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JPH08505047A - インターフェロンτ組成物および使用方法 - Google Patents

インターフェロンτ組成物および使用方法

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JPH08505047A
JPH08505047A JP6511137A JP51113794A JPH08505047A JP H08505047 A JPH08505047 A JP H08505047A JP 6511137 A JP6511137 A JP 6511137A JP 51113794 A JP51113794 A JP 51113794A JP H08505047 A JPH08505047 A JP H08505047A
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seq
interferon
polypeptide
ifnτ
sequence
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JP6511137A
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English (en)
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ワレン ベイザー,フラー
マーセルズ ジョンソン,ハワード
ハンロン ポントザー,キャロル
リー オット,トロイ
ヒーク,ジーノ バン
イマカワ,カズヒコ
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University of Florida
Original Assignee
University of Florida
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、インターフェロン−τタンパク質およびそれに由来するポリペプチドの産生を記載する。これらのタンパク質およびポリペプチドの、抗ウイルス特性および抗細胞増殖特性が開示される。本発明のタンパク質の1つの利点は、細胞を処理するために使用する場合に、細胞毒性の副作用を有さないことである。このインターフェロン−τタンパク質の構造/機能の関係もまた記載される。

Description

【発明の詳細な説明】 インターフェロンτ組成物および使用方法 発明の分野 本発明は、インターフェロン−τ組成物および使用方法に関する。 参考文献 発明の背景 種々の哺乳動物の胚膜または栄養外胚葉が、妊娠を確立および維持させる生化 学的シグナルを生じる(Bazerら、1983)。このようなタンパク質のひとつであ るヒツジの栄養膜(trophoblast)タンパク質−1(oTP-1)は、ヒツジの胚膜か ら妊娠10〜21日目の間に分泌される低分子量タンパク質として同定されている( Wilsonら、1979;Bazerら、1986)。このタンパク質oTP-1は、プロスタグランジ ンF2−α(これは妊娠していないヒツジにおいて、卵巣の黄体の生理学的およ び内分泌学的な消滅を引き起こす)の子宮からの分泌を阻害することが知られて いる(Bazerら、1986)。従って、oTP-1は抗黄体消褪化(antiluteolytic)とい う生化学的性を有する。oTP-1の第1の役割は妊娠の確立に関連していると考え られていた。 oTP-1は、次に(i)種々の種のインターフェロンα(IFNα) と限られた相同性(50〜70%)を示すこと(Imakawaら、1987)、および(ii) I型インターフェロンレセプターと結合すること(Stewartら、1987)が見いだ された。IFNαといくらか類似しているにもかかわらず、oTP-1は、oTP-1をIFNα と区別するいくつかの特徴を有している。この特徴には以下が包含される:oTP- 1の生殖生化学における役割(他のインターフェロンは生殖サイクルの生化学的 調節においてなんらかの役割を有していることは知られていない)、oTP-1の細 胞供給源−−トロホブラスト細胞(IFNαはリンパ球細胞由来である)、oTP-1の サイズ−−172アミノ酸(IFNαは代表的には、約166アミノ酸である)、そしてo TP-1はウイルスによる弱い誘発性を有する(IFNαはウイルスによる高度の誘発 性を有する)。国際インターフェロン学会(International Interferon Society )は、oTP-1は完全に新しいインターフェロンのクラスに属することを認め、こ れはインターフェロン−τ(IFNτ)と名付けられた。ギリシャ文字τはトロホ ブラストを表す。 インターフェロンは2つの異なるグループに分類される:IFNα、IFNβ、およ びIFNω(IFNaIIとしてもまた知られる)を包含するI型インターフェロン;お よびIFNγとして表されるII型インターフェロン(DeMaeyerらによって概説され ている)。ヒトにおいては、少なくとも17個のIFNα非対立遺伝子、少なくとも 約2または3個のIFNβ非対立遺伝子、および1つのIFNγ遺伝子が存在すると見 積もられている。 IFNα類は、種々のタイプの細胞増殖を阻害することが示さ れている。IFNα類は、特にヘアリー・セル白血病のような血液学的悪性疾患に 対して有用である(Quesadaら、1984)。さらに、これらのタンパク質はまた、 多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病、低級(low-grade)リンパ腫、カポジ肉腫 、慢性骨髄性白血病、腎細胞癌、膀胱腫瘍、および卵巣癌に対して、活性を示す (Bonnemら、1984;0ldham、1985)。インターフェロンおよびインターフェロン レセプターの、ある種の自己免疫疾患および炎症性疾患の病因における役割もま た研究されている(Benoitら、1993)。 IFNα類はまた種々のタイプのウイルス性疾患に対しても有用である(Finter ら、1991)。αインターフェロンは、ヒトパピローマウイルス感染、B型肝炎、 およびC型肝炎感染に対して活性を示した(Fineterら、1991;kashimaら、1988 ;Dusheikoら、1986;Davisら、1989)。しかし、重要なことは、IFNα類の有用 性はその毒性によって制限されるということである。つまり、インターフェロン を癌およびウイルス性疾患の治療に使用すると、その結果、発熱、悪寒、食欲不 振、体重減少、および疲労のような重い副作用が生じる(Pontzerら、1991;Old ham、1985)。これらの副作用により、しばしば、(i)インターフェロンの用量 を、治療の効果が制限されるレベルまで低減すること、または(ii)患者に対す るその治療をやめることが必要となる。このような毒性はヒトおよび動物の疾患 を弱めるための治療における、これらの潜在的な抗ウイルス性および抗増殖性タ ンパク質の有用性を低下させる。 発明の要旨 本発明のひとつの局面は腫瘍細胞増殖を阻害する方法を包含する。この方法で は、腫瘍細胞の増殖を阻害するのに効果的な濃度のインターフェロンτ(IFNτ )に、細胞を接触させる。IFNτは、ウシ、ヒツジ、およびヒトを包含する多く の源から得られ得る。2つの実施態様は、配列番号2および配列番号4のいずれ かとして提示されるIFNτを包含する。多くの腫瘍細胞がIFNτによる増殖阻害の ための標的とされ得、この腫瘍細胞にはヒトの癌細胞およびステロイドに影響さ れる(steroid-affected)腫瘍細胞(例えば、哺乳類腫瘍細胞)が包含されるが 、これらに限定されない。 本発明はまた、細胞中におけるウイルスの複製を阻害する方法が包含する。こ の方法では、細胞中でのウイルスの複製を阻害するのに効果的な濃度のインター フェロン−τに、ウイルスに感染した細胞を接触させる。上記のIFNτ分子はま た本発明のこの方法にも有用である。多くのウイルスの複製が細胞中で阻害され 得、これらのウイルスにはRNAウイルス(例えば、ネコ白血病ウイルス、ヒト免 疫不全ウイルス、またはC型肝炎ウイルス)およびDNAウイルス(例えば、B型 肝炎ウイルス)が包含される。 本発明のヒトIFNτ分子はまた、哺乳類の雌の受胎能を高める方法に使用し得 る。この方法では、雌の哺乳類の受胎能を高めるのに効果的な量のヒトIFNτを 、代表的には薬学的に受容可能なキャリアに入れて投与する。このようなヒトIF Nτ分 子の例は、配列番号4および配列番号12として提示されるタンパク質配列である 。 本発明はまた、ヒトインターフェロン−τをコードする単離された核酸を包含 する。このような核酸分子の例は配列番号3および配列番号11である。さらに、 本発明はヒトIFNτを発現する発現ベクターを包含する。代表的には、この発現 ベクターは(a)ヒトインターフェロンτをコードするオープンリーディングフ レームを含む核酸、および(b)このオープンリーディングフレームを宿主細胞 中で発現するのに効果的な調節配列を含む。この調節配列は、IFNτポリペプチ ドの標的化または分泌のために有用な配列を含み得る:このような配列は内因性 (例えば、天然由来のIFNτリーダー配列。配列番号11参照)または異種(heter ologous)(例えば、酵母または細菌発現系で認識される分泌シグナル)であり 得る。発現ベクターでは、調節配列また、上記核酸配列の5’側にプロモーター 領域、およびインターフェロン−τコーディング配列にインフレームのATG開始 コドン、ならびに上記コーディング配列の3’側に翻訳終止シグナルとそれに続 く転写終止シグナルとを含み得る。発現ベクター中の核酸は、例えば、配列番号 1、配列番号3、および配列番号11から選択し得る。 他の実施態様では、本発明は組換え的に産生されたヒトインターフェロン−τ タンパク質を包含する。このようなタンパク質の1つの例示的な配列は配列番号 4で与えられる。ヒトIFNτはまたカルボキシ末端伸長部(例えば、配列番号12 と して提示される配列)を含み得る。 本発明は、組換え的にインターフェロン−τを産生する方法を包含する。この 方法では、ヒトインターフェロン−τポリペプチドをコードするポリヌクレオチ ド配列を有するオープンリーディングフレーム(0RF)を含む組換え発現系(こ こで、ベクターは宿主中で0RFが発現するように設計されている)が適切な宿主 細胞中に導入される。次いで、この宿主は0RF配列が発現するような条件下で培 養される。上記のヒトIFNτ配列は適切なIFNτポリペプチドの例である。ポリヌ クレオチドコーディング配列の例は配列番号3および配列番号11である。多数の ベクターおよびその対応宿主が、本発明のこの方法の実施のために有用であり、 これにはλgt11ファージベクターおよびE.coli細胞が包含される。他の宿主細 胞には酵母および昆虫細胞発現系が包含される。 本発明はさらに、インターフェロン−τポリペプチドを発現するために有用な 発現系を包含する。代表的なこれらの系には、選択された発現ベクター中でのオ ープンリーディングフレームの発現を支持することが可能な宿主が包含され、そ してこの選択された発現ベクターは、ヒトインターフェロン−τポリペプチドを コードするポリヌクレオチド配列を有するオープンリーディングフレーム(0RF )を含んでいる。このような発現系に使用し得る配列の例は、配列番号4、配列 番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、および配列番号20 である。 本発明はまた、単離されたインターフエロン−τポリペプチドを包含する。こ れらのポリペプチドは、インターフェロン−τアミノ酸コーディング配列由来で あり、そして長さが約15アミノ酸と172アミノ酸との間である。このようなポリ ペプチドは、例えば、配列番号2および配列番号4で提示される配列から選択さ れ得る。IFNτ由来(IFNτ-derived)ポリペプチドの例には以下が包含される: 配列番号5、配列番号7、配列番号10、配列番号15、配列番号17、および配列番 号20。 他の実施態様では、本発明はα−インターフェロンレセプターを有する細胞へ のα−インターフェロンの結合をブロックする方法を包含する。この方法では、 インターフェロン−τが各α−インターフェロンレセプターに結合することを可 能にするために有効な濃度のインターフェロン−τポリペプチドに、細胞を接触 させる。レセプターに結合したIFNτポリペプチドを有する細胞は、次いで、α −インターフェロン(IFNα)に曝される。上記のIFNτポリペプチドおよびIFN τ由来ポリペプチドは、この方法において有用なIFNτポリペプチドの例である 。 さらに、本発明はインターフェロン−τレセプターを有する細胞へのインター フェロン−τの結合をブロックする方法を包含する。この方法では、細胞を、イ ンターフェロン−τ由来ポリペプチド(例えは、配列番号5、配列番号7、配列 番号10、配列番号15、配列番号17、または配列番号20)と接触させる。ここでこ のポリペプチドは、このポリペプチドを 各インターフェロン−τレセプターに結合させることを可能にするために有効な 濃度である。次いで、この細胞はインターフェロン−τに曝される。 本発明はまた、ヒトインターフェロン−τと免疫反応性の精製した抗体を包含 する。この抗体はポリクローナルまたはモノクローナルであり得る。IFNτポリ ペプチド抗原の例には、以下が包含されるが、これらに限定されない:配列番号 4、配列番号15、配列番号17、および配列番号20。 本発明はまた、以下を包含する:抗腫瘍(すなわち、抗増殖)活性を有するイ ンターフェロン−τ由来ポリペプチド;抗ウイルス活性を有するインターフェロ ン−τ由来ポリペプチド;およびハイブリッドα−インターフェロン分子(ここ で、天然のIFNαの毒性部分はIFNτ由来の類似の(analogous)配列で置換され ている)。 本発明の上記ならびに他の目的および特徴は、以下の本発明の詳細な説明を、 添付の図面とともに読むことでより完全に理解される。 図面の簡単な説明 図1は、OvIFNτの合成遺伝子の核酸コーディング配列を示す。これは、この コーディング配列全体にわたって等間隔で19個の独特の制限酵素部位を含むよう に設計されている。 図2は、OvIFNτをコードする合成遺伝子の作成のために用いられるクローニ ングの方針(strategy)を示す。 図3は、ヒトインターフェロン−τ遺伝子およびヒツジイ ンターフェロン−τ遺伝子の予想されるタンパク質配列の比較を示す。アミノ酸 の不一致は、核酸配列の下の線に別のアミノ酸を提示することで示した。 図4は、OvIFNτおよびIFNαが両方ともHL-60細胞の増殖を激減させることが できることを示すデータを示す。 図5は、rHuIFNαが細胞毒性であり、そしてOvIFNτはそうではないことを表 すデータを示す。この図においては、3つの反復実験のうち1つの結果を平均生 存率%±標準偏差として示す。 図6は、IFNτ配列由来のポリペプチドの配列を示す。 図7は、OvIFNτ配列の完全な核酸およびアミノ酸配列を示す。 図8は、IFNαに関して細胞毒性がないことを支持するデータを示し、ここでI FNτは末梢血単核細胞を処理するために使用される。 図9は、ヒトの皮膚T細胞リンパ腫系であるHUT 78をIFNτで処理した結果を 示す。 図10は、ヒトT細胞リンパ腫系であるH9をIFNτで処理した結果を示す。 図11Aは、FIV(ネコ免疫不全ウイルス)の複製に関する、OvIFNτ由来のポリ ペプチドのペプチド阻害のデータを、全長のOvIFNτの場合とともに示す。図11B はHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の複製に関する、OvIFNτ由来のポリペプチドの ペプチド阻害のデータを、全長のOvIFNτの場合とともに示す。 図12は、IFNτ由来ペプチドによるIFNτの抗ウイルス活性の阻害を表すデータ を示す。 図13は、OvIFNτのIFNτ由来ペプチドによる抗ウイルス活性の阻害を表すデー タを示す。 図14は、ウシIFNαのIFNτ由来ペプチドによる抗ウイルス活性の阻害を表すデ ータを示す。 図15は、ヒトIFNαのIFNτ由来ペプチドによる抗ウイルス活性の阻害を表すデ ータを示す。 図16は、ウシIFNγのIFNτ由来ペプチドでは抗ウイルス活性を阻害しないこと を評価するデータを示す。 図17は、抗IFNτ由来ペプチド抗血清がIFNτの抗ウイルス活性を阻害すること を表すデータを示す。 図18は、抗IFNτ由来ペプチド抗血清が放射標識されたIFNτの細胞への結合を 阻害することを表すデータを示す。 配列の簡単な説明 配列番号1は、ヒツジインターフェロン−τ(OvIFNτ)をコードする合成遺 伝子のヌクレオチド配列である。コードされるアミノ酸配列もまた示す。 配列番号2は、成熟OvIFNτタンパク質のアミノ酸配列である。 配列番号3は、成熟ヒトインターフェロン−τ(HuIFNτ)タンパク質をコー ドする合成ヌクレオチド配列である。 配列番号4は、成熟HuIFNτタンパク質のアミノ酸配列である。 配列番号5は、配列番号2のフラグメント1〜37のアミノ酸配列である。 配列番号6は、配列番号2のフラグメント34〜64のアミノ酸配列である。 配列番号7は、配列番号2のフラグメント62〜92のアミノ酸配列である。 配列番号8は、配列番号2のフラグメント90〜122のアミノ酸配列である。 配列番号9は、配列番号2のフラグメント119〜150のアミノ酸配列である。 配列番号10は、配列番号2のフラグメント139〜172のアミノ酸配列である。 配列番号11は、リーダー配列を有する天然HuIFNτ遺伝子のヌクレオチド配列 である。 配列番号12は、配列番号11の推定アミノ酸コード配列である。 配列番号13は、本発明による25マーの合成オリゴヌクレオチドである。 配列番号14は、本発明による25マーの合成オリゴヌクレオチドである。 配列番号15は、配列番号4のフラグメント1〜37のアミノ酸配列である。 配列番号16は、配列番号4のフラグメント34〜64のアミノ酸配列である。 配列番号17は、配列番号4のフラグメント62〜92のアミノ酸配列である。 配列番号18は、配列番号4のフラグメント90〜122のアミノ酸配列である。 配列番号19は、配列番号4のフラグメント119〜150のアミノ酸配列である。 配列番号20は、配列番号4のフラグメント139〜172のアミノ酸配列である。 発明の詳細な説明 I.定義 インターフェロン−τは、以下の特性を有するインターフェロンタンパク質フ ァミリーのいずれか1つをいう:(i)抗黄体溶解性(luteolytic)特性;(ii )抗ウイルス特性;(iii)抗細胞増殖特性;(iv)α−インターフェロンとの4 5〜68%アミノ酸相同性および配列番号2に示される配列に対する70%より大き いアミノ酸相同性。インターフェロン−τは、以下に記載の多くの哺乳類供給源 から単離される。 インターフェロン−τポリペプチドは、インターフェロン−τアミノ酸コーデ ィング配列に由来する約15と172との間のアミノ酸を有するポリペプチドである 。ここで上記15〜172アミノ酸は、天然のインターフェロン-τに隣接している。 このような15〜172アミノ酸領域はまた、通常天然タンパク質において不連続で あるインターフェロン−τ領域の2つ以上が接続されているポリペプチドに組み 立てられ得る。II.インターフェロンτの単離および、特徴付け A.ヒツジインターフェロンτおよびウシインターフェロンτ 1.インターフェロンτコーディング配列 ヒツジインターフェロンτ(OvIFNτ)は、ヒツジにおいて母児認識の重要な 期間の間、胎児性栄養外胚葉により産生される主要な受胎産物の分泌タンパク質 である。成熟OvIFNτの単離物の1つは、172アミノ酸長である(配列番号2)。 cDNAコーディング配列は、成熟タンパク質のアミノ末端にさらに23アミノ酸を含 む(Imakawaら、1987)。このOvIFNτ単離物のコーディング配列を図7に示す。 OvIFNτタンパク質の単離のために、受胎産物を妊娠ヒツジから採集し、そし て以前に記載されたように(Godkinら、1982)、改変最小必須培地中インビトロ で培養した。受胎産物を妊娠の種々の日に採集し、交配初日を0日目と記載した 。IFNτを、本質的にはValletら(1987)およびGodkinら(1982)に記載された ように、受胎産物培地から精製した。 