JPH0832704B2 - プロリルエンドペプチダーゼ阻害剤 - Google Patents
プロリルエンドペプチダーゼ阻害剤Info
- Publication number
- JPH0832704B2 JPH0832704B2 JP63053995A JP5399588A JPH0832704B2 JP H0832704 B2 JPH0832704 B2 JP H0832704B2 JP 63053995 A JP63053995 A JP 63053995A JP 5399588 A JP5399588 A JP 5399588A JP H0832704 B2 JPH0832704 B2 JP H0832704B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- compound
- group
- formula
- prolyl
- general formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Pyrrole Compounds (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Plural Heterocyclic Compounds (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一般式 (式中のArはフェニル基またはナフチル基であり、Yは
酸素原子を介することもある炭素数1〜4の飽和または
不飽和アルキレン基であり、但しArがフェニル基である
場合、Yは炭素数1〜4の飽和アルキレン基ではない)
で表される化合物を有効成分として含有することを特徴
とするプロリルエンドペプチダーゼ阻害剤に関するもの
である。
酸素原子を介することもある炭素数1〜4の飽和または
不飽和アルキレン基であり、但しArがフェニル基である
場合、Yは炭素数1〜4の飽和アルキレン基ではない)
で表される化合物を有効成分として含有することを特徴
とするプロリルエンドペプチダーゼ阻害剤に関するもの
である。
人口の高齢化に伴って老人医療に関する問題が重要視
されてきている。なかでも老人性痴呆は社会的にも深刻
な問題であり、効果的な治療剤の早急な開発が望まれて
いる。
されてきている。なかでも老人性痴呆は社会的にも深刻
な問題であり、効果的な治療剤の早急な開発が望まれて
いる。
これまで、健忘症や痴呆の治療剤としては、脳血管拡
張などの作用による脳循環改善剤、酸素消費量亢進など
の作用による脳代謝賦活剤などが専ら用いられている。
張などの作用による脳循環改善剤、酸素消費量亢進など
の作用による脳代謝賦活剤などが専ら用いられている。
また、近年、コリン作動系に作用する薬物、サイロト
ロピン放出ホルモン(Thyrotropin-Releasing Hormone,
以下TRHという)様作用物質など新しい作用による抗痴
呆剤も種々見出されてきている。
ロピン放出ホルモン(Thyrotropin-Releasing Hormone,
以下TRHという)様作用物質など新しい作用による抗痴
呆剤も種々見出されてきている。
プロリルエンドペプチダーゼ(Prolyl Endo-peptidas
e、以下PEPという)はプロリンを含む生理活性ペプチド
や合成基質に作用し、プロリンのカルボキシル側を特異
的に切断する酵素として知られている。この酵素は記憶
と関係があるとされているバゾプレシン(Vasopressi
n)やTRHなどを分解することからこの酵素の阻害活性と
抗健忘効果の関連性について種々検討が行われ、その結
果、PEP阻害剤は痴呆や健忘の治療剤となり得ることが
示唆され(生化学,55巻,8号,831ページ,1983年)、注目
を集めてきている。
e、以下PEPという)はプロリンを含む生理活性ペプチド
や合成基質に作用し、プロリンのカルボキシル側を特異
的に切断する酵素として知られている。この酵素は記憶
と関係があるとされているバゾプレシン(Vasopressi
n)やTRHなどを分解することからこの酵素の阻害活性と
抗健忘効果の関連性について種々検討が行われ、その結
果、PEP阻害剤は痴呆や健忘の治療剤となり得ることが
示唆され(生化学,55巻,8号,831ページ,1983年)、注目
を集めてきている。
