JPH08503244A - 擬似塑性及び揺変性洗浄組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 擬似塑性及び揺変性液体としての洗浄組成物が開示される。この種の適当な組成物は非イオン界面活性剤の水性エマルジョンの形で製造される。また、布帛と表面の洗浄法、並びにノズルを備えた絞り型容器の中に前記組成物を封入したパッケージも開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 擬似塑性及び揺変性洗浄組成物 技術分野 本発明は特に洗濯物の前処理または硬質の表面、特に傾斜面の洗浄に適した洗 浄組成物に関するものである。 発明の背景 業界公知のように、洗浄組成物は多少とも粘性である事が望ましい。実際に、 粘性生成物は希薄液体よりも流れにくく、従ってこれを使用する際に制御しやす い。もちろん、生成物が単に機械ディスペンサーまたは洗浄装置の中に注入され る必要のある場合にはこのアスペクトはそれほど重要でないが、しかしディスペ ンサーから特定区域、例えば布帛または硬質面上への生成物の分与が制御され、 生成物がこの分与区域上において除去される前に一定の効果を生じる必要のある 場合には、このアスペクトは重要である。代表的には、このような生成物の用途 は洗濯物の前処理または硬質面の洗浄の場合を含む。このような用途においては 、生成物が自由に拡散する代わりに表面上に粘着する程度に濃厚な事が重要であ る。この事は、浴槽または便器などの傾斜面または垂直面上に使用される生成物 の場合にはさらに重要である。 またしかしこれらの生成物はその容器から表面上に分 与しやすい必要がある。従って生成物は分与しやすいように、できるだけ希薄で なければならない。このような要件は、一般に硬質面クリーナ、特に便器クリー ナに使用されているいるような小さい分与オリフィスを有する容器で市販されて いる生成物について特に重要である。実際にこのような小さい分与オリフィスは 、便器の縁の下に生成物を分与できるようにするために必要である。このような 希薄生成物の要求は前記の粘性生成物の要求と明かに矛盾している。 さらに、これらの生成物が表面に対して作用した後に表面から容易に洗い落と せる事が望ましい。またこのような要件から、濃厚な生成物よりも希薄な生成物 の配合が望ましくなる。 代表的には、このような洗浄組成物のメーカは中項をとる事によって、すなわ ちある程度表面上に粘着するほどに濃厚であるが、容器から多少とも容易に分与 されまたその施用される表面から容易に洗い落とされる程度に希薄な組成物を配 合する事により、このような矛盾を解決しようと試みた。一般にこのようなアプ ローチは、分与の容易さも表面粘着性も適当でない生成物を生じる。 本発明の目的は、このような大きな矛盾を解決し、分与がきわめて容易であり 、施用面に対して強い粘着性を示し、また容易に洗い落とせる洗浄組成物を提供 するにある。 発明の概要 出願人は、洗剤システムを含み、１２ｒｐｍにおいて６０ｃｐｓ乃至１５００ ｃｐｓ、３０ｒｐｍにおいて４０ｃｐｓ乃至８００ｃｐｓ）また６０ｒｐｍにお いて２０ｃｐｓ乃至５００ｃｐｓの粘度を有する擬似塑性及び揺変性洗浄組成物 を配合する事によって前記目的が達成される事を発見した。 また本発明は、分与ノズルを備えた絞り型容器の中に収容された前記の組成物 を含む。 また本発明は前記組成物の施用される布帛および表面の処理法を含む。 発明の詳細な説明 本発明はその最も広いアスペクトにおいて、擬似塑性で揺変性の洗浄用組成物 を含む。