IFNτの相同性を、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動 (SDS-PAGE;Maniatisら;Ausubelら)により評価した。精製されたIFNτサンプ ル中のタンパク質濃度の測定をビシンコニニックアッセイ(bicinchoninic assa y;BCA)(Pierce Chemical Co.,Rockford,IL;Smithら、1985)を用いて行っ た。 OvIFNτに相同なタンパク質をウシから単離した(bIFNτ; Helmerら、1987;Imakawaら、1989)。OvIFNτおよびBoIFNτは、(i)妊娠の母 児認識に類似の機能を有し、そして(ii)成熟タンパク質間でアミノ酸およびヌ クレオチド配列の高度の相同性を共有する。OvIFNτおよびBoIFNτ間の核酸配列 の相同性は、5’非コーディング領域で76.3%、コーディング領域で89.7%、3 ’非コーディング領域で91.9%である。アミノ酸配列の相同性は、80.4%である 。 実施例1はOvIFNτの生殖機能を記載する。OvIFNτおよび組換えヒトα-2-イ ンターフェロン(rHuIFNα2)を、雌ヒツジの子宮管腔に種々の濃度で注入した 。黄体の寿命を、発情期間の間隔(interestrous interval)、プロゲステロン 分泌の維持、およびプロスタグランジン分泌の阻害を試験して評価した(Davis ら、1992)。これらの試験の結果得られたデータを比較すると、IFNτを100μg /日で投与する場合、発情期間の間隔はかなり長くなったが、rHuIFNαを投与す る場合、有意な効果は示されなかった。これらのデータは、IFNτが、発情周期 の生化学的事象に顕著に影響するという結論を支持する。 生殖周期の種々の段階でのインターフェロンτの抗ウイルス特性もまた試験し た(実施例2)。受胎産物培養物は、発情周期の12日目から16日目にヒツジから 得られた受胎産物を用いて樹立させた。それぞれの受胎産物培養物由来の上清の 抗ウイルス活性を評価した。培養上清は、発情後16日目まで受胎産物の発達に伴 って抗ウイルス活性を増加した。2.IFNτの組換え産生 組換えIFNτを細菌細胞および酵母細胞を用いて産生した。OvIFNτのアミノ酸 コーディング配列を用いて、E.coliでの発現に至適なコドンを用いて、対応する DNAコーディング配列を得た(実施例3)。DNAコーディング配列は、オリゴヌク レオチドの連続添加により合成して構築された。クローニングされたオリゴヌク レオチドは、図2にアウトラインを示した制限酵素切断および連結を用いて単一 のポリヌクレオチドに融合された。ポリヌクレオチドコーディング配列は、配列 番号1に示す配列を有していた。 組換えIFNτの発現のために、この合成コーディング配列は多くの細菌発現ベ クター中に配置され得る:例えば、λgt11ベクター(Promega,Madison WI);p GEXベクター(Smithら);pNHベクター(Stratagene,La Jolla CA)である。IF Nτ合成ポリヌクレオチドの改変pIN III omp-A発現ベクターへのクローニングを 実施例3に記載する。IFNτタンパク質の産生は、IPTGの添加により誘導された 。可溶性組換えIFNτを、超音波処理または浸透圧分画により細胞から遊離させ た。 タンパク質は、標準法によってさらに精製され得る。標準法には、サイズ分画 (カラムクロマトグラフィーまたは前作動(preoperative)ゲル電気泳動)、ま たは例えば抗IFNτ抗体を用いるアフィニティークロマトグラフィー(固相支持 体は、Pharmacia,Piscataway NJから入手可能)を含む。タンパク質調製物はま た、例えば濾過(Amicon,Danvers,Mass.)により 濃縮され得る。 合成IFNτ遺伝子はまた、酵母クローニングベクターのpBS24Ubにクローニング された(実施例4;Sabinら;Eckerら)。 合成リンカーは、ベクター中でIFNτコーディング配列とユビキチンコーディ ング配列とのインフレーム融合が可能になるように構築された。得られた結合部 は、ユビキチン配列のIFNτ配列からのインビボ切断を可能にした。 組換えプラスミドpBS24Ub-IFNτを、酵母のS.cerevisiaeに形質転換した。形 質転換酵母細胞を培養し、溶解し、そして組換えIFNτ(r-IFNτ)タンパク質を 細胞溶解物から単離した。 r-IFNτの量をラジオイムノアッセイで定量した。精製r-IFNτのミクロ配列決 定を行った。この結果は、最初の15アミノ酸が天然のIFNτと同一であることを 示した。この結果はまた、ユビキチン/IFNτ融合タンパク質がインビボで正しく プロセッシングされていることを確認した。 この方法で得られた組換えIFNτは、受胎産物調整培地から精製されたIFNτの 抗ウイルス活性に類似の抗ウイルス活性を示した。 他の酵母ベクターが本発明の実施で用いられ得、これは制御可能な発現をする ベクターを含むがこれに限定されない(Hitzemanら;Rutterら;0edaら)。酵母 形質転換宿主は代表的にはSaccharomyces cerevisiaeであるが、しかし、形質転 換に適切な他の酵母(例えば、Schizosaccharomyces pombe)もまた用いられ得 る。 IFNτポリペプチドをコードするDNAは、多くの市販のベクターにクローニング され得、適切な宿主系中でポリペプチドを発現し得る。これらの系は、上記の細 菌発現系および酵母発現系、および以下の発現系を含む:バキュロウイルス発現 (Reillyら;Beamesら、Clontech,Palo Alto CA);および哺乳類細胞中での発 現(Clontech,Palo Alto CA;Gibco-BRL,Gaithersburg MD)。これらの組換え ポリペプチドは、融合タンパク質としてまたは天然のタンパク質として発現され 得る。多くの特性を発現ベクター中に操作し得る。それは、例えば培地中への発 現された配列の分泌を促進するリーダー配列である。組換え産生されたポリペプ チドは、代表的には、溶解された細胞または培地から単離される。精製は当該技 術分野で公知の方法により行われ得る。この方法には、塩分画、イオン交換クロ マトグラフィー、およびアフィニティークロマトグラフィーを含む。上記のよう に、IFNτポリペプチドに基づいて生じた抗体を用いて、イムノアフィニティー クロマトグラフィーが用いられ得る。B.ヒトインターフェロンτ 1.インターフェロンτタンパク質コードするヒトゲノム配列の同定およびクロ ーニング DNAを、インターフェロンτに相同な配列についてスクリーニングした(実施 例5)。OvIFN-r cDNAプローブにハイブリダイズしたいくつかの配列を同定した 。次いで、ヒトインターフェロンτの部分配列を含むいくつかのクローンを単離 した (実施例6)。OvIFNτ cDNA(Imakawaら、1987)由来の配列に対応する2つの 合成25merオリゴヌクレオチドを合成した。これらのプライマーを、以下の2つ のcDNAライブラリー由来のDNAを用いる増幅反応に用いた:ヒト各期胎盤および ヒト各期栄養膜細胞層。得られた増幅DNAフラグメントを、電気泳動分離し、そ してIFNτ増幅生成物を含むバンドを単離した。この生成物をサブクローニング し、そして挿入された増幅生成物をジデオキシターミネーション法を用いて配列 決定した。 この3つのクローン由来の配列の比較で、単離物間の高度の配列相同性が明ら かになった。しかし、この配列は一致していなかった。この結果は、ヒトインタ ーフェロンτ遺伝子の複数の変異体の存在を示唆している。 実施例7は、全長のヒトIFNτ遺伝子の単離を記載している。高分子量DNAを、 末梢血単核細胞(PBMC)から単離し、そしてサイズ分画した。画分を、ポリメラ ーゼ連鎖反応を用いてIFNτ配列の存在について試験した:増幅をポジティブと 試験した画分由来のDNA分子を用いてλgt11中にサブゲノムライブラリーを生じ させた。 このサブゲノムライブラリーをプレートに置き、そしてOvIFNτ cDNAプロー ブとハイブリダイズさせた(実施例7A)。約20個のクローンが、プローブにハ イブリダイズしたと同定された。ポジティブクローンに対応するプラークを継代 し、DNAを単離し、そしてOvIFNτプライマーを用いる増幅反応により分析した。 これらの20個のプラークのうち、6個のプラ ークがポジティブPCRシグナルを生じた。これらの6クローン由来のファージを 精製して、そして単離物を配列決定した。これらの6つのクローンの1つ由来の 挿入物の1つを、以下のスクリーニングでハイブリダイゼーションプローブとし て用いた。 λgt11サブゲノムライブラリー由来の組換えファージを、すぐ上に記載のハイ ブリダイゼーションプローブを用いてスクリーニングした(実施例7B)。ポジ ティブハイブリダイゼーションシグナルを示す3つのクローンを単離し、挿入物 を配列決定した。得られた核酸配列情報を配列番号11に示し、予測されるタンパ ク質コーディング配列を配列番号12に示す。予測される成熟タンパク質コーディ ング配列を配列番号4に示す。 ヒトインターフェロンτ遺伝子(配列番号4)およびヒツジインターフェロン τ遺伝子の予測されるタンパク質配列の比較(図3)は、アミノ酸レベルでの配 列の相同性および相違のレベルを示す。 ヒトIFNτ配列を配列番号12および配列番号11に示し、それ由来のプライマー およびプローブは、特異的なプローブとして、別のヒトIFNτコーディング配列 および/または偽遺伝子の単離物を検出するのに用いられ得る。さらに、1つの 種につき、1つより多いイソ型のIFNτタンパク質および1つより多いコーディ ング配列があり得る。特定の核酸プローブを本発明の実施に用い、本発明のIFN τポリペプチドと反応性の抗 体は、本明細書中に記載された発明の方法に従って、哺乳類中で同定されていな いインターフェロンτ変異体を単離するのに有用であり得る。2.ヒト組織でのインターフエロンτ発現の特徴付け ヒト胎盤cDNAライブラリーおよびヒツジcDNAライブラリーを、OvIFNτ cDNA プローブにハイブリダイズすることにより分析した(実施例8)。このDNAハイ ブリダイゼーション分析は、ヒトcDNAライブラリー由来のIFNτシグナルが、ヒ ツジcDNAライブラリーを用いて得られたシグナルの約1/100であることを示唆し ている。OvIFNτ cDNAはヒツジcDNAライブラリーの約0.4%を構成している。従 って、OvIFNτプローブに反応するヒトcDNA量(abundance)は、少なくともcDNA ライブラリーが得られた各期胎盤中では低い。 ヒト各期胎盤およびアムニオサイト(amniocyte)中のHuIFNτ mRNAの存在も また分析された。この結果は、胎児胎盤付属器(feto-placental annex)中のヒ トIFNτ mRNAの存在が伴うことを示唆する。アムニオサイト(aminocyte)はま た、OvIFNτプライマーおよびヒトプローブに対応するメッセージを発現し、IFN τ mRNAの発現は各期胎盤に限定されないことを示唆する。 さらに、HuIFNτの存在についてのRT-PCR分析を、ヒト成人リンパ球から単離 された全細胞RNAに適用した:この結果はIFNτ mRNAがリンパ球中に存在するこ とを示唆する。 ヒト組織でのインターフェロンτの発現はまた、インサイ チュハイブリダイゼーションを用いて試験した(実施例9)。4つの健常な異な る期および第1期(first trimester)のヒト胎盤由来切片を試験した。この分 析は、OvIFNτ cDNA配列由来のcDNAプローブを用いた(実施例9B)。インサ イチュハイブリダイゼーションをアンチセンスRNAプローブを用いて行った。3 つの異なる実験において、特異的なハイブリダイゼーションが、全期および第1 期の胎盤組織において観察された。 第1期胎盤絨毛(合胞体層の外層、栄養膜細胞層の下層、および種々のタイプ の間葉細胞を有する中心支質領域から構成される)は、栄養膜細胞層中のIFNτ の最高転写レベルを示した。合胞体層および間質細胞の両方では強度は弱いが検 出可能なレベルが存在した。転写発現の類似のパターンが、各期組織の胎盤絨毛 で示されたが、シグナル検出レベルは低かった。第1期絨毛外栄養膜は最大量の メッセージを示し、そして母児血腔(maternal blood space)中に存在する場合 ポジティブに染色された。 Howatsonら(1988)は、第1期および各期の組織の両方で、絨毛膜絨毛の合胞 体層でのIFNα産生に注目した。また、Paulesuら(1991)は、絨毛外栄養膜およ び合胞体層中のIFNαを観察し、各期に採取した組織と比較した場合、第1期胎 盤組織より大きい強度および豊富な反応性は観察しなかった。これらの研究者は ヒトIFNαサブタイプに対して惹起した抗体を用い、そして誰も絨毛性栄養膜細 胞層中にIFNαを観察しなかった。 この結果は、ヒトIFNτ遺伝子が絨毛外栄養膜を移植することにより初期の胎 盤組織中に高度に発現されるが、絨毛性合胞体層、栄養膜細胞層、および種々の 間質細胞中でもまた発現されることを示す。これらの結果は、ヒト妊娠組織中の IFNτ転写物の検出、ならびに種々の栄養膜細胞層中および第1期胎盤の絨毛外 栄養膜でのIFNτ発現を示している。C.インターフェロンτの抗ウイルス特性 IFNτの抗ウイルス活性は、RNAウイルスおよびDNAウイルスの両方を含む多く のウイルスに対して評価された。均質にまで精製されたOvIFNτの比特異活性を 抗ウイルスアッセイで評価した(実施例10)。IFNτは、rBoIFNαまたはrBoIFN γのいずれかより高い抗ウイルス特異活性を有した(実施例10、表3)。 本発明の1つの利点は、IFNτは細胞毒性効果が限定された有効抗ウイルス活 性を有することである。高度に精製されたOvIFNτを、ネコAIDSレトロウイルス およびヒトAIDSレトロウイルスに曝された末梢血リンパ球における抗レトロウイ ルス効果および細胞毒性効果について試験した(Bazer,F.W.ら(1989))。この ネコAIDSレンチウイルスは、ネコにおいて慢性AIDS様症候群を発症し、そしてヒ トAIDSのモデルである(Pedersonら、1987)。末梢血リンパ球(PBL)中のいず れのウイルス複製もまた、培養上清中の逆転写酵素(RT)活性により時間を追っ てモニターされた。 FIVおよびHIVに対するIFNτ抗ウイルス活性を測定するために、IFNτで処置し たFIV感染およびHIV感染したネコおよびヒ トPBL培養物中で、RNA依存性DNAポリメラーゼRT活性をアッセイした(実施例11 )。FIV複製は、IFNτの存在下で細胞を培養した場合、コントロール値の約1/ 3に低減された。OvIFNτの添加は、逆転写酵素(RT)活性を迅速に用量依存的 に低減した(実施例11、表4)。0.62ng/ml程度の濃度のIFNτがウイルス複製を 阻害するが、RT活性により大きい効果を有するさらに高濃度(40ng/ml)では細 胞に毒性効果を示さなかった。この結果は、ネコ免疫不全ウイルスの複製が、Ov IFNτの存在下で細胞が培養される場合、コントロール値に比較して著名に低減 されたことを示唆する。 IFNτはレトロウイルスを宿す細胞に細胞毒性効果を示さないように働くよう である。これは、IFNτが40ng/ml培地で存在する場合でさえ正しい。この濃度の IFNτは、Pontzerら(1988)に記載されるように、IFNτをMadin-Darbyウシ腎臓 細胞の水疱性口内炎ウイルスによる溶解から保護する能力についてアッセイした 場合に、αインターフェロンの約8,000抗ウイルスユニットに等しい。 IFNτをまた、ヒト細胞中のHIV複製に対する活性について試験した。ヒト末梢 リンパ球をHIVで感染させ、種々の濃度のIFNτで処置した(実施例12)。末梢血 リンパ球中のHIV複製を、培養上清中の逆転写酵素活性により時間を追ってモニ ターした。IFNτ濃度範囲にわたって、顕著な抗HIV効果が生じた(実施例12、表 5)。たった10ng/mlの濃度の結果、たった6日後に、50%を超えるRT活性の減 少を生じた。500ng/mlの濃 度の結果、10日以内に90%のRT活性減少を生じた。さらに、IFNτの投与に帰因 するいかなる細胞毒性効果の証拠もなかった(実施例12、表5)。 さらに、IFNτのHIVに対する抗ウイルス効果を、ヒトPBMC細胞を、HIV感染時 に種々の量の組換えIFNτまたは組換えヒトIFNα2のいずれかで処置することに より評価した(実施例18)。これらの実験からのデータ(実施例18、表12)は、 類似の濃度でIFNαおよびIFNτはヒトリンパ球中でHIVの複製を低減するのに有 効であるという結論を支持する。しかし、IFNα2 での細胞処置の結果細胞毒性を生じるが、IFNτがより高濃度で用いられた場合 でさえ、IFNτを用いる処置にはそのような細胞毒性は観察されなかった。IFNτ をインターフェロンαIIの用量の200倍で用いた場合でさえ、IFNτを用いると細 胞毒性は観察されなかった。 FIV逆転写酵素およびHIV逆転写酵素の両方そのものは、PBLの非存在下ではIFN τにより影響されなかった。従って、抗ウイルス活性はウイルスRTにおける直接 の効果のせいではない。 インターフェロンτはまた、肝細胞におけるB型肝炎ウイルスのDNA複製を阻 害することが示された(実施例18)。B型肝炎ウイルス(HBV)でトランスフェ クトした肝細胞由来のヒト細胞を用いて、IFNτの抗ウイルス効果を試験した。 細胞をIFNαおよびIFNτの両方で種々の濃度にわたって処置した。IFNαおよびI FNτの両方とも、非インターフェロンコントロール に比較して約2倍、DNA生成を低減した。 インターフェロンの効果が感染ウイルスに特異的であり、一般の細胞代謝への 影響の結果ではないことを示すために、肝特異的mRNA生成におけるIFNαおよびI FNτの影響について肝細胞を試験した(実施例18)。2つの肝細胞特異的タンパ ク質(Apo EおよびApo Al)を、ハイブリダイゼーション分析により検出した。4 0,000ユニット/mlまでの濃度のIFNαまたはIFNτのいずれかでは、いずれの肝特 異的mRNAについてのmRNA産生もあきらかな低減はなかった。さらに、IFNτでの 肝毒性の証拠はこのアッセイでは見られなかった。 これらの結果は、IFNτが、RNAウイルスおよびDNAウイルスの両方を含む広範 囲のウイルスに対して有効な抗ウイルス剤であることを示唆する。IFNτの他の インターフェロン(例えばIFNα)に勝る1つの利点は、IFNτでの処置がいかな る細胞毒性をも付随しないようであることである。D.IFNτの抗増殖特性 IFNτの細胞増殖における影響もまた試験した。1つの分析では、抗細胞増殖 活性をコロニー阻害アッセイを用いて試験した(実施例13)。ヒト羊膜(WISH) 細胞またはMDBK細胞を低い細胞密度でプレートに置き、単一の細胞から派生した コロニーを形成させた。インターフェロンの希釈液を3重測定のウエルに添加し 、このプレートをインキュベートし、コロニー形成させた。IFNτはコロニーの サイズおよび数の両方をこれらのアッセイで阻害した。IFNτは、ヒト細胞株(W ISH)の細胞 増殖を阻害することにおいてヒトIFNαより有効であった。IFNτの抗増殖活性は 用量依存的であった。高濃度のIFNτは増殖を停止させたが、細胞の生存力は損 なわれなかった。 フローサイトメトリーを用いる細胞周期分析に基づいて、IFNτはS期を通し て細胞の進行を阻害するようである。これらの結果は、IFNτの抗増殖効果を示 し、そしてその低い細胞毒性をはっきり示す。 IFNτの抗増殖効果はまた、ラット細胞株およびウシ細胞株についても研究さ れた(実施例14)。3Hチミジン取り込み率を用いて細胞増殖率を評価した。得 られたデータは、IFNτが試験されたそれぞれの細胞株に対して細胞増殖率(実 施例14、表7)を劇的に低減したことを示す。 IFNτの抗増殖活性と細胞毒性の欠如とが、一連のヒト腫瘍細胞株を用いてさ らに試験された(実施例15)。種々のヒト腫瘍細胞株は、抗新生物因子について のNIHスクリーニング手順に用いた標準株から選択された(Pontzer,C.H.ら(199 1))。各主要新生物カテゴリー由来の少なくとも1つの細胞株を試験した。 