JPH08505423A - 低硫黄リホーミング法における硫化された鋼の処理と脱硫 - Google Patents
低硫黄リホーミング法における硫化された鋼の処理と脱硫Info
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Abstract
(57)【要約】
反応器系の一部分を耐浸炭性がより大きい材料で被覆し、その材料を被覆前の反応器系のそれら部分に存在している金属硫化物と反応させ、その金属硫化物中の硫黄の少なくとも一部分を固着させるか又は除去し、そして炭化水素をその反応器系中で低硫黄の条件下においてリホーミングすることから成る炭化水素のリホーミング法。
Description
【発明の詳細な説明】
低硫黄リホーミング法における
硫化された鋼の処理と脱硫
発明の背景
本発明は接触リホーミング、特に低硫黄の条件下における接触リホーミングの
改良された技術に関する。更に具体的には、本発明は低硫黄リホーミング法に関
して特に重大な問題の発見とその制御に関する。
接触リホーミングは石油工業においては周知であって、芳香族化合物を生成さ
せることによりオクタン価の等級を改善するナフサ留分の処理を含む。リホーミ
ング操作中に起こる、より重要な炭化水素反応には、シクロヘキサン類の芳香族
化合物への脱水素反応、アルキルシクロペンタン類の芳香族化合物への脱水素異
性化反応及び非環式炭化水素の芳香族化合物への脱水素環化反応が含まれる。ア
ルキルベンゼン類の脱アルキル化反応、パラフィンの異性化反応、及び軽質のガ
ス状炭化水素、例えばメタン、エタン、プロパン及びブタンを生成させる水素化
分解反応を含めて、多数の他の反応も起こる。水素化分解反応はガソリンの沸点
を持つ生成物と水素の収率を下げるので、リホーミング中には水素化分解反応を
最少限に抑えることが重要である。
高オクタン価ガソリンの需要があるので、改良されたリホーミング触媒と接触
リホーミング法の開発に広範な研究が行われて来た。好結果を収めるリホーミン
グ法の触媒は良好な選択性を有していなければならない。即ち、触媒は、高オク
タン価芳香族炭化水素を高濃度で含有する、ガソリンの沸点範囲に入る液体生成
物を高収率で生成させるのに有効なものであるべきである。同様に、軽質のガス
状炭化水素の収率は低くすべきである。これらの触媒は、ある特定の品質の生成
物を生成させるための過度に高い温度を最少限に抑えるために、良好な活性を有
すべきである。触媒は、また、その活性と選択性の特性を長期間の運転中にも保
持できるようにするために良好な安定性を有するか、又は性能の劣化なしに頻繁
な再生を可能とするために十分に再生可能であることが必要である。
接触リホーミングは、また、化学工業にとっても重要な方法である。合成繊維
、殺虫剤、接着剤、洗剤、プラスチック、合成ゴム、製剤製品、高オクタン価ガ
ソリン、香料、乾性油、イオン交換樹脂及び当業者に周知の他の色々な製品等、
種種の化学製品の製造における使用のための芳香族炭化水素の需要が次第に高ま
って来ている。
最近、接触リホーミングにおいて重要な技術的進歩が明らかになったが、これ
は大気孔の(large-pore)ゼオライト触媒の使用を含むものである。これらの触
媒はアルカリ又はアルカリ土類金属の存在を更に特徴とするものであると共に、
それには1種又は2種以上の第VIII族金属も添入されている。このタイプの
触媒は、有利なことに、従来使用されていたものよりも高い選択性と長い触媒寿
命を与えることが見いだされた。
許容できるサイクル寿命を持つ選択性の触媒が発見されて、商業化もうまく行
くだろうと当然に考えられた。残念ながら、第VIII族金属を含有する高選択
性の大気孔ゼオライト触媒は、硫黄の触媒毒作用を異常に受け易いことが続いて
発見されたのである。米国特許第4,456,527号明細書を参照されたい。
一般的に言えば、硫黄は石油及びシンクルード(syncrude)の原料油中に硫化
水素、有機スルフィド類、有機ジスルフィド類、チオールとしても知られるメル
カプタン類、並びにチオフェン、ベンゾチオフェン及び関連化合物のような芳香
族環化合物として生ずる。
通常は、硫黄を実質的な量で有する供給原料、例えば硫黄を10ppmより多
く含む供給原料を常用の条件下で常用の触媒で水素化処理し、それによって供給
原料中の硫黄の大部分の形態を硫化水素に変化させていた。この硫化水素は、次
に、蒸留、ストリッピング又は関連技術で除去される。
残留する硫化水素とメルカプタンとしての硫黄を除去する1つの常用の方法は
、硫黄吸収剤を使用するものである。例えば、米国特許第4,204,997号
及び同第4,163,706号明細書を参照されたい。これら米国特許明細書の
内容を本明細書で引用、参照するものとする。この形の硫黄の濃度は、適切な吸
収剤と条件を用いることによって1ppmより相当に低い濃度まで低下させるこ
とができるが、硫黄を0.1ppm未満まで除去するか、又は残留するチオフェ
ン
としての硫黄を除去するのは困難であることが見いだされている。例えば、米国
特許第4,179,361号明細書、特にその実施例1を参照されたい。この米
国特許明細書の内容を本明細書で引用、参照するものとする。チオフェン硫黄を
除去するには非常に小さい空間速度が必要とされ、これには吸収剤が充填された
大きな反応容器が必要になる。これらの注意を前もってしていても、痕跡量(tr
aces)のチオフェン硫黄は依然として見いだされることがある。
かくして、水素化処理されたナフサ供給原料から残留硫黄、特にチオフェン硫
黄を除去する改良された方法が開発された。例えば、米国特許第4,741,8
19号及び同第4,925,549号明細書を参照されたい。これら米国特許明
細書の内容を本明細書で引用、参照するものとする。これらの別法は、ナフサ供
給原料を硫黄に対する感受性(sensitive)が低いリホーミング触媒の存在下、
リホーミング条件の下で分子状水素と接触させ、それによって痕跡量の硫黄化合
物をH2Sに転化し、そして第一の流出液を生成させることを包含する。その第
二の流出液は厳しいリホーミング条件下で高選択性のリホーミング触媒と接触せ
しめられる。従って、硫黄に対して極めて感受性の高い触媒を使用するときは、
炭化水素供給原料から硫黄を除去するために、極めて極端なやり方を取ることに
なる。このように極端なやり方を取ることによって、触媒寿命は相当の期間延ば
される。
高選択性の、大気孔ゼオライト触媒を使用する低硫黄系は初めは有効であった
が、僅か数週間後には反応系の運転中止が必要になり得ることが発見された。1
つの試験プラントの反応器系では、僅かそのような短い運転期間の後に定期的に
詰まり(plug)が起こってしまったのである。これらの詰まりはコーキングに関
連したものであることが見いだされた。しかし、触媒粒子内のコーキングは炭化
水素の処理では一般的な問題であるけれども、コークス詰まりの形成程度とその
速度は予想をはるかに越えるものであった。
発明の概要
従って、本発明の1つの目的は、高感受性のリホーミング触媒と低硫黄リホー
ミング法の使用に関連していることが見いだされた前記の問題を回避する、低硫
黄の条件下で炭化水素をリホーミングする方法を提供することである。
リホーミング用反応器系を詳しく分析し、調べると、硫黄は、反応器の器壁中
の金属と反応して硫化鉄のような硫化物を形成することにより、反応器の表面の
一体部分となることが見いだされた。これらの硫化した金属は、典型的なリホー
ミング条件で、高度に硫黄感受性のリホーミング触媒の毒となり得る硫黄を放出
するが、供給原料としての炭化水素中の硫黄含量を低下させるために用いられた
広範な対策は、反応器壁からのこの硫黄の放出のために一部無効になる。
従って、本発明のもう1つの面は、硫化された反応器系の器壁に見いだされる
硫黄を除去する方法に関する。特に、このような反応器系を硫化物と反応して硫
黄を放出し、そして保護表面を形成する材料と接触させることが、硫黄はそのよ
うな高硫黄感受性触媒の毒となり得るので、特に有利であることが見いだされた
。
更に、驚くべきことには、低硫黄反応器系のコークス詰まりには金属の粒子と
大きさが数ミクロンまでの範囲の金属の飛散物(droplets)が含まれることが見
