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JPH08319966A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

Info

Publication number
JPH08319966A
JPH08319966A JP7149445A JP14944595A JPH08319966A JP H08319966 A JPH08319966 A JP H08319966A JP 7149445 A JP7149445 A JP 7149445A JP 14944595 A JP14944595 A JP 14944595A JP H08319966 A JPH08319966 A JP H08319966A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slider
scroll
orbiting scroll
casing
axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7149445A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazutaka Suefuji
和孝 末藤
Yuji Komai
裕二 駒井
Yoshio Kobayashi
義雄 小林
Hiroyuki Mihara
宏之 三原
Shunji Suzuki
俊次 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokico Ltd filed Critical Tokico Ltd
Priority to JP7149445A priority Critical patent/JPH08319966A/ja
Priority to DE19647321A priority patent/DE19647321C2/de
Publication of JPH08319966A publication Critical patent/JPH08319966A/ja
Priority to US08/873,171 priority patent/US5813843A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C17/00Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing
    • F01C17/06Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements
    • F01C17/066Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements with an intermediate piece sliding along perpendicular axes, e.g. Oldham coupling
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C17/00Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing
    • F01C17/06Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements
    • F01C17/063Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements with only rolling movement

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オルダム継手が早期に摩耗、損傷するのを効
果的に防止し、装置の小型化を図ると共に、耐久性や寿
命を確実に向上させる。 【構成】 ケーシング1と旋回スクロール9の背面側と
の間にスライダ19を摺動可能に配設し、各X軸ガイド
17、各Y軸ガイド18によってスライダ19の摺動変
位を2軸(X,Y軸)方向に規制する。そして、スライ
ダ19の各貫通穴19Bにはフランジ部3の摺動面3A
と背面プレート14の摺動面14Bにそれぞれ転動可能
に接触し、スライダ19よりも硬質な材料からなる各球
体20を挿入すると共に、各貫通穴19Bにはグリス
(図示せず)を封入する。これにより各球体20を円滑
に転動運動させて、スライダ19の両側端面と各摺動面
3A,14Bとの摩擦抵抗を大幅に低減させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば空気圧縮機や真
空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関
し、特に、無給油式のスクロール式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ケーシングと、該ケーシングに
一体的に設けられた固定スクロールと、基端側が前記ケ
ーシングに回転可能に支持され先端側がクランクとなっ
た駆動軸と、該駆動軸のクランクに旋回可能に設けられ
前記固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋
回スクロールと、該旋回スクロールの自転を防止する自
転防止機構とからなるスクロール式流体機械は知られて
いる。
【0003】この種の従来技術によるスクロール式流体
機械では、外部から駆動軸を回転駆動して旋回スクロー
ルを固定スクロールに対して一定の偏心寸法をもって旋