本明細書において擬似塑性（pseudoplastic）とは、ここで特許請求さ れた限界の範囲内において相異なる剪断応力が加えられた時に相異なる粘度を示 す組成物を言う。例えば、剪断速度を変動させる事によって、例えば回転式粘度 計のスピンドルの回転速度を変動させる事によって、与えられた組成物に対して 相異なる剪断応力を加える事ができる。特記なき限り、本明細書におけるすべて の粘度は、スピンドル＃２を備えたブルックフィールドＤＶ ＩＩ回転粘度計を 使用して２０℃で測定される。一般に、回転式粘度計を使用して擬似塑性液体の 粘度測定を実施する場合、 測定初期において粘度読み値にある程度の変動が生じる可能性がある。しばらく して、このような変動が減衰して粘度読み値が安定する。この段階において測定 システムはその平衡粘度値に達したのである。平衡粘度値に達するのに必要な時 間はシステムの粘度と共に増大する。この平衡読み値は、５乃至３０分間、実質 的に一定にとどまる。特記なき限り本明細書のすべての粘度は平衡粘度値である 。 本発明の組成物はさらに揺変性（thixotropic）である。すなわち、平衡粘度 に達しこの粘度が５乃至３０分間保持された後に、粘度が低下しはじめ、場合に よっては第１平衡値より低い第２平衡値に達する。 洗剤システムを含む本発明の組成物は、１２ｒｐｍにおいて６０ｃｐｓ乃至１ ５００ｃｐｓ、３Ｏｒｐｍにおいて４０ｃｐｓ乃至８００ｃｐｓ、また６０ｒｐ ｍにおいて２０ｃｐｓ乃至５００ｃｐｓの粘度を有する。好ましい実施態様にお いて、本発明の組成物は１２ｒｐｍにおいて４００ｃｐｓ乃至６００ｃｐｓ、最 も好ましくは４５０ｃｐｓ乃至５５０ｃｐｓ、３０ｒｐｍにおいて２００ｃｐｓ 乃至３５０ｃｐｓ、最も好ましくは３００ｃｐｓ乃至３５０ｃｐｓ、また６０ｒ ｐｍにおいて１００ｃｐｓ乃至２５０ｃｐｓ、最も好ましくは１５０ｃｐｓ乃至 ２５０ｃｐｓの粘度を有する。相異なる剪断速度に対する前記の粘度範囲は重な り合っているが、与 えられた組成物について１２ｒｐｍにおける粘度は３０ｒｐｍにおける粘度より 高く、この３０ｒｐｍにおける粘度は６０ｒｐｍにおける粘度より高い事を了解 されたい。 前記の粘度プロフィルによれば、本発明による組成物は低剪断応力において高 い粘度を有し、高剪断応力において低粘度を有する。このような粘度プロフィル は、第１に組成物分与の正確な制御を容易にする。実際に組成物がその容器から 分与される際に、高い剪断応力が加えられ、これが組成物の粘度の低下に役立つ 。従って本発明の組成物はその分与に際して低粘度を有する。 小さなオリフィスを有する分与ノズルを備えた絞り型容器を使用する事により 、高い剪断応力が加えられる。実際に、このような容器を使用すれば、組成物が 容器から押出され、製品が単に容器から注出される場合よりも高い剪断応力が加 えられる。従って本発明は、分与ノズルを備えた絞り型容器の中に本発明の組成 物を封入したパッケージを含むものとする。分与ノズルを備えた絞り型容器とは 、前記組成物を容器から絞り出さないかぎり組成物の分与が実質的に生じない容 器を意味する。絞り型容器は業界公知であって、通常便器その他の硬質面の洗浄 組成物を封入するために使用される。 組成物が表面上に分与されるやいなや、重力による微弱な応力以外にもはや剪 断応力が加えられず、組成物の 粘度が上昇する。従って本発明の組成物は表面上に分与されると、その粘度が高 くなる。従って、これらの面が傾斜しまたは垂直であっても、組成物はこれらの 面にそって過度に拡張しあまりに急速に流下する事を防止される。次に、組成物 が洗浄されまたは除去されるに従って剪断応力が加えられて組成物の粘度を低下 させ、従ってその除去または洗浄を容易にする。 