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JPH08141396A - カルボン酸類の水素化触媒及び該触媒を用いたカルボン酸類の水素化方法 - Google Patents

カルボン酸類の水素化触媒及び該触媒を用いたカルボン酸類の水素化方法

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Publication number
JPH08141396A
JPH08141396A JP6316039A JP31603994A JPH08141396A JP H08141396 A JPH08141396 A JP H08141396A JP 6316039 A JP6316039 A JP 6316039A JP 31603994 A JP31603994 A JP 31603994A JP H08141396 A JPH08141396 A JP H08141396A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica carrier
catalyst
hydrogenation catalyst
acid
surface area
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6316039A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshinori Hara
善則 原
Haruhiko Kusaka
晴彦 日下
Hiroko Inagaki
裕子 稲垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP6316039A priority Critical patent/JPH08141396A/ja
Publication of JPH08141396A publication Critical patent/JPH08141396A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Furan Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、改良された第VIII族貴金属成
分及びRe成分を触媒成分として有する担体付き水素化
触媒及び該触媒を用いて、ジカルボン酸類、特に無水マ
レイン酸を水素化しテトラヒドロフランを生成する方法
を提供する。 【構成】 シリカ担体上に周期律表第VIII族の貴金
属成分及びRe成分が担持され、該シリカ担体が120
2/g以上のBET表面積を有し、且つ2.0〜4
5.0nmの平均細孔径を有するか、或いは2<D(細
孔径)<50nmにシャープな細孔分布を有するメソ多
孔体からなるカルボン酸類の水素化触媒及び炭素数4の
ジカルボン酸及びその酸無水物等から選ばれる少なくと
も1種のカルボン酸類を該水素化触媒の存在下、温度1
30〜350℃、水素圧5.0〜20.0MPaで水素
化し対応する環状エーテル類及び/又はラクトン類を生
成するジカルボン酸類の水素化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、触媒成分として第VIII
族貴金属及びReを含有する炭素数4のジカルボン酸類
の水素化反応用触媒の改良及び該触媒によるジカルボン
酸類の水素化反応方法に関するものである。詳しくは、
特定のシリカ担体に第VIII族貴金属及びReを担持した
無水マレイン酸の水素化反応用触媒及び該触媒を用いて
無水マレイン酸を水素化しテトラヒドロフランを選択的
に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マレイン酸、無水マレイン酸、フ
マル酸、コハク酸、無水コハク酸のようなカルボン酸及
び無水カルボン酸類を水素化し、テトラヒドロフラン、
1,4−ブタンジオール、またはγ−ブチロラクトンを
製造するための触媒に関し、多くの提案がなされてい
