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JPH08225647A - 硬化性組成物及びそれを用いた成形体の作製方法 - Google Patents

硬化性組成物及びそれを用いた成形体の作製方法

Info

Publication number
JPH08225647A
JPH08225647A JP33563795A JP33563795A JPH08225647A JP H08225647 A JPH08225647 A JP H08225647A JP 33563795 A JP33563795 A JP 33563795A JP 33563795 A JP33563795 A JP 33563795A JP H08225647 A JPH08225647 A JP H08225647A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
curable composition
addition
components
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33563795A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Tsumura
学 津村
Masashi Hiraishi
将史 平石
Takanao Iwahara
孝尚 岩原
Toshibumi Hirose
俊文 広瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP33563795A priority Critical patent/JPH08225647A/ja
Publication of JPH08225647A publication Critical patent/JPH08225647A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ケイ素系相互侵入型構造(IPN)を有する硬
化物を与える硬化性組成物の縮合反応によって硬化する
成分と付加反応によって硬化する成分との相溶性及び硬
化後の硬化物の均質性を確保し、耐熱性や力学特性に優
れたケイ素系硬化物を得る。 【解決手段】(A)式(1)(式中、R1 は1価の炭化
水素基、R2 は1価の芳香族炭化水素基、R3 は水素原
子又は1価の炭化水素基、l、m、nは2≦l+m+
n。)で表される数平均分子量500以上のシルセスキ
オキサンラダーオリゴマー、(B)分子中に少なくとも
2個のSiH基を有する、分子量1000以下のケイ素
化合物、(C)分子中に少なくとも2個のビニルシリル
基を有する、分子量1000以下のケイ素化合物、
(D)中性白金触媒を含有する硬化性組成物、およびこ
の硬化性組成物を、アルコキシシリル基及び/又はシラ
ノール基の加水分解・縮合とヒドロシリル化とを同時進
行的に行わせる成形体の作製方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シルセスキオキサンラ
ダーポリマーを主成分とするアルコキシシリル基の加水
分解・縮合反応及び/又はシラノール基の縮合反応によ
り硬化する成分と、分子内にSiH基及び/又はビニル
基を少なくとも2個有する分子量1000以下のケイ素
化合物とヒドロシリル化触媒からなるヒドロシリル化
(付加)反応により硬化する成分、とから構成される新
規なケイ素系相互侵入型構造(IPN)を有すると考え
られる硬化物を与える硬化性組成物及びそれを用いる肉
厚成形体の作製方法に関する。
【0002】
【従来技術】特開平6−256518号公報には、縮合
反応と付加反応とをワンポットで同時に収率よく行うこ
とにより、網目状ケイ素骨格とポリカルボシラン、ポリ
シロキサンなどの含ケイ素系ポリマーからなるケイ素系
相互侵入型構造(IPN)を有する硬化物を与える硬化
性組成物が開示されている。
【0003】しかしこの従来例には、IPNを形成する
ための重要な前提条件と考えられる、縮合反応によって
硬化する成分と、付加反応によって硬化する成分との相
溶性及び硬化後の硬化物の均質性を確保するための指針
は全く示されていなかった。また、耐熱性構造材料とし
て適用できる力学特性をもつ肉厚成形体の作製方法につ
いては何ら教えるところがなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、シル
セスキオキサンラダーポリマーを主成分とするアルコキ
シシリル基の加水分解・縮合反応及び/又はシラノール
基の縮合反応(以下、単に「縮合反応」という。)によ
り硬化する成分と、分子中に少なくとも2個のSiH基
を有する分子量1000以下の化合物と分子中に少なく
とも2個のビニル基を有する分子量1000以下のケイ
素化合物とヒドロシリル化触媒とからなるヒドロシリル
化(付加)反応により硬化する成分、とから構成される
新規なケイ素系相互侵入型構造(IPN)を有すると考
えられる硬化物を与える硬化性組成物及びそれを用いる
肉厚成形体の作製方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、シルセ
スキオキサンラダーポリマーを主成分とする縮合反応に
より硬化する成分と、分子量1000以下のケイ素化合
物とヒドロシリル化触媒とからなるヒドロシリル化(付
加)反応により硬化する成分、とを組み合わせた硬化性
組成物を構成することにより達成された。
【0006】すなわち本発明者らは前記課題について鋭
意研究した結果、本発明で用いる縮合反応により硬化す
る成分と付加反応により硬化する成分とは、硬化前には
2つの成分の広い組成比の範囲で均一に相溶すること、
また硬化後も硬化物の均一性を保持できること、さらに
は用いた有機溶媒と縮合反応で生成する縮合成分とを徐
々に拡散ないし揮発させることにより著しいクラック発
生のない肉厚成形体を作製できることを見いだし、本発
明に到達した。
【0007】即ち、本発明は、 (A)式(1)
【0008】
【化2】
