JPH08167504A - チップ型バリスタとその製造方法 - Google Patents
チップ型バリスタとその製造方法Info
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【構成】SrTiO3 系材料を主成分とする粒界絶縁型
半導体セラミックス1と、その両面に舌状にパターン形
成された内部電極2-1と、これらの内部電極2-1とそれ
ぞれ接続する外部素子電極とを有するチップ型バリスタ
であって、前記内部電極2-1の表面にほう珪酸鉛ガラス
を主成分とする絶縁化合物層が形成され、前記舌状パタ
ーンの先端部位とこの部位と相対する位置にある外部素
子電極との絶縁間隔(Y)が、両外部素子電極間距離
(X)に対し、0.15≦Y/X≦0.38の関係を有
するチップ型バリスタ。このチップ型バリスタは、本発
明方法により容易に製造することができる。 【効果】良好な素子特性と電気的ノイズ耐性を有してお
り、従来のバリスタに比べさらに利便性の高い電子部品
として、電子・電気機器回路等に適用することが可能で
ある。
半導体セラミックス1と、その両面に舌状にパターン形
成された内部電極2-1と、これらの内部電極2-1とそれ
ぞれ接続する外部素子電極とを有するチップ型バリスタ
であって、前記内部電極2-1の表面にほう珪酸鉛ガラス
を主成分とする絶縁化合物層が形成され、前記舌状パタ
ーンの先端部位とこの部位と相対する位置にある外部素
子電極との絶縁間隔(Y)が、両外部素子電極間距離
(X)に対し、0.15≦Y/X≦0.38の関係を有
するチップ型バリスタ。このチップ型バリスタは、本発
明方法により容易に製造することができる。 【効果】良好な素子特性と電気的ノイズ耐性を有してお
り、従来のバリスタに比べさらに利便性の高い電子部品
として、電子・電気機器回路等に適用することが可能で
ある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチップ型バリスタとその
製造方法に関し、より詳細には、通信機器や事務用機
器、音響機器等に搭載される電気・電子回路において、
電気的ノイズ吸収部品として利用される電流電圧非直線
性容量磁器素子、特に、電気的ノイズに対する耐性が改
良されたSrTiO3 (チタン酸ストロンチウム)系チ
ップ型バリスタ、およびその製造方法に関する。
製造方法に関し、より詳細には、通信機器や事務用機
器、音響機器等に搭載される電気・電子回路において、
電気的ノイズ吸収部品として利用される電流電圧非直線
性容量磁器素子、特に、電気的ノイズに対する耐性が改
良されたSrTiO3 (チタン酸ストロンチウム)系チ
ップ型バリスタ、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子セラミックス部品メ−カ−各
社はSrTiO3 を主成分とする容量素子の高機能化、
高付加価値化を積極的に進めており、そのため、SrT
iO3系容量素子の利用分野は、これまでの主な用途先
であった低周波アナログ回路以外に、電源用ノイズフィ
ルタ−、各種半導体デバイスのノイズ吸収素子等にも広
がっている。その代表的な例として、電流電圧非直線性
容量磁器素子(以下、容量性バリスタ、または単にバリ
スタという)が挙げられる。
社はSrTiO3 を主成分とする容量素子の高機能化、
高付加価値化を積極的に進めており、そのため、SrT
iO3系容量素子の利用分野は、これまでの主な用途先
であった低周波アナログ回路以外に、電源用ノイズフィ
ルタ−、各種半導体デバイスのノイズ吸収素子等にも広
がっている。その代表的な例として、電流電圧非直線性
容量磁器素子(以下、容量性バリスタ、または単にバリ
スタという)が挙げられる。
【0003】容量性バリスタは、通常、コンデンサとし
て機能するが、数KVに及ぶ高圧外来サージ(雷サー
ジ)や、急峻なスイッチングノイズが回路内で発生した
際には、これを吸収し、回路素子の誤作動や絶縁破壊を
未然に防ぐ機能(バリスタ機能)を併せもつ、いわば複
合機能素子である。吸収された電気的エネルギーは熱的
エネルギーとして系外に放散される。なお、バリスタ機
能を有する材料としては、他にZnO(酸化亜鉛)系の
素子が有名であるが、誘電率がSrTiO3 系の素子に
比べて著しく小さいため、素子容量値が十分に発現せ
ず、コンデンサ機能を併せもつことはできない。
て機能するが、数KVに及ぶ高圧外来サージ(雷サー
ジ)や、急峻なスイッチングノイズが回路内で発生した
際には、これを吸収し、回路素子の誤作動や絶縁破壊を