いだされた。この観察は、プロセス硫黄(process sulfur)のレベルが著しく高
い常用のリホーミング技術では心配の対象ではなかった、新しい極めて重大な問
題が存在すると言うことに、驚きをもって気付かせるものであった。更に詳しく
は、系の効果的かつ経済的操業性、更には装置の物理的保全性に対して脅威とな
る問題が存在することが発見されたのである。また、これら諸問題は低硫黄の条
件と、ある程度は水のレベルが低いことに起因して現れることが発見された。
過去40年間、接触リホーミング反応器系は普通の軟鋼(例えば、21/4Cr
・1Mo)から作られて来た。時が経って、経験は、この系は物理的強度を余り
失うことなく約20年間好結果で運転できることを示した。しかし、コークス詰
まりの中の金属の粒子と飛散物の発見は、結局は、反応器系の物理的特性を調べ
なければならないことに通じるものである。極めて驚くべきことに、炉管(furn
ace tube)、配管系、反応器壁、及び鉄を含有する触媒や反応器中の金属スクリ
ーンのような他の環境因子を含めて、反応器系全体の潜在的に厳しい物理的劣化
の兆候となる条件が発見された。最後に、この問題はプロセス炭素の金属への注
入に起因して鋼の脆化を引き起こす、鋼の過度の浸炭に関連することが発見され
た。想像できることであるが、その結果として反応器系の破局的な物理的破壊が
起こり得るだろう。
通常のリホーミング技術では、浸炭は、単に、問題又は心配の対象ではないし
、またその問題又は心配が低硫黄/低水状態が同時に存在する系にあることも予
想されなかった。従って、常法の装置が当然に使用できるとされたのである。し
かし、明らかに、常用の系に存在する硫黄は浸炭を効果的に抑制する。常用の方
法では、どういう訳か、プロセス硫黄は浸炭反応を妨害するのである。極端に低
硫黄の系では、しかし、この本来備わる防護性は、最早、存在しない。
浸炭に関連した問題は、その物理的系の浸炭を以て始まるだけである。その鋼
製の壁の浸炭は“金属のダスチング(metal dusting)”(触媒的に活性な粒子
の放出と金属の浸食に起因する溶融飛散物)をもたらす。
活性な金属微粒子はその系において追加のコークス形成部位となる。コーキン
グによる触媒の失活は、一般的には、リホーミングの際に対処されなければなら
ない問題ではあるが、この新しい重要なコークス形成源は、問題を過度に悪化さ
せるコークス詰まりと言う新たな問題を導く。実際、動き易い活性な金属微粒子
とコークスの粒子は、コーキングを概ね系全体に転移させることが見いだされた
。活性な金属微粒子が実際に自らの上に、また粒子が系の中に集積する場所のど
こにでもコークスを形成させ、結果としてコークス詰まりをもたらし、発熱脱メ
タン化反応の熱領域を生じさせる。この結果、反応器系には制御不能の速すぎる
コークス詰まりが起こり、系は運転開始から数週間以内に中止に追い込まれてし
まう可能性がある。本発明の方法と反応器系を使用すれば、しかしながら、これ
らの問題は克服される。
従って、本発明のもう1つの面は、炭化水素をリホーミング触媒、好ましくは
アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含み、かつ1種又は2種以上の第VIII
族金属が添入されている大気孔のゼオライト触媒と硫化された表面を有する現存
の又は新しい反応器系の中で接触させることを含む炭化水素のリホーミング法に
関する。
本発明の更にもう1つの面は、浸炭と金属のダスチングに対して抵抗性を与え
る手段を含む反応器系にして、アルカリ土類金属を含み、かつ1種又は2種以上
の第VIII族金属が添入されている大気孔のゼオライト触媒のようなリホーミ
ング触媒を低硫黄の条件下で使用して炭化水素をリホーミングする方法において
、
常用の軟鋼系を越える改良をもたらす上記反応器系に関する。ここで、上記の抵
抗性は、脆化が約2.5mm/年未満、好ましくは1.5mm/年未満、更に好
ましくは1mm/年未満、最も好ましくは0.1mm/年未満であるそのような
抵抗性である。
図面の簡単な説明
図1は、スタニドの被膜を形成したFeSと錫ペイントとの反応生成物を示し
ている、スタニド化されたFeS表面の写真(200x)であり、そして
図2は、FeSn2のより厚い沈着物の下にある硫化鉄の上のFeSnの薄い
内側層を示している、スタニド化されたFeS表面の写真(1250x)である
。
好ましい態様の詳細な説明
本明細書中で使用されている冶金学的用語は、アメリカ金属学会(American S
ociety of Metals)の金属ハンドブック(THE METALS HANDBOOK)に記載される
一般的な冶金学的意味で与えられるものとする。例えば、“炭素鋼”は、合金形
成性元素の(マンガン、珪素及び銅の一般に許容された量以外の)最少量が特定
されておらず、炭素、珪素、マンガン、銅、硫黄及び燐以外の元素は偶然に混入
する量でしか含まれていない、そのような鋼である。“軟鋼”は炭素を最大約0
.25%有するそのような炭素鋼である。合金鋼は、(炭素、及び一般に許容さ
れている量のマンガン、銅、珪素、硫黄及び燐以外の)合金形成性元素を、構成
合金鋼に認められている、機械的又は物理的性質に変化をもたらすために加えら
れる範囲内の特定の量で含有する、そのような鋼である。合金鋼はクロムを10
%未満の量で含有している。ステンレス鋼は、その主合金形成性元素としてクロ
ムを少なくとも10%、好ましくは12〜30%含有する幾つかの鋼のいずれか
である。
本発明の1つの焦点は、リホーミング触媒、特にアルカリ金属又はアルカリ土
類金属を含み、かつ1種又は2種以上の第VIII族金属が添入されている、低
硫黄の条件下で硫黄感受性である大気孔のゼオライト触媒を用いて炭化水素をリ
ホーミングする改良された方法を提供することである。このような方法は、勿論
、常用の低硫黄リホーミング法より浸炭抵抗性が良好であることをはっきり示さ
なければならず、しかも触媒毒となり得る硫黄はほとんど含んでいないことが不
可
欠である。
本発明で扱われる問題に対する1つの解決法は、反応器の表面から硫黄を除去
し、同時に前記の硫黄感受性大気孔ゼオライト触媒のようなリホーミング触媒を
低硫黄の条件下で使用してリホーミングしているときの耐浸炭性と耐金属ダスチ
ング性を改善するために、硫化されている現存の反応器系を予備処理するもので
ある。
本明細書中で使用されている“反応器系”とは、少なくとも1つのリホーミン
グ用反応器とそれに対応する炉手段及び配管系を意図するものである。この用語
は、また、浸炭が1つの問題である低硫黄条件下での他の反応器とそれらに対応
する炉及び配管系、又は前記の硫黄感受性大気孔ゼオライト触媒が利用されるそ
のような系をも包含する。このような系には、炭化水素を脱水素及び熱脱アルキ
ル化するための方法で使用される反応器系が包含される。しかして、本明細書中
で使用されている“反応条件”とは、供給原料の炭化水素を所望とされる生成物
に転化するのに必要とされるそのような条件を意図するものである。
低硫黄リホーミングに関する前記の問題は、処理時に炭化水素と接触する反応
器系の材料を適切に選択することにより効果的に対処することができる。リホー
ミング用反応器系は、典型的には、軟鋼、又は一般的なクロム鋼のような合金鋼
から作られて来たが、これは浸炭とダスチングが重要にはならない場合である。
例えば、21/4Cr炉管は標準的なリホーミング条件では20年は使える。しか
し、これらの鋼は低硫黄のリホーミング条件下では不適当であることが見いださ
れた。それら鋼は浸炭で約1年以内に急速に脆化していくのである。例えば、21
/2Cr・1Mo鋼は浸炭され、1mm/年以上脆化することが見いだされた。
更に、標準的な冶金処理の実施条件でコーキングと浸炭に耐えると考えられた
材料であっても、低硫黄のリホーミング条件下では必ずしも抵抗性ではないこと
が見いだされた。例えば、インコロイ(Incoly)800及び825;インコネル
(Inconel)600;マーセル(Marcel)及びヘイネス(Haynes)230のよう
なニッケルに富む合金は、過度のコーキング性とダスチング性を示すので、許容
できない。
しかし、300シリーズのステンレス鋼、好ましくは304,316,321
