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JPH08259694A - 液晶配向膜用のポリイミド - Google Patents

液晶配向膜用のポリイミド

Info

Publication number
JPH08259694A
JPH08259694A JP9300495A JP9300495A JPH08259694A JP H08259694 A JPH08259694 A JP H08259694A JP 9300495 A JP9300495 A JP 9300495A JP 9300495 A JP9300495 A JP 9300495A JP H08259694 A JPH08259694 A JP H08259694A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
side chain
atom
angstroms
polyimide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9300495A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukino Abe
幸乃 阿部
Hiroaki Hirose
弘明 廣瀬
Shigeru Sugimori
滋 杉森
Takashi Kato
隆 加藤
Shizuo Murata
鎮男 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
Priority to JP9300495A priority Critical patent/JPH08259694A/ja
Publication of JPH08259694A publication Critical patent/JPH08259694A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Liquid Crystal (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリイミド配向膜としたときに30度以上7
0度以下のプレチルト角を与えるポリイミドを提供す
る。 【構成】 テトラカルボン酸二無水物とジアミノ化合物
とに由来する構造単位を有するポリイミドであって、こ
のジアミノ化合物は次の式1 【化1】 (式中、L=0〜11、M=1〜3の整数、Rは水素原
子、炭素数l〜11のアルキル基、またはアルコキシ基
を示す。)で示される側鎖をその分子内中に置換基とし
て有し、この側鎖の長さは15オングストローム以上2
0オングストローム以下であり、かつテトラカルボン酸
二無水物は分子内に、酸素原子、硫黄原子、カルボニル
基、スルフォン基、炭素数1〜3のアルキレン基、ビス
(トリフルオロメチル)メチレン基、ジメチルシリレン
基、ビス(トリフルオロメチル)シリレン基、2−(1
−トリフルオロメチル)エチレン基、メトキシメチレン
基から選ばれる架橋基Pを有し、その突き出し距離が3
オングストローム以上5.5オングストローム以下であ
る、液晶配向膜用のポリイミド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶配向膜用のポリイ
ミド、その製造方法、このポリイミドから製造された液
晶配向膜およびこのポリイミドから製造された液晶素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶素子の性質として重要なプレ
チルト角を変化させ、所望のプレチルト角を与えるか否
かを判断するために、原料として用いることの出来る数
多くのテトラカルボン酸無水物類及び、数多くのジアミ
ン類から、液晶素子の研究者が任意にそれぞれ組み合わ
せて選択し、実際にポリイミド配向膜を得、液晶素子と
した後プレチルト角を測定すると言った、いわゆるラン
ダムスクリーニング法を採用していた。従って、種々の
ポリイミド配向膜を用いた液晶素子についての実測プレ
チルト角に関するデータを蓄積しない限り、所望のプレ
チルト角を与える液晶素子を設計出来ない。その上、プ
レチルト角を自由に制御するうえで必要なデータを蓄積
するためには、膨大な労力と長大な時間とを要してい
た。さらに未知化合物に至っては、その化合物またはそ
の原料の分子構造から液晶素子のプレチルト角という複
雑な要素をはらんだ物性を予測することは至難であっ
た。従って、より短期間に効率よく、所望のプレチルト
角を与える液晶素子の研究開発方法が切に望まれてい
た。
【0003】また、従来の液晶配向膜においては、主鎖
または側鎖を増加することによりプレチルト角を増加さ
せてきた。側鎖の鎖長を変化させることによりプレチル
ト角を変化させた例として、袋らによる、長鎖アルキル
アミンを置換した高分子を用いて、プレチルト角を制御
する方法(Molecular Crystals and Liquid Crystals.
第163巻、157頁、1988)及び阿部らによる、配向膜高分
子に直結した側鎖の鎖長を変化することによりプレチル
ト角を制御する方法(第17回液晶討論会(1991)予稿
集46頁)とが報告されている。また、主鎖の鎖長を変
化させることによりプレチルト角を変化させた例とし
て、大内らによる、ポリイミド配向膜のジアミンアルキ
ル鎖の奇偶則により、プレチルト角を変化させる方法
(日本学術振興会主催特別研究会「液晶の配向」要旨集
(1994))も、報告されている。
【0004】前述の第17回液晶討論会予稿第46頁に
は、側鎖に長い鎖長を導入しても、側鎖が剛直の構造を
持たない場合は、鎖長が長くなるに連れて団子状に丸ま
り易くなり、鎖長を増加させてもプレチルト角に与える
寄与はすくなくなってくることが報告されている。しか
しながら、ポリイミド配向膜構成分子の分子微細構造と
液晶表示素子のプレチルト角との関係まで言及している
例はない。
【0005】一方、従来の液晶表示素子には、主とし
て、上下2枚で一対をなす電極基板の間でネマチック液
晶分子の配列方向を90度に捻った構造のツイステッド
ネマチック(以下、TNと略称する)素子や、180〜
300度捻ったスーパーツイステッドネマチック(以
下、STNと略称する)素子が主に用いられている。
【0006】また、最近では、液晶を用いたマトリック