未然に防ぐ機能(バリスタ機能)を併せもつ、いわば複
合機能素子である。吸収された電気的エネルギーは熱的
エネルギーとして系外に放散される。なお、バリスタ機
能を有する材料としては、他にZnO(酸化亜鉛)系の
素子が有名であるが、誘電率がSrTiO3 系の素子に
比べて著しく小さいため、素子容量値が十分に発現せ
ず、コンデンサ機能を併せもつことはできない。
【0004】しかしながら、SrTiO3 系の素子の場
合、粒界構造の乱雑さのため、電流電圧特性の安定性は
ZnO系の素子に比べて劣り、したがって、素子性能の
指標となるバリスタ電圧および電流電圧非直線係数の信
頼性に欠けるという欠点があった。このため、各種の電
気・電子機器の回路における使用が期待されている割に
は実用化が進まず、市場規模が伸び悩んでいるのが現状
である。とりわけ、回路表面への実装を目的としたチッ
プ型の部品に関しては、電極構造等が通常のリード付き
円板型等のものに比べて微細かつ複雑化する場合が多い
ため、前記電流電圧特性の安定性と電気的ノイズに対す
る性能補償が一層困難となる。
合、粒界構造の乱雑さのため、電流電圧特性の安定性は
ZnO系の素子に比べて劣り、したがって、素子性能の
指標となるバリスタ電圧および電流電圧非直線係数の信
頼性に欠けるという欠点があった。このため、各種の電
気・電子機器の回路における使用が期待されている割に
は実用化が進まず、市場規模が伸び悩んでいるのが現状
である。とりわけ、回路表面への実装を目的としたチッ
プ型の部品に関しては、電極構造等が通常のリード付き
円板型等のものに比べて微細かつ複雑化する場合が多い
ため、前記電流電圧特性の安定性と電気的ノイズに対す
る性能補償が一層困難となる。
【0005】一方、各種電子部品の小型化に対する要請
(ニーズ)も拡大しており、メーカー各社とも、材料な
らびにプロセス技術の改良を進めているが、電流電圧特
性の安定性が良好で、回路表面への実装に供し得るSr
TiO3 系チップ型容量性バリスタはまだ得られていな
い。
(ニーズ)も拡大しており、メーカー各社とも、材料な
らびにプロセス技術の改良を進めているが、電流電圧特
性の安定性が良好で、回路表面への実装に供し得るSr
TiO3 系チップ型容量性バリスタはまだ得られていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】チップ型容量性バリス
タは、概ね次のような電気的特性を有していることが要
求される。すなわち、 (1)異常電圧への応答性を早めるべく、電流電圧非直
線係数(α)が十分大きく、また、回路定格電圧に合わ
せてバリスタ電圧(V1mA )の制御が可能であること。
タは、概ね次のような電気的特性を有していることが要
求される。すなわち、 (1)異常電圧への応答性を早めるべく、電流電圧非直
線係数(α)が十分大きく、また、回路定格電圧に合わ
せてバリスタ電圧(V1mA )の制御が可能であること。
【0007】(2)急峻ノイズを吸収できるように、静
電容量(C)が十分に大きいこと。
電容量(C)が十分に大きいこと。
【0008】(3)急峻ノイズを吸収した後の静電容量
(C)、バリスタ電圧(V1mA )、電流電圧非直線係数
(α)等の変化が十分に小さいこと(電気的ノイズ耐性
の補償が可能であること)。
(C)、バリスタ電圧(V1mA )、電流電圧非直線係数
(α)等の変化が十分に小さいこと(電気的ノイズ耐性
の補償が可能であること)。
【0009】現在のところ、従来から使用されているリ
ード付き円板型部品の焼結体材料をチップ型部品の材料
として転用することも可能なことから、前記の(1)項
についてはほぼ要求は満たされているが、(2)項と
(3)項は依然未解決の課題として残されている。
ード付き円板型部品の焼結体材料をチップ型部品の材料
として転用することも可能なことから、前記の(1)項
についてはほぼ要求は満たされているが、(2)項と
(3)項は依然未解決の課題として残されている。
【0010】このうち、(2)項については、例えば特
開平5−90062号公報に、チップ型容量性バリスタ
の静電容量(C)の向上を図った積層型の半導体セラミ
ックコンデンサが示されている。それによると、SrT
iO3 系誘電体を積層化することにより、従来のZnO
系のものよりも高いC値を得ることができる。しかし、
従来のSrTiO3 系半導体コンデンサ等と比較した場
合はC値が依然低く、さらに誘電体積層プロセスの導入
に伴う製造コスト高は回避できない。
開平5−90062号公報に、チップ型容量性バリスタ
の静電容量(C)の向上を図った積層型の半導体セラミ