及び347は、炭化水素と接触する本発明による反応器系の少なくとも色々な部
分のための材料として許容できる。それらステンレス鋼は耐浸炭性が軟鋼及びニ
ッケルリッチの合金より大きいことが見いだされたのである。
反応器系のある区域では、局所温度がリホーミング中に過度に高くなってしま
うことがある(例えば、900〜1250°F)。炉管や、通常生成するコーク
ス球の内部で脱メタン化の発熱反応が起こり、局所、局所に熱い領域を作る原因
となる触媒床が特にそうである。300シリーズのステンレス鋼は、軟鋼及びニ
ッケルリッチの合金よりはなお好ましいが、1000°Fあたりの温度で若干コ
ーキング性とダスチング性を示す。しかして、300シリーズのステンレス鋼は
、有用ではあるが、本発明での使用に最も好ましい材料と言う訳ではない。
446や430等のクロムに富むステンレス鋼は300シリーズのステンレス
鋼より浸炭に対して更に一段と抵抗性である。しかし、これらの鋼は耐熱性が望
ましいとは言えない(それらは脆化していく傾向がある)。
本発明での使用に300シリーズのステンレス鋼以上に好ましい抵抗性材料に
は、銅、錫、砒素、アンチモン、ビスマス、クロム、ゲルマニウム、インジウム
、セレン、テルル及び黄銅、並びにそれらの金属間化合物及び合金(例えば、C
u−Sn合金、Cu−Sb合金、スタニド類、アンチモニド(antimonide)類、
ビスマシド(bismuthide)類等)が含まれる。これらの金属を含有する鋼も、ま
たニッケルリッチ合金であっても、低い浸炭性を示し得る。
硫黄を含有する炭化水素供給原料に前以て暴露された反応器系は、このような
系が前記の硫黄感受性大気孔ゼオライト触媒系を使用する場合は、好ましくない
。このような系ではその硫黄は反応器系の金属と反応して、例えばFeSを形成
する。この反応器系を引き続き使用すると、特に硫黄感受性のゼオライト触媒を
使用するときは、硫黄が高温の下で反応器の壁から放出され、それが触媒毒とな
り得るので、反応器系を早期に運転中止に至らしめると言うことが起こり得る。
本発明によれば、これらの前以て硫化された鋼は、反応器壁から硫黄を除去し
、及び/又は硫黄が反応器壁から放出されないよう硫黄を固着させるべく、そし
て反応条件下でコーキング、浸炭及び金属ダスチングを有意に低下させる材料で
反応器壁を被覆すべく、処理又は不動態化することができる。
1つの好ましい態様において、これらの材料はメッキ、クラッド、ペイント(
例えば、酸化物ペイント)又は他の被膜として基材構成材料に与えられる。この
ことは、処理される炭化水素と接触する表面に関してだけ軟鋼のような常用の構
成材料をなお使用することができるので、特に有利である。これらの材料の内で
、錫は反応器の表面と反応してより高温での耐浸炭性が優れている、剥離とフレ
ーキングに抵抗する被膜を与えるので、特に好ましい。また、錫含有層は0.1
ミクロン程度の薄さであって、それでもなお浸炭を妨げることができると考えら
れる。加えて、このような反応器系の使用により、錫はFeSを含んでいる硫化
された金属表面を攻撃して、硫黄を置換し、H2Sを放出させることも観察され
ている。従って、コーキング、浸炭及び金属ダスチングを防ぐために反応器系に
錫のような抵抗性材料を適用することは、それをあらかじめ硫化された反応器系
に適用して置くと、硫黄感受性触媒を保護することも可能にする。
実施に際して、この抵抗性材料は、これを新たな又は現存の反応器系にペイン
ト様処方物(以後は“ペイント”)の形で適用するのが好ましい。このようなペ
イントは噴霧、はけ塗り、生子塗り(pig)等で軟鋼又はステンレス鋼のような
反応器系の表面に適用することができる。このようなペイントは、還元性雰囲気
中で加熱すると反応性の錫に還元され、金属スタニド(例えば、鉄スタニド及び
ニッケル/鉄スタニド)を形成する分解性、反応性の錫含有ペイントであるのが
最も好ましい。
上記のペイントは少なくとも4種の成分(又はそれらの機能上均等なもの)、
即ち(i)水素分解性の錫化合物、(ii)溶媒系、(iii)微粉錫金属及び
(iv)還元性のスポンジ/分散/結合剤としての酸化錫を含有しているのが最も
好ましい。このペイントは沈降を最少限に抑えるために微粉固体を含有している
のがよく、また反応性の錫と反応器系の表面との反応を妨げる非反応性の材料は
含有すべきではない。
水素分解性の錫化合物として、オクタン酸錫又はネオデカン酸錫が特に有用で
ある。この化合物自体の市販処方物が入手でき、鋼表面上では一部乾き、ほとん
どチュウインガムのような層になっている;この層はひび割れを起こしたり及び
/又は裂けたりすることがない。この性質はこの状況で使用されるいかなる被覆
組成物にも必要なものである。それは、被覆された材料が水素による処理に先立
って何カ月も貯蔵されると考えられるからである。また、各部品をその組み立て
前に被覆する場合は、それら部品は建造中チッピングに対して抵抗性でなければ
ならない。上記のように、オクタン酸錫は市販されている。このオクタン酸錫は
値段が妥当で、600°F程度の低温において、水素中で鉄スタニドを生成させ
る反応性の錫層に円滑に分解する。
オクタン酸錫は、しかし、ペイント中で単独で使用すべきではない。それは、
粘性が十分でないからである。溶媒をペイントから蒸発させたときでも、残った
液体は滴り落ち、被覆表面上を流れてしまう。実際、例えば、もし水平の炉管を
被覆するためにそのようなペイントを用いるとすれば、それは炉管の底に溜まっ
てしまうだろう。
成分(iv)の錫酸化物スポンジ/分散/結合剤は有機金属錫化合物を吸い取
ることができ、しかも還元性雰囲気中で活性な錫に依然として還元される多孔質
の錫含有化合物である。加えて、酸化錫は、急速沈降に耐える極微の粒子を作る
ために、コロイドミルで処理することができる。酸化錫の添加で、指触乾燥性(
dry to the touch)となり、流れることに抵抗する(resist running)ペイント
が得られる。
成分(iv)は、一般的なペイント用増粘剤とは違って、それが還元されたと
き被膜の反応性部分となるように選ばれる。それは、処理後に非反応性の表面被
膜を残すだろう典型的なペイント用増粘剤であるフォームド・シリカ(formed s
ilica)のように、不活性ではない。
微粉状の錫金属である成分(iii)は、金属錫を非還元性雰囲気中でも可能
な限り低温で被覆されるべき表面との反応に確実に利用できるようにするために
加えられる。この錫の粒径は1〜5ミクロンであるのが好ましく、この粒径で、
錫金属で被覆されるべき表面に対する被覆性を優れたものにすることができる。
非還元性の条件は、ペイントの乾燥中及びパイプ接合部の溶接中に生じる可能性
がある。金属錫の存在は、被膜の一部が完全に還元されていないときでも、錫金
属が存在して確実に反応を起こし、所望とされるスタニド層を生成させるように
する。
溶媒は無毒性で、しかも所望とされるときにペイントを噴霧可能かつ展開可能
となすのに効果的なものであるべきである。溶媒は、また、速やかに蒸発すべき
であり、かつ水素分解性の錫化合物に対して溶媒相容性を有すべきである。イソ
プロピルアルコールが最も好ましいが、一方ヘキサン及びペンタンも、必要なら
ば、有益である。アセトンは、しかし、有機錫化合物を沈澱させる傾向がある。
1つの態様では、錫テン−セム(Tin Ten-Cem)(オクタン酸中のオクタン酸
第一錫又はネオデカン酸中のネオデカン酸第一錫)20%、酸化第二錫、錫金属
粉末及びイソプロピルアルコールより成る錫ペイントを使用することができる。
この錫ペイントは多くの方法で適用することができる。例えば、反応器系の炉
管に個々に又はモジュールとして塗布することができる。本発明によるリホーミ
ング用反応器系は適当な幅、長さ及び高さ(例えば、長さ約10フィート、幅約
4フィート及び高さ約40フィート)を有する炉管モジュールを色々な数(例え
ば、約24個の炉管モジュール)で含んでいることができる。典型的には、各モ
ジュールは適当な直径、好ましくは直径約2フィートの2個のヘッダーを含み、
それらヘッダーは約4〜10本の、適当な長さ(例えば、約42フィート)を持
つU字管により接続されている。従って、塗布されるべきモジュールの全表面積
