しくし、その際に紡糸材 料の固化の程度の増加および漂白を観察することができた。室温で更に放置した 後、CUEN法(KGotze,”Chemifasern nach dem Viskoseverfahren”、第2 巻、第3版、第1003頁)に従い、固体標本をDP測定に供した。 DPの結果を以下の表IIに示す。 試験7 試験6を繰返したが、NMMOの融解後に、0.2重量%GPE(溶液の量を 基準とした)を添加した点が異なる。DPの結果を以下の表IIに示す。 熱不安定性を決定するために、5.5mgの前記実験室紡糸材料を秤量し、9 部のFe23と1部のCu粉末とから構成される混合物を用いて2:1の比率で 形式的に混合した。20バールの背圧の窒素下で、このようにして得られた標本 を10℃/分で112℃に動的に加熱し、この温度で等温的に維持した。結果を 図2(曲線2a)に示す。 試験8 試験6を繰返したが、NMMOの融解後に、0.11重量%NaOH(溶液の 量を基準とした)を添加した点が異なる。DPの結果を以下の表IIに示す。 試験9 試験6を繰返したが、NMMOの融解後に、0.85重量%TBAH(水酸化 テトラブチルアンモニウム:溶液の量を基準とした)を添加した点が異なる。D Pの結果を以下の表IIに示す。 試験10および11 試験7を繰返したが、NMMOを融解させた直後であって0.2重量%GPE の添加の前に、0.11重量%NaOH(試験8に類似)および0.85重量% 水酸化テトラブチルアンモニウム(試験9に類似)をそれぞれ添加した点が異な る。DPの結果を以下の表IIに示す。試験7に準拠し、熱不安定性も測定した 。結果を図2に示す(それぞれ曲線2bおよび2c)。 表IIから、NaOH単独の添加(よってGPEなし)はセルロースを分解さ せるのに対し、抗酸化剤(GPE)と塩基(NaOH)との組合せは、正にGP E単独の場合と同様にセルロースの分解に対抗することを認めることができる。 図2は、0.11重量%NaOHの低い塩基含有量であっても、この発明による 紡糸材料(曲線2bおよび2c)は、GPEのみで安定化した実験室紡糸材料( 曲線2a)より高い熱安定性を有することを示す。この図式を完結させるために は、実験室で調製された紡糸材料は、実際の処理で生ずる紡糸材料(処理紡糸材 料)より幾分高い熱安定性を有することに言及しなければならない。 表IIおよび図2から得られる全体的な観点は、この発明による紡糸材料の有 利な性質、すなわちセルロースの高い重合度を同時に備える高い熱安定性を明ら かにするものである。 B3)紡糸材料に対するヒドロキシルアミンの効果 以下のセクションCに示す方法により、幾つかの混練した紡糸材料を調製した 。ただしその際、ヒドロキシルアミン、およびヒドロキシルアミンとGPEとの 組合せを抗酸化剤として使用した。溶解したセルロースの重合度は、前記試験6 に示した方法によって決定した。混練した紡糸材料の熱不安定性を決定するDS Cプロットは、試験7のものと類似する様式で作成した。結果を以下の表III に示す。 全ての例において、ヒドロキシルアミンは塩酸塩として用いた。発熱の開始は 、分で示した時間であり、その後に既に112℃に加熱したサンプルが発熱反応 の最初の徴候を示すものである。発熱反応が開始するのが早ければ早い程、標本 はより安定性を欠く。 表IIIから、塩基と組合せたヒドロキシルアミンは、セルロースの分解に対 抗するのみならず、紡糸材料の熱安定性を相当増加させることが分る。 C)セルロースに対する抗酸化剤/塩基の組合せの効果 以下の方法に従い、3つの混練した紡糸材料X、YおよびZを調製した(添加 した重量は200gの紡糸材料に関するものである)。 以下の名称の塩基および/または抗酸化剤を250mlのビーカーに秤量した 。その後、221gの70%NMMO溶液を添加し、混合物を室温で5分間撹拌 した後、溶液を混練機に入れた。 25.5gの繊維性の粉砕し空気乾燥したセルロース(約94%)を用いてビ ーカーを乾固させ、ビーカーを定量的に浄化した後、セルロースを同様に混練機 に入れた。 室温で250ミリバールで混合物を15分間分散させた後に加熱した(サーモ スタット設定130℃)。最初の水滴が約90℃で留去され、溶解の実際の開始 が示された。 5分後に、適切な時間間隔で各回に25ミリバールずつ50ミリバールまで圧 力を減少させた。溶解過程の終了は、約1時間後に達成された。 この一般的な方法に従い、以下の紡糸材料を調製した:0.1%NaOHによ るX、0.025%GPEによるYN0.1%NaOH+0.25%GPEによる Z。 