ス表示やカラー表示を行うために、多数の画像電極のO
N−OFF切り替えを行うMIM(金属ー絶縁層−金
属)素子や、TFT(電界効果型薄膜トランジスタ)素
子を用いたアクティブ型のツイステッドネマチック(T
N)素子も開発されている。
【0007】しかし、TN素子は、駆動方式のマルチプ
レックス化が進むにつれて、駆動マージンが狭くなり、
コントラストが低下するという欠点を持ち、STN素子
は、大容量表示に用いると、応答速度が遅くなるという
欠点を持っている。
【0008】このようなTN素子及びSTN素子が有す
る欠点を克服する目的で、強誘電性液晶を用いた新しい
素子がクラーク(Clark)及びラガバル(Lagerwall)に
より提案された(特開昭56−10726号公報、米国
特許第4367924号)。
【0009】この素子は、電界の極性を反転させ、強誘
電性液晶の自発分極を反転させることによりON−OF
Fを行うものであり、TN、STN素子に比べて、メモ
リー性、高速応答性、ハイデューティー駆動性、高密度
高画像性が極めて優れている。しかし、強誘電性液晶が
有するこのような機能を十分に働かせるには、強誘電性
液晶に適した特殊な配向状態を作り出す必要がある。す
なわち、強誘電性液晶素子を得るためには、強誘電性液
晶の配向を制御する特殊な配向膜が必要である。
【0010】従来の配向制御膜を強誘電性液晶素子に適
用した場合、強誘電性液晶性化合物は、ネマチック性液
晶化合物に比較して、分子の対称性が低いために、一様
に配向させることが困難であり、そのために均一配向し
た素子を得ることが難しいという問題点がある。
【0011】また、クラークとラガバルによると、双安
定性を実現する強誘電性液晶のチルト角は、図1に示す
ようなコーン角の1/2(Θ)と同じになるはずである
が、従来の配向制御膜を用いると、図2に示すように、
強誘電性液晶のチルト角θはコーン角の1/2(Θ)よ
りも数度小さくなり、その結果として、透過率が30〜
50%程度にまで減少することが分かっている。
【0012】強誘電性液晶が有するチルト角θを最大チ
ルト角Θとするためには、液晶分子の配向が図3aに示
すユニホーム配向状態にする必要があるが、実際には図
3bに示すように隣接する各々の液晶分子が捻れ角αで
捻れて配向するツイスト配向状態となるため、十分に大
きいチルト角θを形成することができないという問題点
があった。
【0013】このようなツイスト配向状態下の液晶素子
は、ユニフォーム配向に比べてコントラストが低く、図
4、5に示すようなパルス信号に対する光学応答性を示
し、この光学応答性がマルチプレクシング駆動を行った
ときの表示画面のちらつきの原因となる。従って高コン
トラストでちらつきのない画面を得るには、ユニフォー
ム配向をさせる必要がある。
【0014】そして、プレチルト角を持つ配向制御膜を
用いた場合、強誘電性液晶は、配向制御膜との界面にお
いて、ラビング方向にたいしてある値θpだけ立ち上が
るようになる。この「く」の字がラビング方向に対して
どちらの向きに向くかによって、微妙に配向状態が異な
ってくる。これらの二つの状態は、神辺らによって、ラ
ビング方向(→)に対して「く」の字が順方向(→)に
向いて配列しているものを(C1)、ラビング方向
(→)に対して「く」の字が逆方向(←)に向いて配列
しているものを(C2)と定義している(神辺ら、強誘
電体(Ferroelectrics)、第114巻3頁、1991年)
【0015】これら、C1、C2のどちらの状態が発現
し易いかは、プレチルト角と関係があると言われてい
る。神辺らによると、C1状態では配向制御膜界面に存
在する液晶分子は、θ+δ>θp (ここでθはチルト
角、δは層の傾き角、θp はプレチルト角を示す。)の
状態でのみ存在し、逆にC2状態はθ−δ>θpの状態
で存在すると述べている。高いプレチルト角の配向制御
膜ではθ+δ>θpの条件は満足できるが、θ−δ>θp
は満足しないので、C1配向が得られると考えられてい
る。また、使用した配向膜の極性によってもこれらの配
向性が異なる可能性があることも知られている。
【0016】ユニフォーム配向にも同様に、C1U、C
2Uの二つの配向状態がある(図6)。これらのディレ
クタープロフィールの模式図を図7に示す。C1U配向
ではθの値はセルの中央部でわずかに減少するが、殆ど
Θに近い値を取る。一方、C2U配向はC1U配向に比
べて、セルの中央部で僅かに増加するが、θの値は小さ
くなる。これより、C1U配向は、C2U配向よりも明
状態と暗状態のコントラストが高くなると考えられる。
一方、C2U配向はC1U配向よりも低温度領域に現わ
れることからエネルギーが低く、CIU配向に比べて、
外部からの衝撃や、歪みに対して安定であると考えられ
ている。
【0017】従って、強誘電性液晶表示素子において、
メモリー性(双安定性)、光学応答性を満足させるため
には、ツイスト(T)配向ではなく、ユニフォーム
(U)配向が必要であり、高コントラストを実現するた
めには、C2配向ではなくC1配向が必要であるという
ことになる。この条件を満たす、C1U配向は強誘電性
液晶表示素子の表示特性に優れていると考えられる。し
かしながら、C1U配向はC2U配向に比べて、安定に
得ることが難しいという問題があった。
【0018】このCIU配向の強誘電性液晶素子用配向
膜に求められる重要な特性が、プレチルト角である。前
述の神辺らの文献によると。高いプレチルト角を示す配
向膜を用いた場合には、C1U配向になると述べられて
いるが、実際には現存する配向膜ではプレチルト角を1
5度程度まで大きくしても、C1U配向性の割合は、8
0%程度しか得られず、他にC2U配向の部分やC1T
配向の部分が含まれていた。
【0019】従って、この表示素子を実用化するに当た
り、均一で安定なC1U配向性が100%であって、よ
り高いプレチルト角を与える配向膜を用いた液晶素子を
得ることが望まれていた。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
イミド配向膜の構造単位イミド化合物またはその原料と
なる化合物の分子微細構造に関する情報を用いて、液晶
素子のプレチルト角という複雑な要素をはらんだポリイ
ミド配向膜を用いた液晶素子の特性を予測し、より効率
よく、30度以上70度以下のプレチルト角を与えるポ
