JPH08243383A - 疎水性脱臭材およびその再生方法 - Google Patents
疎水性脱臭材およびその再生方法Info
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- JPH08243383A JPH08243383A JP7079527A JP7952795A JPH08243383A JP H08243383 A JPH08243383 A JP H08243383A JP 7079527 A JP7079527 A JP 7079527A JP 7952795 A JP7952795 A JP 7952795A JP H08243383 A JPH08243383 A JP H08243383A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高湿度環境下においても処理ガス中の水分に
影響されず脱臭処理能力を発揮し、加熱再生することに
より脱臭性能が回復できる疎水性脱臭材及び該疎水性脱
臭材の再生方法の提供。 【構成】 担体、その上に形成されたシリカ/アルミナ
の比が少なくとも100以上である疎水性ゼオライトか
らなる吸着層、およびそれに担持された二酸化マンガン
と銅酸化物よりなる触媒成分、からなることを特徴とす
る疎水性脱臭材及び使用後のそれを100〜500℃に
加熱処理することによる該疎水性脱臭材の再生方法。
影響されず脱臭処理能力を発揮し、加熱再生することに
より脱臭性能が回復できる疎水性脱臭材及び該疎水性脱
臭材の再生方法の提供。 【構成】 担体、その上に形成されたシリカ/アルミナ
の比が少なくとも100以上である疎水性ゼオライトか
らなる吸着層、およびそれに担持された二酸化マンガン
と銅酸化物よりなる触媒成分、からなることを特徴とす
る疎水性脱臭材及び使用後のそれを100〜500℃に
加熱処理することによる該疎水性脱臭材の再生方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厨芥(生ゴミ)を加熱
もしくは発酵処理するときに発生する種々の悪臭物質を
吸着分解除去するための、高湿度環境下においても高い
脱臭処理能力を発揮する疎水性脱臭材に関し、さらにそ
の加熱再生処理方法に関する。
もしくは発酵処理するときに発生する種々の悪臭物質を
吸着分解除去するための、高湿度環境下においても高い
脱臭処理能力を発揮する疎水性脱臭材に関し、さらにそ
の加熱再生処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】家庭用あるいは、業務用の各種の厨房等
から排出される厨芥(生ゴミ)を加熱処理もしくは発酵
処理するときに、悪臭が生じる。そのような悪臭物質と
して、アンモニア、アミン類などの窒素化合物、アルコ
ール類、アルデヒド類、例えば酢酸のような有機酸類や
硫化水素、メルカプタン、ジメチルサルファイド、ジメ
チルジサルファイドのような硫黄化合物類等種々の物質
を挙げることができる。
から排出される厨芥(生ゴミ)を加熱処理もしくは発酵
処理するときに、悪臭が生じる。そのような悪臭物質と
して、アンモニア、アミン類などの窒素化合物、アルコ
ール類、アルデヒド類、例えば酢酸のような有機酸類や
硫化水素、メルカプタン、ジメチルサルファイド、ジメ
チルジサルファイドのような硫黄化合物類等種々の物質
を挙げることができる。
【0003】従来から、吸着脱臭剤や触媒を用いてこれ
らの悪臭物質を除去することが種々提案されてきた。
らの悪臭物質を除去することが種々提案されてきた。
【0004】例えば、特開平6−711168号公報に
は、Al2O3を20乃至65重量%、SiO2を5乃至
55重量%、マンガン酸化物をMnOに換算して5乃至
50重量%、銅酸化物をCuOに換算して2乃至50重
量%含有する成形体により構成されていることを特徴と
する脱臭材が開示されている。さらに、セラミック担体
にこれらの材料を被着できることも教示されており、冷
蔵庫内で発生する種々の臭気を除去することができ、特
に硫化メチルについても高効率で除去することができる
脱臭材であると述べられている。
は、Al2O3を20乃至65重量%、SiO2を5乃至
55重量%、マンガン酸化物をMnOに換算して5乃至
50重量%、銅酸化物をCuOに換算して2乃至50重
量%含有する成形体により構成されていることを特徴と
する脱臭材が開示されている。さらに、セラミック担体
にこれらの材料を被着できることも教示されており、冷
蔵庫内で発生する種々の臭気を除去することができ、特
に硫化メチルについても高効率で除去することができる
脱臭材であると述べられている。
【0005】特開平6−26671号公報には、モノリ
ス型触媒成形体構成部全体にクロム、ニッケル、鉄、コ
バルト、銅、亜鉛、マンガン、の非貴金属、あるいは、
貴金属から選択される遷移金属及び/又はその酸化物よ
りなる触媒を20〜80WT%、SiO2を10〜65
WT%、Al2O3を0.2〜15WT%、MgOを1〜
25WT%含有させた触媒成形体が開示されており、経
時的な圧力損失の上昇を招くことのないモノリス型にお
いて、経時的な触媒活性性能低下を防止し、常に安定し
た品質を保つと記載されている。
ス型触媒成形体構成部全体にクロム、ニッケル、鉄、コ
バルト、銅、亜鉛、マンガン、の非貴金属、あるいは、
貴金属から選択される遷移金属及び/又はその酸化物よ
りなる触媒を20〜80WT%、SiO2を10〜65
WT%、Al2O3を0.2〜15WT%、MgOを1〜
25WT%含有させた触媒成形体が開示されており、経
時的な圧力損失の上昇を招くことのないモノリス型にお
いて、経時的な触媒活性性能低下を防止し、常に安定し
た品質を保つと記載されている。
【0006】特開平7−16465号公報には、二酸化
マンガンを10乃至70重量%、活性炭及び/又は活性
炭繊維を25乃至85重量%、銅、鉄、ニッケル、コバ
ルト、バナジウム、白金及び金の各酸化物からなる群か
ら選択された少なくとも1種以上の酸化物を3乃至20
重量%含有することを特徴とする脱臭部材が開示されて
おり脱臭部材からの二次的な悪臭の発生を伴うことなく
優れた脱臭性能を発揮すると記載されている。しかしな
がら、使用して脱臭性能が低下した脱臭部材を再生処理
し繰り返し使用する方法については、言及されていな
い。
マンガンを10乃至70重量%、活性炭及び/又は活性
炭繊維を25乃至85重量%、銅、鉄、ニッケル、コバ
ルト、バナジウム、白金及び金の各酸化物からなる群か
ら選択された少なくとも1種以上の酸化物を3乃至20
重量%含有することを特徴とする脱臭部材が開示されて
おり脱臭部材からの二次的な悪臭の発生を伴うことなく
優れた脱臭性能を発揮すると記載されている。しかしな
がら、使用して脱臭性能が低下した脱臭部材を再生処理
し繰り返し使用する方法については、言及されていな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来、吸着剤として
は、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライトな
どが用いられることが知られており、上述したように種
々の脱臭材も本出願前に提案されており、アルミナ、シ
リカ、マンガン酸化物および銅酸化物を組み合わせた脱
臭材も本出願前に知られている。
は、活性炭、活性アルミナ、シリカゲル、ゼオライトな
どが用いられることが知られており、上述したように種
々の脱臭材も本出願前に提案されており、アルミナ、シ
リカ、マンガン酸化物および銅酸化物を組み合わせた脱
臭材も本出願前に知られている。
【0008】しかしながら、生ゴミ処理は、多量の水分
の発生を伴うため従来の吸着脱臭剤では、これらの大量
な水分に対応できず急速に吸着能を失い十分な脱臭処理
効果を発揮できないできた。したがって、この高湿度環
境下においても高い脱臭処理能力を維持できる疎水性脱
臭材の開発が要望されている。
の発生を伴うため従来の吸着脱臭剤では、これらの大量
な水分に対応できず急速に吸着能を失い十分な脱臭処理
効果を発揮できないできた。したがって、この高湿度環
境下においても高い脱臭処理能力を維持できる疎水性脱
臭材の開発が要望されている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、生ゴミ処理中
に発生する悪臭物質を吸着および反応によって常温で脱
臭処理するためには、物理吸着、化学吸着およびスイー
