JPH0815263A - 血液凝固分析装置 - Google Patents
血液凝固分析装置Info
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- JPH0815263A JPH0815263A JP16617994A JP16617994A JPH0815263A JP H0815263 A JPH0815263 A JP H0815263A JP 16617994 A JP16617994 A JP 16617994A JP 16617994 A JP16617994 A JP 16617994A JP H0815263 A JPH0815263 A JP H0815263A
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- Japan
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- sample
- reagent
- scattered light
- coagulation
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- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 試薬添加後に安定したベースラインが現れな
い場合においても、凝固時間を正しく求めることができ
るようにする。 【構成】 L0算出部4は試薬添加前の検体の散乱光量
値LS、血液凝固因子測定用試薬の散乱光量LR、検体分
注量VS及び試薬分注量VRにより散乱光量の凝固開始点
でのレベルL0を、次の式により計算により求める。 L0=(LSVS+LRVR)/(VS+VR) 凝固時間算出部6は、試薬添加後に安定したベースライ
ンが現れる場合にはそのベースラインの散乱光量値L0
を用い、安定したベースラインが現れない場合には上記
の式により計算で求めたL0を用いて、検体に試薬を添
加した後の散乱光量の変化から凝固時間を算出する。
い場合においても、凝固時間を正しく求めることができ
るようにする。 【構成】 L0算出部4は試薬添加前の検体の散乱光量
値LS、血液凝固因子測定用試薬の散乱光量LR、検体分
注量VS及び試薬分注量VRにより散乱光量の凝固開始点
でのレベルL0を、次の式により計算により求める。 L0=(LSVS+LRVR)/(VS+VR) 凝固時間算出部6は、試薬添加後に安定したベースライ
ンが現れる場合にはそのベースラインの散乱光量値L0
を用い、安定したベースラインが現れない場合には上記
の式により計算で求めたL0を用いて、検体に試薬を添
加した後の散乱光量の変化から凝固時間を算出する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は臨床検査の分野において
血液凝固反応を分析する装置に関するものである。
血液凝固反応を分析する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】血液凝固分析装置は、複数のセルを保持
し、セル内の液の散乱光量を測定する測光部を有する反
応部、反応部のセルへ検体を分注する検体分注器及び反
応部のセルへ試薬を分注する試薬分注器を少なくとも備
えた分析部と、凝固前の散乱光量値L0を基準として検
体に試薬を添加した後の散乱光量の変化から凝固時間を
算出する凝固時間算出部を有するデータ処理部とを備え
ている。血液凝固時間を測定するには、セルに検体(本
発明では希釈した検体も含む意味で使用している)を分
注し、そのセルに試薬を分注する。図1(A)に示され
るように、試薬添加によって検体が希釈されることによ
り、一般に散乱光量が減少する。その後凝固が始まるま
で散乱光量が一定値L0となるベースラインが現れ、そ
の後凝固が始まることにより散乱光量が増加し、凝固が
完了すると一定の散乱光量値L1となる。
し、セル内の液の散乱光量を測定する測光部を有する反
応部、反応部のセルへ検体を分注する検体分注器及び反
応部のセルへ試薬を分注する試薬分注器を少なくとも備
えた分析部と、凝固前の散乱光量値L0を基準として検
体に試薬を添加した後の散乱光量の変化から凝固時間を
算出する凝固時間算出部を有するデータ処理部とを備え
ている。血液凝固時間を測定するには、セルに検体(本
発明では希釈した検体も含む意味で使用している)を分
注し、そのセルに試薬を分注する。図1(A)に示され
るように、試薬添加によって検体が希釈されることによ
り、一般に散乱光量が減少する。その後凝固が始まるま
で散乱光量が一定値L0となるベースラインが現れ、そ
の後凝固が始まることにより散乱光量が増加し、凝固が
完了すると一定の散乱光量値L1となる。
【0003】凝固時間TCを求めるには、試薬添加直後