また本発明の組成物は揺変性であるので、一定剪断速度（回転速度）において ６０％までの、好ましくは５％乃至５０％の、最も好ましくは１０乃至４０％の 粘度低下を示す。これらのパーセントは第１平衡値と第２平衡値との間の差を示 す。この揺変性挙動の故に、本発明の組成物がその作用面上に分与されると組成 物粘度が時間と共に低下して、表面上の組成物の均等な拡散に役立つ。さらにこ の揺変性挙動は前記表面からの組成物の除去または洗浄を容易にする。 本発明による組成物は、少なくとも２種の、好ましくは２種だけの非イオン界 面活性剤のエマルジョンを含む水性マトリックスの形に製造する事が適当である 。前記２種の界面活性剤は相異なるＨＬＢ値を有し、好ましくはこれらのＨＬＢ 値の差は少なくとも３、好ましくは少なくとも６．５とする。 本発明の組成物の製造に適した非イオン界面活性剤は業界公知のアルコキシル 化アルコール非イオン界面活性 剤である。アルコールの鎖長とアルコキシル化度とを変動させる事によって、多 様の相異なるＨＬＢを有する多数の非イオン界面活性剤が得られる。相異なるＨ ＬＢを有する少なくとも２種の非イオン界面活性剤を水中において適当に結合す る事により、所望のエマルジョンが得られる。 このようなアルコキシル化アルコールは業界公知の凝縮法によって簡単に製造 する事ができるが、多種のアルコキシル化アルコール、特にエトキシル化アルコ ールおよび／またはプロポキシル化アルコールが市販されている。非イオン界面 活性剤とそれぞれのＨＬＢ値とを含めて多数の界面活性剤を列挙した界面活性剤 カタログが市販されている。 従って、本発明において使用される好ましいアルコキシル化アルコールは式Ｒ Ｏ（Ｅ）ｅ（Ｐ）ｐＨに対応する非イオン界面活性剤であって、この式において Ｒは６乃至２０炭素原子の炭化水素分子鎖、Ｅは酸化エチレン、Ｐは酸化プロピ レン、またｅとｐはそれぞれ平均エトキシル化度およびプロポキシル化度を示し 、０乃至６０である。 本発明によるエマルジョン、すなわち所望の粘度プロフィルを有するエマルジ ョンを得るためには、代表的には組成物全体の４重量％乃至３０重量％、好まし くは６重量％乃至１５重量％の前記非イオン界面活性剤を使用 する必要がある。疎水性非イオン界面活性剤（代表的には６乃至１０のＨＬＢ） が界面活性剤全量の７０乃至９０重量％、好ましくは７５乃至８５重量％を占め なければならない。 しかし好ましい実施態様においては、少なくとも１つの前記アルコキシル化ア ルコールの前記式のＲ基が８乃至１３炭素原子、好ましくは８乃至１１炭素原子 のみを含む。このような短鎖非イオン界面活性剤を使用する利点は、長鎖非イオ ン界面活性剤を使用する同一システムと比較して、界面活性剤の総量の少ない本 発明による擬似塑性及び揺変性エマルジョンが得られる事にある。従ってこのよ うな短鎖非イオン界面活性剤が使用されれば、本発明による組成物は前記短鎖非 イオン界面活性剤を組成物総量の２乃至９重量％、好ましくは３乃至６重量％の み含有すればよい。 本発明による組成物は、適当な物理的安定性を得るため、０乃至６、好ましく は０．５乃至４のｐＨに配合されなければならない。本発明によるエマルジョン のｐＨは当業者に明かな任意手段によって調整する事ができる。ェマルジョンの ｐＨは、エマルジョンを物理的に安定させまた粘度を増大する適当な有機酸また は無機酸によって調整する事ができる。このような好ましい酸は、代表的には組 成物全量の１乃至２０重量％のクエン酸である。 本発明によるエマルジョンは代表的には組成物全量の １０乃至９５重量％、好ましくは７０乃至８５重量％の水を含有する。好ましく は脱イオン水が使用される。 