トニング等の反応を有効に利用する触媒が不可欠である
ことを見いだし、さらに、高湿度環境下においても処理
ガス中の水分に影響されず脱臭処理能力を発揮し、加熱
再生することにより脱臭性能が回復できる疎水性脱臭材
の開発に成功した。
問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、生ゴミ処理中
に発生する悪臭物質を吸着および反応によって常温で脱
臭処理するためには、物理吸着、化学吸着およびスイー
トニング等の反応を有効に利用する触媒が不可欠である
ことを見いだし、さらに、高湿度環境下においても処理
ガス中の水分に影響されず脱臭処理能力を発揮し、加熱
再生することにより脱臭性能が回復できる疎水性脱臭材
の開発に成功した。
【0010】すなわち、本発明は、担体、その上に形成
されたシリカ/アルミナの比が少なくとも100以上で
ある疎水性ゼオライトからなる吸着層、およびそれに担
持された二酸化マンガンと銅酸化物よりなる触媒成分、
からなることを特徴とする疎水性脱臭材に関する。
されたシリカ/アルミナの比が少なくとも100以上で
ある疎水性ゼオライトからなる吸着層、およびそれに担
持された二酸化マンガンと銅酸化物よりなる触媒成分、
からなることを特徴とする疎水性脱臭材に関する。
【0011】また、本発明は、担体、その上に形成され
たシリカ/アルミナの比が少なくとも100以上である
疎水性ゼオライトからなる吸着層、およびそれに担持さ
れた二酸化マンガンと銅酸化物よりなる触媒成分、から
なる疎水性脱臭材を、150〜500℃の温度で加熱再
生処理することを特徴とする前記疎水性脱臭材の再生方
法に関する。
たシリカ/アルミナの比が少なくとも100以上である
疎水性ゼオライトからなる吸着層、およびそれに担持さ
れた二酸化マンガンと銅酸化物よりなる触媒成分、から
なる疎水性脱臭材を、150〜500℃の温度で加熱再
生処理することを特徴とする前記疎水性脱臭材の再生方
法に関する。
【0012】本発明の疎水性脱臭材の一つの成分は、担
体であり、担体材料としては、特に制限はないが、通常
多孔質担体を使用し、反応ガスが流通可能であって圧力
損失の少ない担体であることが好ましい。例えば、コー
ジライト、アルミナ、シリカアルミナ、チタニアシリ
カ、ゼオライト、セピオライト、ゼオライト−セピオラ
イト混合物等の無機質担体が適している。担体は、ハニ
カム状、スポンジ状、マット状、織布状、板状、円筒状
あるいは粒状等の形状をとることができるが、特に反応
ガスの流通が容易なハニカム構造体もしくは三次元網状
構造体が好ましい。ハニカムのセル形状は任意であり、
三角、四角、五角、六角などの多角形状やコルゲート状
などの形状をとることができる。例えば、特公昭59−
15028号公報に提案されているようなセラミック繊
維の集合体(ハニクル担体)、すなわち、珪酸ゲルによ
り互いに結合されているシリカ繊維、アルミナ繊維、ア
ルミノシリケート繊維、ジルコニア繊維などの無機質繊
維から選択されるセラミック繊維のシート状集合体をハ
ニカム状に積層して構成されるハニカム構造体が、圧力
損失も少なく幾何学的表面積も大きくかつ高い含水率を
有するため活性成分を多く担持させることができるので
特に好ましい。
体であり、担体材料としては、特に制限はないが、通常
多孔質担体を使用し、反応ガスが流通可能であって圧力
損失の少ない担体であることが好ましい。例えば、コー
ジライト、アルミナ、シリカアルミナ、チタニアシリ
カ、ゼオライト、セピオライト、ゼオライト−セピオラ
イト混合物等の無機質担体が適している。担体は、ハニ
カム状、スポンジ状、マット状、織布状、板状、円筒状
あるいは粒状等の形状をとることができるが、特に反応
ガスの流通が容易なハニカム構造体もしくは三次元網状
構造体が好ましい。ハニカムのセル形状は任意であり、
三角、四角、五角、六角などの多角形状やコルゲート状
などの形状をとることができる。例えば、特公昭59−
15028号公報に提案されているようなセラミック繊
維の集合体(ハニクル担体)、すなわち、珪酸ゲルによ
り互いに結合されているシリカ繊維、アルミナ繊維、ア
ルミノシリケート繊維、ジルコニア繊維などの無機質繊
維から選択されるセラミック繊維のシート状集合体をハ
ニカム状に積層して構成されるハニカム構造体が、圧力
損失も少なく幾何学的表面積も大きくかつ高い含水率を
有するため活性成分を多く担持させることができるので
特に好ましい。
【0013】本発明の疎水性脱臭材のもう一つの成分
は、悪臭物質の吸着層を構成する疎水性(耐水性)に優
れたゼオライトである。
は、悪臭物質の吸着層を構成する疎水性(耐水性)に優
れたゼオライトである。
【0014】本発明で使用できる疎水性ゼオライトは、
チャバザイト、モルデナイト、エリオナイト、フォージ
ャサイトおよびクリノプチロライトなどの天然のゼオラ
イト、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトY、ゼ
オライトL、ゼオライトオメガおよびZSM−5などの
合成ゼオライトなどをシリカ/アルミナの比が少なくと
も100になるように脱アルミナ処理したものが好まし
い。
チャバザイト、モルデナイト、エリオナイト、フォージ
ャサイトおよびクリノプチロライトなどの天然のゼオラ
イト、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトY、ゼ
オライトL、ゼオライトオメガおよびZSM−5などの
合成ゼオライトなどをシリカ/アルミナの比が少なくと
も100になるように脱アルミナ処理したものが好まし
い。
【0015】さらに好ましくは、アルミナを殆ど含まな
い結晶性シリカである。即ちシリカライトであり、シリ
カライトがもっとも好ましい。シリカライトはアルミナ
を殆ど含まないためにイオン交換能が非常に小さく、ま
た疎水性でかつ親有機性である。代表的なシリカライト
は以下の組成式: R2O:0〜1.5M2O:<0.05Al2O3:40〜7
0SiO2 (式中、Rはテトラエチルアンモニウムイオンを表し、
Mはアルカリ金属陽イオンを表す。)により示される。
このシリカライトは焼成により熱分解させて有機陽イオ
ンを除去することもできる。本発明においては焼成前の
シリカライトでも、あるいは焼成後のシリカライトでも
使用できる。このようにシリカライトはアルミナを含ま
ないが、実際には製造時に原料中に含まれる不純物とし
てのアルミナが最終生成物であるシリカライトに残留す
る可能性がある。このような少量のアルミナはシリカラ
イトの性質に影響を与えない。本発明において使用する
ことのできる好ましいシリカライトは、シリカ/アルミ
ナの比が少なくとも100、通常は150以上、好まし
くは250以上のものである。シリカライトの製造およ
び性質に関する詳細は、特開昭54−72795号公
報、特公昭56−40084号公報、および1978年
2月9日発行のNature、第271巻、第5645
号、512〜516頁の「シリカライト、新規な疎水性
結晶性シリカモレキュラーシーブ」に記載されている。
い結晶性シリカである。即ちシリカライトであり、シリ
カライトがもっとも好ましい。シリカライトはアルミナ
を殆ど含まないためにイオン交換能が非常に小さく、ま
た疎水性でかつ親有機性である。代表的なシリカライト
は以下の組成式: R2O:0〜1.5M2O:<0.05Al2O3:40〜7
0SiO2 (式中、Rはテトラエチルアンモニウムイオンを表し、
Mはアルカリ金属陽イオンを表す。)により示される。
このシリカライトは焼成により熱分解させて有機陽イオ
ンを除去することもできる。本発明においては焼成前の
シリカライトでも、あるいは焼成後のシリカライトでも
使用できる。このようにシリカライトはアルミナを含ま
ないが、実際には製造時に原料中に含まれる不純物とし
てのアルミナが最終生成物であるシリカライトに残留す
る可能性がある。このような少量のアルミナはシリカラ
イトの性質に影響を与えない。本発明において使用する
ことのできる好ましいシリカライトは、シリカ/アルミ
ナの比が少なくとも100、通常は150以上、好まし
くは250以上のものである。シリカライトの製造およ
び性質に関する詳細は、特開昭54−72795号公
報、特公昭56−40084号公報、および1978年
2月9日発行のNature、第271巻、第5645
号、512〜516頁の「シリカライト、新規な疎水性
結晶性シリカモレキュラーシーブ」に記載されている。
【0016】吸着層の担体への担持量は、疎水性脱臭材
