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JPH08183836A - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物

Info

Publication number
JPH08183836A
JPH08183836A JP33855894A JP33855894A JPH08183836A JP H08183836 A JPH08183836 A JP H08183836A JP 33855894 A JP33855894 A JP 33855894A JP 33855894 A JP33855894 A JP 33855894A JP H08183836 A JPH08183836 A JP H08183836A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
core
shell
weight
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33855894A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuaki Matsubara
哲明 松原
Haruo Yanase
春雄 柳瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP33855894A priority Critical patent/JPH08183836A/ja
Publication of JPH08183836A publication Critical patent/JPH08183836A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 エポキシ樹脂(a)、該エポキシ樹脂(a)
および/または下記硬化剤(c)と反応し得る官能基を
有するガラス転移温度−20℃以下の重合体からなるコ
アと、ガラス転移温度0℃以上の重合体からなるシェル
とから構成されたコア/シェル型粒子状架橋共重合体
(b)、および硬化剤(c)からなるエポキシ樹脂組成
物。 【効果】 硬化物の可撓性が改良され、接着特性に優
れ、かつ硬化時の作業性がよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂組成物に
関し、さらに詳しくは、エポキシ樹脂および/または硬
化剤と反応し得る重合体からなるコアを有するコア/シ
ェル型粒子状架橋共重合体が、硬化剤を含むエポキシ樹
脂中に分散されたエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、エポキシ樹脂の硬化物は可撓性
に乏しい。従って、エポキシ樹脂を接着剤として使用し
た場合には、金属,磁気,コンクリートなどに対する接
着力、剪断強度、引張強度などに優れるものの、剥離強
度や耐衝撃強度が非常に低く、そのために亀裂や剥離が
発生しやすいという問題点がある。また、成形材料とし
て使用する場合には、成形品が脆くなるなどの問題点が
ある。このような問題点を解決するために以前からエポ
キシ樹脂にゴム成分を導入することによるエポキシ樹脂
変性の検討が進められてきた。
【0003】例えば、シェル成分が、エポキシ樹脂相と
反応し得る官能基を有するコア/シェル型グラフト共重
合体をエポキシ樹脂相に分散させる手法(米国特許第
4,778,851号)が提案されている。しかしなが
ら、このコア/シェル型グラフト共重合体粒子はエポキ
シ樹脂の強靱化にあまり関与しない硬いシェル部分に官
能基を含んでいるために、エポキシ樹脂相と粒子が強固
に結合されたとしても、シェル部分やコア/シェル界面
の破壊が起こりやすく、効果が十分でないという問題点
がある。また、コア/シェル型グラフト共重合体粒子表
面に多くの官能基が存在しているために、硬化速度の制
御がし難いといった問題点がある。
【0004】また、官能基を有する部分架橋ゴム状ラン
ダム共重合体粒子をエポキシ樹脂相に分散させる手法
(特開平2−117948号公報)が提案されている
が、共重合体のガラス転移温度が低く、粒子同士が互着
しやすいため、粒子の分散性が悪く、樹脂組成物の粘度
が上昇したり、分散されたゴム粒子の凝集が起こり易い
といった問題点がある。この組成物中の粒子の分散性を
改良する手法として、一旦粉末化する方法(特開平5−
295237号公報)、およびエポキシ化合物で処理す
る方法(特開平6−128460号公報)などが提案さ
れているが、前者では粉末化する際に使用するダスティ
ング剤の混入、後者では工程の煩雑化などといった問題
が残されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、硬化
物の可撓性が改良され、接着特性に優れ、曲げ強度、衝
撃強度、耐熱性なども良好であって、かつ硬化時の作業
性がよいエポキシ樹脂組成物を提供することにある。本
発明者らは鋭意検討の結果、意外にも、エポキシ樹脂お