3つの紡糸材料をそれぞれ120℃に加熱し、6時間の間に渡って相対粘度の 減少を観察した。相対粘度の減少はセルロースの分解に対応するため、この様式 でセルロース安定化の有効性を突き止めることができる。結果を図3に示す。 図3から、NaOHとGPEとを組合せた添加(曲線Z)は、公知のセルロー ス安定剤GPE(曲線Y)の単独使用よりセルロースを良好に安定化させること を理解できる。NaOHは、単独で使用した場合は、より貧弱なセルロース安定 剤であることが示される。 D)セルロースに対する塩基の効果 前記既に言及したように、本発明者は、専ら塩基を用いる安定化は濃度依存性 が強く、したがってこれは実際の使用では極めて感受性が高いことを確認した。 一方、低い濃度の塩基は、分解過程に対して実際的には効果的な安定化を与えな いが、他方で特に加熱時間が長い場合は高い塩基濃度の使用には疑問があること を示すことができる。分解が起こる場合は最初は遅いが、その後かえって急速と なり、セルロースの分解が生起するためである。これは図4に見ることができる 。 図4は、3つの異なる濃度(0.1%、0.5%および2.0%)のNaOH のみで安定化した3つの紡糸材料について、時間に関する相対粘度の減少を示す ものである。高い濃度のNaOH(2.0%)では、粘度は短い時間で実際に上 昇するが、その後急激に減少する。より長い接触時間に際してセルロースを攻撃 することが少ないため、0.5%未満の濃度が好適である。 E)NMMOセルロース溶液における適切な塩基含量(処理紡糸材料=処理紡 糸混合物) 前記言及したように、適切な量の塩基が紡糸材料中に存在し、加熱した処理紡 糸材料の爆発的な分解を遅らせることが非常に重要である。適切な量の塩基が存 在するか否かは、以下に詳細に記載するミクロ試験によって決定することができ る。 本発明の趣旨では、適切な量の塩基が存在するのは、紡糸材料の関連する標本 が次のものを有する場合である: 1.少なくとも3つの独立したDSCミクロ試験で決定された、開始点につい ての少なくとも60分の平均値、および 2.少なくとも3つの独立したDSCミクロ試験で決定された、3mWの臨界 点(異性時間(time-iso))に到達する少なくとも80分の平均値。 この場合、以下の構成を用いて以下の試験条件で、メトラ(Mettler)社の圧 力−DSC(サーモシステム4000)を使用してDSC試験を行う。 圧力−DSCの構成: 制御および評価について:TAプロセッサTC11 評価ソフトウェア:TA72AT.2 測定:圧力DDK測定セルDSC27HP インストールしたプリンタ:エプソンFX850 試験条件: 試験すべき紡糸材料を、冷却した固体状態で、穿孔したアルミニウムカップ( 開放系)に秤量し(5.5mg±0.4mg)、その直後に「爆発開始剤」、す なわち9重量部のFe23(製造者:アルドリッチ、タイプ番号3924)と1 重 量部の金属銅(製造者:メルク、タイプ番号2715)との均一な混合物に対して2 :1の比率(2部の紡糸材料:1部の混合物)で十分に接触させる。 実際のDSC測定を行うために、アルミニウムカップを導入した後に、測定室 を20バールの窒素により加圧する。 その後、40℃の温度で開始し、10℃/分の割合で112℃の温度に加熱を 行う。その後120分の間最高112℃で標本を保持し、この時間の間にDSC 曲線を記録する。 112℃に加熱し、この温度で保持する過程をDSC装置のプロセッサに記憶 させ、これを連続的に連結して等価な条件を与えるものとする。図5および6は 、前記条件下で112℃で記録した2つのDSCプロットの例を示す。図5は、 2000ppmのGPE(セルロースを基準とした)を専ら用いて安定化した従 来技術の紡糸材料(77.5%NMMO)12%セルロース、10.5%水)に 言及するものである。図6は、2000ppmのGPE(セルロースを基準とし た)および800ppmのNaOH(溶液を基準とした)を用いて安定化したこ の発明による紡糸材料(77.5%NMMO)12%セルロース、10.5%水 )に言及するものである。 両者の図では、エネルギー出力のミリワット(mW)を縦軸としてプロットし 、時間を横軸としてプロットする。発熱領域への最初の上昇を示す時間曲線上の 点をここで決定する。これらが開始点である。この最初の上昇は、曲線の下部部 分で接線を描くことにより最も良く決定される。