に対して15〜40重量%、好ましくは、20〜35重
量%、さらに好ましくは、25〜30重量%であり、1
5重量%より少ない担持量では、悪臭成分の吸着効果が
乏しく、40重量%を越えるものは、担持用のスラリー
溶液の調製が困難になるのみならず、強度が得られず吸
着層が剥離しやすい。
に対して15〜40重量%、好ましくは、20〜35重
量%、さらに好ましくは、25〜30重量%であり、1
5重量%より少ない担持量では、悪臭成分の吸着効果が
乏しく、40重量%を越えるものは、担持用のスラリー
溶液の調製が困難になるのみならず、強度が得られず吸
着層が剥離しやすい。
【0017】本発明の疎水性脱臭材の更なるもう一つの
成分は、触媒成分であり、二酸化マンガンと銅酸化物と
により構成される。二酸化マンガンと銅酸化物は、それ
ぞれ単独の酸化物として担持しても良く、あるいは複合
酸化物の形で担持してもよい。二酸化マンガンの担持量
は、疎水性脱臭材に対してMnO2換算で5〜25重量
%、好ましくは、10〜20重量%である。5重量%未
満では、脱臭効果が期待できず、25重量%を越えるも
のは、担持し難く、また、強度が得られず剥離しやす
い。銅酸化物の担持量は、疎水性脱臭材に対してCuO
換算で2〜20重量%、好ましくは、3〜15重量%、
さらに好ましくは、3〜10重量%である。2重量%未
満では、脱臭効果が期待できず、20重量%を越えるも
のは、担持し難く、また、強度が得られず剥離しやす
い。
成分は、触媒成分であり、二酸化マンガンと銅酸化物と
により構成される。二酸化マンガンと銅酸化物は、それ
ぞれ単独の酸化物として担持しても良く、あるいは複合
酸化物の形で担持してもよい。二酸化マンガンの担持量
は、疎水性脱臭材に対してMnO2換算で5〜25重量
%、好ましくは、10〜20重量%である。5重量%未
満では、脱臭効果が期待できず、25重量%を越えるも
のは、担持し難く、また、強度が得られず剥離しやす
い。銅酸化物の担持量は、疎水性脱臭材に対してCuO
換算で2〜20重量%、好ましくは、3〜15重量%、
さらに好ましくは、3〜10重量%である。2重量%未
満では、脱臭効果が期待できず、20重量%を越えるも
のは、担持し難く、また、強度が得られず剥離しやす
い。
【0018】悪臭物質の一つであるメルカプタンは、吸
着層に殆ど物理吸着されることはなく、物理吸着による
脱臭は実質上不可能である。しかしながら二酸化マンガ
ンと銅酸化物とにより構成される触媒成分によって臭気
強度が低いジメチルジサルファイドに変換され、変換さ
れたジメチルジサルファイドは、吸着層によって容易に
吸着除去される。
着層に殆ど物理吸着されることはなく、物理吸着による
脱臭は実質上不可能である。しかしながら二酸化マンガ
ンと銅酸化物とにより構成される触媒成分によって臭気
強度が低いジメチルジサルファイドに変換され、変換さ
れたジメチルジサルファイドは、吸着層によって容易に
吸着除去される。
【0019】生ゴミ処理によって生ずるエチルアルコー
ルやアセトアルデヒドは、それ自体は臭気強度は低い
が、脱臭材に吸着された後、時間の経過に伴い反応して
酢酸に変わる。酢酸は、臭気強度が高く少量であっても
強い悪臭を発生する。酢酸は、吸着層における物理吸着
では不十分であって、本発明の触媒成分による化学吸着
による脱臭が必要である。
ルやアセトアルデヒドは、それ自体は臭気強度は低い
が、脱臭材に吸着された後、時間の経過に伴い反応して
酢酸に変わる。酢酸は、臭気強度が高く少量であっても
強い悪臭を発生する。酢酸は、吸着層における物理吸着
では不十分であって、本発明の触媒成分による化学吸着
による脱臭が必要である。
【0020】脱臭処理を継続して行うことによって悪臭
物質が物理吸着もしくは化学吸着により本発明の疎水性
脱臭材に吸蔵され脱臭性能が低下する。この脱臭性能が
低下した疎水性脱臭材を、150〜500℃、好ましく
は、200〜350℃、さらに好ましくは、250〜3
00℃の温度で加熱再生処理することで脱臭性能を回復
させることができ、脱臭性能が低下した脱臭材の加熱再
生処理が可能であることが判明した。再生温度は、15
0℃未満では、十分に臭いがとれず、500℃を超える
温度では、触媒成分が形態変化を起こしたり担体にも悪
影響が出る。また、余分の熱エネルギーが必要となり経
済的にも不利である。悪臭物質の一つであるアンモニア
は、加熱再生処理することにより窒素と水に分解され
る。このとき触媒成分である二酸化マンガンと銅酸化物
は、脱硝触媒としても有効に作用し有害なNOxは、殆
ど生成されない。他の悪臭物質の一つである酢酸および
他の悪臭を有する炭化水素類は、水と二酸化炭素に酸化
分解される。
物質が物理吸着もしくは化学吸着により本発明の疎水性
脱臭材に吸蔵され脱臭性能が低下する。この脱臭性能が
低下した疎水性脱臭材を、150〜500℃、好ましく
は、200〜350℃、さらに好ましくは、250〜3
00℃の温度で加熱再生処理することで脱臭性能を回復
させることができ、脱臭性能が低下した脱臭材の加熱再
生処理が可能であることが判明した。再生温度は、15
0℃未満では、十分に臭いがとれず、500℃を超える
温度では、触媒成分が形態変化を起こしたり担体にも悪
影響が出る。また、余分の熱エネルギーが必要となり経
済的にも不利である。悪臭物質の一つであるアンモニア
は、加熱再生処理することにより窒素と水に分解され
る。このとき触媒成分である二酸化マンガンと銅酸化物
は、脱硝触媒としても有効に作用し有害なNOxは、殆
ど生成されない。他の悪臭物質の一つである酢酸および
他の悪臭を有する炭化水素類は、水と二酸化炭素に酸化
分解される。
【0021】さらに、悪臭物質の一つであるメルカプタ
ンは、臭気強度の低いジメチルジサルファイドに変換さ
れ吸蔵されているが、このジメチルジサルファイドは、
加熱再生処理によって一酸化硫黄と二酸化硫黄に分解さ
れる。この加熱再生処理によって生成する一酸化硫黄と
二酸化硫黄は、本発明の疎水性脱臭材に吸蔵され脱臭材
から放出されない。すなわち、有害なSOxが放出され
ないため環境が汚染されることがない。一酸化硫黄と二
酸化硫黄の吸蔵によって酸化性能は、多少低下するもの
の本来の脱臭性能は、殆ど影響を受けない。
ンは、臭気強度の低いジメチルジサルファイドに変換さ
れ吸蔵されているが、このジメチルジサルファイドは、
加熱再生処理によって一酸化硫黄と二酸化硫黄に分解さ
れる。この加熱再生処理によって生成する一酸化硫黄と
二酸化硫黄は、本発明の疎水性脱臭材に吸蔵され脱臭材
から放出されない。すなわち、有害なSOxが放出され
ないため環境が汚染されることがない。一酸化硫黄と二
酸化硫黄の吸蔵によって酸化性能は、多少低下するもの
の本来の脱臭性能は、殆ど影響を受けない。
【0022】ところで、加熱再生処理において、脱臭材
の温度が、触媒成分の活性温度(約150℃以上)に到
達する前に、脱臭材に吸蔵されている悪臭物質のうちに
は、脱着して放出されるものがある。触媒成分が活性温
度に到達する前に脱臭材から放出されるこれらの悪臭物
質ならびに脱臭材の触媒成分によって分解されなかった
有害成分を含む加熱再生処理排ガスを100〜500
℃、好ましくは250〜300℃の活性温度に加熱され
た酸化触媒によって酸化分解処理することが好ましい。
酸化触媒の代表的な活性成分は、白金族金属、好ましく
は低温でも活性の高い白金である。硫黄化合物は、白金
触媒には触媒毒として作用し好ましくない。したがっ
て、加熱再生処理によって生成する一酸化硫黄と二酸化
硫黄を放出しない本発明の疎水性脱臭材は、白金族触媒
と組み合わせて使用しても白金族触媒の触媒活性を低下
させない優れた効果を有する。
の温度が、触媒成分の活性温度(約150℃以上)に到
達する前に、脱臭材に吸蔵されている悪臭物質のうちに
は、脱着して放出されるものがある。触媒成分が活性温
度に到達する前に脱臭材から放出されるこれらの悪臭物
質ならびに脱臭材の触媒成分によって分解されなかった
有害成分を含む加熱再生処理排ガスを100〜500
℃、好ましくは250〜300℃の活性温度に加熱され
た酸化触媒によって酸化分解処理することが好ましい。
酸化触媒の代表的な活性成分は、白金族金属、好ましく
は低温でも活性の高い白金である。硫黄化合物は、白金
触媒には触媒毒として作用し好ましくない。したがっ
て、加熱再生処理によって生成する一酸化硫黄と二酸化
硫黄を放出しない本発明の疎水性脱臭材は、白金族触媒
と組み合わせて使用しても白金族触媒の触媒活性を低下
させない優れた効果を有する。
