JPH08239372A - グリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートの製造方法 - Google Patents
グリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートの製造方法Info
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Abstract
酸メチルとの反応からグリシジルメタクリレートを得る
に際し、グリシドール反応率を上昇させ、また精製過程
で製品純度を低下させることなくグリシジルメタクリレ
ート等を得る方法を提供することにある。 【構成】 グリシドールと、アクリル酸メチルまたはメ
タクリル酸メチルとのエステル交換反応により、グリシ
ジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートを製
造する方法において、触媒としてKCN類と、特定の第
4級アンモニウム塩または特定の第4級ホスホニウム塩
とを含む水溶液中を用い、反応終了後触媒不活性化剤を
添加して反応を停止し、減圧下に未反応メタクリル酸メ
チルまたはアクリル酸メチルを蒸留除去後、グリシジル
メタクリレートまたはグリシジルアクリレートを得るこ
とを特徴とするグリシジルメタクリレートまたはグリシ
ジルアクリレートの製造方法。
Description
クリル酸メチルまたはアクリル酸メチル(以下、「メタ
クリル酸メチル等」ということがある)とをエステル交
換触媒の存在下に反応させて、グリシジルメタクリレー
トまたはグリシジルアクリレート(以下、「グリシジル
メタクリレート等」ということがある)を製造する方法
に関する。グリシジルメタクリレート等は樹脂改質剤、
熱硬化性塗料、接着剤、繊維処理剤、帯電防止剤、およ
びイオン交換樹脂等種々の工業用原料として広く使用さ
れている。近年、塗料材料、特に紛体塗料分野、電子材
料および繊維分野において塩素含有量の少ないグリシジ
ルメタクリレート等が求められている。
メタクリル酸とアルカリを反応させ、メタクリル酸のア
ルカリ塩を得、ついで第4級アンモニウム塩の存在下に
エピクロルヒドリンと反応させ、脱塩酸することにより
製造されている。このように製造されたグリシジルメタ
クリレート等には通常塩素化合物が塩素濃度で表示する
と1,000〜10,000ppm程度残存しており、
この残存塩素が塗料材料(例えば紛体塗料)、電子材料
および繊維分野において塗料特性、電気特性の低下、皮
膚のかぶれ、そして近年は特に発ガン性および作業環境
の改善等の問題を引き起こしている。
樹脂および、塗料等の用途に使用した場合、性能の低下
を招く原因ともなる。従って、製造されたグリシジルメ
タクリレート等から不純物である塩素化合物は極力除去
されることが望ましい。しかしながら、これらの製造方
法により得られたグリシジルメタクリレート等は通常、
塩素を数千ppm含有している。このような問題のない
グリシジルメタクリレート等を製造する方法としてグリ
シドールとメタクリル酸メチル等とのエステル交換反応
により製造する方法がある。この方法により製造された
グリシジルメタクリレート等は本質的に塩素を含まない
と考えられ、先に記した樹脂にしたときの性能低下およ
び毒性、環境問題を大幅に改善することができる。
リレート等を製造する方法としては、特公昭47−38
421号公報に触媒としてホスフィンの存在下に行うこ
とが開示されているが、そこに見いだされたグリシジル
メタクリレートの生成量はガスクロマトグラフ上で観察
されたのみで、一般工業的には意味がない。特公昭53
−6133号公報ではシアン化カリウムを触媒として用
いると、グリシドールが98%の転化率で得られること
が示されているが、メタクリル酸メチルおよびグリシジ
ルメタクリレートの二重結合や、グリシドール、グリシ
ジルメタクリレートのエポキシ基等の付加物が生成した
り、反応終了後、黒ないしは黒褐色の固形ないしは油状
の沈澱物が生成し、蒸留前にこれらを除去しなければな
らず、操作が煩雑となる。
カリ触媒、例えばナトリウムメチラート等を用いて反応
を行い、生成するメタノールを減圧下に直ちに除去して
