JPH08136539A - 安定型糖化ヘモグロビン測定方法 - Google Patents
安定型糖化ヘモグロビン測定方法Info
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- JPH08136539A JPH08136539A JP27222094A JP27222094A JPH08136539A JP H08136539 A JPH08136539 A JP H08136539A JP 27222094 A JP27222094 A JP 27222094A JP 27222094 A JP27222094 A JP 27222094A JP H08136539 A JPH08136539 A JP H08136539A
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- hemoglobin
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Abstract
(57)【要約】
【目的】溶血剤のpHを使用直前に、不安定型糖化ヘモ
グロビン除去効果に適したpHに調製することにより、
不安定型糖化ヘモグロビン除去試薬の保存安定性を高
め、除去能力を低下させることなく、安定型糖化ヘモグ
ロビンを測定する方法を提供する。 【構成】不安定型糖化ヘモグロビン除去試薬を含有する
溶血剤を、pH7以上で保存しておき、使用する直前に
酸性溶液と混合しpH5〜7に調製した後、この液で試
料を希釈し、その混合液を加温し、カラムに注入するこ
とにより、不安定型糖化ヘモグロビンを除去した状態で
安定型糖化ヘモグロビンを測定する。
グロビン除去効果に適したpHに調製することにより、
不安定型糖化ヘモグロビン除去試薬の保存安定性を高
め、除去能力を低下させることなく、安定型糖化ヘモグ
ロビンを測定する方法を提供する。 【構成】不安定型糖化ヘモグロビン除去試薬を含有する
溶血剤を、pH7以上で保存しておき、使用する直前に
酸性溶液と混合しpH5〜7に調製した後、この液で試
料を希釈し、その混合液を加温し、カラムに注入するこ
とにより、不安定型糖化ヘモグロビンを除去した状態で
安定型糖化ヘモグロビンを測定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、臨床検査における安定
型糖化ヘモグロビンの測定方法に関する。
型糖化ヘモグロビンの測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】糖化ヘモグロビンとは、糖が血液中の濃
度に比例して非酵素的にヘモグロビンと結合して生成し
たものであり、その濃度は過去1〜2か月の血液中の平
均的な糖濃度を反映するといわれている。また血糖値や
尿糖値に比べ、生理的要因に左右されにくいことから糖
尿病の診断あるいは糖尿病患者の経過観察の最適な指標
として広く用いられている。
度に比例して非酵素的にヘモグロビンと結合して生成し
たものであり、その濃度は過去1〜2か月の血液中の平
均的な糖濃度を反映するといわれている。また血糖値や
尿糖値に比べ、生理的要因に左右されにくいことから糖
尿病の診断あるいは糖尿病患者の経過観察の最適な指標
として広く用いられている。
【0003】この糖化ヘモグロビンの主成分は、ヘモグ
ロビンのβ鎖N末端にグルコースが結合したもので、そ
の生成は二段階に進行する。すなわち第一段階の反応で
は、生成した糖化ヘモグロビンは可逆的に遊離型(グル
コースとヘモグロビン)に戻り、第二段階は不可逆的な
反応である。この第一段階で生成した糖化ヘモグロビン
は不安定型糖化ヘモグロビン、第二段階でのものは安定
型糖化ヘモグロビンと呼ばれる。
ロビンのβ鎖N末端にグルコースが結合したもので、そ
の生成は二段階に進行する。すなわち第一段階の反応で
は、生成した糖化ヘモグロビンは可逆的に遊離型(グル
コースとヘモグロビン)に戻り、第二段階は不可逆的な
反応である。この第一段階で生成した糖化ヘモグロビン
は不安定型糖化ヘモグロビン、第二段階でのものは安定
型糖化ヘモグロビンと呼ばれる。