【0023】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定され
るものではない。
するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定され
るものではない。
【0024】1.吸着層の調製 (1)シリカライト吸着層 40.0Kgの日産化学工業社製のスノーテックス(S
iO2として20重量%含有)を27.5Kgのイオン
交換水に加えてバインダー溶液を調製し、このバインダ
ー溶液に、46Kgのシリカ/アルミナの比が400以
上のUOP社製PURASIV−420をプロペラ撹拌
機で撹拌しながら投入して、固形分が47.5重量%の
スラリー溶液(SiO2:7.0重量%、シリカライ
ト:40.5重量%)113.5Kgを作成した。セラ
ミック繊維の集合体であるニチアス社製ハニクル担体
(600セル、寸法230mm×90mm×20mm)
に上述のスラリー溶液を振りかけ、余剰のスラリーを空
気を吹き付けて除去した後、150℃の温度で3時間乾
燥した。乾燥した担体を380℃の温度で1時間焼成
し、担体1リットル当り130gの固形分(シリカライ
トを110g/リットル含有)をコーティングした吸着
担体Aを作成した。
iO2として20重量%含有)を27.5Kgのイオン
交換水に加えてバインダー溶液を調製し、このバインダ
ー溶液に、46Kgのシリカ/アルミナの比が400以
上のUOP社製PURASIV−420をプロペラ撹拌
機で撹拌しながら投入して、固形分が47.5重量%の
スラリー溶液(SiO2:7.0重量%、シリカライ
ト:40.5重量%)113.5Kgを作成した。セラ
ミック繊維の集合体であるニチアス社製ハニクル担体
(600セル、寸法230mm×90mm×20mm)
に上述のスラリー溶液を振りかけ、余剰のスラリーを空
気を吹き付けて除去した後、150℃の温度で3時間乾
燥した。乾燥した担体を380℃の温度で1時間焼成
し、担体1リットル当り130gの固形分(シリカライ
トを110g/リットル含有)をコーティングした吸着
担体Aを作成した。
【0025】(2)モルデナイトゼオライト吸着層 450gの日産化学工業社製のスノーテックス(SiO
2として20重量%含有)を950gのイオン交換水に
加えてバインダー溶液を調製し、このバインダー溶液
に、600gのシリカ/アルミナの比が11のUOP社
製LZM−5モルデナイトゼオライトをプロペラ撹拌機
で撹拌しながら投入して、固形分が34.5重量%のス
ラリー溶液(SiO2:4.5重量%、モルデナイトゼ
オライト:30.0重量%)2000gを作成した。こ
のスラリー溶液を同様にニチアス社製ハニクル担体(6
00セル、寸法230mm×90mm×20mm)に振
りかけ、余剰のスラリーを空気を吹き付けて除去した
後、150℃の温度で3時間乾燥し、乾燥した担体を3
80℃の温度で1時間焼成して、担体1リットル当り9
0gの固形分(モルデナイトゼオライトを78g/リッ
トル含有)をコーティングした吸着担体Bを作成した。
2として20重量%含有)を950gのイオン交換水に
加えてバインダー溶液を調製し、このバインダー溶液
に、600gのシリカ/アルミナの比が11のUOP社
製LZM−5モルデナイトゼオライトをプロペラ撹拌機
で撹拌しながら投入して、固形分が34.5重量%のス
ラリー溶液(SiO2:4.5重量%、モルデナイトゼ
オライト:30.0重量%)2000gを作成した。こ
のスラリー溶液を同様にニチアス社製ハニクル担体(6
00セル、寸法230mm×90mm×20mm)に振
りかけ、余剰のスラリーを空気を吹き付けて除去した
後、150℃の温度で3時間乾燥し、乾燥した担体を3
80℃の温度で1時間焼成して、担体1リットル当り9
0gの固形分(モルデナイトゼオライトを78g/リッ
トル含有)をコーティングした吸着担体Bを作成した。
【0026】2.含浸溶液の調製 (1)硝酸マンガン溶液 Mnに換算して15.4重量%を含有する田中化学社製
硝酸マンガン溶液〔Mn(NO3)2として50重量%含
有〕を使用した。 (2)硝酸銅溶液 500gの硝酸銅〔Cu(NO3)2・3H2O〕の結晶
にイオン交換水354gを加え溶解しCuに換算して1
5.4重量%を含有する硝酸銅溶液を調製した。 (3)硝酸マンガン・硝酸銅溶液A 600gの前記硝酸マンガン溶液(Mnに換算して1
5.4重量%含有)と、200gの前記硝酸銅溶液(C
uに換算して15.4重量%含有)とを混合して、Mn
に換算して11.5重量%、Cuに換算して3.85重
量%を含有する硝酸マンガン・硝酸銅溶液(Mn:Cu
重量比=3:1)を調製した。 (4)硝酸マンガン・硝酸銅溶液B 600gの前記15.4%の硝酸マンガン溶液に、11
7gの硝酸銅〔Cu(NO3)2・3H2O〕の結晶を加
え溶解して、Mnに換算して12.9重量%、Cuに換
算して4.29重量%を含有する硝酸マンガン・硝酸銅
溶液(Mn:Cu重量比=3:1)を調製した。
硝酸マンガン溶液〔Mn(NO3)2として50重量%含
有〕を使用した。 (2)硝酸銅溶液 500gの硝酸銅〔Cu(NO3)2・3H2O〕の結晶
にイオン交換水354gを加え溶解しCuに換算して1
5.4重量%を含有する硝酸銅溶液を調製した。 (3)硝酸マンガン・硝酸銅溶液A 600gの前記硝酸マンガン溶液(Mnに換算して1
5.4重量%含有)と、200gの前記硝酸銅溶液(C
uに換算して15.4重量%含有)とを混合して、Mn
に換算して11.5重量%、Cuに換算して3.85重
量%を含有する硝酸マンガン・硝酸銅溶液(Mn:Cu
重量比=3:1)を調製した。 (4)硝酸マンガン・硝酸銅溶液B 600gの前記15.4%の硝酸マンガン溶液に、11
7gの硝酸銅〔Cu(NO3)2・3H2O〕の結晶を加
え溶解して、Mnに換算して12.9重量%、Cuに換
算して4.29重量%を含有する硝酸マンガン・硝酸銅
溶液(Mn:Cu重量比=3:1)を調製した。
【0027】3.触媒の調製 実施例1 吸着担体Aを硝酸マンガン・硝酸銅溶液Aに浸漬し、取
り出して余剰の含浸溶液を空気を吹き付けて除去した
後、150℃の温度で3時間乾燥し、乾燥した担体を空
気を流しながら380℃の温度で1時間焼成して、疎水
性脱臭材に対して60g/リットルのMnO2・CuO
を担持した脱臭材Aを調整した。脱臭材Aの組成は、全
量に対してシリカライトが、29.7重量%、二酸化マ
ンガンが、MnO2換算で12.2重量%、銅酸化物
が、CuO換算で4.0重量%であった。
り出して余剰の含浸溶液を空気を吹き付けて除去した
後、150℃の温度で3時間乾燥し、乾燥した担体を空
気を流しながら380℃の温度で1時間焼成して、疎水
性脱臭材に対して60g/リットルのMnO2・CuO
を担持した脱臭材Aを調整した。脱臭材Aの組成は、全
量に対してシリカライトが、29.7重量%、二酸化マ
ンガンが、MnO2換算で12.2重量%、銅酸化物
が、CuO換算で4.0重量%であった。
【0028】実施例2 実施例1において、含浸溶液として硝酸マンガン・硝酸
銅溶液Bを用いた以外は実施例1と同様にして、疎水性
脱臭材に対して100g/リットルのMnO2・CuO
を担持した脱臭材Bを調整した。脱臭材Bの組成は、全
量に対してシリカライトが、26.8重量%、二酸化マ
ンガンが、MnO2換算で18.3重量%、銅酸化物
が、CuO換算で6.1重量%であった。
銅溶液Bを用いた以外は実施例1と同様にして、疎水性
脱臭材に対して100g/リットルのMnO2・CuO
を担持した脱臭材Bを調整した。脱臭材Bの組成は、全
量に対してシリカライトが、26.8重量%、二酸化マ
ンガンが、MnO2換算で18.3重量%、銅酸化物
が、CuO換算で6.1重量%であった。
【0029】比較例1 実施例1において、含浸溶液として前記硝酸マンガン溶
液(Mnに換算して15.4重量%含有)を用いた以外
は実施例1と同様にして、疎水性脱臭材に対して60g
/リットルのMnO2を担持した脱臭材Mを調整した。
脱臭材Mの組成は、全量に対してシリカライトが、2
9.7重量%、二酸化マンガンが、MnO2換算で1
6.2重量%であった。
液(Mnに換算して15.4重量%含有)を用いた以外
は実施例1と同様にして、疎水性脱臭材に対して60g
/リットルのMnO2を担持した脱臭材Mを調整した。
脱臭材Mの組成は、全量に対してシリカライトが、2
9.7重量%、二酸化マンガンが、MnO2換算で1
6.2重量%であった。
【0030】比較例2 実施例1において、含浸溶液として前記硝酸銅溶液(C
uに換算して15.4重量%含有)を用いた以外は実施