回運動させることにより、固定スクロールの外周側に設
けた吸込口から空気(外気)を吸込つつ、この空気を固
定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部と
の間の各圧縮室内で順次圧縮し、固定スクロールの中心
部に設けた吐出口から圧縮空気を外部に向けて吐出する
ようになっている。
【0004】ここで、無給油式のスクロール式流体機械
では、旋回スクロールの自転を防止するために、複数の
補助クランクを用いたものが知られている。即ち、前記
ケーシングと旋回スクロールの背面側との間に位置し
て、該旋回スクロールに設けられる旋回軸受の外周側に
複数の補助クランクを設け、これにより、旋回スクロー
ルの自転を防止している。そして、この種の各補助クラ
ンクによる自転防止機構の場合、各補助クランクの潤滑
性を維持するために、各補助クランクの回動部にグリー
ス等を付与するようにしている。
【0005】また、他の従来技術として、スクロール式
流体機械の自転防止機構にオルダム継手を用い、該オル
ダム継手により旋回スクロールの自転を防止する機能の
みを与える構造としたものが、例えば特公平6−378
75号公報に開示されている。また、米国特許第399
4635号明細書には、オルダム継手として旋回スクロ
ールの自転を防止する機能と該旋回スクロールのスラス
ト荷重を受ける機能を併せ持つものが開示されている。
そして、この種のオルダム継手による自転防止機構の場
合、オルダム継手の潤滑性を維持するために、オルダム
継手の摺動部等に常時潤滑油を供給する構成となってい
る。
【0006】さらに、別の従来技術の自転防止機構とし
て、例えば特公平5−67761号公報では、多数個の
球体と、同数のガイド円孔をもつ2枚のリング状板から
なり、前記球体は旋回スクロールの自転を防止する機能
と該旋回スクロールのスラスト荷重に対するスラスト軸
受の機能を併せ持つボールカップリング方式のものが開
示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるスクロール式流体機械では、自転防止機構
として複数の補助クランクを採用しているため、駆動軸
のクランクと各補助クランクの偏心寸法を一致させる必
要があり、高精度の加工技術が要求される。
【0008】また、設計上各クランクの偏心寸法を一致
させても、旋回スクロールの旋回運動による遠心力等の
影響により、駆動軸のクランクと各補助クランクとのバ
ランスをとるのが難しく振動が発生する場合があり、自
転防止機構の実際上の設計・製造が難しく、また構造が
複雑となり部品点数も多くなるという問題がある。
【0009】さらに、従来技術によるスクロール式流体
機械の運転時には、固定スクロールと旋回スクロールと
の間に形成される圧縮室内が高圧となるため、旋回スク
ロールがスラスト方向に押圧される。そして、このスラ
スト方向の押圧力は、駆動軸のクランクおよび各補助ク
ランクに荷重となって作用し、駆動軸のクランクおよび
各補助クランクの回転摩擦を増加させ、駆動性能を低下
させると共に、駆動軸のクランクおよび補助クランクの
異常摩耗や摩擦熱の高温化を招くという問題がある。
【0010】一方、他の従来技術によるオルダム継手を
用いた自転防止機構において、オルダム継手が自転防止
機能のみを有するもの(特公平6−37875号公報参
照)では、旋回スクロールのスラスト荷重を受けるスラ
スト軸受をオルダム継手とは別個にして設ける必要があ
り、装置の大型化を招くという問題がある。また、オル
ダム継手が自転防止機能とスラスト軸受の機能を併せ持
つもの(米国特許第3994635号明細書参照)で
は,オルダム継手の両面に旋回スクロールからのスラス
ト方向の押圧力が直接作用するため、該オルダム継手は
摺動時に摩耗が発生し易くなり、これによって圧縮の性
能等の低下を招くという問題がある。
【0011】さらに、この種のオルダム継手を用いた自
転防止機構は、比較的構造が単純で設計・製造も比較的
容易になるという利点があるものの、かかる自転防止機
構にあっては、オルダム継手の摺動部等に潤滑油を常に
供給しなければならず、給油式のスクロール式流体機械
には適用できるが、無給油式のものには適用が難しいと
いう問題がある。
【0012】さらにまた、別の従来技術としてボールカ
ップリング方式(特公平5−67761号公報参照)を
用いた自転防止機構においては、旋回スクロールの旋回
方向の位置決めが困難となり、径方向の隙間寸法を精度
よく調整するのが難しい上に、球体から発生する騒音を
遮断するのが難しいという問題がある。
【0013】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はオルダム継手からなる自転防止
機構を無給油式のものに対しても適用できるようにし、
圧縮運転時にオルダム継手が早期に摩耗,損傷するのを
効果的に防止できると共に、装置の小型化を図ることが
でき、耐久性や寿命を効果的に向上できるようにしたス
クロール式流体機械を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、ケーシングと、該ケーシングに一体的
に設けられた固定スクロールと、基端側が前記ケーシン
グに回転可能に支持され、先端側がクランクとなった駆
動軸と、該駆動軸のクランクに旋回可能に設けられ前記
固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回ス
クロールと、該旋回スクロールの自転を防止する自転防
止機構とからなるスクロール式流体機械に適用される。
【0015】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記自転防止機構を、前記ケーシングと旋回ス