本発明によるエマルジョンはその使用目的に応じて、種々の他の成分、例えば あらゆる型の他の界面活性剤、漂白剤、漂白活性剤、有機または無機アルカリ、 酵素、ビルダー、キレート化剤、光沢剤、染料移動抑制剤、香料および染料を含 む事ができる。 本発明による組成物は特に洗濯用前処理剤として、すなわち布帛が洗濯される 前に布帛上に分与されて放置され布帛に作用する組成物として、また硬質面クリ ーナとして有効である。本発明の組成物は傾斜面または垂直面、特に浴槽および 便器の洗浄に好適である。 従って本発明は、前述の擬似塑性及び揺変性洗浄組成物、すなわち洗剤システ ムを含み１２ｒｐｍにおいて６０ｃｐｓ乃至１５００ｃｐｓ、３０ｒｐｍにおい て４０ｃｐｓ乃至８００ｃｐｓ、また６０ｒｐｍにおいて２０ｃｐｓ乃至５００ ｃｐｓの粘度を有する組成物を容器から前記布帛または表面上に分与し、この布 帛または表面上に作用させ、次に洗浄によって除去するようにした布帛または表 面処理法を含む。 前記パラグラフにおいて使用された「処理」とは、本発明の組成物が界面活性 剤を含むので洗濯処理を含むが、これには限定されず、漂白および／または消毒 などの他の処理を同時に実施できる事を意味する。 さらに本発明を以下の実施例によって説明する。 実施例 下記の表に記載の成分をその割合で混合して下記組成物を製造する。得られた 組成物は記載の粘度プロフィルを有する。実施例 １ ドバノール^@２３−３（R=C12-C13;e=3,p=0） ７．２％ ドバノール^@４５−７（R=C14-C15;e=7,p=0） １．８％ 過酸化水素 ６．０％ クエン酸 ６．０％ 水または微量成分 １００％まで ｐＨ＝１ 粘度：１２ｒｐｍにおいて８０ｃｐｓ； ３０ｒｐｍにおいて５５ｃｐｓ； ６０ｒｐｍにおいて３０ｃｐｓ。実施例 ２ ドバノール^@２３−３ ７．２％ ドバノール^@９１−１０（R=C9-C11;e=10,p=0） １．８％ 過酸化水素 ６．０％ クエン酸 ６．０％ 水または微量成分 １００％まで ｐＨ＝１ 粘度：１２ｒｐｍにおいて４３０ｃｐｓ； ３０ｒｐｍにおいて２２５ｃｐｓ； ６０ｒｐｍにおいて１２５ｃｐｓ。実施例 ３ ドバノール^@２３−３ ７．２％ Ｃ８ＥＯ４（R=C8,e=4,p=0） １．８％ 過酸化水素 ６．０％ クエン酸 ６．０％ 水または微量成分 １００％まで ｐＨ＝１ 粘度：１２ｒｐｍにおいて１２００ｃｐｓ； ３０ｒｐｍにおいて６８０ｃｐｓ； ６０ｒｐｍにおいて４７０ｃｐｓ。実施例 ４ ドバノール^@２３−３ ４．８％ Ｃ８ＥＯ４ １．２％ 過酸化水素 ６．０％ クエン酸 ６．０％ 水または微量成分 １００％まで ｐＨ＝１ 粘度：１２ｒｐｍにおいて４７０ｃｐｓ； ３０ｒｐｍにおいて３００ｃｐｓ； ６０ｒｐｍにおいて２３４ｃｐｓ。実施例 ５ ドバノール^@９１−２．５（R=C9-C11;e=2.5,p=0） ４．８％ ドバノール^@９１−１０ １．２％ クエン酸 ６．０％ 水または小量成分 １００％まで ｐＨ＝１ 粘度：１２ｒｐｍにおいて４８０ｃｐｓ； ３０ｒｐｍにおいて２９０ｃｐｓ； ６０ｒｐｍにおいて１９０ｃｐｓ。実施例 ６ ドバノール^@９１−２．５ ４．８％ ドバノール^@９１−１０ １．２％ クエン酸 ６．０％ 過酸化水素 ６．０％ 水または微量成分 １００％まで ｐＨ＝２．５ 粘度：１２ｒｐｍにおいて１０２０ｃｐｓ； ３０ｒｐｍにおいて４００ｃｐｓ； ６０ｒｐｍにおいて２２０ｃｐｓ。実施例 ７ ドバノール^@９１−２．５ ４．８％ ドバノール^@９１−１０ １．２％ クエン酸 ２．０％ 過酸化水素 ６．０％ 水または微量成分 １００％まで ｐＨ＝１ 粘度：１２ｒｐｍにおいて３３２ｃｐｓ； ３０ｒｐｍにおいて１８７ｃｐｓ； ６０ｒｐｍにおいて１３０ｃｐｓ。 前記の実施例のすべての組成物は、同一ｒｐｍにおいて粘度が１０％乃至４０ ％低下するので揺変性である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ビアンケッティ，ジウリア オッタビア イタリー国ローマ、ビアレ、セサーレ、パ ベーセ、410

