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JPH08325395A - エポキシ樹脂組成物含浸シート - Google Patents

エポキシ樹脂組成物含浸シート

Info

Publication number
JPH08325395A
JPH08325395A JP8742796A JP8742796A JPH08325395A JP H08325395 A JPH08325395 A JP H08325395A JP 8742796 A JP8742796 A JP 8742796A JP 8742796 A JP8742796 A JP 8742796A JP H08325395 A JPH08325395 A JP H08325395A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
crystalline
composition
mixture
curing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8742796A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Umezawa
美昭 梅澤
Katsuji Kitagawa
勝治 北川
Ko Tanihata
耕 谷畑
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Somar Corp
Original Assignee
Somar Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Somar Corp filed Critical Somar Corp
Priority to JP8742796A priority Critical patent/JPH08325395A/ja
Publication of JPH08325395A publication Critical patent/JPH08325395A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性の良好なエポキシ樹脂組成物含浸
シートを提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂粉体組成物を溶融状態又は
溶融状態に近い状態で繊維質基材に含浸させた後、冷却
固化させて形成したエポキシ樹脂組成物含浸シートにお
いて、(i)該エポキシ樹脂粉体組成物は、グリシジル
エーテル基の結合隣接位に立体障害基を有する融点11
5℃以上の2価フェノールジグリシジルエーテル系結晶
性エポキシ樹脂を55〜95重量%含む常温で固体状を
示すエポキシ樹脂と、常温で固体状を示す硬化剤とを必
須成分として含有する混合物の粉体からなるエポキシ樹
脂粉体組成物であること、(ii)該硬化剤はその少なく
とも一部に結晶性硬化剤を含むこと、(iii)該混合物中
に含まれる非結晶性物質の量が、該混合物中に含まれる
結晶性物質と非結晶性物質の合計量に対して、0〜50
重量%であること、(iv)該混合物の粉体は非粘着性で
あること、を特徴とするエポキシ樹脂組成物含浸シー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気部品の絶縁・固
定に好適なエポキシ樹脂組成物含浸シートに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、電気部品の絶縁・固定等の用途に
用いられるエポキシ樹脂組成物含浸シートとしては、液
状エポキシ樹脂組成物を繊維基材に含浸させたシート、
固体エポキシ樹脂組成物を溶剤に溶解して繊維質基材に
含浸させたシート、固体エポキシ樹脂組成物を加熱溶融
し、繊維質基材に含浸させたシート等が知られている。
しかしながら、液状エポキシ樹脂組成物を含浸させたシ
ートや固体エポキシ樹脂組成物を溶剤に溶解して含浸さ
せたシートは、エポキシ樹脂と硬化剤とが完全に相溶し
ているためにシートの貯蔵安定性に問題があった。ま
た、安全衛生上の観点から溶剤を使用することには問題
がある。一方、固体エポキシ樹脂組成物を加熱溶融し、
