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JPH08273611A - 蛍光ランプおよび照明器具 - Google Patents

蛍光ランプおよび照明器具

Info

Publication number
JPH08273611A
JPH08273611A JP7492495A JP7492495A JPH08273611A JP H08273611 A JPH08273611 A JP H08273611A JP 7492495 A JP7492495 A JP 7492495A JP 7492495 A JP7492495 A JP 7492495A JP H08273611 A JPH08273611 A JP H08273611A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
fluorescent lamp
film
lamp
ultraviolet rays
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7492495A
Other languages
English (en)
Inventor
Kimio Shiraiwa
公夫 白岩
Masashi Saigo
雅志 西郷
Toshiharu Yagi
敏治 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Lighting and Technology Corp filed Critical Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority to JP7492495A priority Critical patent/JPH08273611A/ja
Publication of JPH08273611A publication Critical patent/JPH08273611A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 所要の光触媒作用を十分に呈するとともに、
一般照明用光源としての機能をも備えた低圧水銀蒸気放
電ランプ、および照明装置の提供を目的とする。 【構成】 内部に放電媒体、もしくは水銀および希ガス
が封入された放電容器1と、前記放電容器1内に放電を
発生させる放電電極4,4と、前記放電容器1の内壁面
に設けられ、かつ前記放電によって生じる紫外線の刺激
で発光する蛍光層6と、前記放電容器1の外周面に設け
られ紫外線を受けて触媒作用をする光触媒膜5とを具備
し、前記光触媒膜5は、放電容器1外に透過した紫外線
の少なくとも10%を透過する膜厚であることを特徴とす
る低圧放電ランプであって、たとえば一般的な照明光源
として機能しながら、環境の清浄化作用も呈する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光触媒作用を有する被膜
を備えた低圧放電ランプおよび照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば住宅やオフィス、もしくは各種
の乗り物などの居住空間は、その密閉度が高くなってお
り、このような居住環境の空気を清浄化したり、消臭や
殺菌(減菌)などが課題となっている。そして、この対
応策として、光触媒による空気清浄化手段などの研究・
開発が知られている。すなわち、紫外線を放射する放電
灯、換言すると、放電によって紫外線を放射する水銀な
どを封有して成る放電灯の外周面(外表面)に、光触媒
作用を有する物質の(たとえば TiO2 …酸化チタン,チ
タニア)膜を一体的に設けた放電灯が知られている(特
開平1-169866号公報)。そして、この種の放電灯は、外
周面に設けた光触媒作用を有する物質膜が、放電灯内部
から放出(放射)される紫外線を受けると、脱臭などの
作用を呈し、周囲の臭いなど消すように作用する。つま
り、前記放電灯を設置した雰囲気では、その雰囲気中の
脱臭もしくは消臭、雰囲気中の有機成分の分解などが行
われる。
【0003】この点さらに説明すると、たとえば TiO2
(酸化チタン)は、約 3.0eVのバンドギャップ(禁制帯
幅)を有する半導体である。そして、前記バンドギャッ