よび/または硬化剤と反応し得る官能基を有する重合体
を、シェルではなくコアとして形成したコア/シェル型
粒子状架橋共重合体をエポキシ樹脂中に分散させること
により、硬化速度の制御がし難くなるなどの問題なし
に、エポキシ樹脂の強靱化が図れることを見出し、本発
明を完成するに到った。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、エポキシ樹脂(a)、該エポキシ樹脂(a)および
/または下記硬化剤(c)と反応し得る官能基を有する
ガラス転移温度−20℃以下の重合体からなるコアと、
ガラス転移温度0℃以上の重合体からなるシェルとから
構成されたコア/シェル型粒子状架橋共重合体(b)、
および硬化剤(c)からなることを特徴とするエポキシ
樹脂組成物が提供される。
【0007】以下、本発明のエポキシ樹脂組成物を詳細
に説明する。本発明に用いられるエポキシ樹脂(a)は
用途に応じて適宜選択され、種々のものを使用すること
ができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキ
シ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジ
ルアミン型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、ヒ
ダントイン型エポキシ樹脂などを挙げることができる。
これらのエポキシ樹脂は単独でまたは2種類以上混合し
て使用することができる。
【0008】本発明に用いられるコア/シェル型粒子状
架橋共重合体(b)は、ガラス転移温度−20℃以下の
重合体からなるコアとガラス転移温度0℃以上の重合体
からなるシェルとから構成されており、その重合体コア
はエポキシ樹脂(a)およびエポキシ樹脂(b)に配合
する硬化剤(c)の少なくとも一方と反応し得る官能基
を有している。上記コア(以下、コア成分という)と上
記シェル(以下、シェル成分という)との割合は、コア
成分が好ましくは20〜80重量%、より好ましくは4
0〜80重量%、シェル成分が好ましくは80〜20重
量%、より好ましくは60〜20重量%である。
【0009】コア/シェル型粒子状架橋共重合体(b)
は、好ましくは、エポキシ樹脂中に分散したときの粒径
が300〜10,000オングストローム、より好まし
くは500〜5,000オングストロームであり、かつ
ゲル含量が50〜100%のものである。ここでゲル含
量とは、架橋共重合体1gをメチルエチルケトン100
ミリリットル中に浸漬し室温で24時間静置後不溶分の
重量を測定して求めたものである。
【0010】コア成分は、エポキシ樹脂(a)および/
または硬化剤(c)と反応し得る官能基を有する重合性
不飽和化合物(以下、第1の単量体という)、他の共重
合可能な重合性不飽和化合物(以下、第2の単量体とい
う)、および、好ましくはさらに架橋性単量体から導か
れる共重合体であって、各単量体の割合は架橋共重合
(b)のガラス転移温度が−20℃以下となるように選
ばれる。
【0011】第1の単量体としては、反応性官能基とし
て、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、水酸基、ア
ミノ基、アミド基、ピリジル基、エポキシ基、イソシア
ネート基、リン酸基などから選ばれた少なくとも一種を
もつものが用いられる。そのような単量体の具体例とし
ては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸など
の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、イタコン酸、フ
マル酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸などのジカル
ボン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチ
ル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、イタ
コン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸
モノブチルなどの不飽和ジカルボン酸のモノエステルと
いったカルボキシル基含有単量体;無水マレイン酸、無
水フマル酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有単量
体;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどのヒドロキ
シ基含有単量体;(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエ
チル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルなどの
アミノ基含有単量体;(メタ)アクリルアミドなどのア
ミド基含有単量体;2−ビニルピリジン、4−ビニルピ
リジン、2−メチル−5−ビニルピリジン、5−エチル