グリシジルメタクリレートが収率95%で得られること
が開示されている。しかし、蒸留前に触媒をろ過しなけ
ればならず、さらにナトリウムアルコラートは、一般的
にはメタクリル酸エステル類のアニオン重合開始剤であ
り、工業的に実施するにはかなりの危険を伴う。
3)では酢酸カリウムを触媒として用い、酢酸カリウム
はグリシドール中に溶解させ、この溶液をメタクリル酸
メチル中に滴下反応させることによりグリシジルメタク
リレートを得ている。この場合も反応終了後に触媒の酢
酸カリウムをろ過しなければならず、例えろ過したとし
ても、微量に溶け込んだ触媒により蒸留後期のグリシジ
ルメタクリレート回収時に、グリシドールの副生が起こ
り、得られたグリシジルメタクリレートの純度が大きく
低下する。また、酢酸カリウムはグリシドールに溶解さ
せる溶解槽が必要であり、さらにグリシドールは酢酸カ
リウムが存在すると不安定になるため、低温下に保存し
なければならないという欠点も有する。
は触媒としてトリエチルアミンを、更にグリシドールと
メタクリル酸メチルとの反応により生成するメタノール
をヘキサンにより速やかに留去する事によりメタクリル
酸メチルへのメタノール付加物(LB1)の生成を抑え
ながら、グリシドール転化率を上げ、さらには蒸留後期
のグリシドールの生成を抑え、高純度のグリシジルメタ
クリレート(98.9%)を得ている。
ために反応主原料のグリシドールとメタクリル酸メチル
以外のヘキサンが必要であり、これは釜収率を悪化さ
せ、さらには回収され再使用するメタクリル酸メチルは
ヘキサンを含むためその純度調整を毎回行わなければな
らず、作業が煩雑である。そして、触媒のトリエチルア
ミンはメタクリル酸メチル回収時に除去されることを特
徴としているが、回収再使用するメタクリル酸メチル中
のトリエチルアミン量も常にチェックしなければならな
い。加えて、得られたグリシジルメタクリレート中に微
量のアミン成分の混入が考えられ、グリシジルメタクリ
レートの品質を決定的に悪くすることが懸念される。
ソサイアティ(Jounal of the American Chemical Soci
ety,93巻,195頁,(1971年1月13日発
行))には水層中のシアン化ナトリウムを用いて油層中
のハロゲン化アルキルと反応させ、シアン化アルキルを
得るのに相間移動触媒として第4級アンモニウムまたは
第4級ホスホニウム塩が用いられている。これらは水層
および油層での反応を進行させるための相間移動触媒で
あり、本方法のエステル交換反応とは全く関係ないもの
である。
中Kはカリウムを表し、Xはシアンイオン、シアン酸イ
オン、チオシアンイオン、チオシアン酸イオンまたは有
機カルボン酸イオンを表す)と、固体の第4級アンモニ
ウム塩(R1 R2 R3 R4 )N+ Y- または第4級ホス
ホニウム塩(R1 R2 R3 R4 )P+ Y- の存在下に反
応を行い、反応終了後触媒不活性化剤を添加して減圧下
に未反応アクリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルを
回収した後、グリシジルメタクリレートまたはグリシジ
ルアクリレートを回収することを特徴とするグリシジル
メタクリレートまたはグリシジルアクリレートの製造方
法に関する発明を先に出願した(特願平6−10661
9)。この方法では、グリシドール反応率を向上させ、
かつ製品純度を低下させることなくグリシジルメタクリ
レート等を得ることができるものの、反応液に不溶な触
媒を粉体で投入するために、触媒の分散性・有効触媒量
の低下および触媒の複分解の進行が遅くなる欠点があ
る。
技術の課題を解決し、グリシドール反応率を上昇させ、
また精製過程で製品純度を低下させることなくグリシジ
ルメタクリレート等を得る方法を提供することにある。
結果、前記の触媒を水に溶解または分散させ、複分解の
途中または完結させた後に用いることにより、エステル
交換反応速度を速くしなおかつグリシドール反応率を上
昇させ、また精製過程で製品純度を低下させることのな
いことを見い出し、本発明を完成させた。
クリル酸メチルまたはメタクリル酸メチルとのエステル
交換反応により、グリシジルメタクリレートまたはグリ