リイミド液晶配向膜のためのポリイミドを見いだし、こ
れを提供すことにある。
【0021】本発明のさらなる目的は、かかるポリイミ
ドを合成する方法を提供することにある。
【0022】本発明のさらに他の目的は、均一で安定な
C1U配向性を100%発現し、30度以上70度以下
のプレチルト角を与える配向膜を用いた強誘電性液晶配
向膜及びその液晶素子を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、配向膜を
構成する分子の微細構造に着目して、30度以上70度
以下のプレチルト角を与える液晶配向膜を製造するため
のポリイミドとこの液晶配向膜から製造される液晶素子
について鋭意研究をおこなった結果、本発明を完成させ
たのである。
【0024】即ち、本発明は 、テトラカルボン酸二無
水物とジアミノ化合物とに由来する構造単位を有するポ
リイミドであって、このジアミノ化合物は次の式1
【化9】 (式中、L=0〜11、M=1〜3の整数、Rは水素原
子、炭素数l〜11のアルキル基、またはアルコキシ基
を示す。)で示される側鎖をその分子内中に置換基とし
て有し、この側鎖の長さは15オングストローム以上2
0オングストローム以下であり、かつテトラカルボン酸
二無水物は分子内に、酸素原子、硫黄原子、カルボニル
基、スルフォン基、炭素数1〜3のアルキレン基、ビス
(トリフルオロメチル)メチレン基、ジメチルシリレン
基、ビス(トリフルオロメチル)シリレン基、2−(1
−トリフルオロメチル)エチレン基、メトキシメチレン
基から選ばれる架橋基Pを有し、その突き出し距離が3
オングストローム以上5.5オングストローム以下であ
る、液晶配向膜用のポリイミドに関する。
【0025】なお、ここで側鎖の長さとは、式1で示さ
れる側鎖の置換位置にある炭素原子(すなわちシクロヘ
キサン環上の炭素原子であって同時にポリイミドの主鎖
を構成する炭素原子)と側鎖の末端の原子との距離を意
味し、また、突き出し距離とは、テトラカルボン酸二無
水物においてカルボニル酸素ではない二つの末端酸素原
子を線分で結び、この線分を底辺としこの底辺から最も
離れた架橋基P内の原子からこの底辺に下ろした垂線の
長さを意味するものとする(図8)。
【0026】さらに本発明は、テトラカルボン酸二無水
物とジアミノ化合物とに由来する構造単位を有するポリ
イミドであって、このジアミノ化合物は次の式1
【化10】 (式中、L=0〜11、M=1〜3の整数、Rは水素原
子、炭素数l〜11のアルキル基、またはアルコキシ基
を示す。)で示される側鎖をその分子内中に置換基とし
て有し、この側鎖の長さは15オングストローム以上2
0オングストローム以下であり、そのジアミノ化合物の
アミン距離が4.0オングストローム以上4.8オングス
トローム以下であり、そしてテトラカルボン酸二無水物
は分子内に、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スル
フォン基、炭素数1〜3のアルキレン基、ビス(トリフ
ルオロメチル)メチレン基、ジメチルシリレン基、ビス
(トリフルオロメチル)シリレン基、2−(1−トリフ
ルオロメチル)エチレン基、メトキシメチレン基から選
ばれる架橋基Pを有し、その突き出し距離が3オングス
トローム以上5.5オングストローム以下である、液晶
配向膜用のポリイミドにも関する。
【0027】なお、ここで側鎖の長さとは、式1で示さ
れる側鎖の置換位置にある炭素原子(すなわちシクロヘ
キサン環上の炭素原子であって同時にポリイミドの主鎖
を構成する炭素原子)と側鎖の末端の原子との距離を意
味し、また突き出し距離とは、テトラカルボン酸二無水
物においてカルボニル酸素ではない二つの末端酸素原子
を線分で結び、この線分を底辺としこの底辺から最も離
れた架橋基P内の原子からこの底辺に下ろした垂線の長
さを意味し、アミン距離とは、ジアミノ化合物において
アミノ基が結合した二つの炭素原子を線分で結び、この
線分を底辺とし、式1で示される側鎖の置換位置にある
炭素原子(即ちシクロヘキサン環上の炭素原子であっ
て、同時にポリイミド主鎖を構成する炭素原子)からこ
の底辺へ下ろした垂線の長さを意味するものとする(図
9)。
【0028】さらに本発明は、テトラカルボン酸二無水
物とジアミノ化合物とに由来する構造単位を有するポリ
イミドであって、このジアミノ化合物は次の式2
【化11】 (式中、L=0〜11、M=1〜3の整数、Rは水素原
子、炭素数l〜11のアルキル基、またはアルコキシ
基、R′は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を
示す。)で示され、その側鎖の長さは15オングストロ
ーム以上20オングストローム以下で、アミン距離が
4.0オングストローム以上4.8オングストローム以下
であり、かつテトラカルボン酸二無水物は分子内に、酸
素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルフォン基、炭素
数1〜3のアルキレン基、ビス(トリフルオロメチル)
メチレン基、ジメチルシリレン基、ビス(トリフルオロ
メチル)シリレン基、2−(1−トリフルオロメチル)
エチレン基、メトキシメチレン基から選ばれる架橋基P
を有し、その突き出し距離が3オングストローム以上
5.5オングストローム以下である、液晶配向膜用のポ
リイミドにも関する。
【0029】なお、ここで側鎖の長さとは、式2で示さ
れるジアミノ化合物における次の式1
【化12】 (式中、L、M、およびRは上述した意味を有する)で
示される側鎖の置換位置にある炭素原子(すなわちシク
ロヘキサン環上の炭素原子であって同時にポリイミドの
主鎖を構成する炭素原子)と側鎖の末端の原子との距離
を意味し、また、突き出し距離とは、テトラカルボン酸
二無水物においてカルボニル酸素ではない二つの末端酸
素原子を線分で結び、この線分を底辺としこの底辺から
最も離れた架橋基P内の原子からこの底辺に下ろした垂
線の長さを意味し、アミン距離とは、ジアミノ化合物に
おいてアミノ基が結合した2つの炭素原子を線分で結
び、この線分を底辺とし、式1で示される側鎖の置換位
置にある炭素原子(即ちシクロヘキサン環上の炭素原子
であって、同時にポリイミド主鎖を構成する炭素原子)
からこの底辺へ下ろした垂線の長さを意味するものとす