−2−ビニルビリジンなどのピリジル基含有体単量体;
(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有単
量体;ビニルイソシアネートなどのイソシアネート基含
有単量体;モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)ア
シッドホスフェートなどのリン酸基含有単量体などを挙
げることができる。
【0012】コア成分中における第1の単量体の共重合
量は、0.5〜40重量%であり、好ましくは1〜20
重量%である。共重合量が0.5重量%未満ではエポキ
シ樹脂組成物を硬化させた後の物性改良効果が不十分で
あり好ましくない。また40重量%を超えても物性改良
効果はあまり向上しない。
【0013】第1の単量体と共重合可能な第2の単量体
の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレンな
どの共役ジエン;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキ
シエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メ
タ)アクリル酸ブトキシエチルなどの(メタ)アクリル
酸エステル;エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−
ブテン、イソブテンなどのオレフィン類;(メタ)アク
リロニトリルなどのシアン化ビニル;スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニルなど
が挙げられる。
【0014】コア成分中の第2の単量体の共重合量は、
通常60〜99.5重量%、好ましくは80〜99重量
%であり、コア成分のガラス転移温度が−20℃以下と
なる範囲で選ばれる。第2の単量体は単独で、または2
種類以上組み合わせて使用することができる。
【0015】架橋性単量体は分子中に反応性2重結合を
2個以上有する重合性不飽和単量体であって、具体例と
しては、エチレングリコールジアクリレート、ブチレン
グリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジ
アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ヘキサンジオールジアクリレート、オリゴエチレン
ジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ブチレングリコールジメタクリレート、トリメチロ
ールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、オリゴエチレンジメタクリレートなど;ジビニル
ベンゼンなどの芳香族ジビニル単量体;トリメリット酸
トリアリル、トリアリルイソシアヌレートなどが例示さ
れる。これらの架橋性単量体はそれぞれ単独で、または
2種類以上組み合わせて用いてもよい。
【0016】架橋性単量体の使用量はコア成分を形成す
る単量体の全重量中通常20重量%以下、好ましくは
0.1〜10重量%である。架橋性単量体の使用によっ
てコア/シェル型粒子状架橋共重合体のゲル含量を容易
に好ましい範囲、すなわち、50〜100%とすること
ができる。架橋性単量体を使用しないとゲル含量を50
%以上とすることが困難となり、該共重合体がエポキシ
樹脂に溶解して組成物の粘度が上昇するので好ましくな
い。また20重量%を超える場合にはエポキシ系接着剤
として十分な物性が得られないので好ましくない。な
お、コア/シェル型粒子状架橋共重合体のゲル含量は、
コア成分の形成に架橋性単量体を使用せずに、コア成分
共重合体を製造する際の重合温度を制御することにより
生成することも可能である。
【0017】シェル成分は、重合性不飽和化合物(以
下、第3の単量体という)の単独重合またはその2種以
上の共重合によって形成され、単量体の種類および組成
はシェル成分のガラス転移温度が0℃以上となるように
選ばれる。第3の単量体の具体例としてはコア成分の形
成に用いる第2の単量体と同様なものが挙げられる。な
お、シェル成分を形成する単量体の一部に、コア成分の
形成に用いる第1の単量体のような、エポキシ樹脂およ
び/または硬化剤と反応し得る官能基を有する単量体を
用いることは好ましくない。シェル成分にエポキシ樹脂
および/または硬化剤と反応する官能基を導入しても、
コア成分に導入するほどの改質効果が得られないだけで
なく、硬化速度の制御が困難になるからである。
【0018】シェル成分のゲルもコア成分の場合と同
様、重合温度を制御することにより重合反応中に形成さ
せることができるが、架橋性単量体を共重合することに
よって形成させることが好ましい。架橋性単量体の具体
例としては、コア成分のゲル形成用架橋性単量体と同様
なものが挙げられ、またその使用量はシェル成分を形成
する単量体の全重量中通常20重量%以下、好ましくは