プよりも大きなエネルネギーを有する波長 400nm以下の
紫外線が照射されると、 TiO2 に電子および電子の抜け
穴(ホール)が生じ、このホールの移動で、表面におい
て電子移動反応を起こす。このとき、ホールはバンドギ
ャップ分のエネルギーに相当する電子を引き抜く力(酸
化力)を持っているため、このホールの酸化力によっ
て、 TiO2 表面に付着(もしくは接触)した物質を酸化
させる作用を呈するといわれている。
【0004】上記したように、 TiO2 は紫外線を受ける
と強い酸化力を呈するため、 TiO2表面に付着した物
質、たとえばアセトアルデヒド,メチルメルカプタン,
硫化水素,アンモニアなどの臭い発生物質の酸化・分解
を促す。したがって、大気汚染の防止,病院での空気中
の雑菌やばい菌などの殺菌、浄水場での排水処理などへ
の利用も試みられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記放
電灯は、陰極と陽極との間で発生した負グローを利用し
て水銀を電離および励起させ、この水銀から放出される
185nmおよび 254nmの紫外線を石英ガラス製バルブを透
過させ、外表面(外周面)に形成した TiO2 膜に照射す
るようになっている。そして、前記放電灯の構成では、
紫外線照射ランプの機能を奏するが、蛍光体層を備えて
いないために可視光をほとんど発生しない。 一方、一
般照明用の蛍光ランプやキセノンランプの場合は、通
常、放電ランプ外に紫外線が放出されるのを、極力防止
するように考慮されているが、水銀の輝線である 365nm
の紫外線が僅かながら放出されている。この放出される
紫外線を利用し、一般照明用の蛍光ランプ外表面に、 T
iO2 などの光触媒作用を有する膜を形設して、照明用光
源としての機能に加えて、蛍光ランプから放射される紫
外線で TiO2 などを励起し、光触媒作用を持たせること
も可能と考えられる。しかし、一般照明用の低圧水銀蒸
気放電ランプなどの外表面に、 TiO2 などの光触媒作用
を有する微粒子を含む膜を、たとえば浸漬法など常套的
な手段で形設した場合、光触媒膜が所望通り触媒作用を
十分に呈しない。
【0006】本発明は、上記問題を解決するものであ
り、所要の光触媒作用を十分に呈するとともに、一般照
明用光源としての機能をも備えた蛍光ランプ、および照
明器具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の蛍光ランプ
は、内部に放電媒体が封入された放電容器と、前記放電
容器内に放電を発生させる放電電極と、前記放電容器の
内壁面に設けられ、かつ前記放電によって生じる紫外線
に励起されて発光する蛍光体層と、前記放電容器外に透
過した紫外線の少なくとも10%を透過する膜厚で、前記
放電容器の外周面に設けられ紫外線を受けて触媒作用を
する光触媒膜とを具備していることを特徴とする。
【0008】前記蛍光ランプの電極手段は、放電容器内
に設けられたもの、もしくは放電容器外に設けられた無
電極形のどちらでもよい。また、放電ガスに水銀および
希ガスを混合したものを用いることができるが、放電に
よって紫外線を発生するものであればこれらに限らな
い。
【0009】請求項2の蛍光ランプは、請求項1記載の
蛍光ランプにおいて、放電媒体は水銀および希ガスであ
ることを特徴とする。
【0010】請求項3の蛍光ランプは、複数のバルブが
被接続部で接合され、かつ両端が並列されて一つの曲折
した放電路を形成する放電容器と、前記放電容器内部に
封入された水銀および希ガスを含む放電媒体と、前記放
電容器内の両端部に配設され、放電容器内に放電を発生
させる放電電極と、前記放電容器の内壁面に設けられ、
かつ前記放電によって生じる紫外線に励起されて発光す
る蛍光体層と、前記放電容器外に透過した紫外線の少な
くとも10%を透過する膜厚で、かつ並列している放電電
極近傍領域の膜厚を他の領域よりも厚くして、放電容器
外周面に設けられ、紫外線を受けて触媒作用をする光触
媒膜とを具備しているいることを特徴とする。 請求項
4の蛍光ランプは、請求項3記載の蛍光ランプにおい
て、放電容器の折り曲げ領域の外周側面の光触媒膜厚を
直線部領域よりも厚くしてあることを特徴とする。
【0011】請求項5の蛍光ランプは、請求項4記載の