る。これらの中、周期律表第VIII族の貴金属成分及
びRe成分を担体に担持して調製した触媒を用いる方法
としては、DE2715667号明細書にPd−Re/
SiO2を触媒として1、4ーブタンジオールを製造す
る方法が記載されているが、この場合メタルシリケート
を酢酸処理するという繁雑な操作によって得られたシリ
カが用いられている。
【0003】更に、特開昭51−133212号明細書
には、パラジウム及びレニウムを珪藻土に担持した触媒
を用いて無水マレイン酸を水素化し、主生成物としてブ
タンジオールを生成したことが、又特開昭52−979
01号明細書にはパラジウムとレニウムを耐酸性担体に
担持した触媒の存在下、高温高圧でカルボン酸を水素化
してアルコールを製造することが記載されているが、い
ずれの方法においてもアルコールの選択性は高いもの
の、無水マレイン酸からγ−ブチロラクトン或いはテト
ラヒドロフランの生成は極めて低い割合である。
【0004】また、特公表平4−500813号明細書
にはPd−Re−Ag/TiO2を触媒としてγ−ブチ
ロラクトンを製造する方法が、更に米国特許46596
86号明細書にはPdとReにRh,Co、Pt等を加
えて活性炭に担持した触媒を用いてテトラヒドロフラン
を製造する方法が示されている。しかしながら、これら
の反応触媒は、生成するアルコール類、エーテル類への
選択性が比較的高いものの反応活性の点ではまだ十分満
足しうる結果が得られておらず、またいずれも高温高圧
の厳しい条件下で反応を行う必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、カルボン酸類
を触媒の存在下水素化するにあたり、穏和な条件で効率
よく水素化反応を進行させ、かつ目的化合物を選択的に
生成し得る水素化触媒の開発が望まれていた。本発明者
等は、第VIII族貴金属成分及びRe成分を触媒成分
として担持する担体付き水素化触媒の担体の特性につき
鋭意検討した結果、特定の物性値を有するシリカを使用
した場合には、この触媒を用いてジカルボン酸類、特に
無水マレイン酸を比較的穏和な条件で水素化反応に付す
ると、高活性でしかも選択的に所望のテトラヒドロフラ
ン及び/またはγ−ブチロラクトンのような環状化合物
を製造しうるとの新規な知見を得、本発明を達成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、改良された第
VIII族貴金属成分及びRe成分を触媒成分として有
する担体付きカルボン酸類の水素化触媒及び該触媒を用
いて、ジカルボン酸類、特に無水マレイン酸を水素化す
る方法を提供するものであり、その要旨は、シリカ担体
上に周期律表第VIII族の貴金属成分及びRe成分が
担持され、該シリカ担体は120m2/g以上のBET
表面積を有し、且つ2.0〜45.0nmの平均細孔径
を有するか、或いは2<D(細孔径)<50nmにシャ
ープな細孔分布を有するメソ多孔体であることよりなる
ジカルボン酸類の水素化触媒及び炭素数4のジカルボン
酸、その酸無水物、そのモノ又はジ低級アルキルエステ
ル若しくはその分子内エステルから選ばれる少なくとも
1種のカルボン酸類を該水素化触媒の存在下、温度13
0〜350℃、水素圧5.0〜20.0MPaで水素化
し対応する所望の水素化物、即ち、ラクトン類及び/又
は環状エーテル類を生成することよりなるカルボン酸類
の水素化方法に存する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
水素化触媒の担体は、120m2/g以上のBET表面
積と2.0〜45.0nmの細孔径を有するシリカであ
る。BET表面積は好ましくは120〜1250m2
g,より好ましくは180〜1250m2/gの範囲で
ある。特に、無水マレイン酸の水素化反応では、一般的
にシリカ担体の表面積を大きくするに従ってテトラヒド
ロフランの生成を増すことになるが、表面積が230m
2/g以上のシリカ担体を用いて無水マレイン酸を水素
化した場合、平均細孔径がほぼ同程度であってもより小
さい表面積のシリカ担体を使用した場合に比べテトラヒ