は大幅に変わり得、例えば、1つの態様では、それは約16,500ft2であ
ることができる。
管個々にではなくモジュールにペイントを塗布するのは、少なくとも4つの点
で有利である。即ち、(i)モジュールの構成部品は、通常、製造中に極めて高
い温度で熱処理されているので、個々に管ではなくモジュールにペイントを塗布
することで、錫ペイントの熱破壊が避けられ;(ii)モジュールに塗布するこ
とで、管を個々に塗布するより速く、しかも経費が安くなる可能性があり;
(iii)モジュールに塗布することで、製造中にそのスケジュールがより効率
的に進み;そして(iv)モジュールの塗布は溶接部の塗布も可能にする。
しかし、モジュールにペイントを塗布するのは、管に個々にペイントを塗布す
る場合のようには、管を完全にペイントで被覆することはできないだろう。被覆
が不十分であるときは、管を個々に被覆することができる。
ペイントは管及びヘッダーに噴霧するのが好ましい。管及びヘッダーが完全に
被覆されるように十分なペイントが適用されるべきである。モジュールに噴霧し
た後、モジュールを約24時間放置、乾燥し、続いて加熱された窒素のゆっくり
した流れ(例えば、約150°Fで約24時間)を適用すべきである。その後、
ペイントの第二の被覆を施し、そしてまた上記の方法で乾燥するのが好ましい。
ペイントを適用した後、モジュールは小さい窒素圧の下に保持して置くのが好ま
しいが、その場合設置前に約200°Fを越える温度に暴露することも、水添試
験中を除けば水に暴露することもすべきでない。
鉄保有反応性ペイントも本発明で有用である。このような鉄保有反応性ペイン
トは、鉄が重量でFe/Snの1/3までの量で加えられている種々の錫化合物
を含有しているのが好ましい。
鉄の添加は、例えば、Fe2O3の形で行うことができる。錫含有ペイントに対
する鉄の添加により注目すべき利点がもたらされる。即ち、特に、(i)鉄はペ
イントの反応を促進して鉄スタニドを形成し、それによってフラックスとして作
用するようになる;(ii)鉄はスタニド層中のニッケル濃度を下げ、それによ
ってコーキングに対して一層良好な保護を与える;及び(iii)鉄は、たとえ
下にある表面が十分に反応しなくても、鉄スタニドの抗コーキング保護を生むペ
イントをもたらす。
低硫黄反応器系における浸炭、コーキング及び金属ダスチングを防ぐ更にもう
1つの手段は、反応器系に含まれるクロムに富む鋼に金属の被膜又はクラッドを
適用することから成る。これらの金属被膜又はクラッドは錫、アンチモン、ビス
マス又は砒素から成ることができる。錫が特に好ましい。これらの被膜又はクラ
ッドは、電気メッキ、蒸着、及び溶融金属浴中でのクロムリッチ鋼のソーキング
を含めて色々な方法で適用することができる。
浸炭、コーキング及び金属ダスチングが特に問題となる反応器系においては、
事実上錫の層を有するクロムリッチで、かつニッケルを含有する鋼の被膜が二重
保護層を作ることが見いだされた。その結果、浸炭、コーキング及び金属ダスチ
ングに抵抗性のクロムリッチの内層と、同様に浸炭、コーキング及び金属ダスチ
ングに抵抗性の錫の外層ができる。これは、錫被覆クロムリッチ鋼が約1200
°Fのような典型的なリホーミング温度に暴露されるときに、それがその鋼と反
応してニッケルリッチの鉄ニッケルスタニドを形成するために起こる。それによ
って、ニッケルは鋼の表面から優先的に浸出されて、後にクロムリッチ鋼の層が
残る。場合によっては、ステンレス鋼から鉄ニッケルスタニド層を除去してクロ
ムリッチ鋼の層を露出させることが望ましいだろう。
例えば、錫クラッドを304グレードのステンレス鋼に適用し、約1200°
Fで加熱するときは、430グレードのステンレス鋼に匹敵する、クロムを約1
7%含有し、ニッケルを実質的に含有しないクロムリッチの鋼層が得られること
が見いだされた。
クロムリッチ鋼に錫金属の被膜又はクラッドを適用するときは、浸炭、コーキ
ング及び金属ダスチングに対して所望とされる抵抗性を達成するために、その金
属被膜又はクラッドの厚さを変えることが望ましいだろう。これは、例えばクロ
ムリッチ鋼を溶融錫浴中でソーキングする時間の量を調整することによって行う
ことができる。このことは、また、得られるクロムリッチ鋼層の厚さにも影響を
及ぼすことになる。また、操作温度を変え、或いは生成するクロムリッチ鋼層中
のクロム濃度を制御するために、被覆されるそのクロムリッチ鋼の組成を変える
ことも望ましいだろう。
加えて、薄い酸化物の被膜、好ましくはCr2O3のようなクロム酸化物の薄い
被膜の適用を含む後処理法により、錫被覆鋼を浸炭、金属ダスチング及びコーキ
ングから更に保護し得ることが見いだされた。この被膜は数μm程度の薄さであ
る。このようなクロム酸化物の適用で、低硫黄のリホーミング条件下でアルミニ
ウムも、更にはアロナイズド(Alonized)鋼のような錫被覆鋼も保護される。
このクロム酸化物層は、クロム酸塩又は重クロム酸塩のペイントの適用、続い
て還元プロセスの適用;有機クロム化合物による蒸気処理;又はクロム金属メッ
キの適用、続いて得られるクロムメッキ鋼の酸化を含めて色々な方法で適用する
ことができる。
低硫黄のリホーミング条件に実質的な時間付された錫電気メッキ鋼を調べると
、クロム酸化物層がスタニド層の表面に又はスタニド層の下に生成されると、ク
ロム酸化物層はスタニド層を分解させず、その鋼を浸炭、コーキング及び金属ダ
スチングに対して更に抵抗性とするようであることが示された。従って、錫又は
ア
ルミニウム被覆鋼のどちらかにクロム酸化物層を適用すると、低硫黄のリホーミ
ング条件下で浸炭及びコーキングに対して更に抵抗性である鋼が得られる。この
後処理法には、低硫黄のリホーミング条件に長期間暴露された後で修復が必要に
なっている錫又はアルミニウム被覆鋼を処理するという特定の用途がある。
理論で縛られることを望むものではないが、本発明に対する色々な材料の適合
性は、浸炭性雰囲気に対するそれら材料の応答性に従って選択、分類することが
できると考えられる。例えば、鉄、コバルト及びニッケルは比較的不安定な炭化
物を形成し、これは引き続き浸炭され、コークスを形成し、そして粉塵となる。
クロム、ニオブ、バナジウム、タングステン、モリブデン、タンタル及びジルコ
ニウムのような元素は浸炭、コーキング及びダスチングに一層抵抗性である安定
な炭化物を形成する。錫、アンチモン及びビスマスのような元素は炭化物又はコ
ークスを形成しない。かくして、これらの化合物はリホーミング条件下で鉄、ニ
ッケル及び銅等の多くの金属と安定な化合物を形成することができる。スタニド
類、アンチモニド類及びビスマシド類、並びに鉛、水銀、砒素、ゲルマニウム、
インジウム、テルル、セレン、タリウム、硫黄及び酸素の化合物も抵抗性である
。材料の最後のカテゴリーには、銀、銅、金、白金、並びにシリカ及びアルミナ
のような耐火性の酸化物が含まれる。これらの材料は抵抗性で、炭化物を形成し
ないか、又は浸炭性環境中、リホーミング条件下で他の金属と反応しない。
本発明の反応器系の色々な区域(例えば、炉の色々な区域)は高範囲の温度に
暴露される可能性があるので、材料の選択と被膜の厚さは、最高温度を受ける反
応器系のそのような領域でより良好な耐浸炭性が利用されるように段階付けする
ことができる。いずれにしても、耐浸炭性被膜は、反応器系に存在する金属硫化
物が全保護被膜を消費しないそのような量で使用されるべきである。硫化された
表面に何等かの残留硫黄が固着されているのが好ましい。本明細書で用いられて
いる“固着されている”とは、硫黄が被覆表面から実質的に放出されないそのよ
うな、硫化された金属を覆って耐浸炭性塗料の被膜を適用することを意味する。
材料の選択に関し、酸化された、鉄、ニッケル及びコバルトのような第VII
I族金属の表面は、コーキングと浸炭に関してそれらの酸化されていない金属表
面より更に活性であることが発見された。例えば、347ステンレス鋼
の空気焙焼試料は同じ鋼の非酸化試料より著しく活性であることが見いだされた
。これは酸化された鋼が再還元され、非常に微小な鉄及び/又はニッケル金属の
粒子を生成させることによると考えられる。このような金属は浸炭とコーキング
に対して特に活性である。従って、これらの材料を、接触リホーミングで一般に