又は試薬添加による散乱光量の乱れがなくなるまで待っ
た後の散乱光量L0をベースラインとし、散乱光量が凝
固完了時の光量L1の一定割合まで増加するまでの時間
TCを求めてそれを凝固時間としている(特開平3−3
4592号公報、特開昭63−305255号公報など
を参照)。試薬分注が1度ですむ測定項目に対してはそ
の1度の試薬分注後からの時間、2度の試薬分注が必要
なものは2度目の試薬分注後からの時間が凝固時間とし
て求められる。
又は試薬添加による散乱光量の乱れがなくなるまで待っ
た後の散乱光量L0をベースラインとし、散乱光量が凝
固完了時の光量L1の一定割合まで増加するまでの時間
TCを求めてそれを凝固時間としている(特開平3−3
4592号公報、特開昭63−305255号公報など
を参照)。試薬分注が1度ですむ測定項目に対してはそ
の1度の試薬分注後からの時間、2度の試薬分注が必要
なものは2度目の試薬分注後からの時間が凝固時間とし
て求められる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】測定項目が例えばフィ
ブリノーゲン(Fib)の場合、高濃度検体では試薬添
加時点ですでに凝固が始まっている。その散乱光量の時
間経過は図1(B)に破線で示されるように、標準濃度
でのフィブリノーゲンの散乱光量測定値におけるベース
ラインL0に相当するものが現れない。実線で示される
ようにベースラインL0が現れる場合はそのベースライ
ンを基準として、凝固完了時に散乱光量値L1とL0の差
LAの一定割合LA/nまで散乱光量が増加した時点TA
を凝固時間として求めることができる。ここでnは係数
である。
ブリノーゲン(Fib)の場合、高濃度検体では試薬添
加時点ですでに凝固が始まっている。その散乱光量の時
間経過は図1(B)に破線で示されるように、標準濃度
でのフィブリノーゲンの散乱光量測定値におけるベース
ラインL0に相当するものが現れない。実線で示される
ようにベースラインL0が現れる場合はそのベースライ
ンを基準として、凝固完了時に散乱光量値L1とL0の差
LAの一定割合LA/nまで散乱光量が増加した時点TA
を凝固時間として求めることができる。ここでnは係数
である。
【0005】しかし、フィブリノーゲンの高濃度検体に
対しては散乱光量ベース値(初期値)がずれることによ
り、凝固時間の測定時が遅れることがある。例えば、図
1(B)の破線の高濃度検体では開始点のレベルがC点
であり、そのC点のレベルを基準として凝固完了時のL
1までの変化量がLBとみなされるため、LB/nレベル
まで散乱光量が変化した時間TBが凝固時間として求め
られる。このTBは開始点の散乱光量レベルがL0より高
くなっているため、L0を基準とした正しい判定レベル
LA/nに相当するB’点の凝固時間TB’よりも(TB
−TB’)の分だけ誤差として現れる。例えば、Fib
濃度が500mg/dl以上の検体の凝固時間が4〜6
秒で、その基準レベルが変化することにより判定時間が
0.1秒ずれたとすれば、結果が数十mg/dlずれる
ことになる。本発明は血液凝固因子を高濃度に含んだ検
体のようにベースラインが不安定になる場合において
も、凝固時間を正しく求めることができるようにするこ
とを目的とするものである。
対しては散乱光量ベース値(初期値)がずれることによ
り、凝固時間の測定時が遅れることがある。例えば、図
1(B)の破線の高濃度検体では開始点のレベルがC点
であり、そのC点のレベルを基準として凝固完了時のL
1までの変化量がLBとみなされるため、LB/nレベル
まで散乱光量が変化した時間TBが凝固時間として求め
られる。このTBは開始点の散乱光量レベルがL0より高
くなっているため、L0を基準とした正しい判定レベル
LA/nに相当するB’点の凝固時間TB’よりも(TB
−TB’)の分だけ誤差として現れる。例えば、Fib
濃度が500mg/dl以上の検体の凝固時間が4〜6
秒で、その基準レベルが変化することにより判定時間が
0.1秒ずれたとすれば、結果が数十mg/dlずれる
ことになる。本発明は血液凝固因子を高濃度に含んだ検
体のようにベースラインが不安定になる場合において
も、凝固時間を正しく求めることができるようにするこ
とを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明ではベースライン
が不安定になる場合には、試薬添加前の検体の散乱光量
値LS、血液凝固因子測定用試薬の散乱光量LR、検体分
注量VS及び試薬分注量VRにより散乱光量の凝固開始
点でのレベルL0を計算により求めるものである。
が不安定になる場合には、試薬添加前の検体の散乱光量
値LS、血液凝固因子測定用試薬の散乱光量LR、検体分
注量VS及び試薬分注量VRにより散乱光量の凝固開始