繊維質基材に含浸させたシートは、液状エポキシ樹脂組
成物を含浸させたシートや、固体エポキシ樹脂組成物を
溶剤に溶解して含浸させたシートに比べると、貯蔵安定
性は向上しているものの十分とはいえず、しかも繊維質
基材への含浸には高圧を必要とする等の製造上の問題が
あった。繊維質基材への含浸性を改善したものとして、
結晶性エポキシ樹脂と硬化剤との乾式混合物を繊維質基
材上に散布し、加熱溶融して、含浸させたシートも知ら
れている(特開昭62−240375号)。しかしなが
ら、このシートもその貯蔵安定性の点では未だ十分なも
のとはいえない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点を解決し、貯蔵安定性の良好なエポキシ樹脂
組成物含浸シートを提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、エポキシ樹脂粉体組
成物を溶融状態又は溶融状態に近い状態で繊維質基材に
含浸させた後、冷却固化させて形成したエポキシ樹脂組
成物含浸シートにおいて、(i)該エポキシ樹脂粉体組
成物は、グリシジルエーテル基の結合隣接位に立体障害
基を有する融点115℃以上の2価フェノールジグリシ
ジルエーテル系結晶性エポキシ樹脂を55〜95重量%
含む常温で固体状を示すエポキシ樹脂と、常温で固体状
を示す硬化剤とを必須成分として含有する混合物の粉体
からなるエポキシ樹脂粉体組成物であること、(ii)該
硬化剤はその少なくとも一部に結晶性硬化剤を含むこ
と、(iii)該混合物中に含まれる非結晶性物質の量が、
該混合物中に含まれる結晶性物質と非結晶性物質の合計
量に対して、0〜50重量%であること、(iv)該混合
物の粉体は非粘着性であること、を特徴とするエポキシ
樹脂組成物含浸シートが提供される。また、本発明によ
れば、エポキシ樹脂粉体組成物を溶融状態又は溶融状態
に近い状態で繊維質基材に含浸させた後、冷却固化させ
て形成したエポキシ樹脂組成物含浸シートにおいて、
(i)該エポキシ樹脂粉体組成物は、グリシジルエーテ
ル基の結合隣接位に立体障害基を有する融点115℃以
上の2価フェノールグリシジルエーテル系結晶性エポキ
シ樹脂を55〜100重量%含むエポキシ樹脂と、常温
で固体状を示す硬化剤を必須成分として含有する混合物
の粉体からなるエポキシ樹脂粉体組成物であること、
(ii)該硬化剤はその少なくとも一部にトリメリット酸
無水物及び/又はトリメリット酸無水物誘導体を含むこ
と、(iii)該混合物中に含まれる非結晶性物質の量が、
該混合物中に含まれる結晶性物質と非結晶性物質の合計
量に対して、0〜50重量%であること、(iv)該混合
物の粉体は非粘着性であること、を特徴とするエポキシ
樹脂組成物含浸シートが提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂組成物含浸
シート(以下、単にシートとも言う)の繊維質基材とし
ては、有機繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等の繊維
からなる不織布や織布、編布等が用いられる。この場合
の有機繊維を構成する樹脂(有機高分子)は、従来公知
の各種の熱可塑性樹脂であることができ、この有機繊維
からなる繊維質基材は、エポキシ樹脂組成物含浸シート
を熱硬化させる際に、硬化物中に、基材として残ってい
てもよいし、溶融してもよい。基材として硬化物中に残
る有機繊維としては、特に、価格、品質安定性、加工性
等の点から、ポリアミドやポリエステルからなる繊維の
使用が好ましい。耐熱性の点からは、全芳香族ポリアミ
ドの使用が好ましい。本発明においては、繊維基材とし
ては、不織布が好ましく用いられるが、エポキシ樹脂組
成物の含浸性の点から、その厚さは0.15〜1.5m
m、好ましくは0.2〜1.0mm、その重量は20〜
200g/m2、好ましくは30〜120g/m2であ
る。このような構成の不織布は、エポキシ樹脂粉体組成
物を溶融状態又は溶融状態に近い状態で含浸させる際の
作業性にすぐれるとともに、その含浸された組成物の含
浸保持性においても、すぐれたものである。
【0006】本発明で用いるエポキシ樹脂粉体組成物に
おいて、そのエポキシ樹脂は、グリシジルエーテル基の