公知の紡糸材料(図5)につい ての開始点は43分であると認められ、この発明による紡糸材料(図6)の場合 は68分であると認められる。3mWの臨界点(”time iso”)に到達する時間 は、公知の紡糸材料では65分、この発明による紡糸材料については90分に相 当する。 前記したように、紡糸材料が、存在する適切な塩基を有するか否かを見出すた めの測定は、それぞれの試験について3回行い、算術平均値を計算しなければな らない。最初の平均値が60分(またはそれ以上)の場合のみならず、2回目の 平均値が80分(またはそれ以上)の場合も、紡糸材料は、存在する適切な塩基 性度を有する。 F)セルロース−NMMO溶液中での適切な塩基含量の設定 この発明による紡糸材料の調製のために、実際に遊離のカルボン酸を含有しな いNMMO水溶液を使用するならば、いずれの場合でも適切な塩基含量が存在す ることが示された。COOH基を中和するのに必要な塩基の量を調整することが できるよう、水性NMMO中の遊離のカルボン酸の含量を最初に決定するのが望 ましい。 「遊離のカルボン酸」という用語は、COOH基を担持するものであって、対 応するカルボン酸塩へと中和されていない全ゆる化合物を意味する。これらの化 合物は、市販のNMMOのみならず、沈殿浴からリサイクルされ紡糸材料の調製 のために新たに使用されるNMMO水溶液中にも存在する。カルボン酸はNMM OのpHの低下を生起し、このため例えば純粋なNMMOの水溶液は10.5を 越えるpHを有するのに対し、紡糸浴は、実質的により低く例えば6. 5〜7 .5とし得るpH値を有する。このpHの低下は、希釈効果のみならず、それぞ れ広範な種類の分解過程または化学反応で形成される遊離のカルボン酸にも帰さ れるものである。 NMMO水溶液は強い塩基を用いて慣用的な様式で滴定することができ、塩基 の一定の添加の際に、pH7〜pH11の領域あたりで滴定曲線は急俊な勾配を 示し、これが滴定曲線の特徴であるが、これは滴定溶液のpH値の急激な増大に よって起るものであることがこの度示された。溶液中に存在する遊離のカルボン 酸が、滴定曲線の勾配に対応するものと考えられる。この曲線の等量点は、pH 8.5〜9.5の領域あたりであり、個々の場合で決定される値は、使用される NMMOの品質に当然依存する。 したがって、NMMO水溶液の遊離のカルボン酸含量は滴定によって決定する ことができるが、その際、NMMO含量が元来既知であるか、または慣用された 分析方法によって必要に応じて決定する必要がある、秤量した量のNMMO水溶 液を水で希釈した後、NaOHで滴定し、その塩基の量を計算し、これをNMM O水溶液に添加して遊離のカルボン酸を中和しなければならない。このような種 類のNMMO溶液を使用して紡糸材料を調製する場合、本発明の範疇で、適切な 量の塩基性度が紡糸材料中に存在することが保証される。 滴定から計算されたこの量の塩基に加えて、更に第2の量の塩基を過剰の塩基 としてNMMO溶液に添加し、NMMO処理の際に、すなわち紡糸材料の調製お よび処理の際に形成される酸を中和する紡糸材料中の塩基の留保物を与えるのが 有利である。このような塩基の留保物により、安全性が更に増加する。強い塩基 (アルカリ水酸化物)の場合、この第2の量の塩基は、望ましくは紡糸材料を調 製するのに使用したNMMO溶液の重量の0.001%(10ppm)〜0.5 %(5000ppm)である。例えばアミンのような弱い塩基の場合、5%まで の最大量を有効とし得る。当業者であれば、関連する処理特性に応じて、個々の 場合で過剰に使用した量と形成される酸の量とのバランスをとり得ることは明ら かである。アルカリ水酸化物の場合、セルロースの分解の遅れの観点から、0. 5%の上限を越えるべきではないことが一般的に示された。 NMMOの循環のどの時点でそれぞれ塩基を添加するか、またはカルボン酸を 中和するかは、本発明の必須の特徴ではない。よって、例えば使用した紡糸浴液 に対し、その精製の前後または途中、またはその濃縮の途中または後に塩基を添 加することができる。セルロース懸濁物の調製の途中であっても塩基を添加し、 かくして遊離のカルボン酸をなお含有するリサイクルしたNMMO溶液に、必要 な量の塩基と共にセルロースを混合することも考えられる。唯一の必須の特徴は 、紡糸材料中に適切な塩基性度が存在することである。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.