例1と同様にして、疎水性脱臭材に対して60g/リッ
トルのCuOを担持した脱臭材Nを調整した。脱臭材N
の組成は、全量に対してシリカライトが、29.7重量
%、銅酸化物が、CuO換算で16.2重量%であっ
た。
uに換算して15.4重量%含有)を用いた以外は実施
例1と同様にして、疎水性脱臭材に対して60g/リッ
トルのCuOを担持した脱臭材Nを調整した。脱臭材N
の組成は、全量に対してシリカライトが、29.7重量
%、銅酸化物が、CuO換算で16.2重量%であっ
た。
【0031】比較例3 実施例1において、吸着担体として吸着担体Bを用いた
以外は実施例1と同様にして、疎水性脱臭材に対して6
0g/リットルのMnO2・CuOを担持した脱臭材O
を調整した。脱臭材Oの組成は、全量に対してモルデナ
イトゼオライトが、23.6重量%、二酸化マンガン
が、MnO2換算で13.7重量%、銅酸化物が、Cu
O換算で4.4重量%であった。
以外は実施例1と同様にして、疎水性脱臭材に対して6
0g/リットルのMnO2・CuOを担持した脱臭材O
を調整した。脱臭材Oの組成は、全量に対してモルデナ
イトゼオライトが、23.6重量%、二酸化マンガン
が、MnO2換算で13.7重量%、銅酸化物が、Cu
O換算で4.4重量%であった。
【0032】4.脱臭性能評価方法 寸法57mm×70mm×20mm(体積:約80mリ
ットル)の大きさに切断した試料を、水を張ったデシケ
ータ内の飽和水蒸気下に一晩放置し十分吸湿させた。一
晩放置吸湿した試料は、重量増加が止まり一定の重量値
を示しており、飽和吸湿していることが確認された。
ットル)の大きさに切断した試料を、水を張ったデシケ
ータ内の飽和水蒸気下に一晩放置し十分吸湿させた。一
晩放置吸湿した試料は、重量増加が止まり一定の重量値
を示しており、飽和吸湿していることが確認された。
【0033】(1)アンモニアの吸着量の測定 吸湿処理した試料を温度を25℃に保った16リットル
のガラス製反応槽内に設置し、大気循環用のファンを廻
しながら濃アンモニアガス9.6ミリリットルを反応槽
内に注入して反応槽内のアンモニアの初期濃度を600
ppm/16リットルに調整した。この状態で30分間
放置した後、検知管によりアンモニア濃度を測定した。
アンモニアガスが検知されないときは、この操作を何回
も繰り返し行い、アンモニアガスの温度25℃に於ける
吸着等温線を作成した。平衡濃度が1ppmのときのア
ンモニアの吸着量を吸着等温線から求め、1ppmのと
きの試料80ミリリットル当たりのアンモニアの吸着量
(mg)を算定し表1に示す。
のガラス製反応槽内に設置し、大気循環用のファンを廻
しながら濃アンモニアガス9.6ミリリットルを反応槽
内に注入して反応槽内のアンモニアの初期濃度を600
ppm/16リットルに調整した。この状態で30分間
放置した後、検知管によりアンモニア濃度を測定した。
アンモニアガスが検知されないときは、この操作を何回
も繰り返し行い、アンモニアガスの温度25℃に於ける
吸着等温線を作成した。平衡濃度が1ppmのときのア
ンモニアの吸着量を吸着等温線から求め、1ppmのと
きの試料80ミリリットル当たりのアンモニアの吸着量
(mg)を算定し表1に示す。
【0034】
【表1】 ハニクル担体 吸着担体A 脱臭材M 脱臭材O 脱臭材A 脱臭材B アンモニ ア吸着量 1.6 18 25 17 34 45 (mg)
【0035】表1から明らかなように、吸着層を持たな
いハニクル担体のみでは、十分なアンモニアの吸着は行
われておらず、疎水性を有するシリカライトからなる吸
着層を持つ吸着担体Aは、物理吸着によりアンモニアの
吸着量が増加しているのがわかる。吸着層に加えて触媒
成分を有する脱臭材M、脱臭材Aおよび脱臭材Bには、
物理吸着に加えて化学吸着によるアンモニアの吸着量の
増加が認められ、二酸化マンガンと銅酸化物を併せて担
持した本発明の脱臭材Aおよび脱臭材Bが、単に二酸化
マンガンのみを担持した脱臭材Mよりも優れたアンモニ
アの吸着能力を有することが証明された。疎水性を持た
ないモルデナイトゼオライトからなる吸着層を有する脱
臭材Oは、吸湿吸着処理しないものは、疎水性を有する
シリカライトからなる吸着層を有する本発明の脱臭材A
および脱臭材Bと同等のアンモニアの吸着能力を有す
る。しかしながら、吸湿処理したものは、表1より明ら
かなように触媒成分による化学吸着によるアンモニアの
吸着量しか示しておらず、モルデナイトゼオライトから
なる吸着層が、吸湿することによりアンモニアの吸着能
力が、格段に低下し殆ど機能していないことがわかる。
すなわち、疎水性を有するシリカライトからなる吸着層
と二酸化マンガンと銅酸化物からなる触媒成分を有する
本発明の脱臭材Aおよび脱臭材Bが、湿度の高い過酷な
条件下でも優れたアンモニアの吸着性能を有することが
証明された。
いハニクル担体のみでは、十分なアンモニアの吸着は行
われておらず、疎水性を有するシリカライトからなる吸
着層を持つ吸着担体Aは、物理吸着によりアンモニアの
吸着量が増加しているのがわかる。吸着層に加えて触媒
成分を有する脱臭材M、脱臭材Aおよび脱臭材Bには、
物理吸着に加えて化学吸着によるアンモニアの吸着量の
増加が認められ、二酸化マンガンと銅酸化物を併せて担
持した本発明の脱臭材Aおよび脱臭材Bが、単に二酸化
マンガンのみを担持した脱臭材Mよりも優れたアンモニ
アの吸着能力を有することが証明された。疎水性を持た
ないモルデナイトゼオライトからなる吸着層を有する脱
臭材Oは、吸湿吸着処理しないものは、疎水性を有する
シリカライトからなる吸着層を有する本発明の脱臭材A
および脱臭材Bと同等のアンモニアの吸着能力を有す
る。しかしながら、吸湿処理したものは、表1より明ら
かなように触媒成分による化学吸着によるアンモニアの
吸着量しか示しておらず、モルデナイトゼオライトから
なる吸着層が、吸湿することによりアンモニアの吸着能
力が、格段に低下し殆ど機能していないことがわかる。
すなわち、疎水性を有するシリカライトからなる吸着層
と二酸化マンガンと銅酸化物からなる触媒成分を有する
本発明の脱臭材Aおよび脱臭材Bが、湿度の高い過酷な
条件下でも優れたアンモニアの吸着性能を有することが
証明された。
【0036】(2)メチルメルカプタンの分解率の測定 メルカプタンは、殆ど物理吸着されることはないが、触
媒成分によってジメチルジサルファイドに変換され、変
換されジメチルジサルファイドは、物理吸着により吸着
除去できる。加湿機を通し、相対湿度を90%に調整し
た流量60リットル/分の空気に1000ppmのメチ
ルメルカプタンを60ミリリットル/分の割合で混合し
1ppmのメチルメルカプタン試料ガスを調製した。流
通反応管に十分に吸湿処理した試料を設置し、25℃の
温度に保った上述のように調製した1ppmのメチルメ
ルカプタン試料ガスを60ミリリットル/分の流量(S
V値=45000Hr-1)で流した。流通反応管のメチ
ルメルカプタンの入口濃度と出口濃度とを、FIDガス
クロマトグラフィ−分析計で測定し、24時間後の分解
率(%)を求めその結果を表2に示す。
媒成分によってジメチルジサルファイドに変換され、変
換されジメチルジサルファイドは、物理吸着により吸着
除去できる。加湿機を通し、相対湿度を90%に調整し
た流量60リットル/分の空気に1000ppmのメチ
ルメルカプタンを60ミリリットル/分の割合で混合し
1ppmのメチルメルカプタン試料ガスを調製した。流
通反応管に十分に吸湿処理した試料を設置し、25℃の
温度に保った上述のように調製した1ppmのメチルメ
ルカプタン試料ガスを60ミリリットル/分の流量(S
V値=45000Hr-1)で流した。流通反応管のメチ
ルメルカプタンの入口濃度と出口濃度とを、FIDガス
クロマトグラフィ−分析計で測定し、24時間後の分解
率(%)を求めその結果を表2に示す。
【0037】
【表2】 ハニクル担体 吸着担体A 脱臭材M 脱臭材N 脱臭材O 脱臭材A メチルメル カプタンの 0 0 90 10 96 98.8 分解率(%)
【0038】表2から明らかなように、触媒成分を有し
ないハニクル担体や吸着担体Aでは、メルカプタンは、
ジメチルジサルファイドに変換されていない。また、酸
化銅を担持した脱臭材Nでも、殆どジメチルジサルファ
イドに変換されていない。しかしながら二酸化マンガン
を担持した脱臭材Mは、メルカプタンをジメチルジサル
ファイドに容易に変換し、さらに、二酸化マンガンと銅
酸化物からなる触媒成分を有する脱臭材Oおよび本発明