結合隣接位に立体障害基を有する融点115℃以上の2
価フェノールジグリシジルエーテル系結晶性エポキシ樹
脂(以下、結晶性エポキシ樹脂Aとも言う)を含有する
ものである。このような結晶性エポキシ樹脂Aには、次
の一般式(1)で表わされるものが包含される。
【化1】 前記式中、R1は立体障害基を示し、R2は低級アルキル
基又はハロゲン原子を示し、Gはグリシジル基を示し、
mは0〜3の数を示し、nは0又は1の数を示す。立体
障害基には、iso−プロピル基、iso−ブチル基、
iso−アミル基、iso−ヘキシル基、tert−ブ
チル基、tert−アミル基、tert−ヘキシル基等
の炭素数3〜6のiso−アルキル基や、炭素数4〜6
のtert−アルキル基等が包含される。低級アルキル
基としては、炭素数1〜6を有するアルキル基、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキ
シル等が挙げられるが、この低級アルキル基は、前記立
体障害基であってもよい。ハロゲン原子としては、塩
素、臭素等が挙げられる。
【0007】前記一般式(1)で表わされる結晶性エポ
キシ樹脂については、例えば、特開平6−145293
号公報及び特開平6−298902号公報等に詳述され
ている。また、前記結晶性エポキシ樹脂の他の例として
は、次の一般式(2)で表わされるものが包含される。
【化2】 前記式中、R1、R2及びmは前記と同じ意味を有する。
【0008】本発明で用いるエポキシ樹脂組成物におい
ては、前記結晶性エポキシ樹脂Aは、硬化反応の速いエ
ポキシ樹脂との混合物の形で用いられる。このよう速硬
化性エポキシ樹脂としては、グリシジルエーテル基の結
合隣接位に立体障害基を有しない常温で固体状を示す通
常のエポキシ樹脂が用いられる。このような速硬化性エ
ポキシ樹脂には汎用の結晶性エポキシ樹脂や非結晶性エ
ポキシ樹脂が包含される。結晶性エポキシ樹脂として
は、融点が115℃より低いもの、例えば、テトラメチ
ルビフェノールジグリシジルエーテル(融点:105
℃)、テトラメチルビスフェノールAジグリシジルエー
テル(ESLV−80XY、新日鉄化学社製、融点78
℃)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルジグリ
シジルエーテル(ESLV−80DE、新日鉄化学社
製、融点79℃)、式
【化3】 (式中、Gはグリシジル基を示す)で表わされるエポキ
シ樹脂(ESLV−90CR、新日鉄化学社製、融点8
9℃)等が挙げられる。速硬化性の非結晶性エポキシ樹
脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹
脂、1,1,2,2−テトラキス(グリシジルオキシフ
ェニル)エタンの他、フェノールノボラック型、アルキ
ルフェノールノボラック型、ビスフェノールAノボラッ
ク型等のノボラック型エポキシ樹脂、シクロペンタジエ
ン・フェノール型エポキシ樹脂(DCE400、山陽国
策パルプ社製、軟化点65℃)の他、3官能性芳香族エ
ポキシ樹脂〔エピコートYL933(軟化点60℃、油
化シェルエポキシ社製)、VG3101(三井石油化学
社製、軟化点61℃)等〕、4官能性芳香族エポキシ樹
脂〔(E−1031S、油化シェルエポキシ社製、軟化
点92℃)等〕、4官能以上の多官能性芳香族エポキシ
樹脂(E1032、油化シェルエポキシ社製、軟化点9
2℃等)等が挙げられる。本発明では、3官能以上、特
に4官能以上の多官能性エポキシ樹脂を用いるのが好ま
しい。
【0009】結晶性エポキシ樹脂Aに速硬化性エポキシ
樹脂を混合すると、その混合エポキシ樹脂の硬化反応性
は向上し、そのゲル化時間は短かくなる。速硬化性エポ
キシ樹脂のうちでも、特に、分子中にグリシジルエーテ
ル基を3個以上、特に4個以上含有する芳香族エポキシ
樹脂の使用は好ましく、これを結晶性エポキシ樹脂Aに
混合することにより、高い硬化反応性を示す混合エポキ
シ樹脂を得ることができる。全エポキシ樹脂中の結晶性
エポキシ樹脂Aの含有率は、少なくとも55重量%以上
であり、これより少なくなると、結晶性エポキシ樹脂A
の持つ低溶融粘度性の発現が損われるようになる上、溶
融混合後の混合物の冷却固化速度が遅くなり、粉砕可能