使用されるもののような酸化再生プロセスにおいては、可能な限り避けることが
望ましい。しかし、錫で被覆された、空気焙焼300シリーズステンレス鋼は、
コーキングと浸炭に対して同じ300シリーズの錫被覆ステンレス鋼の非焙焼試
料と同様の抵抗性を与え得ることが見いだされている。
更に、酸化は触媒の硫黄感受性に心配がない系での問題であって、硫黄がその
金属表面を不動態化するために用いられることは分かるだろう。このような系で
硫黄レベルが不十分になっていれば、金属表面に形成されている金属硫化物は全
て、酸化、還元後に、微粒状の金属に還元される。この金属はコーキングと浸炭
に関して極めて反応性であると思われる。潜在的には、これはこのような冶金学
的処理法の破局的な不成功をもたらすか、重大なコーキングの事象を引き起こし
得る。
前記のように、コークス球内部の発熱脱メタン化反応が局所化した熱領域をも
たらす場合、触媒床には過度に高い温度が生じ得る。これらの熱スポットも常用
のリホーミング反応器系(化学的及び石油化学的処理の他の領域にも)に問題を
提起する。
例えば、リホーマーの中央パイプのスクリーンは局所的に摩滅して行き、穴が
あり、最後には触媒をマイグレートさせることが観察されている。常用のリホー
ミング法では、コークス球内部でのその形成、燃焼中の温度は、明らかに、プロ
セス硫黄がコーキング、浸炭及びダスチングを無力化する能力を押さえてしまう
ほど十分に高い。金属スクリーンは、従って、浸炭され、再生中の粒子間酸化(
一種の腐食)による摩滅に対して一層敏感である。スクリーンの開口は拡大し、
穴ができるのである。
しかして、本発明の教示は常用のリホーミングのみならず、化学的及び石油化
学的処理の他の領域にも適用可能である。例えば、前記のメッキ、クラッド及び
被膜は、過度の穴の生成と触媒のマイグレーションを避けるために、中央パイプ
のスクリーンの製造で使用することができる。加えて、本発明の教示は浸炭、コ
ーキング及び金属ダスチングを被る炉管、例えばコークス炉の炉管に応用可能で
ある。
更に、本明細書で説明されている技術は、過度に高い温度での浸炭、コーキン
グ及び金属ダスチングを制御するのにも利用することができるから、これら技術
は約1400〜約1700°Fで作動するクラッキング炉でも利用することがで
きる。例えば、このような温度で作動するクラッキング炉で起こる鋼の劣化は色
色な金属被膜の適用で制御することができる。これらの金属被膜は溶融、電気メ
ッキ及び塗装によって適用することができる。塗装が特に好ましい。
例えば、鉄保有鋼に適用されるアンチモンの被膜は、これらの鋼を記載したク
ラッキング条件下での浸炭、コーキング及び金属ダスチングから保護する。事実
、鉄保有鋼に適用されるアンチモンペイントは、1600°Fにおいて浸炭、コ
ーキング及び金属ダスチングに対して保護を与える。
ニッケルに富む鋼合金(例えば、インコネル600)に適用されるビスマスの
被膜は、クラッキング条件下で浸炭、コーキング及び金属ダスチングに対してこ
のような鋼を保護することができる。このことは1600°Fまでの温度で証明
されている。
ビスマス含有被膜は、また、鉄保有鋼にも適用することができ、クラッキング
条件下で浸炭、金属ダスチング及びコーキングに対して保護を与える。また、ビ
スマス、アンチモン及び/又は錫の組み合わせから成る金属被膜も使用すること
ができる。
再び低硫黄リホーミングに目を向けると、本発明に従って発見された問題に対
処するために他の技術も利用することができる。これら他の技術は、反応器系に
対して適切な材料を選択することと併せて使用することができるか、又はそれら
を単独で使用することができる。これら追加の技術の内では、リホーミングプロ
セス時の非硫黄、抗浸炭、抗コーキング剤の添加が好ましい。これら試剤は処理
中に連続添加し、炭化水素と接触する反応器系のそれら表面と相互作用するよう
に機能させることもできるし、或いはそれらを反応器系に予備処理として適用す
ることもできる。
理論で縛られることを望むものではないが、これら試剤は分解と表面攻撃によ
り反応器系の表面と相互作用して、鉄及び/又はニッケルの金属間化合物、例え
ばスタニド類、アンチモニド類、ビスマシド類、ゲルマニド(germanide)類、
インジド(indide)類、セレニド(selenide)類、テルリド(telluride)類、
プランバイド(plumbide)類、アルセニド(arsenide)類等を形成すると考えら
れる。このような金属間化合物は浸炭、コーキング及びダスチングに対して抵抗
性であり、下層の金属を保護することができる。同様に、このような試剤は前以
て硫化された反応器系から硫黄をH2Sとして除去できるようにする。
金属間化合物は、また、金属を不動態化するのにH2Sが用いられる系で形成
される金属硫化物より安定であると考えられる。これらの化合物は金属硫化物で
あるので、水素により還元されない。その結果、それら化合物は金属硫化物より
系をそのままにして置く可能性が少ない。従って、供給原料と共に浸炭抑制剤を
連続添加することを最少限に抑えることができる。
好ましい非硫黄、抗浸炭、抗コーキング剤として有機錫化合物、有機アンチモ
ン化合物、有機ビスマス化合物、有機砒素化合物及び有機鉛化合物のような有機
金属化合物が挙げられる。適している有機鉛化合物にはテトラエチル鉛とテトラ
メチル鉛がある。テトラブチル錫及び水素化トリメチル錫のような有機錫化合物
が特に好ましい。
追加の特定の有機金属化合物に、ネオデカン酸ビスマス、オクタン酸クロム、
ナフテン酸コバルト、カルボン酸マンガン、ネオデカン酸パラジウム、ネオデカ
ン酸銀、テトラブチルゲルマニウム、トリブチルアンチモン、トリフェニルアン
チモン、トリフェニルアルシン及びオクタン酸ジルコニウムがある。
これら抑制剤を反応器系に添加する方法と場所は重要ではなく、それは主とし
て特定のプロセス設計特性に依存する。例えば、それらは供給原料と共に連続的
に又は不連続的に添加することができる。
しかし、これら抑制剤の供給原料に対する添加は、それら抑制剤が反応器系の
初めの部分に蓄積する傾向があるので、好ましくない。この蓄積は系の他の領域
に十分な保護を与えないだろう。
これら抑制剤は建造の前に、運転開始の前に、又は現場(即ち、現にある系)
で被膜として与えるのが好ましい。もし、現場で加えるならば、それは触媒の再
生後に行うのがよいだろう。非常に薄い被膜を適用することができる。例えば、
有機錫化合物を使用するときは、0.1ミクロン程度の薄い鉄スタニド被膜が有
効であると考えられる。
これら抑制剤を現存する若しくは新規な反応器の表面に、又は新規な若しくは
現存する炉管に被覆する好ましい方法は、水素雰囲気中、約900°Fの温度で
有機金属化合物を分解させる方法である。有機錫化合物については、例えば、こ
れにより管表面に反応性の金属錫が生成する。これらの温度で錫は管表面の金属
と更に反応して金属を不動態化する。
最適の被覆温度は個々の有機金属化合物、又は、もし合金が所望とされるなら
ば化合物の混合物に依存する。一般的には、過剰の有機金属被覆剤は、これを霧
の状態で系全体にくまなく搬送するように、高水素流量で管に律動的に送ること
ができる。その流量は、次いで、被覆用金属の霧をして、炉管又は反応器表面を
被覆し、それらと反応できるようにするために、少なくすることができる。別法
として、有機金属化合物を還元性雰囲気中で分解し、管又は反応器の熱い壁と反
応する蒸気として導入することができる。
前記のように、浸炭、金属ダスチング及びコーキングを受け易いリホーミング
反応器系は、分解性の有機金属錫化合物を含有する分解性塗料を、反応器系の浸
炭を最も受け易い区域に適用することによって処理することができる。このよう
な方法は温度制御された炉において特に有効に働く。
ただし、そのような制御は常になされている訳ではない。有機金属化合物が分
解し、沈着物を形成し得る反応器系、特に炉管に“熱スポット”が生ずるのであ
る。従って、本発明のもう1つの面は、温度が精密に制御されておらず、高温の
熱スポットの区域を有するリホーミング反応器系に、そのような沈着を避ける方
法に関する。
このような方法は、反応器系全体を水素ガスの熱い流れを用いて750〜11