【0004】より長期の平均的な血糖値の指標として
は、上記の安定型糖化ヘモグロビンを測定するが、これ
を選択的に迅速に測定するために不安定型糖化ヘモグロ
ビンを除去する方法がとられる。例えば、特開昭63−
298063号公報および特開昭63−298064号
公報には、リン酸縮合体及びその塩を不安定型糖化ヘモ
グロビンの除去試薬として用いることが開示されてい
る。
は、上記の安定型糖化ヘモグロビンを測定するが、これ
を選択的に迅速に測定するために不安定型糖化ヘモグロ
ビンを除去する方法がとられる。例えば、特開昭63−
298063号公報および特開昭63−298064号
公報には、リン酸縮合体及びその塩を不安定型糖化ヘモ
グロビンの除去試薬として用いることが開示されてい
る。
【0005】上記リン酸縮合体及びその塩による不安定
型糖化ヘモグロビンの除去作用は、ヘモグロビン上の
2,3−ジフォスホグリセリン酸(DPG)ポケットの
性質に起因すると考えられる。この2,3−DPGポケ
ットはヘモグロビンのβ鎖のヒスチジン、リジン等の塩
基性アミノ酸残基、及び糖化ヘモグロビンのβ鎖N末端
のバリンによって形成されており、カチオン性を帯びて
いる。リン酸縮合体及びその塩はアニオン性であり、か
つその分子形状も適切であるため、2,3−DPGポケ
ットに対して強力な親和性を有し、グルコースと競合し
てヘモグロビンのβ鎖N末端に結合する。その結果、不
安定型糖化ヘモグロビンの解離が促進される。
型糖化ヘモグロビンの除去作用は、ヘモグロビン上の
2,3−ジフォスホグリセリン酸(DPG)ポケットの
性質に起因すると考えられる。この2,3−DPGポケ
ットはヘモグロビンのβ鎖のヒスチジン、リジン等の塩
基性アミノ酸残基、及び糖化ヘモグロビンのβ鎖N末端
のバリンによって形成されており、カチオン性を帯びて
いる。リン酸縮合体及びその塩はアニオン性であり、か
つその分子形状も適切であるため、2,3−DPGポケ
ットに対して強力な親和性を有し、グルコースと競合し
てヘモグロビンのβ鎖N末端に結合する。その結果、不
安定型糖化ヘモグロビンの解離が促進される。
【0006】上記による不安定型糖化ヘモグロビンの除
去能力は、pHが低いほうがよいが、pHが低すぎると
試料の変性が起こり正確な測定ができない。従って通常
はpH6付近(5〜7)で行われる。しかしながら、上
記不安定型糖化ヘモグロビンの除去試薬は塩基性溶液中
で安定であり、pH6付近では次第に分解するため、長
期保存ができないという問題点があった。
去能力は、pHが低いほうがよいが、pHが低すぎると
試料の変性が起こり正確な測定ができない。従って通常
はpH6付近(5〜7)で行われる。しかしながら、上
記不安定型糖化ヘモグロビンの除去試薬は塩基性溶液中
で安定であり、pH6付近では次第に分解するため、長
期保存ができないという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するものであり、その目的は、不安定型糖化ヘモ
グロビン除去試薬の保存安定性を高め、除去能力を低下
させることなく、安定型糖化ヘモグロビンを測定する方
法を提供することである。
を解決するものであり、その目的は、不安定型糖化ヘモ
グロビン除去試薬の保存安定性を高め、除去能力を低下
させることなく、安定型糖化ヘモグロビンを測定する方
法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の溶血剤には不安
定型糖化ヘモグロビン除去試薬が含有され、前記不安定
型糖化ヘモグロビン除去試薬は、リン酸縮合体及びその
塩である。上記リン酸縮合体としては、(HPO3 )n
(nは2以上の整数)で示されるメタリン酸、2原子以
上のリンを含みP−O−P結合を有するポリリン酸、及
びそれらの類似体が挙げられる。上記メタリン酸として
は、例えば、トリメタリン酸、テトラメタリン酸等が挙
げられ、ポリリン酸としては、例えば、ピロリン酸、テ
トラポリリン酸等が挙げられる。
定型糖化ヘモグロビン除去試薬が含有され、前記不安定
型糖化ヘモグロビン除去試薬は、リン酸縮合体及びその
塩である。上記リン酸縮合体としては、(HPO3 )n