クロールとの間に配設され互いに直交する2軸方向に摺
動可能となったスライダによって構成し、該スライダに
は、前記旋回スクロールの周方向に離間しスラスト方向
に穿設された複数の貫通穴を設け、かつ該各貫通穴内に
は、前記旋回スクロールからのスラスト方向の荷重を受
承すべく、前記ケーシングと旋回スクロールの背面側と
にそれぞれ転動可能に接触する転動子を挿入する構成と
したことにある。
【0016】この場合、請求項2に記載した発明のよう
に、前記スライダの各貫通穴内には、前記各転動子を潤
滑状態に保つ潤滑剤を封入する構成とするのが好まし
い。
【0017】また、請求項3に記載した発明のように、
前記スライダには、前記旋回スクロールの周方向で前記
各貫通穴から離れた位置に冷却風が流通する通路部を形
成してよい。
【0018】
【作用】上記構成により、請求項1に記載の発明では、
スライダが2軸方向に摺動するときには、該スライダ内
の各転動子がケーシングおよび旋回スクロールの背面側
と転動可能に接触することによって、スライダが受ける
該ケーシングおよび旋回スクロールからの摩擦抵抗を低
減することができる。また、旋回スクロールからのスラ
スト方向の荷重は、スライダと共に該スライダ内の各転
動子も受承するから、この荷重がスライダに直接作用す
るのを防止することができる。
【0019】この場合、請求項2に記載の発明のよう
に、スライダの各貫通穴内に、前記各転動子を潤滑状態
に保つ潤滑剤を封入することによって、各転動子がケー
シングおよび旋回スクロールの背面側を転動するときに
生じる摩擦抵抗を低減でき、これによって、スライダを
さらに円滑に摺動させることができると共に、転動子の
転動時に生じる摩耗、損傷を確実に防止することができ
る。
【0020】また、請求項3に記載の発明のように、ス
ライダに、前記旋回スクロールの周方向で前記各貫通穴
から離れた位置に冷却風が流通する通路部を形成するこ
とによって、冷却風を前記通路部を介して旋回スクロー
ルの背面側および駆動軸等へも流通させることができ、
これによって、スライダの摺動時に該スライダおよび転
動子に生じる摩擦熱を確実に放熱できると共に、該旋回
スクロールおよび駆動軸等の冷却をも同時に行うことが
できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図14に
基づき、スクロール式流体機械として無給油式のスクロ
ール式空気圧縮機を例に挙げて説明する。
【0022】ここで、図1ないし図4は本発明の第1の
実施例を示している。
【0023】図において、1はスクロール式空気圧縮機
の外枠を形成する段付筒状のケーシングを示し、該ケー
シング1は、小径の筒状に形成された軸受部2と、該軸
受部2の基端側から径方向外向きに延設された環状のフ
ランジ部3と、該フランジ部3の外周側から軸方向に突
出した筒状の大径部4と、該大径部4の先端側からさら
に径方向外向きに突出した環状の衝合部5とから大略構
成されている。
【0024】ここで、前記ケーシング1の軸受部2内に
は、後述の駆動軸7が挿入される長尺の小径穴部2A
と、該小径穴部2Aからケーシング1の大径部4側へと
開口する短尺の大径穴部2Bとが設けられ、該大径穴部
2B内には後述のカウンタウェイト8および旋回スクロ
ール9のボス部14A等が収容される。そして、ケーシ
ング1のフランジ部3はその内側面が、後述のスライダ
19が転動する摺動面3Aとなり、該摺動面3Aには後
述の各X軸ガイド17が立設されている。
【0025】また、ケーシング1の大径部4には図2に
示す如く、冷却風をケーシング1内部へ流通させる冷却
風取入口4Aと、該冷却風取入口4Aと対向する位置に
冷却風排出口(図示せず)とがそれぞれ穿設され、ケー
シング1の衝合部5には後述の固定スクロール6の取付
フランジ部6Bを取付けるためのボルト穴5A,5A,
…がそれぞれ穿設されている。
【0026】6はケーシング1の先端側に固着された固
定スクロールを示し、該固定スクロール6は、略円板状
に形成され中心が駆動軸7の軸線O1 −O1 と一致する
ように配設された鏡板6Aと、該鏡板6Aの外縁側から
突出し、外周側が前記ケーシング1の衝合部5にボルト
(図示せず)等を介して固着された取付フランジ部6B
と、前記鏡板6Aの表面側から軸方向に立設され、中心
側が巻始め端となり外周側が巻終り端となった渦巻状の
ラップ部6Cと、鏡板6Aの背面側に並列に多数立設さ
れた放熱板6D,6D,…とから構成されている。
【0027】7は軸受部2(ケーシング1)の小径穴部
2A内に軸受を介して回転可能に軸支された駆動軸を示
し、該駆動軸7の先端側は軸受部2の大径穴部2B内に
延びるクランク7Aとなり、該クランク7Aの軸線O2
−O2 は駆動軸7の軸線O1−O1 に対して所定寸法δ
だけ偏心している。そして、駆動軸7はケーシング1外
に突出した基端側が駆動源(図示せず)に連結され、駆
動源で回転駆動されることにより、クランク7Aを介し
て後述の旋回スクロール9を旋回運動させる。
【0028】8はクランク7Aの基端側に固着されたカ
ウンタウェイトを示し、該カウンタウェイト8は軸受部
2の大径穴部2B内に位置し、旋回スクロール9の旋回
運動に対して駆動軸7全体の回転バランスをとってい
る。
【0029】9は固定スクロール6と対向してケーシン
グ1内に旋回可能に設けられた旋回スクロールを示し、
該旋回スクロール9は後述の旋回スクロール本体10
と、該旋回スクロール本体10の背面側に取付けられた
略円板状の背面プレート14とから一体的に構成されて
いる。
【0030】10は旋回スクロール本体で、該旋回スク
ロール本体10は図2に示すように、円板状に形成され
た鏡板10Aと、該鏡板10Aの表面側から軸方向に立