0.1〜10重量%である。コア成分のゲル形成の場合
と同様に、架橋性単量体を使用しないとコア/シェル型
粒子状架橋共重合体のゲル含量を50〜100%とする
ことが困難であり、またその使用量が過多であると硬化
物の物性改良効果が不十分となる。
【0019】本発明で使用するコア/シェル型粒子状架
橋共重合体(b)の製造方法は、格別限定されるもので
はないが、通常は少なくとも2段階の連続した多段シー
ド乳化重合により製造する。すなわち、第1段目にガラ
ス転移温度−20℃以下の共重合体を形成するような組
成を有する第1の単量体、第2の単量体および架橋性単
量体の組合せを、乳化剤の存在下、重合開始剤として過
酸化物開始剤、レドックス開始剤などのラジカル重合開
始剤を用いて乳化重合を行いコア成分を含有するシード
ラテックスを得る。次いで、第2段目としてガラス転移
温度0℃以上の重合体を形成するような組成を有する第
3の単量体および架橋性単量体の組合せを、第1段目で
得られたコア成分を含有するシードラテックスに添加し
て、乳化剤の存在下、重合開始剤として過酸化物開始
剤、レドックス開始剤などのラジカル重合開始剤を用い
て乳化重合してシェル成分を形成する。このような多段
シード乳化重合により粒径が300〜5,000オング
ストロームのコア/シェル型粒子状架橋共重合体(b)
を含有するラテックスを製造することができる。なお、
この場合シェル成分の重合は、コア成分の重合に引き続
き行ってもよく、第1段目で製造したコア成分のシード
ラテックスを部分凝集させた後に行ってもよい。
【0020】本発明で使用するコア/シェル型粒子状架
橋共重合体(b)の製造に際して、高分子乳化剤を用い
て乳化重合することによって得られたコア/シェル型粒
子状架橋共重合体(b)を含有するラテックスはエポキ
シ樹脂に直接配合することができ、これにより重合に使
用する副資材等の影響をうけることなく接着物性が良好
なエポキシ系接着剤組成物を得ることができる。すなわ
ち、該架橋共重合体を含有するラテックスを、凝固、洗
浄することなくエポキシ樹脂に配合し、その後該ラテッ
クス中に含まれた水分を除去することによって、該架橋
共重合体の微粒子がエポキシ樹脂に一様に分散されたエ
ポキシ樹脂組成物が得られる。水分を除去する方法は特
に限定されるものではないが、例えば該ラテックスとエ
ポキシ樹脂との混合物を攪拌しつつ、常圧または減圧
下、40〜120℃に加熱する方法などが例示される。
【0021】本発明で使用する硬化剤(c)は通常エポ
キシ系接着剤の硬化剤として使用するものであればとく
に限定されないが、通常は脂肪族ポリアミン、芳香族ポ
リアミン、第2級アミン、第3級アミン、酸無水物、イ
ミダゾール誘導体、有機酸ヒドラジド、ジシアンジアミ
ドおよびその誘導体、尿素誘導体などが挙げられ、さら
に、ポリメルカプタン系硬化剤、ポリイソシアネート、
芳香族ジアゾニウム塩および芳香族スルホニウム塩が挙
げられる。具体例を挙げると、脂肪族ポリアミンとして
はエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミン、テトラエチレンペンタミンなど;芳香
族ポリアミンとしてはメタフェニレンジアミン、ジアミ
ノジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタ
ンなど;第2級および第3級アミンとしてはエチレンペ
ンタベンジルジメチルアミン、トリエチレンジアミン、
トリエタノールアミン、ピペリジン、ポリアミドアミン
など;酸無水物としては無水フタル酸、無水トリメリッ
ト酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無水コハ
ク酸、テトラヒドロ無水フタル酸など;イミダゾール誘
導体としてはイミダゾール、2−メチルイミダゾール、
2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイ
ミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタ
デシルイミダゾールなど;有機酸ヒドラジドとしてはア
ジピン酸ヒドラジドなどが例示される。
【0022】本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ
樹脂(a)100重量部に対して、通常、コア/シェル
型粒子状架橋共重合体(b)3〜60重量部、好ましく
は5〜40重量部、硬化剤(c)3〜200重量部、好
ましくは2〜100重量部を配合してなるものである。
コア/シェル型粒子状架橋共重合体(b)が3重量部未
満ではエポキシ樹脂の可撓性その他の特性が十分には改
良されないので好ましくない。また、60重量部を超え
る場合はエポキシ樹脂組成物の粘度が増大するので好ま
しくない。なお、本発明のエポキシ樹脂組成物には、所
望により硬化促進剤、反応性希釈剤、非反応性希釈剤、
充填剤、顔料および老化防止剤等の添加剤を配合するこ
とができる。
【0023】本発明のエポキシ樹脂組成物の製造方法
は、通常、エポキシ樹脂(a)にコア/シェル型粒子状