【0009】(式中、R1 は1価の炭化水素基を表し、
互いに同一でも異なってもよい、R2は1価の芳香族炭
化水素基を表し、互いに同一でも異なってもよい、R3
は水素原子又は1価の炭化水素基を表し、l、m、nは
2≦l+m+nを満足する0又は正の整数を表す。)で
表される数平均分子量500以上のシルセスキオキサン
ラダーポリマー、(B)分子中に少なくとも2個のSi
H基を有する、分子量1000以下のケイ素化合物、
(C)分子中に少なくとも2個のビニルシリル基を有す
る、分子量1000以下のケイ素化合物、(D)中性白
金触媒、を含有する硬化性組成物、および 前記記載の式(1)で表されるシルセスキオキサ
ンラダーポリマー100重量部に対して、20〜200
体積部の有機溶媒に均一に溶解あるいは分散させた請求
項1〜16のいずれか1項記載の硬化性組成物を、用い
た有機溶媒の沸点より低い温度で8時間以上保持し、そ
の後20〜400℃、好ましくは20〜250℃の範囲
で段階的あるいは連続的に昇温させることにより、アル
コキシシリル基及び/又はシラノール基の加水分解・縮
合反応とヒドロシリル化(付加)反応とを同時進行的に
行わせることを特徴とする成形体の作製方法である。
【0010】以下、本発明について詳しく説明する。ま
ず、本発明で用いる加水分解・縮合反応によって硬化す
る(A)成分について説明する。(A)成分のシルセス
キオキサンラダーポリマーは式(1)で表される構造を
有し、その数平均分子量は500以上である。本発明の
硬化性組成物を構成する他成分との相溶性、(A)成分
自身の溶解性・反応性を考慮すれば、その数平均分子量
は500〜10,000が好ましく、500〜5,00
0がさらに好ましく、500〜1,500が特に好まし
い。式中、R1 は1価の炭化水素基であり、互いに同一
でも異なってもよく、好ましくはメチル基である。R2
は1価の芳香族炭化水素基であり、互いに同一でも異な
ってもよく、好ましくはフェニル基である。R3 は水素
原子又は1価の炭化水素基であり、好ましくは水素、メ
チル基又はエチル基である。l、m、nは2≦l+m+
n、好ましくは2≦l+m+n≦12を満足する0又は
正の整数である。
【0011】式(1)において、l個の繰り返し単位
(以下、この単位をl単位という)におけるR1 とR2
はl単位毎に同一でも異なっていてもよい。このことは
m個の繰り返し単位(以下、この単位をm単位という)
のR1 についても同様であり、n個の繰り返し単位(以
下、この単位をn単位という)のR2 についても同様で
ある。また、n単位、m単位およびl単位はブロックで
あってもこれらが混在したランダムであってもよい。
【0012】次に、本発明で用いるヒドロシリル化(付
加)反応によって硬化する(B)成分、(C)成分及び
(D)成分について説明する。本発明で使用する(B)
成分は、分子中に少なくとも2個のSiH基を有する、
分子量1000以下のケイ素化合物であれば特に制限な
く用いることができる。式: HSiR2 −X−SiR2 H (2) HSiR2 H (3) Ha SiR(4-a) (4) H(a-1) SiR(4-a) −(X)m (SiRH)n SiR(4-a) (a-1) (5) R’−(X)m (SiRH)(n+2) −R’(6) [X−SiR(4-a) (a-2) (n+2) (7) (式中、Rは炭素数1〜20の1価の有機基を表し、
R’は水素又は1価の有機基を表し、Xは2価の基を表
し、aは3又は4の整数、nは0〜30の整数、mは1
〜31の整数を表す。)で表されるヒドロシラン、また
は芳香環上の3個以上の水素がSiR2 H、SiRH
2 、SiH3 (Rは炭素数1〜20の1価の有機基を表
す。)で置換された芳香環と該置換基からなるヒドロシ
ランなどを好ましく使用することができる。これらの化
合物は1種類でも2種類以上用いてもよい。式(2)〜
(7)中の炭素数1〜20の1価の有機基としては、例
えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n
−ブチル、t−ブチル、イソアミル、n−オクチル、n
−ノニル、フェニル、トリメチルシロキシ基等が挙げら
れ、メチル基とフェニル基が好ましい。式(2)、
(5)、(6)、(7)中の2価の基:Xは、具体的に
は下記に示す構造が挙げられる。
【0013】
【化3】
【0014】(式中、nは1〜4の整数を表す。)これ
らのうちで、
【0015】
【化4】
【0016】(式中、Meはメチル基を表し、nは前記
と同じ。)が好ましい。さらには、
【0017】
【化5】
【0018】(式中、nは前記と同じ。)が特に好まし
い。式(6)中の水素又は1価の有機基:R’は、具体
的には水素、メチル、エチル、フェニル、トリメチルシ
ロキシ基などであり、特に水素が好ましい。B成分の好
ましい具体例として、
【0019】
【化6】
【0020】(式中、Meは前記と同じ、Phはフェニ
ル基、nは3〜5の整数を表す。)で示される構造を挙
げることができる。
【0021】本発明で用いる(C)成分は、分子中に少
なくとも2個のビニルシリル基を有する、分子量100
0以下のケイ素化合物であれば特に制限なく用いること
ができる。式: CH2 =CR’−SiR2 −X−SiR2 −CR’=CH2 (8) CH2 =CR’−SiR2 −CR’=CH2 (9) (CH2 =CH)a SiR(4-a) (10) (CH2 =CH)(a-2) SiR(4-a) −(X)m −SiR(4-a) (CH=CH2 (a-1) (11) R’−(X)m [SiR(CH=CH2(n+2) −R’ (12) [X−SiR(4-a) (CH=CH2(a-2) (n+2) (13) (式中、R,X及びR’は式(2)〜(7)中のR,X
及びR’と同じであり、また好ましい構造も同じであ
る。mは1〜31の整数、nはnは0〜30の整数を表
す。)で表されるビニルシラン、または芳香環上の3個
以上の水素がSiR2 (CH=CH2 )、SiR(CH
=CH22 、Si(CH=CH23 (Rは炭素数1
〜20の1価の炭化水素基を表す。)で置換された芳香