ドロフランの収率をより一層高めることができるので、
目的に応じ担体を選定して使用すれば良い。
【0008】また、平均細孔径は、2.0〜45.0n
m、好ましくは2.0〜30.0nmの範囲である。こ
の範囲のシリカを用いると触媒金属成分が高分散に担持
され、有効な反応場を形成することができる。これらの
シリカ担体は、表面積及び平均細孔径の上記要件を満た
す限り、市販品の中から選択使用することが出来る。
【0009】更に、担体として6方構造のメソ多孔体シ
リカを使用することができる。メソ多孔体はマクロポー
ラスとミクロポーラスの中間に位置する多孔体でその細
孔径(D)が2<D(細孔径)<50nmの範囲に存す
るものであり、ゼオライトよりもはるかに大きい細孔を
有している。メソ多孔体の例として、メソ孔領域(2<
D<50nm)にシャープな細孔分布を持つメソ多孔体
FSM−16が知られている(「触媒」Vol.36 No.2
p.131 1994;73rd CATSJ Meeting Abstracts;No.1
B12)。これらは、その製造条件によって多少の違いは
あるが、BET表面積が1000m2/g程度あり、ゼ
オライトよりも大きな細孔を持つため、担体として用い
た場合、細孔内部への金属の担持が可能であり、高分散
の触媒を得ることができる。
【0010】この様なメソ多孔体シリカは、例えば上記
(「触媒」Vol.36 No.2 p.131 1994;73rd CATSJ
Meeting Abstracts;No.1B12)に記載されている様な
公知の方法で合成することができる。即ち、層間にNa
イオンを持つ単層のシリケートシート[(Si252-
=]から構成されている層状化合物であるカネマイト
(NaHSi25・3H2O)の層間Naイオンをヘキ
サデシルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチ
ルアンモニウムでイオン交換させると、アルキルトリメ
チルアンモニウムは層間に侵入し、単層のシリケートシ
ートと安定な複合体が形成される。次いで、これを焼成
してシラノール基の脱水縮合により層間が架橋された三
次元骨格の6方構造のメソ多孔体(FSM−16)を取
得することができる。このシリカ多孔体は、BET表面
積及び細孔容積がそれぞれ1220m2/g,1.0m
l/gであり、3nmを中心とした均一の細孔分布を示
している。又、この方法によりメソ多孔体を製造するに
当たり、アルキルトリメチルアンモニウムのアルキルの
種類を変えることにより孔径を変化させ、所望の多孔体
シリカを調製することが出来るが、通常アルキル基とし
ては、炭素数8〜20程度のものが使用される。
【0011】シリカ担体の形状は限定されず、粉末状、
顆粒状、粒状、更にはペレット、錠剤、桿状等の成形品
であっても良く、触媒を適用する水素化反応方式により
任意に選ばれる。本発明水素化触媒、特に無水マレイン
酸の水素化触媒に於いては、その反応活性を高めるため
にシリカ担体の表面積を大きくすることが有効であり、
表面積の増大は同時にテトラヒドロフランの選択性をも
増やす傾向がある。本発明では、高い反応活性とテトラ
ヒドロフランへの選択性を維持するために触媒担体の表
面積と平均細孔径を特定の範囲に制御するのであり、本
発明触媒を用いれば、高い反応率で無水マレイン酸の水
素化を行うことが出来、その水素化生成物は環状構造が
維持されたテトラヒドロフラン及びその中間体でもある
γ−ブチロラクトンであり、開環反応によるアルコール
類は極めて僅かである。
【0012】本発明の水素化触媒は、上記のシリカ担体
を用いそれ自体公知の方法により製造することが出来、
例えば次の方法が挙げられ、これらの方法を適宜採用す
れば良い。 1)加熱分解可能なVIII族の貴金属化合物或いはレ
ニウム化合物を含む溶液を、個々に又は同時にシリカに
含浸し、乾燥、還元する方法。 2)VIII族の貴金属化合物をシリカにイオン交換
し、乾燥、還元した後、レニウム化合物溶液を含浸し、
乾燥、還元する方法。 3)VIII族の貴金属化合物及びレニウム化合物をシ