な固化物になるまでに長時間を要するようになる。低溶
融粘度性の発現、硬化反応性の改良及び冷却固化性の点
から見ると、全エポキシ樹脂中の結晶性エポキシ樹脂A
の含有率は、55〜95重量%、好ましくは65〜90
重量%、より好ましくは70〜95重量%である。結晶
性エポキシ樹脂Aの混合率は、混合エポキシ樹脂が常温
において粘着性(タック性)のない固体状を示すように
調節される。そのための最小含有率は、結晶性エポキシ
樹脂Aに混合するエポキシ樹脂の種類によって決まる
が、通常は55重量%以上である。
【0010】本発明で用いる組成物において、その硬化
剤は、常温で固体状を示すもので、その少なくとも一部
に結晶性硬化剤を含むものである。結晶性硬化剤として
は、ビスフェノールA(融点157℃)、ビスフェノー
ルF、ビスフェノールS(融点245℃)、テトラブロ
モビスフェノールA(融点180℃)等のビスフェノー
ル化合物;5(2,5−ジオキソテトラヒドロフロリ
ル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカ
ルボン酸無水物(「エピクロンB−4400」、大日本
インキ社製、融点165℃)、テトラヒドロ無水フタル
酸(融点101℃)、ナジック酸無水物、メチルナジッ
ク酸無水物、トリメリツト酸無水物(融点165℃)、
トリメリット酸無水物の誘導体、ピロメリット酸無水
物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の酸無水
物;ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、
メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン
等のジアミノ化合物の他、有機酸ヒドラジド、ジシアン
ジアミド等が挙げられる。本発明においては、融点が9
0℃以上、好ましくは150℃以上の結晶性硬化剤の使
用が好ましい。
【0011】結晶性硬化剤のうち、高融点物質であるビ
スフェノール化合物は本発明に好ましく適用できる硬化
剤である。ビスフェノール化合物は、高融点でしかも低
溶融粘度性にすぐれたものであることから、前記結晶性
エポキシ樹脂Aに溶融又は溶融状態に近い状態で混合す
ることにより、粘着性のない低溶融粘度性にすぐれたエ
ポキシ樹脂粉体組成物を与える。結晶性硬化剤のうち、
トリメリット酸無水物や、トリメリット酸無水物誘導体
は、本発明に好ましく適用できる硬化剤である。この場
合、トリメリット酸無水物誘導体とは、トリメリット酸
無水物に結合する遊離カルボキシル基が他の反応性化合
物と反応した化合物を意味する。このような反応性化合
物には、脂肪酸エステルを与える一価アルコール、グリ
コール(エチレングリコール、プロピレングリコール
等)、トリオール(グリセリン等)等のアルコールや、
芳香族エステルを与えるフェノール、アルキルフェノー
ル、多価フェノール等が挙げられる。このようなトリメ
リット酸無水物やトリメリット酸無水物誘導体は、意外
なことには、前記硬化反応性の低い結晶性エポキシ樹脂
Aに対して高速度で反応し、そのゲル化時間は非常に短
かくなることが見出された。このトリメリット酸無水物
及び/又はその誘導体の含有率は、全硬化剤中、少なく
とも5重量%、好ましくは10〜100重量%である。
本発明では、トリメリット酸無水物及び/又はその誘導
体は、好ましくは、ビスフェノール化合物と混合して用
いることができる。この場合のトリメリット酸無水物及
び/又はその誘導体の割合は、両者の合計重量に対し
て、20〜60重量%、好ましくは30〜50重量%で
ある。
【0012】前記硬化剤は非結晶性硬化剤を含有するこ
とができる。このような非結晶性硬化剤としては、従来
公知の常温で固体状を示すもの、例えば、フェノールノ
ボラック型樹脂(タマノール#754、荒川化学社製、
軟化点100℃)、オルトクレゾールノボラック型樹脂
(OCN90、日本化薬社製、軟化点120℃)、ビス
フェノールAノボラック樹脂(YLH−129、油化シ
ェルエポキシ社製、軟化点115℃)、アミノポリアミ
ド樹脂、ポリスルフィド樹脂等が挙げられる。硬化剤中
の結晶性硬化剤の含有率は、少なくとも5重量%、好ま
しくは50〜100重量%である。