これまで、PEPを阻害する化合物としては、C末端に2
-ホルミルピロリジン、2-クロロメチルカルボニルピロ
リジン、2-ジアゾメチルカルボニルピロリジンをもつア
ミノ酸誘導体が知られているが、いずれも未だ実用に供
されるには至っていない(日本特許公開公報昭60-18831
7号、同60-172929号)。
-ホルミルピロリジン、2-クロロメチルカルボニルピロ
リジン、2-ジアゾメチルカルボニルピロリジンをもつア
ミノ酸誘導体が知られているが、いずれも未だ実用に供
されるには至っていない(日本特許公開公報昭60-18831
7号、同60-172929号)。
従来PEP阻害活性を有する化合物はほとんどC末端に2
-ホルミルピロリジン、2-クロロメチルカルボニルピロ
リジン、2-ジアゾメチルカルボニルピロリジンなどを有
するアミノ酸誘導体であり、これらは安全性の面で実用
に供され難いものであった。
-ホルミルピロリジン、2-クロロメチルカルボニルピロ
リジン、2-ジアゾメチルカルボニルピロリジンなどを有
するアミノ酸誘導体であり、これらは安全性の面で実用
に供され難いものであった。
このため、より安全なPEP阻害剤の開発が望まれてい
た。
た。
本発明者らはより安全で阻害作用の強いPEP阻害剤を
見出すべく検討した結果、ある種のプロリンの環状アミ
ド誘導体がPEP阻害活性を有し、目的が達成できること
を見出した。本発明はこのような知見に基づくものであ
る。
見出すべく検討した結果、ある種のプロリンの環状アミ
ド誘導体がPEP阻害活性を有し、目的が達成できること
を見出した。本発明はこのような知見に基づくものであ
る。
本発明の前記一般式(I)で表される化合物は牛脳由
来のPEPに対する阻害活性を示し、毒性も低く、健忘症
等の治療剤として有用である。
来のPEPに対する阻害活性を示し、毒性も低く、健忘症
等の治療剤として有用である。
本発明の前記一般式(I)の化合物におけるアシル基
としては、1-ナフチルアセチル基、2-(1-ナフチル)プ
ロピオニル基、3-(1-ナフチル)プロピオニル基、4-
(1-ナフチル)ブタノイル基、シンナモイル基、フェノ
キシアセチル基、2-フェノキシプロピオニル基、3-フェ
ノキシプロピオニル基、ベンジルオキシカルボニル基な
どの基をあげることができる。これらのアシル基のなか
でも最も好ましいものは、ベンジルオキシカルボニル基
である。
としては、1-ナフチルアセチル基、2-(1-ナフチル)プ
ロピオニル基、3-(1-ナフチル)プロピオニル基、4-
(1-ナフチル)ブタノイル基、シンナモイル基、フェノ
キシアセチル基、2-フェノキシプロピオニル基、3-フェ
ノキシプロピオニル基、ベンジルオキシカルボニル基な
どの基をあげることができる。これらのアシル基のなか
でも最も好ましいものは、ベンジルオキシカルボニル基
である。
本発明の前記一般式(I)の化合物は新規化合物であ
り以下のようにして製造することができる。
り以下のようにして製造することができる。
例えば、一般式 (式中のArおよびYは前記と同じ意味をもつ)で表され
るN-アシルプロリンまたはその反応性官能的誘導体とチ
アゾリジンとを反応させることにより製造することがで
きる。
るN-アシルプロリンまたはその反応性官能的誘導体とチ
アゾリジンとを反応させることにより製造することがで
きる。
また、一般式 Ar−Y−COOH (III) (式中のArおよびYは前記と同じ意味をもつ)で表され
るカルボン酸またはその反応性官能的誘導体と、式 で表されるプロリルチアゾリジンとを反応させることに
よっても製造することができる。
るカルボン酸またはその反応性官能的誘導体と、式 で表されるプロリルチアゾリジンとを反応させることに
よっても製造することができる。
本発明の製造方法において出発原料として用いられる
一般式(II)、(III)および(IV)の化合物はいずれ
も公知化合物であり、市販品として入手できるか、ある
いは文献記載の方法により容易に製造することができ
る。
一般式(II)、(III)および(IV)の化合物はいずれ
も公知化合物であり、市販品として入手できるか、ある
いは文献記載の方法により容易に製造することができ
る。
本発明の一般式(I)の化合物を、一般式(II)また
は(III)のカルボン酸とチアゾリジンまたは式(IV)
のプロリルチアゾリジンとを用いて製造する場合は、概