シジルアクリレートを製造する方法において、触媒とし
て一般式(1)に示すKXと、一般式(2)に示す第4
級アンモニウム塩または一般式(3)に示す第4級ホス
ホニウム塩とを水溶液中で反応させたものを用い、反応
終了後触媒不活性化剤を添加して反応を停止し、減圧下
に未反応メタクリル酸メチルおよびアクリル酸メチルを
蒸留除去後、グリシジルメタクリレートまたはグリシジ
ルアクリレートを得ることを特徴とするグリシジルメタ
クリレートまたはグリシジルアクリレートの製造方法 KX (1) (R1 R2 R3 R4 )N+ Y- (2) (R1 R2 R3 R4 )P+ Y- (3) (式(1)中、Kはカリウムを表し、Xはシアンイオ
ン、シアン酸イオン、有機カルボン酸イオン、チオシア
ンイオンまたはチオシアン酸イオンのいずれかであり、
式(2)および(3)中、R1 、R2 、R3 、R4 は、
それぞれ炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル
基、フェニル基のいずれかであり、Yは、シアンイオ
ン、シアン酸イオン、チオシアン酸イオン、ギ酸イオ
ン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、メタクリル酸イ
オン、安息香酸イオンのいずれかである。)に関する発
明である。
シアン化カリウム、シアン酸カリウム、チオシアンカリ
ウム、チオシアン酸カリウム、メタクリル酸カリウム、
酢酸カリウム、ギ酸カリウム、プロピオン酸カリウムま
たは安息香酸カリウムが例示される。KXは上記の1種
でも良く、任意の2種以上のものを組み合わせて使用し
ても良い。本発明において使用されるKXの配合割合は
グリシドール1モルに対して1〜500ミリモルの量で
あり、好ましくは3〜100ミリモル、さらに好ましく
は5〜50ミリモルである。
てテトラメチルアンモニウムクロリド、トリメチルエチ
ルアンモニウムクロリド、ジメチルジエチルアンモニウ
ムクロリド、メチルトリエチルアンモニウムクロリド、
テトラエチルアンモニウムクロリド、トリメチルベンジ
ルアンモニウムクロリド、トリエチルベンジルアンモニ
ウムクロリドが例示できる。または、一般式(3)の第
4級ホスホニウム塩としてテトラメチルホスホニウムア
イオダイド、テトラフェニルホスホニウムクロリドが例
示できるが本発明はこれらのものに限定されるものでは
ない。第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム
塩は上記の1種でも良く、任意の2種以上のものを組み
合わせて使用しても良いが、上記の中でもテトラメチル
アンモニウムクロリド、メチルトリエチルアンモニウム
クロリド、テトラエチルアンモニウムクロリドおよびト
リエチルベンジルアンモニウムクロリドが好適に使用さ
れる。
たは第4級ホスホニウム塩の配合割合は、グリシドール
1モルに対して1〜500ミリモルの量であり、好まし
くは3〜200ミリモル、さらに好ましくは5〜100
ミリモルである。
タンスルホン酸、メタリルスルホン酸、オクチルスルホ
ン酸、ラウリルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、
ドデシルベンゼンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナ
フタレンスルホン酸のナトリウム塩、燐タングステン
酸、燐モリブデン酸のカリウムを除くアルカリ金属塩お
よびアルカリ土類金属塩が例示できる。触媒不活性化剤
は上記から選ばれた1種でも良く、任意の2種以上のも
のを組み合わせて使用しても良いが、上記の中でもp−
トルエンスルホン酸ソーダ、燐タングステン酸ナトリウ
ム、燐モリブデン酸ナトリウムが好適に使用される。本
発明において使用される触媒不活性化剤の使用割合はグ
リシドール1モルに対して1〜1000ミリモルの量で
あり、好ましくは3〜200ミリモル、さらに好ましく
は5〜100ミリモルである。
(2)の第4級アンモニウム塩または式(3)の第4級
ホスホニウム塩の配合割合は、KX1ミリモルに対して
第4級アンモニウム塩または第4級ホスホニウム塩0.
