JPH08127616A - オレフィン重合体の製造方法 - Google Patents
オレフィン重合体の製造方法Info
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- JPH08127616A JPH08127616A JP22266295A JP22266295A JPH08127616A JP H08127616 A JPH08127616 A JP H08127616A JP 22266295 A JP22266295 A JP 22266295A JP 22266295 A JP22266295 A JP 22266295A JP H08127616 A JPH08127616 A JP H08127616A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 気相重合に好適な固体触媒成分、有機Al化
合物、および必要に応じて電子供与体からなる触媒を用
いて、オレフィンを重合する、オレフィン重合体の製造
方法の提供。 【解決手段】 a)特定方法で得たMg化合物とアルコ
ールからなる、特定組成、特定X線回折スペクトルを有
する固体成分にハロゲン含有チタン化合物と電子供与体
を特定溶媒、特定温度下に接触し、更にハロゲン含有チ
タン化合物を接触して得た固体触媒成分、b)有機アル
ミニウム化合物と必要に応じ、c)電子供与体からなる
触媒を用いて、オレフィンを重合し、重合体を得る。 【効果】 実施例による重合体のBD430〜440k
g/m3 、微粉量0.05〜0.08重量%は比較例よ
り顕著に優れる。
合物、および必要に応じて電子供与体からなる触媒を用
いて、オレフィンを重合する、オレフィン重合体の製造
方法の提供。 【解決手段】 a)特定方法で得たMg化合物とアルコ
ールからなる、特定組成、特定X線回折スペクトルを有
する固体成分にハロゲン含有チタン化合物と電子供与体
を特定溶媒、特定温度下に接触し、更にハロゲン含有チ
タン化合物を接触して得た固体触媒成分、b)有機アル
ミニウム化合物と必要に応じ、c)電子供与体からなる
触媒を用いて、オレフィンを重合し、重合体を得る。 【効果】 実施例による重合体のBD430〜440k
g/m3 、微粉量0.05〜0.08重量%は比較例よ
り顕著に優れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオレフィン重合体の製造
方法に関する。さらに詳しくは、気相重合に好適な、比
較的粒径が大きく球形で、しかも重合時での耐破砕性に
優れた、固体触媒成分、有機アルミニウム化合物、およ
び必要に応じて電子供与体からなる触媒の存在下、オレ
フィンを(共)重合することを特徴とするオレフィン重
合体の製造方法に関する。
方法に関する。さらに詳しくは、気相重合に好適な、比
較的粒径が大きく球形で、しかも重合時での耐破砕性に
優れた、固体触媒成分、有機アルミニウム化合物、およ
び必要に応じて電子供与体からなる触媒の存在下、オレ
フィンを(共)重合することを特徴とするオレフィン重
合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン重合用固体触媒成分として
は、近年、マグネシウム化合物を担体とするいわゆる担
持型固体触媒成分が公知であり、重合活性に優れた性能
を示す数多くの技術が開示されている。このような担持
型固体触媒成分においては、固体触媒成分粒子の形状を
制御することが望ましく、その方法もいくつか知られて
はいる。一方オレフィンを重合するプロセスとしては、
近年、従来の重合溶媒を使用するスラリー重合プロセス
に比較して、安全性が高く、省資源、省エネルギープロ
セスである気相重合プロセスが採用されてきている。と
ころが、オレフィンの気相重合に好適な、比較的粒径が
大きく球形で、しかも重合時での耐破砕性に優れ、且つ
立体規則性の高いオレフィン重合体を得ることが可能な
固体触媒成分としては不十分なものが多い。特に固体触
媒成分の耐破砕性が十分でないと得られるオレフィン重
合体粒子の微粉が多くなり、重合器壁に微粉重合体が付
着する問題や、微粉重合体が未反応オレフィンに同伴さ
れて重合器から流出し、未反応オレフィンの重合器への
循環系の配管や冷却器等の機器内に沈着し、ひいては系
を閉塞させる問題、また粉体流動特性が悪化し重合器内
からのオレフィン重合体の排出が困難になる等の運転上
の問題が発生してしまう。
は、近年、マグネシウム化合物を担体とするいわゆる担
持型固体触媒成分が公知であり、重合活性に優れた性能
を示す数多くの技術が開示されている。このような担持
型固体触媒成分においては、固体触媒成分粒子の形状を
制御することが望ましく、その方法もいくつか知られて
はいる。一方オレフィンを重合するプロセスとしては、
近年、従来の重合溶媒を使用するスラリー重合プロセス
に比較して、安全性が高く、省資源、省エネルギープロ
セスである気相重合プロセスが採用されてきている。と
ころが、オレフィンの気相重合に好適な、比較的粒径が
大きく球形で、しかも重合時での耐破砕性に優れ、且つ
立体規則性の高いオレフィン重合体を得ることが可能な
固体触媒成分としては不十分なものが多い。特に固体触
媒成分の耐破砕性が十分でないと得られるオレフィン重
合体粒子の微粉が多くなり、重合器壁に微粉重合体が付
着する問題や、微粉重合体が未反応オレフィンに同伴さ
れて重合器から流出し、未反応オレフィンの重合器への
循環系の配管や冷却器等の機器内に沈着し、ひいては系
を閉塞させる問題、また粉体流動特性が悪化し重合器内
からのオレフィン重合体の排出が困難になる等の運転上
の問題が発生してしまう。
【0003】従来技術の一つとして、担体成分の溶融物
を適当な油中に乳化して球状溶融粒子を形成させ、次い
でこれを冷却した炭化水素媒体中に添加して急速に固化
させて得られた担体を用いる方法(特開昭55−135
102号公報、特開昭55−135103号公報、特開
昭56−67311号公報)がある。該方法は、一定程
度改良された形状の固体触媒成分が得られるものの、オ
レフィンの気相重合用触媒成分としては大粒径で球状な
ものが得にくいことから効果不十分なものであった。
を適当な油中に乳化して球状溶融粒子を形成させ、次い
でこれを冷却した炭化水素媒体中に添加して急速に固化
させて得られた担体を用いる方法(特開昭55−135
102号公報、特開昭55−135103号公報、特開
昭56−67311号公報)がある。該方法は、一定程
度改良された形状の固体触媒成分が得られるものの、オ
レフィンの気相重合用触媒成分としては大粒径で球状な
ものが得にくいことから効果不十分なものであった。
【0004】別な方法として、特開昭49−65999
号公報、特開昭52−38590号公報、特開昭58−
45206号公報、特開昭57−198709号公報、
特開昭59−131606号公報、特開昭63−289
005号公報では、マグネシウム化合物の水あるいはア
ルコール溶液を加熱窒素気流中にスプレーし、生成した
液滴から水あるいはアルコールを加熱窒素により蒸発さ
せて、得られた担体を用いる方法を開示している。ま
た、特表昭63−503550号公報には塩化マグネシ
ウム、アルコールおよび電子供与体の混合物を溶融状態
で、不活性液状流体で冷却したチャンバー中にスプレー
し、溶剤の蒸発なしに得られた担体を用いる方法が示さ
れている。上記のスプレー法により得られる担体は比較
的大粒径であるが、引き続いてハロゲン化チタン処理を
実施すると担体が壊れて微粒子が生成するといった問題
や、該担体を用いて得られたオレフィン重合用固体触媒
成分は、球状化と重合時での耐破砕性、重合活性といっ
た面で不十分なものであるという課題を有していた。
号公報、特開昭52−38590号公報、特開昭58−
45206号公報、特開昭57−198709号公報、
特開昭59−131606号公報、特開昭63−289
005号公報では、マグネシウム化合物の水あるいはア
ルコール溶液を加熱窒素気流中にスプレーし、生成した
液滴から水あるいはアルコールを加熱窒素により蒸発さ
せて、得られた担体を用いる方法を開示している。ま
た、特表昭63−503550号公報には塩化マグネシ
ウム、アルコールおよび電子供与体の混合物を溶融状態
で、不活性液状流体で冷却したチャンバー中にスプレー
し、溶剤の蒸発なしに得られた担体を用いる方法が示さ
れている。上記のスプレー法により得られる担体は比較
的大粒径であるが、引き続いてハロゲン化チタン処理を
実施すると担体が壊れて微粒子が生成するといった問題
や、該担体を用いて得られたオレフィン重合用固体触媒
成分は、球状化と重合時での耐破砕性、重合活性といっ
た面で不十分なものであるという課題を有していた。
【0005】また、特開平4−296305号公報に
は、スプレー法によって得られたMgCl2 ・3EtO
H担体を使用し、四塩化チタンを比較的低温下で反応さ
せた後、ジイソブチルフタレートを添加し、引き続いて
ノナン溶媒中で高温度条件下で反応をさせてオレフィン
重合用固体触媒成分を得る方法が開示されている。該方
法も得られるオレフィン重合体の立体規則性を向上させ
るには一定程度の効果が見られるが、既述の従来のスプ
レー法に伴う課題を有するものであった。
は、スプレー法によって得られたMgCl2 ・3EtO
H担体を使用し、四塩化チタンを比較的低温下で反応さ
せた後、ジイソブチルフタレートを添加し、引き続いて
ノナン溶媒中で高温度条件下で反応をさせてオレフィン
重合用固体触媒成分を得る方法が開示されている。該方
法も得られるオレフィン重合体の立体規則性を向上させ
るには一定程度の効果が見られるが、既述の従来のスプ
レー法に伴う課題を有するものであった。
【0006】一方、本出願人は先に特開平3−1190
03号公報(以後、先の発明ということがある。)にお
いてマグネシウム化合物とアルコール混合物を溶融状態
でスプレーし、アルコールの実質的な蒸発なしに球形の
固体成分を得た後、該固体成分からアルコールを部分的
に除去して球状担体を得、しかる後該担体とハロゲン含
有チタン化合物および電子供与体を接触させて最終のオ
レフィン重合用固体触媒成分を得る方法を開示してい
る。該方法によれば球状で大粒径のオレフィン重合用固
体触媒成分が得られるが、オレフィンの気相重合に用い
た場合、重合時での耐破砕性の点で更に改良が望まれる
ものであった。
03号公報(以後、先の発明ということがある。)にお
いてマグネシウム化合物とアルコール混合物を溶融状態
でスプレーし、アルコールの実質的な蒸発なしに球形の
固体成分を得た後、該固体成分からアルコールを部分的
に除去して球状担体を得、しかる後該担体とハロゲン含
有チタン化合物および電子供与体を接触させて最終のオ
レフィン重合用固体触媒成分を得る方法を開示してい
る。該方法によれば球状で大粒径のオレフィン重合用固
体触媒成分が得られるが、オレフィンの気相重合に用い
た場合、重合時での耐破砕性の点で更に改良が望まれる
ものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
技術の方法で得られるオレフィン重合用固体触媒成分
を、有機アルミニウム化合物、および必要に応じて電子
供与体と組み合わせてオレフィン重合用触媒として用い
た場合、形状が良好で、比較的大粒径であり、しかも重
合時での耐破砕性に優れ、且つ立体規則性の高いオレフ
ィン重合体を高重合活性で得ることが可能といった性能
を有することが望まれるオレフィンの気相重合用固体触
媒成分としては不十分であるとの課題を有していた。
技術の方法で得られるオレフィン重合用固体触媒成分
を、有機アルミニウム化合物、および必要に応じて電子
供与体と組み合わせてオレフィン重合用触媒として用い
た場合、形状が良好で、比較的大粒径であり、しかも重
合時での耐破砕性に優れ、且つ立体規則性の高いオレフ
ィン重合体を高重合活性で得ることが可能といった性能
を有することが望まれるオレフィンの気相重合用固体触
媒成分としては不十分であるとの課題を有していた。
【0008】本発明者らは、上記従来技術の有する課題
を解決し、オレフィン、特に炭素数3以上のケイ素を含
んでいてもよいオレフィンの気相(共)重合、または該
オレフィンの1種以上とエチレンとの気相共重合によっ
てオレフィン重合体を製造する際に好適な触媒、特に固