以下の細胞株はアメリカンタイプカルチャーコレクション(12301 Park1awn D r.,Rockville MD 20852)から得られた: NCI-H460 ヒト肺大細胞腫; DLD-1 ヒト結腸腺癌; SK-MEL-28 ヒト悪性黒色腫; ACHN ヒト腎腺癌; HL-60 ヒト前骨髄細胞白血病; H9 ヒトT細胞リンパ腫; HUT 78 ヒト皮膚T細胞リンパ腫; MCF7 ヒト乳腺癌。 上記のように、抗増殖活性は、IFNτで処置した細胞への3Hチミジン取り込み 率を測定することにより評価された。処置間での有意差は、ScheffeのF検定に よる偏差分析により評価された。細胞周期分析はフローサイトメトリーにより行 われた。 MCF7(乳腺癌)増殖のIFNτ阻害の試験で、IFNτがMCF7増殖を用量依存的に低 減することが示された。3Hチミジン取り込みの50%の減少が10,000ユニット/ml のIFNτで観察された(実施例15、表8)。この細胞株は抗エストロゲン処置に反 応しないことが以前に見出されている。 IFNτおよびIFNαの抗増殖効果の比較をHL-60(ヒト前骨髄細胞白血病)細胞 を用いて行った。前骨髄細胞白血病HL-60での結果は、IFNτをヒトIFNαと比較 して得られた典型的な結果であった(実施例15)。 100ユニット/ml程度の濃度 の両IFNが、顕著な(60%を超える)増殖減少を示した。IFN量を増加すると、腫 瘍細胞の増殖はさらに低減された(図4)。高濃度のIFNαでは細胞毒性であっ たが、IFNτでは細胞毒性ではなかった(図5)。細胞の生存力は、IFNαにより 約80%に低減された。それに比較して、約100%のIFNτ処置細胞が、IFNτを10, 000ユニット/mlで適用した場合に生存力を維持した。従って、両イ ンターフェロンとも増殖を阻害するが、IFNτのみが細胞毒性を示さない。この 毒性の欠如は、インビボ療法における使用についてIFNτの利点を与えている。 ヒト皮膚T細胞リンパ腫(HUT 78)は、IFNτで処置した場合、HL-60と同様の 応答をした(実施例15、図9)。OvIFNτおよびrHuIFNαの両方ともHUT 78細 胞増殖を低減するが、IFNαは細胞の生存力に副作用を示した。 T細胞白血病H9は、上記の腫瘍細胞株よりIFNαの抗増殖活性に対する感受性 が低かった。IFNαはH9細胞に対して毒性ではなかったが、試験したいずれの濃 度でもあまり細胞分割を阻害しなかった(実施例15、図10)。対照的に、IFNτ はH9増殖を約60%に低減することが観察された。従って、0vIFNτのみがこのT 細胞リンパ腫の有効な増殖阻害剤である。 3つの別の腫瘍細胞株(NCI-H460、DLD-1、およびSK-MEL-28)において、IFN τおよびIFNαは、同程度に有効な抗腫瘍剤であった。黒色腫(SK-MEL-28)では 、IFNαでの増殖阻害は生存力の13%の低下を伴って達成されたが、IFNτは細胞 毒性ではなかった。試験した大多数の腫瘍において、IFNτはヒト腫瘍に対する 抗新生物因子としてIFNαと同等であるかまたは好ましい。 IFNτは、毒性を伴わずヒト腫瘍細胞に対する抗増殖活性を示し、ヒトIFNαと 同等かまたはより有効性がある。IFNα2の臨床試験は、それらが有効な抗腫瘍因 子であることを示している(Dianzani,F.,1992;Krown,1987)。IFNτの治療 薬とし ての1つの治療上の利点は、高用量IFNαで見られる毒性効果の除去である。 IFNτの別の適用は、カポシ肉腫(HIV感染に関連する)のような腫瘍に対する ものであり、ここでIFNτの抗新生物効果はレトロウイルス増殖を阻害するIFNτ の能力に結びつけられる。 インターフェロンτ処置のインビボ効果をマウス系で試験した(実施例16)。 B16-F10は、その高い肺転移の発生率のため選択された、同系のマウス転移性腫 瘍である(Posteら、1981)。インターフェロン処置は、腫瘍細胞の導入の3日 後に開始した。IFNτのインビボ投与は、B16-F10肺腫瘍を劇的に低減した。従っ て、IFNτはインビボおよびインビトロで有効な抗新生物因子のようである。III.インターフェロンτポリペプチドフラグメント、タンパク質モデル化、お よびタンパク質改変 種々のIFNτ活性、その有効性、および細胞毒性欠如は、本明細書により教示 されるように、この新規のインターフェロンについての構造/機能分析の重要性 を示唆する。OvIFNτ機能の構造ベースは、全OvIFNτ配列に対応する6つの重複 合成ペプチドを用いて試験されている(図6)。ヒツジIFNτ配列由来の相当ポ リペプチドは、配列番号15〜配列番号20に示される。アミノ酸1-37、62-92、お よび139-172の3つのペプチドは、IFNτ抗ウイルス活性を阻害することが示され ている(実施例17)。このペプチドは300μMおよびそれ以上の濃度で有効な競合 剤であった。 IFNrのC末端ペプチド0vIFNτ(139-172)および内部ペプチドOvIFNτ(62-92 )は、IFNτおよびrBoIFNαII抗ウイルス活性を同程度に阻害したが、N末端ペ プチドOvIFNτ(1-37)はOvIFNτ抗ウイルス活性を阻害するのにさらに有効であ る。用量応答データは、IFNτ(62-92)およびIFNτ(139-172)がIFNτ抗ウイ ルス活性を同程度に阻害することを示した。IFNτ抗ウイルス活性を遮断する同 じペプチドが、組換えウシIFNα(rBoIFNα)の抗ウイルス活性もまた遮断した ;組換えウシIFNγはこのペプチドにより影響を受けなかった。これらの2つのI FNτペプチドは、IFNτおよび種々のIFNαについての共通のレセプター結合領域 を示し得る。 2つの合成ペプチドOvIFNτ(1-37)およびOvIFNτ(139-172)はまた、OvIFN τの抗FIV活性および抗HIV活性を遮断した(実施例17:図11Aおよび11B)。両 方のペプチドともFIV RT活性を遮断したが、C末端ペプチド(OvIFNτ(139-172 ))のみが、ネコ細胞株Fc9における水疱性口内炎ウイルス活性の有効な阻害剤 のようである。 上記のデータを考え合わせると、I型インターフェロンのC末端領域はI型イ ンターフェロンレセプターの共通部位に結合し得るが、N末端領域は特有の機能 を引き出すのに関係し得ることが示唆される。これらの結果は、IFNτのインタ ーフェロン分子の一部をインターフェロンα分子の領域を置換するのに用い得る ことを示唆している。例えば、IFNτ処置に比較して、細胞毒性の増大の原因で あるインターフェロンα 分子の領域は、IFNτ由来のポリペプチド領域をインターフェロンα分子の領域 に置換することにより、同定され得る。このような置換は、選択したIFNτおよ びインターフェロンα分子をコードする合成遺伝子(下記参照)操作により達成 され得、本明細書中に記載された機能アッセイ(例えば、抗ウイルスアッセイ、 抗増殖アッセイ、および細胞毒性アッセイ)に結び付けられ得る。 IFNτペプチドに対するポリクローナル抗ペプチド抗血清が、上記のポリペプ チド阻害研究と同様の結果を生じた。同じ3つの領域(OvIFNτ(1-37)、IFNτ (62-92)、およびIFNτ(139-172)に対する抗体はOvIFNτ機能を遮断し、抗ウ イルス活性におけるこれらの3つのドメインの重要性を確認した(実施例17) 。これらのペプチドは、一見インターフェロンレセプターに結合するが、細胞中 でインターフェロン様効果を単独でおよび自力で引き出さなかった。 IFNτの抗増殖活性(実施例17、表11)は、IFNτ(119-150)が、OvIFNτに誘 導される細胞増殖の減少の最も有効な阻害剤であったため、この分子のさらなる 領域に関した。この結果は、細胞増殖阻害の主原因となる分子領域が、IFNτ(1 19-150)領域であることを示唆する。IFNτ分子のこの領域は、単独でまたは他 のタンパク質(例えば、血清アルブミン、抗体、またはインターフェロンαポリ ペプチド)に融合させて、抗新生物剤として有用であり得る。ヒトインターフェ ロンα由来のN末端ペプチドと血清アルブミンとの複合タンパク質が、抗細胞 増殖活性を有することが示された(Rueggら、1990)。 最終的に、125I-OvIFNτのMDBK細胞上のそのレセプターへの結合が、6つのペ プチドのうち4つに対する抗血清により遮断され得た;4つのポリペプチドは、 OvIFNτのアミノ酸1-37、62-92、119-150、および139-172を示す。これは、複数 の結合ドメインおよびこの領域の機能の重要性を反映する。IFNτの異なる領域 が異なる機能を引き出すのに関するため、選択されたアミノ酸の改変は選択的生 物学的活性を有するIFNτ様インターフエロンを潜在的に生じ得た。 上記のデータは、レセプター相互作用および生物学的活性に関するOvIFNτタ ンパク質上の4つの不連続部位を有する合成ペプチドの同定を示す。これらの領 域の構造関係を解明するために、IFNτの3次元構造のモデル化に着手した。3 次元モデルは、現存するデータおよび将来の構造/機能研究の設計を解釈するの に有用である。 両方の全長の組換えOvIFNτの円偏光二色性(CD)をIFNβ(公知の3次元構造 のタンパク質(Sendaら、1992))に結び付けて、0vIFNτのモデルが構築されて いる。このモデルの最も顕著な特性は、IFNτが4ヘリックス束モチーフ(four- helix bundle motif)を有するタンパク質のクラスに入ることである。IFNτのC Dスペクトルを、AVIV 60 S分光偏光計で得た。2つの異なる方法を、2次構造推 定、Perczelら(1991)のアルゴリズム、およびW.C.Johnson,Jr.(1992)によ る可変選択(variable selection)に用いた。 スペクトルの2次構造推定は、70〜75%のαヘリックス(最小222nmおよび208 nmで、最大190nmで特徴つけられる)を示す。可変選択アルゴリズムは、残りの 分子を20%のβシートおよび10%のβターンであると推定する。Chang法は、残 りを30%のランダムコイルであると推定する。IFNτ配列およびIFNβ配列の配列 は、2つの分子間の、特にIFNβ中の公知のヘリックス構造領域にある相同性を 明らかにした。IFNτの配列分析はまた、提案されたヘリックス領域が4ヘリッ クス束モチーフを示す無極性周期性を有することを示した。 最終モデル化工程は、IFNβ炭素骨格のIFNβのX線結晶学座標をIFNτ配列に 適用することであった。IFNτの機能的に活性なドメイン(上記で同定した)は 、分子の片側に局在し、近接した空間配置にあることが見出された。これは、I 型IFNレセプターと同時に相互作用する、IFNτ上の複数の結合部位と一致する。 上記の機能データと結びつけた3次元モデル化データは、IFNτの特異的な領 域に配列変異を導入する能力を提供し、選択された機能(例えば、抗ウイルスま たは抗細胞増殖)を増強する能力、または選択された機能(例えば抗ウイルス、 抗新生物、または低減した細胞毒性)の領域を他のインターフェロン分子に置換 する能力を生じる。 OvIFNτの合成遺伝子の構築は実施例3に記載される。簡単に述べると、共通 アミノ酸配列(consensus amino sequence)を、E.coliの至適なコドン適用を用 いて逆翻訳した。配列を、 構築物の長さを通して一定の間隔をもって、20個の特有の制限部位を含むように 校正した。この540ベースペアの合成遺伝子配列を11個のオリゴヌクレオチドフ ラグメントに分割した。個々のフラグメントを合成し、そして一本鎖または二本 鎖のいずれかで、pTZ 19R、pTZ 18R、またはpBluescriptのいずれかにクローニ ングし、増幅し、そして融合した。次いで、合成0vIFNτ構築物を、細菌中での 発現用の改変pIN-III-ompA発現ベクターにクローニングし、そしてまた酵母発現 プラスミドにクローニングした。同様に構築されるヒトIFNτ合成遺伝子(配列 番号3)が設計され、構築され、そして酵母細胞中で発現された。 酵母細胞でのOvIFNτ合成遺伝子の発現(実施例4)により、S.cerevisiaeで の組換えIFNτ産生を可能にする。大量の(5〜20mg/l)の組換えIFNτが、一連 のイオン交換およびモレキュラーシーブクロマトグラフィーを用いて可溶性酵母 抽出液から精製され得る。このように精製された組換えIFNτは、天然のOvIFNτ に類似の有効な抗ウイルス活性(2〜3×108ユニット/mg)を示した。 合成遺伝子構築物は、抗腫瘍(抗細胞増殖)活性および抗ウイルス活性の増強 可能性に関する変異の導入を容易にする。さらに、異なる機能の原因分子の異な る領域により、異なる機能の別個の操作が可能になる。例えば2つの欠失変異体 であるOvIFNτ(1-155)および0vIFNτ(1-166)を構築し、IFNτ分子中のカル ボキシ末端配列の役割を試験した。 別の変異体IFNτ分子を構築し、抗増殖活性に重要な残基を同定した。例えば 1つの特定の残基Tyr 123は、IFNαの抗細胞増殖活性に関する(Mclnnesら、198 9)。IFNτ中のTyr 123の等価物は、ペプチド0vIFNτ(119-150)内に含まれる :このポリペプチドは0vIFNτ抗増殖活性およびヒトIFNα抗増殖活性を阻害する 。Tyr 123を同類置換(Trp)および非同類置換(Asp)に変換する変異体、およ びこの残基の欠失を有する変異配列が生じる。Tyr 123のコドンはSspI部位内に 局在する;この部位の除去はスクリーニングに用いられている。これらの変異体 IFNτの抗増殖活性は、本明細書中に記載のように評価された。 本発明のIFNτポリペプチドに対応する合成ペプチドを生じ得る。合成ペプチ ドは、当該技術分野の標準方法および装置を用いて商業的に合成または調製され 得る(App1ied Biosystems,Foster City CA)。 あるいは、ペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列は、オリゴヌクレオ チド合成の標準方法により直接合成されるか、または、大きなコーディング配列 の場合には、コーディング配列に対応する複数のオリゴヌクレオチドフラグメン トの縦列配列(tandem array)を含む一連のクローニング工程により合成される かのいずれかであり得る(Crea;Yoshioら;Eatonら)。オリゴヌクレオチドコ ーディング配列は、標準組換え手順により発現され得る(Maniatisら;Ausubel ら)。 上記のインターフェロンτポリペプチドの生物学的活性は、 インターフェロンτポリペプチド単独、または他のタンパク質との複合体のいず れかを用いて開発され得る(下記参照)。 IV. 融合タンパク質の生成 他の局面では、本発明は、インターフェロン-τまたはインターフェロン-τ- 由来のポリペプチドが第2のポリペプチドと共有結合し、融合またはハイブリッ ドタンパク質を形成することを包含する。そのような融合タンパク質を構成する インターフェロン-τの配列は、上記のような、組換えで生成されたインターフ ェロン-τまたはその生物活性部分であり得る。 例えば、インターフェロン-τがウイルス発現を阻害するために使用される場 合、配列番号10および配列番号20で示されるポリペプチドが、有利には、例えば 、血清アルブミン、抗体(例えば、ウイルス特異的細胞表面抗原に特異的である )、またはインターフェロン-αポリペプチドなどの可溶性ペプチドと融合され 得る。融合タンパク質の他の例は、(i)インターフェロン-αの毒性に関連した 領域をインターフェロン-τの領域(配列番号5および配列番号15)で置換す ること、および(ii)インターフェロン-τ領域(配列番号9および配列番号19 )を抗細胞増殖因子として含む融合タンパク質を包含する。 本発明の融合タンパク質は、化学結合または組換え技術により形成され得る。 前者の方法では、インターフェロン-τおよび第2の選択したポリペプチドは、 共有結合するための通常のカップリング剤により改変される。可溶性血清アルブ ミンをインターフェロン-τポリペプチドに結合するための一つの例示的な方法 において、血清アルブミンをN-スクシンイミジル-S-アセチルチオアセテート(D uncan)で誘導体化し、チオ ール化した血清アルブミンを生成する。次いで、この活性化した血清アルブミン ポリペプチドを、N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート( Cumber)で誘導体化したインターフェロン-τと反応させ、ジスルフィド結合で 連結した融合タンパク質を生成する。 別の方法では、組換えインターフェロン-τは、システイン残基で、インター フェロン-τを活性化されたリガンドにジスルフィド結合させて調製され得、従 ってカップリング反応が容易となる。組換えインターフェロン-τの生成に使用 されるインターフェロン-τ発現ベクターは、部位特異的突然変異の標準的方法 (Ausubelら)に従って、内部または末端にシステインコドンを挿入されて改変 され得る。 一つの方法において、融合タンパク質は、第2の選択したポリペプチドのコー ド配列がインターフェロン-τコード配列に連結している発現ベクターを用いて 、組換え法により調製される。例えば、ヒト血清アルブミンコード配列は、イン ターフェロン-τポリペプチドのコード配列(例えば、配列番号9)とインフレ ームで融合し得る。次いで、融合タンパク質を適切な宿主細胞を用いて発現させ る。融合タンパク質は、モレキュラーシーブおよびイオン交換クロマトグラフィ ー法で精製され得、必要であれば、ポリアクリルアミドゲル電気泳動による分離 および/またはHPLCクロマトグラフィーによりさらに精製される。 インターフエロン-τを含有する融合タンパク質がどのよう に調製され得るかは上記より理解される。上記の融合物における一つの態様では 、融合タンパク質中のインターフェロン-τおよび選択した第2のタンパク質分 子の位置が入れ替えられる(例えば、カルボキシ末端とアミノ末端の融合物)。 さらに、天然のインターフェロン-τポリペプチドの内部部分(例えば、アミノ 酸の15と172との間のアミノ酸領域)を組み合わせてポリペプチドにし得る 。このポリペプチドは、天然タンパク質中で通常は連続していない2種またはそ れ以上のインターフェロン-τの部分が連続している。 V.インターフェロン-τと反応性の抗体 グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(sj26)と融合した本発明のポリペプチ ド抗原を含む融合タンパク質は、pGEX-GLIベクター系を用いてE.coli JM101細胞 で発現され得る。融合Sj26タンパク質は、グルタチオン基質アフィニティクロマ トグラフィー(Smith)により容易に単離され得る。IFNτタンパク質の発現およ び部分精製は、実施例20に記載されており、そして本発明に記載する配列でコー ドされた他の任意の可溶性の、誘導されたポリペプチドに適用可能である。 不溶性GST(sj26)融合タンパク質は、調製用ゲル電気泳動により精製され得 る。 あるいは、IFNτ−βガラクトシダーゼ融合タンパク質は、実施例19に記載す るように単離され得る。 本発明にはまた、例えば、上記のλgt11またはpGEXベクターなどの発現ベクタ ーが含まれ、IFNτコード配列と発現コン トロール要素とを含む発現ベクターであり、適切な宿主中でコード領域を発現さ せる。コントロール要素としては、一般に、プロモーター、翻訳開始コドン、お よび、翻訳および転写終結配列、ならびにベクターに挿入物を導入するための挿 入部位が挙げられる。 所望のポリペプチドをコードするDNAは、多数のベクター(上記)にクローニ ングされ、適切な宿主系でポリペプチドが発現される。これらの組換えポリペプ チドは、融合タンパク質または天然タンパク質として発現され得る。多数の特性 (例えば、発現した配列の培地への分泌を促進するリーダー配列)が発現ベクタ ー中に設計され得る。組換え法で生成したIFNτ、およびそれから誘導されるポ リペプチドは典型的には溶解した細胞または培地から単離される。精製は、塩分 画、イオン交換クロマトグラフィー、およびアフィニティクロマトグラフィーを 含む当該分野に公知の方法により行われ得る。イムノアフィニティクロマトグラ フィーは、選択したIFNτ抗原に対して生じる抗体を用いて使用され得る。 他の局面において、本発明は、本発明のポリペプチドに特異的な抗体を包含す る。典型的には、抗体を調製するために、うさぎのような宿主動物が、精製した 抗原または融合タンパク質の抗原で免疫される。