【0013】本発明で用いる組成物は、必要に応じ、硬
化促進剤を含有することができる。硬化促進剤として
は、従来公知のもの、例えば、第3級アミン、第4級ア
ンモニウム塩、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩、イ
ミダゾール化合物等が挙げられる。本発明で用いる組成
物は、その用途に応じて慣用の補助成分を含有すること
ができる。このような補助成分には、例えば、有機系又
は無機系の充填剤、難燃剤、シランカップリング剤、着
色剤、離型剤等が包含される。本発明で用いる組成物
は、従来一般に採用されている溶融混合法や乾式混合
法、圧着法等により製造されるが、それらの内でも乾式
混合法の採用が好ましい。溶融混合法を採用する場合に
は、本発明で用いる組成物が完全に溶融状態になってし
まう加熱条件ではなく、少なくとも1つの成分、好まし
くは非結晶性物質(非結晶性のエポキシ樹脂や硬化剤
等)が溶融状態で存在する溶融状態に近い状態になる加
熱条件を採用することが好ましい。乾式混合法や圧着混
合法による場合は、エポキシ樹脂成分と硬化剤成分(硬
化促進剤を含んでもよい)とを予め別々に溶融混合法に
より混合しておいて、できたエポキシ樹脂成分と硬化剤
成分(硬化促進剤を含んでもよい)とを乾式混合法や圧
着混合法で混合するとよい。
【0014】本発明のシートを製造するには、繊維質基
材の表面に、エポキシ樹脂粉体組成物を均一層状に散布
し、次いで加熱してその組成物を溶融状態又は溶融状態
に近い状態にさせる。これにより、組成物は、繊維質基
材中に浸透含浸保持される。次に、組成物を含浸保持し
た繊維質基材は、これを冷却し、その液状組成物を固化
させる。繊維質基材への組成物の含浸量は、繊維質基材
として40〜80g/m2の重さの不織布を用いる場
合、20〜600g/m2程度である。前記したシート
の製造方法において、組成物の加熱温度は、少なくとも
1つの成分、好ましくは非結晶性物質(非結晶性のエポ
キシ樹脂や硬化剤等)が溶融状態で存在する温度である
ことが好ましい。このような加熱温度の採用により、繊
維質基材中の固化物は、その結晶性エポキシ樹脂及び/
又は結晶性硬化剤の少なくとも一部に、未溶融の結晶性
エポキシ樹脂及び/又は結晶性硬化剤を含むことから、
貯蔵安定性の著しく高められたものとなる。
【0015】前記のようにして、本発明のシートを製造
する場合、本発明では特定のエポキシ樹脂粉体組成物を
用いたことから、その含浸作業を簡単に行うことができ
る。即ち、本発明の場合、組成物の溶融時粘度は非常に
低いために、組成物を熱溶融又は熱溶融状態に近い状態
にすれば、得られる液状物はその自重により繊維質基材
中に浸透し、含浸保持される。従って、その含浸保持に
は、加圧等の特別の操作は必要とはされない。
【0016】また、前記のようにしてシートを得る場
合、組成物の熱溶融物又は熱溶融状態に近い物を含浸し
た繊維質基材は、これを低温に保持することにより、そ
の液状物を容易に冷却固化させることができる。即ち、
本発明で用いる組成物では、エポキシ樹脂が、高融点の
特定の結晶性エポキシ樹脂Aを含有し、かつ組成物中の
全非結晶性物質の含有量を50重量%以下と低くしたこ
とから、組成物の熱溶融物又は熱溶融状態に近い物は冷
却固化性の非常に良好なもので、組成物の熱溶融物又は
熱溶融状態に近い物は、これを14℃程度の低温に保持
することにより、通常、30分以内で固化する。しか
も、その固化物は、表面粘着性のない取扱いの容易なも
のである。
【0017】本発明のシートは、特定のエポキシ樹脂粉
体組成物を用いたことから、高い貯蔵安定性を有する。
即ち、本発明のシートの場合、融点の高い特定の結晶性
エポキシ樹脂Aを用いるとともに、その硬化剤にも結晶
性のものを用い、さらに、組成物に含まれる全非結晶性
物質の量を50重量%以下と低くしたことから、高い貯
蔵安定性を有する。
【0018】本発明のシートは、これをそのエポキシ樹
脂組成物の硬化反応温度に加熱することにより硬化させ
ることができるが、本発明で用いる組成物の場合、反応
性の悪い結晶性エポキシ樹脂Aは、速硬化反応性のエポ
キシ樹脂との混合樹脂とするか又はその硬化剤としてト
リメリット酸無水物及び/又はその誘導体を用いたこと
から、容易に硬化させることができる。