リカと物理的に混合した後、乾燥、還元する方法。
【0013】本発明水素化触媒に触媒成分として使用さ
れる周期律表第VIII族の貴金属化合物及びレニウム
化合物としては、触媒調製に際し加熱分解可能なもので
あれば特に制限はない。VIII族の貴金属化合物とし
てはパラジウム、ルテニウム、ロジウム、白金及びイリ
ジウムの化合物が挙げられ、これらは単独でも2種類以
上を組み合わせて用いることも出来る。パラジウム化合
物としては、具体的には塩化パラジウム、硝酸パラジウ
ム、硫酸パラジウム等の無機塩、酢酸パラジウム、パラ
ジウムアセチルアセトナート等の有機化合物、テトラア
ンミンパラジウムクロリド等の配位化合物が挙げられ
る。ルテニウム化合物としては、塩化ルテニウム、硝酸
ルテニウムニトロシル等の無機塩、ルテニウムアセチル
アセトナート等の有機化合物、ペンタアンミンルテニウ
ムクロリド、トリルテニウムドデカカルボニル等の配位
化合物が挙げられ、ロジウム化合物としては、塩化ロジ
ウム、硝酸ロジウム、硫酸ロジウム等の無機塩、ロジウ
ムアセチルアセトナート等の有機化合物、テトラロジウ
ムドデカカルボニル等の配位化合物が挙げられる。
【0014】また、白金化合物としては、塩化白金酸、
塩化白金酸ナトリウム等の酸及び無機塩、白金アセチル
アセトナート等の有機化合物、テトラアンミンプラチニ
ウムクロリド等の配位化合物が挙げられ、イリジウム化
合物としては、塩化イリジウム、塩化イリジウム酸等の
酸及び無機塩、イリジウムアセチルアセトナート等の有
機化合物、テトライリジウムドデカカルボニル等の配位
化合物が挙げられる。これらの貴金属化合物の中では、
特にパラジウム化合物が好適に用いられる。
【0015】レニウム化合物としては、七酸化二レニウ
ム、過レニウム酸、過レニウム酸アンモニウム、塩化レ
ニウム等の無機塩や酸類、ジレニウムデカカルボニル等
の配位化合物等が挙げられる。
【0016】金属触媒成分の担持量には特に制限はない
が、少ないと十分な触媒効果が達成されず、他方必要以
上に多すぎるのは経済的に不利となる。通常、VIII
族貴金属は、金属として0.1〜20重量%、好ましく
は1〜10重量%であり、レニウムは、0.1〜20重
量%、好ましくは0.1〜10重量%含まれているのが
望ましい。
【0017】本発明の水素化触媒は、好ましくはVII
I族貴金属化合物及びレニウム化合物を、適当な溶媒、
例えば水、メタノール等に溶解して、上記シリカに含浸
させた後還元する。還元は、通常、水素、メタノール、
ホルムアルデヒド等のガス又は還元性蒸気により、10
0〜700℃で気相で行われるが、ヒドラジン等で還元
する場合は液層でも行うことができる。工業的には、水
素ガスが使用されるが、水素は純粋なものでも、窒素、
アルゴン等の不活性ガスで希釈されていても良い。
【0018】本発明の水素化触媒を使用してカルボン酸
類の水素化反応を行うが、水素化反応に供されるカルボ
ン酸類としては、炭素数4のジカルボン酸、その酸無水
物、そのモノ又はジ低級アルキルエステル並びにその分
子内エステルから選ばれる。炭素数4のジカルボン酸及
びその酸無水物としては、具体的には、マレイン酸、フ
マル酸、無水フマル酸、無水マレイン酸が挙げられる
が、これらの中、特にマレイン酸及びその酸無水物が好
ましい。炭素数4のジカルボン酸のモノ又はジ低級アル
キルエステルのエステルを構成するアルコールは特に限
定されず、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール等の炭素数1〜5の低級アルコールが好まし
い。また、分子内エステルはラクトンであり、具体的に
はγ−ブチロラクトンである。本発明の水素化方法で
は、原料の環状構造を開環することなく環状構造の水素
化物を生成し得るので、これらのカルボン酸類の中、ジ
カルボン酸の酸無水物である無水マレイン酸が最も有効
な出発原料である。
【0019】本発明の水素化反応の条件は、原料カルボ
ン酸類の種類及び触媒の活性によっても異なるが、通
常、温度130〜350℃、好ましくは160〜300
℃、水素圧1.00〜30.0MPa、好ましくは5.