体触媒成分について発明すべく鋭意研究した。その結
果、先の発明を改良し、特定の組成式で示されるマグネ
シウム化合物とアルコールの溶融混合物を冷却したスプ
レー塔内にスプレーし、アルコールの実質的な蒸発なし
に固体成分を得た後、特定の条件下において該固体成分
からアルコールを特定量除去して得られる特定のX線回
折スペクトルを有する担体に、特定の沸点を有する溶媒
の存在下で特定の温度条件にてハロゲン含有チタン化合
物および電子供与体を接触させた後、更にハロゲン化チ
タン化合物を接触して得られる最終固体をオレフィン重
合用固体触媒成分として用い、このものに有機アルミニ
ウム化合物、および必要に応じて電子供与体を組み合わ
せた触媒を用いる場合には上記従来技術の有する課題を
解決することを見いだし、この知見に基づいて本発明に
至った。
を解決し、オレフィン、特に炭素数3以上のケイ素を含
んでいてもよいオレフィンの気相(共)重合、または該
オレフィンの1種以上とエチレンとの気相共重合によっ
てオレフィン重合体を製造する際に好適な触媒、特に固
体触媒成分について発明すべく鋭意研究した。その結
果、先の発明を改良し、特定の組成式で示されるマグネ
シウム化合物とアルコールの溶融混合物を冷却したスプ
レー塔内にスプレーし、アルコールの実質的な蒸発なし
に固体成分を得た後、特定の条件下において該固体成分
からアルコールを特定量除去して得られる特定のX線回
折スペクトルを有する担体に、特定の沸点を有する溶媒
の存在下で特定の温度条件にてハロゲン含有チタン化合
物および電子供与体を接触させた後、更にハロゲン化チ
タン化合物を接触して得られる最終固体をオレフィン重
合用固体触媒成分として用い、このものに有機アルミニ
ウム化合物、および必要に応じて電子供与体を組み合わ
せた触媒を用いる場合には上記従来技術の有する課題を
解決することを見いだし、この知見に基づいて本発明に
至った。
【0009】上記の説明から明らかなように本発明の目
的は、オレフィンの気相重合に好適な、形状が良好で、
比較的大粒径であり、しかも重合時での耐破砕性に優
れ、且つ立体規則性の高いオレフィン重合体を高重合活
性で得ることが可能であるオレフィン重合用固体触媒成
分、有機アルミニウム化合物、および必要に応じて電子
供与体を組み合わせた触媒の存在下、オレフィンを
(共)重合させることを特徴とするオレフィン重合体の
製造方法を提供するにある。
的は、オレフィンの気相重合に好適な、形状が良好で、
比較的大粒径であり、しかも重合時での耐破砕性に優
れ、且つ立体規則性の高いオレフィン重合体を高重合活
性で得ることが可能であるオレフィン重合用固体触媒成
分、有機アルミニウム化合物、および必要に応じて電子
供与体を組み合わせた触媒の存在下、オレフィンを
(共)重合させることを特徴とするオレフィン重合体の
製造方法を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の(1)
ないし(4)の各構成を有する。 (1)a)マグネシウム化合物とアルコールの混合物
(A)を溶融状態でスプレー塔内にスプレーし、この際
スプレー塔内をアルコールの実質的な蒸発なしに固体成
分(B)が得られる温度に冷却することにより固体成分
(B)を得た後、該固体成分(B)からアルコールを部
分的に除去して固体成分(C)を得、しかる後固体成分
(C)にハロゲン含有チタン化合物および電子供与体
(E1)を接触させて固体成分(D)を得、更に固体成
分(D)にハロゲン含有チタン化合物を接触させて得ら
れる固体触媒成分(F)であって、下記ないしの4
項目の製造条件をすべて満足させて得られた該固体触媒
成分(F)ならびに 混合物(A)および固体成分(B)の組成式がMgC
l2 ・mROH(但し、Rは炭素数1〜10のアルキル
基を示し、m=3.0〜6.0である。)で示され、 固体成分(C)の組成式が、MgCl2 ・nROH
(但し、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示し、n=
0.4〜2.8である。) で示され、 固体成分(C)のX線回折スペクトルにおいて、固体
成分(B)のX線回折スペクトルと比較して、回折角2
θ=7〜8度に新規なピークの発生がないこと、または
発生しても該新規ピークの強度が、該固体成分(C)の
X線回折スペクトルの回折角2θ=8.5〜9度に存在
する最大ピークの強度の2.0倍以下であること、更に 固体成分(C)へのハロゲン含有チタン化合物および
電子供与体の接触を沸点が90〜180℃である脂肪族
炭化水素溶媒(S)を用いて、110〜135℃の温度
下において実施すること、 b)有機アルミニウム化合物(AL)、および必要に応
じて c)電子供与体(E2) からなる触媒の存在下、オレフィンの1種以上を(共)
重合せしめることを特徴とするオレフィン(共)重合体
の製造方法。 (2)沸点が90〜180℃である脂肪族炭化水素溶媒
(S)がイソパラフィン混合物である前記(1)に記載
の方法。 (3)固体触媒成分(F)の平均粒径が10〜300μ
mである前記(1)に記載の方法。 (4)オレフィン(共)重合体がケイ素を含んでいても
よい炭素数3以上のオレフィンの(共)重合体、または
ケイ素を含んでいてもよい炭素数3以上のオレフィンの
1種以上とエチレンとの共重合体である前記(1)に記
載の方法。
ないし(4)の各構成を有する。 (1)a)マグネシウム化合物とアルコールの混合物
(A)を溶融状態でスプレー塔内にスプレーし、この際
スプレー塔内をアルコールの実質的な蒸発なしに固体成
分(B)が得られる温度に冷却することにより固体成分
(B)を得た後、該固体成分(B)からアルコールを部
分的に除去して固体成分(C)を得、しかる後固体成分
(C)にハロゲン含有チタン化合物および電子供与体
(E1)を接触させて固体成分(D)を得、更に固体成
分(D)にハロゲン含有チタン化合物を接触させて得ら
れる固体触媒成分(F)であって、下記ないしの4
項目の製造条件をすべて満足させて得られた該固体触媒
成分(F)ならびに 混合物(A)および固体成分(B)の組成式がMgC
l2 ・mROH(但し、Rは炭素数1〜10のアルキル
基を示し、m=3.0〜6.0である。)で示され、 固体成分(C)の組成式が、MgCl2 ・nROH
(但し、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示し、n=
0.4〜2.8である。) で示され、 固体成分(C)のX線回折スペクトルにおいて、固体
成分(B)のX線回折スペクトルと比較して、回折角2
θ=7〜8度に新規なピークの発生がないこと、または
発生しても該新規ピークの強度が、該固体成分(C)の
X線回折スペクトルの回折角2θ=8.5〜9度に存在
する最大ピークの強度の2.0倍以下であること、更に 固体成分(C)へのハロゲン含有チタン化合物および
電子供与体の接触を沸点が90〜180℃である脂肪族
炭化水素溶媒(S)を用いて、110〜135℃の温度
下において実施すること、 b)有機アルミニウム化合物(AL)、および必要に応
じて c)電子供与体(E2) からなる触媒の存在下、オレフィンの1種以上を(共)
重合せしめることを特徴とするオレフィン(共)重合体
の製造方法。 (2)沸点が90〜180℃である脂肪族炭化水素溶媒
(S)がイソパラフィン混合物である前記(1)に記載
の方法。 (3)固体触媒成分(F)の平均粒径が10〜300μ
mである前記(1)に記載の方法。 (4)オレフィン(共)重合体がケイ素を含んでいても
よい炭素数3以上のオレフィンの(共)重合体、または
ケイ素を含んでいてもよい炭素数3以上のオレフィンの
1種以上とエチレンとの共重合体である前記(1)に記
載の方法。
【0011】本発明の構成と効果について以下詳述す
る。本発明において固体触媒成分(F)の製造に使用さ
れるマグネシウム化合物は、無水塩化マグネシウムであ
り、市販品に含まれる程度の微量の水分を含むものであ
ってもよい。また使用するアルコールは、一般式がRO
H(Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で表せ
るアルコールである。具体的には、メタノール、エタノ
ール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチ
ル−2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノー
ル、2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブ
タノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノ
ール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキ
サノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−
エチルヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノ
ール、1−ノナノール、1−デカノール等を挙げること
が出来る。これらの中では、エタノールが最も好まし
い。またこれらのアルコールを2種類以上混合して使用
することも可能である。
る。本発明において固体触媒成分(F)の製造に使用さ
れるマグネシウム化合物は、無水塩化マグネシウムであ
り、市販品に含まれる程度の微量の水分を含むものであ
ってもよい。また使用するアルコールは、一般式がRO
H(Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す。)で表せ
るアルコールである。具体的には、メタノール、エタノ
ール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチ
ル−2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノー
ル、2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブ
タノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノ
ール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキ
サノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−
エチルヘキサノール、1−オクタノール、2−オクタノ
ール、1−ノナノール、1−デカノール等を挙げること
が出来る。これらの中では、エタノールが最も好まし
い。またこれらのアルコールを2種類以上混合して使用
することも可能である。
【0012】本発明に係る固体触媒成分(F)の製造に
おいては、まず塩化マグネシウムとアルコールの混合物
(A)を溶融状態にする。塩化マグネシウムとアルコー
ルの混合量比は、組成式MgCl2 ・mROH(但し、
Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す。)においてm
が3.0〜6.0となるように混合する。より好ましい
mの範囲は3.0〜5.8であり、特に好ましいmの範
囲は3.0〜5.5である。mが3.0未満であると得
られるオレフィン重合用固体触媒成分の形状が悪化する
ことやオレフィン重合活性が低下するといった問題を生
じる。また、mが6.0を超えると得られるオレフィン
重合用固体触媒成分の耐破砕性が悪化する。
おいては、まず塩化マグネシウムとアルコールの混合物
(A)を溶融状態にする。塩化マグネシウムとアルコー
ルの混合量比は、組成式MgCl2 ・mROH(但し、
Rは炭素数1〜10のアルキル基を示す。)においてm
が3.0〜6.0となるように混合する。より好ましい
mの範囲は3.0〜5.8であり、特に好ましいmの範
囲は3.0〜5.5である。mが3.0未満であると得
られるオレフィン重合用固体触媒成分の形状が悪化する
ことやオレフィン重合活性が低下するといった問題を生
じる。また、mが6.0を超えると得られるオレフィン
重合用固体触媒成分の耐破砕性が悪化する。
【0013】上記組成の塩化マグネシウムとアルコール