(nは2以上の整数)で示されるメタリン酸、2原子以
上のリンを含みP−O−P結合を有するポリリン酸、及
びそれらの類似体が挙げられる。上記メタリン酸として
は、例えば、トリメタリン酸、テトラメタリン酸等が挙
げられ、ポリリン酸としては、例えば、ピロリン酸、テ
トラポリリン酸等が挙げられる。
【0009】上記類似体としては、上記化合物が側鎖を
有する化合物やさらに複雑に縮合している化合物があ
り、例えば、ウルトラポリリン酸が挙げられる。また水
に溶解すると加水分解し、上記リン酸縮合体を生成する
ものも用いることができ、例えば酸化リンが挙げられ
る。酸化リンは水に溶解するとウルトラポリリン酸、テ
トラメタリン酸、テトラポリリン酸等に変化する。しか
し加水分解最終産物であるモノオルソリン酸(H3PO
4 )には効果がみられない。
有する化合物やさらに複雑に縮合している化合物があ
り、例えば、ウルトラポリリン酸が挙げられる。また水
に溶解すると加水分解し、上記リン酸縮合体を生成する
ものも用いることができ、例えば酸化リンが挙げられ
る。酸化リンは水に溶解するとウルトラポリリン酸、テ
トラメタリン酸、テトラポリリン酸等に変化する。しか
し加水分解最終産物であるモノオルソリン酸(H3PO
4 )には効果がみられない。
【0010】上記リン酸縮合体の塩としては、例えば、
カリウム、ナトリウム等の金属塩が挙げられる。上記リ
ン酸縮合体の縮合度は、不安定型糖化ヘモグロビン除去
効果からみると、縮合体中のリン酸の数にして2〜6で
あることが好ましいが、より縮合度の高いものでも水溶
液中において加水分解し、縮合度2〜6のリン酸縮合体
を生成することが期待できるので、除去試薬として用い
ることができる。リン酸縮合体の量は、溶血等の前処理
の条件によって異なるが、少なくなると不安定型糖化ヘ
モグロビンの解離・除去効果が得られず、多くなると分
離カラムでの分離が困難となるので、例えば、血液検体
3μlを450μlの溶血剤で処理する場合には、好ま
しくは0.001〜4.0 W/V%( W/V%は、単位容量
当たりの重量割合を表すものとする)、より好ましくは
0.01〜2.0 W/V%である。
カリウム、ナトリウム等の金属塩が挙げられる。上記リ
ン酸縮合体の縮合度は、不安定型糖化ヘモグロビン除去
効果からみると、縮合体中のリン酸の数にして2〜6で
あることが好ましいが、より縮合度の高いものでも水溶
液中において加水分解し、縮合度2〜6のリン酸縮合体
を生成することが期待できるので、除去試薬として用い
ることができる。リン酸縮合体の量は、溶血等の前処理
の条件によって異なるが、少なくなると不安定型糖化ヘ
モグロビンの解離・除去効果が得られず、多くなると分
離カラムでの分離が困難となるので、例えば、血液検体
3μlを450μlの溶血剤で処理する場合には、好ま
しくは0.001〜4.0 W/V%( W/V%は、単位容量
当たりの重量割合を表すものとする)、より好ましくは
0.01〜2.0 W/V%である。
【0011】本発明に用いられる溶血剤は、赤血球膜を
破壊してヘモグロビンを溶出させるための試薬で、界面
活性剤が含有される。上記界面活性剤としては、例え
ば、高級脂肪族アルコール、アルキルアリールポリエー
テルアルコール、スルホネートのポリオキシエチレンエ
ーテル、サルフェートのポリオキシエチレンエーテル、
無水ソルビット脂肪酸エステルのポリオキシエチレン誘
導体等が挙げられる。上記界面活性剤の溶血剤中の量
は、多くなると分離カラムでの分離に悪影響が生じ、少
なくなると溶血が十分におこらないので、0.1〜0.
5重量%が好ましい。
破壊してヘモグロビンを溶出させるための試薬で、界面
活性剤が含有される。上記界面活性剤としては、例え
ば、高級脂肪族アルコール、アルキルアリールポリエー
テルアルコール、スルホネートのポリオキシエチレンエ
ーテル、サルフェートのポリオキシエチレンエーテル、
無水ソルビット脂肪酸エステルのポリオキシエチレン誘
導体等が挙げられる。上記界面活性剤の溶血剤中の量
は、多くなると分離カラムでの分離に悪影響が生じ、少
なくなると溶血が十分におこらないので、0.1〜0.