蛍光ランプにおいて、放電容器は複数の直管バルブが被
接続部で接合され、かつ両端が並列されて一つの曲折し
た放電路を形成していることを特徴とする。
【0012】請求項6の蛍光ランプは、請求項1ないし
5記載のいずれかの蛍光ランプにおいて、光触媒膜が酸
化チタンもしくは酸化チタンを主成分として構成されて
いることを特徴とする。
【0013】請求項7の照明器具は、器具本体と、前記
器具本体に着脱自在に装着された請求項1ないし6記載
のいずれかの蛍光ランプとを備えたことを特徴とする。
【0014】本発明において、蛍光ランプは、たとえば
一般的な照明用蛍光ランプであり、その形状は直管型,
曲管型が対象となる。ここで、蛍光ランプは、一般的に
は、水銀から励起される紫外線によって蛍光体層が励起
されて発光を行うが、放電によって蛍光体層が励起され
て発光を行うキセノンランプであってもよい。また、曲
管型としては、たとえば1本のバルブを折り曲げた形
態、あるいは複数のバルブもしくは複数の直管バルブを
被接続部で接合し、かつ両端が並列化されて一つの曲折
した放電路を形成している環状,U字型,W−U字型,
H字型などが挙げらる。
【0015】また、光触媒膜は、前記 TiO2 の外、たと
えばWO3 , LaRhO3 , FeTiO3 ,Fe2 O3 ,CdFe2 O
4 ,SrTiO 3 ,CdSe,GaAs, GaP, RuO2 などの光触
媒作用を有する化合物(もしくは物質)の微粒子、もし
くは2種以上の微粒子混合系、および SiO2 などのバイ
ンダー成分で形成される。そして、この光触媒膜の膜厚
は、光学膜型の場合は 1〜50μm 程度,微粒子膜形の場
合は平均粒径 0.007〜0.05μm 程度の微粒子を用いるこ
とが好ましい。ただし、光触媒膜においては、所要の光
触媒作用を行わせるために、放電容器(発光管)外に透
過した紫外線の10%以上を透過する程度の膜厚を選択す
ることが必要である。すなわち、光触媒微粒子膜形もし
くは光学膜形に形成されている光触媒膜表面に、少なく
とも10%の透過率で紫外線が到達しないと、実用上十分
な光触媒活性が認められないからである。そして、放電
容器の位置・領域によって光触媒膜の膜厚差をつける場
合も、前記紫外線透過率を確保し得る範囲内で選択され
る。
【0016】なお、前記光触媒膜は、次のような方法で
形成できる。 (a)たとえば Si(EtO)4 (テトラエトキシ
シラン…Etはエチル基)をバインダー成分の素材とし
て、親水性溶媒および疎水性高沸点溶媒の混合溶媒で溶
液化し、さらに、光触媒微粒子を分散・懸濁させた液を
塗布・乾燥,焼成して形成する。または、 (b)光触媒微
粒子および少量のバインダー成分微粒子の分散・懸濁液
を塗布・乾燥し、要すれば焼成して形成する。
【0017】
【作用】請求項1および請求項2の発明では、光触媒膜
が十分に光触媒活性を呈する。すなわち、光触媒膜の厚
さが、紫外線の表面到達によって、所要の触媒活性を確
保し得るように設定されているので、効果的に殺菌,有
機物の酸化・分解なども行う照明用光源として機能す
る。
【0018】本発明者らは、キセノンランプや蛍光ラン
プの外周面に、光触媒膜を設け、その光触媒膜が蛍光ラ
ンプからバルブ(放電容器)を透過して放出される紫外
線で、所要の光触媒作用によって、十分な酸化作用を奏
する条件を検討した。その結果、バルブ外周面に設ける
光触媒膜の厚さが光触媒作用に大きく影響し、その厚さ
を適正に設定すると、所要の光触媒作用によ、十分な酸
化作用を奏することを見出した。
【0019】請求項3の発明では、前記請求項2の発明
の作用に加え、片口金型化によるコンパクト化、および
汚染など起こし易い放電電極封装領域外周面の清浄化な
ども図られので、より効果的な照明用光源として機能す
る。
【0020】請求項4の発明では、前記請求項3の発明
の作用に加えて、放電容器内壁面の蛍光層が比較的薄く
成った領域部の光触媒膜厚を厚くしてあるので、その保
温的な作用による水銀蒸気の凝縮回避なども可能とな
る。
【0021】請求項5の発明では、前記請求項2の発明
の作用に加え、片口金型化によるコンパクト化が可能
で、さらに形状の選択幅も広がる一方、汚染など起こし
易い放電電極封装領域外周面の清浄化なども図られの
で、より効果的な照明用光源として機能する。
【0022】請求項6の発明では、光触媒膜を構成する