る。
【0030】さらにまた本発明は、テトラカルボン酸二
無水物であって、分子内に、酸素原子、硫黄原子、カル
ボニル基、スルフォン基、炭素数1〜3のアルキレン
基、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基、ジメチル
シリレン基、ビス(トリフルオロメチル)シリレン基、
2−(1−トリフルオロメチル)エチレン基、メトキシ
メチレン基から選ばれる架橋基Pを有し、その突き出し
距離が3オングストローム以上5.5オングストローム
以下であるテトラカルボン酸二無水物と、ジアミノ化合
物であって次の式1
【化13】 (式中、L=0〜11、M=1〜3の整数、Rは水素原
子、炭素数l〜11のアルキル基、またはアルコキシ基
を示す。)で示される側鎖をその分子内中に置換基とし
て有し、この側鎖の長さは15オングストローム以上2
0オングストローム以下であるジアミノ化合物とを反応
させて、対応するポリアミド酸を生成させ、次いでこの
ポリアミド酸を縮重合させる液晶配向膜用のポリイミド
を製造する方法にも関する。
【0031】なお、ここで側鎖の長さとは、式1で示さ
れる側鎖の置換位置にある炭素原子(すなわちシクロヘ
キサン環上の炭素原子であって同時にポリイミドの主鎖
を構成する炭素原子)と側鎖の末端の原子との距離を意
味し、また、突き出し距離とは、テトラカルボン酸二無
水物においてカルボニル酸素ではない二つの末端酸素原
子を線分で結び、この線分を底辺としこの底辺から最も
離れた架橋基P内の原子からこの底辺に下ろした垂線の
長さを意味するものとする。
【0032】さらにまた本発明は、テトラカルボン酸二
無水物であって、分子内に、酸素原子、硫黄原子、カル
ボニル基、スルフォン基、炭素数1〜3のアルキレン
基、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基、ジメチル
シリレン基、ビス(トリフルオロメチル)シリレン基、
2−(1−トリフルオロメチル)エチレン基、メトキシ
メチレン基から選ばれる架橋基Pを有し、その突き出し
距離が3オングストローム以上5.5オングストローム
以下であるテトラカルボン酸二無水物と、ジアミノ化合
物であって次の式1
【化14】 (式中、L=0〜11、M=1〜3の整数、Rは水素原
子、炭素数l〜11のアルキル基、またはアルコキシ基
を示す。)で示される側鎖をその分子内中に置換基とし
て有し、この側鎖の長さは15オングストローム以上2
0オングストローム以下であり、そのジアミノ化合物の
アミン距離が4.0オングストローム以上4.8オングス
トローム以下であるジアミノ化合物とを反応させて、対
応するポリアミド酸をを形成させ、ついでこのポリアミ
ド酸を縮重合させる液晶配向膜用のポリイミドを製造す
る方法にも関する。
【0033】なお、ここで側鎖の長さとは、式1で示さ
れる側鎖の置換位置にある炭素原子(すなわちシクロヘ
キサン環上の炭素原子であって同時にポリイミドの主鎖
を構成する炭素原子)と側鎖の末端の原子との距離を意
味し、また突き出し距離とは、テトラカルボン酸二無水
物においてカルボニル酸素ではない二つの末端酸素原子
を線分で結び、この線分を底辺としこの底辺から最も離
れた架橋基P内の原子からこの底辺に下ろした垂線の長
さを意味し、アミン距離とは、ジアミノ化合物において
アミノ基が結合した二つの炭素原子を線分で結び、この
線分を底辺とし、式1で示される側鎖の置換位置にある
炭素原子(即ちシクロヘキサン環上の炭素原子であっ
て、同時にポリイミド主鎖を構成する炭素原子)からこ
の底辺へ下ろした垂線の長さを意味するものとする。
【0034】さらにまた本発明は、テトラカルボン酸二
無水物であって、分子内に、酸素原子、硫黄原子、カル
ボニル基、スルフォン基、炭素数1〜3のアルキレン
基、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基、ジメチル
シリレン基、ビス(トリフルオロメチル)シリレン基、
2−(1−トリフルオロメチル)エチレン基、メトキシ
メチレン基から選ばれる架橋基Pを有し、その突き出し
距離が3オングストローム以上5.5オングストローム
以下であるテトラカルボン酸二無水物と、ジアミノ化合
物であって次の式2
【化15】 (式中、L=0〜11、M=1〜3の整数、Rは水素原
子、炭素数l〜11のアルキル基、またはアルコキシ
基、R′は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を示
す。)で示され、その側鎖の長さは15オングストロー
ム以上20オングストローム以下であり、アミン距離が
4.0オングストローム以上4.8オングストローム以下
であるジアミノ化合物とを反応させて、対応するポリア
ミド酸をを形成させ、ついでこのポリアミド酸を縮重合
させる液晶配向膜用のポリイミドを製造する方法にも関
する。
【0035】なお、ここで側鎖の長さとは、式2で示さ
れるジアミノ化合物における次の式1
【化16】 (式中、L,M、およびRは上述した意味を有する)で
示される側鎖の置換位置にある炭素原子(すなわちシク
ロヘキサン環上の炭素原子であって同時にポリイミドの
主鎖を構成する炭素原子)と側鎖の末端の原子との距離
を意味し、また突き出し距離とは、テトラカルボン酸二
無水物においてカルボニル酸素ではない二つの末端酸素
原子を線分で結び、この線分を底辺としこの底辺から最
も離れた架橋基P内の原子からこの底辺に下ろした垂線
の長さを意味し、アミン距離とは、ジアミノ化合物にお
いてアミノ基が結合した二つの炭素原子を線分で結び、
この線分を底辺とし、式1で示される側鎖の置換位置に
ある炭素原子(即ちシクロヘキサン環上の炭素原子であ
って、同時にポリイミド主鎖を構成する炭素原子)から
この底辺へ下ろした垂線の長さを意味するものとする。
【0036】そして本発明は、上記した方法によって得
られたポリイミドから製造された液晶配向膜にも関す
る。
【0037】そしてまた本発明は上記した方法によって
得られたポリイミドから製造された液晶素子にも関す
る。
【0038】さらにまた本発明は、上記の液晶配向膜が
強誘電性液晶配向膜である液晶配向膜にも関する。
【0039】さらにまた本発明は、上記の液晶素子が強
誘電性液晶素子である液晶素子にも関するものである。