5重量%が好ましい。
【0012】上記溶血剤のpHは、上記リン酸縮合体及
びその塩が塩基性溶液中で安定であり、酸性溶液中では
次第に分解するため、7以上で保存され、好ましくは8
〜11である。しかしながら、不安定型糖化ヘモグロビ
ン除去及びカラムでの分離においてはpH6付近が最適
であるので、測定を行うために試料を調製する際の溶血
剤のpHは5〜7、好ましくは5.5〜6.5である。
すなわち、不安定型糖化ヘモグロビン除去試薬を含有す
る溶血剤はpH7以上で保存され、使用する直前にpH
の低い酸性溶液を添加しpH5〜7に調製される。
びその塩が塩基性溶液中で安定であり、酸性溶液中では
次第に分解するため、7以上で保存され、好ましくは8
〜11である。しかしながら、不安定型糖化ヘモグロビ
ン除去及びカラムでの分離においてはpH6付近が最適
であるので、測定を行うために試料を調製する際の溶血
剤のpHは5〜7、好ましくは5.5〜6.5である。
すなわち、不安定型糖化ヘモグロビン除去試薬を含有す
る溶血剤はpH7以上で保存され、使用する直前にpH
の低い酸性溶液を添加しpH5〜7に調製される。
【0013】上記保存に用いる塩基性溶液としては、p
H7以上好ましくは8〜11の水溶液であれば特に限定
されず、例えば、リン酸水素二カリウム、リン酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム等の無機塩基の水溶液、トリス塩基
等の有機塩基の水溶液、ジエタノールアミン−塩酸、ト
リエタノールアミン−塩酸、トリス−塩酸、ホウ酸−ホ
ウ砂、グリシン−水酸化ナトリウム、バイシン−水酸化
ナトリウム、ホウ酸−水酸化ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム−水酸化ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム−
水酸化ナトリウム、アンモニア−塩化アンモニウム等の
塩基性緩衝液などが挙げられる。
H7以上好ましくは8〜11の水溶液であれば特に限定
されず、例えば、リン酸水素二カリウム、リン酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム等の無機塩基の水溶液、トリス塩基
等の有機塩基の水溶液、ジエタノールアミン−塩酸、ト
リエタノールアミン−塩酸、トリス−塩酸、ホウ酸−ホ
ウ砂、グリシン−水酸化ナトリウム、バイシン−水酸化
ナトリウム、ホウ酸−水酸化ナトリウム、炭酸水素ナト
リウム−水酸化ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム−
水酸化ナトリウム、アンモニア−塩化アンモニウム等の
塩基性緩衝液などが挙げられる。
【0014】上記酸性溶液としては、pH6以下で、上
記塩基性溶液に添加することでpH5〜7好ましくは
5.5〜6.5に調製し得る溶液であれば特に限定され
ず、例えば、塩酸、モノオルソリン酸、ホウ酸、リン酸
二水素カリウム等の水溶液、塩化カリウム−塩酸、フタ
ル酸水素カリウム−塩酸、グリシン−塩酸、酒石酸−水
酸化ナトリウム、クエン酸−水酸化ナトリウム、コハク
酸−水酸化ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウ
ム、酢酸−酢酸ナトリウム等の酸性緩衝液などが挙げら
れる。
記塩基性溶液に添加することでpH5〜7好ましくは
5.5〜6.5に調製し得る溶液であれば特に限定され
ず、例えば、塩酸、モノオルソリン酸、ホウ酸、リン酸
二水素カリウム等の水溶液、塩化カリウム−塩酸、フタ
ル酸水素カリウム−塩酸、グリシン−塩酸、酒石酸−水
酸化ナトリウム、クエン酸−水酸化ナトリウム、コハク
酸−水酸化ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウ
ム、酢酸−酢酸ナトリウム等の酸性緩衝液などが挙げら
れる。
【0015】上記リン酸縮合体及びその塩を含有する溶