素材を酸化チタンもしくは酸化チタンを主成分としたこ
とによって、前記請求項1ないし5の場合で記載した作
用が、より有効に行われる。ここで、酸化チタンとして
アナターゼを選択すると、光触媒作用がさらに助長され
る。
【0023】請求項7の発明では、前記請求項1ないし
6の場合で記載した作用を呈する蛍光ランプを具備した
構成を採ったことに伴い、一般照明用光源として使用し
ながら消臭,殺菌(減菌)なども行い得る。
【0024】
【実施例】以下、図1〜図6を参照して本発明の実施例
を説明する。
【0025】実施例1 この実施例は3波長発光形の曲管形蛍光ランプの場合で
あり、図1は曲管形蛍光ランプの一部切り欠き断面図、
図2は図1に図示した曲管形蛍光ランプの一部拡大断面
図である。
【0026】蛍光ランプ本体は、定格電力18 Wの片口金
形の蛍光ランプであり、1は曲管形を成す放電容器(発
光管)であって、この発光管1は 300nm以上の紫外線を
透過するガラス、たとえばソーダライムガラスをU字型
に複数回折り曲げ、両端部を並列配置させた(両端部を
揃えた)形に形成されている。そして, この発光管1の
両端部はステム2、2によってそれぞれり封止されてお
り、これらステム2、2にはリード線3、3が気密に貫
通されている。また、前記リード線3、3には、タング
ステンワイヤなどにより2重コイルに形成されたフィラ
メント電極4、4が取付けられており、図示しないエミ
ッタが塗布されている。なお、この曲管型蛍光ランプ
は、蛍光層の塗布形成で両端側の膜厚に差が生じている
とともに、曲成加工によってガラスバルブ壁が延伸され
た側の内壁面に設けられた蛍光層の厚さと、圧縮された
側の内壁面に設けられた蛍光層の厚さが相違していた。
【0027】さらに、前記発光管1の外周面(外表面)
には、全面に亘り光触媒膜5が形成されている。ここ
で、光触媒膜5は、たとえば TiO2 (酸化チタン), Z
nO(酸化亜鉛)などで形成されており、この実施例で
は、平均粒径 1μm 以下(たとえば0.05〜 0.2μm )の
アナターゼ型 TiO2 微粒子をおよび SiO2 微粒子(バイ
ンダー成分)系で形成されている。そして、この TiO2
を主成分とした光触媒膜5は、平均粒径0.05μm の TiO
2 粉末および SiO2 粉末を、酢酸ブチルアルコール−ブ
チルアルコールの混合溶媒に分散させて調製した懸濁液
に、前記蛍光ランプを浸漬して外周面(外表面)に平均
1μm 厚みに塗布し、放電電極4,4封装側を下向きと
して乾燥( 150℃で約 5分間保持)させることによって
形成した。この光触媒膜5の厚さは、放電電極4,4封
装領域での平均値 0.8μm ,直線領域表面での平均値
0.7μm ,折り曲げ外周側での平均値 1μm であった。
【0028】また、この実施例では、水銀から放出され
た紫外線により励起されて可視光に変換する蛍光層6
を、たとえば3波長発光形蛍光体、および水銀から放出
された紫外線により励起されて 300nm〜 400nmの紫外線
を発する蛍光体の混合体で構成した。ここで、3波長発
光形蛍光体はしては、たとえば 610nm付近にピーク波長
を有する赤系蛍光体として(Y,Gd)BO3 :Eu、 540nm付
近にピーク波長を有する緑系蛍光体としてCaPO4 、 450
nm付近にピーク波長を有する青系蛍光体としてBaMgAl14
O23:Euが用いられている。紫外線発光蛍光体として
は、ユーロピウム付活アルカリ土類金属硼酸塩、鉛付活
珪酸塩、ユーロピウム付活アルカリ土類金属アルミン酸
塩、またはこれらにハロゲンが添加された蛍光体の少な
くとも1種類以上が用いられている。ユーロピウム付活
アルカリ土類金属硼酸塩としては、たとえば 368nmにピ
ーク波長をもつSr2 ,B2 ,O7 :Eu2+が有効であり、鉛付
活珪酸塩としては 370nmにピーク長をもつ(Ba,Sr,Mg)
3 Si2 O7 :Pb2+や 350nmにピーク波長をもつBaSi2 O
5 :Pb2+などが好適し、またユーロピウム付活アルカリ
土類金属アルミン酸塩としては 358〜 360nmにピーク波
長をもつものなどが有効である。なお、紫外線発光蛍光
体としては、Sr2 B2 O7 :Eu2+を用いており、その混
合比は蛍光層6の 1〜10質量%の割合である。