ね縮合剤の存在下に反応を行うが、このような縮合剤と
してはペプチド合成において一般に用いられる縮合剤、
例えば、N,N′‐ジシクロヘキシルカルボジイミドなど
が用いられる。
は(III)のカルボン酸とチアゾリジンまたは式(IV)
のプロリルチアゾリジンとを用いて製造する場合は、概
ね縮合剤の存在下に反応を行うが、このような縮合剤と
してはペプチド合成において一般に用いられる縮合剤、
例えば、N,N′‐ジシクロヘキシルカルボジイミドなど
が用いられる。
また、本発明の一般式(I)の化合物を一般式(II)
または(III)の化合物の反応性官能的誘導体を用いて
製造する場合、そのような誘導体としては、酸ハロゲン
化物、酸無水物、混合酸無水物、活性エステルなどをあ
げることができる。
または(III)の化合物の反応性官能的誘導体を用いて
製造する場合、そのような誘導体としては、酸ハロゲン
化物、酸無水物、混合酸無水物、活性エステルなどをあ
げることができる。
本発明の一般式(I)の化合物は常法に従い、種々の
医薬品製剤とすることができる。すなわち、必要に応じ
て賦形剤、崩壊剤、縮合剤、滑沢剤等の医薬品添加物を
加え、常法に従って調剤することにより、種々の製剤、
例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等とすることが
できる。
医薬品製剤とすることができる。すなわち、必要に応じ
て賦形剤、崩壊剤、縮合剤、滑沢剤等の医薬品添加物を
加え、常法に従って調剤することにより、種々の製剤、
例えば錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤等とすることが
できる。
本発明の前記一般式(I)の化合物を健忘症等の治療
に用いる場合、その投与量は患者の年令、体重、性別、
症状の度合等により適宜決定されるが、概ね成人1日当
たり経口投与の場合50〜1000mg、非経口投与の場合1〜
500mgの範囲内で使用される。
に用いる場合、その投与量は患者の年令、体重、性別、
症状の度合等により適宜決定されるが、概ね成人1日当
たり経口投与の場合50〜1000mg、非経口投与の場合1〜
500mgの範囲内で使用される。
本発明の前記一般式(I)の化合物はN−カルボベン
ゾキシ‐L-グリシル‐L-プロリン‐β‐ナフチルアミド
(以下Z-Gly-Pro-β‐NAという)を基質とした牛脳由来
プロリルエンドペプチダーゼに対する阻害活性測定試験
において、概ね、2×10-6〜5×10-9モル濃度で50%阻
害活性を示す。例えば、3-(N-カルボベンゾキシ‐L-プ
ロリル)チアゾリジンのIC50値は4.57×10-9モルであ
る。
ゾキシ‐L-グリシル‐L-プロリン‐β‐ナフチルアミド
(以下Z-Gly-Pro-β‐NAという)を基質とした牛脳由来
プロリルエンドペプチダーゼに対する阻害活性測定試験
において、概ね、2×10-6〜5×10-9モル濃度で50%阻
害活性を示す。例えば、3-(N-カルボベンゾキシ‐L-プ
ロリル)チアゾリジンのIC50値は4.57×10-9モルであ
る。
このように、本発明の前記一般式(I)の化合物は強
いPEP阻害活性を示し、しかも毒性も低いので、安全で
優れた健忘症治療剤として有用である。
いPEP阻害活性を示し、しかも毒性も低いので、安全で
優れた健忘症治療剤として有用である。
本発明を以下の参考例および実施例を用いてさらに詳
細に説明する。なお、各参考例および実施例中の化合物
の融点はすべて未補正である。
細に説明する。なお、各参考例および実施例中の化合物
の融点はすべて未補正である。
参考例1 N-シンナモイル‐L-プロリン L-プロリン酸2.30gを2N-水酸化ナトリウム水溶液10ml
に溶解し、氷冷下撹拌しつつ、シンナモイルクロリド5.
4gと2N-水酸化ナトリウム水溶液15mlとを同時にゆっく
り加えた。滴下後さらに室温で2時間撹拌したのち、ジ
エチルエーテルで洗い、氷冷下に濃塩酸を加えて酸性と
した。30分間放置したのち酢酸エチルで抽出し、有機層
を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
減圧下に溶媒を留去し、酢酸エチル−メタノールで再結
晶して、N-シンナモイル‐L-プロリン3.68g(75.1%)
を得た。
に溶解し、氷冷下撹拌しつつ、シンナモイルクロリド5.