環と該置換基からなるビニルシランなどを好ましく使用
することができる。これらの化合物は1種類でも2種類
以上用いてもよい。(C)成分としては、
【0022】
【化7】
【0023】(式中、Me、Phは前記と同じ、nは3
〜5の整数を表す。)で示される構造が好ましい。
【0024】本発明では、付加反応で硬化できる(B)
及び(C)成分に加えて、使用目的に応じて、分子中に
SiH基とビニルシリル基をそれぞれ少なくとも1個ず
つ有する、分子量1000以下の有機ケイ素化合物を用
いることができる。具体的には、次の化合物:
【0025】
【化8】
【0026】(式中、Meは前記と同じ。)を挙げるこ
とができる。
【0027】本発明の(B)及び(C)成分の分子量は
1000以下、500以下が好ましい。本発明の硬化性
組成物中の付加反応に関与する化合物すべてのSiH/
Si−ビニル基の比は0.5〜5が好ましく、0.6〜
3がさらに好ましく、0.8〜2が特に好ましい。
【0028】本発明の(D)成分であるヒドロシリル化
触媒は、望ましくない副生成物を生じることなくヒドロ
シリル化反応、アルコキシシランの加水分解・縮合反応
をワンポットで収率よく進行させるために、中性白金触
媒が好ましい。中性白金触媒としては、白金−有機化合
物錯体、白金−有機官能性シロキサン錯体、白金−ジオ
レフィン化合物錯体などが使用できる。白金−ビニルシ
ロキサン錯体、白金−アセチルアセトナート錯体、白金
−デカジエン錯体などが好ましい。触媒量としては特に
制限はないが、SiH基1molに対して10-1〜10
-8molの範囲で用いるのがよく、さらに好ましくは1
-3〜10-6molの範囲で用いるのがよい。
【0029】(D)成分である中性白金触媒に加えて、
場合によっては硬化抑制剤との組み合わせによりヒドロ
シリル化反応の反応速度を制御することができ、ヒドロ
シリル化反応とアルコキシシランの加水分解・縮合反応
を同時進行的に進めることが可能となる。このような硬
化抑制剤として、脂肪族不飽和結合を有する化合物、有
機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、ス
ズ系化合物、有機過酸化物などが使用できる。脂肪族不
飽和結合を有する化合物としては、プロパギルアルコー
ル、エン−イン化合物、ジメチルマレート等のマレイン
酸エステル等が挙げられる。有機リン化合物としては、
トリオルガノフォスフィン、ジオルガノフォスフィン、
オルガノフォスフォン、トリオルガノフォスファイト等
が挙げられる。有機イオウ化合物としては、オルガノメ
ルカプタン、ジオルガノスルフィド、硫化水素、ベンゾ
チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイト等が挙げ
られる。 窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜
3級アルキルアミン、アリールアミン、尿素、ヒドラジ
ン等が挙げられる。有機過酸化物としては、ジ−t−ブ
チルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイル
ペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が挙げられる。
【0030】次に、本発明で使用することのできる
(E)成分、(F)成分、(G)成分及び(H)成分に
ついて説明する。(E)成分のシラノール縮合触媒は、
式(1)で表されるシルセスキオキサンラダーポリマー
の末端官能基SiOR3 の加水分解・縮合反応を促進さ
せる役割を果たす。また、(F)成分の多官能性架橋剤
と(G)成分の水、あるいは(H)成分のシリカ系架橋
剤を併用する場合には、それらに含有されるアルコキシ
ル基やシラノール基もしくは加水分解によって生成する
シラノール基間での縮合反応、あるいは該官能基と式
(1)で表されるシルセスキオキサンラダーオリゴマー
の末端官能基SiOR3 との縮合反応を促進させるため
に使用することができる。
【0031】本発明で使用できる(E)成分のシラノー
ル縮合触媒には、各種酸触媒、アルカリ触媒、あるいは
有機金属化合物などの従来公知のものを広く使用するこ
とができ、特に制限されないが、その具体例としては、
酸触媒として例えば塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、リン酸、
リン酸エステル、活性白土、塩化鉄、ホウ酸、トリフル
オロ酢酸、トリフルオロメタンスルフォン酸、p−トル
エンスルフォン酸などが挙げられる。アルカリ触媒とし
ては例えばアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水
酸化物、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属のアル
コキシド、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、
テトラアルキルフォスフォニウムヒドロキシド、アミン
化合物などが挙げられる。アミン化合物としては、例え
ばピリジン、ピコリン、ルチジン、ピラジン、ピペリド
ン、ピペリジン、ピペラジン、ピラゾール、ピリダジ
ン、ピリミジン、ピロリジン、ブチルアミン、オクチル
アミン、ラウリルアミン、ジブチルアミン、モノエタノ
ールアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミ
ン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチル
アミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチ
レンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−
4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ
〔5,4,0〕ウンデセン−7(DBU)、あるいはこ
れらアミン系化合物のカルボン酸などとの塩、過剰のポ
リアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド
樹脂、過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成
物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β
−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラ
ンなどのアミノ基を有するシランカップリング剤などが
挙げられる。また、テトラブチルアンモニウムフルオラ
イド、フッ化カリウム、フッ化ナトリウムなどのフッ素
系化合物なども用いることができる。
【0032】有機金属化合物触媒には、錫、鉛、亜鉛、
鉄、コバルト、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、
ホウ素などの有機酸塩、アルコキシド、キレートがあ
る。本発明で使用する錫系触媒の具体例としては、例え
ば一般式(14)
【0033】
【化9】
【0034】(R5 は置換または非置換の1価の炭化水
素基を表す。例えば、アルキル基、クロロメチル基など
のような置換アルキル基、ビニル基、アリル基などのよ
うなアルケニル基、フェニル基、トリル基などのような
アリール基などが挙げられる。Y1 ,Y2 は炭素数が1
から8のアルキル基、アルコキシ基、dは0、1、また
は2)で示される。あるいは例えば一般式(15)
【0035】
【化10】
【0036】(R6 は置換または非置換の1価の炭化水
素基を表す。例えば、アルキル基、クロロメチル基のよ
うな置換アルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケ
ニル基、フェニル基、トリル基などのようなアリール基
などが挙げられる)で示される。例えば、錫(II)メト
キシド、錫(II)エトキシド、錫(II)2,4−ペンタ
ンジオネート、錫(II)オクトエート、酢酸錫(II)、
ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレート、ジブチ
ル錫ジアセテート、ナフテン酸錫、ジブチル錫オキサイ
ドとフタル酸エステルとの反応物、ジブチル錫ジアセチ
ルアセトナートなどが挙げられる。
【0037】本発明で使用する鉛触媒の具体例として
は、例えば一般式(16)
【0038】
【化11】
【0039】(Y3 、Y4 は置換または非置換の炭素数
が1から8のアルキル基、アルコキシ基である)で示さ
れる。例えば、鉛(II)ヘキサフルオロペンタンジオネ
ート、鉛(II)2,4−ペンタンジオネート、鉛(II)
2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオ
ネート、オクチル酸鉛などが挙げられる。本発明で使用
する亜鉛系触媒の具体例としては、例えば一般式(1
7)
【0040】
【化12】
【0041】(R7 は置換または非置換の1価の炭化水
素基を表す。例えば、アルキル基、クロロメチル基のよ
うな置換アルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケ
ニル基、フェニル基、トリル基などのようなアリール基
などが挙げられる。Y5 、Y6は炭素数が1から8のア
ルキル基、アルコキシ基、eは0、1、または2)で示
される。あるいは例えば一般式(18)
【0042】
【化13】
【0043】(R8 は置換または非置換の1価の炭化水
素基を表す。例えば、アルキル基、クロロメチル基のよ
うな置換アルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケ
ニル基、フェニル基、トリル基などのようなアリール基
などが挙げられる)で示される。例えば、ジメトキシ亜
鉛、ジエトキシ亜鉛、亜鉛メトキシエトキシド、亜鉛
2,4−ペンタンジオネート、酢酸亜鉛、亜鉛2−エチ
ルヘキサノエート、ギ酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛、亜鉛
ネオデカノエート、ウンデシレン酸亜鉛、オクチル酸亜
鉛などが挙げられる。
【0044】この出願発明において用いられる鉄触媒の
具体例としては、例えば一般式(19)
【0045】
【化14】
【0046】(R9 は置換または非置換の1価の炭化水
素基を表す。例えば、アルキル基、クロロメチル基のよ
うな置換アルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケ
ニル基、フェニル基、トリル基などのようなアリール基
などが挙げられる。Y7 、Y8は置換または非置換の炭
素数が1から8のアルキル基、アルコキシ基、fは0、
1、2、または3)で示される。例えば、鉄(III) ベン
ゾイルアセトネート、鉄(III) エトキサイド、鉄(III)
2,4−ペンタンジオネート、鉄(III) トリフルオロペ
ンタンジオネート、オクチル酸鉄などが挙げられる。
【0047】本発明で使用するコバルト系触媒の具体例
としては、例えば一般式(20)
【0048】
【化15】
【0049】(Y9 、Y10は置換または非置換の炭素数
が1から8のアルキル基、アルコキシ基、gは2または
3)で示される。例えば、コバルト(II)2,4−ペンタ
ンジオネート、コバルト(III) 2,4−ペンタンジオネ
ートなどが挙げられる。本発明で使用するチタン系触媒
の具体例としては、例えばテトラアルキルオルソチタネ
ートやチタンキレートなどがある。テトラアルキルオル
ソチタネートは、例えば一般式(21)
【0050】
【化16】
【0051】(式中、R10は置換または非置換の1価の
炭化水素基、好ましくは炭素数1から4の炭化水素基で
ある)で表される。このような1価の炭化水素基として
は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基などが挙げられる。チタンキ
レートは、例えば一般式(22)
【0052】
【化17】