ックコンデンサが示されている。それによると、SrT
iO3 系誘電体を積層化することにより、従来のZnO
系のものよりも高いC値を得ることができる。しかし、
従来のSrTiO3 系半導体コンデンサ等と比較した場
合はC値が依然低く、さらに誘電体積層プロセスの導入
に伴う製造コスト高は回避できない。
【0011】また、(3)項については、例えば特開平
6−84686号あるいは特開平5−21211号公報
に、電気的ノイズ耐性の改善技術が開示されている。前
者においては、セラミック磁器素子に急峻パルスを印加
して電極の界面に形成されたバリヤの一部を破壊する方
法が、また、後者では積層された内部電極のパターンを
改良して内部電極と外部電極との接触面積を広げること
により電気的ノイズ耐性が高められたチップ型バリスタ
が提案されている。しかし、前記の(2)項に係わる積
層型の半導体セラミックコンデンサの場合と同様に、工
程の追加に伴う製造コストの上昇が避けられず、さら
に、C値等の素子特性が十分ではない等の問題も予想さ
れる。
6−84686号あるいは特開平5−21211号公報
に、電気的ノイズ耐性の改善技術が開示されている。前
者においては、セラミック磁器素子に急峻パルスを印加
して電極の界面に形成されたバリヤの一部を破壊する方
法が、また、後者では積層された内部電極のパターンを
改良して内部電極と外部電極との接触面積を広げること
により電気的ノイズ耐性が高められたチップ型バリスタ
が提案されている。しかし、前記の(2)項に係わる積
層型の半導体セラミックコンデンサの場合と同様に、工
程の追加に伴う製造コストの上昇が避けられず、さら
に、C値等の素子特性が十分ではない等の問題も予想さ
れる。
【0012】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、静電容量が十分大きく、かつ電気的ノイ
ズ耐性が改善されたチップ型バリスタおよびその製造方
法を提供することを目的とする。
されたもので、静電容量が十分大きく、かつ電気的ノイ
ズ耐性が改善されたチップ型バリスタおよびその製造方
法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(I )のチップ型バリスタ、および(II)のその製造方
法にある。
(I )のチップ型バリスタ、および(II)のその製造方
法にある。
【0014】(I )SrTiO3 系材料を主成分とする
粒界絶縁型半導体セラミックスと、その両面に形成され
た内部電極と、これらの内部電極とそれぞれ接続する前
記セラミックスの両端面に形成された外部素子電極とを
有するチップ型バリスタであって、前記内部電極がセラ
ミックス表面上に舌状にパターン形成されるとともに、
その表面にほう珪酸鉛ガラスを主成分とする絶縁化合物
層が形成され、前記舌状パターンの先端部位とこの部位
と相対する位置にある外部素子電極との絶縁間隔(Y)
が、両外部素子電極間距離(X)に対し、0.15≦Y
/X≦0.38の関係を有することを特徴とするチップ
型バリスタ。
粒界絶縁型半導体セラミックスと、その両面に形成され
た内部電極と、これらの内部電極とそれぞれ接続する前
記セラミックスの両端面に形成された外部素子電極とを
有するチップ型バリスタであって、前記内部電極がセラ
ミックス表面上に舌状にパターン形成されるとともに、
その表面にほう珪酸鉛ガラスを主成分とする絶縁化合物
層が形成され、前記舌状パターンの先端部位とこの部位
と相対する位置にある外部素子電極との絶縁間隔(Y)
が、両外部素子電極間距離(X)に対し、0.15≦Y
/X≦0.38の関係を有することを特徴とするチップ
型バリスタ。
【0015】(II)SrTiO3 系材料を主成分とする
粒界絶縁型半導体セラミックスの両面に下記(1)式を
満たすように内部電極を舌状にパターン形成し、それぞ
れの内部電極表面の外部素子電極接続部を除く面に、ほ
う珪酸鉛ガラスを主成分とする絶縁化合物を塗布、焼き
付けし、次いで、前記外部素子電極接続部に外部素子電
極を形成することを特徴とするチップ型バリスタの製造
方法。
粒界絶縁型半導体セラミックスの両面に下記(1)式を
満たすように内部電極を舌状にパターン形成し、それぞ
れの内部電極表面の外部素子電極接続部を除く面に、ほ
う珪酸鉛ガラスを主成分とする絶縁化合物を塗布、焼き
付けし、次いで、前記外部素子電極接続部に外部素子電
極を形成することを特徴とするチップ型バリスタの製造
方法。
【0016】 0.15≦Y/X≦0.38 ・・・(1) ただし、X:半導体セラミックスの両端部に形成された