4gと2N-水酸化ナトリウム水溶液15mlとを同時にゆっく
り加えた。滴下後さらに室温で2時間撹拌したのち、ジ
エチルエーテルで洗い、氷冷下に濃塩酸を加えて酸性と
した。30分間放置したのち酢酸エチルで抽出し、有機層
を飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。
減圧下に溶媒を留去し、酢酸エチル−メタノールで再結
晶して、N-シンナモイル‐L-プロリン3.68g(75.1%)
を得た。
融点:180〜182℃ IR(KBr):νco1740,1650cm-1 ▲〔α〕14 D▼=−64.0°(c=1.0,メタノール) MS(FAB):C14H15O3N=245.27 m/z 246(M++1) 元素分析値:(C14H15O3Nとして) C% H% N% 計算値 68.55 6.16 5.71 実測値 68.67 6.23 5.71 参考例2 対応する原料を用い、参考例1と同様に反応を行っ
て、下記の化合物を合成した。
て、下記の化合物を合成した。
(1)N-(1-ナフチルアセチル)‐L-プロリン 融点:180〜182℃ (酢酸エチル) IR(KBr):νco1730,1600cm-1 ▲〔α〕20 D▼=−44.7°(c=0.77,ジメチルスルホキ
シド) MS(EI):C17H17O3N=283.31 m/z 283(M+),239,168,141,114,70 元素分析値:(C17H17O3Nとして) C% H% N% 計算値 70.06 6.05 4.94 実測値 71.75 6.13 4.89 実施例1 3-(N-カルボベンゾキシ‐L-プロリル)チアゾリジン
(化合物A) N-カルボベンゾキシ‐L-プロリン2.49gとN-ヒドロキ
シコハク酸イミド1.15gとをジオキサン20mlに溶解し、
冷却下に撹拌しつつ、N,N′‐ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド2.06gとジオキサン5mlの溶液を滴下した。冷所
に一夜放置したのち、析出した結晶をろ去し、ろ液を減
圧下に濃縮した。残留油状物をジメトキシエタン15mlに
溶解し、氷冷下に撹拌しつつ、チアゾリジン0.89gを滴
下した。一夜放置したのち減圧下に溶媒を留去し、残留
物に水5mlを加え、30分間かきまぜたのち、酢酸エチル
で抽出した。有機層を1N-塩酸、5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液および飽和食塩水で順次洗い、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後減圧下に溶媒を留去した。残留物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル
/ベンゼン=6/4)で精製して無色針状結晶の3-(N-カ
ルボベンゾキシ‐L-プロリル)チアゾリジンを得た。
シド) MS(EI):C17H17O3N=283.31 m/z 283(M+),239,168,141,114,70 元素分析値:(C17H17O3Nとして) C% H% N% 計算値 70.06 6.05 4.94 実測値 71.75 6.13 4.89 実施例1 3-(N-カルボベンゾキシ‐L-プロリル)チアゾリジン
(化合物A) N-カルボベンゾキシ‐L-プロリン2.49gとN-ヒドロキ
シコハク酸イミド1.15gとをジオキサン20mlに溶解し、
冷却下に撹拌しつつ、N,N′‐ジシクロヘキシルカルボ
ジイミド2.06gとジオキサン5mlの溶液を滴下した。冷所
に一夜放置したのち、析出した結晶をろ去し、ろ液を減
圧下に濃縮した。残留油状物をジメトキシエタン15mlに
溶解し、氷冷下に撹拌しつつ、チアゾリジン0.89gを滴
下した。一夜放置したのち減圧下に溶媒を留去し、残留
物に水5mlを加え、30分間かきまぜたのち、酢酸エチル
で抽出した。有機層を1N-塩酸、5%炭酸水素ナトリウ
ム水溶液および飽和食塩水で順次洗い、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後減圧下に溶媒を留去した。残留物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル
/ベンゼン=6/4)で精製して無色針状結晶の3-(N-カ
ルボベンゾキシ‐L-プロリル)チアゾリジンを得た。
融点:112〜114℃ IR(KBr):νco1700,1650cm-1 ▲〔α〕24 D▼=−15.30°(c=0.5,メタノール) MS(EI):C16H20O3N2S=320.39 m/z 320(M+),204,160,91 元素分析値:(C16H20O3N2Sとして) C% H% N% S% 計算値 59.99 6.29 8.75 9.99 実測値 59.93 6.27 8.72 10.08 実施例2 対応する原料を用い、実施例1と同様に反応を行っ
て、下記の化合物を合成した。
て、下記の化合物を合成した。
(1)3-(N-シンナモイル‐L-プロリル)チアゾリジン