血剤と酸性溶液の混合方法は、両者が十分混合されれば
よく、特に限定されない。糖化ヘモグロビン自動測定装
置を使用する際は、例えば、溶血液ボトルから試料に溶
血液を導入する間に混合工程を設けることもできる。
血剤と酸性溶液の混合方法は、両者が十分混合されれば
よく、特に限定されない。糖化ヘモグロビン自動測定装
置を使用する際は、例えば、溶血液ボトルから試料に溶
血液を導入する間に混合工程を設けることもできる。
【0016】上記混合されたpH5〜7の溶血剤をヘモ
グロビン試料に添加し、希釈した試料を数分間加温し、
糖化ヘモグロビン自動測定装置等の分離カラムに注入さ
れて安定型糖化ヘモグロビンが分離される。上記加温温
度は、高くなると試料中のヘモグロビンの変性または分
解がおこって分離が十分でなくなり、低くなると不安定
型糖化ヘモグロビンからの糖の遊離に時間がかかるの
で、35〜80℃が好ましい。加温時間は、不安定型糖
化ヘモグロビンから糖が十分に遊離し、測定時間に支障
をきたさない範囲で適宜決められる。
グロビン試料に添加し、希釈した試料を数分間加温し、
糖化ヘモグロビン自動測定装置等の分離カラムに注入さ
れて安定型糖化ヘモグロビンが分離される。上記加温温
度は、高くなると試料中のヘモグロビンの変性または分
解がおこって分離が十分でなくなり、低くなると不安定
型糖化ヘモグロビンからの糖の遊離に時間がかかるの
で、35〜80℃が好ましい。加温時間は、不安定型糖
化ヘモグロビンから糖が十分に遊離し、測定時間に支障
をきたさない範囲で適宜決められる。
【0017】上記加温方法は、試料溶液の温度を急速に
上昇させることができるものであればよく、特に限定さ
れない。糖化ヘモグロビン自動測定装置を使用する際
は、例えば、分離カラムに装着した試料導入バルブの試
料導入ループ部分に試料を導入し、この部分を湯浴を用
いる恒温槽に浸す等により加温する方法などが挙げられ
る。
上昇させることができるものであればよく、特に限定さ
れない。糖化ヘモグロビン自動測定装置を使用する際
は、例えば、分離カラムに装着した試料導入バルブの試
料導入ループ部分に試料を導入し、この部分を湯浴を用
いる恒温槽に浸す等により加温する方法などが挙げられ
る。
【0018】不安定型糖化ヘモグロビンを除去した後の
安定型糖化ヘモグロビンの量は、分離カラムから溶出さ
れる各成分の415nm及び500nmにおける吸光度
を測定して得られたクロマトグラムから算出される。
安定型糖化ヘモグロビンの量は、分離カラムから溶出さ
れる各成分の415nm及び500nmにおける吸光度
を測定して得られたクロマトグラムから算出される。
【0019】
【実施例】以下に本発明を実施例において説明する。安
定型糖化ヘモグロビンの測定は糖化ヘモグロビン測定専
用装置(Hi−Auto A1c HA−8121、京
都第一科学社製)を用い、適切条件を選択して行った。
上記装置は陽イオン交換体により各ヘモグロビン成分を
4分間で分離して溶出する。溶出用緩衝液は専用のリン
酸緩衝液(pH5.0〜6.5)を用いた。また試料と
しては、全実施例及び比較例において同一人(健常人)
の血液を使用し、採血後直ちに解糖阻止剤としてフッ化
ナトリウムを添加したものを新鮮血として用いた。
定型糖化ヘモグロビンの測定は糖化ヘモグロビン測定専
用装置(Hi−Auto A1c HA−8121、京
都第一科学社製)を用い、適切条件を選択して行った。
上記装置は陽イオン交換体により各ヘモグロビン成分を
4分間で分離して溶出する。溶出用緩衝液は専用のリン
酸緩衝液(pH5.0〜6.5)を用いた。また試料と
しては、全実施例及び比較例において同一人(健常人)
の血液を使用し、採血後直ちに解糖阻止剤としてフッ化
ナトリウムを添加したものを新鮮血として用いた。
【0020】(実施例1)0.05Mリン酸水素二ナト
リウム水溶液100mlにテトラポリリン酸0.2gを
溶解させ、さらに界面活性剤(Triton X−10
0、和光純薬社製)0.2mlを添加し、溶血剤を調製
した(pH7.6)。新鮮血に1000mg/dlとな