の脱臭材Aは、さらに顕著なメチルメルカプタンの分解
能を有していることが証明された。しかしながら、後述
するように脱臭材Oは、変換したジメチルジサルファイ
ドを吸着除去できないため、ジメチルジサルファイドの
悪臭を生じる。
ないハニクル担体や吸着担体Aでは、メルカプタンは、
ジメチルジサルファイドに変換されていない。また、酸
化銅を担持した脱臭材Nでも、殆どジメチルジサルファ
イドに変換されていない。しかしながら二酸化マンガン
を担持した脱臭材Mは、メルカプタンをジメチルジサル
ファイドに容易に変換し、さらに、二酸化マンガンと銅
酸化物からなる触媒成分を有する脱臭材Oおよび本発明
の脱臭材Aは、さらに顕著なメチルメルカプタンの分解
能を有していることが証明された。しかしながら、後述
するように脱臭材Oは、変換したジメチルジサルファイ
ドを吸着除去できないため、ジメチルジサルファイドの
悪臭を生じる。
【0039】(3)ジメチルジサルファイドの吸着量の
測定 吸湿処理した試料を温度を25℃に保った16リットル
のガラス製反応槽内に設置し、大気循環用のファンを廻
しながらジメチルジサルファイド溶液6マイクロリット
ルを反応槽内に注入して反応槽内のジメチルジサルファ
イドの初期濃度を90ppm/16リットルに調整し
た。この状態で30分間放置し吸着平衡に達した後、ジ
メチルジサルファイドの濃度をFIDガスクロマトグラ
フィー分析計で測定した。この操作を4回繰り返し行
い、ジメチルジサルファイドの温度25℃に於ける吸着
等温線を作成した。平衡濃度が0.1ppmのときのジ
メチルジサルファイドの吸着量を吸着等温線から求め、
0.1ppmのときの試料80ミリリットル当たりのジ
メチルジサルファイドの吸着量(mg)を算定し表3に
示す。
測定 吸湿処理した試料を温度を25℃に保った16リットル
のガラス製反応槽内に設置し、大気循環用のファンを廻
しながらジメチルジサルファイド溶液6マイクロリット
ルを反応槽内に注入して反応槽内のジメチルジサルファ
イドの初期濃度を90ppm/16リットルに調整し
た。この状態で30分間放置し吸着平衡に達した後、ジ
メチルジサルファイドの濃度をFIDガスクロマトグラ
フィー分析計で測定した。この操作を4回繰り返し行
い、ジメチルジサルファイドの温度25℃に於ける吸着
等温線を作成した。平衡濃度が0.1ppmのときのジ
メチルジサルファイドの吸着量を吸着等温線から求め、
0.1ppmのときの試料80ミリリットル当たりのジ
メチルジサルファイドの吸着量(mg)を算定し表3に
示す。
【0040】
【表3】 ハニクル担体 吸着担体A 脱臭材M 脱臭材O 脱臭材A ジメチルジサ ルファイドの 0.3 23 22 1.3 24 吸着量(mg) 表3から明らかに、疎水性を有するシリカライトは、高
いジメチルジサルファイドの吸着能力を有することが証
明された。
いジメチルジサルファイドの吸着能力を有することが証
明された。
【0041】(4)酢酸の吸着量の測定 吸湿処理した試料を温度を25℃に保った16リットル
のガラス製反応槽内に設置し、大気循環用のファンを廻
しながら酢酸5マイクロリットルを反応槽内に設置した
加熱ヒーター上に滴下し、蒸発させて、反応槽内の酢酸
の初期濃度を100ppm/16リットルに調整した。
この状態で30分間放置した後、検知管により酢酸濃度
を測定した。酢酸が検知されないときは、この操作を検
知管により酢酸濃度が検知されるまで(酢酸の検知管に
よる検出限界濃度:0.1ppm)何回も繰り返し行
い、検出限界濃度以下(0ppm)に於ける酢酸の吸着
量(mg)を測定しその結果を表4に示す。
のガラス製反応槽内に設置し、大気循環用のファンを廻
しながら酢酸5マイクロリットルを反応槽内に設置した
加熱ヒーター上に滴下し、蒸発させて、反応槽内の酢酸
の初期濃度を100ppm/16リットルに調整した。
この状態で30分間放置した後、検知管により酢酸濃度
を測定した。酢酸が検知されないときは、この操作を検
知管により酢酸濃度が検知されるまで(酢酸の検知管に
よる検出限界濃度:0.1ppm)何回も繰り返し行
い、検出限界濃度以下(0ppm)に於ける酢酸の吸着
量(mg)を測定しその結果を表4に示す。
【0042】
【表4】 ハニクル担体 吸着担体A 脱臭材M 脱臭材O 脱臭材A 脱臭材B 酢酸の 吸着量 5以下 10 15 5 20 25 (mg)
【0043】表4から明らかなように、吸着層を持たな
いハニクル担体はむろんのこと、吸着処理した疎水性を
持たないモルデナイトゼオライトからなる吸着層を有す
る脱臭材Oであっても、全く酢酸臭を除去できない。ま
た、酢酸臭のような有機酸による悪臭については、分圧
効果による物理吸着による脱臭よりも、触媒成分による
化学吸着による脱臭がより有効的であることが表4から
明らかなように触媒成分を有する脱臭材Mならびに本発
明の脱臭材Aおよび脱臭材Bがすぐれた酢酸の吸着能を
有することから証明された。さらに二酸化マンガンを担
持した脱臭材Mより、二酸化マンガンと銅酸化物からな
る触媒成分を有する本発明の脱臭材Aおよび脱臭材B
が、優れた酢酸の吸着除去能を有していることがわか
る。すなわち、疎水性を有するシリカライトからなる吸
着層と二酸化マンガンと銅酸化物からなる触媒成分を有
する本発明の脱臭材Aおよび脱臭材Bが、湿度の高い過
酷な条件下でも優れた酢酸の吸着性能を有することが証
明された。
いハニクル担体はむろんのこと、吸着処理した疎水性を
持たないモルデナイトゼオライトからなる吸着層を有す
る脱臭材Oであっても、全く酢酸臭を除去できない。ま
た、酢酸臭のような有機酸による悪臭については、分圧
効果による物理吸着による脱臭よりも、触媒成分による
化学吸着による脱臭がより有効的であることが表4から
明らかなように触媒成分を有する脱臭材Mならびに本発
明の脱臭材Aおよび脱臭材Bがすぐれた酢酸の吸着能を
有することから証明された。さらに二酸化マンガンを担
持した脱臭材Mより、二酸化マンガンと銅酸化物からな
る触媒成分を有する本発明の脱臭材Aおよび脱臭材B
が、優れた酢酸の吸着除去能を有していることがわか
る。すなわち、疎水性を有するシリカライトからなる吸
着層と二酸化マンガンと銅酸化物からなる触媒成分を有
する本発明の脱臭材Aおよび脱臭材Bが、湿度の高い過
酷な条件下でも優れた酢酸の吸着性能を有することが証
明された。
【0044】実施例3 アンモニア吸着後の脱臭材の再生試験 モニアの吸着量の測定法と同様な方法で寸法57mm×
70mm×20mm(体積:約80ミリリットル)の大
きさに切断した試料を用いて、濃アンモニアガス9.6
ミリリットルを反応槽内に注入し、30分放置して吸着
平衡に達した後、検知管によりアンモニア濃度を測定し
た。この操作を繰り返し行い全量で96ミリリットルの
アンモニアを注入してアンモニアガスの温度25℃に於
ける吸着等温線を作成し試料80ミリリットル当たりの
アンモニアの吸着量(mg)を求めた。吸着平衡に達し
た試料を、電気炉中に入れ再生温度および再生時間を変
えて加熱再生処理した。再生処理した試料のアンモニア
の吸着量を同様に求め再生前の試料のアンモニアの吸着
量を100とする再生率(%)を求め各々の温度におけ
る再生率が100%に到達する再生時間を求め、表5に
その結果を示す。
70mm×20mm(体積:約80ミリリットル)の大
きさに切断した試料を用いて、濃アンモニアガス9.6
ミリリットルを反応槽内に注入し、30分放置して吸着
平衡に達した後、検知管によりアンモニア濃度を測定し
た。この操作を繰り返し行い全量で96ミリリットルの
アンモニアを注入してアンモニアガスの温度25℃に於
ける吸着等温線を作成し試料80ミリリットル当たりの
アンモニアの吸着量(mg)を求めた。吸着平衡に達し
た試料を、電気炉中に入れ再生温度および再生時間を変
えて加熱再生処理した。再生処理した試料のアンモニア
の吸着量を同様に求め再生前の試料のアンモニアの吸着
量を100とする再生率(%)を求め各々の温度におけ
る再生率が100%に到達する再生時間を求め、表5に
その結果を示す。
【0045】
【表5】 再生温度(℃) 200 250 300 再生時間(分) 60 20 10 表5から明らかなように、アンモニアを吸着して吸着能
が低下した脱臭材であっても200℃以上の温度で加熱
再生できることが証明された。電気炉から排出されるガ
スからNOxは、検出されなかった。
が低下した脱臭材であっても200℃以上の温度で加熱
再生できることが証明された。電気炉から排出されるガ
スからNOxは、検出されなかった。