【0053】(式中、R11、R12、R14は1価の炭化水
素基を表し、R13は水素原子または1価の炭化水素を表
す)で示される。このようなチタンキレートとしては、
例えばジイソプロポキシビス(アセト酢酸エチル)チタ
ン、ジイソプロポキシビス(アセト酢酸メチル)チタ
ン、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトン)チタ
ン、ジブトキシビス(アセト酢酸エチル)チタンなどが
挙げられる。
【0054】この発明において触媒として用いられるア
ルミニウムアルコキシドの具体例としては、例えば一般
式(23)
【0055】
【化18】
【0056】(式中、R15は置換または非置換アルキル
基、Xはアルコキシ基以外の1価の陰性基、hは0、
1、2または3を示す)で示される。最も好ましいアル
ミニウムアルコキシドは、一般式(23)においてhが
3の場合であるアルミニウムトリアルコキシドである
が、アルコキシ基の一部がXなどで置換された化合物を
用いてもよい。Xとしては、F- 、Cl- 、Br- など
のハロゲン原子や、一般式(24)
【0057】
【化19】
【0058】(Y11およびY12は、炭素数が1〜8まで
のアルキル基またはアルコキシ基を示す)で表される陰
性基が好ましい。具体的には、アルミニウムトリイソプ
ロポキシド、アルミニウムトリ第2ブトキシド、アルミ
ニウムジイソプロポキシ第2ブトキシド、アルミニウム
ジイソプロポキシドアセチルアセトナート、アルミニウ
ムジ第2ブトキシドアセチルアセトナート、アルミニウ
ムジイソプロポキシドエチルアセトアセテート、アルミ
ニウムジ第2ブトキシドエチルアセトアセテートなどが
挙げられる。
【0059】この出願発明において触媒として用いられ
るジルコニウムアルコキシドまたはキレートの具体例と
しては、例えば一般式(25)
【0060】
【化20】
【0061】(R16は置換または非置換の1価の炭化水
素基を表す。例えば、アルキル基、クロロメチル基のよ
うな置換アルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケ
ニル基、フェニル基、トリル基などのようなアリール基
などが挙げられる。Y13,Y14は炭素数が1から8のア
ルキル基、アルコキシ基、iは0、1、2、3、または
4)で示される。具体的には、ジルコニウムテトラブト
キシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコ
ニウムテトラメトキシド、ジルコニウムトリブトキシド
モノアセチルアセトナート、ジルコニウムビスブトキシ
ドモノアセチルアセトナート、ジルコニウムモノブトキ
シドトリスアセチルアセトナート、ジルコニウムトリブ
トキシドモノエチルアセチルアセテート、ジルコニウム
ジブトキシドビスエチルアセトアセテート、ジルコニウ
ムモノブトキシドトリスエチルアセトアセテート、ジル
コニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムテ
トラエチルアセトアセテートなどが挙げられる。
【0062】本発明で使用するホウ素アルコキシド触媒
の具体例としては、例えば一般式(26)
【0063】
【化21】
【0064】(R17は置換または非置換の1価の炭化水
素基を表す。例えば、アルキル基、クロロメチル基のよ
うな置換アルキル基、ビニル基、アリル基などのアルケ
ニル基、フェニル基、トリル基などのようなアリール基
などが挙げられる)で示される。例えば、ホウ素メトキ
シド、ホウ素エトキシド、ホウ素n−ブトキシドなどが
挙げられる。
【0065】これらの触媒は1種類を単独で用いてもよ
く、また差し支えなければ2種以上を併用してもよい。
好ましい触媒は中性の有機金属化合物であり、具体的に
はチタン系およびアルミニウム系触媒が好ましく、中で
もチタン系触媒がより好ましい。具体的に例示するなら
ば、Ti(OiPr)2 (acac)2 、Ti(OnB
u)4 、Ti(OMe)4 、Ti(OiPr)4 等を挙
げることができる。触媒の使用量はシルセスキオキサン
ラダーポリマー100重量部に対して0.01〜20重
量部であり、好ましくは0.3〜10で、最も好ましく
は0.5〜6重量部である。
【0066】本発明における(F)成分のシラノール縮
合反応可能な多官能性架橋剤は式(27)で表される化
合物を好ましく用いることができる。
【0067】
【化22】
【0068】式中、R4 は1価の有機基である。kは1
≦k≦7を満たす整数である。具体的に例示するなら
ば、Si(OEt)4 、MeSi(OMe)3 、Si
(OAc)4 、MeO{Si(OMe)2 O}n Me
(n=平均3〜6)、EtO{Si(OEt)2 O}n
Et(n=平均3〜6)等を挙げることができる。式
(2)で示される以外の化合物としてはMeSi(OM
e)3 、MeSi(OEt)3、MeSi(OAc)3
等を挙げることができる。式(27)以外で表される化
合物としては、Ph2 Si(OH)2 、PhMe2 Si
OH、Ph2 MeSiOH、PhSi(OH)3 及びお
よびその低分子量オリゴマー、Me3 SiOH、MeS
i(OH)3 及びその低分子量オリゴマーなどを挙げる
ことができる。
【0069】(F)成分の使用量はシルセスキオキサン
ラダーポリマー100重量部に対して5〜50重量部で
あり、好ましくは10〜50重量部である。これは、5
重量部未満ではほとんど効果がなく、50重量部を超え
ると硬化物が脆弱になるためである。
【0070】また本発明では、硬化性組成物中に存在す
るアルコキシシリル基の加水分解を促し縮合反応を十分
促進させるために、(G)成分の水を添加することがで
きる。水の添加量は硬化組成物中のすべてのアルコキシ
基に対して10〜100mol%である。これは、10
0mol%を超えると均一な硬化物が得られないためで
ある。
【0071】本発明で使用することのできる(H)成分
のシリカ系架橋剤としては、微粉末の含水シリカ、無水
シリカ、各種表面処理剤で処理されたシリカ粉末などが