の混合物(A)はこれを加熱することにより溶融状態と
なる。加熱温度は、混合物が溶融状態になる温度以上な
ら特に制限はないが、好ましくは80〜200℃、より
好ましくは100〜180℃、特に好ましくは110〜
160℃である。加熱温度が低すぎると得られるオレフ
ィン重合用固体触媒成分の形状悪化やオレフィン重合活
性の低下といった問題を生じる。また加熱温度が高すぎ
ると得られるオレフィン重合用固体触媒成分の耐破砕性
が悪化する。
の混合物(A)はこれを加熱することにより溶融状態と
なる。加熱温度は、混合物が溶融状態になる温度以上な
ら特に制限はないが、好ましくは80〜200℃、より
好ましくは100〜180℃、特に好ましくは110〜
160℃である。加熱温度が低すぎると得られるオレフ
ィン重合用固体触媒成分の形状悪化やオレフィン重合活
性の低下といった問題を生じる。また加熱温度が高すぎ
ると得られるオレフィン重合用固体触媒成分の耐破砕性
が悪化する。
【0014】かくして得られた溶融状態のマグネシウム
化合物とアルコールの混合物はポンプまたは加熱した加
圧不活性ガスを用いて、スプレー塔に付帯するスプレー
ノズルに送入され、該ノズルから冷却されたスプレー塔
内にスプレーされる。不活性ガスとしては窒素、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性ガスが用いられるが最も好まし
くは窒素が使用される。またスプレーノズルは、溶融状
態のマグネシウム化合物とアルコールの混合物をスプレ
ー塔内に分散させる機能を有するが、不活性ガスをスプ
レー塔内に送入するタイプである二流体ノズルが好まし
く用いられる。該スプレーにおいては、ノズルのサイ
ズ、不活性ガスの流量、あるいは溶融状態のマグネシウ
ム化合物とアルコールの混合物のスプレー流量を選定す
ることによって、生成する固体成分(B)の大きさ、あ
るいは粒度分布を調節することが可能である。
化合物とアルコールの混合物はポンプまたは加熱した加
圧不活性ガスを用いて、スプレー塔に付帯するスプレー
ノズルに送入され、該ノズルから冷却されたスプレー塔
内にスプレーされる。不活性ガスとしては窒素、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性ガスが用いられるが最も好まし
くは窒素が使用される。またスプレーノズルは、溶融状
態のマグネシウム化合物とアルコールの混合物をスプレ
ー塔内に分散させる機能を有するが、不活性ガスをスプ
レー塔内に送入するタイプである二流体ノズルが好まし
く用いられる。該スプレーにおいては、ノズルのサイ
ズ、不活性ガスの流量、あるいは溶融状態のマグネシウ
ム化合物とアルコールの混合物のスプレー流量を選定す
ることによって、生成する固体成分(B)の大きさ、あ
るいは粒度分布を調節することが可能である。
【0015】本発明に用いる固体触媒成分(F)の製造
に係る該スプレーは、冷却されたスプレー塔内に行われ
るが、その冷却は通常、冷却された不活性ガス、あるい
は冷却された不活性液状流体、例えば液体窒素等のスプ
レー塔内への導入により行われる。また該スプレー時に
は、冷却した不活性炭化水素溶媒(S1)例えばヘキサ
ンを別ノズルからスプレーし冷却を促進することもでき
る。該冷却は、アルコールの実質的な蒸発なしに固体成
分(B)が得られる温度、つまり塩化マグネシウムとア
ルコールの混合物(A)と固体成分(B)の組成式が変
化しない程度の温度まで行う必要がある。従って、通常
はスプレー塔内が−70〜10℃、好ましくは−50〜
0℃、特に好ましくは−40〜−5℃である。冷却温度
が高すぎる場合はアルコールの蒸発が起こってしまい、
得られる固体成分(B)の粒子形状が不良で、しかも不
均質なものとなってしまうので本発明の目的を達成する
ことができない。また冷却温度が低すぎるのは実用的で
ない。
に係る該スプレーは、冷却されたスプレー塔内に行われ
るが、その冷却は通常、冷却された不活性ガス、あるい
は冷却された不活性液状流体、例えば液体窒素等のスプ
レー塔内への導入により行われる。また該スプレー時に
は、冷却した不活性炭化水素溶媒(S1)例えばヘキサ
ンを別ノズルからスプレーし冷却を促進することもでき
る。該冷却は、アルコールの実質的な蒸発なしに固体成
分(B)が得られる温度、つまり塩化マグネシウムとア
ルコールの混合物(A)と固体成分(B)の組成式が変
化しない程度の温度まで行う必要がある。従って、通常
はスプレー塔内が−70〜10℃、好ましくは−50〜
0℃、特に好ましくは−40〜−5℃である。冷却温度
が高すぎる場合はアルコールの蒸発が起こってしまい、
得られる固体成分(B)の粒子形状が不良で、しかも不
均質なものとなってしまうので本発明の目的を達成する
ことができない。また冷却温度が低すぎるのは実用的で
ない。
【0016】前記方法によるスプレー後、得られた固体
成分(B)は、スプレー塔底部、あるいはスプレー塔低
部に導入された不活性炭化水素溶剤(S1)中に集めら
れる。スプレーに際し必要に応じて使用される不活性炭
化水素溶媒(S1)としては、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、1,2
−ジクロルエタン、1,1,2−トリクロルエタン等の
ハロゲン化脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素、クロルベンゼン、o−ジクロ
ルベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素が使用され、
好ましくは脂肪族炭化水素、なかでもヘキサンが特に好
ましく用いられる。該固体成分(B)の組成は、塩化マ
グネシウムとアルコールの混合物(A)およびスプレー
前の溶融状態の該混合物(A)と同じ組成を有してお
り、その平均粒径は10〜300μm程度で、形状は球
形のものが得られる。
成分(B)は、スプレー塔底部、あるいはスプレー塔低
部に導入された不活性炭化水素溶剤(S1)中に集めら
れる。スプレーに際し必要に応じて使用される不活性炭
化水素溶媒(S1)としては、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、1,2
−ジクロルエタン、1,1,2−トリクロルエタン等の
ハロゲン化脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素、クロルベンゼン、o−ジクロ
ルベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素が使用され、
好ましくは脂肪族炭化水素、なかでもヘキサンが特に好
ましく用いられる。該固体成分(B)の組成は、塩化マ
グネシウムとアルコールの混合物(A)およびスプレー
前の溶融状態の該混合物(A)と同じ組成を有してお
り、その平均粒径は10〜300μm程度で、形状は球
形のものが得られる。
【0017】本発明に係る上記固体成分(B)の製造に
用いる製造装置の1態様を、本発明を説明するために図
1に示した。図1において、配管1、2からマグネシウ
ム化合物とアルコールが加熱ジャケット5を備えた溶融
槽4に導入され、マグネシウム化合物とアルコールの混
合物(A)は加熱ジャケット5により加熱され溶融状態
となる。該溶融状態の混合物(A)は配管3から導入さ
れる加圧された窒素によって、保温配管6を経由し、二
流体ノズル8から冷却ジャケット10により冷却された
スプレー塔9内に配管7から導入される加熱された窒素
と共にスプレーされる。またスプレー塔低部には予め不
活性炭化水素溶剤(S1)11が導入され、冷却されて
いる。スプレー塔9内にて溶融混合物(A)が冷却固化
して生成した固体成分(B)は、スプレー塔低部の不活
性炭化水素溶剤(S1)11中に集められる。かくして
得られた固体成分(B)は不活性炭化水素溶剤(S1)
と共に配管12から取り出され、必要に応じて不活性炭
化水素溶剤(S1)を分離した後、次工程に送られる。
一方ガス成分および該ガスに同伴された固体成分(B)
は配管13を経てサイクロン14に導入される。同伴さ
れた固体成分(B)は配管15から排出され、ガス成分
は配管16から排出される。
用いる製造装置の1態様を、本発明を説明するために図
1に示した。図1において、配管1、2からマグネシウ
ム化合物とアルコールが加熱ジャケット5を備えた溶融
槽4に導入され、マグネシウム化合物とアルコールの混
合物(A)は加熱ジャケット5により加熱され溶融状態
となる。該溶融状態の混合物(A)は配管3から導入さ
れる加圧された窒素によって、保温配管6を経由し、二
流体ノズル8から冷却ジャケット10により冷却された
スプレー塔9内に配管7から導入される加熱された窒素
と共にスプレーされる。またスプレー塔低部には予め不
活性炭化水素溶剤(S1)11が導入され、冷却されて
いる。スプレー塔9内にて溶融混合物(A)が冷却固化
して生成した固体成分(B)は、スプレー塔低部の不活
性炭化水素溶剤(S1)11中に集められる。かくして
得られた固体成分(B)は不活性炭化水素溶剤(S1)
と共に配管12から取り出され、必要に応じて不活性炭
化水素溶剤(S1)を分離した後、次工程に送られる。
一方ガス成分および該ガスに同伴された固体成分(B)
は配管13を経てサイクロン14に導入される。同伴さ
れた固体成分(B)は配管15から排出され、ガス成分
は配管16から排出される。
【0018】本発明においては、上記の工程に引き続い
て、得られた固体成分(B)からアルコールを部分的に
除去して固体成分(C)を得る。アルコールを部分的に
除去する方法としては、公知の種々の方法が使用可能で
ある。たとえば固体成分(B)を加熱する方法、固
体成分(B)を減圧下におく方法、また固体成分
(B)に大気温度下であるいは加熱した不活性ガスを通
気する方法が挙げられる。さらに、これらのアルコール
の部分除去方法を組み合わせて用いることも可能であ
る。これらの方法のうち本発明の目的を容易に達成可能
な方法としては、とを組み合わせた方法が好ましく
挙げられる。
て、得られた固体成分(B)からアルコールを部分的に
除去して固体成分(C)を得る。アルコールを部分的に
除去する方法としては、公知の種々の方法が使用可能で
ある。たとえば固体成分(B)を加熱する方法、固
体成分(B)を減圧下におく方法、また固体成分
(B)に大気温度下であるいは加熱した不活性ガスを通
気する方法が挙げられる。さらに、これらのアルコール
の部分除去方法を組み合わせて用いることも可能であ
る。これらの方法のうち本発明の目的を容易に達成可能
な方法としては、とを組み合わせた方法が好ましく
挙げられる。
【0019】上記の工程によって固体成分(B)からア
ルコールが部分的に除去されるが、該アルコール部分除
去工程後の固体成分(C)の組成が、式MgCl2 ・n
ROH(但し、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示
す。)において、nが0.4〜2.8となる範囲に入る
ように該アルコール部分除去工程の条件を選定する必要
がある。より好ましいnの範囲は0.8〜2.5であ
り、特に好ましいnの範囲は1.0〜2.2である。n
が0.4未満であると得られるオレフィン重合用固体触
媒成分のオレフィン重合活性が低下する。また、nが
2.8を超えると固体成分(C)は次のハロゲン化チタ
ンとの接触工程において破壊され、得られるオレフィン
重合用固体触媒成分が不定形の微粉粒子を含むようにな
る他、耐破砕性が悪化する。
ルコールが部分的に除去されるが、該アルコール部分除
去工程後の固体成分(C)の組成が、式MgCl2 ・n
ROH(但し、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示
す。)において、nが0.4〜2.8となる範囲に入る
ように該アルコール部分除去工程の条件を選定する必要
がある。より好ましいnの範囲は0.8〜2.5であ
り、特に好ましいnの範囲は1.0〜2.2である。n
が0.4未満であると得られるオレフィン重合用固体触
媒成分のオレフィン重合活性が低下する。また、nが
2.8を超えると固体成分(C)は次のハロゲン化チタ
ンとの接触工程において破壊され、得られるオレフィン