外部素子電極間の距離 Y:舌状にパターン形成された内部電極の先端部位とこ
の部位と相対する位置にある外部素子電極との絶縁間隔 なお、前記の絶縁間隔とは、ほう珪酸鉛ガラスを主成分
とする絶縁化合物を間に挟んだ状態での間隔を意味す
る。
外部素子電極間の距離 Y:舌状にパターン形成された内部電極の先端部位とこ
の部位と相対する位置にある外部素子電極との絶縁間隔 なお、前記の絶縁間隔とは、ほう珪酸鉛ガラスを主成分
とする絶縁化合物を間に挟んだ状態での間隔を意味す
る。
【0017】
【作用】以下、本発明のチップ型バリスタ(前記(I )
の発明)及びその製造方法(前記(II)の発明)につい
て詳細に説明する。
の発明)及びその製造方法(前記(II)の発明)につい
て詳細に説明する。
【0018】図1は本発明のチップ型バリスタの一例
で、後述する実施例で本発明方法により得られたものの
外観を模式的に示した斜視図であり、図2は、図1に示
したチップ型バリスタ(以下、単に素子ともいう)を両
外部電極間で素子面に垂直に切断した場合の断面のイメ
ージ図である。また、図3はセラミックス表面上での内
部電極の形成状態を示す図で、(a)は従来の形成パタ
ーン、(b)は本発明のチップ型バリスタにおける形成
パターンである。
で、後述する実施例で本発明方法により得られたものの
外観を模式的に示した斜視図であり、図2は、図1に示
したチップ型バリスタ(以下、単に素子ともいう)を両
外部電極間で素子面に垂直に切断した場合の断面のイメ
ージ図である。また、図3はセラミックス表面上での内
部電極の形成状態を示す図で、(a)は従来の形成パタ
ーン、(b)は本発明のチップ型バリスタにおける形成
パターンである。
【0019】図1および図2に示されるように、本発明
のチップ型バリスタは、SrTiO3 系材料を主成分と
する粒界絶縁型の半導体セラミックス1の両面に内部電
極2-1、2-2が形成され、この内部電極2-1、2-2の端
面側に接続して外部素子電極3-1、3-2が取り付けら
れ、外部素子電極3-1、3-2との接続部を除く内部電極
2-1、2-2表面に絶縁化合物層4が形成された素子構造
を有している。また、図3(b)に示されるように、本
発明のチップ型バリスタにおいて、内部電極2-1はセラ
ミックス1の表面上に舌状にパターン形成されており、
しかも、半導体セラミックス1の両端部に形成された外
部素子電極(図示せず)間の距離(X)に対する舌状に
パターン形成された内部電極2-1の先端部位とこの部位
と相対する位置にある外部素子電極との絶縁間隔(Y)
の比、すなわちY/Xが、0.15〜0.38の範囲内
にある。図示していないが、半導体セラミックスの他の
面に形成される内部電極2-2についても同様である。
のチップ型バリスタは、SrTiO3 系材料を主成分と
する粒界絶縁型の半導体セラミックス1の両面に内部電
極2-1、2-2が形成され、この内部電極2-1、2-2の端
面側に接続して外部素子電極3-1、3-2が取り付けら
れ、外部素子電極3-1、3-2との接続部を除く内部電極
2-1、2-2表面に絶縁化合物層4が形成された素子構造
を有している。また、図3(b)に示されるように、本
発明のチップ型バリスタにおいて、内部電極2-1はセラ
ミックス1の表面上に舌状にパターン形成されており、
しかも、半導体セラミックス1の両端部に形成された外
部素子電極(図示せず)間の距離(X)に対する舌状に
パターン形成された内部電極2-1の先端部位とこの部位
と相対する位置にある外部素子電極との絶縁間隔(Y)
の比、すなわちY/Xが、0.15〜0.38の範囲内
にある。図示していないが、半導体セラミックスの他の
面に形成される内部電極2-2についても同様である。
【0020】なお、図1に示すように、半導体セラミッ
クス1の両端面ならびにその近傍の表面および側面、す
なわち、外部素子電極3-1、3-2が取り付けられた部分
を除く全ての外表面がこの絶縁化合物層4で被覆されて
いる。
クス1の両端面ならびにその近傍の表面および側面、す
なわち、外部素子電極3-1、3-2が取り付けられた部分
を除く全ての外表面がこの絶縁化合物層4で被覆されて
いる。
【0021】本発明のチップ型バリスタにおいて、内部
電極2-1および2-2がセラミックス表面上に舌状にパタ
ーン形成されているのは、従来の角形電極の場合、端部
(電極の角部)において電界集中が生じ、それにより外
部素子電極との間でサージ電流ストレスの増加に伴って
リーク(短絡化)が発生し易くなるので、それを防ぐた