0〜20.0MPaの範囲で選定される。水素化反応に
使用される触媒量は、ジカルボン酸等の反応原料100
重量部に対し、0.1〜100重量部であることが望ま
しいが、反応温度または反応圧力等の諸条件に応じ、実
用的な反応速度が得られる範囲内において任意に選択さ
れる。
【0020】水素化反応に使用される水素は、通常工業
的に使用される純度のものであるが、場合により窒素等
の不活性ガスで希釈したものも使用できる。また、使用
量は原料カルボン酸類に対し、一般には化学量論量より
過剰に用いられる。
【0021】反応方式としては液相懸濁床あるいは固定
床のいずれも採用できる。懸濁床の場合、反応終了後の
触媒と反応液との分離は、通常用いられる手法、例えば
デカンテーションや濾過等により容易に行うことができ
る。また、連続法においては、例えば、トリクルベッド
方式等で行われ、原料ジカルボン酸類は溶融又は反応溶
媒の溶液として反応槽に供給される。得られた反応液か
らの目的物の生成分離は、通常工業的に用いられている
方法、例えば蒸留等によって容易に行うことができる。
【0022】水素化反応は、無溶媒で行っても良いし、
必要に応じて溶媒を用いても良い。溶媒を用いる場合、
溶媒としては、反応に悪影響を与えないものであれば良
く、特に制限されないが、具体的には、水、メタノー
ル、エタノール、オクタノール、ドデカノール、エチレ
ングリコール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、
ジオキサン、テトラエチレングリコールジメチルエーテ
ル等のエーテル類;その他、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、デカリン等の炭化水素類が挙げられる。
【0023】本発明の水素化反応によって得られる生成
物は、原料ジカルボン酸の種類によって異なるが、主と
してラクトン或いは環状エーテル等であり、僅かのアル
コール類も得られる。本発明水素化方法は、特に無水マ
レイン酸の水素化反応に有効であり、本発明方法によれ
ば、マレイン酸の転化率が高く、しかも高い選択率でテ
トラヒドロフランを生成することが出来、ブタンジオー
ル及びブチルアルコール等のアルコール類の生成は僅か
である。更に、水素化反応触媒として、シリカ担体のB
ET表面積を比較的大きくし、その平均細孔径をより小
さくすれば、主生成物であるテトラヒドロフランと共に
γ−ブチロラクトンをある割合で生成することができ
る。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及
び比較例において、%は重量%を示す。
【0025】実施例1〜5 触媒の調製 シリカ担体として、富士デヴィソン化学社製;GRAD
E#12(実施例1)、Cariact Q−6(実施
例2)、洞海化学社製;D−150−200A(実施例
3)、D−150−300A(実施例4)を使用した。
またメソ多孔体シリカとしては(「触媒」Vol.36 No.2
p.131 1994;73rd CATSJ Meeting Abstracts;N
o.1B12)に記載されている方法に準じて次ぎのように合
成した。即ち、50gのカネマイトを0.1Mのヘキサデ
シルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液1000mlに
分散させ、60〜70℃で3時間加熱した。室温に冷却後、
固形生成物を濾別し、水1000mlに入れpHを8.5に調整
した。固形物を分離後、十分洗浄し、乾燥した後、550
℃で6時間焼成した。これをFSM−16(実施例5)
として使用した。塩化パラジウム33.3mgと七酸化
二レニウム78mgを5N塩酸水溶液0.86mlに溶
解し、この溶液に上記各シリカ1.92gを加えて含浸
させ、次いで回転減圧乾燥機で水を留去した。その後、
真空中、100℃で2時間乾燥させた後、水素雰囲気
下、300℃で2時間還元して1%Pd−3%Re/シ
リカの触媒を得た。
【0026】水素化反応 無水マレイン酸2gを水8gに溶解し、上記方法で調製
した各触媒0.2gを70mlスピナー攪拌オートクレ
ーブに仕込み、室温下9.8MPaの水素を圧入し、2
40℃で2時間反応を行った。反応生成物につきガスク
ロマトグラフィーで分析を行った結果を、担体の物性値
とともに表−1に示す。
【0027】比較例1〜2 シリカ担体として、富士デヴィソン化学社製;Cari
act−30(比較例1)、Cariact−50(比
較例2)を用い、実施例と同様にして触媒を調製し、水
素化反応を行った。その結果を表−1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明の周期律表第VIII族の貴金属
成分及びレニウム成分を特定の物性、即ち、120m2
/g以上のBET表面積を有し、且つ2.0〜45.0