挙げられる。これらに存在するシラノール基あるいは吸
着した水が式(1)で表されるシルセスキオキサンラダ
ーポリマーの末端官能基SiOR3 の縮合反応に関与
し、得られる硬化物の物性を改善することができる。シ
リカ系架橋剤の使用量は、シルセスキオキサンラダーポ
リマー100重量部に対して5〜30重量部が好まし
い。
【0072】本発明の硬化性組成物中の縮合反応によっ
て硬化する成分と、付加反応によって硬化する成分との
組成比は使用目的や用途によって任意の比で硬化させる
ことができる。例えば高弾性・高強度が要求される構造
材料として使用する場合、縮合硬化成分/付加硬化成分
の比が重量比で1以上が好ましく、2以上がさらに好ま
しく、3以上が特に好ましい。また、ゴム系材料として
用いる場合には、該比率が1以下が好ましく、1/2以
下が好ましく、1/3以下が特に好ましい。
【0073】さらに本発明の硬化性組成物においては、
その組成物を構成する成分を均一に混合するために有機
溶媒を使用することができる。この有機溶媒はシルセス
キオキサンラダーポリマーを十分に溶解し、かつ水をあ
る程度溶解できることが望ましい。このような有機溶媒
として、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素系溶媒、テ
トラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエー
テルなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケ
トンなどのケトン系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系
溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロ
エタンなどのハロゲン系溶媒を好適に用いることができ
る。これらの溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いる
こともできる。そのような溶媒としてはテトラヒドロフ
ラン及びクロロホルムが好ましい。有機溶媒の使用量
は、シルセスキオキサンラダーポリマー100gに対し
て20〜200mlであり、好ましくは60〜120m
lである。これは、20ml未満ではシルセスキオキサ
ンラダーポリマーの溶解が困難であり、200mlを超
えると気泡やクラックのない硬化物を作製するのが困難
となるためである。
【0074】次に、成形体の作製方法について述べる。
本発明の硬化性組成物を加熱硬化させる際に、昇温速度
をコントロールすることにより、縮合による硬化速度、
系からの揮発分の揮発速度、系中に残存する揮発分の拡
散速度などをうまくバランスでき、形成される硬化物に
著しいクラックを発生することなく、成形体を作製する
ことができる。この硬化性組成物の昇温のさせ方は、ま
ずはじめに、用いた有機溶媒の沸点より低い20〜50
℃程度の温度で8時間以上保持し、その後20〜400
℃、好ましくは20〜250℃の範囲で段階的あるいは
連続的に昇温させる。肉厚の成形体は、例えばこの硬化
性組成物をポリイミドフィルムを両面テープで貼った型
に流し込み、蓋をして熱風乾燥機の中に水平に静置し、
徐々に温度を上げながら加熱硬化させることにより作製
できる。ポリイミドフィルムを貼るのは、硬化物の離型
性がよく、硬化途中で硬化物が収縮しても容易に型から
外れ、クラックが生じ難いためである。加熱硬化は20
〜400℃の範囲で段階的にあるいは連続的に昇温する
のがよい。また連続的に昇温する場合は、5℃/hr以
下の速度で徐々に昇温するのが好ましい。好ましい段階
的昇温条件を例示すれば、50℃で8〜24時間、80
℃で8〜24時間、100℃で8〜24時間、さらに1
50℃で12〜70時間という順で加熱硬化させる条件
が挙げられる。
【0075】加熱硬化の後、物性改善や用途目的に応じ
てさらに加熱処理してもよい。その条件としては、15
0〜450℃の温度範囲で、空気中、窒素、アルゴンな
どの不活性気体中あるいは減圧下で行うことができる。
【0076】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではな
い。尚、特に言及しない限り、「%」は、「重量%」を
「部」は「重量部」を示す。シルセスキオキサンラダー
ポリマーとしては、昭和電工(株)より入手したオーエ
ンス・イリノイ・インコーポレイテッド製のもの(商品
名グラスレジン)を使用し、ケイ素上の置換基の比がP
h/Me=1/2のGR−100(GPCによるポリス
チレンスタンダード換算の重量平均分子量(Mw)及び
数平均分子量(Mn)はMw/Mn=7210/126
0(以下同様))、Ph/Me=1/0のGR−950
(Mw/Mn=1080/690)及びGR−100と
GR−908(Ph/Me=4/1、Mw/Mn=12
70/680)を3/1の重量比で混合してPh/Me
=1/1に調整したもの(GR−150* )を用いた。
多官能性架橋剤としては、式(27)においてR4 =M
e、k=4(平均)であるコルコート(株)製のメチル
シリケート−51を用いた。シリカ系架橋剤としては、
日本シリカ工業(株)製の含水シリカNIPSIL−L
Pを用いた。
【0077】(実施例1)50mlのサンプル管に、G
R−150* を5.0g,メチルシリケート−51を
2.5g秤量して入れた。そこに、溶媒としてテトラヒ
ドロフラン(THF)を5cc加えたのち、超音波洗浄
器を用いてグラスレジンを完全に溶解させた。グラスレ
ジンが完全に溶解したのち、縮合触媒であるTi(O−
i−Pr)2(acac)2 (i−Pr;イソプロピ
ル、acac;アセチルアセトナト)を500mg加え
た。別の10mlのサンプル管に、1,4−ビス(ジメ
チルビニルシリル)ベンゼン918mg(3.5mmo
l)、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン449
mg(2.3mmol)、1,3,5,7−テトラメチ
ルシクロテトラシロキサン211mg(0.88mmo