点でのレベルL0を計算により求めるものである。
【0007】データ処理部において凝固時間を算出する
機能を図2に示す。ベースラインが不安定になる場合に
は、L0算出部24が利用され、 L0=(LSVS+LRVR)/(VS+VR) (1) によりL0を求める。26は凝固前の散乱光量値L0を基
準として検体に試薬を添加した後の散乱光量の変化から
凝固時間を算出する凝固時間算出部である。凝固時間算
出部26は、試薬添加後に安定したベースラインが現れ
る場合にはそのベースラインの散乱光量値L0を用い、
検体がフィブリノーゲンを高濃度に含む場合など、安定
したベースラインが現れない場合には、L0は測定値と
しては得られないので、(1)式により計算で求めたL
0を用いる。
機能を図2に示す。ベースラインが不安定になる場合に
は、L0算出部24が利用され、 L0=(LSVS+LRVR)/(VS+VR) (1) によりL0を求める。26は凝固前の散乱光量値L0を基
準として検体に試薬を添加した後の散乱光量の変化から
凝固時間を算出する凝固時間算出部である。凝固時間算
出部26は、試薬添加後に安定したベースラインが現れ
る場合にはそのベースラインの散乱光量値L0を用い、
検体がフィブリノーゲンを高濃度に含む場合など、安定
したベースラインが現れない場合には、L0は測定値と
しては得られないので、(1)式により計算で求めたL
0を用いる。
【0008】
【作用】フィブリノーゲンを高濃度に含む検体のように
ベースラインが不安定になる場合においても、L0算出
部24で計算によりL0を求めるので、凝固時間TCの判
定レベルを正しく導くことができ、凝固時間測定誤差が
小さくなる。
ベースラインが不安定になる場合においても、L0算出
部24で計算によりL0を求めるので、凝固時間TCの判
定レベルを正しく導くことができ、凝固時間測定誤差が
小さくなる。
【0009】
【実施例】図3と図4により本発明が適用される血液凝
固分析装置の分析部を示す。ただし、本発明が適用され
る分析部はこの例に示されたものに限定されるものでは
ない。反応部1は円盤状のテーブルを有し、そのテーブ
ルは図に現われていない駆動機構によって往復方向に回
転し、停止できるようになっている。テーブルの円周上
には複数個の測定部モジュール2が等間隔に配置されて
いる。
固分析装置の分析部を示す。ただし、本発明が適用され
る分析部はこの例に示されたものに限定されるものでは
ない。反応部1は円盤状のテーブルを有し、そのテーブ
ルは図に現われていない駆動機構によって往復方向に回
転し、停止できるようになっている。テーブルの円周上
には複数個の測定部モジュール2が等間隔に配置されて
いる。
【0010】各測定部モジュール2は、図4に示される
ように、検体と試薬が分注されるセル20を1つずつ着
脱可能に保持し、セル20中の試料液に対し測定光を照
射するLEDなどの光源22と、試料液による測定光の
散乱光を検出するために、測定光の入射方向と直交する
方向の光軸上に設けられたフォトダイオードなどの光検
出器24とを備えている。
ように、検体と試薬が分注されるセル20を1つずつ着
脱可能に保持し、セル20中の試料液に対し測定光を照
射するLEDなどの光源22と、試料液による測定光の
散乱光を検出するために、測定光の入射方向と直交する
方向の光軸上に設けられたフォトダイオードなどの光検
出器24とを備えている。
【0011】図3に戻って説明を続けると、反応部1の
近くにはセル供給廃棄機構のセル移送部3が設けられ、
セル移送部3には反応部1のテーブルの円周上のセル着
脱位置Aで測定部モジュール2にセルを装着したり、測
定部モジュール2からセルを取り除いたりするアーム3
1が設けられている。アーム31は先端にセルをつかん
だり放したりする機構を備え、基端部で回転可能に支持
されて、先端が弧を描いてスイングする。アーム31は
位置Aのほか、セル供給部4でセルを受け取る位置、セ
ル廃棄部5でセルを廃棄する位置にそれぞれ移動し、停
止するように駆動が制御される。セル供給部4はアーム
31がセルをつかむ位置までセルを供給する機構を備え
ており、セル廃棄部5はアーム31から放された廃棄さ
れるセルを受け取る容器を備えている。セル移送部3は
セル供給部4に溜っているセルを1つずつ取り出して反
応部1の位置Aにある測定部モジュールにセルを移送し
て装着したり、反応部1の位置Aにきた測定終了後のセ
ルを取り出してセル廃棄部5に廃棄する。この例ではセ
ル移送部3がセルの供給と廃棄の両機能を兼ねている
が、セルの供給と廃棄を別のアームなどの機構により実
現してもよい。
近くにはセル供給廃棄機構のセル移送部3が設けられ、
セル移送部3には反応部1のテーブルの円周上のセル着
脱位置Aで測定部モジュール2にセルを装着したり、測
定部モジュール2からセルを取り除いたりするアーム3