【0029】さらに、前記発光管1内には所定量の水銀
とアルゴンガスなどの不活性ガスが封入されており、さ
らに発光管1の端部には口金ピン8を突設させた口金9
が被着されている。そして、前記口金ピン8は前記リー
ド線3を介してフィラメント電極(放電電極)4、4に
接続されている。
【0030】前記構成の蛍光ランプ10を、たとえば図3
に示すような照明器具に取り付けて照明装置を構成する
ことができる。すなわち、図3において11は天井直付け
形照明器具の本体であり、この照明器具本体11のほぼ中
央部には回転係合型のランプソケット12が対向して配置
されている。これらソケット12に、前記蛍光ランプ10
を、その口金9の口金ピン8を係合させて取り付けら
れ、照明装置を構成している。なお、照明器具本体11に
は、蛍光ランプ10を点灯させるための安定器13を含む点
灯回路が収容されており、前記蛍光ランプ10は安定器13
を介して点灯される。 次に、前記構成の蛍光ランプお
よび照明装置の作用を説明する。
【0031】蛍光ランプ10を点灯すると電極4、4間の
アーク放電により水銀蒸気が水銀特有の 185nmおよび 2
54nmの紫外線を放出し、この紫外線は蛍光層6を励起す
る。この場合、蛍光層6は3波長発光形蛍光体および 3
00nm〜 400nmの紫外線を発する蛍光体を混合体で形成さ
れていので、3波長発光形蛍光体が3波長域にピーク波
長を有する可視光を発するとともに、紫外線発光蛍光体
が 300nm〜 400nmの紫外線を発する。そして、3波長発
光形蛍光体によって発せられた可視光は発光管1の壁を
透過し、酸化チタン膜5を透過して外部に放出され、所
定の可視光量が得られので、所定の明るさに照らすこと
ができる。
【0032】一方、紫外線発光蛍光体が 300nm〜 400nm
の紫外線を発するので、この紫外線は発光管1の壁を透
過し、 TiO2 を主成分とする光触媒膜5に達する。この
ためTiO2 は紫外線を吸収し、光触媒作用で TiO2 の内
部に電子とホールを生させるとともに、このホールを移
動させて表面において電子移動反応を起こし、このホー
ルがほぼバンドギャップ(3.0 eV)分のエネルギーだけ
電子を引き抜く力、すなわち酸化力をもち、表面に付着
した物質を酸化させる。そして、このとき、前記 TiO2
を主成分とする光触媒膜5は、所要量の紫外線が透過し
得る適度な膜厚であるため、容易に所要の触媒活性を呈
して、環境を汚染している臭気,有機物などを、より効
率的に酸化・分解するように機能した。
【0033】たとえば、臭気(アセトアルデヒド濃度13
00 ppm)を有する密閉型の雰囲気下で、照明装置を点灯
させて、点灯時間とアセトアルデヒド濃度の変化を測定
したところ、 1時間後 300 ppm,24時間後 5 ppm程度と
すぐれた触媒機能を呈することかせ確認された。
【0034】上記のように、光触媒膜5の表面に付着し
た物質を効率よく酸化・分解させることができため、た
とえばメチルメルカプタン、硫化水素などの硫黄化合
物、アンモニアなどの含窒素化合物、アルデヒド類など
の分解が促され、臭気物質の分解による消臭作用も容易
に奏する。また、同じく強い酸化作用により、細菌を含
む雑菌の殺菌作用、汚れなどの浄化、たとえば煙草のヤ
ニを分解するなどの作用も容易に生じる。したがって、
前記蛍光ランプ10によれば、照明用光源として多量の可
視光を発するとともに、表面に塗布した TiO2 膜5に対
する紫外線発生源としても機能し、住宅やオフィスなど
の居住空間の照明および空気浄化を単一の蛍光ランプで
実現できることになり、快適な居住環境を得ることがで
きる。特に、上記構成では、放電電極封装領域の外表面
にほこりや、煙草のヤニ、油脂成分などが堆積しようと
しても、電極の発熱により TiO2 膜5の酸化分解作用も
助長されているので、これら物質の付着をより効果的に
防止して、蛍光ランプの光束低下を防止することができ
る。また、蛍光ランプを拭くなどの掃除が不要であり、
メンテナンスも容易になる。
【0035】また、図4に側面的に湿すような管壁負荷
500W/ m2 以上のU字型蛍光ランプを用意し、前記 T
iO2 微粉末系の分散、懸濁液に浸漬し外周面に塗布後、
乾燥させて光触媒膜を発光管の全面に形成した。この光
触媒膜5の厚さ片口金側9の放電電極封装領域側が平均