設され、中心側が巻始め端となり外周側が巻終り端とな
った渦巻状のラップ部10Bと、該鏡板10Aの背面側
に並列に多数立設された放熱板10C,10C,…とか
ら大略構成されている。ここで、前記旋回スクロール本
体10のラップ部10Bは図1に示すように、固定スク
ロール6のラップ部6Cに対して所定角度(例えば、1
80度)だけずらして重なり合うように配設され、両者
のラップ部6C,10B間には複数の圧縮室11,1
1,…が形成される。
【0031】そして、当該スクロール式空気圧縮機の運
転時には、固定スクロール6の外周側に設けた吸込口1
2から外周側の圧縮室11内に空気を吸込みつつ、この
空気を旋回スクロール9が旋回運動する間に各圧縮室1
1内で順次圧縮し、最後に中心側の圧縮室11から固定
スクロール6の中心に設けた吐出口13を介して外部に
圧縮空気を吐出する。
【0032】14は旋回スクロール本体10の背面側に
設けられた背面プレートを示し、該背面プレート14
は、旋回スクロール本体10の鏡板10Aとほぼ同一径
の円板状に形成され、該背面プレート14の背面中央部
にはボス部14Aが軸方向に突出して形成されている。
そして、該背面プレート14は旋回スクロール本体10
の各放熱板10C先端部にボルト(図示せず)等を介し
て固着されており、該各放熱板10C間に複数の冷却風
通路A,A,…を画成し、外部からの冷却風によって旋
回スクロール本体10の鏡板10A背面側等を効率よく
冷却できるようにしている。ここで、前記背面プレート
14の背面側は、後述する各Y軸ガイド18間が摺動面
14Bとなっており、該摺動面14Bをスライダ19が
摺動するようになっている。
【0033】そして、背面プレート14のボス部14A
はケーシング1の軸受部2側に向けて軸方向に突出し、
該ボス部14Aは駆動軸7のクランク7Aに旋回軸受1
5を介して回転可能に取付けられている。
【0034】16は旋回スクロール9の自転を防止する
自転防止機構を示し、該自転防止機構16は図1ないし
図4に示すように、後述する各X軸ガイド17、各Y軸
ガイド18、スライダ19および各球体20により構成
され、スライダ19をX軸,Y軸方向に摺動変位させる
ことにより、各Y軸ガイド18と一体になった旋回スク
ロール9の自転を防止し、該旋回スクロール9に前記所
定寸法δの旋回半径をもった円運動(旋回運動)を与え
るようになっており、いわゆるオルダム継手を構成して
いる。
【0035】17,17はフランジ部3(ケーシング
1)の摺動面3Aに一体に設けられたX軸ガイドを示
し、該各X軸ガイド17は図2に示すように、細長い角
板状に形成され、駆動軸7の大径穴部2Bを中心にして
Y軸方向に一定の寸法だけ離間し、かつX軸方向に沿っ
て平行に延びている。そして、各X軸ガイド17間に
は、後述するスライダ19の各側面19Cが摺接するよ
うにして装着され、スライダ19がケーシング1に対し
てY軸方向に摺動変位するのを規制している。
【0036】18,18は背面プレート14(旋回スク
ロール9)の摺動面14Bに一体に設けられたY軸ガイ
ドを示し、該各Y軸ガイド18は前記X軸ガイド17と
同様に、細長い角板状に形成され、背面プレート14の
ボス部14Aを中心にしてX軸方向に一定の寸法だけ離
間して、かつY軸方向に沿って平行に延びている。そし
て、各Y軸ガイド18間には、後述するスライダ19の
各側面19Dが摺接するようにして装着され、スライダ
19が旋回スクロール9に対してX軸方向に摺動変位す
るのを規制している。
【0037】19はケーシング1のフランジ部3と旋回
スクロール9の背面プレート14との間に摺動可能に配
設されたスライダを示し、該スライダ19は高強度の金
属板等から図3に示すように略正方形の平板状に形成さ
れ、その中央部には背面プレート14のボス部14Aが
貫通する逃がし穴19Aが穿設され、該逃がし穴19A
はスライダ19が摺動変位するときに該スライダ19が
ボス部14Aに衝突するのを防止するようになってい
る。そして、前記スライダ19の4隅には図2および図
3に示すように、背面プレート14のボス部14A外周
側に位置し周方向に離間して4個の貫通穴19B,19
B,…がそれぞれ穿設され、該貫通穴19B内には後述
するグリスと共に各球体20が挿入されている。
【0038】ここで、前記スライダ19は図3に示す如
く、Y軸方向で対向する側面19C,19Cが各X軸ガ
イド17に対する摺動面となり、X軸方向で対向する側
面19D,19Dが各Y軸ガイド18に対する摺動面に
なっている。一方、スライダ19の表面側および裏面側
は、それぞれ背面プレート14の摺動面14B、フラン
ジ部3の摺動面3Aに対する摺動面となっており、また
圧縮運転時に生じる旋回スクロール9からのスラスト方
向の押圧力を受承する受承面にもなっている。
【0039】そして、スライダ19は、各X軸ガイド1
7により、フランジ部3の摺動面3Aに対してX軸方向
に摺動変位の方向が規制されると共に、背面プレート1
4の摺動面14Bに対してY軸方向に摺動変位の方向が
規制されている。
【0040】20,20,…はスライダ19の各貫通穴
19B内に挿入された転動子としての球体を示し、該各
球体20はスライダ19よりも硬質の金属材料から球径
のボールとして形成され、その直径は図4に示す如く、
スライダ19の厚みとほぼ同じ寸法に形成されている。
そして、スライダ19の各貫通穴19Bは、各球体20
を収容した状態で図1に示す如くフランジ部3の摺動面
3Aと背面プレート14の摺動面14Bとの間で両側か
らほぼ密閉状態に保持されている。
【0041】ここで、スライダ19の各貫通穴19B内
には潤滑剤となるグリース(図示せず)が封入されて、
これによってスライダ19の表面および裏面側が該各摺