めである。従って、前記の「舌状」とは、そのような電
界集中が生じない程度に、しかも素子の静電容量があま
り犠牲にならないように「角形電極の角部のみが削られ
た状態」を意味する。
電極2-1および2-2がセラミックス表面上に舌状にパタ
ーン形成されているのは、従来の角形電極の場合、端部
(電極の角部)において電界集中が生じ、それにより外
部素子電極との間でサージ電流ストレスの増加に伴って
リーク(短絡化)が発生し易くなるので、それを防ぐた
めである。従って、前記の「舌状」とは、そのような電
界集中が生じない程度に、しかも素子の静電容量があま
り犠牲にならないように「角形電極の角部のみが削られ
た状態」を意味する。
【0022】また、Y/Xが0.15よりも小さいとサ
ージ電流印加後に絶縁破壊しやすくなり、一方、0.3
8を超えると内部電極の面積が小さくなるため静電容量
の減少を招くので、Y/Xは0.15〜0.38の範囲
内にあることが必要である。
ージ電流印加後に絶縁破壊しやすくなり、一方、0.3
8を超えると内部電極の面積が小さくなるため静電容量
の減少を招くので、Y/Xは0.15〜0.38の範囲
内にあることが必要である。
【0023】なお、内部電極はAgを主成分とするもの
であればよく、Agのみからなる電極材の他、AgにP
bが添加された合金系の電極材が挙げられる。
であればよく、Agのみからなる電極材の他、AgにP
bが添加された合金系の電極材が挙げられる。
【0024】更に、舌状にパターン形成された内部電極
の先端部位とこの部位と相対する位置にある外部素子電
極との間には、ほう珪酸鉛ガラスを主成分とする絶縁化
合物が介在していることが必要である。つまり、ほう珪
酸鉛ガラスを主成分とする絶縁化合物を間に挟んだ絶縁
間隔(Y)の外部素子電極間の距離(X)に対する比
(Y/X)が0.15〜0.38の範囲内になければな
らない。
の先端部位とこの部位と相対する位置にある外部素子電
極との間には、ほう珪酸鉛ガラスを主成分とする絶縁化
合物が介在していることが必要である。つまり、ほう珪
酸鉛ガラスを主成分とする絶縁化合物を間に挟んだ絶縁
間隔(Y)の外部素子電極間の距離(X)に対する比
(Y/X)が0.15〜0.38の範囲内になければな
らない。
【0025】ほう珪酸鉛ガラスを主成分とする絶縁化合
物とは、絶縁性を最大限に補償するとともに、内部電極
の焼付温度以下でガラス形成が行われるようにCr、C
uおよびTiが添加されたほう珪酸鉛ガラスである。
物とは、絶縁性を最大限に補償するとともに、内部電極
の焼付温度以下でガラス形成が行われるようにCr、C
uおよびTiが添加されたほう珪酸鉛ガラスである。
【0026】本発明のチップ型バリスタは上記の構成を
有しているので、静電容量が十分大きく、かつ電気的ノ
イズ耐性にも優れており、例えば、後述する実施例に示
すように、素子形状が角形3.2mm×2.5mm(□32
25チップ)、素子厚700μm のもので、以下の特性
を示す。
有しているので、静電容量が十分大きく、かつ電気的ノ
イズ耐性にも優れており、例えば、後述する実施例に示
すように、素子形状が角形3.2mm×2.5mm(□32
25チップ)、素子厚700μm のもので、以下の特性
を示す。
【0027】初期状態(サージ電流印加前)において: C≧2200pF、V1mA ≦15V、α≧10 サージ電流印加後において: △C≦+5%、△V1mA ≦−3%、△α≦−5% 但し、△C、△V1mA および△αは、サージ電流印加前
後におけるC、V1mA およびαの変化率である。
後におけるC、V1mA およびαの変化率である。
【0028】これらの素子特性は従来のチップ型容量性
バリスタにはない優れた性能であり、本発明のチップ型
バリスタは、誘電特性とバリスタ特性とを兼ね備えるだ
けではなく、電気的ノイズ吸収後においてもこれら両特
性が安定して発現されるので、回路実装に最適である。
バリスタにはない優れた性能であり、本発明のチップ型
バリスタは、誘電特性とバリスタ特性とを兼ね備えるだ
けではなく、電気的ノイズ吸収後においてもこれら両特
性が安定して発現されるので、回路実装に最適である。
【0029】前記(II)の発明は、(I )の発明のチッ
プ型バリスタの製造方法である。以下、工程順に説明す
る。
プ型バリスタの製造方法である。以下、工程順に説明す
る。
【0030】まず、セラミックス合成のための原料と
してSrCO3 、CaCO3 、TiO2 およびNb2 O
5 を用意し、SrTiO3 系の粒界絶縁型半導体セラミ
ックスが得られるように、各原料の所定量を秤量し、こ