1が設けられている。アーム31は先端にセルをつかん
だり放したりする機構を備え、基端部で回転可能に支持
されて、先端が弧を描いてスイングする。アーム31は
位置Aのほか、セル供給部4でセルを受け取る位置、セ
ル廃棄部5でセルを廃棄する位置にそれぞれ移動し、停
止するように駆動が制御される。セル供給部4はアーム
31がセルをつかむ位置までセルを供給する機構を備え
ており、セル廃棄部5はアーム31から放された廃棄さ
れるセルを受け取る容器を備えている。セル移送部3は
セル供給部4に溜っているセルを1つずつ取り出して反
応部1の位置Aにある測定部モジュールにセルを移送し
て装着したり、反応部1の位置Aにきた測定終了後のセ
ルを取り出してセル廃棄部5に廃棄する。この例ではセ
ル移送部3がセルの供給と廃棄の両機能を兼ねている
が、セルの供給と廃棄を別のアームなどの機構により実
現してもよい。
【0012】反応部1の近くには検体分注器のサンプリ
ングプローブ6が設けられており、ラック方式の検体移
送部7の位置Cに移送されてきた検体を吸引し、反応部
1の検体分注位置Bにある測定部モジュールのセルに検
体を分注する。検体移送部7にはバーコードリーダなど
の情報読取り装置(図示略)が備えられており、検体の
識別情報が検体容器にバーコードなどにより付されてい
る。次に分注される検体の検体容器の識別情報が情報読
取り装置により読み取られて測定項目が認識される。
ングプローブ6が設けられており、ラック方式の検体移
送部7の位置Cに移送されてきた検体を吸引し、反応部
1の検体分注位置Bにある測定部モジュールのセルに検
体を分注する。検体移送部7にはバーコードリーダなど
の情報読取り装置(図示略)が備えられており、検体の
識別情報が検体容器にバーコードなどにより付されてい
る。次に分注される検体の検体容器の識別情報が情報読
取り装置により読み取られて測定項目が認識される。
【0013】反応部1の近くには更に試薬分注器の試薬
プローブ9が設けられており、複数の試薬8から測定項
目に応じて所定の試薬を吸引し、反応部1の位置Dにあ
る測定部モジュールのセルに試薬を分注する。10は2
台のシリンジポンプであり、それぞれサンプリングプロ
ーブ6と試薬プローブ9に配管で接続されており、所定
量の吸引と吐出を行なう。11は操作部であり、キーボ
ードやCRT、プリンタなどを含んでいる。この分析部
の内部には各部の動作を制御するために制御部が設けら
れている。
プローブ9が設けられており、複数の試薬8から測定項
目に応じて所定の試薬を吸引し、反応部1の位置Dにあ
る測定部モジュールのセルに試薬を分注する。10は2
台のシリンジポンプであり、それぞれサンプリングプロ
ーブ6と試薬プローブ9に配管で接続されており、所定
量の吸引と吐出を行なう。11は操作部であり、キーボ
ードやCRT、プリンタなどを含んでいる。この分析部
の内部には各部の動作を制御するために制御部が設けら
れている。
【0014】図5にこの実施例において凝固時間を算出
する動作を示す。測定項目がフィブリノーゲンで、しか
も検体がフィブリノーゲンを高濃度に含んでいる場合に
ついて説明する。図5に示されるように、測定項目がフ
ィブリノーゲンかどうかを判断し、測定項目がフィブリ
ノーゲンの場合にはその検体のフィブリノーゲン濃度が
高濃度であるかどうかを判断し、フィブリノーゲン濃度
が高濃度である場合に限りL0を(1)式で求める。そ
れ以外は試薬添加後のベースライン値としての測定値L
0を用いる。試薬がフィブリノーゲンを高濃度に含んで
いるか否かの判定は、試薬添加後に一定時間安定したベ
ースラインが現れるかどうかにより判断する。
する動作を示す。測定項目がフィブリノーゲンで、しか
も検体がフィブリノーゲンを高濃度に含んでいる場合に
ついて説明する。図5に示されるように、測定項目がフ
ィブリノーゲンかどうかを判断し、測定項目がフィブリ
ノーゲンの場合にはその検体のフィブリノーゲン濃度が
高濃度であるかどうかを判断し、フィブリノーゲン濃度
が高濃度である場合に限りL0を(1)式で求める。そ
れ以外は試薬添加後のベースライン値としての測定値L
0を用いる。試薬がフィブリノーゲンを高濃度に含んで
いるか否かの判定は、試薬添加後に一定時間安定したベ
ースラインが現れるかどうかにより判断する。
【0015】図6に乳び検体についての測定結果と標準
検体についての測定結果を示す。乳び検体では、記号1
0cで示されるデータのものがフィブリノーゲンを高濃
度に含む検体、記号10sで示されるデータのものが標
準濃度の検体である。標準検体では、記号12cで示さ
れるデータのものがフィブリノーゲンを高濃度に含む検
体、記号12sで示されるデータのものが標準濃度のフ
ィブリノーゲンを含む検体である。
検体についての測定結果を示す。乳び検体では、記号1