1〜10ミリモルの量であり、好ましくは0.3〜8ミ
リモル、さらに好ましくは0.5〜2ミリモルである。
本発明において使用される触媒水溶液の濃度は、5〜8
0重量%であり、好ましくは、20〜60重量%、さら
に好ましくは30〜50重量%である。
たグリシジルメタクリレートおよびグリシジルアクリレ
ートの製造方法では反応率が不十分であったり、合成中
に触媒に基づく不純物生成およびエステル交換反応によ
り生成してきたメタノールとメタクリル酸メチル等およ
びグリシジルメタクリレート等とのマイケル付加物等の
生成によりグリシジルメタクリレート等の収率および純
度の低いものしか得られていない。さらにはこれまでに
開示された多くの方法は固形触媒を使用しており、これ
らの触媒が存在するとグリシジルメタクリレート等の蒸
留中にグリシドールが再生され、得られた製品中にグリ
シドールが含まれ製品純度を低下させ、グリシジルメタ
クリレート等の製品収率も大きく低下させていた。
酸メチル等とのエステル交換反応において、例えばシア
ン化カリウムとテトラメチルアンモニウムクロリドの混
合水溶液を用い、短時間で、しかも不純物の生成が極め
て少なくエステル交換反応を終了させ、その後触媒不活
性化剤、例えばp−トルエンスルホン酸ソーダを加える
ことにより用いた触媒の活性をなくし、蒸留中における
グリシドールの生成を完全に抑えることができるもので
ある。グリシドールとメタクリル酸メチル等とのエステ
ル交換反応において単にシアン化カリウムを触媒として
用い、反応終了後に触媒不活性化剤を加えてもなんら効
果のないことは明らかである(本明細書の比較例2)。
すなわち、シアン化カリウムは塩化4級アンモニウムと
の複分解によりシアン化4級アンモニウムと塩化カリウ
ムとに変化し、このシアン化4級アンモニウムがエステ
ル交換反応の触媒として作用する。
ルエンスルホン酸ソーダを添加することにより触媒のシ
アン化4級アンモニウムをシアン化ナトリウムとp−ト
ルエンスルホン酸塩4級アンモニウムとに複分解する事
により完全に触媒活性を無くすることができる。このこ
とにより蒸留時に、特に蒸留後期の製品グリシジルメタ
クリレート等を回収する際のグリシドールの複製を完全
に抑えることができ、結果として高純度の、具体的には
98%以上、さらには98.5%以上の純度を持つグリ
シジルメタクリレート等が得られることになる。以下に
実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。
測定はGC法によった。本実施例等において、原料、製
品等の純度(%)は、全て重量%、ppmは重量ベース
で示してある。
備え付けたマクマホンパッキンを充填した内径が15m
mφ、高さ300mmの蒸留塔およびサンプル抜きだし
管を備え付けた内容積2リットルの5つ口フラスコにメ
タクリル酸メチル500g(5モル)とp−メトキシフ
ェノール0.5gおよび予め調整したシアン化カリウム
0.55g(8.5ミリモル)とテトラメチルアンモニ
ウムクロリド0.93g(8.5ミリモル 日本特殊化
学工業(株)製)の50%水溶液を加えた。圧力を30
0mmHgに減圧し、加熱を開始した。蒸留塔塔頂温度
80℃まで加熱を継続し、水分をメタクリル酸メチルと
の共沸混合物として留去させた。釜温度を70℃まで冷
却した後、グリシドール74g(1モル)を一括添加し