れを適量の玉石、分散剤および純水とともにポットミル
内に容れ、24時間混合(湿式混合)する。
してSrCO3 、CaCO3 、TiO2 およびNb2 O
5 を用意し、SrTiO3 系の粒界絶縁型半導体セラミ
ックスが得られるように、各原料の所定量を秤量し、こ
れを適量の玉石、分散剤および純水とともにポットミル
内に容れ、24時間混合(湿式混合)する。
【0031】混合されたスラリー状の原料を乾燥し、
次いで解砕し、解砕後の粉末を例えばアルミナ製の焼成
ルツボ内に移し、大気中1150〜1180℃で仮焼合
成する。なお、この仮焼合成で所定の固溶体が合成され
ていることをX線解析、組成分析等で確認するのが望ま
しい。
次いで解砕し、解砕後の粉末を例えばアルミナ製の焼成
ルツボ内に移し、大気中1150〜1180℃で仮焼合
成する。なお、この仮焼合成で所定の固溶体が合成され
ていることをX線解析、組成分析等で確認するのが望ま
しい。
【0032】前記の工程で仮焼合成された粉末を解
砕し、これに焼結助剤として微量のCuOとSiO2 を
添加して更に湿式混合を行う。
砕し、これに焼結助剤として微量のCuOとSiO2 を
添加して更に湿式混合を行う。
【0033】混合されたスラリー状の仮焼原料を乾燥
し、解砕して粒径1.0μm 前後の均一粉に整粒する。
これに、有機バインダー等を添加し、例えば3.2mm×
2.5mm、厚み700μm の直方体になるように成形す
る。
し、解砕して粒径1.0μm 前後の均一粉に整粒する。
これに、有機バインダー等を添加し、例えば3.2mm×
2.5mm、厚み700μm の直方体になるように成形す
る。
【0034】この成形体を1000℃で脱脂し、脱脂後、
例えばアルミナ製の焼成ルツボに充填して、還元性雰囲
気中で焼成する。焼成は、半導体化を促進するため、1
420〜1550℃の温度域で、4.0〜8.0時間行
うのが好ましい。なお、還元性雰囲気としては、例え
ば、水素:1〜20vol%、窒素:80〜99vol
%の混合ガスを用いればよい。
例えばアルミナ製の焼成ルツボに充填して、還元性雰囲
気中で焼成する。焼成は、半導体化を促進するため、1
420〜1550℃の温度域で、4.0〜8.0時間行
うのが好ましい。なお、還元性雰囲気としては、例え
ば、水素:1〜20vol%、窒素:80〜99vol
%の混合ガスを用いればよい。
【0035】得られた焼結体を有機溶剤中および熱水
中で洗浄した後、例えばアルカリ金属酸化物と低融点金
属酸化物をペースト化して焼結体の表面に塗布し、これ
を大気中、1050〜1350℃で、1.0〜4.0時
間焼成する。これは、焼結体(セラミックス)の結晶粒
界を絶縁化するためである。
中で洗浄した後、例えばアルカリ金属酸化物と低融点金
属酸化物をペースト化して焼結体の表面に塗布し、これ
を大気中、1050〜1350℃で、1.0〜4.0時
間焼成する。これは、焼結体(セラミックス)の結晶粒
界を絶縁化するためである。
【0036】粒界絶縁化された半導体セラミックスの
両面に例えば電極用銀(Ag)ペーストを舌状に、しか
も前記の条件を満たすように印刷し、780〜830℃
で焼き付け、内部電極を形成する。
両面に例えば電極用銀(Ag)ペーストを舌状に、しか
も前記の条件を満たすように印刷し、780〜830℃
で焼き付け、内部電極を形成する。
【0037】次に、ほう珪酸鉛ガラスを主成分とする
絶縁化合物を内部電極の端部を残して両面に塗布し、約
600℃で焼き付け、表層部絶縁層を形成する。
絶縁化合物を内部電極の端部を残して両面に塗布し、約
600℃で焼き付け、表層部絶縁層を形成する。
【0038】工程で絶縁化合物を塗布せずに残した
外部素子電極接続部に、内部電極と電気的導通がとれる
ように、電極用Agペーストを印刷し、約600℃で焼
き付けて外部素子電極を形成する。
外部素子電極接続部に、内部電極と電気的導通がとれる
ように、電極用Agペーストを印刷し、約600℃で焼
き付けて外部素子電極を形成する。
【0039】本発明のチップ型バリスタは上記〜の
工程を経て製造することができる。
工程を経て製造することができる。
【0040】このようにして得られたチップ型バリスタ
は、誘電特性とバリスタ特性とを兼ね備え、しかも電気
的ノイズ吸収後においてもこれら両特性が安定してお
り、前述したように回路実装に最適である。
は、誘電特性とバリスタ特性とを兼ね備え、しかも電気
的ノイズ吸収後においてもこれら両特性が安定してお
り、前述したように回路実装に最適である。
【0041】
【実施例】本発明方法を適用して、角形3.2mm×2.