50°F、好ましくは900〜1100°F、最も好ましくは約1050°Fの
温度に予熱することを含む。予熱後、気化された有機金属錫化合物と水素ガスを
含有する400〜800°F、好ましくは500〜700°F、最も好ましくは
約550°Fの温度のより冷たいガス流を、予熱された反応器系に導入する。こ
のガス混合物は上流へ導入され、反応器系全体にくまなく伝わる分解“波”を提
供することができる。本質的には、この方法は、熱水素ガスが、そのより冷たい
有機金属ガスが反応器系全体に波として伝わって行くにつれてその有機金属ガス
を分解させる均一に加熱された表面をもたらすことが理由となって、その機能を
果たす。有機金属錫化合物を含有するより冷たいガスは熱い表面で分解し、その
表面を被覆する。有機金属錫の蒸気は波として動き続け、反応器系の下流のより
熱い表面を処理する。これによって、反応器系全体が有機金属錫化合物の均一な
被膜を有することができる。また、反応器系全体が有機金属錫化合物で確実、均
一に被覆されるようにするために、これらの熱−冷温度サイクルを数回行うこと
が望ましいだろう。
リホーミング反応器系を本発明に従って運転するとき、ナフサは改質されて芳
香族化合物を生成する。ナフサ供給原料は、好ましくは約70〜450°F、更
に好ましくは約100〜350°Fの範囲で沸騰する軽質の炭化水素である。こ
のナフサ供給原料は脂肪族、即ちパラフィン系の炭化水素を含有している。これ
らの脂肪族化合物は、少なくとも一部は、リホーミング反応域で芳香族化合物に
転化される。
本発明の“低硫黄”系では、供給原料の硫黄含量は100ppm未満であるの
が好ましく、50ppm未満であるのが更に好ましい。大気孔のゼオライト触媒
を用いる場合、供給原料の硫黄含量は100ppb未満であるのが好ましく、5
0ppb未満が更に好ましく、10ppb未満がそれ以上に好ましく、そして5
ppb未満が更にそれ以上に好ましい。必要ならば、小過剰の硫黄を除去するた
めに硫黄吸収装置を用いてもよい。
リホーミングの好ましいプロセス条件には、700〜1050°F、更に好ま
しくは850〜1025°Fの温度;0〜400psig、更に好ましい15〜
150psigの圧力;リホーミング反応域に送られる供給原料について0.1
〜20、更に好ましくは0.5〜10という炭化水素に対する水素のモル比をも
たらすのに十分な再循環水素流量;及び0.1〜10、更に好ましくは0.5〜
5というリホーミング触媒上を流れる炭化水素供給原料についての時間当たりの
液体空間速度が含まれる。これらの温度において、錫は硫化された金属と反応し
て金属中の硫黄を錫で置換し、及び/又はその硫黄を固着して反応器系への硫黄
の放出を防ぐ。
この適当なリホーマー温度を達成するためには、炉管を高温に加熱することが
しばしば必要になる。これらの温度は、しばしば、600〜1800°F、通常
は850〜1250°Fの範囲であることができ、そして更に多くの場合900
〜1200°Fの範囲であることができる。
前記のように、低硫黄系における浸炭、コーキング及び金属ダスチングの問題
は反応器系の過度に高い局所化したプロセス温度に関連することが見いだされて
おり、そしてこれら問題は反応器系の特に高い温度が特徴である炉管において特
に深刻である。硫黄が高レベルで存在する常用のリホーミング技術では、運転終
期で1175°Fまでの炉管スキン温度が一般的である。しかし、それでも過度
の浸炭、コーキング及び金属ダスチングは観察されなかった。低硫黄系において
は、しかし、CrMo鋼では950°F以上の温度で、ステンレス鋼では102
5°F以上の温度で過度の、急速な浸炭、コーキング及び金属ダスチングが起る
ことが発見された。
従って、本発明のもう1つの面は、リホーミング系の炉管、移送ライン及び/
又は反応器の内側金属表面の温度を前記のレベルより低い温度に下げることであ
る。例えば、温度は、熱電対を反応器系の色々な場所に取り付け、使用してモニ
ターすることができる。炉管の場合、熱電対はその外壁、好ましくは炉の最も高
温の点(通常は、炉の出口付近)に取り付けることができる。必要なときは、温
度を所望レベルに保持するために、プロセスの作動時に調整することができる。
系の表面が所望とされない程の高温に暴露されることを同様に少なくする他の
方法がある。例えば、複数の伝熱区域を、温度が通常最高である最終段階に抵抗
性(かつ、通常は更にコストが高い)管材料と共に採用することができる。
更に、リホーミング系の反応器間に過熱された水素を加えることもできる。ま
た、より多量の触媒を仕込む方法も使用することができる。しかして、触媒は更
に頻繁に再生することができる。触媒再生の場合、それは、触媒を最後の床から
抜き取り、再生し、そして第一の床に仕込む移動床法を用いて遂行するのが最良
である。
浸炭と金属ダスチングは、また、ある種特定の他の新規な装置の配置とプロセ
ス条件を用いることにより、本発明の低硫黄リホーミング反応器系で最少限に抑
えることができる。例えば、反応器系は段階的に企画、対応したヒーター及び/
又は管を用いて作ることができる。言い換えると、反応器系中の最も極端な温度
条件に付されるヒーターと管は、リホーミング用反応器系の建造に通常用いられ
る材料、即ち前記のような材料より耐浸炭性が大きい材料から作ることができる
。極限温度に付されないヒーター又は管は引き続き常用の材料から作ることがで
きる。
反応器系でこのような段階的企画、設計を採用することによって、低硫黄のリ
ホーミング条件下で浸炭と金属ダスチングに対して十分に抵抗性である反応器系
をなお提供しつつ、系の総合コストを低減することが可能である(耐浸炭性材料
は、一般に、常用材料より高価であるから)。更に、このことによって、現存す
るリホーミング用反応器系を低硫黄の作動条件下で浸炭及び金属ダスチングに対
して抵抗性とすべく、その反応器系の適合性の復活がし易くなるだろう。段階的
企画、設計により置換又は修正が必要になる反応器系の部分はより小さいだろう
からである。
反応器系は、また、少なくとも1つの高温域と1つの低温域と言う少なくとも
2つの温度域を用いて運転することができる。この方法は、金属ダスチングには
ダスチングが最大である温度と最低である温度があり、それら温度より高い温度
及び低い温度ではダスチングは最少限に抑えられると言う観察結果に基づく。従
って、“より高い”温度とは、温度がリホーミング用反応器系で通常使用される
温度よりも高く、かつダスチングにとって最高の温度よりも高いことを意味する
。“より低い”温度とは、温度がリホーミングプロセスが通常実施される、ダス
チングが問題になる温度より下になる温度または略その温度であることを意味す
る。
異なる温度域にある反応器系の部分、部分を作動させることは、反応器系のよ
り少ない部分が金属ダスチングを促す温度にあることになるので、金属ダスチン
グを減少させるはずである。また、このような設計の他の利点として、反応器系
のより高温での作動が部分、部分でなされることから、伝熱係数と装置サイズの
縮小能とが改善されることが挙げられる。しかし、金属ダスチングを促すレベル
より低い及び高いレベルにある反応器系の作動部分は最少限であると思われ、従
って金属ダスチングが起こる温度範囲は完全には回避されない。これは、リホー
ミング用反応器系の日毎の運転中に起こる温度の変動、特に系の運転停止と開始
の際の温度変動、運転を反復しているときの温度変動、及びプロセス流体が反応
器系中で加熱されるときに起こる温度変動の故に不可避である。
金属ダスチングを最少限に抑えるもう1つの方法は、過熱された(例えば、水
素のような)原材料を用いて系に熱を与え、それによって炭化水素を炉壁を通し
て加熱する必要を最少限に抑える方法に関する。
プロセスの設計法に関する更にもう1つの方法は、より大きな管直径及び/又
はより高い管中速度を持つ以前から存在するリホーミング用反応器系を提供する
ことである。より大きな管直径及び/又はより高い管中速度を用いると、反応器
系中の加熱用表面の炭化水素に対する暴露が最少限に抑えられる。
前記のように、接触リホーミングは石油工業では周知であり、それには芳香族
化合物を生成させることによってオクタン価の等級を高めるナフサ留分の処理が