ハイブリッドまたは融合タンパ ク質は、他のタンパク質(例えば、β-ガラクトシダーゼまたはグルタチオン-S- トランスフェラーゼ)から誘導される種々のコード配列を用いて生成され得る。 宿主の血清または血漿を 適当な時間をおいて集め、そしてこの血清を抗原に対して特異的な抗体について 試験する。実施例20は、Sj26/IFNτハイブリッドタンパク質中のIFNτ抗原に特 異的なうさぎ血清抗体の生成を記載している。これらの技法は、全てのIFNτ分 子およびそれらから誘導されるポリペプチドに適用され得る。 免疫動物のガンマグロブリン分画またはIgG抗体は、例えば、飽和硫酸アンモ ニウムまたはDEAE Sephadex、あるいはポリクローナル抗体を生成するための当 業者に公知の他の技法を用いることにより得られ得る。 あるいは、精製タンパク質または融合タンパク質は、モノクローナル抗体を生 成するために使用され得る。ここで、選択したポリペプチド抗原で免疫した動物 から脾臓またはリンパ球を取り出し、そして当業者に公知の方法(Harlowら)に より不朽化または使用してハイブリドーマを調製する。リンパ球は末梢血液試料 から単離され得る。Epstein-Barrウイルス(EBV)がヒトのリンパ球を不朽化す るために使用され得るか、または融合の相手(fusion partner)を用いてハイブ リドーマを作製する。 不朽化細胞により分泌される抗体は、例えば、ELISAまたはウェスタンブロッ ト法(Ausubelら)を用いてスクリーニングすることにより、所望の特異性を有 する抗体を分泌するクローンを決定する。本発明をサポートするために行った実 験では、ヒツジのIFNτに特異的なモノクローナル抗体を産生する4種のハイブ リドーマを生成し、単離した。 ポリペプチドの抗原性領域は一般に比較的小さく、典型的には7〜10個のアミ ノ酸の長さである。より小さなフラグメントは抗原性領域として同定される。イ ンターフェロン-τポリペプチド抗原は上記のように同定される。生成したDNAコ ード領域は、融合タンパク質または単離ポリペプチドのいずれかとなって、組換 え法により発現し得る。 さらに、いくつかのアミノ酸配列は好都合には化学合成され得る(Applied Bi osystems,Foster City CA)。任意のこれらの方法により得られる抗原は、抗体 の生成のために直接使用され得るか、またはそれらは適切なキャリア分子と結合 し得る。多数のそのようなキャリアが当該分野において公知であり、そして市販 されている(例えば、Pierce,RockfordIL)。 IFNτと反応性の抗体は、例えば、構造/機能の関係の分析において有用であ る。 VI.有用性 A.再生 IFNτは構造およびその強力な抗ウイルス特性に関してIFNα類とある種の類似 性を有するが、IFNα類はIFNτと比べて再生特性を有さない。さらに、組換えウ シIFNαは、IFNτと比べて発情期間の間隔(interestrous interval)について 殆どまたは全く効果を有さない(Davisら、1992)。 従って、IFNτは他のインターフェロンといくらかの構造類似性を有するが、 それ自身固有の非常に独特な特性:例えば、 発情周期の生物化学的事象に著しく影響する能力、を有する。 本発明のヒトIFNτは、Hansenらが一般に記載するように(これは、本明細書 中に参考として援用されている)、生殖能を増強し、そして雌動物内の黄体の寿 命を延長する方法に使用され得る。さらに、本発明のヒトインターフェロン-τ は、子宮および/または胎児−胎盤組織の成長および発達を調節するために使用 され得る。ヒトIFNτはヒトの治療に対して特に有用であり、なぜなら、潜在的 な抗原応答が同種のタンパク質を用いると得られないからである。 B.抗ウイルス特性 IFNτの抗ウイルス特性は、IFNαに通常伴う毒性効果もなく、幅広い治療用途 を有する。培地中にIFNτが存在すると、ネコ免疫不全ウイルスの逆転写酵素活 性が阻害されたが(実施例11)、これはFIVに対するIFNτの直接的な効果による ものではない。むしろ、IFNτは、宿主細胞を誘導してウイルスの逆転写酵素を 阻害する1つまたは複数の因子を産生させるようである。 IFNτは、細胞に悪影響を与えることなく、その抗ウイルス活性を発揮するこ とが判明した。IFNτの投与に起因する細胞毒効果の徴候は観察されなかった。I FNτに細胞毒性がないことがインビボでの治療薬として非常に価値のあるものと している。この細胞毒性の欠如により、IFNτは、他の大部分の公知の抗ウイル ス剤および他の全ての公知のインターフェロンから区別される。 本発明のIFNτ化合物を含有する製剤は、ウイルス複製を阻害するために使用 され得る。 本発明のヒトIFNτは、胎児と母親との間の免疫関係に作用するための方法に (例えば、成長中の胎児に母方のウイルス(例えば、HIV)が移動するのを防止 するのに)使用され得る。ヒトインターフェロン-τはヒトの治療に特に有用で あり、なぜなら、潜在的な抗原応答は、同種のタンパク質を用いると得られない からである。 C.抗細胞増殖特性 IFNτは強力な抗細胞活性を示す。IFNτはまた、現在知られている他のインタ ーフェロンが有する悪い副作用がなく、細胞増殖を阻害するために使用され得る 。本発明のIFNτ化合物を含有する製剤は、腫瘍の増殖を阻害、防止、または遅 延するために使用され得る。 特定の腫瘍の進行はエストロゲンにより仲介される。本発明をサポートするた めに行った実験は、IFNτがエストロゲンレセプターの数を抑制し得ることを示 している。従って、IFNτは、エストロゲン依存性腫瘍の治療または予防に使用 され得る。 D.インターフェロンのレセプター結合阻害 IFNτは、分子上のいくつかのエピトープを介してタイプIのIFNレセプターと 相互作用するようであり、そしてこれらの領域は別々に、または組み合わせて、 IFNτの異なる機能に異なる方法で影響し得る。 本発明のポリペプチドは、インターフェロンがインターフェロンレセプターに 結合するのを選択的に阻害するのに有用である。特に、本明細書中で記載するよ うに、特定の開示されたペプチドはIFNτの抗ウイルス活性を選択的に阻害する が、他のものは抗増殖活性を阻害する。これらのペプチドを組み合わせて、両者 の活性を阻害するために使用され得る。有利には、インターフェロンレセプター に結合しそしてIFNτ活性をブロックするにもかかわらず、これらのペプチドは 、それら自体では抗ウイルスまたは抗増殖活性を示さない。 従って、このようなポリペプチドは、インターフェロン分子により刺激される 免疫応答を防止するのが望ましい場合、免疫調節分子として使用され得る。これ らのペプチドは、例えば組織移植片に対するインターフェロン仲介免疫応答を防 止するために、免疫抑制剤として使用され得る。他のタイプのインターフェロン 仲介応答(例えば、αインターフェロンの細胞毒性効果)もまたブロックされ得 る。 E.薬学的組成物 IFNτタンパク質は、薬学的に有用な組成物を調製するための公知の方法に従 って製剤化され得る。インターフェロンまたはインターフェロン様の化合物を含 有する製剤は既に記載されている(例えば、Martin,1976)。一般に、本発明の 組成物は、組成物の効果的な投与を促進するために、有効量のIFNτを適切なキ ャリアと配合して製剤化される。 これらの治療に使用される組成物はまた、種々の形態であ り得る。これらには、例えば、固形物、半固形物および液状投薬形態(例えば、 錠剤、丸剤、散剤、液体溶液または懸濁液、リポソーム、坐剤、注射液、および 輸液)が挙げられる。好ましい形態は、投与および治療が適用される意図した態 様に依存する。組成物はまた、好ましくは、当業者に公知である従来の薬学的に 受容可能なキャリアおよびアジュバントを含む。好ましくは、本発明の組成物は 単回投与の形態であり、そして通常は1日に1回またはそれ以上で患者に投与さ れる。 IFNτまたは関連したポリペプチドは、静脈内、筋肉内、病変内、または皮下 注入を包含する任意の薬学的に受容可能な投薬形態で患者に投与され得る。特に 、他のインターフェロン化合物に対して用いられる組成物および方法が、これら の化合物の送達に用いられ得る。 しかしながら、本発明の化合物の一つの主な利点は、IFNτタンパク質の極端 に低い細胞毒性である。この低い細胞毒性のために、他のインターフェロン(例 えば、IFNα)化合物に一般に使用され得る濃度よりも高い濃度で、IFNτを投与 することが可能である。従って、IFNτは、約5×104〜20×106ユニット/日か ら約500×106ユニット/日またはそれ以上の割合で投与され得る。好ましい実施 態様において、用量は約106ユニット/日である。全身投与には大用量が好まし い。本発明の組成物および方法は、他の治療法と組み合わせて使用され得ること が当然に理解されるべきである。 患者の病状が快方に向かったならば、必要であれば維持用 量が投与される。次に、投与量または投与回数、あるいはその両方を、病状の改 善が維持されるレベルで、症状に応じて低下し得る。症状が所望のレベルまで緩 和したならば、治療を中止する。しかしながら、患者は、疾患の症状が少しでも 再発すると、長期間の間欠治療を必要とし得る。 本発明の組成物は、種々の癌およびウイルス疾患(他のインターフェロンが既 に活性を示しているものを含む)を治療するための標準的な手法により投与され 得る。例えば、Finterら、(1991);Dianzaniら、(1992);Francisら、(199 2)、および米国特許第4,885,166号ならびに第4,975,276号を参照のこと。しか しながら、上記のように、本発明の組成物は毒性がなく、これらの病状を治療す る能力があり、独特の特徴および利点を有する。 F.皮膚病の治療 皮膚病は、IFNτを用いて病変内で治療され得る。ここで、製剤および用量は 、投与方法、および治療すべき病変部の大きさと程度に依存する。好ましい方法 には、皮内注入および皮下注入が挙げられる。広い病変部に対しては多回注入が 可能であり得、そして一人の患者の皮膚上のいくつかの病変部は1回で治療され 得る。投与のスケジュールは当業者により決定され得る。持続放出するように設 計された製剤は、投与回数を低減し得る。 G.全身治療 全身治療は、全ての適用について本質的に同じである。複 数回の静脈または皮下投与が可能であり、治療のための移植可能な方法では、持 続放出するように設計された製剤が特に有用である。患者はまた、挿入可能な皮 下ポータル(portal)、リザーバー、またはポンプを用いて治療され得る。 H.局所治療 本発明のIFNτポリペプチドによる局所治療は、特定の臓器における癌の治療 に有用である。治療は動脈内注入により達成され得る。罹患した臓器を直接治療 するために、カテーテルが外科的または血管造影しながら挿入され得る。カテー テルと結合した皮下ポータルは、長期の治療のために使用され得、あるいは移植 可能な、再充填可能なポンプもまた使用され得る。 以下の実施例は例示であり、いかなる場合も本発明を限定することを意図しな い。 材料および方法 制限エンドヌクレアーゼ、T4 DNAリガーゼ、T4ポリヌクレオチドキナーゼ、Ta q DNAポリメラーゼ、および仔ウシ腸内ホスファターゼを、New England Biolabs (Beverly,MA)またはPromega Biotech(Madison,WI)から購入した。これら の試薬を製造業者の指示に従って使用した。配列決定反応には、「SEQUENASE DN AII」配列決定キットを使用した(Unlted States Biochemical Corporation,Cl eve1and OH)。イムノブロッティングおよび他の試薬をSigma Chemical Co.(St .Louis,M0)またはFisher Scientific(Needham,MA)から得た。ニ トロセルロースフィルターをSchleicherおよびSchuell(Keene,NH)から入手し た。 合成オリゴヌクレオチドリンカーおよびプライマーを、市販の自動化オリゴヌ クレオチド合成機(例えば、ABI model380B-02 DNA合成機(Applied Biosystems ,Foster City,CA))を用いて調製する。あるいは、市販の合成オリゴヌクレ オチドは、例えばSynthetic Genetics(San Diego,CA)から購入し得る。cDNA 合成キットおよびランダムプライミングラベリングキットは、Boehringer-Mannh eim Biochemical(BMB,Indianapolis,IN)から入手し得る。 ポリペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列は、オリゴヌクレオチド合 成の標準的な方法により直接合成され得るか、または、大きなコード配列の場合 には、コード配列に対応する複数のオリゴヌクレオチドフラグメントをタンデム に配列する工程を含む一連のクローニング工程により合成され得るかのいずれか である(Crea;Yoshioら;Eatonら)。オリゴヌクレオチドコード配列は、標準 的な組換え手法により発現し得る(Maniatisら;Ausubelら)。 あるいは、ペプチドは、標準的なインビトロでの技術により直接合成され得る (Applied Biosystems,Foster City CA)。 ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の研究に関する共通の手法(血 清からの抗体の精製を包含する)は、標準的な手順により行われる(Harlowら) 。Pierce(Rockford,IL)は多くの抗体試薬源である。 組換えヒトIFNα(rHuIFNα)およびrBoIFNγを、GenentechInc.(South San Francisco,CA)から入手した。組換えヒトIFNα(rHuIFNα)の参考調製物(re ference preparation)を、National Institutes of Healthから入手した。rHuI FNαは、Lee Biomolecular(San Diego,CA)から市販されている。 本研究に使用される全ての組織培養培地、血清およびIFN類は、0.07ng/mlの感 受性レベルでエンドトキシンに対して陰性であった。それは、Limulusアメーバ 様細胞溶菌液アッセイ(Associates of Cape Cod,Woods Ho1e,MA)により決定 された。 抗体検出のための一般的ELISAプロトコール ポリスチレン製の96ウェルのプレートのImmulon II(PGC)を、0.1Mの炭酸/ 重炭酸バッファ(pH 9.5)に含まれる、5μg/mL(1ウェルあたり100μL)の 抗原で被覆した。プレートをパラフィルムでシールし、そして4℃で一晩保存し た。 プレートを吸引し、300uLの10%NGSでブロックし、そして37℃で1時間インキ ュベートした。 プレートをPBS 0.5%「TWEEN-20」で5回洗浄した。 抗血清を0.1M PBS、pH 7.2で希釈した。所望の抗血清希釈液(0.1mL)を各ウ ェルに添加し、そしてプレートを37℃で1時間インキュベートした。次いで、プ レートをPBS 0.5%「TWEEN-20」で5回洗浄した。 セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)が結合したヤギ抗ヒト抗血清(Cappe l)を、PBS中で1/5,000に希釈した。この溶液 0.1mLを各ウェルに加えた。プレートを37℃で30分インキュベートし、次いでPBS で5回洗浄した。 Sigma ABTS(基質)をプレートに加える直前に調製した。 試薬は、50mLの0.05Mクエン酸(pH 4.2)、0.078mLの30%過酸化水素溶液およ び15mgのABTSからなる。0.1mLの基質を各ウェルに加え、次いで室温で30分イン キュベートした。0.050mLの5%SDS(w/v)を加えて反応を停止した。相対吸光 度を410nmで測定する。 実施例1 IFNτの再生機能 黄体の寿命に対するインターフェロン−τの影響を調べた。 表1に示す濃度のIFNτを雌ヒツジの子宮内腔に注入した。 同濃度の組換えヒトIFNα(rHuIFNα)を注入した。さらに、コントロール動物 としてコントロールタンパク質を与えられた動物も用いた。黄体の寿命を、発情 期間(interestrous)の間隔、プロゲステロン分泌の維持、およびプロスタグラ ンジン分泌の阻害の試験により評価した(Davisら、1992)。 コントロール動物とOvIFNτを与えられた動物との発情期間の比較は、IFNτを 100μg/日で投与したとき、期間がかなり長くなることを示す。一方、コントロ ール動物と組換えヒトIFNαを与えられた動物との発情期間の比較は、rHuIFNα が意義のある影響を有しなかったことを示した。 これらの結果は、インターフェロン−τが、再生周期の生化学的事象にかなり の影響を与える能力を有することを示す。 実施例2再生周期の種々のステージでのインターフェロン−τの抗ウイルス特性 受胎産物培養物を、発情周期の12日目から16日目のヒツジから得た受胎産物を 用いて確立した。各受胎産物培養物からの上清の抗ウイルス活性を、細胞変性効 果アッセイを用いて評価した(Familettiら、1981)。簡単にいえば、IFNτまた は他のIFNの希釈物を、Madin-Darbyのウシ腎臓(MDBK)細胞とともに16時間から 18時間37℃でインキュベートした。インキュベーション後、ウイルス複製の阻害 を、水泡性口内炎ウイルス(VSV)をチャレンジウイルスとして用いる細胞変性 効果アッセイで測定した。 1抗ウイルスユニットは、VSVで感染した未処理のMDBK細胞(コントロールプ レート)に対して、単層破壊の50%を減少させた。比活性を、プラーク阻害アッ セイで正常ヒツジの線維芽細胞(Shnf)を用いてさらに評価した(Langfordら、 1981)。最少3つのサンプルを各時点で試験し、そして各サンプルをそれぞれ3 回アッセイした。表2に示す結果は、平均ユニット/mlとして表されている。 培養上清の抗ウイルス活性は、受胎産物の発育の進行に伴って増加した(表2 )。 実施例3 細菌におけるIFNτの発現 OvIFNτのアミノ酸コーディング配列(Imakawaら、1987)を用いて、E.coliで の発現を最適化したコドン使用で、対応するDNAコーディング配列を生成した。 リンカー配列を5'および3'末端に加えて、細菌の発現ベクターでのクローニング を容易にした。ヌクレオチド配列を、コーディング配列の全長にわたって均等に 配置された19個の独特の制限酵素部位を含むように設計した(図1)。 このヌクレオチド配列を、33塩基から75塩基のサイズの範囲の11個のオリゴヌ クレオチドフラグメントに分割した。各11個のオリゴヌクレオチドを、380-B 2- カラムDNA合成機(Applied Biosystems)で合成し、そして以下のベクターのう ちの1つに一本鎖または二本鎖にしてクローニングした:「pBLUESCRIPT+(KS) 」(Stratagene,LaJolla,CA)、pTZ18R(Pharmacia,P1scataway,NJ)、また はpTZ19R(Pharmac1a,Piscataway,NJ)クローニングベクター。 ベクターを、Stratagene(LaJolla,CA)から商業的に入手可能なE.coli K株 「XL1-BLUE」(recA1 endA1 gyrA96 thi hsdR17(rκ-+)supE44 relAl λ-( lac)、{F'、proAB、 lacqZΔM15、Tn10(tetR})に形質転換した。形質転換し た細胞を、アンピシリン(50μg/ml)を添加したLブロス中で培養した。オリゴ ヌクレオチドのクローニングおよび融合を、標準的な組換えDNA技法を用いて行 った。 クローニングベクターを、適切な制限酵素で切断して、合成オリゴヌクレオチ ドを挿入した。このベクターを、仔ウシ腸アルカリホスファターゼ(CIP)で処 理し、末端のリン酸基を除去した。オリゴヌクレオチドをリン酸化し、そして一 本鎖または二本鎖のいずれかの分子として、T4 DNAリガーゼを用いて適切なベク ターにクローニングした。一本鎖をクローニングベクターに導入した場合、第2 鎖を続く細菌宿主のトランスフェクションにより完成した。 二本鎖のクローニングに関しては、オリゴヌクレオチドを、 まずそれらの合成相補鎖とアニールし、次いでクローニングベクターに連結した 。