重合用固体触媒成分が不定形の微粉粒子を含むようにな
る他、耐破砕性が悪化する。
【0020】本発明の方法に係る固体成分(C)は上記
した条件以外に、下記の条件を満足することが必要であ
る。即ち、固体成分(C)のX線回折スペクトルにおい
て、固体成分(B)のX線回折スペクトルと比較して、
回折角2θ=7〜8度に新規なピークの発生がないこ
と、または発生しても該新規ピークの強度が、該固体成
分(C)のX線回折スペクトルの回折角2θ=8.5〜
9度に存在する最大ピークの強度の2.0倍以下の強
度、より好ましくは1.5倍以下の強度、特に好ましく
は1.0倍以下であることがその条件である。該条件を
満足することにより、得られるオレフィン重合用固体触
媒成分の耐破砕性が更に向上する。
した条件以外に、下記の条件を満足することが必要であ
る。即ち、固体成分(C)のX線回折スペクトルにおい
て、固体成分(B)のX線回折スペクトルと比較して、
回折角2θ=7〜8度に新規なピークの発生がないこ
と、または発生しても該新規ピークの強度が、該固体成
分(C)のX線回折スペクトルの回折角2θ=8.5〜
9度に存在する最大ピークの強度の2.0倍以下の強
度、より好ましくは1.5倍以下の強度、特に好ましく
は1.0倍以下であることがその条件である。該条件を
満足することにより、得られるオレフィン重合用固体触
媒成分の耐破砕性が更に向上する。
【0021】上記X線回折スペクトル条件を満足させる
既述のアルコール部分除去工程の条件としては、既述し
た条件以外に、急激なアルコールの除去を避け、比較的
低温下での加熱と減圧条件下で行うのが好ましく、該ア
ルコール除去工程の時間も比較的長時間かけることに留
意する必要がある。具体的な条件としては、固体成分
(B)ないし(C)が流動するような、たとえば振動装
置付きの容器を使用し、減圧下において、加熱温度は0
〜100℃、好ましくは10〜80℃、最も好ましくは
20〜60℃の条件下で、2〜1000時間、好ましく
は3〜500時間かけてアルコールの部分除去工程を実
施する。
既述のアルコール部分除去工程の条件としては、既述し
た条件以外に、急激なアルコールの除去を避け、比較的
低温下での加熱と減圧条件下で行うのが好ましく、該ア
ルコール除去工程の時間も比較的長時間かけることに留
意する必要がある。具体的な条件としては、固体成分
(B)ないし(C)が流動するような、たとえば振動装
置付きの容器を使用し、減圧下において、加熱温度は0
〜100℃、好ましくは10〜80℃、最も好ましくは
20〜60℃の条件下で、2〜1000時間、好ましく
は3〜500時間かけてアルコールの部分除去工程を実
施する。
【0022】本発明の方法においては、上記の方法で得
られた固体成分(C)に沸点が90〜180℃である脂
肪族炭化水素溶媒(S)の存在下においてハロゲン含有
チタン化合物および電子供与体を110〜135℃の温
度条件にて接触させて固体成分(D)を得る。
られた固体成分(C)に沸点が90〜180℃である脂
肪族炭化水素溶媒(S)の存在下においてハロゲン含有
チタン化合物および電子供与体を110〜135℃の温
度条件にて接触させて固体成分(D)を得る。
【0023】固体成分(C)に接触させるハロゲン含有
チタン化合物としては、一般式がTi(OR1 )4-u X
u (式中、R1 はアルキル基、シクロアルキル基、また
はアリール基を、Xはハロゲンを表す。またuは0<u
≦4の任意の数である。)で表せるハロゲン含有チタン
化合物が用いられる。具体的には、四塩化チタン、四臭
化チタン、三塩化メトキシチタン、三塩化エトキシチタ
ン、三塩化プロポキシチタン、三塩化ブトキシチタン、
三塩化フェノキシチタン、三臭化エトキシチタン、三臭
化ブトキシチタン、二塩化ジエトキシチタン、二塩化ジ
ブトキシチタン、二臭化ジエトキシチタン、二臭化ジブ
トキシチタン、塩化トリエトキシチタン等が挙げられ
る。これらのハロゲン含有チタン化合物は1種以上が用
いられる。また、最も好ましいのは四塩化チタンであ
る。
チタン化合物としては、一般式がTi(OR1 )4-u X
u (式中、R1 はアルキル基、シクロアルキル基、また
はアリール基を、Xはハロゲンを表す。またuは0<u
≦4の任意の数である。)で表せるハロゲン含有チタン
化合物が用いられる。具体的には、四塩化チタン、四臭
化チタン、三塩化メトキシチタン、三塩化エトキシチタ
ン、三塩化プロポキシチタン、三塩化ブトキシチタン、
三塩化フェノキシチタン、三臭化エトキシチタン、三臭
化ブトキシチタン、二塩化ジエトキシチタン、二塩化ジ
ブトキシチタン、二臭化ジエトキシチタン、二臭化ジブ
トキシチタン、塩化トリエトキシチタン等が挙げられ
る。これらのハロゲン含有チタン化合物は1種以上が用
いられる。また、最も好ましいのは四塩化チタンであ
る。
【0024】固体成分(C)に接触させる電子供与体
(E1)としては、酸素、窒素、硫黄、燐のいずれか1
以上の原子を有する有機化合物が用いられる。なかで
も、エーテル、アルコール、エステル、アルデヒド、脂
肪酸、ケトン、ニトリル、アミン、アミド、イソシアネ
ート、ホスフィン、ホスファイト、ホスフィナイト、酸
無水物、Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物等
の電子供与体が用いられる。これらの電子供与体のうち
エステルが好んで用いられる。具体的には、酢酸エチ
ル、酢酸ビニル、酢酸イソブチル、酢酸オクチル、酢酸
シクロヘキシル等の脂肪族モノカルボン酸エステル、安
息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安
息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキ
シル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル
酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、ア
ニス酸エチル等の芳香族モノカルボン酸エステル、コハ
ク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、メチルマロン酸ジエ
チル、エチルマロン酸ジエチル、ブチルマロン酸ジエチ
ル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、ブチ
ルマレイン酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の脂肪族
多価カルボン酸エステル、フタル酸モノメチル、フタル
酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロ
ピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジ−n−ブチ
ル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−n−ヘプチ
ル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n
−オクチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジエ
チル、ナフタリンジカルボン酸ジブチル等の芳香族多価
カルボン酸エステルが挙げられる。これらの電子供与体
は1種以上が用いられる。また、最も好ましいのは芳香
族多価カルボン酸エステルである。
(E1)としては、酸素、窒素、硫黄、燐のいずれか1
以上の原子を有する有機化合物が用いられる。なかで
も、エーテル、アルコール、エステル、アルデヒド、脂
肪酸、ケトン、ニトリル、アミン、アミド、イソシアネ
ート、ホスフィン、ホスファイト、ホスフィナイト、酸
無水物、Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物等
の電子供与体が用いられる。これらの電子供与体のうち
エステルが好んで用いられる。具体的には、酢酸エチ
ル、酢酸ビニル、酢酸イソブチル、酢酸オクチル、酢酸
シクロヘキシル等の脂肪族モノカルボン酸エステル、安
息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安
息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキ
シル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル
酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、ア
ニス酸エチル等の芳香族モノカルボン酸エステル、コハ
ク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、メチルマロン酸ジエ
チル、エチルマロン酸ジエチル、ブチルマロン酸ジエチ
ル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、ブチ
ルマレイン酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の脂肪族
多価カルボン酸エステル、フタル酸モノメチル、フタル
酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−プロ
ピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジ−n−ブチ
ル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−n−ヘプチ
ル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ−n
−オクチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジエ
チル、ナフタリンジカルボン酸ジブチル等の芳香族多価
カルボン酸エステルが挙げられる。これらの電子供与体
は1種以上が用いられる。また、最も好ましいのは芳香
族多価カルボン酸エステルである。
【0025】固体成分(C)に上記のハロゲン含有チタ
ン化合物および電子供与体(E1)を接触させる際に
は、沸点が90〜180℃である脂肪族炭化水素溶媒
(S)を用いる。ここで沸点が90〜180℃である溶
媒とは、該溶媒の蒸気圧が標準大気圧(1.01325
×105 Pa)と等しくなる温度が90〜180℃とな
る溶媒との意味である。このような脂肪族炭化水素溶媒
は具体的には、沸点が90〜180℃の脂肪族炭化水素
であれば飽和、不飽和あるいはハロゲン化物でも使用可
能であるが、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナ
ン、n−デカン等のn−パラフィン、2,2,3,3−
テトラメチルブタン、2−エチルペンタン、2,2,3
−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタ
ン、2,3,4−トリメチルペンタン、2−メチルヘキ
サン、3−メチルヘキサン、3−エチルヘキサン、2,
2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、
2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサ
ン、3,3−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキ
サン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、4−
メチルヘプタン、等のイソパラフィン、あるいはこれら
の混合物等が好ましく用いられ、特に好ましいのはイソ
パラフィンの混合物である。該イソパラフィンの混合物
は例えばアイソパーC(沸点範囲:97〜104℃)ア
イソパーE(沸点範囲:116〜142℃)、アイソパ
ーG(沸点範囲:160〜174℃)の商品名でエクソ
ン化学株式会社より市販されており、容易に入手するこ
とが可能である。
ン化合物および電子供与体(E1)を接触させる際に
は、沸点が90〜180℃である脂肪族炭化水素溶媒