0.8μm 、折り曲げ部領域が平均 1μm であった。そし
て、このU字型蛍光ランプ14を、対応する照明器具に装
着・点灯して、前記光触媒膜5の触媒作用を検討したと
ころ、前記と同様の結果が得られた。なお、このU字型
蛍光ランプ14では、放電電極封装領域が50℃以上の高温
になると、前記触媒作用がさらに向上することが確認さ
れた。
【0036】さらに、前記では曲管型蛍光ランプについ
て例示したが、直管型蛍光ランプもしくは直管型キセノ
ンランプの外周面に、前記のよう光触媒膜を設けた場合
も、同様の結果が認められた。
【0037】実施例2 この実施例は、複数のバルブが被接続部で接合され、か
つ両端が並列化されて一つの曲折した放電路を形成する
放電容器(発光管)を備えた曲管型蛍光ランプの場合で
ある。
【0038】図5はこの曲管型蛍光ランプの一部切り欠
き断面図でおり、複数のバルブ1aが隣接同士でH字型に
接続1bされて一つの曲折した放電路を形成する発光管を
用いて、前記実施例1に準じた製造方法によって、排
気,封止までの工程を経た曲管型蛍光ランプを用意し
た。この曲管型蛍光ランプを片口金側を上方として、 T
iO2 微粒子および少量の SiO2 微粒子を分散させた分散
液に浸漬,取り出してから、前記封止部を片口金側下向
きとさせ状態で、 150℃で約 5分間保持して曲管型蛍光
ランプ周面に TiO2 系の光触媒膜を形成した。
【0039】前記曲管型蛍光ランプの外周面に設けた光
触媒膜の厚さは、直線部での平均値0.7μm ,放電電極
封装領域側(片口金側)での平均値 1μm であった。
【0040】次に、前記光触媒膜を発光管外周面に設け
た環状蛍光ランプを、対応する照明器具に組み込み、実
施例1の場合と同様に脱臭効果を検討したところ、実施
例1の場合と同様な作用効果が認められた。
【0041】また、前記曲管型蛍光ランプ外周面の光触
媒膜に、一定量の煙草のヤニを全面的に塗布し、無色に
なる間での時間で光触媒作用を比較したところ、熱の影
響を受け易い封止部(電極近傍)における光触媒作用
は、他の領域の約 2倍であった。 なお、上記では曲管
型蛍光ランプとして、H字型の組み合わせ構造を説明し
たが、図6 (a)に平面的に示すような隣接同士がU字型
化している平面型蛍光ランプ15,図6 (b)に斜視的に示
すようなW−U字型(鞍形)蛍光ランプ16の発光管外周
面に、前記に準じてそれぞれ光触媒膜を形成・具備させ
た場合も同様の作用効果が認められた。
【0042】なお、本発明は上記実施例の構造に制約さ
れるものではない。すなわち、上記実施例では可視光を
発する蛍光体として3波長発光形蛍光体を用いたが、本
発明はこれに限らず、ハロりん酸カルシウム蛍光体や、
その他蛍光ランプに使用されている通常の蛍光体であっ
てもよい。
【0043】さらに、光触媒作用を奏する物質として
は、上記 TiO2 (酸化チタン), ZnO(酸化亜鉛)の外
に、 CeO2 (酸化セリウム),Tb2 O 3 (酸化テルビウ
ム),MgO(酸化マグネシウム),Er2 O 3 (酸化エル
ビウム)、モシクハこれらの2種以上の混合系、さらに
はゼオライトなど混合した形態を採ってもよい。
【0044】
【発明の効果】請求項1および請求項2の発明によれ
ば、光触媒膜の厚さが、紫外線の表面到達によって、所
要の触媒活性を確保し得るように設定されているので、
効果的に殺菌,有機物の酸化・分解なども行う照明用光
源として機能する。
【0045】請求項3の発明によれば、前記請求項2の
発明の効果に加え、片口金型化によるコンパクト化、お
よび良好な外観を保持する照明用光源としても機能す
る。
【0046】請求項4の発明によれば、前記請求項3の
発明の効果に加えて、蛍光層が比較的薄く成った領域部
の光触媒膜厚を厚くして保温的な作用をも持たせてある
ので、水銀蒸気の凝縮(みばえ低下)回避などできる。
【0047】請求項5の発明によれば、前記請求項2の
発明の効果に加え、片口金型化によるコンパクト化、さ
らに多品種化できるだけでなく、良好な外観を保持する
照明用光源としても機能する。
【0048】請求項6の発明によれば、光触媒膜を構成
する素材を酸化チタンもしくは酸化チタンを主成分とし
たことによって、前記請求項1,請求項2,請求項3,
請求項4もしくは請求項5の場合で記載した効果が、よ
り容易に、また有効に行われる。