動面3A,14B上を摺動するときに、各球体20を潤
滑状態に保ちつつ、該各球体20がスライダ19の各貫
通穴19B内で円滑に転動できるようにしている。ま
た、各球体20はスライダ19の表面および裏面側と共
に、旋回スクロール9からのスラスト方向の押圧力を受
承している。
【0042】21は固定スクロール6の背面側に設けら
れたカバーを示し、該カバー21は固定スクロール6の
放熱板6D先端部にボルト(図示せず)を介して固着さ
れ、該各放熱板10C間に複数の冷却風通路B,B,…
を画成し、外部からの冷却風によって固定スクロール6
の鏡板6A、ラップ部6C等を効率よく冷却できるよう
にしている。
【0043】22は吐出パイプで、該吐出パイプ22は
基端側が固定スクロール6の中心部の吐出口13に接続
され、先端側がカバー21を貫通して外部に突出し、空
気タンク等に接続されている。
【0044】本実施例によるスクロール式空気圧縮機は
上述の如き構成を有するもので、次にその作動について
説明する。
【0045】まず、電動モータにより駆動軸7を回転さ
せ、旋回スクロール9を旋回させると、固定スクロール
6のラップ部6Cと旋回スクロール9(旋回スクロール
本体10)のラップ部10Bとの間に画成された圧縮室
11,11,…が連続的に縮小する。これにより、固定
スクロール6の吸込口12から吸込んだ外気を該各圧縮
室11で順次圧縮しつつ、この圧縮空気を固定スクロー
ル6の吐出口13から吐出パイプ22を介して外部の空
気タンク等に貯留させる。
【0046】そして、このように旋回スクロール9が旋
回運動するときには、X軸ガイド17、Y軸ガイド1
8、スライダ19および各球体20等からなる自転防止
機構16によって旋回スクロール9の自転が防止され、
該旋回スクロール9に駆動軸7を中心として所定寸法δ
の旋回半径をもって円運動(旋回運動)を与えている。
【0047】即ち、旋回スクロール9が固定スクロール
6に対して旋回運動する間に、スライダ19は、一方の
対向する各側面19CがX軸ガイド17の側面を摺動す
ることによってY軸方向への変位が規制されつつ、ケー
シング1に対しては図2中のX軸方向に摺動変位する。
また、他方の対向する各側面19Dは各Y軸ガイド18
の側面を摺動することによりX軸方向への変位が規制さ
れつつ、旋回スクロール9に対してはY軸方向に摺動変
位する。そして、スライダ19の表面および裏面側は、
フランジ部3の摺動面3Aおよび背面プレート14の摺
動面14Bに対してそれぞれ摺動しつつ、各球体20と
共にスラスト方向の荷重を受承する。
【0048】ここで、前記スライダ19の各貫通穴19
B内には各球体20を挿入し、該各球体20を前記各摺
動面3A,14Bに対して転動可能に接触させると共
に、前記各貫通穴19Bにはグリスを封入しているか
ら、スライダ19は、各球体20を円滑に転動させなが
ら各摺動面3A,14Bを摺動させることができる。
【0049】この結果、スライダ19の表面および裏面
側と各摺動面3A,14Bとの間で生じる摩擦抵抗を大
幅に低減できると共に、スライダ19の摺動時に生じる
摩耗を効果的に抑制することができ、該スライダ19を
各摺動面3A,14B間で円滑に摺動させることができ
る。
【0050】そして、スライダ19が摺動運動を繰返す
うちにその表面および裏面側が僅かに摩耗した場合に
は、各球体20がスライダ19よりも硬質なため、該各
球体20のみを各摺動面3A,14Bに接触させること
ができ、これによってスライダ19の表面および裏面が
これ以上摩耗するのを確実に防止することができる。
【0051】また、スライダ19の表面および裏面側
は、圧縮運転時に生じる旋回スクロール9からのスラス
ト方向の荷重(押圧力)を各球体20と共に受承でき、
これによって該スライダ19の摩耗、損傷をより効果的
に防止することができる。
【0052】さらに、スライダ19の各貫通穴19Bは
各摺動面3A,14Bによってほぼ密閉状態に保たれて
いるから、これによって内部のグリースが外部へ漏洩し
てしまうのを効果的に防止できると共に、各貫通穴19
B内から各球体20の転動音が外部に漏れるのを遮断す
ることができ、装置からの騒音を効果的に低減すること
ができる。
【0053】かくして、本実施例では、ケーシング1と
旋回スクロール9の背面との間にスライダ19を摺動可
能に配設し、各X軸ガイド17、各Y軸ガイド18によ
って該スライダ19の摺動変位を2軸(X,Y軸)方向
に規制すると共に、スライダ19の各貫通穴19Bには
フランジ部3の摺動面3Aと背面プレート14の摺動面
14Bにそれぞれ転動可能に接触する各球体20をグリ
スと共に挿入し、該各球体20をスライダ19よりも硬
質な材料から形成している。
【0054】この結果、各球体20を円滑に転動運動さ
せることによって、スライダ19の表面および裏面側と
各摺動面3A,14Bとの摩擦抵抗を大幅に低減させる
ことができ、該スライダ19と各摺動面3A,14B間
で生じる摩耗を効果的に防止できると共に、スライダ1
9の表面および裏面側には、旋回スクロール9からのス
ラスト方向の押圧力を各球体20と共に受承させること
ができ、これによって該スライダ19の摩耗、損傷をさ
らに効果的に防止することができる。
【0055】従って、本発明によれは、スライダ19
は、各球体20を各摺動面3A,14Bに転動運動させ
ることにより、スライダ19の耐久性を確実に向上で
き、当該スクロール式空気圧縮機の寿命を延ばして、性
能を確実に向上できると共に、長期に亘って安定した圧
縮性能を確保することができる。
【0056】また、旋回スクロール9からのスラスト方
向の荷重(押圧力)を受承するスラスト軸受を、スライ
ダ19と各球体20とによってコンパクトに形成でき、