(化合物B) 融点:150〜152℃(酢酸エチル) IR(KBr):νco1650cm-1 ▲〔α〕19 D▼=+16.98°(c=1.0,メタノール) MS(FAB):C17H20O2N2S=316.35 m/z 317(M++1),228,185,131 元素分析値:(C17H20O2N2Sとして) C% H% N% S% 計算値 64.54 6.37 8.86 10.12 実測値 65.43 6.38 8.90 10.06 (2)3-〔N-(1-ナフチルアセチル)‐L-プロリル〕チ
アゾリジン(化合物C) IR(neat):νco1740,1658cm-1 ▲〔α〕20 D▼=−12.3°(c=0.60,酢酸エチル) MS(EI):C20H22O2N2S=354.40 m/z 354(M+),279,239,168,141,70 元素分析値:(C20H22O2N2S・1/3H2Oとして) C% H% N% S% 計算値 66.65 6.19 7.77 8.88 実測値 66.76 6.45 7.52 8.50 実施例3 PEP阻害活性測定実験 Z-Gly-Pro-β‐NAを基質として用い、牛脳由来PEPに
対する阻害活性を測定した。
(化合物B) 融点:150〜152℃(酢酸エチル) IR(KBr):νco1650cm-1 ▲〔α〕19 D▼=+16.98°(c=1.0,メタノール) MS(FAB):C17H20O2N2S=316.35 m/z 317(M++1),228,185,131 元素分析値:(C17H20O2N2Sとして) C% H% N% S% 計算値 64.54 6.37 8.86 10.12 実測値 65.43 6.38 8.90 10.06 (2)3-〔N-(1-ナフチルアセチル)‐L-プロリル〕チ
アゾリジン(化合物C) IR(neat):νco1740,1658cm-1 ▲〔α〕20 D▼=−12.3°(c=0.60,酢酸エチル) MS(EI):C20H22O2N2S=354.40 m/z 354(M+),279,239,168,141,70 元素分析値:(C20H22O2N2S・1/3H2Oとして) C% H% N% S% 計算値 66.65 6.19 7.77 8.88 実測値 66.76 6.45 7.52 8.50 実施例3 PEP阻害活性測定実験 Z-Gly-Pro-β‐NAを基質として用い、牛脳由来PEPに
対する阻害活性を測定した。
(測定方法) 10mMのEDTAと10mMの2-メルカプトエタノールを含む20
mMトリス塩酸緩衝液(20mM-Tris HCl Buffer,pH=7.0)
0.7mlにPEP(約0.14u/ml)100μlおよび各濃度(0、1
0-9〜10-4M)に調整した被験化合物の溶液100μlを加
え、37℃で5分間プレインキュベーション(Preincubat
ion)した。次いでこれに100μlの40%ジオキサンに溶
かした各々の濃度(5.0、2.5、1.25、0.625、0.3125m
M)の基質を加え、再び37℃で15分間インキュベーショ
ンを行い、酵素反応を進行させた。25%トリクロル酢酸
で反応を停止させ、3000r.p.m.で10分間遠心分離を行
い、上清0.5mlを分取し、これに0.5mlの0.1%亜硝酸を
加え、さらに、3分後、0.05%のN-(1-ナフチル)エチ
レンジアミンジヒドロクロリドエタノール溶液を加え
た。混合液を37℃で25分放置した後、570nmでの吸光度
を測定し、次式によって各濃度での酸素活性を試算し、
それぞれの活性値から50%阻害濃度(IC50値)を求め
た。
mMトリス塩酸緩衝液(20mM-Tris HCl Buffer,pH=7.0)
0.7mlにPEP(約0.14u/ml)100μlおよび各濃度(0、1
0-9〜10-4M)に調整した被験化合物の溶液100μlを加
え、37℃で5分間プレインキュベーション(Preincubat
ion)した。次いでこれに100μlの40%ジオキサンに溶
かした各々の濃度(5.0、2.5、1.25、0.625、0.3125m
M)の基質を加え、再び37℃で15分間インキュベーショ
ンを行い、酵素反応を進行させた。25%トリクロル酢酸
で反応を停止させ、3000r.p.m.で10分間遠心分離を行
い、上清0.5mlを分取し、これに0.5mlの0.1%亜硝酸を
加え、さらに、3分後、0.05%のN-(1-ナフチル)エチ
レンジアミンジヒドロクロリドエタノール溶液を加え
た。混合液を37℃で25分放置した後、570nmでの吸光度
を測定し、次式によって各濃度での酸素活性を試算し、
それぞれの活性値から50%阻害濃度(IC50値)を求め
た。
酵素活性単位(μmol/min/ml)=ΔOD×0.42×希釈率 (結果) 化合物 IC50値 化合物A 4.57nM 化合物B 1.8μM 実施例4 製剤 以下のような処方に従い、各種製剤を製する。なお、
剤型の種類および処方は調剤例として挙げたものにかぎ
るものではない。
剤型の種類および処方は調剤例として挙げたものにかぎ
るものではない。
(A) 散 剤 処方 化合物A 25g乳 糖 975g 全 量 1000g 以上をよく混和し、散剤を製する。