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 洗剤システムを含み、１２ｒｐｍにおいて６０ｃｐｓ乃至１５００ｃｐ ｓ、３０ｒｐｍにおいて４ｃｐｓ乃至８００ｃｐｓ、また６０ｒｐｍにおいて２ ０ｃｐｓ乃至５００ｃｐｓの粘度を有する擬似塑性及び揺変性水性組成物。 ２． １２ｒｐｍにおいて４００ｃｐｓ乃至６００ｃｐｓ、３０ｒｐｍにおい て２００ｃｐｓ乃至３５０ｃｐｓ、また６０ｒｐｍにおいて１００ｃｐｓ乃至２ ５０ｃｐｓの粘度を有する事を特徴とする請求項１に記載の組成物。 ３． １２ｒｐｍにおいて４５０ｃｐｓ乃至５５０ｃｐｓ、３０ｒｐｍにおい て３００ｃｐｓ乃至３５０ｃｐｓ、また６０ｒｐｍにおいて１５０ｃｐｓ乃至２ ５０ｃｐｓの粘度を有する事を特徴とする請求項２に記載の組成物。 ４． 一定ｒｐｍにおいて粘度が６０％まで、好ましくは１０％乃至４０％ま で低下する事を特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の組成物。 ５． １２ｒｐｍと３０ｒｐｍの間の粘度差が少なくとも２０ｃｐｓ、好まし くは３００乃至１００ｃｐｓであり、また３０ｒｐｍと６０ｒｐｍとの間の粘度 差が少なくとも１０ｃｐｓ、好ましくは３０乃至８０ｃｐｓで ある事を特徴とする請求項１乃至４のいずれかに記載の組成物。 ６． 少なくとも２種の非イオン界面活性剤のエマルジョンの形を有し、０乃 至６のｐＨに配合される事を特徴とする請求項１乃至５のいずれかに記載の組成 物。 ７． 組成物全量の１重量％乃至２０重量％のクエン酸を含む事を特徴とする 請求項６に記載の組成物。 ８． ０．５乃至４のｐＨを有する事を特徴とする請求項６または７のいずれ かに記載の組成物。 ９． 前記非イオン界面活性剤は式ＲＯ（Ｅ）ｅ（Ｐ）ｐＨに対応するアルコ キシル化アルコールであって、この式においてＲは６乃至２０炭素原子の炭化水 素分子鎖、Ｅは酸化エチレン、Ｐは酸化プロピレン、またｅとｐはそれぞれ平均 エトキシル化度およびプロポキシル化度を示し０乃至６０である事を特徴とする 請求項６乃至８に記載の組成物。 １０． 組成物全量の４乃至３０重量％の前記アルコキシル化アルコール非イ オン界面活性剤を含む事を特徴とする請求項９に記載の組成物。 １１． 少なくとも１種の前記アルコキシル化アルコール非イオン界面活性剤 のＲ基が８乃至１３炭素原子、好ましくは８乃至１１炭素原子の炭化水素分子鎖 である事を特徴とする請求項９に記載の組成物。 １２． 前記２種の両方のアルコキシル化アルコール 非イオン界面活性剤のＲ基が８乃至１３炭素原子、好ましくは８乃至１１炭素原 子の炭化水素分子鎖である事を特徴とする請求項１１に記載の組成物。 １３． 前記非イオン界面活性剤は組成物全量の２乃至９重量％、好ましくは ３乃至６重量％を成す事を特徴とする請求項１１乃至１２に記載の組成物。 １４． 請求項１乃至１３のいずれかに記載の組成物を容器から前記布帛また は表面上に分与し、次に前記布帛または表面上に放置して作用させ、次に洗浄に よって除去する事を特徴とする布帛または表面の処理法。 １５． 分与ノズルを備えた絞り型容器の中に請求項１乃至１３のいずれかに 記載の組成物を封入したパッケージ。