セルロースと、水性3級アミン酸化物と、非溶剤と、安定剤とをそれぞれ 含有し、全体として塩基の作用および抗酸化剤の作用を有する1以上の安定剤を 使用するが、ただし塩基の作用を有する安定剤としてリン酸塩を使用しないこと を特徴とする成形材料および紡糸材料。 2.抗酸化剤およびOH-イオンを安定剤として使用することを特徴とする請 求項1記載の成形材料および紡糸材料。 3.タンニン類、フェノール類、および/またはグリセルアルデヒド、および /または少なくとも4つの炭素原子、少なくとも2つの共役二重結合、および少 なくとも2つのヒドロキシル基および/または少なくとも1つの水素原子を有す るアミノ基を含有する1以上の有機化合物を抗酸化剤として使用することを特徴 とする請求項1または2記載の成形材料および紡糸材料。 4.有機化合物が、有機ポリヒドロキシ化合物、特にピロカテキン、ピロガロ ール、没食子酸、没食子酸メチルエステル、没食子酸エチルエステル、没食子酸 プロピルエステル、または没食子酸イソプロピルエステルであることを特徴とす る請求項3記載の成形材料および紡糸材料。 5.塩基の作用を有する安定剤としてアルカリ水酸化物および/またはアミン を使用することを特徴とする請求項2記載の成形材料および紡糸材料。 6.抗酸化剤の作用を有する安定剤として没食子酸プロピルエステルを使用し 、塩基の作用を有する安定剤として水酸化ナトリウムを使用することを特徴とす る請求項1乃至5のいずれかに記載の成形材料および紡糸材料。 7.セルロースを基準として少なくとも100ppmの濃度で抗酸化剤が存在 することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の成形材料および紡糸材 料。 8.抗酸化剤の作用を有する安定剤が、少なくとも一部はヒドロキシルアミン であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の成形材料および紡糸 材料。 9.3級アミン酸化物としてN−メチルモルホリン−N−オキシドを使用する ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の成形材料および紡糸材料。 10.請求項1乃至9のいずれかに記載の成形材料および紡糸材料をそれぞれ 調製する方法であって、セルロースを水性3級アミン酸化物に懸濁し、かくして 得られたセルロース懸濁物を、熱および低減した圧力を施すことによってそれぞ れ成形材料および紡糸材料へと変換するものであって、 (x)予め塩基を添加した水性3級アミン酸化物を使用し、 (y)抗酸化剤として作用する安定剤を含有するセルロース懸濁物を使用する ことを特徴とする成形材料及び紡糸材料の調製方法。 11.セルロース成形体を連続的に調製する方法であって、次の工程: (a)セルロースを水性3級アミン酸化物に混合し、これによりセルロース懸 濁物を取得し、 (b)熱および低減した圧力を施すことにより、セルロース懸濁物からセルロ ース溶液を形成し、 (c)セルロース溶液を成形し、水性沈殿浴へと導き、これによりセルロース 成形体および使用した沈殿浴を形成し、 (d)使用した沈殿浴を精製し、 (e)精製した沈殿浴を濃縮し、工程(a)で再度使用する第2の水性3級ア ミン酸化物を取得する、を行い、 工程(c)の後および工程(b)の前に、全体として塩基および抗酸化剤の作 用を有する1以上の安定剤を処理に導入することを特徴とするセルロース成形体 の連続調製方法。 12.工程(a)の直前または途中に、抗酸化剤として作用する安定剤を処理 に導入することを特徴とする請求項11記載の方法。 13.工程(c)の後および工程(a)の前に、塩基として作用する安定剤を 処理に導入することを特徴とする請求項11または12記載の方法。 14.請求項3、4、5、6および8に記載した化合物を抗酸化剤として、お よび塩基として使用することを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載 の方法。 15.N−メチルモルホリン−N−オキシドを3級アミン酸化物として使用す ることを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載の方法。 16.成形材料および紡糸材料のそれぞれの調製、および工程(b)をそれぞ れフィルム押出機内で行うことを特徴とする請求項10乃至15のいずれかに記 載の方法。
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