次いでE.coli K12 SB221株またはNM522株を、連結することにより形質転換し た。メチル化感受性のStulおよびC1al制限部位が含まれる場合、E.coli GM119株 を、クローニングに用いた。制限分析を、クローニング手順の各段階でDNAを単 離することによって行った。 クローニングしたオリゴヌクレオチドを、図2で概略するように制限切断およ び連結を用いて、1本のポリヌクレオチドに融合した。オリゴヌクレオチド含有 DNAフラグメントを、代表的には低融点のアガロースゲルでの電気泳動によるサ イズ分画の後、単離した(Man1atisら;Sambrookら:Ausubelら)。得られたIFN τポリヌクレオチドコーディング配列は、16位から531位に及び:172アミノ酸の コーディング配列である。 最終的なポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を、ジデオキシチェーンターミ ネーション法を用いるDNA配列決定により確認した。 全長のStuI/SstIフラグメント(540bp:図2)を、改変したpIN IIIomp-A発現 ベクターにクローニングし、そして受容能力を有するE.coli SB221株に形質転換 した。IFNτタンパク質の発現のために、発現ベクターを有する細胞を、アンピ シリンを含有するLブロス中でOD(550nm)が0.1〜1になるまで培養し、3時間 IPTGによって誘導し、遠心分離により収集した。可溶性の組換えIFNτを、音波 処理または浸透分画によって細胞から放出した。 実施例4 酵母におけるIFNτの発現 実施例3で合成した合成IFNτ遺伝子は、StuI制限部位により5'末端で、そし てSacI制限部位により3'末端で隣接している。 A.合成IFNτ遺伝子の単離 2つのオリゴヌクレオチドプライマー(配列番号13および配列番号14)を、ポ リメラーゼ連鎮反応を用いてリンカーを合成IFNτ遺伝子に結合するために用い た。このリンカーを、5'末端で、酵母のクローニングベクターpBS24Ub(Chiron Corp.,Emeryville,CA)に存在するユビキチンコーディング配列とともに正しく 読みとるように、合成IFNτ遺伝子を配置した。このリンカーはまた、インビボ で、ユビキチン配列をIFNτ配列から開裂させるユビキチン−IFNτ連結領域を構 築した。5'オリゴヌクレオチドはまたSacII制限エンドヌクレアーゼ切断部位を コードした。3'オリゴヌクレオチドは、StuI切断部位を有した。 合成IFNτ遺伝子を有するベクター(実施例3)を、E.coli「XLI-BLUE」株か らアルカリ溶解法によって、単離した。単離したベクターを、10mM Tris、pH8.0 /lmM EDTA/10mM NaClで500倍に希釈した。PCR反応を、Taq DNAポリメラーゼおよ びプライマー配列番号13/配列番号14を用いて100μl容量で行った。増幅したフ ラグメントを、StulおよびSacIIによって切断した。これらの切断したフラグメ ントを、「pBLUESCRIPT+(KS)」の SacIIおよびSmaI部位に連結した。 得られたプラスミドをpBSY-IFNτと命名した。このDNA配列を、二本鎖DNAを鋳 型として用いて確認した。 B.発現プラスミドの構築 プラスミドpBSY-IFNτを、SacIIおよびEcoRVによって切断し、そして合成IFN τ遺伝子を含むフラグメントを、単離した。酵母発現ベクターpBS24Ub(Sabinら ;Eckerら)を、SalIによって切断した。平滑末端を、T4 DNAポリメラーゼを用 いて生成した。ベクターDNAを、フェノールおよびエタノール沈澱により抽出し た(Sambrookら、1989)。回収した直鎖状プラスミドを、SacIIで切断し、アガ ロースゲル電気泳動で精製し、そしてpBSY-IFNτから単離したSacII-EcoRVフラ グメントに結合した。得られた組換えプラスミドを、pBS24Ub-IFNτと命名した 。 組換えプラスミドpBS24Ub-IFNτを、E.coli中に形質転換した。IFNτの挿入物 を含有する組換えクローンを、単離し、そして制限酵素分析により同定した。IF Nτコーディング配列を含有するクローン由来のプラスミドDNAを、S.cerevisiae の形質転換に用いた(Rothstein、1986)。形質転換混合物を、ウラシル欠乏培 地に接種し、30℃で3〜5日間インキュベートした。コロニーを、ストリークし 、そしてウラシルおよびロイシン欠乏培地で維持した(Rothstein、1986)。 C.発現実験 小規模の発現では、pBS24Ub-IFNτを含有するS.cerevisia e AB116の単一コロニーを、ロイシンおよびウラシル欠乏プレートから選び出し 、誘導条件として1%グルコースを含有するか、あるいは非誘導条件として8% グルコースを含有するYEP培地(1%酵母抽出物、2%ペプトン)中て30℃で培 養した。細胞溶解物を回収し、そして15%アクリルアミド、0.4%ビスアクリル アミドでSDS-PAGEにかけた(Sambrookら、1989)。分画したタンパク質を、クー マシーブルー染色により視覚化した。 組換えIFNτを、分画した細胞抽出物を「NYTRAN」紙へ電気的に移した後、ヒ ツジIFNτに対するモノクローナル抗体またはポリクローナル抗血清を用いて、 免疫ブロッティングにより特異的に視覚化した(Rothstein、1986)。 大規模の発現では、pBS24-IFNτを、8%グルコースを含有する5×ウラシル およびロイシン欠乏培地中で24時間30℃で培養した。次いで、この培養物を1% グルコースを含有するYEP培地で20倍に希釈し、さらに24時間〜36時間インキュ ベートした。 細胞を、遠心分離により採取し、50mM Tris、pH7.6、/1mMEDTAで洗浄し、1mM PMSFを含む洗浄緩衝液に再懸濁した。細胞をBead-beater装置(Biospec Product s、Bartlesville、0K)を用いて溶解した。溶解物を、43,000×gで20分間遠心分 離した。上清画分を、回収し、以下に記載の精製プロトコルに従った。 D.酵母細胞溶解物からのr-IFNτの精製 上清を、1×10cmのDEAEカラムにのせ、そして10mM Tris、pH8.0で洗浄した。 保持されたタンパク質を、10mM Tris,,pH8.0中の0〜0.5MNaCl濃度勾配の300m lで溶出した。3m1毎の画分を集めた。組換え(r-IFNτ)を含む画分17〜画分26 の各10μlのサンプルを、15%SDS-ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動で分離 した。このゲルを、クーマシーブルーで染色した。 画分18、19、および20は、大量のr-IFNτを含んでいた。これらの画分を、別 々に1.5×90cmのセファデックスS-200カラムにかけ、そしてタンパク質を、2 つのピークに分離した。 各タンパク質ピークのアリコート(25μl)を、15%のSDS-ポリアクリルアミド ゲルで電気泳動で分離し、そしてタンパク質を、クーマシー染色で視覚化した。 精製r-IFNτ含有画分を合わせて、そしてr-IFNτの量を、ラジオイムノアッセ イにより定量した(Valletら、1988)。総タンパク質濃度を、Lowryタンパク質 アッセイ(Lowryら、1951)を用いて測定した。 精製r-IFNτのマイクロシークエンシングは、天然のIFNτと最初の15アミノ酸 が同一であることを示し、このことはユビキチン/r-IFNτ融合タンパク質が、イ ンビボで正しくプロセスしたことを確認した。 精製r-IFNτを、タンパク質1mg当たり2〜3×108ユニットの抗ウイルス活性 を示した(n=3複製プレート)。これを、受胎産物-調整培養培地(2×108U/ mg)から精製したIF Nτの抗ウイルス活性と、類似している。 実施例5 ヒトの高分子量DNAのサザンブロット分析 健常供給者のヒト静脈血サンプルを、ヘパリンで処理した試験管に採集し、そ して末梢血リンパ球を、フィコール-イソパック勾配(1.077g/ml)(Sigma Chem ical Co.)を用いて密度勾配遠心分離により単離した。高分子量(HMW)DNAを、 これらの細胞から単離した(Sambrookら、1989)。 HMW DNAの2個の10μgのサンプルを、制限エンドヌクレアーゼHindIIIまたはP stI(Promega)により37℃で2時間切断し、そしてこのDNAフラグメントを、0.8 %アガロースゲル(Bio-Rad、Richmond、CA)で8時間、75ボルトで電気泳動に より分離した。このDNAフラグメントを、ナイロンメンブレン(IBI-Internation al Biotechnologies,Inc.、New Haven、CT)上に移した。このメンブレンを、80 ℃で2時間ベーキングし、以下のプレハイブリダイゼーション溶液中で42℃で4 時間インキュベートした:5×SSC(1×SSCは0.15M NaClおよび0.15Mクエン酸 ナトリウムである)、50%v/vホルムアミド、0.6%(w/v)SDS、0.5%(w/v)脱 脂粉乳、20mM Tris-HCl(pH7.5)、4mMEDTA、および0.5mg/mlの一本鎖ニシン精 子DNA(Promega)。 次いで、このフィルターを、ハイブリダイゼーション溶液(5×SSC、20%v/v ホルムアミド、0.6%(w/v)SDS、0.5%(w/v)脱脂粉乳、20mM Tris-HCl(pH7. 5)、4mM EDTA、および2×108cpm/mlの32P標識OvIFNτcDNA(Imakawaら、198 7))中で 42℃で18時間インキュベートした。このフィルターを、2×SSCおよび0.1%(w/ v)SDSを用い42℃で15分間洗浄し、−80℃で48時間、増強スクリーン存在下でX 線フィルム(XAR、Eastman Kodak、Rochester、NY)に感光した。 オートラジオグラフィーにより、ハイブリダイゼーションシグナルを、PstIに より切断されたDNAの約3.4kbに検出し、そしてわずかに小さい(約3.0Kb)フラ グメントを、HindIII切断DNAで検出した。これらの結果は、OvIFNτのcDNAプロ ーブに相補的な、ヒトDNA配列の存在を示した。 実施例6 PCRによるヒトIFN cDNAの部分配列の単離 2つの合成ヌクレオチド(各25マー)を合成した。これらはOvIFNτ cDNA(キ ャップ部位からの番号付け、Imakawaら、1987)の231位から255位までの配列( 配列番号13に含まれる)および566位から590位までの配列(配列番号14に含ま れる)に対応する。これらのプライマーは、それぞれ制限エンドヌクレアーゼPs tIおよびEcoRIに対する切断部位を含有した。配列番号13を、569位から始まるEc oRI部位を含むように改変した。 DNAを、約1×105プラーク形成ユニット(pfu)の以下の2つのcDNAライブラ リーから単離した:ヒト妊娠期間(term)胎盤(Clontech、Inc.、Palo Alto、C A)およびヒト妊娠期間細胞栄養膜(Dr.J.F.Strauss、University of Pennsyl vania、Phi1adelphia PA)。このDNAをポリメラーゼ連鎖反応(PCR) 増幅(Mullis; Mullisら;Perkin Elmer Cetus Corp.Norwalk CT)に用いた。 増幅反応を、プライマー配列番号13/配列番号14を用いて、30サイクル(45℃、 1分;72℃、2分;94℃、1分)(サーマルサイクラーおよび試薬、Perkin Elm erCetus)行った。 増幅産物を、電気泳動で分離し(100ボルト、1.5%アガロースゲル(Bio-Rad ))、ナイロンメンブレン(IBI)上に移した。このメンブレンを、上記のよう に、80℃で2時間ベーキングし、プレハイブリダイズし、そして32P標識OvIFN τ cDNAとハイブリダイズした。このメンブレンを、5×SSC/0.1%(w/v)SDSで 5分間42℃で洗浄し、そして2×SSC/0.1%(w/v)SDSで2分間42℃で洗浄した 。次いで、メンブレンを、増強スクリーン存在下で、-80℃で24時間「XAR」(Ea stman Kodak)X線フィルムに感光した。標識プローブDNAとハイブリダイズした 産物を検出した。 上記指示されたように、再度PCRを行った。増幅した産物を、制限エンドヌク レアーゼEcoRIおよびPstI(Promega)により、90分間、37℃で切断した。得られ たDNAフラグメントを、上記のように電気泳動で分離し、そしてIFNτの増幅産物 を含むバンドをゲルから切り出した。DNAフラグメントは、電気溶出により回収 し、次いでEcoRI/PstI切断−脱リン酸化プラスミドpUC19にサブクローニングし 、そして塩化カルシウム法(Sambrookら、1989)により、E.coli JM101株(Prom ega)中に形質転換した。このプラスミドを単離し、挿入した増幅産物を、 ジデオキシターミネーション法(Sangerら、1977;「SEQUENASE」reaction、Uni ted States Biochemical、C1eveland、0H)を用いて配列決定した。ヌクレオチ ド配列を決定し、そしてこれらの配列および推定アミノ酸配列と、他のIFN配列 との比較を、DNA Star Software(Madison、WI)を用いて行った。 これらのクローンの配列の比較により、3個の異なるクローンが明らかになっ た:ヒト胎盤ライブラリー由来のクローン15(306bp)およびクローン21(315bp )を、それらのヌクレオチド配列の95%の相同性を示し;細胞栄養膜ライブラリ ー由来のクローンCTB 35(301塩基対)は、クローン15およびクローン21と、そ れぞれ95%および98%の相同性を有する。 実施例7 全長ヒトIFNτ遺伝子の単離 10μgのPBMC HMW DNAを、制限エンドヌクレアーゼEcoRIで切断し、0.8%アガ ロースゲルで電気泳動分析を行った。1.5kb〜10kb(例えば、1.5kb〜2.5kb、2.5 kb〜3kb)の範囲のサイズのDNAフラグメントを含む一連のサンプルをゲルから切 り出した。このDNAを電気溶解し、そして精製した。各DNAサンプルを、OvIFNτ プライマーを用いて上記のように増幅した。ポジティブPCRシグナルを生じた任 意のサンプルのDNA分子を、λgt11(サブゲノムλgt11ライブラリー)にクロー ニングした。 A.OvIFNτと相補的な配列を有するクローンのPCR同定 次いでλgt11ファージを、プラークのために接種し、32P 標識OvIFNτ cDNAプローブを用いて、プラークリフトハイブリダィゼーションを 行った。プローブとハイブリダイズした約20クローンを同定した。 プローブとハイブリダイズしたプラークを、上記のOvIFNτプライマーを用い てPCRにより、さらに分析した。ポジティブPCRシグナルを生じた6プラークを精 製した。これらのクローン由来のファージDNAを単離し、そして、EcoRI制限エン ドヌクレアーゼにより切断した。DNA挿入物を、pUC19ベクターにサブクローニン グし、そしてそれらのヌクレオチド配列をジデオキシヌクレオチド配列決定によ り決定した。 B.PCRポジティブファージに相補的な配列を有するクローンのハイブリダイゼ ーション同定 λgt11サブゲノムライブラリー由来の組換えファージを、E.coli Y1080中で増 殖し、そして約20,000プラーク/150mmプレートの密度でE.coli Y1090とともに 接種した。このプレートに、2枚のニトロセルロースフィルターをかぶせ、これ を上記の単離した6個のヒトIFNτ cDNAクローンのうちの1個に由来する32P標 識プローブとハイブリダイズした。ポジティブハイブリダイゼーションシグナル を有する3つのクローンを、さらにスクリーニングし、そして精製した。ファー ジDNAを、単離し、EcoRIで切断し、pUC19ベクターにサブクローニングし、そし て配列決定した。3つのクローンにより、キャップ部位から800以上の塩基(ク ローンは両方向へ配列決定した)に関する配列情報を得た。核酸配列情報を、配 列番号 11として示し、予想タンパク質コーディング配列を、配列番号12として示す。こ の遺伝子の予想成熟タンパク質配列(配列番号12)と、OvIFNτの予想タンパク 質配列との比較を、図3に示す。 実施例8 RT-PCRによるHuIFNτ mRNAの存在分析 第15日から第16日の受胎産物から構築されたヒト胎盤cDNAライブラリーおよび ヒツジcDNAライブラリーを、上記のように、0vIFNτ cDNAプローブへのハイブリ ダイゼーションにより分析した。cDNAを、アガロースゲル上でサイズ分画し、フ ィルターに移した(Maniatisら;Sambrookら)。OvIFNτプローブを用いたサザ ンブロット分析は、ヒトcDNAライブラリーからのオートラジオグラフィーシグナ ルが、OvIFNτ cDNAライブラリーを用いて得られるシグナルの約1/100であるこ とを示した。 ヒト妊娠期間胎盤およびアムニオサイト(26週、2,000,000細胞)におけるHuI FNτ mRNAの存在を、逆転写酵素PCR(RT-PCR)法(Clontech Laboratories、Pa1 o A1to CA)を用いて分析した。 ヒト胎盤、アムニオサイトおよびヒツジ受胎産物から単離した全細胞RNA(tcR NA)を、プライマー配列番号14を用いて逆転写した。次いで、プライマー配列番 号13をその反応に加え、そしてポリメラーゼ連鎖反応を40サイクル行った。この PCR産物を、アガロールゲル上でサイズ分画し、そしてフィル ターに移した。フィルター上のDNAを、32P標識OvIFNτおよびHuIFNτ cDNAにハ イブリダイズした。これらの分析結果を、胎児胎盤付属物中のヒトIFNτ mRNAの 存在を示した。アムニオサイトもまた、OvIFNτプライマーおよびヒトプローブ と一致するメッセージを発現した。 さらに、HuIFNτの存在についてのRT-PCR分析を、ヒト成人リンパ球から単離 したtcRNAに適用した。デンシトメーターによる分析により、IFNτ mRNAがリン パ球に存在することが明らかになった。 実施例9 インサイチュでのハイブリダイゼーション A.組織 異なる期間と、第一トリメスターの健康な4つのヒト胎盤からの、5μパラフ ィンに半連続包埋された切片のスライドを調べた。 B.cRNAプローブの調製 OvIFNτ増幅ライブラリーから単離されたcDNAクローンから、OvIFNτ cDNA塩 基#77〜736(塩基#1はキャップ部位;OvIFNτ cDNAのオープンリーディングフ レームは塩基#81〜665;図7)に対応するフラグメントを、転写ベクターpBS(N ew England Biolabs)にサブクローニングした。いくつかのpBSクローンを単離 し、サブクローニングし、そのヌクレオチド配列を決定した。このクローンから 、3'側フラグメント(塩基#425〜736)を制限酵素NlaIVとEcoRIを用いて切り出 し、転写ベクターpBSにサブクローニングした。このべクターをpBS/OvIFNτと呼 ぶ。 pBS/OvIFNτプラスミドを直鎖状にした後、アンチセンスcRNAプローブを、T7 RNAポリメラーゼ(Stratagene)を用いてインビトロ転写によって合成した(Sam brookら、1989)。トレース量の3H-CTP(NEN-DuPont、Cambridge、MA)をこの転 写反応に用いた。ジゴキシゲニン(Boehringer-Mannheim、Indianapolis、IN) で標識したdUTPをcRNAに導入し、生成物をTCA沈澱とシンチレーション計数とに よって評価した。 C.ハイブリダイゼーション インサイチュでのハイブリダイゼーションを、アンチセンスRNAプローブを用 いて行ったLawrenceら(1985)が記載している方法に以下の改変を加えて行った 。脱パラフィン化し水和した切片を、5mMのMgCl2を含むリン酸緩衝溶液(PBS) 中、室温で10分間プレハイブリダイゼーションした。この切片の核酸を、50%ホ ルムアミド/2×SSC中、65℃で10分間変性した。この切片を、O.3μg/mlのジゴ キシゲニンで標識したcRNAプローブを含むハイブリダイゼーション溶液(30μl /スライド)で、37℃で一晩インキュベーションし、その後、37℃で、50ホルム アミド/1×SSCでそれぞれを30分間洗浄した。