てから、加熱を再開した。釜温度70℃より還流が開始
され、蒸留塔塔頂温度を38℃〜55℃になるように還
流比10〜30に調節し、生成したメタノールをメタク
リル酸メチルとの共沸混合物として留去させた。
応を終了させた。このときのグリシドール反応率はガス
クロマトグラフ分析より99%であることが分かった。
この後直ちに、p−トルエンスルホン酸ソーダ5.6g
(51ミリモル)を添加して、圧力を100mmHgに
減圧して、過剰量のメタクリル酸メチルを回収した。次
に、圧力を30〜4mmHgに減圧し、初留成分として
30gを回収した。この初留成分には4.5%のグリシ
ドールを含み、次の合成原料として使用される。主留成
分として99gが回収され、グリシジルメタクリレート
の純度は99.0%で、グリシドールは0.7%であっ
た。
リル酸カリウム1.24g(10ミリモル)とテトラエ
チルアンモニウムクロリド1.657g(10ミリモル
ライオンアクゾ(株)製)の30%水溶液を加えた以
外は実施例1と同様の操作で行った。反応2時間後、終
了とし、このときのグリシドール反応率は98.5%で
あり、蒸留により得られたグリシジルメタクリレートの
純度は98.3%で、グリシドールを0.9%含んでい
た。
備え付けたマクマホンパッキンを充填した内径15mm
φ、高さ300mmの蒸留塔およびサンプル抜きだし管
を備え付けた内容積2リットルの5つ口フラスコにメタ
クリル酸メチル500g(5モル)とグリシドール74
g(1モル)とp−メトキシフェノール0.5gおよび
予め調整した酢酸カリウム0.981g(10ミリモ
ル)とテトラメチルアンモニウムクロリド1.096g
(10ミリモル)の40%水溶液を加えた。圧力を30
0mmHgに減圧し、加熱を開始した。釜温度70℃よ
り還流が開始され、蒸留塔塔頂温度を38℃〜55℃に
なるように還流比10〜30に調節し、生成したメタノ
ールをメタクリル酸メチルおよび水との共沸混合物とし
て留去させた。反応3時間後、釜温は74℃になり反応
を終了させた。このときのグリシドール反応率はガスク
ロマトグラフ分析より98.8%であることが分かっ
た。
ーダ11.2g(102ミリモル)を添加して、圧力を
100mmHgに減圧して、過剰量のメタクリル酸メチ
ルを回収した。次に、圧力を30〜4mmHgに減圧
し、初留成分として28gを回収した。この初留成分に
は4.8%のグリシドールを含み、次の合成原料として
使用される。主留成分として103gが回収され、グリ
シジルメタクリレートの純度は98.6%で、グリシド
ールは0.5%であった。
化カリウムに代えてチオシアン酸カリウム0.83g
(8.5ミリモル)とベンジルトリメチルアンモニウム
クロリド1.578g(8.5ミリモル)の50%水溶
液を加えた。圧力300mmHgに減圧し、加熱を開始
した。釜温度70℃よりグリシドールの滴下を開始して
反応を開始した。蒸留塔塔頂温度を38℃〜55℃にな
るように還流比10〜30に調節し、生成したメタノー
ルをメタクリル酸メチルおよび水との共沸混合物として
留去させた。30分でグリシドール74g(1モル)の
滴下を終了した。反応3.5時間後、終了とし、このと
きのグリシドール反応率は98.3%であった。この後
直ちに、燐タングステン酸ナトリウム7.2g(26ミ
リモル)を添加し、実施例1と同様の操作で蒸留を行
い、得られたグリシジルメタクリレートの純度は98.