装置全体の小型化を図ることができる。
【0057】さらに、スライダ19と各摺動面3A,1
4Bとの間、該スライダ19と各X軸ガイド17、各Y
軸ガイド18との間にオイル等の潤滑剤を給油しなくて
も、各球体20によってケーシング1と旋回スクロール
9の背面側との間でスライダ19を円滑に摺動させるこ
とができ、無給油式の圧縮機として当該スクロール式空
気圧縮機を円滑に作動させることができる。
【0058】次に、図5および図6は本発明の第2の実
施例を示し、本実施例では前記第1の実施例と同一の構
成要素に同一の符号を付し、その説明は省略するものと
する。しかし、本実施例の特徴は、ケーシング1と旋回
スクロール9の背面側との間に摺動可能に配設される自
転防止機構31のスライダ32を方形状の各厚肉部32
Aおよびそれらを互いに連結する細長の各薄肉部32B
とから構成し、該各薄肉部32Bとフランジ部3の摺動
面3Aとの間および各薄肉部32Bと背面プレート14
の摺動面14Bとの間にそれぞれ冷却風を流通させる通
路部33,33,…を形成したことにある。
【0059】ここで、スライダ32は前記第1の実施例
で述べたスライダ19とほぼ同様に構成されるものの、
該スライダ32は略正方形状をなして形成され、内部に
は正方形状の逃がし穴32Cが設けられている。そし
て、該スライダ32は図5および図6に示す如く、4隅
に位置する厚肉部32A,32A,…と、それらを互い
に連結する薄肉部32B,32B,…とから構成されて
おり、各厚肉部32Aの互いに隣合う各側面はそれぞれ
各X軸ガイド17、各Y軸ガイド18に対する摺動面と
なっている。
【0060】また、各厚肉部32Aの表面および裏面側
はそれぞれ各摺動面3A,14Bに対する摺動面とな
り、厚肉部32Aに穿設された4個の貫通穴32D,3
2D,…内に挿入される各球体20と共に該各摺動面3
A,14B上を摺動するようになっている。さらに、ス
ライダ32は各厚肉部32Aと各薄肉部32Bとの間が
テーパ状の傾斜部32E,32E,…となり、各薄肉部
32Bの表面および裏面側は各傾斜部32E間がスライ
ダ32と各摺動面3A,14Bとの間に冷却風を流通さ
せる通路部33,33となっている。
【0061】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、スライダ32と各摺
動面3A,14Bとの間に冷却風用の各通路部33を形
成しているから、図5に示す如く該各通路部33内に例
えば矢示X,Y方向に向けて冷却風を流通させることが
でき、これによって、スライダ32の摺動時に、各摺動
面3A,14Bと各X軸ガイド17、Y軸ガイド18の
側面との間で生じる摩擦熱を効果的に冷却することがで
き、該スライダ32の耐久性を確実に延ばすことができ
る。
【0062】また、この冷却風によってボス部14A内
の旋回軸受15等をも同時に冷却することができ、駆動
軸7の回転運動によって生じる摩擦熱等によって該旋回
軸受15等が早期に損傷してしまうのを効果的に防止す
ることができ、装置の耐久性や寿命を延ばすことができ
る。
【0063】次に、図7および図8は本発明の第3の実
施例を示し、本実施例では前記第1の実施例と同一の構
成要素に同一の符号を付し、その説明は省略するものと
する。しかし、本実施例の特徴は、自転防止機構41を
構成するスライダ42を各厚肉部42Aとそれらを互い
に連結する薄肉部42Bとから構成し、該スライダ42
の中央部には円形の逃がし穴42Cを設けたことにあ
る。
【0064】ここで、スライダ42は、前記第2の実施
例で述べたスライダ42とほぼ同様に厚肉部42A,4
2A,…と、薄肉部42B,42B,…とから形成し、
各貫通穴42D内には球体20を収容すると共に、各薄
肉部42Bの表面および裏面側には各傾斜部42E間に
位置して通路部43,43,…が形成されている。しか
し、該スライダ42の中央には円形状の逃がし穴42C
が大きめに穿設されている。
【0065】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第2の実施例とほぼ同様の作用効果を得るこ
とができるが、特に本実施例では、スライダ42の逃が
し穴42Cを大きめの円形状に形成することによって、
該スライダ42の逃がし穴42Cと背面プレート14の
ボス部14Aとの間に矢示X,Y方向に流通する冷却風
の一部を流すことができ、冷却効率をアップさせること
ができる。
【0066】次に、図9ないし図11は本発明の第4の
実施例を示し、本実施例では前記第1の実施例と同一の
構成要素に同一の符号を付し、その説明は省略するもの
とする。しかし、本実施例の特徴は、自転防止機構51
を、スライダ52と、該スライダ52に一体形成され、
ケーシング1と旋回スクロール9の背面側の間でスライ
ダ52の摺動変位を2軸(X,Y軸)方向に規制する各
X軸キー53A、各Y軸キー53Bと該各X軸キー53
A、各Y軸キー53Bに係合する各X軸方向のキー溝4
4A、各Y軸方向のキー溝(図示せず)と各球体20と
から構成したことにある。
【0067】ここで、前記スライダ52は、前記第1の
実施例で示したスライダ19とほぼ同様に形成されてい
るものの、該スライダ19は図10に示す如く円板状の
板材からなり、中央部には逃がし穴52Aが穿設され、
周方向には各球体20を挿入する各貫通穴52B,52
B,…がそれぞれ穿設されている。また、スライダ52
には図10および図11に示す如く、その裏面側にX軸
方向に沿って一対のX軸キー53A,53Aが一体に形
成され、表面側にはY軸方向に沿って一対のY軸キー5
3B,53Bが一体に形成されている。
【0068】一方、ケーシング1のフランジ部3にはそ
の摺動面3A側に図9に示す如く、前記各X軸キー53