(S)を用いる。ここで沸点が90〜180℃である溶
媒とは、該溶媒の蒸気圧が標準大気圧(1.01325
×105 Pa)と等しくなる温度が90〜180℃とな
る溶媒との意味である。このような脂肪族炭化水素溶媒
は具体的には、沸点が90〜180℃の脂肪族炭化水素
であれば飽和、不飽和あるいはハロゲン化物でも使用可
能であるが、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナ
ン、n−デカン等のn−パラフィン、2,2,3,3−
テトラメチルブタン、2−エチルペンタン、2,2,3
−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタ
ン、2,3,4−トリメチルペンタン、2−メチルヘキ
サン、3−メチルヘキサン、3−エチルヘキサン、2,
2−ジメチルヘキサン、2,3−ジメチルヘキサン、
2,4−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサ
ン、3,3−ジメチルヘキサン、3,4−ジメチルヘキ
サン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、4−
メチルヘプタン、等のイソパラフィン、あるいはこれら
の混合物等が好ましく用いられ、特に好ましいのはイソ
パラフィンの混合物である。該イソパラフィンの混合物
は例えばアイソパーC(沸点範囲:97〜104℃)ア
イソパーE(沸点範囲:116〜142℃)、アイソパ
ーG(沸点範囲:160〜174℃)の商品名でエクソ
ン化学株式会社より市販されており、容易に入手するこ
とが可能である。
【0026】固体成分(C)、ハロゲン含有チタン化合
物、電子供与体(E1)および溶媒(S)のそれぞれの
使用量を以下に示す。固体成分(C)中のMgCl2 1
モルに対してハロゲン含有チタン化合物を1〜100モ
ル、好ましくは3〜50モル使用する。電子供与体(E
1)は固体成分(C)中のMgCl2 1モルに対して
0.01〜1.0モル、好ましくは0.01〜0.8モ
ル使用する。また、溶媒(S)は固体成分(C)1kg
に対して5〜100dm3 、好ましくは5〜70dm3
使用する。
物、電子供与体(E1)および溶媒(S)のそれぞれの
使用量を以下に示す。固体成分(C)中のMgCl2 1
モルに対してハロゲン含有チタン化合物を1〜100モ
ル、好ましくは3〜50モル使用する。電子供与体(E
1)は固体成分(C)中のMgCl2 1モルに対して
0.01〜1.0モル、好ましくは0.01〜0.8モ
ル使用する。また、溶媒(S)は固体成分(C)1kg
に対して5〜100dm3 、好ましくは5〜70dm3
使用する。
【0027】固体成分(C)へのハロゲン含有チタン化
合物および電子供与体(E1)の接触の順序は特に限定
されないが、溶媒(S)中に固体成分(C)を懸濁させ
た後、まずハロゲン含有チタン化合物を接触させた後、
電子供与体(E1)を接触させる方法が好ましい。
合物および電子供与体(E1)の接触の順序は特に限定
されないが、溶媒(S)中に固体成分(C)を懸濁させ
た後、まずハロゲン含有チタン化合物を接触させた後、
電子供与体(E1)を接触させる方法が好ましい。
【0028】固体成分(C)にハロゲン含有チタン化合
物および電子供与体(E1)を接触させる際の条件とし
て、接触温度は、110〜135℃、好ましくは115
〜135℃、最も好ましくは120〜135℃である。
該接触温度が高すぎても低すぎても得られるオレフィン
重合用触媒成分のオレフィン重合活性が低下する。接触
時間は5分間〜20時間、好ましくは10分間〜15時
間、最も好ましくは10分間〜10時間である。
物および電子供与体(E1)を接触させる際の条件とし
て、接触温度は、110〜135℃、好ましくは115
〜135℃、最も好ましくは120〜135℃である。
該接触温度が高すぎても低すぎても得られるオレフィン
重合用触媒成分のオレフィン重合活性が低下する。接触
時間は5分間〜20時間、好ましくは10分間〜15時
間、最も好ましくは10分間〜10時間である。
【0029】上記の工程において、固体成分(C)にハ
ロゲン含有チタン化合物および電子供与体(E1)を接
触して得られた固体成分(D)は、濾別またはデカンテ
ーション等の方法により分離され、引き続いてハロゲン
含有チタン化合物と接触される。
ロゲン含有チタン化合物および電子供与体(E1)を接
触して得られた固体成分(D)は、濾別またはデカンテ
ーション等の方法により分離され、引き続いてハロゲン
含有チタン化合物と接触される。
【0030】固体成分(D)に接触させるハロゲン含有
チタン化合物としては、既述の固体成分(C)と接触さ
せるのに使用したものと同様な一般式がTi(OR1 )
4-uXu (式中、R1 はアルキル基、シクロアルキル
基、またはアリール基を、Xはハロゲンを表す。またu
は0<u≦4の任意の数である。)で表せるハロゲン含
有チタン化合物が用いられ、四塩化チタンが最も好まし
く用いられる。
チタン化合物としては、既述の固体成分(C)と接触さ
せるのに使用したものと同様な一般式がTi(OR1 )
4-uXu (式中、R1 はアルキル基、シクロアルキル
基、またはアリール基を、Xはハロゲンを表す。またu
は0<u≦4の任意の数である。)で表せるハロゲン含
有チタン化合物が用いられ、四塩化チタンが最も好まし
く用いられる。
【0031】固体成分(D)に上記のハロゲン含有チタ
ン化合物を接触させる際には、本発明の目的をより効果
的に達成するために溶媒(S2)を使用することがより
好ましい態様である。溶媒(S2)としては、既述のス
プレー工程時において必要に応じて使用される不活性炭
化水素溶媒(S1)として挙げたものや、固体成分
(D)を得る際に使用される脂肪族炭化水素溶媒(S)
として挙げたものと同様な炭化水素溶媒が使用可能であ
るが、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素が用いられ、特に好ましくはトルエンが用
いられる。該溶媒、特に芳香族炭化水素の使用は、得ら
れるオレフィン重合用触媒成分のオレフィン重合活性が
より向上する効果を導く。
ン化合物を接触させる際には、本発明の目的をより効果
的に達成するために溶媒(S2)を使用することがより
好ましい態様である。溶媒(S2)としては、既述のス
プレー工程時において必要に応じて使用される不活性炭
化水素溶媒(S1)として挙げたものや、固体成分
(D)を得る際に使用される脂肪族炭化水素溶媒(S)
として挙げたものと同様な炭化水素溶媒が使用可能であ
るが、好ましくはベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素が用いられ、特に好ましくはトルエンが用
いられる。該溶媒、特に芳香族炭化水素の使用は、得ら
れるオレフィン重合用触媒成分のオレフィン重合活性が
より向上する効果を導く。
【0032】固体成分(D)、ハロゲン含有チタン化合
物、および溶媒(S2)のそれぞれの使用量を以下に示
す。固体成分(D)中のMgCl2 1モルに対してハロ
ゲン含有チタン化合物を1〜100モル、好ましくは3
〜50モル使用する。また、溶媒(S)は固体成分
(D)1kgに対して0〜100dm3 、好ましくは5
〜70dm3 使用する。
物、および溶媒(S2)のそれぞれの使用量を以下に示
す。固体成分(D)中のMgCl2 1モルに対してハロ
ゲン含有チタン化合物を1〜100モル、好ましくは3
〜50モル使用する。また、溶媒(S)は固体成分
(D)1kgに対して0〜100dm3 、好ましくは5
〜70dm3 使用する。
【0033】固体成分(D)にハロゲン含有チタン化合
物を接触させる際の条件として、接触温度は、110〜
135℃、好ましくは115〜135℃、最も好ましく
は120〜135℃であり、接触時間は5分間〜20時
間、好ましくは10分間〜15時間、最も好ましくは1
0分間〜10時間である。
物を接触させる際の条件として、接触温度は、110〜
135℃、好ましくは115〜135℃、最も好ましく
は120〜135℃であり、接触時間は5分間〜20時
間、好ましくは10分間〜15時間、最も好ましくは1
0分間〜10時間である。
【0034】固体成分(D)へのハロゲン含有チタン化
合物の接触終了後は、濾別またはデカンテーション等の
方法により得られた固体を分離し、不活性炭化水素溶媒
(S3)で分離固体を洗浄し、未反応物あるいは副生物
等を除去し目的の、最終のオレフィン重合用固体触媒成
分である固体触媒成分(F)が得られる。洗浄に使用す
る不活性炭化水素溶媒(S3)としては既述の不活性炭
化水素溶媒(S1)として挙げられたものと同様な不活
性炭化水素溶媒が使用可能である。
合物の接触終了後は、濾別またはデカンテーション等の
方法により得られた固体を分離し、不活性炭化水素溶媒
(S3)で分離固体を洗浄し、未反応物あるいは副生物
等を除去し目的の、最終のオレフィン重合用固体触媒成
分である固体触媒成分(F)が得られる。洗浄に使用す
る不活性炭化水素溶媒(S3)としては既述の不活性炭
化水素溶媒(S1)として挙げられたものと同様な不活
性炭化水素溶媒が使用可能である。
【0035】かくして、得られた固体触媒成分(F)の
平均粒径は固体成分(C)の平均粒径に依存しており、
後続工程において多少の粒径の縮小はおこるが、通常、
固体成分(C)の平均粒径の90〜100%の平均粒径
を示す。ここで本発明の目的を達成するのに好ましい固
体触媒成分(F)の平均粒径としては10〜300μ
m、より好ましくは15〜200μmである。
平均粒径は固体成分(C)の平均粒径に依存しており、
後続工程において多少の粒径の縮小はおこるが、通常、
固体成分(C)の平均粒径の90〜100%の平均粒径
を示す。ここで本発明の目的を達成するのに好ましい固
体触媒成分(F)の平均粒径としては10〜300μ
m、より好ましくは15〜200μmである。
【0036】上記した本発明の方法によって得られた固
体触媒成分(F)は公知のオレフィン重合用固体触媒成
分と同様に、有機金属化合物触媒成分、好ましくは有機
アルミニウム化合物(AL)、および必要に応じて電子
供与体(E2)と組み合わせて触媒として、オレフィン
の重合に用いるか、更に好ましくは該触媒にオレフィン
を少量反応させて予備活性化した触媒としてオレフィン
の重合に用いる。
体触媒成分(F)は公知のオレフィン重合用固体触媒成
分と同様に、有機金属化合物触媒成分、好ましくは有機
アルミニウム化合物(AL)、および必要に応じて電子
供与体(E2)と組み合わせて触媒として、オレフィン
の重合に用いるか、更に好ましくは該触媒にオレフィン
を少量反応させて予備活性化した触媒としてオレフィン
の重合に用いる。
【0037】オレフィンの重合に用いられる有機金属化
合物触媒成分である有機アルミニウム化合物(AL)と
しては、一般式がAlR2 pR3 qX3-(p+q) (式中、R
2 、R3 はアルキル基、シクロアルキル基、アリ−ル基
等の炭化水素基またはアルコキシ基を、Xはハロゲンを
表わし、またp、qは0<p+q≦3の任意の数を表わ
す。)で表わされる有機アルミニウム化合物が好ましく
使用される。
合物触媒成分である有機アルミニウム化合物(AL)と
しては、一般式がAlR2 pR3 qX3-(p+q) (式中、R
2 、R3 はアルキル基、シクロアルキル基、アリ−ル基
等の炭化水素基またはアルコキシ基を、Xはハロゲンを
表わし、またp、qは0<p+q≦3の任意の数を表わ
す。)で表わされる有機アルミニウム化合物が好ましく
使用される。
【0038】その具体例としては、トリメチルアルミニ
ウム、トリエチルアルミニウム、トリn−プロピルアル
ミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイソブチ
ルアルミニウム、トリn−ヘキシルアルミニウム、トリ
イソヘキシルアルミニウム、トリn−オクチルアルミニ
ウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニ
ウムクロライド、ジn−プロピルアルミニウムクロライ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジエチルア
ルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムアイオダ
イド等のジアルキルアルミニウムモノハライド、ジエチ
ルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウ
ムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロライド
等のアルキルアルミニウムセスキハライド、エチルアル
ミニウムジクロライド等のモノアルキルアルミニウムジ
ハライドなどがあげられ、他にジエトキシモノエチルア
ルミニウム等のアルコキシアルキルアルミニウムを用い
ることもできる。これらのうちで好ましいのは、トリア
ルキルアルミニウムおよびジアルキルアルミニウムモノ
ハライドであり、最も好ましいのはトリアルキルアルミ
ニウムである。また、これらの有機アルミニウム化合物
は1種だけでなく2種類以上を混合して用いることもで
きる。
ウム、トリエチルアルミニウム、トリn−プロピルアル
ミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイソブチ
ルアルミニウム、トリn−ヘキシルアルミニウム、トリ
イソヘキシルアルミニウム、トリn−オクチルアルミニ
ウム等のトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニ
ウムクロライド、ジn−プロピルアルミニウムクロライ
ド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジエチルア
ルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムアイオダ
イド等のジアルキルアルミニウムモノハライド、ジエチ
ルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウ
ムハイドライド、エチルアルミニウムセスキクロライド
等のアルキルアルミニウムセスキハライド、エチルアル
ミニウムジクロライド等のモノアルキルアルミニウムジ
ハライドなどがあげられ、他にジエトキシモノエチルア
ルミニウム等のアルコキシアルキルアルミニウムを用い
ることもできる。これらのうちで好ましいのは、トリア
ルキルアルミニウムおよびジアルキルアルミニウムモノ
ハライドであり、最も好ましいのはトリアルキルアルミ
ニウムである。また、これらの有機アルミニウム化合物
は1種だけでなく2種類以上を混合して用いることもで
きる。
【0039】電子供与体(E2)としては、通常のオレ
フィン重合の際に得られるオレフィン重合体の立体規則
性をコントロールする目的で必要に応じて使用される公
知の電子供与体が用いられ、具体的には既述の電子供与
体(E1)として挙げられたものと同様な電子供与体が
用いられ、特に好ましいのはSi−O−C結合を有する
化合物である。具体的には、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メ
チルエチルジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメト
キシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ−t−
ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルトリエトキ
シシラン等が挙げられる。これらの電子供与体は1種だ
けでなく2種以上を混合して用いることもできる。
フィン重合の際に得られるオレフィン重合体の立体規則
性をコントロールする目的で必要に応じて使用される公
知の電子供与体が用いられ、具体的には既述の電子供与
体(E1)として挙げられたものと同様な電子供与体が
用いられ、特に好ましいのはSi−O−C結合を有する
化合物である。具体的には、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、t−ブチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メ
チルエチルジメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメト
キシシラン、ジイソブチルジメトキシシラン、ジ−t−
ブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルトリエトキ
シシラン等が挙げられる。これらの電子供与体は1種だ
けでなく2種以上を混合して用いることもできる。
【0040】各触媒成分の使用量は通常公知の触媒成分
をオレフィン重合に使用する場合と同様である。具体的
には本発明の方法で得られた固体触媒成分中のTi原子
1モルに対し、有機アルミニウム化合物(AL)中のA
l原子が1〜2000モル、好ましくは5〜1000モ
ルとなるように有機アルミニウム化合物(AL1)を、
また有機アルミニウム化合物(AL)中のAl原子1モ
ルに対し、電子供与体(E2)を0〜10モル、好まし
くは0.01〜5モル使用する。
をオレフィン重合に使用する場合と同様である。具体的
には本発明の方法で得られた固体触媒成分中のTi原子
1モルに対し、有機アルミニウム化合物(AL)中のA
l原子が1〜2000モル、好ましくは5〜1000モ
ルとなるように有機アルミニウム化合物(AL1)を、
また有機アルミニウム化合物(AL)中のAl原子1モ
ルに対し、電子供与体(E2)を0〜10モル、好まし
くは0.01〜5モル使用する。
【0041】また、予備活性化に用いられるオレフィン
としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテ
ン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等
の直鎖モノオレフィン類、4−メチルペンテン−1、2
−メチルペンテン- 1等の枝鎖モノオレフィン類等であ
る。これらのオレフィンは、重合対象であるオレフィン
と同じであっても異なっていても良く、また2種以上の
オレフィンを混合して用いることもできる。
としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテ
ン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等
の直鎖モノオレフィン類、4−メチルペンテン−1、2
−メチルペンテン- 1等の枝鎖モノオレフィン類等であ
る。これらのオレフィンは、重合対象であるオレフィン
と同じであっても異なっていても良く、また2種以上の
オレフィンを混合して用いることもできる。
【0042】既述した本発明の方法によるオレフィン重
合用固体触媒成分(F)、また有機アルミニウム化合物
(AL)、および必要に応じて電子供与体(E2)を組
み合わせた触媒、若しくは該触媒にオレフィンを少量反
応させて予備活性化した触媒を用いるオレフィンの重合
形式は限定されず、溶媒中で行う懸濁重合やバルク重合
のような液相重合にも好適であるが、気相重合に用いる
場合には本発明の方法によるオレフィン重合用触媒の長
所が特に発揮される。また、該オレフィンの重合に際し
ては予備活性化した触媒を用いるのが好ましい使用形態
である。
合用固体触媒成分(F)、また有機アルミニウム化合物
(AL)、および必要に応じて電子供与体(E2)を組
み合わせた触媒、若しくは該触媒にオレフィンを少量反
応させて予備活性化した触媒を用いるオレフィンの重合
形式は限定されず、溶媒中で行う懸濁重合やバルク重合
のような液相重合にも好適であるが、気相重合に用いる
場合には本発明の方法によるオレフィン重合用触媒の長
所が特に発揮される。また、該オレフィンの重合に際し
ては予備活性化した触媒を用いるのが好ましい使用形態
である。
【0043】予備活性化は、既述の各触媒成分を組み合
わせた触媒の存在下において、固体触媒成分(F)1g
に対し、オレフィンを0.05g〜5,000g、好ま
しくは0.05g〜3,000gを用いて、0℃〜10
0℃で1分〜20時間オレフィンを反応させ、固体触媒
成分(F)1g当り0.01g〜2,000g、好まし
くは0.05g〜500gのオレフィン重合体を生成さ
せることが望ましい。
わせた触媒の存在下において、固体触媒成分(F)1g
に対し、オレフィンを0.05g〜5,000g、好ま
しくは0.05g〜3,000gを用いて、0℃〜10
0℃で1分〜20時間オレフィンを反応させ、固体触媒
成分(F)1g当り0.01g〜2,000g、好まし
くは0.05g〜500gのオレフィン重合体を生成さ
せることが望ましい。
【0044】かくして得られた触媒、若しくは予備活性
化された触媒はオレフィンの重合に用いられる。オレフ
ィンの重合条件としては、重合温度が20〜150℃、
重合圧力は0.1〜5MPaで、通常5分〜20時間程
度実施される。重合の際、分子量制御のための適量の水
素を添加するなどは従来の重合方法と同じである。
化された触媒はオレフィンの重合に用いられる。オレフ
ィンの重合条件としては、重合温度が20〜150℃、
重合圧力は0.1〜5MPaで、通常5分〜20時間程
度実施される。重合の際、分子量制御のための適量の水
素を添加するなどは従来の重合方法と同じである。
【0045】重合に供せられるオレフィンは、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン
−1等の直鎖モノオレフィン、3−メチルブテン−1、
4−メチルペンテン−1、2−メチルペンテン−1など
の枝鎖モノオレフィンのみならず、ブタジエン、イソプ
レン、クロロプレン、1,4−ヘキサジエン、1,7−
オクタジエン、1,9−デカジエン、4−メチル−1,
4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエ
ン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのジオレフ
ィン、アリルトリメチルシラン、およびスチレンなどが
挙げられる。特にケイ素を含んでいてもよい炭素数3以
上のオレフィンを重合した場合には高立体規則性のオレ
フィン重合体が得られる。またこれらのオレフィンは各
々の単独重合のみならず、相互に他のオレフィンと組み
合わせて、例えばプロピレンとエチレン、ブテン−1と
エチレン、プロピレとブテン−1の如く組み合わせる
か、プロピレン、エチレン、およびブテン−1のように
三成分を組み合わせて共重合を行うこともでき、さらに
多段重合でフィードするオレフィンの種類を変えてブロ
ック共重合を行うこともできる。
ン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン
−1等の直鎖モノオレフィン、3−メチルブテン−1、
4−メチルペンテン−1、2−メチルペンテン−1など
の枝鎖モノオレフィンのみならず、ブタジエン、イソプ
レン、クロロプレン、1,4−ヘキサジエン、1,7−
オクタジエン、1,9−デカジエン、4−メチル−1,
4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエ
ン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのジオレフ
ィン、アリルトリメチルシラン、およびスチレンなどが
挙げられる。特にケイ素を含んでいてもよい炭素数3以
上のオレフィンを重合した場合には高立体規則性のオレ
フィン重合体が得られる。またこれらのオレフィンは各
々の単独重合のみならず、相互に他のオレフィンと組み
合わせて、例えばプロピレンとエチレン、ブテン−1と
エチレン、プロピレとブテン−1の如く組み合わせる
か、プロピレン、エチレン、およびブテン−1のように
三成分を組み合わせて共重合を行うこともでき、さらに
多段重合でフィードするオレフィンの種類を変えてブロ
ック共重合を行うこともできる。
【0046】
【実施例】以下、実施例を上げて本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例、比較例において用いられて
いる用語の定義および測定方法は以下の通りである。 (1)X線回折スペクトル:X線源がCu−Kα線であ