5mm(□3225チップ)、素子厚700μm のチップ
型バリスタを作製し、静電容量(C)、バリスタ電圧
(V1mA )および電流電圧非直線係数(α)を測定し
た。次いで、端子間にサージ電流(8×20μsec 、3
000/cm2 )を1分間隔で5回印加した後、再度、同
様の測定を行い、サージ電流印加前後における変化率
(ΔC、ΔV1mA およびΔα)を求めた。なお、比較の
ため、図3(a)に示した従来の角状にパターン形成し
た内部電極を有するバリスタを含め、本発明方法で規定
する条件から外れる方法で作製したバリスタについても
同様の測定を行った。
5mm(□3225チップ)、素子厚700μm のチップ
型バリスタを作製し、静電容量(C)、バリスタ電圧
(V1mA )および電流電圧非直線係数(α)を測定し
た。次いで、端子間にサージ電流(8×20μsec 、3
000/cm2 )を1分間隔で5回印加した後、再度、同
様の測定を行い、サージ電流印加前後における変化率
(ΔC、ΔV1mA およびΔα)を求めた。なお、比較の
ため、図3(a)に示した従来の角状にパターン形成し
た内部電極を有するバリスタを含め、本発明方法で規定
する条件から外れる方法で作製したバリスタについても
同様の測定を行った。
【0042】用いた半導体セラミックスは、SrC
O3 、CaCO3 、TiO2 およびNb2 O5 を原料と
し、通常用いられる方法に準じて作製したSrTiO3
系の粒界絶縁型半導体セラミックスで、角形3.2mm×
2.5mm、厚さ700μm の素子形状を有している。
O3 、CaCO3 、TiO2 およびNb2 O5 を原料と
し、通常用いられる方法に準じて作製したSrTiO3
系の粒界絶縁型半導体セラミックスで、角形3.2mm×
2.5mm、厚さ700μm の素子形状を有している。
【0043】この半導体セラミックスの両面にそれぞれ
表1に示す形状、ならびに内部/端部電極間ギャップ比
(両外部素子電極間距離に対する舌状パターンの先端部
位と外部素子電極との絶縁間隔の比、Y/Xを意味す
る)を有する内部電極を形成し、次いで、ほう珪酸鉛ガ
ラスを主成分とする絶縁化合物を内部電極(ただし、外
部素子電極接続部を除く)表面と、半導体セラミックス
の表面(外部素子電極を取付け部を除く)に塗布し、6
00℃で焼き付けて絶縁化合物層を形成させた。
表1に示す形状、ならびに内部/端部電極間ギャップ比
(両外部素子電極間距離に対する舌状パターンの先端部
位と外部素子電極との絶縁間隔の比、Y/Xを意味す
る)を有する内部電極を形成し、次いで、ほう珪酸鉛ガ
ラスを主成分とする絶縁化合物を内部電極(ただし、外
部素子電極接続部を除く)表面と、半導体セラミックス
の表面(外部素子電極を取付け部を除く)に塗布し、6
00℃で焼き付けて絶縁化合物層を形成させた。
【0044】その後、外部素子電極を形成してチップ型
バリスタとした。図1は、本発明方法で定める条件で作
製したチップ型バリスタの外観を模式的に示したもの
で、図2はこの素子の断面のイメージ図である。
バリスタとした。図1は、本発明方法で定める条件で作
製したチップ型バリスタの外観を模式的に示したもの
で、図2はこの素子の断面のイメージ図である。
【0045】上記の測定項目のうち、静電容量は1KHz
の交流を用い、1Vで測定した。バリスタ電圧は、電極
間に直流電圧を0Vから100Vまで連続的に印加し、
素子に1mAの電流が流れたときの端子間電圧
(V1mA )で表した。電流電圧非直線係数は、さらに1
0mAの電流が流れたときの端子間電圧(V10mA)を測
定し、次式から算出した。なお、測定はいずれも20℃
で行った。また、試料数は上記のいずれの測定において
も、各試料毎に30個とした。
の交流を用い、1Vで測定した。バリスタ電圧は、電極
間に直流電圧を0Vから100Vまで連続的に印加し、
素子に1mAの電流が流れたときの端子間電圧
(V1mA )で表した。電流電圧非直線係数は、さらに1
0mAの電流が流れたときの端子間電圧(V10mA)を測
定し、次式から算出した。なお、測定はいずれも20℃
で行った。また、試料数は上記のいずれの測定において
も、各試料毎に30個とした。
【0046】α=1/log (V10mA/V1mA ) 測定結果を表1に併せて示す。備考欄に*印で示した素
子は本発明方法で規定する範囲外の条件で製造したもの
であることを示す。この結果から明かなように、本発明
方法により製造した素子は、サージ電流印加前の初期状
態において、C≧2200pF、V1mA ≦15Vおよび
α≧10であり、サージ電流印加後の変化率は、△C≦
+5%、△V1mA ≦−3%および△α≦−5%で、誘電
特性とバリスタ特性に優れるとともに、電気的ノイズ吸
収後においても両特性は良好な安定性を示した。従っ
て、この素子は回路実装に最適であるといえる。一方、
本発明方法で規定する範囲外の条件で製造した素子は、
初期状態における素子特性あるいはサージ電流印加後の
これら特性の変化率のいずれか、または両方が劣化する
等の問題があった。
子は本発明方法で規定する範囲外の条件で製造したもの
であることを示す。この結果から明かなように、本発明
方法により製造した素子は、サージ電流印加前の初期状
態において、C≧2200pF、V1mA ≦15Vおよび
α≧10であり、サージ電流印加後の変化率は、△C≦
+5%、△V1mA ≦−3%および△α≦−5%で、誘電
特性とバリスタ特性に優れるとともに、電気的ノイズ吸
収後においても両特性は良好な安定性を示した。従っ
て、この素子は回路実装に最適であるといえる。一方、
本発明方法で規定する範囲外の条件で製造した素子は、
初期状態における素子特性あるいはサージ電流印加後の
これら特性の変化率のいずれか、または両方が劣化する