1%で、グリシドールは1.1%であった。
カリウム0.55g(8.5ミリモル)のみを添加し、
その後は実施例1と同様の操作を行った。グリシドール
反応率99%を達成したが、蒸留中にグリシドールが再
製してきたために、得られたグリシジルメタクリレート
の純度は95%であり、製品収量は65gと大変低いも
のであった。
8.1%を達成した。その後、p−トルエンスルホン酸
ソーダ5.6g(51ミリモル)を添加して蒸留を行っ
たが、蒸留中のグリシドールの再製は全く抑えることが
できなかった。結果として得られた製品グリシジルメタ
クリレートの純度は94%であった。
チルアンモニウムクロリド1.86g(17ミリモル)
のみを添加し、その後は実施例1と同様の操作を行い、
エステル交換反応を2時間行ったが、反応は殆ど進行し
なかった。
製造では除去不可能であった有害なエピクロルヒドリン
や樹脂の物理的性質等を低下させる塩素化合物を全く含
まず、かつグリシジルメタクリレートまたはグリシジル
アクリレートを高純度、高収率で得ることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 グリシドールと、アクリル酸メチルまた
はメタクリル酸メチルとのエステル交換反応により、グ
リシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレート
を製造する方法において、触媒として一般式(1)に示
すKXと、一般式(2)に示す第4級アンモニウム塩ま
たは一般式(3)に示す第4級ホスホニウム塩とを含む
水溶液中を用い、反応終了後触媒不活性化剤を添加して
反応を停止し、減圧下に未反応メタクリル酸メチルまた
はアクリル酸メチルを蒸留除去後、グリシジルメタクリ
レートまたはグリシジルアクリレートを得ることを特徴
とするグリシジルメタクリレートまたはグリシジルアク
リレートの製造方法。 KX (1) (R1 R2 R3 R4 )N+ Y- (2) (R1 R2 R3 R4 )P+ Y- (3) 式(1)中、Kはカリウムを表し、Xはシアンイオン、
シアン酸イオン、有機カルボン酸イオン、チオシアンイ
オンまたはチオシアン酸イオンのいずれかであり、式
(2)および(3)中、R1 、R2 、R3 、R4 は、そ
れぞれ炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、
フェニル基のいずれかであり、Yは、シアンイオン、シ
アン酸イオン、チオシアン酸イオン、ギ酸イオン、酢酸
イオン、プロピオン酸イオン、メタクリル酸イオン、安
息香酸イオンのいずれかである。 - 【請求項2】 一般式(1)に示すKXがシアン化カリ
ウム、シアン酸カリウム、チオシアン化カリウム、チオ
シアン酸カリウム、メタクリル酸カリウム、酢酸カリウ
ム、ギ酸カリウム、安息香酸カリウムから選ばれた1種
以上でありかつ、該触媒の使用割合がグリシドール1モ
ルに対して1〜500ミリモルである請求項1記載のグ
リシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレート
の製造方法。 - 【請求項3】 一般式(2)に示す第4級アンモニウム
塩がテトラメチルアンモニウムクロリド、トリメチルエ
チルアンモニウムクロリド、ジメチルジエチルアンモニ
ウムクロリド、メチルトリエチルアンモニウムクロリ
ド、テトラエチルアンモニウムクロリド、トリメチルベ
ンジルアンモニウムクロリド、トリエチルベンジルアン
モニウムクロリドの少なくとも1種以上、または一般式
(3)に示す第4級ホスホニウム塩がテトラメチルホス
ホニウムアイオダイド、テトラフェニルホスホニウムブ
ロマイドから選ばれた1種以上である請求項1記載のグ
リシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレート
の製造方法。 - 【請求項4】 一般式(2)に示す第4級アンモニウム
塩または一般式(3)に示す第4級ホスホニウム塩の使
用割合がグリシドール1モルに対して1〜500ミリモ
ルである請求項1記載のグリシジルメタクリレートまた
はグリシジルアクリレートの製造方法。 - 【請求項5】 使用する触媒不活性化剤がアルキルスル
ホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、燐タングステン
酸、燐モリブデン酸のカリウムを除くアルカリ金属塩ま
たはアルカリ土類金属塩から選ばれた1種以上であり且
つ、該アルカリ金属塩の使用割合がグリシドール1モル
に対して1〜1000ミリモルである請求項1記載のグ
リシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレート
の製造方法。 - 【請求項6】 一般式(1)に示すKX1モルに対し
て、一般式(2)の第4級アンモニウム塩または一般式
(3)の第4級ホスホニウム塩0.1〜10モル使用
し、かつ触媒混合水溶液濃度が5〜80重量%である請
求項1記載のグリシジルメタクリレートまたはグリシジ
ルアクリレートの製造方法。
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---|---|---|---|
JP04419795A JP3801227B2 (ja) | 1995-03-03 | 1995-03-03 | グリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートの製造方法 |
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JPH08239372A true JPH08239372A (ja) | 1996-09-17 |
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JP04419795A Expired - Fee Related JP3801227B2 (ja) | 1995-03-03 | 1995-03-03 | グリシジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレートの製造方法 |
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