る日本電子(株)製X線回折装置JDX8200Tを用
い、管電圧50KV、管電流150mAにて測定した。 (2)固体成分の粒度分布:マルバーン・インスツルメ
ント社製レーザー光回折法による粒度分布測定装置(マ
スターサイザーMS20)を用い、固体成分をミネラル
オイル中に分散させて該固体成分の粒度分布を測定し
た。 (3)平均粒径:上記(2)に従って粒度分布を測定し
各粒度毎の固体成分の体積を積算し、該積算体積が全体
の50%の時の粒径を示す。(単位:μm) (4)スパン:上記(3)と同様に積算体積が全体の9
0%時の粒径をD0.9、同様に積算体積が全体の10%
時の粒径をD0.1 、上記(3)の平均粒系をD0. 5 と表
した場合に次式 スパン=(D0.9 −D0.1 )/D0.5
で定義する。粒度分布の程度を示す指標であり、スパン
が大きいと粒度分布は広く、スパンが小さいと粒度分布
が狭いことを示す。 (5)重合活性:オレフィン重合用固体触媒成分1kg
当りの重合オレフィン量(kg)を示し、オレフィン重
合活性の尺度である。(単位:kg・ポリマー/kg・
固体触媒成分) (6)BD:かさ密度を示す(単位:kg/m3 )
に説明する。なお、実施例、比較例において用いられて
いる用語の定義および測定方法は以下の通りである。 (1)X線回折スペクトル:X線源がCu−Kα線であ
る日本電子(株)製X線回折装置JDX8200Tを用
い、管電圧50KV、管電流150mAにて測定した。 (2)固体成分の粒度分布:マルバーン・インスツルメ
ント社製レーザー光回折法による粒度分布測定装置(マ
スターサイザーMS20)を用い、固体成分をミネラル
オイル中に分散させて該固体成分の粒度分布を測定し
た。 (3)平均粒径:上記(2)に従って粒度分布を測定し
各粒度毎の固体成分の体積を積算し、該積算体積が全体
の50%の時の粒径を示す。(単位:μm) (4)スパン:上記(3)と同様に積算体積が全体の9
0%時の粒径をD0.9、同様に積算体積が全体の10%
時の粒径をD0.1 、上記(3)の平均粒系をD0. 5 と表
した場合に次式 スパン=(D0.9 −D0.1 )/D0.5
で定義する。粒度分布の程度を示す指標であり、スパン
が大きいと粒度分布は広く、スパンが小さいと粒度分布
が狭いことを示す。 (5)重合活性:オレフィン重合用固体触媒成分1kg
当りの重合オレフィン量(kg)を示し、オレフィン重
合活性の尺度である。(単位:kg・ポリマー/kg・
固体触媒成分) (6)BD:かさ密度を示す(単位:kg/m3 )
【0047】実施例1 (1)固体成分(C)の製造 まず、図1に示す装置を用い、固体成分(B)を製造し
た。窒素置換した内容積60dm3 のステンレス製溶融
槽4に、配管1から無水MgCl2 を8kg、配管2か
ら乾燥エタノール15.5kgをそれぞれ導入した。こ
の混合物(A)を攪拌しながら、ジャケット5に加熱水
蒸気を通すことにより130℃に加熱された、組成がM
gCl2 ・4.0EtOHである溶融状態の混合物
(A)を得た。更に2時間攪拌後、配管3から130℃
に加熱した窒素を溶融槽4に導入し、該溶融槽4の気相
部の圧力を0.5MPaに高めた。引き続いて均一な溶
融混合物(A)を15kg/hの速度で配管6を経由
し、二流体ノズル8により、冷却されたスプレー塔9内
へ、配管7から導入された130℃の加熱窒素と共にス
プレーした。該スプレー塔9には−15℃に冷却された
n−ヘキサン250dm3 が予め導入してあり、スプレ
ー中はこの温度を維持するため、およびスプレー塔9内
を冷却するために−30℃の冷媒をスプレー塔9に付帯
したジャケット10に流した。ノズル8の形式は小型精
密二流体ノズル(BN−90、静東共立商会製)で、ま
た配管7から導入された加熱窒素の流量は40dm3 /
minであった。溶融混合物(A)が冷却固化して生成
した固体成分(B)はスプレー塔9内の底部に導入され
た冷却n−ヘキサン11中に集められた。固体成分
(B)とn−ヘキサンを配管12から系外に取り出した
後、n−ヘキサンを分離し、18.8kgの固体成分
(B)を得た。得られた固体成分(B)の分析結果か
ら、この固体成分(B)の組成は溶融混合物(A)と同
じMgCl2 ・4.0EtOHであった。また形状は球
形であり、平均粒径は130μm、スパンは1.5であ
った。
た。窒素置換した内容積60dm3 のステンレス製溶融
槽4に、配管1から無水MgCl2 を8kg、配管2か
ら乾燥エタノール15.5kgをそれぞれ導入した。こ
の混合物(A)を攪拌しながら、ジャケット5に加熱水
蒸気を通すことにより130℃に加熱された、組成がM
gCl2 ・4.0EtOHである溶融状態の混合物
(A)を得た。更に2時間攪拌後、配管3から130℃
に加熱した窒素を溶融槽4に導入し、該溶融槽4の気相
部の圧力を0.5MPaに高めた。引き続いて均一な溶
融混合物(A)を15kg/hの速度で配管6を経由
し、二流体ノズル8により、冷却されたスプレー塔9内
へ、配管7から導入された130℃の加熱窒素と共にス
プレーした。該スプレー塔9には−15℃に冷却された
n−ヘキサン250dm3 が予め導入してあり、スプレ
ー中はこの温度を維持するため、およびスプレー塔9内
を冷却するために−30℃の冷媒をスプレー塔9に付帯
したジャケット10に流した。ノズル8の形式は小型精
密二流体ノズル(BN−90、静東共立商会製)で、ま
た配管7から導入された加熱窒素の流量は40dm3 /
minであった。溶融混合物(A)が冷却固化して生成
した固体成分(B)はスプレー塔9内の底部に導入され
た冷却n−ヘキサン11中に集められた。固体成分
(B)とn−ヘキサンを配管12から系外に取り出した
後、n−ヘキサンを分離し、18.8kgの固体成分
(B)を得た。得られた固体成分(B)の分析結果か
ら、この固体成分(B)の組成は溶融混合物(A)と同
じMgCl2 ・4.0EtOHであった。また形状は球
形であり、平均粒径は130μm、スパンは1.5であ
った。
【0048】得られた固体成分(B)18.8kg中の
エタノールを部分的に除去するために内容積450dm
3 の減圧乾燥器に移し、267Paの減圧下において、
35℃で20時間、更に45℃で4時間、引き続いて5
0℃で24時間乾燥して固体成分(C)を11.5kg
得た。分析結果からこの固体成分(C)の組成はMgC
l2 ・1.7EtOHであった。該固体成分(C)につ
いて、篩を用いて65μm未満の小粒子及び180μm
より大きい粒子を除去し、平均粒径120μm、スパン
0.9の固体成分(C)8.6kgを得た。
エタノールを部分的に除去するために内容積450dm
3 の減圧乾燥器に移し、267Paの減圧下において、
35℃で20時間、更に45℃で4時間、引き続いて5
0℃で24時間乾燥して固体成分(C)を11.5kg
得た。分析結果からこの固体成分(C)の組成はMgC
l2 ・1.7EtOHであった。該固体成分(C)につ
いて、篩を用いて65μm未満の小粒子及び180μm
より大きい粒子を除去し、平均粒径120μm、スパン
0.9の固体成分(C)8.6kgを得た。
【0049】スプレーして得られた固体成分(B)(M
gCl2 ・4.0EtOH)のX線回折スペクトルを図
2に示した。また部分的にエタノールを除去した固体成
分(C)(MgCl2 ・1.7EtOH)のX線回折ス
ペクトルを図3に示した。回折角2θ=7〜8度に新規
なピークは現れていなかった。
gCl2 ・4.0EtOH)のX線回折スペクトルを図
2に示した。また部分的にエタノールを除去した固体成
分(C)(MgCl2 ・1.7EtOH)のX線回折ス
ペクトルを図3に示した。回折角2θ=7〜8度に新規
なピークは現れていなかった。
【0050】(2)オレフィン重合用固体触媒成分の製
造 コンデンサーおよび濾過装置を付帯した内容積110d
m3 のステンレス製反応器に固体成分(C)8.6k
g、イソパラフィン混合物であるアイソパーE(エクソ
ン化学株式会社製)37dm3 、ハロゲン含有チタン化
合物として四塩化チタン74kgを入れた。反応器内の
混合物を攪拌しながら加熱し100℃に達した時点で電
子供与体(E1)としてフタル酸ジイソブチル1.8k
gを加えた。更に反応器内を127℃にし、1.5時間
同温度にて接触処理した。処理時間経過後、濾過により
液相部を除去した。次にトルエン37dm3 、四塩化チ
タン74kgを加えて120℃で1時間加熱した後、濾
過により液相部を除いた。しかる後、トルエン70dm
3 を加え、115℃で0.5時間加熱した後、液相部を
除去し、n−ヘキサンを1回あたり50dm3 使用し、
3回洗浄して、最終のオレフィン重合用固体触媒成分で
ある固体触媒成分(F)6.0kgを得た。得られた固
体触媒成分(F)は球形であり、平均粒径は115μm
で、スパンは1.0であった。また固体触媒成分(F)
のチタン含有量は2.0重量%であった。
造 コンデンサーおよび濾過装置を付帯した内容積110d
m3 のステンレス製反応器に固体成分(C)8.6k
g、イソパラフィン混合物であるアイソパーE(エクソ
ン化学株式会社製)37dm3 、ハロゲン含有チタン化
合物として四塩化チタン74kgを入れた。反応器内の
混合物を攪拌しながら加熱し100℃に達した時点で電
子供与体(E1)としてフタル酸ジイソブチル1.8k
gを加えた。更に反応器内を127℃にし、1.5時間
同温度にて接触処理した。処理時間経過後、濾過により
液相部を除去した。次にトルエン37dm3 、四塩化チ
タン74kgを加えて120℃で1時間加熱した後、濾
過により液相部を除いた。しかる後、トルエン70dm
3 を加え、115℃で0.5時間加熱した後、液相部を
除去し、n−ヘキサンを1回あたり50dm3 使用し、
3回洗浄して、最終のオレフィン重合用固体触媒成分で
ある固体触媒成分(F)6.0kgを得た。得られた固
体触媒成分(F)は球形であり、平均粒径は115μm
で、スパンは1.0であった。また固体触媒成分(F)
のチタン含有量は2.0重量%であった。
【0051】(3)オレフィン重合体の製造 傾斜羽根付き攪拌機を備えた内容積20dm3 のステン
レス製反応器を窒素で置換した後、該反応器にn−ヘプ
タンを18dm3 、トリエチルアルミニウム150mm
ol、ジイソプロピルジメトキシシラン22mmol、
および上記(2)で得た固体触媒成分(E)180gを
室温で加えた後、40℃まで加熱後、プロピレン分圧
0.03MPaで3時間反応させ、予備活性化触媒を得
た。(固体触媒成分(F)1g当りプロピレン3.0g
反応)
レス製反応器を窒素で置換した後、該反応器にn−ヘプ
タンを18dm3 、トリエチルアルミニウム150mm
ol、ジイソプロピルジメトキシシラン22mmol、
および上記(2)で得た固体触媒成分(E)180gを
室温で加えた後、40℃まで加熱後、プロピレン分圧
0.03MPaで3時間反応させ、予備活性化触媒を得
た。(固体触媒成分(F)1g当りプロピレン3.0g
反応)
【0052】窒素置換された内容積110dm3 の攪拌
機を備えた連続式横型気相重合器(長さ/直径=3.
7)に、500μm以下の重合体粒子を除去したポリプ
ロピレン粉末(平均粒径1500μm)を25kg導入
し、更に上記の予備活性化触媒を固体触媒成分(F)と
して0.73g/h、またトリエチルアルミニウムおよ
びジイソプロピルジメトキシシランの15重量%n−ヘ
キサン溶液を固体触媒成分(F)中のTi原子1モルに
対し、それぞれモル比が90および15となるように連
続的に供給した。また、重合器内の水素濃度のプロピレ
ン濃度に対する比が0.02となるように水素を、重合
器内の圧力が2.15MPaを保つようにプロピレンを
それぞれ重合器内に供給して、プロピレンの気相重合を
150時間連続して行った。該重合期間中は重合器内の
重合体の保有レベルが60容積%となるように重合器か
ら重合体を11kg/hで抜きだした。抜きだした重合
体を続いて水蒸気を5容積%含む窒素ガスにより100
℃にて30分間接触処理し、ポリプロピレン粒子を得
た。重合開始後、140時間経過した時点で得られたポ
リプロピレン粒子は球形で、BDは440kg/m3 、
平均粒径は2200μmであり、210μm未満の微粉
ポリマーは0.05重量%であった。
機を備えた連続式横型気相重合器(長さ/直径=3.