最後の洗浄は、室温で、1×SSC と0.1×SSCとで30分間行った。これらの切片を0.5%トリトン X-100(Sigma)と 0.5%脱脂粉乳とで30分間ブロックした。 ハイブリダイゼーション信号を、アルカリ性ホスファターゼに結合した精製ヒ ツジ抗ジオキシゲニンFabフラグメント(Boehringer-Mannheim)を用いて検出し た。結合しなかった抗体を除去した後、ニトロブルーテトラゾリウム/5-ブロモ -4-クロロ-3-インドリル-ホスフェート基質(Promega)とレバミゾール(Bector Laboratories、Bur1ingame、CA)とを加えて、発色物質の生成による信号を検 出した。そして、組織をメチルグリーン(Sigma)中で対比染色し、脱水し、封 入した。 コントロールとして、いくつかの組織断片を、37℃で、30 分間、100μg/mlの膵臓RNaseA(Sigma)で前処理した。RNaseをスラィド上で400 ユニットのRNase阻害剤(Promega)で失活させた。その後スライドを、250mlのP BS/5mM MgCl2で2回洗浄した。別のコントロール実験では、tRNA(Sigma)をジ ゴキシゲニンプローブの代わりに用いた。 様々なOvIFNτ cRNAプローブ濃度と様々なブロック剤を用いた3つの別々の実 験で、すべての期間と第一トリメスターの胎盤組織において、特異的なハイブリ ダイゼーションが観察された。 合胞体栄養細胞(syncytiotrophoblast)の外層と、栄養膜細胞層(cytotroph oblast)の下層と、様々なタイプの間葉(mesenchymal)細胞を持つ中央ストロ ーマ領域で構成される、第一トリメスターの胎盤絨毛は、栄養膜細胞において、 最も高いIFNτの転写レベルを示した。合胞体栄養細胞とストローマ細胞の両方 においても、強度は下がるが検出可能な転写レベルであった。同様のパターンの 転写発現が、期間組織の胎盤絨毛に見られたが、その信号検出レベルは低かった 。第一トリメスターの絨毛外栄養芽層は、母性血液中に置かれた場合に、最も多 量のメッセージを示し、陽性染色された。 実施例10 IFNτの抗ウイルス作用 均一にまで精製されたOvIFNτの相対的な比活性を、抗ウイルスアッセイで調 べた。抗ウイルスアッセイは、実質的に、上記の実施例2で述べたような方法で 行った。比活性は、抗 ウイルスユニット/mgタンパク質と表され、抗ウイルス活性はMadin-Darbyウシ 腎臓(MDBK)細胞またはヒツジ正常線維芽細胞(Shnf)を用いた抗ウイルスアッ セイで求められる。すべての試料を、アッセイする間に変異するのを避けるため に同時にアッセイした。表3に示す結果は、4つの測定の平均値であるが、標準 偏差は平均の10%未満であった。 IFNτは、rBoIFNαまたはrBoIFNγのいずれよりも高い比活性を有していた( 表3)。rHuIFNαのNIH標準調製物は、同様の比活性を有していたが、市販のrHu IFNα調製物は低い抗ウイルス比活性を示した。ウシ細胞あるいはヒツジ細胞を 用いても、同等の相対的な比活性が示された。 実施例11 IFNτの抗レトロウイルス活性 および細胞毒性効果 高度に精製したOvIFNτを用いて、ネコ免疫不全レトロウイルスに感染したネ コ末梢血リンパ球に対する、抗レトロウイルス効果および細胞毒性効果を調べた 。このレンチウィルスは、ネコ類に慢性のエイズ様症候群を引き起こし、ヒトの エイズのモデルである(Pedersonら、1987)。末梢血リンパ球におけるウイルス の複製を、培養上清中の逆転写酵素活性を、時間をおってモニターする。これら のアッセイのデータを表4に示す。 OvIFNτを加えることによって、逆転写酵素(RT)活性が用量依存的に急速に 減少した(表4)。IFNτの濃度が0.62ng/mlと低い場合にはウイルス複製は阻害 されたが、RT活性により大きな効果を持つさらに高い濃度(40ng/ml)では、細 胞に対する毒性効果はなかった。この結果により、細胞がOvIFNτの存在下で培 養された場合には、ネコ免疫不全ウイルスの複製は、コントロール値に比べて大 きく減少したことがわかる。 IFNτは、このレトロウイルスの宿主となる細胞には、細胞毒性効果は及ぼさ ないと考えられる。これは、培地1mlに対して40ngのIFNτが存在した場合にも 同様であった。 実施例12 HIV感染したヒト末梢リンパ球に対する IFNτの効果 IFNτを、ヒト細胞におけるHIV感染に対する作用についてもテストした。HIV に感染したヒト末梢血リンパ球(Croweら)を、様々な濃度のOvIFNτで処理した 。末梢血リンパ球におけるHIVの複製を、培養上清中の逆転写酵素活性を、時間 をおってモニターした。逆転写作用は、実質的にHoffmanらの方法によって計測 した。これらのアッセイから得たデータを表5に示す。 表5に示すように、OvIFNτの濃度を高くすると有意に抗ウイルス効果が生じ た。わずか10ng/mlの濃度で、わずか6日後に50%以上のRTの減少が得られた。5 00ng/mlの濃度では、10日でRT活性が90%減少した。 ヒト末梢血リンパ球を様々な濃度で3〜13日間、IFNτで処理した後の生存率を 、トリパンブルー排除によって調べた。この生存率分析の結果を表6に示す。 表6に示したデータには、IFNτの投与に起因する細胞毒性効果の形跡は見ら れない。 実施例13 細胞成長の阻害 細胞成長に対するIFNτの効果も調べた。抗細胞成長作用はコロニー阻害アッ セイを用いて調べた。ヒト羊膜細胞(WISH)またはMDBK細胞を、低い細胞濃度で 培養して、単一細胞からのコロニーを形成した。細胞を、2%のウシ胎児血清( FBS)と必須アミノ酸と非必須アミノ酸とを添加したHMEM中で培養した。24ウェ ルプレートで、1つのウェルにつき200または400細胞の割合で培養した。様々 に希釈したインターフェロンをそれぞれ三つのウェルに加え、プレートを8日間 インキュベートしてコロニーを形成した。コロニーをクリスタルバイ オレットで染色して可視化し、計数した。0.5%の「spent」培地を含むHMEM中で 、さらに7日間培養して細胞周期分析を行った。WISH細胞は、同調せずに用いた 。 IFNτの活性を測定するために、10%FBSを含むHMEM中、6ウェルプレートで、 1つのウェルにつき2.5×105細胞の割合で細胞を再培養した。IFNτのみ、もし くはペプチドを加えたIFNτを様々に希釈して加え、最終量を1mlにした。プレ ートを、5%のCO2中、37℃で、12、15、18、24、または48時間インキュベーシ ョンした。細胞をトリプシンで処理して、低速遠心分離によって回収し、洗浄し た。細胞ペレットをブロット乾燥し、250μlの核染色溶液(5mgのヨウ化プロピ ジウム、0.3mlのNP40および0.1gmのクエン酸ナトリウムを含む100mlの蒸留水) を各チューブに加えた。このチューブを室温でインキュベーションした。10分後 、250μlのRNase(500ユニット/mlを含む1.12%クエン酸ナトリウム)を各チュ ーブに加え、さらに20分間インキュベーションした。核を44μmのメッシュで濾 過し、DNA Star 2.0のソフトウェアを用いてFACStar(Becton Dickinson、Mount ain View、CA)で分析した。 ウシ上皮細胞系MDBKと、ヒト羊膜細胞系WISHとのコロニー形成を用いた細胞成 長アッセイでは、OvIFNτは、コロニーのサイズと数の両方を抑制した。ヒト細 胞系に対しては、ヒトIFNαよりヒツジIFNτの方が効果的であった。このように 、これは種間でも活性を有し得る。その作用は用量依存性があり、細胞増殖の阻 害は、わずか1ユニット/mlの濃度でも観 察することができた。50,000ユニット/ml(抗ウィルス活性のユニット/ml)と いう高い濃度では、増殖は停止したが、細胞生存率は損なわれなかった。 ヨウ化プロピジウムで染色したWISH細胞を用いたフローサイトメトリーによる 細胞周期分析によって、OvIFNτ処理の48時間後の、G2/Mにおける細胞の増加比 率がわかった。従って、IFNτは、S期において細胞の増殖を阻害すると思われ る。ヒツジIFNτの抗増殖効果は、培養開始後わずか12時間で観察でき、6日間 維持される。 上記の結果は、IFNτの抗増殖効果およびその細胞毒性の低さを示す。 実施例14 IFNτのさらなる抗増効果 OvIFNτの抗増殖効果をラットの細胞系およびウシの細胞系とで研究した。3H −チミジンの取り込み速度を細胞増殖の速度の評価に用いた。 ラット(MtBr7.c5)またはウシ腎臓(MDBK)の細胞を、3%のデキストラン 被覆活性炭剥離制御プロセス血清代替物2(CPSR 2、Sigma)と5%のデキスト ラン被覆活性炭剥離ウシ胎児血清(FBS)とを添加した、無フェノールレッドDME -F12培地に接種した。約15〜18時間付着した後、細胞を無血清DME-F12培地で1 回洗浄した。培地を、3%の剥離CPSR2を添加した、無フェノールレッドDME-F12 培地、1%の剥離FBS(「3/1」培地)、または様々なユニットで抗ウイルス活性 を有するOvIFNτを含む3/1培地のいずれかと入れ換えた。抗ウイルス活性はイン ターフェロンの、水庖性口内炎ウイルス対抗アッセイ(実施例2)と同様に決定 した。OvIFNτを溶解させたと同じ希釈度の緩衝液(未希釈緩衝液=10mM Tris、 330mM NaCl、[TS])を、コントロールとして用いた。 処理後約48時間たってから、細胞を3H−チミジンで2時間、パルス標識した 。トリクロロ酢酸(TCA)沈澱可能な画分に取り込まれたカウント数を、シンチ レーションカウンターによって計測した。各処理は3回行った。OvIFNτ処理の 平均値を、同等の希釈度のキャリアTS緩衝液を含む試料と比較した。これらの実 験の結果を表7に示す。 表7からわかるように、OvIFNτは、テストしたいずれの細胞系についても、 (チミジン取り込みに基づく)細胞増殖の速度を大きく減少させた。 実施例15 ヒト腫瘍細胞系に対する IFNτの抗細胞増殖効果 ヒト腫瘍細胞系に対する、OvIFNτの抗細胞増殖作用を、OvIFNτで処理した細 胞への3H−チミジンの取り込み速度を計 測することによって調べた。 懸濁液中で成長する腫瘍細胞について実験を行うため、1mlの細胞を、1つの ウェルにつき2.5〜5×105細胞の割合で24ウェルプレートで培養した。それぞれ 三つのウェルに、100、1,000または10,000ユニット/mlのOvIFNτ、あるいは等 量の抗ウイルス活性濃度のrHuIFNα2A(Lee Biomo1ecu1ar)の適切な培地を加え た。インキュベーションを48時間行った後、細胞を計数し、トリパンブルー排除 によって生存率を調べた。 付着腫瘍細胞を、1mlに、1つのウェルにつき2.5×105細胞の割合で、6ウェ ルプレートで培養した。それを、上述のようにインターフェロンで処理したが、 計数の前にトリプシン処理を行った。 ScheffeのF−テストに従った変異性分析によって、処理の間の有意差を評価 した。細胞周期分析を、ヨウ化プロピジウムを用いたフローサイトメトリーによ って行った。 A.胸部癌細胞 対数増殖しているヒトMCF7胸部癌細胞を、3%のデキストラン被覆活性炭剥離 CPSRと5%のデキストラン被覆FBSとを添加した無フェノールレッドDME-F12培地 に接種した。約15〜18時間付着させた後、細胞を無血清DME-F12培地で1回洗浄 した。培地を、3%剥離CPSR2を添加した無フェノールレッドDME-F12培地、1% 剥離FBS(「3/1」培地)、または表示したユニット数で抗ウィルス活性を持つOv IFNτを含む3/1培地で置換した。抗ウイルス活性は、インターフェロンの、水疱 性 口内炎ウイルス対抗アッセイと同様に決定した。同じ希釈度の緩衝液(未希釈緩 衝液=10mMのトリス、330mM NaCl[TS])を含む培地をコントロールとして用い た。処理後約48時間たってから、細胞を、3H−チミジンで2時間パルス標識し た。 トリクロロ酢酸(TCA)沈澱可能画分に取り込まれたカウント数を、シンチレ ーションカウンターによって計測した。各処理は3回行った。OvIFNτ処理の平 均値を、同等の希釈度のキャリアTS緩衝液を含む試料と比較した。これらの分析 の結果を表8に示す。 表8に示した結果からわかるように、OvIFNτは、ヒト癌細胞系において3H− チミジン取り込みの速度を実質的に減少させることができた。これは、腫瘍細胞 増殖、特に乳癌細胞増殖の阻害における、OvIFNτの効力を示すものである。 B.ヒト前骨髄球白血病 OvIFNτとIFNαとの抗細胞増殖効果の比較を、HL-60(ヒト白血病)細胞(Foa ら;Toddら)を用いて、MDBK細胞について述べたのものと実質的に同様に行った 。OvIFNτとrHuIFNαとの双方がHL-60細胞の増殖を阻害する。3回の繰り返し実 験のうちの1つの結果を、平均成長減少%±SDとして図4に示す。図4は、OvIF NτとIFNαの両方が、HL-60細胞の成長を大きく減少させ得たことを示している 。それぞれの化合物の成長減少は、テストしたそれぞれの濃度について60%を超 えていた。10,000ユニット/mlの濃度では、OvIFNτは成長を約80%減少させ、I FNαは成長を100%減少させた。 しかし、図4に示したデータは、IFNαの成長を減少させる能力における実質 的な要因が、細胞に対するその毒性効果にあることを示している。10,000ユニッ ト/mlの濃度では、IFNαの毒性によって、25%未満の細胞が生存しただけであ った。それに対して、OvIFNτを10,000ユニット/mlの濃度で用いると、100%近 くの細胞が生存していた。 図5は、rHuIFNαが細胞毒性であることを表わすデータを示す。この図におい ては、3回の繰り返し実験のうちの1つの結果が、平均生存率%±SDとして示さ れている。 C.ヒト皮膚T細胞リンパ腫 皮膚T細胞リンパ腫であるHUT 78は、IFNτで処理すると、HL-60と同様に反応 する(図9)。OvIFNτもrHuIFNαもHUT78細胞の成長を減少させるが、10,000ユ ニット/mlのrHuIFN αは、細胞数を当初に接種した数(5×105)以下に減少させた。これは、細胞生 存率が約60%に減少したことを示す。 (細胞フローサイトメトリーによって行われた)細胞周期分析によって、双方 のインターフェロンによる処理後48時間に、細胞周期のG2/M期における細胞の増 加を示した(表10)。表10には、3回の繰り返し実験のうちの1つの結果を、細 胞の細胞周期の各期における割合として示している。各試料について、10,000個 を分析した。 このような結果が得られたのは、細胞周期を通して細胞がゆっくりと成長した ためであると考えられる。10,000ユニット/mlのrHuIFNαで処理した試料におい ては、程度の低い前方散乱および程度の高い側方散乱が高い割合で起こっている ことは、細胞が死滅したことを表す。これは、OvIFNτが毒性を持たずにHUT 78 の増殖を阻害するという、細胞増殖実験で得られた結果と一致する。 D.ヒトT細胞リンパ腫 T細胞リンパ腫細胞系H9は、上記の腫瘍細胞系に比べて、IFNの細胞増殖作用 に対する感度がわずかに低い。3回の繰り返し実験のうちの1つの結果を、平均 成長減少率%±SDとして図10に示す。rHuIFNαはH9細胞に対して毒性ではないが 、調べた濃度のいずれにおいても有意に細胞分裂を阻害することができなかった 。それに対して、OvIFNτは、H9の成長を約60%減少させることが観察された( 図10)。このように、OvIFNτだけが、このT細胞リンパ腫の有効な成長阻害剤 である。 上記の結果は、IFNτの抗細胞成長効果およびその細胞毒性の低さを示すもの である。 実施例16 OvIFNτによる予備インビボ処理 1グループ4匹のC57B1/6マウスの3グループに対して、尾の血管から、2.5× 104のB16-FI0細胞を投与した。B16-F10は、肺転移の発生率が高いために選ばれ た、同系マウス移植可能肉腫である(Posteら、1981)。インターフェロン処理 を、肉腫細胞を導入して3日後に開始した。各マウスに、PBSのみ、1×105ユニ ットのOvIFNτを含むPBS、または1×105ユニットの組換えネズミIFNα(MuIFN α)を含むPBSのいずれかを、1日につき100μlずつインビボで3日連続で与え た。 21日目にマウスを殺し、その肺を緩衝化した10%ホルマリンに保存した。肺転 移の頻度を、コントロールマウス(PBS)、OvIFNτ処理マウス、およびMuIFNα 処理マウスの間で比較し た。これらのインビボでの投与の結果、OvIFNτは、B16-F10の肺腫瘍を大きく減 少させたことを示した。これらの結果は、IFNτを抗新生物剤としてインビボで 用いることの裏付けとなる。 実施例17 IFNτペプチドフラグメントの競合的結合 A.IFNτに基づくペプチドの、IFNτおよびIFN-α抗ウイルス作用ブロックす る能力 全IFNτ配列(図6)に対応する、オーバーラップ合成ペプチドを合成した。 平均のハイドロパシー値を、各アミノ酸のハイドロパシー値の合計をそれぞれの 配列のアミノ酸の合計数で割ることによって計算した。ハイドロパシー値は、Ky teら(1982)から得た。 これらのペプチドは、ほぼ同じ分子量であるが、全体としての親水性が異なっ ている。このような違いがあるにもかかわらず、ELISAによって評価して1:3,000 以上の力価を持つウサギ抗血清の生成によって示されるように(Harlowら)、こ れらのペプチドはすべて抗原性であった。 このペプチドを、OvIFNτおよびrBoIFNαの抗ウイルス作用(実施例2)を阻 害するために用いた。この分析の結果を図12に示す。1mM(17)N-末端ペプチドお よびC-末端ペプチドは共に、MDBK細胞を用いたOvIFNτの抗ウイルス活性を効果 的にブロックした。アミノ酸62〜92で示される第三のペプチドも、IFNτの抗ウ イルス活性を減少させた(70%阻害)。ペプチドOvIF Nτ(119〜150)は、最小の阻害活性を示した。OvIFNτペプチド(34〜64)とOv IFNτペプチド(90〜122)は、明白な阻害活性は持たなかった。 また、OvIFNτ抗ウイルス活性のペプチドによる阻害を以下のように調べた。M adin Darbyウシ腎臓細胞の単層を、様々な濃度のOvIFNτペぺプチドの存在下、 または非存在下で、40ユニット/mlのOvIFNτでインキュベーションした(図13 参照)。図13の結果は、コントロールの抗ウイルス活性に対する%で、つまり、 競合的ペプチドの非存在下での値を示している。ここに示すデータは、6回の繰 り返し実験の平均である。このデータは、10-3Mおよび3×10-3Mの濃度で、OvIF Nτ(1〜37)、(62〜92)、(119〜150)および(139〜172)による阻害が、Ov IFNτ(34〜64)および(90〜122)とは有意に異なることを示している。OvIFN τ(139〜172)は、10-3Mの濃度では、他のすべてのペプチドと有意に異なって いた。有意性は、p<0.05における、ScheffeのFテストに従った変動の解析に よって評価した。このように、OvIFNτ(1〜37)、(62〜92)、(119〜150)お よび(139〜172)は、特に(139〜172)、IFNτのレセプター結合領域を示し得 る。 ウシIFNα(BoIFNα)抗ウイルス活性を阻害する、OvIFNτペプチドの能力を 以下のように調べた。Madin Darbyウシ腎臓細胞の単層を、様々な濃度のOvIFNτ ペプチドの存在下、または非存在下で、40ユニット/mlのウシIFNαでインキュ ベーションした。その結果を、図14に示す。OvIFNτペプチド非存在 下の状態でのコントロールに対する抗ウイルス活性の比率で示す。このデータは 4回の繰り返し実験の平均である。この結果は、OvIFNτ(62〜92)、(119〜15 0)および(139〜172)による阻害は、10-3M濃度において、OvIFNτ(1〜37)、 (34〜64)および(90〜122)とは有意に異なっていることを示している。OvIFN τ(139〜172)は、3×10-3Mの濃度で、OvIFNτ(1〜37),(34〜64)および (90〜122)とは有意に異なっていた。有意性は、p<O.05においての、Scheffe のFテストに従った変動の解析によって評価した。このように、OvIFNτ(62〜9 2)、(119〜150)および(139〜172)、特に(139〜172)は、IFNτとウシIFN αとの共通のレセプター結合領域を示し得る。 