るようにグルコースを添加し、37℃で3時間インキュ
ベートして不安定型糖化ヘモグロビンを故意に生成させ
た。この3μlを、使用直前に0.15Mリン酸二水素
ナトリウム水溶液と上記溶血剤を1:1で混合した液
(pH6.0)で150倍に希釈し、試料とした。この
試料につき、上記装置を用いて安定型糖化ヘモグロビン
の量を測定した(初期値)。上記溶血剤と上記リン酸二
水素ナトリウム水溶液を40℃で2か月及び60℃で1
0日間、恒温槽に保存し、その後これらの液を用いて上
記と同様の操作により安定型糖化ヘモグロビンの量を測
定し、溶血剤の保存安定性を評価した。結果を表1に示
す。
リウム水溶液100mlにテトラポリリン酸0.2gを
溶解させ、さらに界面活性剤(Triton X−10
0、和光純薬社製)0.2mlを添加し、溶血剤を調製
した(pH7.6)。新鮮血に1000mg/dlとな
るようにグルコースを添加し、37℃で3時間インキュ
ベートして不安定型糖化ヘモグロビンを故意に生成させ
た。この3μlを、使用直前に0.15Mリン酸二水素
ナトリウム水溶液と上記溶血剤を1:1で混合した液
(pH6.0)で150倍に希釈し、試料とした。この
試料につき、上記装置を用いて安定型糖化ヘモグロビン
の量を測定した(初期値)。上記溶血剤と上記リン酸二
水素ナトリウム水溶液を40℃で2か月及び60℃で1
0日間、恒温槽に保存し、その後これらの液を用いて上
記と同様の操作により安定型糖化ヘモグロビンの量を測
定し、溶血剤の保存安定性を評価した。結果を表1に示
す。
【0021】(実施例2)実施例1において0.15M
リン酸二水素ナトリウム水溶液のかわりに、0.05M
フタル酸水素ナトリウム水溶液を用いたこと以外は同様
にして、溶血剤の保存安定性を評価した。結果を表1に
示す。
リン酸二水素ナトリウム水溶液のかわりに、0.05M
フタル酸水素ナトリウム水溶液を用いたこと以外は同様
にして、溶血剤の保存安定性を評価した。結果を表1に
示す。
【0022】(実施例3)0.05Mリン酸水素二ナト
リウム水溶液100mlにテトラポリリン酸0.1gを
溶解させ、さらに界面活性剤(Triton X−10
0、和光純薬社製)0.1mlを添加し、溶血剤を調製
した(pH7.8)。新鮮血に1000mg/dlとな
るようにグルコースを添加し、37℃で3時間インキュ
ベートして不安定型糖化ヘモグロビンを故意に生成させ
た。この3μlを、使用直前に上記溶血剤100mlに
1N塩酸を4ml添加混合した液(pH6.0)で15
0倍に希釈し、試料とした。この試料につき、上記装置
を用いて安定型糖化ヘモグロビンの量を測定した(初期
値)。さらに実施例1と同様にして、溶血剤の保存安定
性を評価した。結果を表1に示す。
リウム水溶液100mlにテトラポリリン酸0.1gを
溶解させ、さらに界面活性剤(Triton X−10
0、和光純薬社製)0.1mlを添加し、溶血剤を調製
した(pH7.8)。新鮮血に1000mg/dlとな
るようにグルコースを添加し、37℃で3時間インキュ
ベートして不安定型糖化ヘモグロビンを故意に生成させ
た。この3μlを、使用直前に上記溶血剤100mlに
1N塩酸を4ml添加混合した液(pH6.0)で15
0倍に希釈し、試料とした。この試料につき、上記装置
を用いて安定型糖化ヘモグロビンの量を測定した(初期
値)。さらに実施例1と同様にして、溶血剤の保存安定
性を評価した。結果を表1に示す。
【0023】(実施例4)実施例3において1N塩酸の
かわりに、1Nモノオルソリン酸水溶液を用いたこと以
外は同様にして、溶血剤の保存安定性を評価した。結果
を表1に示す。
かわりに、1Nモノオルソリン酸水溶液を用いたこと以
外は同様にして、溶血剤の保存安定性を評価した。結果
を表1に示す。
【0024】(比較例1)0.05Mリン酸緩衝液(リ
ン酸水素二カリウム−リン酸二水素カリウム)100m
lにテトラポリリン酸0.1gを溶解させ、さらに界面
活性剤(Triton X−100、和光純薬社製)
0.1mlを添加し、溶血剤を調製した(pH6.