【0046】実施例4 アセトアルデヒド吸着後の脱臭材の再生 試料を温度を25℃に保った16リットルのガラス製反
応槽内に設置し、大気循環用のファンを廻しながらアセ
トアルデヒド溶液4マイクロリットルを反応槽内に注入
して15分間放置し吸着平衡に達した後、アセトアルデ
ヒドの濃度をFIDガスクロマトグラフィー分析計で測
定した。この操作を繰り返し行い全量で56マイクロリ
ットルのアセトアルデヒドを注入して、アセトアルデヒ
ドの温度25℃に於ける吸着等温線を作成した。平衡濃
度が0.1ppmのときのアセトアルデヒドの吸着量を
吸着等温線から求め、0.1ppmのときの試料80ミ
リリットル当たりのアセトアルデヒドの吸着量(mg)
を算定した。吸着平衡に達した試料を、実施例3と同様
に電気炉中に入れ再生温度および再生時間を変えて加熱
再生処理した。再生処理した試料のアセトアルデヒドの
吸着量を同様に求め再生前の試料のアセトアルデヒドの
吸着量を100とする再生率(%)を求め各々の温度に
おける再生率が100%に到達する再生時間を求め、表
6にその結果を示す。
応槽内に設置し、大気循環用のファンを廻しながらアセ
トアルデヒド溶液4マイクロリットルを反応槽内に注入
して15分間放置し吸着平衡に達した後、アセトアルデ
ヒドの濃度をFIDガスクロマトグラフィー分析計で測
定した。この操作を繰り返し行い全量で56マイクロリ
ットルのアセトアルデヒドを注入して、アセトアルデヒ
ドの温度25℃に於ける吸着等温線を作成した。平衡濃
度が0.1ppmのときのアセトアルデヒドの吸着量を
吸着等温線から求め、0.1ppmのときの試料80ミ
リリットル当たりのアセトアルデヒドの吸着量(mg)
を算定した。吸着平衡に達した試料を、実施例3と同様
に電気炉中に入れ再生温度および再生時間を変えて加熱
再生処理した。再生処理した試料のアセトアルデヒドの
吸着量を同様に求め再生前の試料のアセトアルデヒドの
吸着量を100とする再生率(%)を求め各々の温度に
おける再生率が100%に到達する再生時間を求め、表
6にその結果を示す。
【0047】
【表6】 再生温度(℃) 150 200 250 再生時間(分) 60 20 10 表6から明らかなように、アセトアルデヒドを吸着して
吸着能が低下した脱臭材であっても150℃以上の温度
で加熱再生できることが証明された。
吸着能が低下した脱臭材であっても150℃以上の温度
で加熱再生できることが証明された。
【0048】実施例5 ジメチルジサルファイド吸着後の脱臭材の再生 実施例4において、アセトアルデヒドに変えてジメチル
ジサルファイドを用いて、1時間放置し吸着平衡に達し
た後、ジメチルジサルファイドの濃度をFIDガスクロ
マトグラフィー分析計で測定した以外は、実施例4と同
様にして、全量で100マイクロリットルのジメチルジ
サルファイドを注入して、ジメチルジサルファイドの温
度25℃に於ける吸着等温線を作成した。平衡濃度が
0.1ppmのときのジメチルジサルファイドの吸着量
を吸着等温線から求め、0.1ppmのときの試料80
ミリリットル当たりのジメチルジサルファイドの吸着量
(mg)を算定した。
ジサルファイドを用いて、1時間放置し吸着平衡に達し
た後、ジメチルジサルファイドの濃度をFIDガスクロ
マトグラフィー分析計で測定した以外は、実施例4と同
様にして、全量で100マイクロリットルのジメチルジ
サルファイドを注入して、ジメチルジサルファイドの温
度25℃に於ける吸着等温線を作成した。平衡濃度が
0.1ppmのときのジメチルジサルファイドの吸着量
を吸着等温線から求め、0.1ppmのときの試料80
ミリリットル当たりのジメチルジサルファイドの吸着量
(mg)を算定した。
【0049】吸着平衡に達した試料を、実施例3と同様
に電気炉中に入れ再生温度および再生時間を変えて加熱
再生処理した。再生温度150℃では、1時間加熱再生
処理しても、試料に悪臭が残存し、十分再生処理できな
かった。再生温度200℃では、10分間加熱再生処理
することで、再生試料には悪臭が感知されず、十分に再
生処理できた。加熱再生処理中に発生する排出ガスを昇
温離脱分析(TPDガスクロマトグラフィー質量分析)
したが、SOxの発生は、500℃までの再生処理温度
では、まったく認められなかった。また、加熱再生処理
することによって、硫黄成分の吸着による試料の重量の
増加が認められた。加熱再生した試料は、新脱臭材に比
較すると吸着能は、最初の加熱再生処理によって多少低
下したが、その後繰り返し加熱再生処理しても吸着能の
降下は少なくほぼ一定となり吸着能は、安定する。すな
わち、吸蔵した硫黄化合物による被毒の悪影響をほとん
ど受けないことが証明された。
に電気炉中に入れ再生温度および再生時間を変えて加熱
再生処理した。再生温度150℃では、1時間加熱再生
処理しても、試料に悪臭が残存し、十分再生処理できな
かった。再生温度200℃では、10分間加熱再生処理
することで、再生試料には悪臭が感知されず、十分に再
生処理できた。加熱再生処理中に発生する排出ガスを昇
温離脱分析(TPDガスクロマトグラフィー質量分析)
したが、SOxの発生は、500℃までの再生処理温度
では、まったく認められなかった。また、加熱再生処理
することによって、硫黄成分の吸着による試料の重量の
増加が認められた。加熱再生した試料は、新脱臭材に比
較すると吸着能は、最初の加熱再生処理によって多少低
下したが、その後繰り返し加熱再生処理しても吸着能の
降下は少なくほぼ一定となり吸着能は、安定する。すな
わち、吸蔵した硫黄化合物による被毒の悪影響をほとん
ど受けないことが証明された。
【0050】実施例6 酢酸吸着後の脱臭材の再生 酢酸を十分吸着させ吸着平衡に達した後、昇温酸化分析
(TPO FID ガスクロマトグラフィー分析)した
ところ、200℃〜250℃で酢酸が酸化分解している
ことが確認された。上述したように、脱臭処理を継続し
て行うことによって悪臭物質が物理吸着もしくは化学吸
着により本発明の疎水性脱臭材に吸蔵され脱臭性能が低
下した疎水性脱臭材を、150〜500℃の温度で加熱
再生処理することで脱臭性能を回復させることができ、
脱臭性能が低下した脱臭材の加熱再生処理が可能である
ことが証明された。
(TPO FID ガスクロマトグラフィー分析)した
ところ、200℃〜250℃で酢酸が酸化分解している
ことが確認された。上述したように、脱臭処理を継続し
て行うことによって悪臭物質が物理吸着もしくは化学吸
着により本発明の疎水性脱臭材に吸蔵され脱臭性能が低
下した疎水性脱臭材を、150〜500℃の温度で加熱
再生処理することで脱臭性能を回復させることができ、
脱臭性能が低下した脱臭材の加熱再生処理が可能である
ことが証明された。
【0051】実施例7 再生加熱処理用の電気炉の排ガス出口に、あらかじめ3
00℃の温度に加熱した白金触媒を設置し、排出ガスの
後処理を行った。試料の活性温度に達しない昇温時に排
出される悪臭物質は、白金触媒により完全に処理され、
臭覚によっても悪臭は感知されなかった。硫黄系の悪臭
物質、例えばジメチルジサルファイドを吸着させた試料
を繰り返し熱再生処理しても、白金触媒の活性低下は起
らなかった。このことは、一番大きな触媒毒である硫黄
系化合物は勿論加熱再生処理によつて系外に排出されて
いないためである。
00℃の温度に加熱した白金触媒を設置し、排出ガスの
後処理を行った。試料の活性温度に達しない昇温時に排
出される悪臭物質は、白金触媒により完全に処理され、
臭覚によっても悪臭は感知されなかった。硫黄系の悪臭
物質、例えばジメチルジサルファイドを吸着させた試料
を繰り返し熱再生処理しても、白金触媒の活性低下は起
らなかった。このことは、一番大きな触媒毒である硫黄
系化合物は勿論加熱再生処理によつて系外に排出されて
いないためである。
【0052】
1.高湿度環境下においても高い脱臭処理能力を長期間
維持することができる。 2.加熱再生処理により何回も脱臭能力を再生すること
ができる。 3.メチルメルカプタンの分解能力、アンモニア、ジメ
チルジサルファイド、酢酸の各吸着能力、およびアンモ
ニア、ジメチルジサルファイド、酢酸、アセトアルデヒ
ドをそれぞれ吸着した後の脱臭材の各再生能力におい
て、本発明の疎水性脱臭材は、いずれの場合も優れた成
績を納めた。これに対して、吸着層の特定要件を欠くも
のあるいは触媒成分のいずれかを欠くものは、前記各吸
着能力あるいは前記各再生能力のうち、いずれかの点で
何らかの欠陥を示した。 4.加熱再生処理に伴いSOx、NOxを排出しないた
め、周りの環境を汚染しない。 5.加熱再生処理時に、触媒毒になる硫黄化合物を排出