nmの平均細孔径を有するか、或いは2<D(細孔径)
<50nmにシャープな細孔分布を有するメソ多孔体か
らなるシリカに担持した固体触媒を用いて炭素数4のジ
カルボン酸類、とくに無水マレイン酸の水素化反応を行
えば、従来法に比べ穏和な条件で高転換率で所望のテト
ラヒドロフランを選択率良く生成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリカ担体上に周期律表第VIII族の
    貴金属成分及びRe成分が担持され、且つ該シリカ担体
    が120m2/g以上のBET表面積及び2.0〜4
    5.0nmの平均細孔径を有することを特徴とする炭素
    数4のジカルボン酸、その酸無水物、そのモノ又はジ低
    級アルキルエステル若しくはその分子内エステルから選
    ばれるカルボン酸類の水素化触媒。
  2. 【請求項2】 シリカ担体のBET表面積が120〜1
    250m2/gの範囲であることを特徴とする請求項1
    記載の水素化触媒。
  3. 【請求項3】 シリカ担体の平均細孔径が2.0〜3
    0.0nmの範囲であることを特徴とする請求項1又は
    2記載の水素化触媒。
  4. 【請求項4】 シリカ担体上に周期律表第VIII族の
    貴金属成分及びRe成分が担持され、且つ該シリカ担体
    が120m2/g以上のBET表面積及び2.0〜4
    5.0nmの平均細孔径を有することを特徴とするマレ
    イン酸又はその酸無水物の水素化によるテトラヒドロフ
    ラン製造用触媒。
  5. 【請求項5】 シリカ担体上に周期律表第VIII族の
    貴金属成分及びRe成分が担持され、該シリカ担体が1
    20m2/g以上のBET表面積を有し、且つ2<D
    (細孔径)<50nmにシャープな細孔分布を有するメ
    ソ多孔体であることを特徴とする炭素数4のジカルボン
    酸、その酸無水物、そのモノ又はジ低級アルキルエステ
    ル若しくはその分子内エステルから選ばれるカルボン酸
    類の水素化触媒。
  6. 【請求項6】 シリカ担体のBET表面積が120〜1
    250m2/gの範囲であることを特徴とする請求項5
    記載の水素化触媒。
  7. 【請求項7】 シリカ担体が、カネマイトの層間Naイ
    オンを、アルキルトリメチルアンモニウムでイオン交換
    させ、単層のシリケートシートとアルキルトリメチルア
    ンモニウムとの安定な複合体を形成させた後、該複合体
    を焼成して得られる2<D(細孔径)<50nmにシャ
    ープな細孔分布を有するメソ多孔体であることを特徴と
    する請求項5又は6記載の水素化触媒。
  8. 【請求項8】 シリカ担体上に周期律表第VIII族の
    貴金属成分及びRe成分が担持され、該シリカ担体が1
    20m2/g以上のBET表面積を有し、且つ2<D
    (細孔径)<50nmにシャープな細孔分布を有するメ
    ソ多孔体であることを特徴とするマレイン酸又はその酸
    無水物の水素化によるテトラヒドロフラン製造用触媒。
  9. 【請求項9】 炭素数4のジカルボン酸、その酸無水
    物、そのモノ又はジ低級アルキルエステル若しくはその
    分子内エステルから選ばれる少なくとも1種のカルボン
    酸類を請求項1又は5記載の水素化触媒の存在下、温度
    130〜350℃、水素圧5.0〜20.0MPaで水
    素化し、ラクトン類及び/又は環状エーテル類を生成す
    ることを特徴とするカルボン酸類の水素化方法。
  10. 【請求項10】 マレイン酸及び/又は無水マレイン酸
    を請求項4又は8記載の触媒の存在下、温度130〜3
    50℃、水素圧5.0〜20.0MPaで水素化するこ
    とを特徴とするテトラヒドロフランの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002010147A1 (en) * 2000-07-27 2002-02-07 Sk Corporation CONTINUOUS PROCESS FOR THE PRODUCTION OF OPTICALLY PURE (S)-β-HYDROXY-η-BUTYROLACTONE
JP2003516438A (ja) * 1999-12-08 2003-05-13 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレーテッド 不飽和ポリマーを水素化する方法
JP2013017922A (ja) * 2011-07-08 2013-01-31 Daicel Corp イリジウム−レニウム固体触媒

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