0)。上記溶血剤を用いたこと以外は実施例1と同様に
して、溶血剤の保存安定性を評価した。結果を表1に示
す。
ン酸水素二カリウム−リン酸二水素カリウム)100m
lにテトラポリリン酸0.1gを溶解させ、さらに界面
活性剤(Triton X−100、和光純薬社製)
0.1mlを添加し、溶血剤を調製した(pH6.
0)。上記溶血剤を用いたこと以外は実施例1と同様に
して、溶血剤の保存安定性を評価した。結果を表1に示
す。
【0025】
【表1】
【0026】表から明らかなように、実施例1〜4では
保存後においても値に変化はなく、不安定型糖化ヘモグ
ロビン除去試薬に安定性が認められるが、比較例1では
測定値に変化がみられ、不安定型糖化ヘモグロビン除去
能力が低下している。
保存後においても値に変化はなく、不安定型糖化ヘモグ
ロビン除去試薬に安定性が認められるが、比較例1では
測定値に変化がみられ、不安定型糖化ヘモグロビン除去
能力が低下している。
【0027】
【発明の効果】本発明は上述のとおりであり、不安定型
糖化ヘモグロビン除去試薬の保存安定性が高まり、除去
能力を低下させることなく安定型糖化ヘモグロビンの量
を測定できる。
糖化ヘモグロビン除去試薬の保存安定性が高まり、除去
能力を低下させることなく安定型糖化ヘモグロビンの量
を測定できる。
Claims (1)
- 【請求項1】不安定型糖化ヘモグロビン除去試薬を含有
する溶血剤を、pH7以上で保存しておき、使用する直
前にpH5〜7に調製した後、該溶血剤で試料を希釈
し、その混合液を加温後カラムに注入することにより、
不安定型糖化ヘモグロビンを除去した状態で測定するこ
とを特徴とする安定型糖化ヘモグロビン測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27222094A JPH08136539A (ja) | 1994-11-07 | 1994-11-07 | 安定型糖化ヘモグロビン測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27222094A JPH08136539A (ja) | 1994-11-07 | 1994-11-07 | 安定型糖化ヘモグロビン測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08136539A true JPH08136539A (ja) | 1996-05-31 |
Family
ID=17510792
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27222094A Pending JPH08136539A (ja) | 1994-11-07 | 1994-11-07 | 安定型糖化ヘモグロビン測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08136539A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003014768A (ja) * | 2001-06-29 | 2003-01-15 | Eiken Chem Co Ltd | ヘムタンパク質の安定化方法および保存溶液 |
WO2004106919A1 (ja) * | 2003-05-28 | 2004-12-09 | Arkray, Inc. | 試料の安定化方法 |
CN113009021A (zh) * | 2018-12-29 | 2021-06-22 | 江山德瑞医疗科技有限公司 | 一种添加剂在测定糖化血红蛋白中的使用方法 |
-
1994
- 1994-11-07 JP JP27222094A patent/JPH08136539A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003014768A (ja) * | 2001-06-29 | 2003-01-15 | Eiken Chem Co Ltd | ヘムタンパク質の安定化方法および保存溶液 |
JP4502352B2 (ja) * | 2001-06-29 | 2010-07-14 | 栄研化学株式会社 | ヘムタンパク質の安定化方法および保存溶液 |
WO2004106919A1 (ja) * | 2003-05-28 | 2004-12-09 | Arkray, Inc. | 試料の安定化方法 |
JP2004354177A (ja) * | 2003-05-28 | 2004-12-16 | Arkray Inc | 試料の安定化方法 |
CN113009021A (zh) * | 2018-12-29 | 2021-06-22 | 江山德瑞医疗科技有限公司 | 一种添加剂在测定糖化血红蛋白中的使用方法 |
CN113009021B (zh) * | 2018-12-29 | 2023-04-14 | 江山德瑞医疗科技有限公司 | 一种添加剂在测定糖化血红蛋白中的使用方法 |
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