【0040】本発明者らは、ポリイミド配向膜の構造単
位イミド化合物またはその原料となる化合物の分子微細
構造に関する情報を用いて、30度以上70度以下のプ
レチルト角を与えるポリイミド液晶配向膜のためのポリ
イミドを見いだすべく研究の結果、次の手法を用いて原
料化合物の分子微細構造を決定し上記した特定のジアミ
ン化合物およびテトラカルボン酸無水物を出発原料とし
て用いることによって30度以上70度以下のプレチル
ト角を与えるポリイミド液晶配向膜のためのポリイミド
が得られることを見出したのである。
【0041】即ち、本発明者らは、理論化学計算プログ
ラムの内、世界中で広く使用されており、パラメーター
もよく整備されている汎用性半経験的分子軌道法計算プ
ログラムパッケージ(MOPAC)、バージョン6(量
子化学プログラム交換機構(QCPE)、第455番、
スチュアート(J.P.Stewartら)を選択して、ポリイ
ミドの単位構造化合物の計算を行った。本発明において
は、ハミルトニアンとして、分子の幾何構造や、双極子
モーメントなどの精度を損なうことなく、生成熱を最も
よく再現すると言われているスチュアート(J.P.Stew
art)、計算化学雑誌(Journal of Computational Chem
istry)、第10巻、209頁、221頁、1989年および第11巻、
543頁1990年)PM3を用いた。
【0042】テトラカルボン酸二無水物類、ジアミノ化
合物類およびその側鎖の構造は、数種類の候補の配座を
個別に最適化して、得られた最適化構造のうち最も低い
エネルギーを与えるものを選んだ。ポリイミドの単位構
造はテトラカルボン酸二無水物部分とジアミン部分の構
造を結合させ、これを最適化し、最安定配座を選んだ。
【0043】まず、液晶がポリイミド主鎖及び側鎖に沿
って並ぶと仮定すると、プレチルト角は主鎖に沿って並
んだ液晶の基板の対する角度、および側鎖に沿って並ん
だ液晶の基板に対する角度の平均と見做される。したが
って主鎖の部分も基板に対して角度を持った方が平均の
プレチルト角を大きくできることが分かる。そこで、ポ
リイミド配向膜において主鎖部分の角度を変化させる方
法を種々検討した結果、ポリイミドを構成するイミド化
合物の立ち上がり角を変化させること、この立ち上がり
角を変化させるにはジアミンおよびテトラカルボン酸二
無水物の部分の構造をかえることが最も有効であること
を、突き止めた。ポリイミドに用いられるテトラカルボ
ン酸二無水物の中には、Λ型に折れ曲がっているものが
ある。ジアミンの構造が直線的のものであれば、酸無水
物のこのΛ型に折れ曲がった角度が鋭角のものの方が、
基板に対して突き出したような形を取ると考えられる。
従って酸無水物の突き出た部分の角度が小さいものの方
が立ち上がり角が大きくなるのでプレチルト角が大きく
なることが分かる。
【0044】次に側鎖についてであるが、直鎖アルキル
側鎖の長さとプレチルト角の関係は、上記した第17回
液晶討論会で述べられているように、直鎖アルキル側鎖
の長さを変えて、プレチルト角が直線的に増加する範囲
では側鎖の長さが1オングストローム増加するとプレチ
ルト角が1度増加する。しかし直鎖アルキル基の側鎖の
場合、長さが12オングストローム以上になると途中で
折れ曲がる側鎖の割合が急激に増加し、炭素数を増やし
てもプレチルト角に寄与しないということが分かってい
る。そこでより剛直な側鎖の構築を試みた。
【0045】すなわち、側鎖の中に剛直と考えられるベ
ンゼン環、シクロヘキサン環を入れ、長さ8〜25オン
グストロームの側鎖の折れ曲がる割合についてシミュレ
ーションを行った。シミュレーションの方法は上述の第
17回液晶討論会予稿集46頁と同様の方法を用いた。
この結果から、ベンゼン環またはシクロヘキサン環の数
を2以上にすると、側鎖の折れ曲がりの割合が著しく減
少することが分かった。
【0046】なお、側鎖の長さについては2種類の主鎖
(折れ曲がりを持たないものと1カ所折れ曲がりを持つ
もの)について、側鎖の長さを変えてプレチルト角を測
定した。この場合、側鎖の長さが短い(10オングスト
ローム以下)の場合、主鎖の折れ曲がり部分の角度を変
えても得られるプレチルト角は主鎖だけで得られる(側
鎖を持たない場合の)プレチルト角(θ主鎖)と、側鎖
だけで得られる(主鎖に折れ曲がりの部分を持たない場
合の)プレチルト角(θ側鎖)の和の値以下であった。 プレチルト角 ≦ (θ主鎖) + (θ側鎖)
【0047】しかし、側鎖の長さを増加して15オング
ストローム以上にすると、主鎖の角度によりプレチルト
角が大きく変化し、その変化の割合は、主鎖だけで得ら
れるプレチルト角(θ主鎖)と、側鎖だけで得られるプ
レチルト角(θ側鎖)の和の値より大きくなり相乗効果
を示した。 プレチルト角 > (θ主鎖) + (θ側鎖)
【0048】以上のことを考慮して、式(1)に示され
る側鎖を有する構造のポリイミドを設計し、これについ
て構造最適化を行い、最安定配座を得た。
【0049】以上から、ジアミン化合物の側鎖の長さお
よびアミン距離、ならびにテトラカルボン酸二無水物の
突き出し距離を規定することにより所望のプレチルト角
を有するポリイミドを得ることができるのを見出したの
である。
【0050】そして本発明による液晶配向膜用のポリイ
ミドを製造するために有用なテトラカルボン酸二無水物
の具体例としては次のようなものが挙げられる。
【0051】
【化17】
【0052】
【化18】
【0053】
【化19】
【0054】
【化20】
【0055】
【化21】
【0056】
【化22】
【0057】
【化23】
【0058】
【化24】
【0059】
【化25】
【0060】
【化26】
【0061】
【化27】
【0062】また本発明による液晶配向膜用のポリイミ
ドを製造するために有用なジアミン化合物の具体例とし
ては次のようなものが挙げられる。
【0063】
【化28】
【0064】
【化29】
【0065】そしてこれらのテトラカルボン酸二無水物
およびジアミン化合物は上記の具体例で示されたものの
中から任意に選択したものを組み合わせで用いることが
できる。また必要によって複数個のテトラカルボン酸二
無水物と一つのジアミン化合物とを組み合わせること
も、一つのテトラカルボン酸二無水物と複数個のジアミ
ン化合物とを組み合わせることも、複数個のテトラカル