架橋共重合体(b)を含有するラテックスを配合して、
エポキシ樹脂中に該架橋共重合体の微細な粒子を分散さ
せ、ついで硬化剤(c)を配合する方法が挙げられる。
エポキシ樹脂中に該架橋共重合体の微細な粒子を分散さ
せる方法としては、例えばエポキシ樹脂と該ラテックス
とを剪断力下で攪拌し、分離した水分を除去して乾燥す
る方法;水系で乳化または懸濁したエポキシ樹脂と該ラ
テックスとを混合した後、凝固して水を除去し乾燥する
方法;該ラテックスを凝固し乾燥前の凝固物とエポキシ
樹脂を混合した後、水分を除去し乾燥する方法;該ラテ
ックスを凝固、乾燥し、強制攪拌下に有機溶媒中に分散
させ、これとエポキシ樹脂とを混合した後、溶媒を除去
し乾燥する方法などが挙げられる。また、通常のロー
ル、インターミキサー、ニーダー、押し出し機などを用
いてコア/シェル型粒子状架橋共重合体の粒子をエポキ
シ樹脂中に分散させることもできる。
【0024】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例および比較例中の部お
よび%は特に断りのない限り重量基準である。
【0025】参考例 コア/シェル架橋共重合体(b)の製造 メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/メタクリル酸
共重合体からなる高分子乳化剤を用い常法に従って、表
1に記載されているコア成分の単量体の乳化重合を行
い、コア成分を有するシードラテックスを得た。次い
で、表1に記載されているシェル成分の単量体を添加、
重合を行い、シェルを形成させ、コア/シェル型架橋共
重合体(b)のラテックスを得た。ラテックスの平均粒
径とゲル含量、およびガラス転移温度とを表1に示す。
なお、ラテックスの平均粒径は、サブミクロン・パーテ
ィクル・サイザー、オートダイリュートモデル370
(ニコムブ社製)を用いて測定した。また、ガラス転移
温度は、DSC(セイコー電子工業(株)製TG−DT
A220)を用いて測定した。
【0026】
【表1】
【0027】実施例1〜3、比較例1〜5 エピコート828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
油化シェルエポキシ社製)100部とその固形分がエピ
コート828に対して表2に示す比率になる量の参考例
で得られたラテックスとを配合し、攪拌機を備えたフラ
スコに仕込み、攪拌しつつ60℃で減圧蒸留することに
よってコア/シェル型粒子状架橋共重合体(b)の微細
な粒子がエポキシ樹脂中に一様に分散されたエポキシ樹
脂組成物を製造した。ここに、ジシアンジアミド10
部、白艶華U(白石カルシウム社製)18部、アエロジ
ル200(日本アエロジル社製)1部とを配合し、エポ
キシ系接着剤組成物を作製し、接着剤として使用したと
きのその接着物性を下記の方法によって測定した。結果
を表2に示す。表2中、比較例4において用いたCTB
Nはカルボキシル末端基を有する液状NBR(ビー・エ
フ・グッドリッチ社製 Hycar CTBN 130
0×13)である。
【0028】
【表2】
【0029】i)引張剪断強度 トルエンで脱脂した、JIS G−3141に規定され
る厚さ0.8mmの鋼板に該接着剤を塗布し、同様の鋼
板を接着面積15mm×10mmとなるように重ね合わ
せ、180℃で60分加熱して硬化せしめ、JIS K
−6850に準じて23℃で5mm/分の速度で測定し
た(単位:MPa)。 ii)T型剥離強度 前記i)と同様に試料を作製(接着面積25mm×15
0mm)し、JISK−6854に準じて23℃で50
mm/分の速度で測定した(単位:N/25mm)。
【0030】表2の結果から、本発明のエポキシ樹脂組
成物を接着剤として使用した場合には、優れた接着物性
を示すことがわかる。すなわち、ゴム成分を用いない場
合(比較例5)および該共重合体に代えてゴム成分とし
てカルボキシル末端基を有する液状NBRを用いた場合
(比較例4)は引張剪断強度およびT型剥離強度とも
に、本発明の実施例1〜3と比較してかなり劣る。コア
成分のガラス転移温度が高いコア/シェル型粒子状架橋
共重合体(共重合体No.3)を用いた場合(比較例
1)は硬化物の可撓性が低く、T型剥離強度がかなり劣
る。コア成分がエポキシ樹脂および/または硬化剤と反
応し得る単量体を含まないコア/シェル型粒子状架橋共
重合体(共重合体No.4,5)を用いた場合(比較例
2,3)は、該架橋共重合体のシェル成分に反応性官能
基が含まれていない場合(比較例2)および含まれてい
る場合(比較例3)のいずれにおいてもT型剥離強度が
劣っている。コア成分が反応性官能基を含みかつ非常に
低いガラス転移温度を有するコア/シェル型粒子状架橋
共重合体を用いた本発明の実施例においては引張剪断強
度およびT型剥離強度いずれも高い。
【0031】実施例4〜5、比較例7〜9 上記実施例と同様の方法にて、エピコート828,10
0部と表4に示す比率になる量の参考例で得られたラテ
ックスとを配合してエポキシ樹脂組成物を作製した。こ
れにトリエチレンテトラミン8部、ジエチルプロパンジ