l)を秤取り、そこに硬化抑制剤であるジメチルマレー
トの10wt%THF溶液を30mg加え、軽く振って
混合した(白金触媒に対して300当量)。このカルボ
シラン溶液とシルセスキオキサンラダーオリゴマー溶液
とを混合し、Pt−ビニルシロキサン錯体(H2 PtC
6 ・6H2 O/[Me2 (CH2 =CH)Si]2
/NaHCO3 /トルエンより合成、9.71×10-6
mmol/mg)を7.2mg加えた(Si−ビニル基
に対して1×10-6当量)。
【0078】あらかじめ、厚さ25μmのポリイミドフ
ィルムを両面テープを用いて敷いたφ6.7cmの軟膏
缶を用意しておいた。この中に、上記の手順で調製した
溶液を静かに流し込んだ。この軟膏缶を熱風乾燥機中に
水平となるように置いたのち、蓋をして静置した。その
後、50℃/18h→80℃/9h→100℃/14h
→150℃/22hかけて加熱硬化させた。得られた硬
化物は厚さ2.3mmの茶色の透明固体であった。この
硬化物からダイヤモンドカッターを用いて長さ約40m
m、幅約5mmの曲げ試験用サンプルを切り出した。
【0079】(実施例2〜17)実施例1と同様にして
硬化物を作製し、同一寸法の曲げ試験用サンプルを切り
出した。ただし、Ti触媒を用いない場合は、50℃/
18h→80℃/9h→100℃/40h→150℃/
72hの熱履歴でキュワーを行った。
【0080】実施例1〜17の硬化物及び曲げ試験用サ
ンプルについて、曲げ特性、熱重量損失及び酸素指数を
次の方法に従って測定した。 (曲げ特性)島津製作所製の精密万能試験機を用い、J
IS K7203(小型試験片による曲げ試験方法)記
載の方法に準じて弾性率、強度、伸びを測定した(スパ
ン:15mm、圧子:5R、支点:2R、テストスピー
ド:0.5mm/min)。 (熱重量損失)島津製作所製TGA−50を用い、硬化
物から10mg程度の小片を精秤し、窒素気流(30m
l/min)下、20℃/minで昇温することにより
測定した。Td5 は5%重量減少した時の温度を示す。 (酸素指数)スガ試験機ON−1型を用い、JIS−7
201記載の方法に準じて測定した。ただし、試験片が
小さいので、その下部に細い針金を巻き、燃焼円筒の上
部から約10cmの位置に試験片を固定した。
【0081】酸素と窒素の流量をバルブで調節し、所定
の酸素濃度の気流を30秒以上底部から流した。点火器
で試験片の上部に点火し、その燃焼状態を観察した。試
験片の上部が赤くなっても3分以内(たいていは20秒
以内)に消える場合には、LOIはその酸素濃度より高
く、また試験片が燃えつづける場合には、LOIはそれ
より低いと判定した。
【0082】LOIが大きいほど難燃性に優れている。
【0083】表1に硬化性組成物中の縮合反応硬化成分
の使用量、表2に硬化性組成物中の付加反応硬化成分の
使用量、表3に得られた硬化物の物性を示した。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】表3の結果から、耐熱性及び力学特性に優
れた硬化物が得られることがわかる。
【0088】(比較例1)本発明の分子量1000以下
の(B)成分及び(C)成分のケイ素化合物と比較する
ため、反応性ケイ素系重合体化合物を合成した。メチル
フェニルジビニルシラン18.02mg(1.03mm
ol),白金−ビニルシロキサン錯体(H2 PtCl6
・6H2 O/[Me2 (CH2 =CH)Si]2 O/N
aHCO3/トルエンより合成)1wt%トルエン溶液
226μl(1.88×10-4mmol、SiH基1m
molに対してPt触媒1×10-4mmolの割合で使
用)を乾燥トルエン100mlに溶解させた溶液に1,
4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン18.30g(9
4mmol)を乾燥トルエンに溶解した溶液100ml
を窒素雰囲気下、室温でゆっくりと滴下した。滴下終了
後、反応溶液を1日室温で攪拌した。揮発成分を蒸発さ
せたところ粗ポリマーを得た。この粗ポリマーをヘキサ
ンに溶解し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用
いて、ヘキサン留分として式:CH2 =CH[Si(P
h)(Me)・CH2 CH2 −SiMe2 −C64
p−SiMe2 −CH2 CH2 ]Si(Ph)(Me)
−CH=CH2 (式中、Meはメチル基、Phはフェニ
ル基を表す。)で示される反応性ケイ素系高分子フラク
ション1を9.68g、トルエン留分としてフラクショ
ン2を12.60gを得た。ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)による分子量はそれぞれMw
/Mn=3400/1700(フラクション1)、87
00/5700(フラクション2)、ビニル含量はそれ
ぞれ81.3(フラクション1)、29.6(フラクシ
ョン2)mmol/100gであった。
【0089】このようにして合成された反応性ケイ素系
高分子フラクション1 500mg、Pt触媒4.9μ
l(H2 PtCl6 ・6H2 O/[Me(CH2 =C
H)SiO]4 /NaHCO3 /トルエンより合成、
8.3×10-7mmol/μl溶液を使用。SiH基に
対して1×10-5mmol)、硬化抑制剤として1,
3,5−トリス(ジメチル)ベンゼン34.27mg
(SiH/Siビニル=1/1)、GR950 500
g、リン酸4.9g、THF1mlを秤取り、均一な溶
液としたのち、テフロンシートを敷いた内径44mmの
軟膏缶に流し込み、120℃/2.5h+140℃/1
h+180℃/5hの条件で硬化させた。得られた硬化
物は、柔軟性部分とガラス質部分を持つ不均質なもので
あった。柔軟性部分は、500℃における熱重量損失率
が28.5%と大きく、またガラス質部分のその値も1
9.0%と実施例で得られた硬化物と比較して大きい値
であった。また、位相差顕微鏡による観察では50μm
以上の大きなドメインが観察された。 (比較例2)1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルト
リシロキサン7.5mmol、ジビニルメチルフェニル
シラン7.5mmol、1,3,5,7−テトラメチル
シクロテトラシロキサン1.25mmol、エチルシリ
ケート40(コルコート社製)3.2gを混合し、さら
に水50mmol、白金−ビニルシロキサン錯体2×1
-3mmol、ジ(2−エチルヘキシル)フォスフェイ
ト1mmol、i−PrOH5mlを加え、よく攪拌し
透明均一な溶液を得た。
【0090】該溶液を実施例1で用いたのと同じ軟膏缶
へ流し込み、実施例1と同じ加熱条件で硬化させた。表
面全体にクラックが入り、しかも内部の硬化が不充分で
ある不均質な硬化物が得られた。物性測定は不可能であ
った。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
網目状ケイ素骨格とポリカルボシラン、ポリシロキサン
などの含ケイ素系ポリマーからなるケイ素系相互侵入型
構造(IPN)を有する硬化物を与える硬化性組成物に
おいて、縮合反応によって硬化する成分と付加反応によ
って硬化する成分との相溶性及び硬化後の硬化物の均質
性を確保することができる。また、このようにして得ら
れたケイ素系硬化物は、優れた耐熱性や力学特性を有す
るので、航空宇宙産業用;自動車・鉄道・船舶等の将来
高速移動が可能となる移動手段用;超高層ビル・大深度
地下構造物・海中構造物等の大型構造物用などに用いる
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広瀬 俊文 兵庫県神戸市須磨区神の谷7−2−3

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)式(1) 【化1】 (式中、R1 は1価の炭化水素基を表し、互いに同一で
    も異なってもよい、R2は1価の芳香族炭化水素基を表
    し、互いに同一でも異なってもよい、R3 は水素原子又
    は1価の炭化水素基を表し、l、m、nは2≦l+m+
    nを満足する0又は正の整数を表す。)で表される数平
    均分子量500以上のシルセスキオキサンラダーポリマ
    ー、(B)分子中に少なくとも2個のSiH基を有す
    る、分子量1000以下のケイ素化合物、(C)分子中
    に少なくとも2個のビニルシリル基を有する、分子量1
    000以下のケイ素化合物、(D)中性白金触媒、を含
    有する硬化性組成物。
  2. 【請求項2】(A)〜(D)成分のほかに、(E)シラ
    ノール縮合触媒を含有する請求項1記載の硬化性組成
    物。
  3. 【請求項3】(A)〜(D)成分のほかに、(F)シラ
    ノール縮合反応可能な多官能性架橋剤を含有する請求項
    1記載の硬化性組成物。
  4. 【請求項4】(A)〜(D)成分のほかに、(G)水を
    含有する請求項1記載の硬化性組成物。
  5. 【請求項5】(A)〜(D)成分のほかに、(H)シリ
    カ系架橋剤を含有する請求項1記載の硬化性組成物。
  6. 【請求項6】(A)〜(D)成分のほかに、請求項2記
    載の(E)成分と請求項3記載の(F)成分を含有する
    請求項1記載の硬化性組成物。
  7. 【請求項7】(A)〜(D)成分のほかに、請求項2記
    載の(E)成分と請求項4記載の(G)成分を含有する
    請求項1記載の硬化性組成物。
  8. 【請求項8】(A)〜(D)成分のほかに、請求項2記
    載の(E)成分と請求項5記載の(H)成分を含有する
    請求項1記載の硬化性組成物。
  9. 【請求項9】(A)〜(D)成分のほかに、請求項3記
    載の(F)成分と請求項5記載の(H)成分を含有する
    請求項1記載の硬化性組成物。
  10. 【請求項10】(A)〜(D)成分のほかに、請求項4
    記載の(G)成分と請求項5記載の(H)成分を含有す
    る請求項1記載の硬化性組成物。
  11. 【請求項11】(A)〜(D)成分のほかに、請求項3
    記載の(F)成分と請求項4記載の(G)成分を含有す
    る請求項1記載の硬化性組成物。
  12. 【請求項12】(A)〜(D)成分のほかに、請求項2
    記載の(E)成分と請求項3記載の(F)成分と請求項
    4記載の(G)成分を含有する請求項1記載の硬化性組
    成物。
  13. 【請求項13】(A)〜(D)成分のほかに、請求項2
    記載の(E)成分と請求項3記載の(F)成分と請求項
    5記載の(H)成分を含有する請求項1記載の硬化性組
    成物。
  14. 【請求項14】(A)〜(D)成分のほかに、請求項2
    記載の(E)成分と請求項4記載の(G)成分と請求項
    5記載の(H)成分を含有する請求項1記載の硬化性組
    成物。
  15. 【請求項15】(A)〜(D)成分のほかに、請求項3
    記載の(F)成分と請求項4記載の(G)成分と請求項
    5記載の(H)成分を含有する請求項1記載の硬化性組
    成物。
  16. 【請求項16】(A)〜(D)成分のほかに、請求項2
    記載の(E)成分と請求項3記載の(F)成分と請求項
    4記載の(G)成分と請求項5記載のH成分を含有する
    請求項1記載の硬化性組成物。
  17. 【請求項17】請求項1記載の式(1)で表されるシル
    セスキオキサンラダーポリマー100重量部に対して、
    20〜200体積部の有機溶媒に均一に溶解あるいは分
    散させた請求項1〜16のいずれか1項記載の硬化性組
    成物を、用いた有機溶媒の沸点より低い温度で8時間以
    上保持し、その後20〜400℃の範囲で段階的あるい
    は連続的に昇温させることにより、アルコキシシリル基
    及び/又はシラノール基の加水分解・縮合反応とヒドロ
    シリル化(付加)反応とを同時進行的に行わせることを
    特徴とする成形体の作製方法。
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