(B) 散 剤 処方 化合物A 5g乳 糖 495g 全 量 500g 以上をよく混和し、散剤を製する。
(C) 錠 剤 処方 化合物A 25g 乳 糖 140g 6%HPC乳糖 110g バイレショデンプン 20gステアリン酸タルク 5g 全 量 300g 以上をよく混和して打錠し、錠剤1000個を製する。
(D) 錠 剤 処方 化合物A 5g 乳 糖 150g 6%HPC乳糖 120g バイレショデンプン 20gステアリン酸タルク 5g 全 量 300g 以上をよく混和して打錠し、錠剤1000個を製する。
(E) カプセル剤 処方 化合物A 25g 乳 糖 220g バイレショデンプン 50gステアリン酸タルク 5g 全 量 300g 以上をよく混和し、硬カプセルに充填し、カプセル剤
1000カプセルを製する。
1000カプセルを製する。
(E) カプセル剤 処方 化合物A 25g 乳 糖 235g バイレショデンプン 55gステアリン酸タルク 5g 全 量 300g 以上をよく混和し、硬カプセルに充填し、カプセル剤
1000カプセルを製する。
1000カプセルを製する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−114957(JP,A) 特開 昭62−201877(JP,A) 特開 平1−250370(JP,A) 特開 昭62−148467(JP,A) J.Neurochem.,41(1)69 −75(1983)
Claims (4)
- 【請求項1】一般式 (式中のArはフェニル基またはナフチル基であり、Yは
酸素原子を介することもある炭素数1〜4の飽和または
不飽和アルキレン基であり、但しArがフェニル基である
場合、Yは炭素数1〜4の飽和アルキレン基ではない)
で表される化合物を有効成分として含有することを特徴
とするプロリルエンドペプチダーゼ阻害剤。 - 【請求項2】式 で表される化合物を有効成分として含有することを特徴
とする請求項第1項記載のプロリルエンドペプチダーゼ
阻害剤。 - 【請求項3】一般式 (式中のArはフェニル基またはナフチル基であり、Yは
酸素原子を介することもある炭素数1〜4の飽和または
不飽和アルキレン基であり、但しArがフェニル基である
場合、Yは炭素数1〜4の飽和アルキレン基ではない)
で表されるプロリルチアゾリジン誘導体。 - 【請求項4】式 で表される請求項第3項記載のプロリルチアゾリジン誘
導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63053995A JPH0832704B2 (ja) | 1987-11-30 | 1988-03-08 | プロリルエンドペプチダーゼ阻害剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30298887 | 1987-11-30 | ||
JP62-302988 | 1987-11-30 | ||
JP63053995A JPH0832704B2 (ja) | 1987-11-30 | 1988-03-08 | プロリルエンドペプチダーゼ阻害剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01230578A JPH01230578A (ja) | 1989-09-14 |
JPH0832704B2 true JPH0832704B2 (ja) | 1996-03-29 |
Family
ID=26394731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63053995A Expired - Lifetime JPH0832704B2 (ja) | 1987-11-30 | 1988-03-08 | プロリルエンドペプチダーゼ阻害剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0832704B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2674703B2 (ja) * | 1988-05-30 | 1997-11-12 | サントリー株式会社 | 新規チアゾリジン誘導体及びその用途 |
CA2004028C (en) * | 1988-12-08 | 1998-09-22 | Motoki Torizuka | Condensed benzene derivative |
WO1990012005A1 (en) * | 1989-04-13 | 1990-10-18 | Japan Tobacco Inc. | New amino acid derivatives having prolylendopeptidase inhibitor activity |
US5506256A (en) * | 1990-07-27 | 1996-04-09 | Yoshitomi Pharmaceutical Industries, Ltd. | Proline derivatives possessing prolyl endopeptidase-inhibitory activity |