含まれる。リホーミング操作中に起こるこれらのより重要な炭化水素の反応には
、シクロヘキサン類の芳香族化合物への脱水素反応、アルキルシクロペンタン類
の芳香族化合物への脱水素異性化反応及び非環式炭化水素の芳香族化合物への脱
水素環化反応が含まれる。加えて、アルキルベンゼン類の脱アルキル化反応、パ
ラフィンの異性化反応、及び軽質のガス状炭化水素、例えばメタン、エタン、プ
ロパン及びブタンを生成させる水添分解反応を含めて、多数の他の反応も起こる
。ここで、水添分解反応はガソリンの沸点を持つ生成物と水素の収率を下げるの
で、リホーミング中は最少限に抑えるべきものである。しかして、本明細書中で
使用されている“リホーミング”とは、芳香族化合物に富んだ生成物(即ち、芳
香族化合物の含量が供給原料のそれより高くなっている生成物)を提供するため
に、1種又は2種以上の芳香族化合物を生成させる反応を用いることにより炭化
水素供給原料を処理することを意味する。
本発明は主として接触リホーミングに関するが、一般的には、低硫黄の条件下
における色々な炭化水素供給原料からの芳香族炭化水素の製造に有用である。即
ち、接触リホーミングは、典型的には、ナフサの転化を指すが、芳香族化合物に
富んだ生成物を提供するために他の供給原料も同様に処理することができる。従
って、ナフサの転化が1つの好ましい態様ではあるが、本発明はパラフィン系炭
化水素、オレフィン系炭化水素、アセチレン系炭化水素、環式のパラフィン系炭
化水素、環式のオレフィン系炭化水素及びそれらの混合物のような種々の供給原
料、特に飽和炭化水素の転化又は芳香族化にも有用である。
パラフィン系炭化水素の例は、n−ヘキサン、メチルペンタン、n−ヘプタン
、メチルヘキサン、ジメチルペンタン及びn−オクタンのような6〜10個の炭
素原子を有するものである。アセチレン系炭化水素の例は、ヘキシン、ヘプチン
及びオクチンのような6〜10個の炭素原子を有するものである。環式のパラフ
ィン系炭化水素は、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン及びジメチルシクロヘキサンのような6〜10個の炭素原子を有するもので
ある。環式のオレフィン系炭化水素の典型的な例は、メチルシクロペンテン、シ
クロヘキセン、メチルシクロヘキセン及びジメチルシクロヘキセンのような6〜
10個の炭素原子を有するものである。
本発明は、また、種々の異なるリホーミング触媒を用いる、低硫黄条件下での
リホーミングにも有用である。このような触媒には、限定するわけではないが、
耐火性の無機酸化物に担持された第VIII族貴金属、例えばアルミナ担持白金
、アルミナ担持Pt/Sn及びアルミナ担持Pt/Re;ゼオライトに担持され
た第VIII族貴金属、例えばL−ゼオライト、ZSM−5、シリカライト(si
licalite)及びベーターゼオライトのようなゼオライトに担持されたPt、Pt
/Sn及びPt/Re;並びにアルカリ金属及びアルカリ土類金属交換L−ゼオ
ライトに担持された第VIII族貴金属がある。
本発明の1つの好ましい態様は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含み、
かつ1種又は2種以上の第VIII族金属が添入されている大気孔のゼオライト
触媒の使用を含む。このような触媒をナフサ供給原料のリホーミングに使用する
態様が最も好ましい。
“大気孔のゼオライト”なる用語は有効孔径が6〜15オングストロームのゼ
オライトを一般に指す。本発明で有用な好ましい大気孔の結晶性ゼオライトには
、
タイプLのゼオライト、ゼオライトX、ゼオライトY及びフォージャサイト(fa
ujasite)が包含される。これらゼオライトは7〜9オングストロームオーダー
の見掛け孔寸法を有する。ゼオライトがタイプLのゼオライトであるのが最も好
ましい。
タイプLゼオライトの、酸化物のモル比として表される組成は次式:
(0.9〜1.3)M2/nO:Al2O3(5.2〜6.9)SiO2:yH2O
で表すことができる。上記の式において、Mはカチオンを表し、nはMの原子価
を表し、そしてyは0から約9の任意の値であることができる。ゼオライトL、
そのX線回折像、その性質及びその製造法は、例えば米国特許第3,216,7
89号明細書に詳しく記載されおり、その内容を本明細書で引用、参照するもの
とする。実際の式はその結晶構造を変更することなく変えることができる。例え
ば、珪素対アルミニウム(Si/Al)のモル比は1.0から3.5まで変える
ことができる。
ゼオライトYの酸化物のモル比として表される化学式は
(0.7〜1.1)Na2O:Al2O3:xSiO2:yH2O
と書くことができる。上記の式において、xは3より大で、約6までの値である
。yは約9までの値であることができる。ゼオライトYは同定に上記の式を用い
ることができる特性X線粉末回折像を有する。ゼオライトYは米国特許第3,1
30,007号明細書により詳細に記載されており、その内容を本明細書で引用
、参照するものとする。
ゼオライトXは式:
(0.7〜1.1)M2/nO:Al2O3:(2.0〜3.0)SiO2:yH2O
で表すことができる合成の結晶性ゼオライト分子篩である。上記の式において、
Mは金属、特にアルカリ金属又はアルカリ土類金属を表し、nはMの原子価であ
り、そしてyはMが何であるかに、及びこの結晶性ゼオライトの水和度に依存し
て約8までの任意の値を有することができる。ゼオライトX、そのX線回折像、
その性質及びその製造法は米国特許第2,882,244号明細書に詳しく記載
されおり、その内容を本明細書で引用、参照するものとする。
大気孔ゼオライトにはアルカリ金属及びアルカリ土類金属が存在しているのが
好ましい。そのアルカリ土類金属はバリウム、ストロンチウム又はカルシウムの
いずれかであることができるが、好ましくはバリウムである。アルカリ土類金属
は合成、含浸又はイオン交換でゼオライトに組み込むことができる。バリウムは
酸性度が幾らか小さい触媒をもたらすので、他のアルカリ土類金属より好ましい
。強い酸性度はひび割れを促進し、選択性を低下させるので、触媒には望ましく
ない。
もう1つの態様において、アルカリ金属の少なくとも一部は、ゼオライトの公
知のイオン交換法を用いてバリウムと交換することができる。これにはゼオライ
トを過剰のBa++イオンを含有する溶液と接触させることが含まれる。この態様
において、バリウムはゼオライトの0.1〜35重量%を構成するのが好ましい
だろう。
本発明で用いられる大気孔ゼオライト触媒には、1種又は2種以上の第VII
I族金属、例えばニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム又
は白金が添入される。好ましい第VIII族金属はイリジウム、及び特に白金で
ある。これらの金属は脱水素環化反応に対して一層選択性であり、また脱水素環
化反応の条件下で他の第VIII族金属よりも安定である。白金が使用される場
合、触媒中の好ましい白金の重量百分率は0.1〜5%である。
第VIII族金属は大気孔ゼオライトに合成、含浸、又は適切な塩の水溶液中
での交換で導入される。ゼオライトに2種の第VIII族金属を導入することが
望まれるとき、その導入操作は同時に行ってもよいし、或いは逐次的に行っても
よい。
本発明について更に完全な理解を得るために、本発明のある種特定の面を例証
している次の実施例について説明する。しかし、本発明はここに述べられる具体
的な細部にはいかなる意味でも限定されないことを理解すべきである。
実施例
錫が硫化鉄とどのように反応するかを調べる試みにおいて、1つが錫ペイント
で塗布されたほとんど純粋な一硫化鉄の2個のチャンクを、水素中プロパン7%
中のトルエン約1%の浸炭性雰囲気中で950°Fにおいて3時間処理した。コ
ーキングは起こらず、これらの条件下で予想もされなかったことである。次いで
、
一硫化鉄の2個以上のチャンクを研削して新しい平らな表面を得た。これらチャ
ンクの1つの平らな表面を錫ペイントで処理し、両チャンクを前記浸炭性雰囲気
に950°Fにおいて3時間暴露した。両実験の結果は同じであった。
これらの試料をエポキシ樹脂の中に配し、研削し、そして写真及び走査電子顕
微鏡による試験のために研磨した。図1は、錫が硫化鉄と反応して、鉄スタニド