ボン酸二無水物と複数個のジアミン化合物とを組み合わ
せることも可能である。
【0066】このようにして本発明によれば上記したテ
トラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物の任意の
組み合わせによって得られるポリイミドはすべて本発明
の範囲に含まれるものであるが、いくつかの具体例を挙
げると次のようなものがある。
【0067】
【化30】
【0068】
【化31】
【0069】
【化32】
【0070】
【化33】
【0071】
【化34】
【0072】
【化35】
【0073】本発明によるポリイミドからなる液晶配向
膜は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との
縮重合によって得られるポリイミド樹脂から構成される
ものである。そして本発明の液晶素子はこの液晶配向膜
を基板上にもうけたものを使用したものである。
【0074】一般にポリイミド樹脂は溶媒に不溶である
ため、この前駆体である、酸無水物とジアミン化合物と
の付加反応によって得られるポリアミド酸を溶媒に溶か
して、基板上に塗布した後、基板上でこのポリアミド酸
を脱水縮合反応させてポリイミド樹脂にする。
【0075】具体的には、酸無水物とジアミン化合物と
の付加物であるポリアミド酸を、N−メチル−2−ピロ
リドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMA
c)、ジメチルフォルムアミド(DMF)、ジメチルス
ルフォキシド(DMSO)、ブチルセロソルブ(B
C)、エチルカルビトール、プロピレングリコールモノ
ブチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール
などの溶媒に溶解し、0.1〜30重量%溶液、好まし
くは1〜10重量%のポリアミド酸溶液を調製し、この
溶液をハケ塗法、浸積法、回転塗布法、スプレー法、印
刷法などにより、基板上に塗布し、この基板上でポリア
ミド酸塗膜を形成する。塗膜が形成された基板は50〜
150℃好ましくは80〜120℃に加熱され、塗膜中
に存在している溶媒を蒸発させた後、150〜400
℃、好ましくは180〜280℃に昇温し、この温度で
加熱処理を行い脱水縮合反応をさせてポリイミド樹脂か
らなる液晶配向膜とする。液晶配向膜と基板との密着性
が十分でない場合は、ポリアミド酸を塗布する前に、基
板表面上をシランカップリング剤で処理しておくと良
い。得られる液晶配向膜は、布などで一定方向にラビン
グして液晶素子に供せられる。
【0076】本発明による液晶素子に使用される基板
は、通常、基板として用いられる板の表面上に電極、具
体的にはITO(酸化インジウム−酸化すず)などの透
明電極が形成されたものである。また、この他に、ガラ
ス基板から溶出するアルカリを防止するための絶縁膜、
カラーフィルター膜、光透過防止膜などをオーバーコー
ト膜として形成してもよい。
【0077】本発明による液晶素子は、このような基板
に配向膜を形成した後、2枚の基板を、内側に配向膜が
来るようにして重ね合わせたセルを作り、セル内に液晶
を注入した後、注入口を封止して得られる。また液晶を
基板上に散布した後、基板を重ね合わせ、液晶が漏れな
いように密封しても得ることができる。注入される液晶
は、特に限定されることはなく、ネマチック液晶、二色
性色素を添加した液晶、強誘電性液晶などの種々の液晶
が使用できる。
【0078】本発明による液晶素子は、高いプレチルト
角を持つので、C1U配向の強誘電性液晶素子に用いる
ことができる。このような液晶配向膜をもちいた本発明
の液晶素子は、液晶配向性はもちろん表示特性も良好で
あり、高いプレチルト角を持たせることも可能である。
そして、本発明による液晶素子は強誘電性液晶素子だけ
でなく、TN、STN、TFT等の通常の液晶素子や、
表面安定化ネマチック液晶素子としても使用可能であ
る。
【0079】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例によって限定して解
釈されるものではない。実施例に示すポリイミドの前駆
体となるポリアミド酸は相当するジアミン化合物と相当
するテトラカルボン酸二無水物とを、窒素気流下で室温
で3時間反応させることによって得た。このポリアミド
酸の対数粘度は、ウベローデ粘度計を用いてNMP溶媒
中で、30℃、0.5g/dlの濃度で測定した。
【0080】この反応液をN−メチルピロリドンとブチ
ルセロソルブの1:1溶媒で実施例1、4では4重量
%、実施例2、3では3重量%に希釈後、ITO付きガ
ラス基板上に回転塗布法(スピンナー法)で塗布し、2
00℃で30分間焼成することにより、膜厚約600オ
ングストロームのポリイミド膜を得た。このポリイミド
の分解温度は示差熱重量同時測定装置(セイコー電子工
業社製TG/DTA−220型)を用い毎分15℃の昇
温速度で測定し重量減少5%の温度を分解点とした。
【0081】プレチルト角測定用のセルは、2枚のポリ
イミド基板の膜面をそれぞれラビング処理し、ラビング
方向がアンチパラレルになるようにセル厚20μmのセ
ルを組み立て、チッソ(株)製ネマチック液晶LIXO
N−5048を封入した。この液晶セルは120℃で3
0分アイソトロピック処理を行った後、室温で放冷し
た。この液晶セルのプレチルト角は磁場静電容量法を用
いて測定した。
【0082】強誘電性液晶の配向状態測定用のセルは、
2枚のポリイミド基板の膜面をそれぞれラビング処理
し、ラビング方向がパラレルになるようにセル厚2μm
のセルを組み立て、チッソ(株)製強誘電性液晶CS−
1031を110℃で注入した後、100℃〜70℃ま
で、1℃/分の割合で、次に室温まで徐冷することによ
り得た。この液晶セルのC1U配向性は、この方法で得
た液晶セルの初期配向(注入後徐冷しただけの状態の配
向を指す。電圧はかけていないー初期配向によりC1U
配向性を示すものの方が電圧をかけてC1T等をC1U
配向に転換させて作ったCIU配向よりも、より安定と
考えられるからである)を、セルの中央の直径1cmの円
形電極部分をクロスニコル下で目視観察して、その面積
内のC1U配向の部分の割合を求めた。
【0083】このようにして得られた本発明のポリイミ
ドおよびこのポリイミドから作られた液晶素子について