等の問題があった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明のチップ型バリスタは良好な素子
特性と電気的ノイズ耐性を有しており、従来のバリスタ
に比べさらに利便性の高い電子部品として、電子・電気
機器回路等に適用することが可能である。このチップ型
バリスタは、本発明方法により従来の製造プロセスを変
更することなく容易に製造することができる。
特性と電気的ノイズ耐性を有しており、従来のバリスタ
に比べさらに利便性の高い電子部品として、電子・電気
機器回路等に適用することが可能である。このチップ型
バリスタは、本発明方法により従来の製造プロセスを変
更することなく容易に製造することができる。
【図1】本発明方法により作製した素子の外観を模式的
に示した斜視図である。
に示した斜視図である。
【図2】図1に示した素子を両外部素子電極間で素子面
に垂直に切断した断面のイメージ図である。
に垂直に切断した断面のイメージ図である。
【図3】チップ型バリスタにおける内部電極の形成パタ
ーン示す図で、(a)は従来の形成パターンであり、
(b)は本発明の形成パターンである。
ーン示す図で、(a)は従来の形成パターンであり、
(b)は本発明の形成パターンである。
1:半導体セラミックス 2-1、2-2:内部電極 3-1、3-2:外部素子電極 4:絶縁化合物層
Claims (2)
- 【請求項1】SrTiO3 系材料を主成分とする粒界絶
縁型半導体セラミックスと、その両面に形成された内部
電極と、これらの内部電極とそれぞれ接続する前記セラ
ミックスの両端面に形成された外部素子電極とを有する
チップ型バリスタであって、前記内部電極がセラミック
ス表面上に舌状にパターン形成されるとともに、その表
面にほう珪酸鉛ガラスを主成分とする絶縁化合物層が形
成され、前記舌状パターンの先端部位とこの部位と相対
する位置にある外部素子電極との絶縁間隔(Y)が、両
外部素子電極間距離(X)に対し、0.15≦Y/X≦
0.38の関係を有することを特徴とするチップ型バリ
スタ。 - 【請求項2】SrTiO3 系材料を主成分とする粒界絶
縁型半導体セラミックスの両面に下記(1)式を満たす
ように内部電極を舌状にパターン形成し、それぞれの内
部電極表面の外部素子電極接続部を除く面に、ほう珪酸
鉛ガラスを主成分とする絶縁化合物を塗布、焼き付け
し、次いで、前記外部素子電極接続部に外部素子電極を
形成することを特徴とするチップ型バリスタの製造方
法。 0.15≦Y/X≦0.38 ・・・(1) ただし、X:半導体セラミックスの両端面に形成された
外部素子電極間の距離 Y:舌状にパターン形成された内部電極の先端部位とこ
の部位と相対する位置にある外部素子電極との絶縁間隔
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6308509A JPH08167504A (ja) | 1994-12-13 | 1994-12-13 | チップ型バリスタとその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6308509A JPH08167504A (ja) | 1994-12-13 | 1994-12-13 | チップ型バリスタとその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08167504A true JPH08167504A (ja) | 1996-06-25 |
Family
ID=17981887
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6308509A Pending JPH08167504A (ja) | 1994-12-13 | 1994-12-13 | チップ型バリスタとその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08167504A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002252138A (ja) * | 2001-02-22 | 2002-09-06 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 耐還元性誘電体セラミック及びその製造方法、それを用いた積層セラミックコンデンサ |
JP2008227101A (ja) * | 2007-03-12 | 2008-09-25 | Tdk Corp | 電子部品及びその製造方法並びにインバータ装置 |
JP2008227100A (ja) * | 2007-03-12 | 2008-09-25 | Tdk Corp | 電子部品及びその製造方法並びにインバータ装置 |
-
1994
- 1994-12-13 JP JP6308509A patent/JPH08167504A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002252138A (ja) * | 2001-02-22 | 2002-09-06 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 耐還元性誘電体セラミック及びその製造方法、それを用いた積層セラミックコンデンサ |
JP2008227101A (ja) * | 2007-03-12 | 2008-09-25 | Tdk Corp | 電子部品及びその製造方法並びにインバータ装置 |
JP2008227100A (ja) * | 2007-03-12 | 2008-09-25 | Tdk Corp | 電子部品及びその製造方法並びにインバータ装置 |
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