【0019】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物含浸シート
は、貯蔵安定性にすぐれるとともに、その製造容易性に
もすぐれ、さらに、熱硬化性及び熱接着性にもすぐれた
ものであり、電気部品の絶縁固定用シートやプリプレグ
シート等として好適のものである。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0021】参考例1 YDC−1312(2,5−ジ−t−ブチルハイドロキ
ノンジグリシジルエーテル、東都化成社製、エポキシ当
量175、融点145℃)に、表1に示すエポキシ樹脂
を溶融状態で混合し、混合物を冷却(14℃)固化し
た。このようにして得た固化物の性状及び冷却固化時間
を表1に示す。この場合の冷却固化時間とは、配合物を
溶融状態で混合し、冷却(14℃)した混合物が微粉砕
できる硬さまでに固化する時間を言う。表1に示した符
号は次の内容を示す。 YD−7011 :ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(非結晶性)、エポキシ当量:475、軟化点:65
℃、東都化成社製 YDCN−701:クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂(非結晶性)、エポキシ当量:215、軟化点:65
℃、東都化成社製 EOCN−103:クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂(非結晶性)、エポキシ当量:220、軟化点:82
℃、日本化薬社製 YL−6350 :テトラブロモビスフェノールAジグ
リシジルエーテル(結晶性)、エポキシ当量:335、
融点115℃、油化シェルエポキシ社製
【0022】
【表1】
【0023】表1に示した結果からわかるように、本発
明で特定した結晶性エポキシ樹脂Aに、他の速硬化性エ
ポキシ樹脂を溶融混合し、冷却固化するときには、その
冷却固化時間は速く、しかも得られる固化物は結晶性の
もので、かつその融点も十分に高く、表面粘着性のない
取扱い性のすぐれた結晶性の混合エポキシ樹脂である。
したがって、このような結晶性混合エポキシ樹脂は、低
粘度性の良好な粉体組成物を与える。
【0024】比較参考例1 70重量部のYX−4000に30重量部のYD−70
11を溶融混合し、混合物を室温に放置して冷却固化し
たところ、その冷却固化には48時間以上という長時間
を要する上、得られる固化物の表面は粘着性を示すもの
であった。したがって、この固化物は、粉体組成物形成
用の原料エポキシ樹脂としては不適のものである。
【0025】参考例2 表2に示す成分組成の粉体組成物を、使用した成分の混
合物が溶融状態に近い状態となる加熱条件を採用して溶
融混合法により作り、そのゲルタイムを評価した。その
結果を表2に示す。ゲルタイムは、150℃におけるゲ
ルタイムをJIS C 2104に従って測定した。な
お、表2及び表3に示した符号は次の内容を意味する。 BPA :ビスフェノールA(融点157℃) THPA :テトラヒドロ無水フタル酸(融点101℃) YLH−129 :ビスフェノールA型ノボラック樹脂、軟化点115℃、 (油化シェルエポキシ社製) DAM :ジアミノジフェニルメタン(融点90℃) TMA :トリメリット酸無水物(融点165℃) TBA :テトラブロモビスフェノールA(融点180℃) TPP :トリフェニルホスフィン 2MZ−A :2−メチルイミダゾール・アジン TMEG :エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート(融 点167℃)
【0026】
【表2】 *1 エポキシBは、エポキシA/エポキシDの混合重量比=85/15で予め溶融混練した もの *2 比較例を示す
【0027】表1に示した結果からわかるように、エポ
キシ樹脂として、速硬化性エポキシ樹脂を含まない硬化
反応性の悪い結晶性エポキシ樹脂Aのみを用いるととも
に、硬化剤として、TMAを含まないものを用いる場合
(実験No.9)では、組成物の硬化反応性が非常に悪
いことがわかる。一方、硬化剤として、TMAを含むも