0cで示されるデータのものがフィブリノーゲンを高濃
度に含む検体、記号10sで示されるデータのものが標
準濃度の検体である。標準検体では、記号12cで示さ
れるデータのものがフィブリノーゲンを高濃度に含む検
体、記号12sで示されるデータのものが標準濃度のフ
ィブリノーゲンを含む検体である。
【0016】標準濃度のフィブリノーゲンを含む検体の
測定では、検体を希釈し、分注した後、試薬を分注する
と散乱光量値Lが減少し、その後一定レベルのベースラ
インが現れ、凝固開始前の基準レベル値L0が現れる。
その基準レベル値L0と凝固完了後の最終凝固散乱光量
値L1の実測値とから、散乱光量レベルが(L1−L0)
/n+L0(例えばn=2とした)になる時間TAを標準
濃度の試料10s,12sの凝固時間として求めた。
測定では、検体を希釈し、分注した後、試薬を分注する
と散乱光量値Lが減少し、その後一定レベルのベースラ
インが現れ、凝固開始前の基準レベル値L0が現れる。
その基準レベル値L0と凝固完了後の最終凝固散乱光量
値L1の実測値とから、散乱光量レベルが(L1−L0)
/n+L0(例えばn=2とした)になる時間TAを標準
濃度の試料10s,12sの凝固時間として求めた。
【0017】一方、高濃度検体の場合には検体の散乱光
量LS、検体分注量VS、試薬分注量VR、及び試薬の散
乱光量値LRとから(1)式によりL0を求めた。ここで
は、LRを0とし、検体分注量VSは検体10μl+バッ
ファ液90μl=100μl、試薬分注量VRは50μ
lとして L0=LS×50/(100+50) =FS/3 として図中に示している。この算出したL0を用い、実
測された最終凝固散乱光量L1から (L1−L0)/2+L0 によりB’点の時間TB’を凝固時間として求めた。こ
の凝固時間TB’は試薬分注時のC点のレベルを基準と
したものに比べてより正しい凝固時間となる。また、高
濃度検体についても、乳び検体と標準検体とで凝固時間
測定値に差が生じていない。
量LS、検体分注量VS、試薬分注量VR、及び試薬の散
乱光量値LRとから(1)式によりL0を求めた。ここで
は、LRを0とし、検体分注量VSは検体10μl+バッ
ファ液90μl=100μl、試薬分注量VRは50μ
lとして L0=LS×50/(100+50) =FS/3 として図中に示している。この算出したL0を用い、実
測された最終凝固散乱光量L1から (L1−L0)/2+L0 によりB’点の時間TB’を凝固時間として求めた。こ
の凝固時間TB’は試薬分注時のC点のレベルを基準と
したものに比べてより正しい凝固時間となる。また、高
濃度検体についても、乳び検体と標準検体とで凝固時間
測定値に差が生じていない。
【0018】検体中のフィブリノーゲン濃度が標準濃度
よりさらに低濃度である場合には、図6中に記号14で
示す破線のように、凝固による散乱光量の変化量が少な
いため、(1)式により計算でL0値を求めるとかえっ
て誤差を生じやすい。そのため、低濃度試料の場合には
(1)式の計算は行なわない。本発明は血液凝固因子が
フィブリノーゲンの場合に限らず、他の血液凝固因子で
あっても、また試薬が劣化している場合など、試薬添加
後に安定したベースラインが現れない場合には同様に適
用することができる。
よりさらに低濃度である場合には、図6中に記号14で
示す破線のように、凝固による散乱光量の変化量が少な
いため、(1)式により計算でL0値を求めるとかえっ
て誤差を生じやすい。そのため、低濃度試料の場合には
(1)式の計算は行なわない。本発明は血液凝固因子が
フィブリノーゲンの場合に限らず、他の血液凝固因子で
あっても、また試薬が劣化している場合など、試薬添加
後に安定したベースラインが現れない場合には同様に適
用することができる。
【0019】本発明は他の態様として次のものを含んで
いる。 (1)測定項目がフィブリノーゲンで、検体が試薬添加
後に安定したベースラインが現れない程度に高濃度のフ
ィブリノーゲンを含んでいる場合にのみL0値を計算に
より求める請求項1に記載の血液凝固分析装置。
いる。 (1)測定項目がフィブリノーゲンで、検体が試薬添加
後に安定したベースラインが現れない程度に高濃度のフ
ィブリノーゲンを含んでいる場合にのみL0値を計算に
より求める請求項1に記載の血液凝固分析装置。
【0020】
【発明の効果】本発明では試薬添加後に安定したベース
ラインが現れない場合においても、L0算出部で計算に
よりL0を求めるようにしたので、凝固時間TCの判定
レベルを正しく導くことができ、凝固時間測定精度が高
くなる。また、検体の濁度(乳びなど)の影響もない。
ラインが現れない場合においても、L0算出部で計算に
よりL0を求めるようにしたので、凝固時間TCの判定
レベルを正しく導くことができ、凝固時間測定精度が高
くなる。また、検体の濁度(乳びなど)の影響もない。