アミン8部を加え、一様に混合した後、所定の金型に流
し込み、7日間の条件で硬化させ、成型品としての物性
を下記方法によって測定した。結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】*1 エポキシ樹脂組成物/硬化剤の混合
の過程で、粘度が大幅に上昇し、成型不可。 i)曲げ強さ 100mm×10mm×4mmの試験片を作製し、JI
S K7203に準じて測定した(単位:N/m
2 )。 ii)アイゾット衝撃強度 64mm×12.9mm×12.7mmの試験片を作製
し、JIS K7110に準じて測定した(単位:kJ
/m2 )。 iii )熱変形温度 110mm×12.7mm×6.4mmの試験片を作製
し、JIS K7207に準じて測定した(単位:
℃)。
【0034】表3の結果から本発明のエポキシ樹脂組成
物(実施例4,5)は、コア成分が反応性官能基を含ま
ないコア/シェル型粒子状架橋共重合体を用いた場合
(比較例7,8)、コア/シェル型粒子状架橋共重合体
に代えて液状NBRを用いた場合(比較例9)およびゴ
ム成分を用いない場合(比較例10)と比較して、硬化
時の作業性や耐熱性を損うことなく曲げ強度、衝撃強度
が向上していることがわかる。
【0035】
【発明の効果】本発明に従って、コア成分が反応性官能
基を有し且つ非常に低いガラス転移温度を有するコア/
シェル型粒子状架橋共重合体を配合したエポキシ樹脂組
成物は、その硬化物が良好な可撓性を有し、接着剤とし
て使用した場合には、高い接着特性(引張剪断強度およ
び剥離強度)を有し、さらに成型品とした場合には、曲
げ強度、衝撃強度、耐熱性なども良好であって、硬化時
の作業性もよい。理由は明らかでないが、シェル成分で
はなくコア成分が反応性官能基を有するコア/シェル型
粒子状架橋共重合体をエポキシ樹脂連続相中に分散せし
めることによって上記の優れた効果が費されることは注
目に値する。
【0036】本発明のエポキシ樹脂組成物、すなわち、
エポキシ樹脂(a)、該エポキシ樹脂(a)および/ま
たは下記硬化剤(c)と反応し得る官能基を有するガラ
ス転移温度−20℃以下ね重合体からなるコアとガラス
転移温度0℃以上の重合体からなるシェルとから構成さ
れたコア/シェル型粒子状架橋共重合体(b)、および
硬化剤(c)からなるエポキシ樹脂組成物の好ましい態
様をまとめると以下のとおりである。
【0037】(1)エポキシ系接着剤組成物は、エポキ
シ樹脂(a)100重量部、コア/シェル型粒子状架橋
共重合体(b)3〜60重量部、より好ましくは5〜4
0重量部、および硬化剤(c)3〜200重量部、より
好ましくは2〜100重量部からなる。 (2)コア/シェル型粒子状架橋共重合体(b)のゲル
含量が50〜100%である。 (3)コア/シェル型粒子状架橋共重合体(b)の粒径
が300〜10,000オングストローム、より好まし
くは500〜5,000オングストロームである。
【0038】(4)コア/シェル型粒子状架橋共重合体
(b)中のコア成分の割合が20〜80重量%、シェル
成分の割合が80〜20重量%である。 (5)コア/シェル型粒子状架橋共重合体(b)中のコ
ア成分は、エポキシ樹脂(a)および/または硬化剤
(c)と反応し得る官能基を有する重合性不飽和化合物
0.5〜40重量%、より好ましくは1〜20重量%、
他の共重合可能な不飽和化合物60〜99.5重量%、
より好ましくは80〜99重量%;および架橋性単量体
20重量%以下、より好ましくは0.1〜10重量%か
ら形成される共重合体である。 (6)エポキシ樹脂(a)および/または硬化剤(c)
と反応し得る官能基がカルボキシル基、酸無水物基、水
酸基、アミノ基、アミド基、ピリジル基、エポキシ基、
イソシアネート基およびリン酸基から選ばれた少くとも
一種である。
【0039】(7)コア/シェル型粒子状架橋共重合体
(b)中のシェル成分は、重合性不飽和化合物80重量
%以上、より好ましくは90〜99.9重量%と架橋性
単量体20重量%以下、より好ましくは0.1〜10重
量%とから形成される共重合体である。 (8)硬化剤(c)は、脂肪族ポリアミン、芳香族ポリ
アミン、第2級アミン、第3級アミン、酸無水物、イミ
ダゾール誘導体、有機酸ヒドラジド、ジシアンジアミド
およびその誘導体、尿素誘導体、ポリメルカプタン、ポ
リイソシアネート、芳香族ジアゾニウム塩および芳香族
スルホニウム塩から選ばれる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂(a)、該エポキシ樹脂
    (a)および/または下記硬化剤(c)と反応し得る官
    能基を有するガラス転移温度−20℃以下の重合体から
    なるコアと、ガラス転移温度0℃以上の重合体からなる
    シェルとから構成されたコア/シェル型粒子状架橋共重
    合体(b)、および硬化剤(c)からなることを特徴と
    するエポキシ樹脂組成物。
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