であるFeSn及びFeSn2から構成される、15μmの均一な厚さを有する
連続層を形成したことを示している顕微鏡写真(反射光、200x、1cm=5
0μm)である。置換された硫化物中の硫黄は多分H2Sとして放出された。図
2は、より厚いFeSn2の沈着物の下にある硫化鉄の上のFeSnの薄い内側
層を示している顕微鏡写真(反射光、1250x、1cm=8μm)である。未
反応の錫も若干存在する。これらFeSn層及びFeSn2層は硫化された金属
中の残留硫黄を固着してその硫黄が続いて金属表面から放出されるのを防止した
。
これらの結果は、鉄スタニドは少量のH2Sの存在下で安定であることを示し
ている。これらの結果は、また、反応器系を含硫黄状態から硫黄不含状態に転換
する場合のような、硫化された鋼の表面に錫の保護被膜を直接適用することがで
きるだろうことを示している。この錫はコーキングの保護と、硫黄感受性のプロ
セスにおいて使用するための反応器系を脱硫する手段とを共に与えることができ
る。
以上、本発明を好ましい態様に関して説明したが、種々の変更及び修正を採用
してもよいことを理解すべきである。上記の好ましい態様に対するそのような変
更及び修正は当業者には容易に明らかであり、かつそれらは次の請求の範囲で定
義される本発明の範囲に入ると考えるべきものである。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
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B,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,LV
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Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.次の: (i)少なくとも1つの表面が炭化水素に暴露されるべき金属硫化物又は金属 硫化物類を含んで成るリホーミング用反応器系を、その表面の少なくとも一部分 を、被覆前の該部分より耐浸炭性(resistant to carburization)が大きい材料 で被覆し、該材料を該表面上の該金属硫化物と反応させ、そして該金属硫化物の 硫黄の少なくとも一部分を固着させるか、又は該硫黄の少なくとも一部分を反応 器系から除去することによって処理し、そして (ii)炭化水素を該反応器系中で低硫黄の条件下においてリホーミングする 工程を含んで成る炭化水素のリホーミング法。 2.該耐浸炭性材料が銅、錫(スズ)、砒素(ヒ素)、アンチモン、ビスマス 、クロム、ゲルマニウム、インジウム、セレン、テルル又は黄銅から成る、請求 の範囲第1項に記載の炭化水素のリホーミング法。 3.該耐浸炭性材料が錫、砒素、アンチモン又はビスマスから成る、請求の範 囲第2項に記載の炭化水素のリホーミング法。 4.該耐浸炭性材料が錫から成る、請求の範囲第3項に記載の炭化水素のリホ ーミング法。 5.該リホーミング工程が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含み、かつ 1種又は2種以上の第VIII族金属が添入されている大気孔の(large-pore) ゼオライト触媒の存在下でリホーミングすることから成る、請求の範囲第1項に 記載の炭化水素のリホーミング法。 6.ナフサ供給原料を、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含みかつ1種又 は2種以上の第VIII族金属が添入されている大気孔のゼオライト触媒と接触 させ、そして反応器系の少なくとも一部分が低硫黄の条件下で軟鋼より大きい耐 浸炭性を有している、請求の範囲第5項に記載の炭化水素のリホーミング法。 7.少なくとも一部分が軟鋼より大きな耐浸炭性を有している反応器系中で、 低硫黄の条件下においてリホーミングを行うことから成る、請求の範囲第1項に 記載の炭化水素のリホーミング法。 8.少なくとも一部分がアルミナイズ(aluminized)鋼より大きな耐浸炭性を 有している反応器系中で、低硫黄の条件下においてリホーミングを行うことから 成る、請求の範囲第1項に記載の炭化水素のリホーミング法。 9.少なくとも一部分が合金鋼より大きな耐浸炭性を有している反応器系中で 、低硫黄の条件下においてリホーミングを行うことから成る、請求の範囲第1項 に記載の炭化水素のリホーミング法。 10.炭化水素と接触している、反応器系の炉管の少なくとも一部分が軟鋼よ り大きな耐浸炭性を有している該反応器系中で、低硫黄の条件下においてリホー ミングを行うことから成る、請求の範囲第1項に記載の炭化水素のリホーミング 法。 11.炭化水素と接触している反応器系の少なくとも一部分がCu−Sn合金 又はCu−Sb合金である該反応器系中で、低硫黄の条件下においてリホーミン グを行うことから成る、請求の範囲第1項に記載の炭化水素のリホーミング法。 12.該材料がメッキ、クラッド、ペイント又は他の被膜として基材構成材料 に与えられている、請求の範囲第1項に記載の炭化水素のリホーミング法。 13.錫被膜を電気メッキ、蒸着又は溶融浴中でのソーキングによって適用す る、請求の範囲第1項に記載の方法。 14.該材料が酸化後もその耐浸炭性を保持しているのに有効なものである、 請求の範囲第1項に記載の炭化水素のリホーミング法。 15.リホーミング時の該抵抗性が、脆化が1.5mm/年未満であるそのよ うな抵抗性である、請求の範囲第1項に記載の炭化水素のリホーミング法。 16.次の: (i)少なくとも1つの表面が炭化水素に暴露されるべき金属硫化物又は金属 硫化物類を含んで成る反応器系を、その表面の少なくとも一部分を、被覆前の該 部分より耐浸炭性が大きい材料で被覆し、該材料を該表面上の該金属硫化物と反 応させ、そして該金属硫化物の硫黄の少なくとも一部分を固着させるか、又は該 硫黄の少なくとも一部分を該反応器系から除去することによって処理し、そして (ii)炭化水素を該反応器系中で昇温下、低硫黄の条件下において反応させ る 工程を含んで成る反応器系の保護法。 17.該耐浸炭性材料が銅、錫、砒素、アンチモン、ビスマス、クロム、ゲル マニウム、インジウム、セレン、テルル又は黄銅から成る、請求の範囲第16項 に記載の反応器系の処理法。 18.該耐浸炭性材料が錫、砒素、アンチモン又はビスマスから成る、請求の 範囲第17項に記載の反応器系の処理法。 19.該耐浸炭性材料が錫から成る、請求の範囲第18項に記載の炭化水素の リホーミング法。 20.少なくとも一部分が軟鋼より大きな耐浸炭性を有している反応器系中で 、低硫黄の条件下においてリホーミングを行うことから成る、請求の範囲第16 項に記載の炭化水素のリホーミング法。 21.少なくとも一部分がアルミナイズ鋼より大きな耐浸炭性を有している反 応器系中で、低硫黄の条件下においてリホーミングを行うことから成る、請求の 範囲第16項に記載の炭化水素のリホーミング法。 22.少なくとも一部分が合金鋼より大きな耐浸炭性を有している反応器系中 で、低硫黄の条件下においてリホーミングを行うことから成る、請求の範囲第1 6項に記載の炭化水素のリホーミング法。 23.炭化水素と接触している反応器系の少なくとも一部分がCu−Sn合金 又はCu−Sb合金である該反応器系中で、低硫黄の条件下においてリホーミン グを行うことから成る、請求の範囲第16項に記載の炭化水素のリホーミング法 。 24.該材料がメッキ、クラッド、ペイント又は他の被膜として基材構成材料 に与えられている、請求の範囲第16項に記載の炭化水素のリホーミング法。 25.錫被膜を電気メッキ、蒸着又は溶融浴中でのソーキングによって適用す る、請求の範囲第16項に記載の方法。 26.該材料が酸化後もその耐浸炭性を保持しているのに有効なものである、 請求の範囲第16項に記載の炭化水素のリホーミング法。 27.リホーミング時の該抵抗性が、脆化が1.5mm/年未満であるそのよ うな抵抗性である、請求の範囲第16項に記載の炭化水素のリホーミング法。
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