ヒトIFNα抗ウイルス活性の、OvIFNτペプチドによるペプチド阻害も調べた。 Madin Darbyウシ腎臓細胞の単層を、種々の濃度のOvIFNτペプチドの存在下、ま たは非存在下で、40ユニット/mlのヒトIFNαとインキュベートした。その結果 は、OvIFNτ非存在下でのコントロールに対する抗ウイルス活性の比率で示す。 図15に示されたこのデートは、3回の繰り返し実験の平均である。OvIFNτ(139 〜172)は、10-3M濃度で、他の全てのペプチドと有意に異なっていた。有意性は 、p<0.05における、ScheffeのFテストに従った変動の解析によって評価した 。このように、OvIFNτ(139〜172)は、IFNτと様々なIFNαとの共通のレセプ ター結合領域を示し得る。 上記のOvIFNτペプチドは、IFNγの抗ウイルス活性にはま ったく影響を及ぼさないと考えられる。ウシIFNγの抗ウィルス活性のペプチド 阻害を、以下のように調べた。Madin Darbyウシ腎臓細胞の単層を、様々な濃度 のOvIFNτペプチドの存在下、または非存在下で、40ユニット/mlのウシIFNγで インキュベートした。その結果は、OvIFNτのない状態でのコントロールに対す る抗ウイルス活性の比率で示す。データは、図16に示すが、3回の繰り返し実験 の平均である。p<0.05における、ScheffeのFテストに従った変動の解析によ って評価されるような有意な差は、これらペプチドの間には見られなかった。 2つの合成ペプチドOvIFNτ(1〜37)およびOvIFNτ(139〜172)は、OvIFNτ の抗FIV作用および抗HIV作用もブロックした。FIV感染したFET-1細胞(1×106/ ml)とHIV感染したHPBL(1×106/ml)において、逆転写(RT)作用(実施例12 および13)を14日間にわたってモニターした。コントロールの培養にはOvIFNτ を加えなかった。OvIFNτは100ng/mlで、ペプチドは200μMで用いた。代表的な 実験のデータを、FIV感染細胞については図11Aに、HIV感染細胞については図11B に、培養上清のcpm/mlとして示す。OvIFNτのN-末端もC-末端も、その抗レトロ ウイルス活性に寄与すると思われる。両方のペプチドがFIV RT活性をブロックし たが、ネコ細胞系Fc9については、C-末端ペプチドつまりOvIFNτ(139〜172)の みが水疱性口内炎ウイルス活性の有効な阻害剤であった。このように、タイプI のIFNのC-末端領域は、タイプIのIFNレセプターの共通 の部位に結合し得るが、N-末端領域は、独自の機能を導き出すことに寄与し得る 。 B.抗ペプチド血清 抗ペプチド抗血清の、OvIFNτ抗ウイルス活性を阻害する能力も調べた。OvIFN τの抗ウイルス活性の抗ペプチド抗血清阻害は、以下のように評価した。MDBK細 胞の単層を、免疫前血清または上記の各OvIFNτペプチドに対する抗血清のいず れかの、1:30希釈物存在下で、20ユニット/mlのOvIFNτとインキュベーション した。図17に、2つの実験のデータを、抗ペプチド抗血清によって得られたOvIF Nτ抗ウイルス活性の阻害の、適切な免疫前血清に対する平均比率±標準誤差と して示す。有意の差を、p<0.05における、ScheffeのFテストに従った変動の 解析によって評価した。抗ウイルス活性のペプチド阻害と一致して、OvIFNτ(1 〜37)、OvIFNτ(62〜92)およびOvIFNτ(139〜172)に対して免疫反応性の抗 体を含む血清は、OvIFNτ抗ウイルス活性の非常に有効な阻害剤でもあり、N-末 端およびC-末端ペプチドに対する抗体は非常に効力が高かった。 同一の血清を、IFNτのレセプターへの結合についての効果を調べるためにも 用いた。 IFNτ結合アッセイを以下のように行った。5μgのIFNτを、25μlの0.5Mリン 酸カリウム緩衝液、pH 7.4と、10μlのクロラミン-T(5mg/ml)中で、500μCiの Na125I(15mCi/μg;Amersham Corporation,Arlington Heights,IL)を用い て2分 間ヨウ素化した(Griggsら、1992)。ヨウ素化されたタンパク質の比活性は、13 7μCi/μgであった。結合アッセイのため、MDBK細胞の単層をパラホルムアルデ ヒドで固定し、5%の脱脂粉乳でブロックした。細胞を、5nMの125I-IFNτと ともに、1%のBSAを含むリン酸緩衝化生理食塩液中、IFNτペプチドに対する抗 体を含む血清または適切な免疫前血清の1:30希釈物の存在下、または非存在下で 、4℃で2時間、インキュベートした。特異的結合を、100倍のモル過剰の標識 されていないIFNτでインキュベーションを行うことによって評価した。500nMの 標識されていないIFNτとの競合によって36%の特異的結合が決定された。例え ば、結合したトータルのカウント数は6850±133であり、100倍のモル過剰のOvIF Nτは、4398±158カウント/分であった。インキュベーションの後、単層を3回 洗浄し、1%のドデシル硫酸ナトリウムで可溶化し、放射能を測定した。3回の 繰り返し実験から得たデータは、図18に示すが、抗ペプチド抗血清により生成さ れたOvIFNτ特異的結合の、適切な免疫前血清に対する平均減少率±標準偏差と して示されている。有意差は、ScheffeのFテストに従った変動の解析によって 評価した。 (OvIFNτ(1〜37)、OvIFNτ(62〜92)およびOvIFNτ(139〜172)に対して 免疫反応性のある抗体を含む)同じ血清が、MDBK細胞における、125I-IFNτの レセプターに対する結合の最も効果的な阻害剤であった。その他のIFNτ由来ペ プチドに対する免疫反応性の血清効果の欠如は、OvIFNτに対す る力価の要因とはならなかった。それは、各血清が、3つの阻害する血清のそれ ぞれのペプチドに対して、同等の、またはそれ以上の力価を有していたためであ る。OvIFNτ分子全体に対する反応性を持つ血清を各血清に対するELISAで評価し たところ、同様の結果が得られた。 これらのペプチドは、インターフェロンのレセプターに結合するのは明白であ るが、それ自体によっては、インターフェロン様の効果を細胞中で引き出すこと はなかった。 C.抗細胞増殖作用 IFNτの、抗細胞増殖作用にとって機能的に重要な部位を、合成ペプチドを用 いて調べた(表11)。細胞増殖について、MDBK細胞を用いて上記のようにアッ セイを行った。MDBK細胞は、実験1および2では1つのウェルにつき5×105細 胞で、実験3では10×105細胞で培養し、培地のみ、300ユニット/mlの濃度のIF Nτ、および1mMのペプチドで、48時間処理した。3回の繰り返し実験のそれぞ れにおいて、二つのウェルをカウントした。統計的分析のために、データは、培 地のみの場合に基づいて正規化し、最小有意差複数プレート比較テスト(p>0. 05)による変動の解析によって評価した。 MDBK細胞の細胞増殖を2日間にわたってモニターしたところ、細胞数は、95% 以上の生存率でほぼ2倍に増加した。300ユニット/mlのOvIFNτを加えると、細 胞生存率を減少させることなく、細胞増殖は完全に止まった。ヒツジIFNτ(119 〜150)が、IFNτ抗細胞増殖作用の最も有効な阻害剤であった。 IFNτ(119〜150)の抗血清は、OvIFNτのレセプターへの結合を阻害したが、 また、OvIFNτの抗細胞増殖効果も逆転させた。その他のペプチドのうちいくつ かも、特にIFNτ(139〜172)は顕著に、OvIFNτの抗細胞増殖効果を逆転させた が、その程度は低かった。 実施例18 IFNτの細胞および抗ウイルス効果の さらなる分析 A.HIV抗ウイルス効果 HIVに対するIFNτの抗ウイルス効果を、HIV感染時に、ヒトPBMC細胞を様々な 量の組換えヒツジIFNτ(r-OvIFNτ)または組換えヒトIFNα2で処理することに よって評価した。実験の間中、薬物は存在した。7日および14日に、p24の生成 が確認され(ELISA(Wangら、1988、1989)による)、そして薬物を用いないコ ントロールと比較した。この分析の結果を表12に示す。 これらの実験からのデータは、比較的低い濃度で、IFNαおよびIFNτが、ヒト リンパ球におけるHIV複製を減少させるのに有効であるという結論を裏付けてい る。 B.PBMCにおけるインビトロの細胞毒性テスト ヒトPBMCを5×105細胞/mlで播種した。細胞を、0日に3μg/mlのPHAで刺激 した。細胞を、1つのウェルにつき200μlの組換えヒトIFNα2A(濃度10、100、 1,000および10,000ユニット/ml)およびIFNτ(濃度2.6、26、260、2,600、26, 000、260,000および2,600,000ユニット/ml)で処理した(96ウェル平底プレー トを用い、各濃度につき4つのウェル)。コントロール培養物にはインターフェ ロンは加えなかった。4日間のインキュベーションの後、1つのウェルにつき1 uCiで3H−チミジンを用いて9時間パルス標識した。細胞を採取し、標識したチ ミジンのDNAへの取り込みを調べた(図8)。 チミジンの取り込みを計測することによっては、いずれの濃度のIFNτでも細 胞毒性は観察されなかった。しかし、rHuIFNα2は、濃度1,000ユニット/mlでは 、細胞に対して毒性であった。 第2の実験では、同じヒトPBMCを、100ユニット/mlまたは10,000ユニット/m lの濃度のIFNτまたはヒトIFNα2Aのいずれかで処理した。3日間または8日間 のインキュベーションの後、生存細胞をフローサイトメトリーで計数した。この 分析の結果を表13に示す。 IFNτで処理した細胞には細胞毒性は観察されなかった。しかし、IFNαで処理 した細胞では3日目に10%の細胞死が、8日目に49%の細胞死がみられた。 C.肝細胞における、肝炎B型ウイルスDNA複製の阻害 用いられた細胞株HepG2-T14は、肝炎B型ウイルス(HBV)でトランスフェクト した肝細胞に由来するヒト細胞である。この細胞株は、半安定的にHBVウイルス を生成する。やがて、この細胞株のHBV細胞内DNAの生成および分泌ウイルスは減 少する。HBV DNAとウイルスとの生成を最大にするために、細胞をdeAZA-C(5-ア ザシチジン;Miyoshiら)で前処理し、ウイルスの生成を誘導する。処理を2〜 3日間行い、そして誘導の量は約2倍であった。 次いで、細胞を、0、5,000、10,000、20,000および40,000ユニット/mlのレ ベルのIFNαまたはIFNτのいずれかで処理した。 IFNαまたはIFNτのいずれかの全てのレベルでも、薬物を用いていないコント ロールに比べて、DNAの生成は約1/2に減少した。 D.肝細胞における、肝特異的メッセンジャーRNAの阻害 肝細胞株HepG2-T14(上記)を、IFNαおよびIFNτの肝特異的mRNA生成に対す る効果について調べた。細胞を、IFNαまたはIFNτの濃度0、5,000、10,000、2 0,000および40,000ユニット/mlでインキュベートした。肝細胞特異的タンパク 質Apo EおよびApo AlのメッセンジャーRNAを、これら2つのmRNAに特異的なプロ ーブを用いて、ハイブリダイゼーション分析(Sambrookら;Maniatisら)によっ て検出した(Shouldersら、およびWallisら)。 40,000ユニットまでのIFNαまたはINFτでは、Apo EまたはApo AlのmRNA生成 について、mRNA生成の減少は見られなかった。この結果は、前記の実験における ウイルスのDNA複製の減少が、IFNの細胞ハウスキーピング活性への効果によるも のではなく、むしろ、この減少が、おそらく宿主細胞におけるウイルスの複製の 特異的阻害によるものであったことを示唆している。 実施例19 インターフェロン−τ融合タンパク質の単離 抗βガラクトシダーゼに結合したセファロース4Bビーズを、Promegaから購 入する。このビーズを2mlカラムに充填し、そして0.02%のアジ化ナトリウムを 含むリン酸緩衝化生理食 塩液および10mlのTX緩衝液(10mM Tris緩衝液、pH 7.4、1%アプロチニン)で 、連続して洗浄する。 IFNτコーディング配列(例えば、図7)をλgt11のポリリンカー部位にクロ ーニングする。IFNτコーディング配列を、λgt11のアミノ末端β-ガラクトシダ ーゼコーディング配列と共にインフレームに配置する。gt11/IFNτに感染した溶 原菌を用いて、500mlのNZYDTブロスを接種する。培養物を、32℃で、O.D.約0.2 〜0.4まで曝気でインキュベートし、43℃の水浴中で、15分間すばやく43℃にし て、gt11ペプチド合成を誘導し、さらに、37℃で1時間インキュベートする。遠 心分離により細胞をペレットにし、10mlの溶解緩衝液(10mM Tris、pH 7.4、使用 直前に添加された2%の「TRIT0N X-100」および1%のアプロチニンを含有)中 に懸濁する。 再懸濁した細胞を液体窒素中で冷凍し、その後解凍すると、実質的に完全な細 胞溶解物を得る。この溶解物をDNaselで処理して、細菌DNAおよびファージDNAを 切断し、これは溶解物の粘度が徐々に失われていくことによって証明される。非 可溶化物質を遠心分離によって除去する。 清澄化した溶解物質をセファロースカラムに載せ、カラムの端部を閉鎖し、室 温で2時間、および4℃で16時間、旋回盤上に置く。カラムが安定した後、10ml のTX緩衝液で洗浄する。融合タンパク質を、0.1Mの炭酸/重炭酸緩衝液、pH10、 で溶出する。代表的には、14mlの溶出緩衝液をカラムに通し、そして融合タンパ ク質を最初の4〜6mlの溶出液中に溶出す る。 融合タンパク質を含む溶出液を「CENTRIC0N-30」カートリッジ(Amicon,Danv ers,Mass.)で濃縮する。最終タンパク質濃度を、例えば、400μlのPBS緩衝液 に再懸濁する。タンパク質純度をSDS-PAGEで分析する。 ポリクローナル抗体については、精製した融合タンパク質を、ウサギにフロイ ントアジュバントで皮下注射する。0日および21日に、約1mgの融合タンパク質 を注射し、ウサギの血清を、代表的には、6および8週目に採集する。 実施例20 IFNτ抗体の調製 A.グルタチオン-S-トランスフェラーゼ融合タンパク質の発現 IFNτコーディング配列(例えば図7)を、pGEXベクターにクローニングする (Boyerら;Frangioniら;Guanら;Hakesら;Smithら、1988)。グルタチオン-S -トランスフェラーゼタンパク質(GST--sj26コーディング配列)と共に、トロン ビン開裂配列をインフレームに挿入することによって、このpGEXベクター(Smit hら)を改変した。このベクターをpGEXthrと呼ぶ。IFNτコーディング配列を、s j26-トロンビンコーディング配列と共にインフレームに配置する(Guanら;Hake sら)。IFNτコーディング配列挿入物を、その挿入物に特異的なPCRプライマー を用いたポリメラーゼ連鎖反応によって生成し得る。 IFNτフラグメントを、直鎖状にしたpGEXthrベクターに連結する。連結混合物 をE.coli中に形質転換し、アンピシリン耐性コロニーを選択する。アンピシリン 耐性コロニーからプラスミドを単離し、制限酵素切断によって分析して、IFNτ 挿入物を含むコロニーを同定する(このベクターをpGEXthr-IFNτと呼ぶ)。 E.coli株XL-I B1ueをpGEXthr-IFNτで形質転換し、37℃で一晩増殖させる。無 作為に選んだコロニーからDNAを調製する。挿入物コーディング配列の存在は、 代表的には、(i)制限切断マッピング、(ii)標識IFNτプローブを用いたハイ ブリダイゼーションスクリーニング(例えば、サザン分析)または(iii)直接D NA配列分析によって確認される。 B.融合タンパク質の部分精製 pGEXthr-IFNτクローンを一晩増殖させる。一晩たった培養物を、アンピシリ ンを含むLB培地で1:10に希釈し、37℃で1時間増殖させる。あるいは、一晩たっ た培養物を、1:100に希釈し、IPTG(イソプロピルチオ-β-ガラクトシド)を加 える前に、0D 0.5〜1.0にまで増殖させる。IPTG(GIBCO-BRL、Gaithersburg MD )を最終濃度が0.2〜0.5mMになるように加え、タンパク質発現を誘導し、そして 代表的には、2〜5時間、好ましくは3.5時間、インキュベーションを行う。 細菌細胞を遠心分離によって採取し、培養容積の1/100のMTPBS(150mM NaCl、 16mM Na2HP04、4mM NaH2P04)に再懸濁する。細胞をリゾチーム、音波処理また はフレンチプレス で溶解し、溶解物の細胞破片を遠心分離で取り除く。 pGEXthr-IFNτ含有細胞の、IPTGで誘導された培養物から得た上清のアリコー トと、pGEXthrベクターのみの、IPTGで誘導された培養物から得た上清のアリコ ートとを、以下のように、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で分析し、続い てウェスタンブロットを行う。 必要な場合には、抽出物を、例えば「CENTRIC0N 10」フィルターを用いる限外 濾過によって濃縮し得る。 あるいは、融合タンパク質を、Smithらによって詳細に述べられているように 、グルタチオンアガロースアフィニティーカラムで部分的に精製する。この方法 では、100mlの培養物を一晩増殖させる。培養物を1リットルに希釈し、そして 細胞を37℃でさらに1時間増殖させる。融合タンパク質の発現はIPTGを用いて誘 導される。誘導された培養物を37℃で3.5時間増殖させる。細胞を採取し、音波 処理を用いて細胞を溶解する。細胞破片をペレットにし、純粋な溶解物をグルタ チオン「SEPHAR0SE」カラムに載せる。カラムを数倍のカラム容積で洗浄する。 融合タンパク質を、還元グルタチオンでアフィニティーカラムから溶出し、透析 する。IFNτは、トロンビン処理によってハイブリッドタンパク質から遊離され 得る。次いで、ハイブリッドタンパク質のsj26フラグメントおよびIFNτフラグ メントを、カラムまたはゲルを用いたサイズ分画によって分離し得る。 あるいは、ハイブリッドタンパク質のIFNτ部分は、トロン ビンによる処理によってカラムから遊離される(Guanら;Hakesら)。 C.融合タンパク質に対する抗体 精製されたSj26/IFNτ融合タンパク質を、ウサギにフロイントアジュバントで 皮下注射する。0日および21日に、約1mgの融合タンパク質を注射し、ウサギの 血清を、代表的には6および8週目に採集する。第2のウサギも同様に、コント ロールの細菌溶解物から得た精製Sj26タンパク質で免疫する。 以下の細菌培養物からのミニ溶解物(minilysate)を調製する:(1)pGEXthr およびIFNτ挿入物を有するpGEXthrで感染したKM392細胞、および(2)IFNτ挿 入物を有するλgt11で感染した細胞。このミニ溶解物と、市販のβ-ガラクトシ ダーゼとをSDS-PAGEで分画し、そして得られたバンドをニトロセルロースフィル ターに移してウェスタンブロッティングを行う(Sambrookら;Ausubelら)。 予期される結果を要約すると、コントロール(Sj26)ウサギ由来の血清は、そ れぞれのSj26とSj26融合タンパク質抗原に免疫反応性を有する。Sj26/IFNτ融合 タンパク質で免疫した動物由来の血清は、IFNτコーディング配列を含むすべて のSj-26およびβ-ガラクトシダーゼ融合タンパク質に対して反応性を有し、これ は、IFNτ抗原との特異的な免疫反応の存在を示す。いずれの血清も、β-ガラク トシダーゼには免疫反応性があるとは予期されない。 Sj26/IFNτで免疫した動物由来の血清に存在する抗IFNτ抗 体は、アフィニティークロマトグラフィーによって精製される(固定された、組 換えによって生成したIFNτをリガンドとして用い、本質的に上記実施例12で抗 β-ガラクトシダーゼ抗体について述べたのと同様に)。 本発明を特定の方法および実施態様を参照して説明してきたが、本発明から離 れることなく様々な改変や変化を施し得ることが理解される。 配列表 (1)一般的情報: (i)出願人:ユニバーシティ オブ フロリダ ザ ウイミンズ リサーチ インスティテュート (ii)発明の名称:インターフェロンτ組成物および使用方法 (iii)配列数:20 (iv)連絡住所: (A)住所人:ロー オフィシズ オブ ピーター ジェイ.