しないため、排ガスを容易に酸化触媒により二次処理し
て、一層脱臭効果を高めることができる。
維持することができる。 2.加熱再生処理により何回も脱臭能力を再生すること
ができる。 3.メチルメルカプタンの分解能力、アンモニア、ジメ
チルジサルファイド、酢酸の各吸着能力、およびアンモ
ニア、ジメチルジサルファイド、酢酸、アセトアルデヒ
ドをそれぞれ吸着した後の脱臭材の各再生能力におい
て、本発明の疎水性脱臭材は、いずれの場合も優れた成
績を納めた。これに対して、吸着層の特定要件を欠くも
のあるいは触媒成分のいずれかを欠くものは、前記各吸
着能力あるいは前記各再生能力のうち、いずれかの点で
何らかの欠陥を示した。 4.加熱再生処理に伴いSOx、NOxを排出しないた
め、周りの環境を汚染しない。 5.加熱再生処理時に、触媒毒になる硫黄化合物を排出
しないため、排ガスを容易に酸化触媒により二次処理し
て、一層脱臭効果を高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 23/89 B01J 29/035 29/035 29/90 29/90 B01D 53/36 ZABH
Claims (10)
- 【請求項1】 担体、その上に形成されたシリカ/アル
ミナの比が少なくとも100以上である疎水性ゼオライ
トからなる吸着層、およびそれに担持された二酸化マン
ガンと銅酸化物よりなる触媒成分、からなることを特徴
とする疎水性脱臭材。 - 【請求項2】 前記担体が、珪酸ゲルにより互いに結合
されているセラミック繊維のシート状集合体をハニカム
状に積層して構成されるハニカム構造体である請求項1
記載の疎水性脱臭材。 - 【請求項3】 前記疎水性ゼオライトがシリカライトで
ある請求項1または2記載の疎水性脱臭材。 - 【請求項4】 前記吸着層の担持量が、疎水性脱臭材に
対して15〜40重量%である請求項1、2または3記
載の疎水性脱臭材。 - 【請求項5】 前記二酸化マンガンの担持量が、疎水性
脱臭材に対してMnO2換算で5〜25重量%である請
求項1、2、3または4記載の疎水性脱臭材。 - 【請求項6】 前記銅酸化物の担持量が、疎水性脱臭材
に対してCuO換算で2〜20重量%である請求項1、
2、3、4または5記載の疎水性脱臭材。 - 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5または6記載
の疎水性脱臭材を、150〜500℃の再生温度で加熱
再生処理することを特徴とする疎水性脱臭材の再生方
法。 - 【請求項8】 前記再生温度が250〜300℃である
請求項7記載の疎水性脱臭材の再生方法。 - 【請求項9】 加熱再生処理排ガスを100〜500℃
の活性温度に加熱された酸化触媒によって酸化分解処理
するものである請求項7または8記載の疎水性脱臭材の
再生方法。 - 【請求項10】 前記酸化触媒が白金族金属を含有する
ものである請求項9記載の疎水性脱臭材の再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7079527A JPH08243383A (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | 疎水性脱臭材およびその再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7079527A JPH08243383A (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | 疎水性脱臭材およびその再生方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08243383A true JPH08243383A (ja) | 1996-09-24 |
Family
ID=13692464
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7079527A Pending JPH08243383A (ja) | 1995-03-10 | 1995-03-10 | 疎水性脱臭材およびその再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08243383A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001219060A (ja) * | 2000-02-14 | 2001-08-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 脱臭体 |
WO2007077924A1 (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Kinji Takeuchi | 脱臭方法 |
CN102099115A (zh) * | 2008-07-14 | 2011-06-15 | 日挥通用株式会社 | 脱臭催化剂和使用其的脱臭方法、以及该催化剂的再生方法 |
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WO2014069630A1 (ja) | 2012-11-01 | 2014-05-08 | 日本碍子株式会社 | ゼオライト膜の再生方法 |
US10207017B2 (en) | 2013-07-25 | 2019-02-19 | Mitsubishi Electric Corporation | Deodorizer |
JPWO2021229799A1 (ja) * | 2020-05-15 | 2021-11-18 |
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JPH04250846A (ja) * | 1990-12-28 | 1992-09-07 | Nikki Universal Co Ltd | ゼオライト含有吸着組成物およびこの吸着組成物を含む吸着分解組成物 |
JPH05293334A (ja) * | 1992-04-20 | 1993-11-09 | Babcock Hitachi Kk | 家庭用脱臭装置 |
JPH06327977A (ja) * | 1993-05-21 | 1994-11-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | オゾン分解用触媒 |
JPH07284670A (ja) * | 1994-04-18 | 1995-10-31 | Nippon Chem Ind Co Ltd | 酸化分解性脱臭触媒 |
-
1995
- 1995-03-10 JP JP7079527A patent/JPH08243383A/ja active Pending
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JP2013212459A (ja) * | 2012-04-02 | 2013-10-17 | Toyobo Co Ltd | 硫黄酸化物除去剤 |
WO2014069630A1 (ja) | 2012-11-01 | 2014-05-08 | 日本碍子株式会社 | ゼオライト膜の再生方法 |
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JPWO2021229799A1 (ja) * | 2020-05-15 | 2021-11-18 | ||
WO2021229799A1 (ja) * | 2020-05-15 | 2021-11-18 | 日揮ユニバーサル株式会社 | 冷蔵庫用脱臭触媒及びこれを用いた冷蔵庫用脱臭材 |
CN115551634A (zh) * | 2020-05-15 | 2022-12-30 | 日挥通用株式会社 | 冰箱用除臭催化剂以及使用该冰箱用除臭催化剂的冰箱用除臭材料 |
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---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
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|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060606 |