の諸性質を、比較例として得られたポリイミドおよびこ
のポリイミドから作られた液晶素子についての諸性質と
対比してつぎの表1及び表2に示す。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【発明の効果】本発明によるポリイミド液晶配向膜は、
強誘電性液晶素子において、C1U配向性に優れてい
る。また短時間の焼成で製造可能で、かつ分解温度も3
50℃上と高く、高温での使用が可能であるほか、ガラ
ス基板への密着性および液晶配向性に優れている。そし
て強誘電性素子だけでなく、TN、STN、MIM、T
FT、及び表面安定化ネマチック液晶素子等にも用いる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】強誘電性液晶のコーン角を示す図。
【図2】強誘電性液晶のコーン角とチルト角との図。
【図3】aおよびbは強誘電性液晶の配向状態の図。
【図4】強誘電性液晶のユニフォーム配向状態の図。
【図5】強誘電性液晶のツイスト配向状態の図。
【図6】強誘電性液晶のウニフォーム配向C1Uおよび
C2U状態の図。
【図7】強誘電性液晶のC1UおよびC2U配向ディレ
クタプロファイルの模式図。
【図8】突き出し距離の説明図。
【図9】アミン距離の説明図。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラカルボン酸二無水物とジアミノ化
    合物とに由来する構造単位を有するポリイミドであっ
    て、このジアミノ化合物は次の式1 【化1】 (式中、L=0〜11、M=1〜3の整数、Rは水素原
    子、炭素数l〜11のアルキル基、またはアルコキシ基
    を示す。)で示される側鎖をその分子内中に置換基とし
    て有し、この側鎖の長さは15オングストローム以上2
    0オングストローム以下であり、かつ テトラカルボン
    酸二無水物は分子内に、酸素原子、硫黄原子、カルボニ
    ル基、スルフォン基、炭素数1〜3のアルキレン基、ビ
    ス(トリフルオロメチル)メチレン基、ジメチルシリレ
    ン基、ビス(トリフルオロメチル)シリレン基、2−
    (1−トリフルオロメチル)エチレン基、メトキシメチ
    レン基から選ばれる架橋基Pを有し、その突き出し距離
    が3オングストローム以上5.5オングストローム以下
    である、液晶配向膜用のポリイミド。なお、ここで側鎖
    の長さとは、式1で示される側鎖の置換位置にある炭素
    原子(すなわちシクロヘキサン環上の炭素原子であって
    同時にポリイミドの主鎖を構成する炭素原子)と側鎖の
    末端の原子との距離を意味し、また、突き出し距離と
    は、テトラカルボン酸二無水物においてカルボニル酸素
    ではない二つの末端酸素原子を線分で結び、この線分を
    底辺としこの底辺から最も離れた架橋基P内の原子から
    この底辺に下ろした垂線の長さを意味するものとする。
  2. 【請求項2】 テトラカルボン酸二無水物とジアミノ化
    合物とに由来する構造単位を有するポリイミドであっ
    て、このジアミノ化合物は次の式1 【化2】 (式中、L=0〜11、M=1〜3の整数、Rは水素原
    子、炭素数l〜11のアルキル基、またはアルコキシ基
    を示す。)で示される側鎖をその分子内中に置換基とし
    て有し、この側鎖の長さは15オングストローム以上2
    0オングストローム以下であり、そのジアミノ化合物の
    アミン距離が4.0オングストローム以上4.8オングス
    トローム以下であり、そしてテトラカルボン酸二無水物
    は分子内に、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スル
    フォン基、炭素数1〜3のアルキレン基、ビス(トリフ
    ルオロメチル)メチレン基、ジメチルシリレン基、ビス
    (トリフルオロメチル)シリレン基、2−(1−トリフ
    ルオロメチル)エチレン基、メトキシメチレン基から選
    ばれる架橋基Pを有し、その突き出し距離が3オングス
    トローム以上5.5オングストローム以下である、液晶
    配向膜用のポリイミド。なお、ここで側鎖の長さとは、
    式1で示される側鎖の置換位置にある炭素原子(すなわ
    ちシクロヘキサン環上の炭素原子であって同時にポリイ
    ミドの主鎖を構成する炭素原子)と側鎖の末端の原子と
    の距離を意味し、また突き出し距離とは、テトラカルボ
    ン酸二無水物においてカルボニル酸素ではない二つの末
    端酸素原子を線分で結び、この線分を底辺としこの底辺
    から最も離れた架橋基P内の原子からこの底辺に下ろし
    た垂線の長さを意味し、アミン距離とは、ジアミノ化合
    物においてアミノ基が結合した二つの炭素原子を線分で
    結び、この線分を底辺とし、式1で示される側鎖の置換
    位置にある炭素原子(即ちシクロヘキサン環上の炭素原
    子であって、同時にポリイミド主鎖を構成する炭素原
    子)からこの底辺へ下ろした垂線の長さを意味するもの
    とする。
  3. 【請求項3】 テトラカルボン酸二無水物とジアミノ化
    合物とに由来する構造単位を有するポリイミドであっ
    て、このジアミノ化合物は次の式2 【化3】 (式中、L=0〜11、M=1〜3の整数、Rは水素原
    子、炭素数l〜11のアルキル基、またはアルコキシ
    基、R′は水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を
    示す。)で示され、その側鎖の長さは15オングストロ
    ーム以上20オングストローム以下でアミン距離が4.
    0オングストローム以上4.8オングストローム以下で
    あり、かつテトラカルボン酸二無水物は分子内に、酸素
    原子、硫黄原子、カルボニル基、スルフォン基、炭素数
    1〜3のアルキレン基、ビス(トリフルオロメチル)メ
    チレン基、ジメチルシリレン基、ビス(トリフルオロメ
    チル)シリレン基、2−(1−トリフルオロメチル)エ
    チレン基、メトキシメチレン基から選ばれる架橋基Pを
    有し、その突き出し距離が3オングストローム以上5.