CA2149892C (en) | 1992-11-20 | 1998-12-08 | Koji Kobayashi | Compound having prolyl endopeptidase inhibitory activity and pharmaceutical use thereof |
ATE224366T1 (de) | 1997-10-31 | 2002-10-15 | Hoffmann La Roche | D-prolinderivate |
ATE492532T1 (de) * | 2004-03-26 | 2011-01-15 | Dsm Ip Assets Bv | Aminosäure- und peptid-konjugate von arylalkylsäuren zur verwendung in der kosmetik |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0651677B2 (ja) * | 1985-12-23 | 1994-07-06 | サントリー株式会社 | ジペプチド誘導体及びその製法並びに用途 |
JPS62114957A (ja) * | 1985-11-13 | 1987-05-26 | Suntory Ltd | プロリルエンドペプチダ−ゼ阻害作用を有する新規ピロリジン誘導体およびその製法並びに用途 |
JPH0730020B2 (ja) * | 1986-02-28 | 1995-04-05 | サントリー株式会社 | N置換アミノ酸イミド誘導体、製法並びに用途 |
JPH01250370A (ja) * | 1987-12-23 | 1989-10-05 | Zeria Pharmaceut Co Ltd | 新規アミノ酸イミド誘導体、製法ならびに用途 |
-
1988
- 1988-03-08 JP JP63053995A patent/JPH0832704B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
J.Neurochem.,41(1)69−75(1983) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01230578A (ja) | 1989-09-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
DE69418368T2 (de) | Peptidderivate aus Boronsäure mit Protease-inhibierender Aktivität, ihr Herstellungsverfahren und sie enthaltende pharmazeutische Zusammensetzungen | |
JPH01250370A (ja) | 新規アミノ酸イミド誘導体、製法ならびに用途 | |
JPH0479334B2 (ja) | ||
SA94150051B1 (ar) | مشتقات ببتيد جديدة | |
JPH05504775A (ja) | トロンビンの阻害剤および基質 | |
JPH02500275A (ja) | 潰瘍の予防のための方法及び組成物 | |
JPH0742309B2 (ja) | チアゾリジン誘導体 | |
JP2649237B2 (ja) | チアゾリジン誘導体 | |
JPH02207070A (ja) | アミノ酸イミド誘導体、それを含有する医薬及び該化合物の製造中間体 | |
JPH0832704B2 (ja) | プロリルエンドペプチダーゼ阻害剤 | |
JPH0670023B2 (ja) | チアゾリジン誘導体 | |
JP4927566B2 (ja) | Par−2アゴニスト | |
JPS62148467A (ja) | ジペプチド誘導体及びその製法並びに用途 | |
JPH082791B2 (ja) | 健忘症治療剤 | |
JP4842254B2 (ja) | Par−2アゴニスト | |
JPH0678242B2 (ja) | プロリルエンドペプチダーゼ阻害剤 | |
JPH031319B2 (ja) | ||
JPH0776211B2 (ja) | ピログルタミン酸誘導体 | |
JPH07103101B2 (ja) | ピログルタミン酸誘導体 | |
JPS59148745A (ja) | 新規アシルグルタミルリジン誘導体 | |
JPS61165362A (ja) | メルカプト脂肪酸類誘導体およびその利用 | |
US3749706A (en) | Novel dipeptide amide and process for its manufacture | |
JP2887271B2 (ja) | トリフルオロメチルケトンから誘導された新規なペプチド、その製造方法及びそれらを含む薬剤組成物 | |
JPH082869B2 (ja) | 健忘症治療剤およびプロリン誘導体 | |
JPS6333361A (ja) | ジペプチド誘導体及びその製法並びに用途 |