Aの形状と対応するようにX軸方向のキー溝54A,5
4Aが形成され、背面プレート14の摺動面14Bには
前記各Y軸方向のキー53Bの形状と対応するようにY
軸キー溝が形成されている。
【0069】そして、スライダ52の各X軸キー53A
を前記摺動面3Aの各キー溝54A内で摺動させること
により、摺動面3Aに対してスライダ52がY軸方向に
摺動変位するのを規制する。また、スライダ52の各Y
軸キー53Bを前記摺動面14Bの各キー溝内で摺動さ
せることにより、スライダ52が旋回スクロール9に対
してX軸方向に摺動変位するのを規制するようにしてい
る。
【0070】かくして、このように構成される本実施例
でも、スライダ52は各球体20を各摺動面3A,14
Bに転動接触させながら、該各摺動面3A,14Bを摺
動することができ、前記第1の実施例とほぼ同様の効果
を得ることができる。
【0071】次に、図12は本発明の第5の実施例を示
し、本実施例では前記第4の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明は省略するものとする。し
かし、本実施例の特徴は、各貫通穴52Bの周囲に位置
してスライダ52に、リング状の縁取部61,61,…
を設け、該各縁取部61をスライダ52の表面および裏
面から軸方向に突出させることによって、各縁取部61
の端面をフランジ部3の摺動面3Aと背面プレート14
の摺動面14Bに対する摺動面とすると共に、各縁取部
61の周囲にはスライダ52と各摺動面3A,14Bと
の間に冷却風を流通させる通路部62,62,…を形成
したことにある。
【0072】かくして、このように構成される本実施例
でも、各通路部62により矢示C方向等に冷却風を流通
させることができ、前記第2の実施例とほぼ同様の作用
効果を得ることができる。
【0073】次に、図13は本発明の第6の実施例を示
し、本実施例では前記第4の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明は省略するものとする。し
かし、本実施例の特徴は、前記第4の実施例で述べた各
X軸キー53A、各Y軸キー53Bに替えて、スライダ
52の表面側と裏面側とに、それぞれX軸方向のキー溝
71A,71AとY軸方向のキー溝71B,71Bとを
形成し、該各キー溝71A,71Bに対応させてフラン
ジ部3の摺動面3Aと背面プレート14の摺動面14B
とにはそれぞれ各X軸キーとY軸キー(いずれも図示せ
ず)とを形成したことにある。
【0074】かくして、このように構成される本実施例
でも、自転防止機構51のスライダ52をケーシング1
と旋回スクロール9の背面側との間で各球体20を転動
接触させつつ摺動させることができ、前記第1の実施例
とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0075】次に、図14は本発明の第7の実施例を示
し、本実施例では前記第4の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明は省略するものとする。し
かし、本実施例の特徴は、スライダ52の表面側と裏面
側とにそれぞれX軸方向のキー溝81A,81AとY軸
方向のキー溝81B,81Bとを形成すると共に、該各
キー溝81A,81Bと各貫通穴52Bとの間には周方
向に互いに離間して複数の通路部82,82,…を凹設
し、該各通路部82を介してスライダ52内に、例えば
矢示D,E,F方向に冷却風を流通させる構成としたこ
とにある。
【0076】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第5の実施例とほぼ同様の効果を得ることが
できる。
【0077】なお、前記各実施例では、スライダ19
(32,42,52)に各貫通穴19B(32D,42
D,52B)を4個ずつ設けるものとして述べたが、本
発明はこれに限らず、例えば5個以上の貫通穴を旋回ス
クロール9の周方向に互いに離間して設けてもよく、ま
たは3個の貫通穴を設ける構成としてもよい。そして、
貫通穴の個数を増大させた場合には、スライダ19(3
2,42,52)を摺動面3A,14Bに対して、さら
に円滑に摺動させることができ、各スライダ19(3
2,42,52)の摩耗、損傷を確実に防止できると共
に、各球体20の一個あたりに作用する外力が小さくで
き、該球体20の耐久性を確実に高めることができる。
【0078】また、前記各実施例では、球体20にグリ
スを封入して該球体20の潤滑性を高めるようにしてい
るが、これに替えて、球体20やスライダ19(32,
42,52)等を自己潤滑性の有する材料から形成し、
球体20の潤滑性を高めるようにしてもよいし、球体2
0全体をセラミック等によって形成して完全無潤滑にし
てもよいし、あるいは球体20の外周側のみをセラミッ
ク等によって形成して完全無潤滑にしてもよい。
【0079】さらにまた、前記実施例ではスクロール式
流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説
明したが、本発明はこれに限らず、例えば真空ポンプ、
冷媒圧縮機等にも広く適用できる。
【0080】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1に記載の発
明によれば、ケーシングと旋回スクロールとの間でスラ
イダを直交する2軸方向に摺動可能に配設し、該スライ
ダによって自転防止機構を構成すると共に、前記スライ
ダには、旋回スクロールの周方向に離間しスラスト方向
に穿設された複数の貫通穴を設け、かつ該各貫通穴内に
は、前記旋回スクロールからのスラスト方向の荷重を受