【図1】従来の凝固時間測定方法を示す図であり、
(A)は一般的な散乱光量変化を示す図、(B)は標準
濃度のフィブリノーゲンを含む検体と高濃度のフィブリ
ノーゲンを含む検体の散乱光量変化を示す図である。
(A)は一般的な散乱光量変化を示す図、(B)は標準
濃度のフィブリノーゲンを含む検体と高濃度のフィブリ
ノーゲンを含む検体の散乱光量変化を示す図である。
【図2】本発明のデータ処理部を概略的に示すブロック
図である。
図である。
【図3】本発明が適用される血液強固分析装置の分析部
を示す平面図である。
を示す平面図である。
【図4】同分析部における測定部モジュールを示す平面
図である。
図である。
【図5】一実施例で測定項目と検体によりL0の扱いを
判断するためのフローチャート図である。
判断するためのフローチャート図である。
【図6】一実施例における測定例を示す波形図である。
22 分析部 24 L0算出部 26 凝固時間算出部
Claims (1)
- 【請求項1】 複数のセルを保持し、セル内の液の散乱
光量を測定する測光部を有する反応部、反応部のセルへ
検体を分注する検体分注器及び反応部のセルへ試薬を分
注する試薬分注器を少なくとも備えた分析部と、 凝固前の散乱光量値L0を基準として検体に試薬を添加
した後の散乱光量の変化から凝固時間を算出する凝固時
間算出部を有するデータ処理部とを備えた血液凝固分析
装置において、 前記データ処理部は、次の式 L0=(LSVS+LRVR)/(VS+VR) によりL0を求めるL0算出部を備えていることを特徴と
する血液凝固分析装置。ここで、LSは検体の散乱光量 LRは血液凝固因子測定用試薬の散乱光量 VSは検体分注量 VRは試薬分注量 である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16617994A JPH0815263A (ja) | 1994-06-24 | 1994-06-24 | 血液凝固分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16617994A JPH0815263A (ja) | 1994-06-24 | 1994-06-24 | 血液凝固分析装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0815263A true JPH0815263A (ja) | 1996-01-19 |
Family
ID=15826548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16617994A Pending JPH0815263A (ja) | 1994-06-24 | 1994-06-24 | 血液凝固分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0815263A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007263907A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-11 | Sysmex Corp | 血液凝固時間測定装置 |
EP3018481A1 (en) | 2009-05-20 | 2016-05-11 | Sekisui Medical Co., Ltd. | Blood coagulation time prolonging agent |
-
1994
- 1994-06-24 JP JP16617994A patent/JPH0815263A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007263907A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-11 | Sysmex Corp | 血液凝固時間測定装置 |
EP3018481A1 (en) | 2009-05-20 | 2016-05-11 | Sekisui Medical Co., Ltd. | Blood coagulation time prolonging agent |
US9733262B2 (en) | 2009-05-20 | 2017-08-15 | Sekisui Medical Co., Ltd. | Method for measuring blood coagulation |
KR20180019781A (ko) | 2009-05-20 | 2018-02-26 | 세키스이 메디칼 가부시키가이샤 | 혈액응고시간 연장제 |
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