【0049】請求項7の発明によれば、前記請求項1,
請求項2,請求項3,請求項4,請求項5もしくは請求
項6の場合の効果を有する低圧放電ランプを具備した構
成を採ったことに伴い、一般照明用光源などとして使用
しながら消臭,殺菌(減菌)なども行い得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す曲管型低圧水銀蒸
気放電ランプの一部切り欠断面図。
【図2】上記実施例の曲管型低圧水銀蒸気放電ランプの
一部拡大断面図。
【図3】上記実施例の曲管型低圧水銀蒸気放電ランプを
用いた照明装置の側面図。
【図4】本発明の第2の実施例を示すU字型低圧水銀蒸
気放電ランプを示す側面図。
【図5】本発明の第1の実施例を示す曲管型低圧水銀蒸
気放電ランプの一部切り欠断面図。
【図6】本発明の第2の実施例での変形例を示し、 (a)
は複合U字型低圧水銀蒸気放電ランプの平面図、 (b)は
WU字型(鞍型)低圧水銀蒸気放電ランプの斜視図。
【符号の説明】
1……放電容器(発光管) 5……光触媒膜 6……蛍光層 10,14,15,16……曲管型低圧水銀蒸気放電ランプ 11……照明器具本体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に放電媒体が封入された放電容器
    と;前記放電容器内に放電を発生させる放電電極と;前
    記放電容器の内壁面に設けられ、かつ前記放電によって
    生じる紫外線に励起されて発光する蛍光体層と;前記放
    電容器外に透過した紫外線の少なくとも10%を透過する
    膜厚で、前記放電容器の外周面に設けられ紫外線を受け
    て触媒作用をする光触媒膜と;を具備していることを特
    徴とする蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】 放電媒体は水銀および希ガスであること
    を特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
  3. 【請求項3】 複数のバルブが被接続部で接合され、か
    つ両端が並列されて一つの曲折した放電路を形成する放
    電容器と;前記放電容器内部に封入された水銀および希
    ガスを含む放電媒体と;前記放電容器内の両端部に配設
    され、放電容器内に放電を発生させる放電電極と;前記
    放電容器の内壁面に設けられ、かつ前記放電によって生
    じる紫外線に励起されて発光する蛍光体層と;前記放電
    容器外に透過した紫外線の少なくとも10%を透過する膜
    厚で、かつ並列している放電電極近傍領域の膜厚を他の
    領域よりも厚くして、放電容器外周面に設けられ、紫外
    線を受けて触媒作用をする光触媒膜と;を具備している
    いることを特徴とする蛍光ランプ。
  4. 【請求項4】 放電容器の折り曲げ領域の外周側面の光
    触媒膜厚を直線部領域よりも厚くしてあることを特徴と
    する請求項3記載の蛍光ランプ。
  5. 【請求項5】 放電容器は複数の直管バルブが被接続部
    で接合され、かつ両端が並列されて一つの曲折した放電
    路を形成していることを特徴とする請求項4記載の蛍光
    ランプ。
  6. 【請求項6】 光触媒膜が酸化チタンもしくは酸化チタ
    ンを主成分として構成されていることを特徴とする請求
    項1ないし5記載のいずれかの蛍光ランプ。
  7. 【請求項7】 器具本体と;前記器具本体に着脱自在に
    装着された請求項1ないし6記載のいずれかの蛍光ラン
    プとを備えたことを特徴とする照明器具。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002102497A1 (en) * 2001-06-16 2002-12-27 Pepcon Co., Ltd. Illumination apparatus for air purification
JP2012003289A (ja) * 2011-10-03 2012-01-05 Dainippon Printing Co Ltd パターン形成体の製造方法

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