承すべく、前記ケーシングと旋回スクロールの背面側と
にそれぞれ転動可能に接触する転動子を挿入する構成と
したから、該各転動子を転動させることによってスライ
ダをケーシングと旋回スクロールとの間で円滑に摺動さ
せることができ、該ケーシングと旋回スクロールとの間
で生じるスライダの摩耗を効果的に防止することができ
ると共に、旋回スクロールからのスラスト方向の荷重
を、各転動子に受承させることができ、スライダの耐久
性や寿命を確実に延ばすことができ、装置の信頼性を高
め、長期に亘って安定した運転を保証することができ
る。
【0081】そして、旋回スクロールからのスラスト方
向の荷重をスライダと共に各転動子に受承させることが
できるから、スラスト軸受を別個に設ける必要がなくな
り、装置全体をコンパクトに形成して小型化を図ること
ができる。
【0082】また、請求項2に記載の発明によれば、ス
ライダの各貫通穴をケーシングと旋回スクロールの背面
側との間でほぼ密閉状態とすることにより、該各貫通穴
から潤滑剤が漏洩するのを防止できると共に、各転動子
が転動するときの転動音を効果的に遮断でき、装置から
の騒音を低減することができる。そして、各転動子の潤
滑性を効果的に向上させることができるから、これによ
ってスライダをさらに円滑に摺動させることができ、装
置の性能を大幅に向上させることができる。
【0083】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
スライダに形成した通路部に冷却風を流通させることに
より、スライダが摺動することによって生じる摩擦熱、
駆動軸の回転によって該駆動軸と旋回スクロールとの間
で生じる摩擦熱等を効果的に冷却することができ、これ
によって装置の寿命を大幅に延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるスクロール式空気
圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】図1中のケーシング、旋回スクロールおよび自
転防止機構等を示す分解斜視図である。
【図3】図1中のスライダおよび各球体を拡大して示す
平面図である。
【図4】図3中の矢示IV−IV方向拡大断面図である。
【図5】本発明の第2の実施例を示す図3と同様の平面
図である。
【図6】図5中の矢示VI−VI方向拡大断面図である。
【図7】本発明の第3の実施例を示す図3と同様の平面
図である。
【図8】図7中の矢示VIII−VIII方向拡大断面図であ
る。
【図9】本発明の第4の実施例によるスクロール式空気
圧縮機のスライダをケーシング内に配設した状態を示す
外観図である。
【図10】図9中のスライダおよび各球体を拡大して示
す平面図である。
【図11】図10の矢示XI−XI方向拡大断面図である。
【図12】本発明の第5の実施例を示すスライダおよび
球体の分解斜視図である。
【図13】本発明の第6の実施例を示す図12と同様の
斜視図である。
【図14】本発明の第7の実施例を示す図12と同様の
斜視図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 3 フランジ部 3A 摺動面 6 固定スクロール 7 駆動軸 7A クランク 11 圧縮室 9 旋回スクロール 14 背面プレート 14B 摺動面 16,31,41,51 自転防止機構 17 X軸ガイド 18 Y軸ガイド 19,32,42,52 スライダ 19B,32D,42D,52B 貫通穴 20 球体(転動子) 33,43,62,82 通路部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 義雄 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 三原 宏之 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 鈴木 俊次 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシングに一体的に
    設けられた固定スクロールと、基端側が前記ケーシング
    に回転可能に支持され先端側がクランクとなった駆動軸
    と、該駆動軸のクランクに旋回可能に設けられ前記固定
    スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回スクロ
    ールと、該旋回スクロールの自転を防止する自転防止機
    構とからなるスクロール式流体機械において、前記自転
    防止機構は、前記ケーシングと旋回スクロールとの間に
    配設され互いに直交する2軸方向に摺動可能となったス
    ライダによって構成し、該スライダには、前記旋回スク
    ロールの周方向に離間しスラスト方向に穿設された複数
    の貫通穴を設け、かつ該各貫通穴内には、前記旋回スク
    ロールからのスラスト方向の荷重を受承すべく、前記ケ
    ーシングと旋回スクロールの背面側とにそれぞれ転動可
    能に接触する転動子を挿入する構成としたことを特徴と
    するスクロール式流体機械。
  2. 【請求項2】 前記スライダの各貫通穴内には、前記各
    転動子を潤滑状態に保つ潤滑剤を封入する構成としてな
    る請求項1に記載のスクロール式流体機械。
  3. 【請求項3】 前記スライダには、前記旋回スクロール
    の周方向で前記各貫通穴から離れた位置に冷却風が流通
    する通路部を形成してなる請求項1または2に記載のス
    クロール式流体機械。
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