    5オングストローム以下である、液晶配向膜用のポリイ
    ミド。なお、ここで側鎖の長さとは、式2で示されるジ
    アミノ化合物における次の式1 【化4】 (式中、L、M、およびRは上述した意味を有する)で
    示される側鎖の置換位置にある炭素原子(すなわちシク
    ロヘキサン環上の炭素原子であって同時にポリイミドの
    主鎖を構成する炭素原子)と側鎖の末端の原子との距離
    を意味し、また、突き出し距離とは、テトラカルボン酸
    二無水物においてカルボニル酸素ではない二つの末端酸
    素原子を線分で結び、この線分を底辺としこの底辺から
    最も離れた架橋基P内の原子からこの底辺に下ろした垂
    線の長さを意味し、アミン距離とは、ジアミン化合物に
    おいてアミノ基が結合した2つの炭素原子を線分で結
    び、この線分を底辺とし、式1で示される側鎖の置換位
    置にある炭素原子(即ちシクロヘキサン環上の炭素原子
    であって同時にポリイミド主鎖を構成する炭素原子)か
    らこの底辺へ下ろした垂線の長さを意味するものとす
    る。
  4. 【請求項4】 テトラカルボン酸二無水物であって、分
    子内に、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルフォ
    ン基、炭素数1〜3のアルキレン基、ビス(トリフルオ
    ロメチル)メチレン基、ジメチルシリレン基、ビス(ト
    リフルオロメチル)シリレン基、2−(1−トリフルオ
    ロメチル)エチレン基、メトキシメチレン基から選ばれ
    る架橋基Pを有し、その突き出し距離が3オングストロ
    ーム以上5.5オングストローム以下であるテトラカル
    ボン酸二無水物と、ジアミノ化合物であって次の式1 【化5】 (式中、L=0〜11、M=1〜3の整数、Rは水素原
    子、炭素数l〜11のアルキル基、またはアルコキシ基
    を示す。)で示される側鎖をその分子内中に置換基とし
    て有し、この側鎖の長さは15オングストローム以上2
    0オングストローム以下であるジアミノ化合物とを反応
    させて、対応するポリアミド酸を生成させ、次いでこの
    ポリアミド酸を縮重合させる液晶配向膜用のポリイミド
    を製造する方法。なお、ここで側鎖の長さとは、式1で
    示される側鎖の置換位置にある炭素原子(すなわちシク
    ロヘキサン環上の炭素原子であって同時にポリイミドの
    主鎖を構成する炭素原子)と側鎖の末端の原子との距離
    を意味し、また、突き出し距離とは、テトラカルボン酸
    二無水物においてカルボニル酸素ではない二つの末端酸
    素原子を線分で結び、この線分を底辺としこの底辺から
    最も離れた架橋基P内の原子からこの底辺に下ろした垂
    線の長さを意味するものとする。
  5. 【請求項5】 テトラカルボン酸二無水物であって、分
    子内に、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルフォ
    ン基、炭素数1〜3のアルキレン基、ビス(トリフルオ
    ロメチル)メチレン基、ジメチルシリレン基、ビス(ト
    リフルオロメチル)シリレン基、2−(1−トリフルオ
    ロメチル)エチレン基、メトキシメチレン基から選ばれ
    る架橋基Pを有し、その突き出し距離が3オングストロ
    ーム以上5.5オングストローム以下であるテトラカル
    ボン酸二無水物と、ジアミノ化合物であって次の式1 【化6】 (式中、L=0〜11、M=1〜3の整数、Rは水素原
    子、炭素数l〜11のアルキル基、またはアルコキシ基
    を示す。)で示される側鎖をその分子内中に置換基とし
    て有し、この側鎖の長さは15オングストローム以上2
    0オングストローム以下であり、かつこのジアミノ化合
    物におけるアミン距離が4.0オングストローム以上4.
    8オングストローム以下であるジアミン化合物とを反応
    させて、対応するポリアミド酸をを形成させ、ついでこ
    のポリアミド酸を縮重合させる液晶配向膜用のポリイミ
    ドを製造する方法。なお、ここで側鎖の長さとは、式1
    で示される側鎖の置換位置にある炭素原子(すなわちシ
    クロヘキサン環上の炭素原子であって同時にポリイミド
    の主鎖を構成する炭素原子)と側鎖の末端の原子との距
    離を意味し、また突き出し距離とは、テトラカルボン酸
    二無水物においてカルボニル酸素ではない二つの末端酸
    素原子を線分で結び、この線分を底辺としこの底辺から
    最も離れた架橋基P内の原子からこの底辺に下ろした垂
    線の長さを意味し、アミン距離とは、ジアミノ化合物に
    おいてアミノ基が結合した二つの炭素原子を線分で結
    び、この線分を底辺とし、式1で示される側鎖の置換位
    置にある炭素原子(即ちシクロヘキサン環上の炭素原子
    であって、同時にポリイミド主鎖を構成する炭素原子)
    からこの底辺へ下ろした垂線の長さを意味するものとす
    る。
  6. 【請求項6】 テトラカルボン酸二無水物であって、分
    子内に、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルフォ
    ン基、炭素数1〜3のアルキレン基、ビス(トリフルオ
    ロメチル)メチレン基、ジメチルシリレン基、ビス(ト
    リフルオロメチル)シリレン基、2−(1−トリフルオ
    ロメチル)エチレン基、メトキシメチレン基から選ばれ
    る架橋基Pを有し、その突き出し距離が3オングストロ
    ーム以上5.5オングストローム以下であるテトラカル
    ボン酸二無水物と、ジアミノ化合物であって次の式2 【化7】 (式中、L=0〜11、M=1〜3の整数、Rは水素原
    子、炭素数l〜11のアルキル基、またはアルコキシ
    基、R′は水素原子、炭素数1〜3のアルキル基を示
    す。)で示され、その側鎖の長さは15オングストロー
    ム以上20オングストローム以下であり、アミン距離が
    4.0オングストローム以上4.8オングストローム以下
    であるジアミン化合物とを反応させて、対応するポリア
    ミド酸をを形成させ、ついでこのポリアミド酸を縮重合
    させる液晶配向膜用のポリイミドを製造する方法。な
    お、ここで側鎖の長さとは、式2で示されるジアミノ化
    合物における次の式1 【化8】 (式中、L、M、およびRは上述した意味を有する)で
    示される側鎖の置換位置にある炭素原子(すなわちシク
    ロヘキサン環上の炭素原子であって同時にポリイミドの
    主鎖を構成する炭素原子)と側鎖の末端の原子との距離
    を意味し、また突き出し距離とは、テトラカルボン酸二
    無水物においてカルボニル酸素ではない二つの末端酸素
    原子を線分で結び、この線分を底辺としこの底辺から最
    も離れた架橋基P内の原子からこの底辺に下ろした垂線
    の長さを意味し、アミン距離とは、ジアミノ化合物にお
    いてアミノ基が結合した二つの炭素原子を線分で結び、
    この線分を底辺とし、式1で示される側鎖の置換位置に
    ある炭素原子(即ちシクロヘキサン環上の炭素原子であ
    って、同時にポリイミド主鎖を構成する炭素原子)から
    この底辺へ下ろした垂線の長さを意味するものとする。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれか1項に記載の方
    法によって得られたポリイミドから製造された液晶配向
    膜。
  8. 【請求項8】 請求項4〜6のいずれか1項に記載の方
    法によって得られたポリイミドから製造された液晶素
    子。
  9. 【請求項9】 液晶配向膜が強誘電性液晶配向膜である
    請求項7に記載の液晶配向膜。
  10. 【請求項10】 液晶素子が強誘電性液晶素子である請
    求項8に記載の液晶素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101096690B1 (ko) * 2005-06-10 2011-12-22 엘지디스플레이 주식회사 액정표시소자
JP2013136575A (ja) * 2011-12-22 2013-07-11 Daxin Material Corp ジアニリンに基づく化合物、ならびにポリアミド酸組成物、ポリイミド組成物、およびそれらから形成された液晶配向剤

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