デリンジャー (B)番地:スイート 300,ケンブリッジ エーブイイー.350 (C)市:パロ アルト (D)州:カリフォルニア (E)国:アメリカ合衆国 (F)郵便番号:94306 (v)コンピューター読み出し形態: (A)媒体型:フロッピーディスク (B)コンピューター:IBM PC互換用 (C)操作システム:PC-DOS/MS-DOS (D)ソフトウェア:パテントインリリース #l.0、バージョン #1.25 (vi)現在の出願データ: (A)出願番号:US 07/969,890 (B)出願日:1992年10月30日 (viii)代理人/事務所情報: (A)氏名:ファビアン,ゲイリー アール. (B)登録番号:33,875 (C)照会/記録番号:5600-0001.41 (ix)電話回線情報: (A)電話:415-324-0880 (B)テレファックス:415-324-0960 (2)配列番号1の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:518塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:環状 (ii)配列の種類:DNA (iii)ハイポセティカル:No (iv)アンチセンス:No (vi)起源: (A)生物名:ヒツジ(Ovis aries) (B)株名:Domestic(家畜) (D)分化の程度:胞胚(胚盤胞) (F)組織の種類:栄養外胚葉 (G)細胞の種類:単核栄養外胚葉細胞 (vii)直接の起源: (B)クローン:oTP−1a (viii)ゲノム内での位置: (C)単位:塩基対 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:CDS (B)存在位置:1..518 (x)刊行物情報: (A)著者:ott,Troy L Van Heeke,Gino Johnson,Howard M Bazer,Fuller W (B)題目:タイプI栄養膜インターフェロンヒツジ栄養芽層タンパク質1に ついての合成遺伝子のsaccharomyces cerevisiaeでのクローニングおよび発現: 精製および抗ウイルス活性 (C)雑誌:J.Interferon Res. (D)巻:11 (F)ページ:357-364 (G)日付:1991 (k)配列番号1の関連残基:1から518まで (xi)配列:配列番号1: (2)配列番号2の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:172アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質 (xi)配列:配列番号2: (2)配列番号3の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:516塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:cDNA (xi)配列:配列番号3: (2)配列番号4の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:172アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質 (xi)配列:配列番号4: (2)配列番号5の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:37アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質 (xi)配列:配列番号5: (2)配列番号6の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:31アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質 (xi)配列:配列番号6: (2)配列番号7の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:31アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質 (xi)配列:配列番号7: (2)配列番号8の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:33アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質 (xi)配列:配列番号8: (2)配列番号9の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:32アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質 (xi)配列:配列番号9: (2)配列番号10の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:34アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質 (xi)配列:配列番号10: (2)配列番号11の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:588塩基対 (B)型:核酸 (C)鎖の数:二本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(genomic) (iii)ハイポセティカル:No (iv)アンチセンス:No (vi)起源: (C)個体・単離生物名:ヒトインターフェロンτコーディング配列 (ix)配列の特徴: (A)特徴を表す記号:CDS (B)存在位置:1..585 (xi)配列:配列番号11: (2)配列番号12の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:195アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:タンパク質 (xi)配列:配列番号12: (2)配列番号13の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:25塩基 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(synthetic) (xi)配列:配列番号13: (2)配列番号14の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:25塩基 (B)型:核酸 (C)鎖の数:一本鎖 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:DNA(synthetic) (xi)配列:配列番号14: (2)配列番号15の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:37アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (C)個体・単離生物名:ヒトτ-IFN、フラグメントl-37のアミノ酸配列 (xi)配列:配列番号15: (2)配列番号16の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:31アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (C)個体・単離生物名:ヒトτ-IFN、フラグメント34-64のアミノ酸配列 (xi)配列:配列番号16: (2)配列番号17の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:31アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (C)個体・単離生物名:ヒトτ-IFN、フラグメント62-92のアミノ酸配列 (xi)配列:配列番号17: (2)配列番号18の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:33アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (C)個体・単離生物名:ヒトτ-IFN、フラグメント90-122のアミノ酸配列 (xi)配列:配列番号18: (2)配列番号19の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:32アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (C)個体・単離生物名・ヒトτ-IFN、フラグメント119-150のアミノ酸配列 (xi)配列:配列番号19: (2)配列番号20の情報: (i)配列の特色: (A)長さ:34アミノ酸 (B)型:アミノ酸 (D)トポロジー:直鎖状 (ii)配列の種類:ペプチド (iii)ハイポセティカル:No (vi)起源: (C)個体・単離生物名:ヒトτ-IFN、フラグメント139-172のアミノ酸配列 (xi)配列:配列番号20:
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07K 16/24 C12N 1/19 8828−4B 1/21 8828−4B 5/10 C12P 21/02 F 9282−4B 21/08 9358−4B G01N 33/53 D 8310−2J //(C12N 1/19 C12R 1:865) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:865) (C12P 21/02 C12R 1:19) 9455−4C A61K 37/66 F (72)発明者 ベイザー,フラー ワレン アメリカ合衆国 テキサス 77843―2471, カレッジ ステーション,クレバーグ セ ンター 442ディー,テキサス エーアン ドエム ユニバーシティー,センター フ ォー アニマル バイオテクノロジー (72)発明者 ジョンソン,ハワード マーセルズ アメリカ合衆国 フロリダ 32611―0330, ゲインズビル,マッカーティ ホール 3103,ユニバーシティ オブ フロリダ, デパートメント オブ マイクロバイオロ ジー アンド セル サイエンス (72)発明者 ポントザー,キャロル ハンロン アメリカ合衆国 メリーランド 20742, カレッジ パーク,ユニバーシティ オブ メリーランド,ビルディング 231,デ パートメント オブ マイクロバイオロジ ー (72)発明者 オット,トロイ リー アメリカ合衆国 テキサス 77843―2471, カレッジ ステーション,クレバーグ セ ンター 442,テキサス エーアンドエム ユニバーシティ,デパートメント オブ アニマル サイエンス (72)発明者 バン ヒーク,ジーノ スイス国 シーエイチ―4124 ショーンブ ック,ベイゼルストラーセ 12 (72)発明者 イマカワ,カズヒコ アメリカ合衆国 カンザス 67214,ウィ チタ,イースト セントラル 2903 ザ ウィミンズ リサーチ インスティテュー ト

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.腫瘍細胞増殖を阻害する方法であって、該細胞を、腫瘍細胞の増殖を阻害 するのに効果的な濃度のインターフェロンτに接触させる工程を包含する方法。 2.前記インターフェロン−τがウシ、ヒツジ、およびヒトからなる群から選 択される哺乳類から得られ得るインターフェロン−τである、請求項1に記載の 方法。 3.前記インターフェロン−τが、配列番号2および配列番号4からなる群か ら選択される配列を含む、請求項1に記載の方法。 4.前記インターフェロン−τが配列番号4で表される配列を有する、請求項 1に記載の方法。 5.前記細胞がヒト癌細胞、ヒト白血病細胞、ヒトTリンパ腫細胞、およびヒ ト黒色腫細胞である、請求項4に記載の方法。 6.前記細胞がステロイド感受性腫瘍細胞である、請求項5に記載の方法。 7.前記細胞が哺乳類腫瘍細胞である、請求項6に記載の方法。 8.細胞中におけるウイルスの複製を阻害する方法であって、該細胞中でのウ イルスの複製を阻害するのに効果的な濃度のインターフェロン−τに、ウイルス で感染した細胞を接触させる工程を包含する方法。 9.前記インターフェロン−τがウシ、ヒツジ、およびヒトからなる群から選 択される哺乳類から得られ得るインターフェロン−τである、請求項8に記載の 方法。 10.前記インターフェロン−τが、配列番号2または配列番号4からなる群 から選択される配列を含む、請求項8に記載の方法。 11.前記ウィルスがRNAウイルスである、請求項8に記載の方法。 12.前記ウイルスが、ネコ白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、または C型肝炎ウイルスからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。 13.前記ウイルスが、B型肝炎ウイルスである、請求項8に記載の方法。 14.雌の哺乳類の受胎能を高める方法であって、薬学的に受容可能なキャリ ア中の、哺乳類の受胎能を高めるのに効果的な量のヒトインターフェロン−τを 、該哺乳類に投与する工程を包含する方法。 15.前記インターフェロン−τが配列番号4で示されるタンパク質配列を有 する、請求項14に記載の方法。 16.ヒトインターフェロン−τをコードする、単離された核酸。 17.前記核酸の分子が配列番号11で示される配列を有する、請求項16に記 載の核酸。 18.前記核酸の分子が配列番号3で示される配列を有す る、請求項16に記載の核酸。 19.(a)ヒトインターフェロン−τをコードするオープンリーディングフ レームを含む核酸;および (b)該オープンリーディングフレームを宿主細胞中で発現するのに効果的な 調節配列を含む、発現ベクター。 20.前記調節配列が、前記核酸配列の5’側にプロモーター領域、およびイ ンターフェロン−τコーディング配列にインフレームのATG開始コドンを含み、 かつ前記コーディング配列の3’側に翻訳終止シグナルとそれに続く転写終止シ グナルとを含む、請求項19に記載の発現ベクター。 21.前記核酸が、配列番号1、配列番号3、および配列番号11からなる群か ら選択される配列に含まれる、請求項19に記載の発現ベクター。 22.組換え的に産生されたヒトインターフェロン−τタンパク質。 23.配列番号4で示される配列を含む、請求項22に記載の組換え的に産生 されたタンパク質。 24.さらに、アミノ末端伸長部を含み、配列番号12で示される配列を有する 、請求項23に記載の組換え的に産生されたタンパク質。 25.組換え的にインターフェロン−τを産生する方法であって、 適切な宿主細胞に、ヒトインターフェロン−τポリペプチドをコードするポリ ヌクレオチド配列を有するオープンリー ディングフレーム(0RF)を含む組換え発現系を導入する工程であって、該ベク ターが該宿主中で0RFが発現するように設計されている、工程;および 該0RF配列が発現するような条件下で該宿主を培養する工程を包含する方法。 26.前記インターフェロン−τポリペプチドが配列番号4で示される配列を 有する、請求項25に記載の方法。 27.前記発現ベクターがλgt11ファージベクターであり、そして前記宿主細 胞がE.coliである、請求項25に記載の方法。 28.前記ポリヌクレオチド配列が、配列番号3で示される配列を有する、請 求項25に記載の方法。 29.前記宿主が酵母である、請求項28に記載の方法。 30.前記宿主が昆虫細胞である、請求項28に記載の方法。 31.前記ポリペプチドが配列番号4で示される配列を有し、そして前記ポリ ヌクレオチドが配列番号11で示される配列を有する、請求項25に記載の方法。 32.インターフェロン−τポリペプチドを発現するための発現系であって、 選択された発現ベクター中でのオープンリーディングフレームの発現を支持し 得る宿主、および ヒトインターフェロン−τポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を 有するオープンリーディングフレーム(O RF)を含む選択された発現ベクターを包含する発現系。 33.前記ポリペプチドが、配列番号4、配列番号15、配列番号16、配列番号 17、配列番号18、配列番号19、および配列番号20からなる群から選択される、請 求項32に記載の発現系。 34.前記ポリペプチドが配列番号4で示される配列を有するポリペプチドで ある、請求項32に記載の発現系。 35.単離されたインターフェロン−τポリペプチドであって、ここで該ポリ ペプチドが(i)インターフェロン−τアミノ酸コーディング配列であり、そし て(ii)15アミノ酸長と172アミノ酸長との間である、ポリペプチド。 36.前記インターフェロン−τ配列が、配列番号2および配列番号4からな る群から選択される、請求項35に記載のポリペプチド。 37.前記ポリペプチドが、配列番号5、配列番号7、配列番号9、および配 列番号10からなる群から選択される、請求項35に記載のポリペプチド。 38.前記ポリペプチドが、配列番号15、配列番号17、配列番号19、および配 列番号20からなる群から選択される、請求項35に記載のポリペプチド。 39.α−インターフェロンレセプターを有する細胞へのα−インターフェロ ンの結合をブロックする方法であって、 インターフェロン−τポリペプチドが各α−インターフェロンレセプターに結 合することを可能にするために有効な濃 度のインターフェロン−τポリペプチドに、該細胞を接触する工程、および 該レセプターに結合したインターフェロン−τポリペプチドを有する細胞を、 α−インターフェロンに曝す工程を包含する方法。 40.前記インターフェロン−τポリペプチドが、配列番号2、配列番号5、 配列番号7、および配列番号10からなる群から選択される、請求項39に記載の 方法。 41.前記インターフェロン−τポリペプチドが、配列番号4、配列番号15、 配列番号17、および配列番号20からなる群から選択される、請求項39に記載の 方法。 42.インターフェロン−τレセプターを有する細胞へのインターフェロン− τの結合をブロックする方法であって、 配列番号5、配列番号7、配列番号10、配列番号15、配列番号17、および配列 番号20からなる群から選択されるインターフェロン−τポリペプチドに、該細胞 を接触させる工程であって、該ポリペプチドは、該ポリペプチドが各インターフ ェロン−τレセプターに結合することを可能にするために有効な濃度である工程 、および 該レセプターに結合したインターフェロン−τポリペプチドを有する細胞を、 インターフェロン−τに曝す工程を包含する方法。 43.ヒトインターフェロン−τと免疫反応性の、精製された抗体。 44.ポリクローナル抗体である、請求項43に記載の抗体。 45.モノクローナル抗体である、請求項43に記載の抗体。 46.前記抗体が、配列番号4、配列番号15、配列番号17、および配列番号20 からなる群から選択されるポリペプチドと反応性である、請求項43に記載の抗 体。 47.(a)インターフェロン−τポリペプチドであって、該ポリペプチドが (i)インターフェロン−τアミノ酸コーディング配列由来であり、そして(ii )15アミノ酸長と172アミノ酸長との間である、ポリペプチド;および (b)第2の可溶性ポリペプチドを含有する、融合ポリペプチド。 48.前記インターフェロン−τ配列が配列番号2および配列番号4から選択 される、請求項47に記載の融合ポリペプチド。 49.前記ポリペプチドが、配列番号5、配列番号7、配列番号9、および配 列番号10からなる群から選択される、請求項47に記載の融合ポリペプチド。 50.前記ポリペプチドが、配列番号15、配列番号17、配列番号19、および配 列番号20からなる群から選択される、請求項47に記載の融合ポリペプチド。 51.前記第2の可溶性ポリペプチドが血清アルブミンである、請求項47に 記載の融合ポリペプチド。 52.前記第2の可溶性ポリペプチドが、インターフェロン−αである、請求 項47に記載の融合ポリペプチド。
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