のを用いる場合(実験No.3〜No.5)には、組成
物の硬化反応性が非常に良く、加熱により迅速に硬化す
ることがわかる。しかも、この場合には、硬化反応性の
悪い結晶性エポキシ樹脂Aのみを用いる場合(実験N
o.3)であっても、その組成物の硬化速度は速いこと
がわかる。
【0028】実施例1 ポリエステル不織布(目付け:41g/m2、厚さ:
0.36mm)の表面に、表3に示したドライブレンド
組成物を層状に均一に塗布した後、150℃にしたオー
ブン中で、組成物が溶融状態に近い状態、換言すれば、
少なくとも1つの成分、好ましくは非結晶物質(非結晶
性のエポキシ樹脂や硬化剤等)が溶融状態で存在する状
態で不織布に含浸させ、直ちに14℃に冷却して固化さ
せた。次に、このようにして得られた各シートについ
て、その150℃での初期ゲル化時間:a(秒)、40
℃で21日保存後の150℃でのゲル化時間:b(秒)
及び貯蔵安定性を評価し、その結果を表3に示す。貯蔵
安定性は、前記ゲル化時間の比(b)/(a)で示し、
その値が1に近い程良好であることを示す。
【0029】
【表3】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂粉体組成物を溶融状態又は
    溶融状態に近い状態で繊維質基材に含浸させた後、冷却
    固化させて形成したエポキシ樹脂組成物含浸シートにお
    いて、(i)該エポキシ樹脂粉体組成物は、グリシジル
    エーテル基の結合隣接位に立体障害基を有する融点11
    5℃以上の2価フェノールジグリシジルエーテル系結晶
    性エポキシ樹脂を55〜95重量%含む常温で固体状を
    示すエポキシ樹脂と、常温で固体状を示す硬化剤とを必
    須成分として含有する混合物の粉体からなるエポキシ樹
    脂粉体組成物であること、(ii)該硬化剤はその少なく
    とも一部に結晶性硬化剤を含むこと、(iii)該混合物中
    に含まれる非結晶性物質の量が、該混合物中に含まれる
    結晶性物質と非結晶性物質の合計量に対して、0〜50
    重量%であること、(iv)該混合物の粉体は非粘着性で
    あること、を特徴とするエポキシ樹脂組成物含浸シー
    ト。
  2. 【請求項2】 該結晶性エポキシ樹脂が、2,5−ジ−
    tert−ブチルハイドロキノンジグリシジルエーテル
    である請求項1のシート。
  3. 【請求項3】 該結晶性硬化剤が、ビスフェノール化合
    物、トリメリット酸無水物及びトリメリット酸無水物誘
    導体の中から選ばれる少なくとも1種である請求項1又
    は2のシート。
  4. 【請求項4】 該エポキシ樹脂が、グリシジルエーテル
    基の結合隣接位に立体障害基を有しない融点が115℃
    より低い結晶性エポキシ樹脂及び/又はグリシジルエー
    テル基を3個以上有する非結晶性エポキシ樹脂を含む請
    求項1〜3のいずれかのシート。
  5. 【請求項5】 該非結晶性エポキシ樹脂が、ノボラック
    型エポキシ樹脂である請求項4のシート。
  6. 【請求項6】 エポキシ樹脂粉体組成物を溶融状態又は
    溶融状態に近い状態で繊維質基材に含浸させた後、冷却
    固化させて形成したエポキシ樹脂組成物含浸シートにお
    いて、(i)該エポキシ樹脂粉体組成物は、グリシジル
    エーテル基の結合隣接位に立体障害基を有する融点11
    5℃以上の2価フェノールグリシジルエーテル系結晶性
    エポキシ樹脂を55〜100重量%含むエポキシ樹脂
    と、常温で固体状を示す硬化剤とを必須成分として含有
    する混合物の粉体からなるエポキシ樹脂粉体組成物であ
    ること、(ii)該硬化剤はその少なくとも一部にトリメ
    リット酸無水物及び/又はトリメリット酸無水物誘導体
    を含むこと、(iii)該混合物中に含まれる非結晶性物質
    の量が、該混合物中に含まれる結晶性物質と非結晶性物
    質の合計量に対して、0〜50重量%であること、(i
    v)該混合物の粉体は非粘着性であること、を特徴とす
    るエポキシ樹脂組成物含浸シート。
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