7)に、500μm以下の重合体粒子を除去したポリプ
ロピレン粉末(平均粒径1500μm)を25kg導入
し、更に上記の予備活性化触媒を固体触媒成分(F)と
して0.73g/h、またトリエチルアルミニウムおよ
びジイソプロピルジメトキシシランの15重量%n−ヘ
キサン溶液を固体触媒成分(F)中のTi原子1モルに
対し、それぞれモル比が90および15となるように連
続的に供給した。また、重合器内の水素濃度のプロピレ
ン濃度に対する比が0.02となるように水素を、重合
器内の圧力が2.15MPaを保つようにプロピレンを
それぞれ重合器内に供給して、プロピレンの気相重合を
150時間連続して行った。該重合期間中は重合器内の
重合体の保有レベルが60容積%となるように重合器か
ら重合体を11kg/hで抜きだした。抜きだした重合
体を続いて水蒸気を5容積%含む窒素ガスにより100
℃にて30分間接触処理し、ポリプロピレン粒子を得
た。重合開始後、140時間経過した時点で得られたポ
リプロピレン粒子は球形で、BDは440kg/m3 、
平均粒径は2200μmであり、210μm未満の微粉
ポリマーは0.05重量%であった。
【0053】比較例1 (1)固体成分(C)の製造 実施例1の(1)と同様にして固体成分(C)を得た。
【0054】(2)オレフィン重合用固体触媒成分の製
造 実施例1の(2)において、アイソパーEに代えてトル
エンを使用し、固体成分(C)、四塩化チタン、および
フタル酸ジイソブチルとの接触温度を120℃とするこ
と以外は同様にしてオレフィン重合用固体触媒成分を得
た。該固体触媒成分の平均粒径は115μm、スパンは
1.0であった。
造 実施例1の(2)において、アイソパーEに代えてトル
エンを使用し、固体成分(C)、四塩化チタン、および
フタル酸ジイソブチルとの接触温度を120℃とするこ
と以外は同様にしてオレフィン重合用固体触媒成分を得
た。該固体触媒成分の平均粒径は115μm、スパンは
1.0であった。
【0055】(3)オレフィン重合体の製造 実施例1の(3)において固体触媒成分(F)に代えて
上記(2)で得た最終の固体触媒成分を用いること以外
は同様にして予備活性化触媒を得た。得られた予備活性
化触媒を用いて実施例1の(3)と同様にプロピレンの
気相重合を行った。
上記(2)で得た最終の固体触媒成分を用いること以外
は同様にして予備活性化触媒を得た。得られた予備活性
化触媒を用いて実施例1の(3)と同様にプロピレンの
気相重合を行った。
【0056】比較例2 (1)固体成分(C)の製造 実施例1の(1)と同様にして固体成分(C)を得た。
【0057】(2)オレフィン重合用固体触媒成分の製
造 実施例1の(2)において、アイソパーEに代えてn−
ヘキサンを使用し、固体成分(C)、四塩化チタン、お
よびフタル酸ジイソブチルとの接触温度を90℃とする
こと以外は同様にしてオレフィン重合用固体触媒成分を
得た。該固体触媒成分の平均粒径は76μm、スパンは
1.5であった。
造 実施例1の(2)において、アイソパーEに代えてn−
ヘキサンを使用し、固体成分(C)、四塩化チタン、お
よびフタル酸ジイソブチルとの接触温度を90℃とする
こと以外は同様にしてオレフィン重合用固体触媒成分を
得た。該固体触媒成分の平均粒径は76μm、スパンは
1.5であった。
【0058】(3)オレフィン重合体の製造 実施例1の(3)において固体触媒成分(F)に代えて
上記(2)で得た最終の固体触媒成分を用いること以外
は同様にして予備活性化触媒を得た。得られた予備活性
化触媒を用いて実施例1の(3)と同様にプロピレンの
気相重合を行った。
上記(2)で得た最終の固体触媒成分を用いること以外
は同様にして予備活性化触媒を得た。得られた予備活性
化触媒を用いて実施例1の(3)と同様にプロピレンの
気相重合を行った。
【0059】比較例3 (1)固体成分(C)の製造 実施例1の(1)と同様にして固体成分(C)を得た。
【0060】(2)オレフィン重合用固体触媒成分の製
造 実施例1の(2)において、アイソパーEに代えてアイ
ソパーGを使用し、固体成分(C)、四塩化チタン、お
よびフタル酸ジイソブチルとの接触温度を140℃とす
ること以外は同様にしてオレフィン重合用固体触媒成分
を得た。該固体触媒成分の平均粒径は114μm、スパ
ンは1.0であった。
造 実施例1の(2)において、アイソパーEに代えてアイ
ソパーGを使用し、固体成分(C)、四塩化チタン、お
よびフタル酸ジイソブチルとの接触温度を140℃とす
ること以外は同様にしてオレフィン重合用固体触媒成分
を得た。該固体触媒成分の平均粒径は114μm、スパ
ンは1.0であった。
【0061】(3)オレフィン重合体の製造 実施例1の(3)において固体触媒成分(F)に代えて
上記(2)で得た最終の固体触媒成分を用いること以外
は同様にして予備活性化触媒を得た。得られた予備活性
化触媒を用いて実施例1の(3)と同様にプロピレンの
気相重合を行った。
上記(2)で得た最終の固体触媒成分を用いること以外
は同様にして予備活性化触媒を得た。得られた予備活性
化触媒を用いて実施例1の(3)と同様にプロピレンの
気相重合を行った。
【0062】比較例4 (1)固体成分(C)の製造 実施例1の(1)と同様にして固体成分(B)18.8
kgを得た。得られた固体成分(B)18. 8kg中の
エタノールを部分的に除去する際の条件を267Paの
減圧下において、60℃で2時間、70℃で3時間、8
0℃で3.5時間行った以外は実施例1の(1)と同様
に行い、固体成分11.5kgを得た。該固体成分につ
いて、篩を用いて65μm未満の小粒子及び180μm
より大きい粒子を除去し、平均粒径115μm、スパン
1.2の固体成分6.9kgを得た。引き続いて上記の
固体成分(B)を得る操作および減圧乾燥と篩分けを別
途同様に繰り返し、固体成分を併せて13.8kg得
た。
kgを得た。得られた固体成分(B)18. 8kg中の
エタノールを部分的に除去する際の条件を267Paの
減圧下において、60℃で2時間、70℃で3時間、8
0℃で3.5時間行った以外は実施例1の(1)と同様
に行い、固体成分11.5kgを得た。該固体成分につ
いて、篩を用いて65μm未満の小粒子及び180μm
より大きい粒子を除去し、平均粒径115μm、スパン
1.2の固体成分6.9kgを得た。引き続いて上記の
固体成分(B)を得る操作および減圧乾燥と篩分けを別
途同様に繰り返し、固体成分を併せて13.8kg得
た。
【0063】部分的にエタノールを除去した上記固体成
分の組成はMgCl2 ・1.7EtOHであった。また
該固体成分のX線回折スペクトルを図4に示した。回折
角2θ=7.6度に新規ピークが現れており、該新規ピ
ークの強度は回折角2θ=8.8度のピークの強度の
3.0倍であった。
分の組成はMgCl2 ・1.7EtOHであった。また
該固体成分のX線回折スペクトルを図4に示した。回折
角2θ=7.6度に新規ピークが現れており、該新規ピ
ークの強度は回折角2θ=8.8度のピークの強度の
3.0倍であった。
【0064】(2)オレフィン重合用固体触媒成分の製
造 実施例1の(2)において、固体成分(C)に代えて上
記の方法で得た篩分け後の固体成分を8.6kg使用す
ること以外は同様にして、最終の固体触媒成分を6.0
kg得た。得られた最終の固体触媒成分の平均粒径は8
0μmでスパンは1.5であった。
造 実施例1の(2)において、固体成分(C)に代えて上
記の方法で得た篩分け後の固体成分を8.6kg使用す
ること以外は同様にして、最終の固体触媒成分を6.0
kg得た。得られた最終の固体触媒成分の平均粒径は8
0μmでスパンは1.5であった。
【0065】(3)オレフィン重合体の製造 実施例1の(3)において固体触媒成分(F)に代えて
上記(2)で得た最終の固体触媒成分を用いること以外
は同様にして予備活性化触媒を得た。得られた予備活性
化触媒を用いて実施例1の(3)と同様にプロピレンの
気相重合を行った。
上記(2)で得た最終の固体触媒成分を用いること以外
は同様にして予備活性化触媒を得た。得られた予備活性
化触媒を用いて実施例1の(3)と同様にプロピレンの
気相重合を行った。
【0066】以上の実施例1、および比較例1〜4の製
造条件および重合結果を表1に示す。
造条件および重合結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】比較例5 (1)、(2)実施例1の(1)と同様にして固体成分
(B)を得た。実施例1の(2)において、固体成分
(C)に代えて固体成分(B)を減圧乾燥することな
く、篩を用いて65μm未満の小粒子及び180μmよ
り大きい粒子を除去して得られた、平均粒径120μ
m、スパン1.0の固体成分14.9kgのうち、8.
6kgを用いること以外は同様にして最終の固体触媒成
分を4.1kg得た。得られた最終の固体触媒成分は破
砕されており、平均粒径は55μm、スパンは1.8で
あった。
(B)を得た。実施例1の(2)において、固体成分
(C)に代えて固体成分(B)を減圧乾燥することな
く、篩を用いて65μm未満の小粒子及び180μmよ
り大きい粒子を除去して得られた、平均粒径120μ
m、スパン1.0の固体成分14.9kgのうち、8.
6kgを用いること以外は同様にして最終の固体触媒成
分を4.1kg得た。得られた最終の固体触媒成分は破
砕されており、平均粒径は55μm、スパンは1.8で
あった。
【0069】(3)実施例1の(3)において、固体触
媒成分(F)に代えて上記の工程で得た最終の固体触媒
成分を用いること以外は同様にして予備活性化触媒を得
た。得られた予備活性化触媒を用いて実施例1の(3)
と同様にプロピレンの気相重合を行った。
媒成分(F)に代えて上記の工程で得た最終の固体触媒
成分を用いること以外は同様にして予備活性化触媒を得
た。得られた予備活性化触媒を用いて実施例1の(3)
と同様にプロピレンの気相重合を行った。
【0070】比較例6 (1)無水MgCl2 を8kg、乾燥エタノール6.6
kgを用いた以外は実施例1の(1)と同様にしてスプ
レーを行い、固体成分12.3kgを得た。該固体成分
の分析結果から、この固体成分の組成は原料の無水塩化
マグネシウムとエタノール混合物と同じMgCl2 ・
1.7EtOHであった。また得られた固体成分は凝集
体および不定形のものが多く含まれおり、平均粒径が1
80μm、スパンが2.1と粒度分布の広いものであっ
た。
kgを用いた以外は実施例1の(1)と同様にしてスプ
レーを行い、固体成分12.3kgを得た。該固体成分
の分析結果から、この固体成分の組成は原料の無水塩化
マグネシウムとエタノール混合物と同じMgCl2 ・
1.7EtOHであった。また得られた固体成分は凝集
体および不定形のものが多く含まれおり、平均粒径が1
80μm、スパンが2.1と粒度分布の広いものであっ
た。
【0071】上記の工程で得た固体成分12.3kgを
減圧乾燥することなく、篩を用いて65μm未満の小粒
子及び180μmより大きい粒子を除去したところ、平
均粒径119μm、スパン1.1の固体成分4.9kg
が得られた。引き続いて上記の工程および篩分けを別途
同様に繰り返し、固体成分を併せて9.8kg得た。
減圧乾燥することなく、篩を用いて65μm未満の小粒
子及び180μmより大きい粒子を除去したところ、平
均粒径119μm、スパン1.1の固体成分4.9kg
が得られた。引き続いて上記の工程および篩分けを別途
同様に繰り返し、固体成分を併せて9.8kg得た。
【0072】(2)実施例1の(2)において、固体成
分(C)に代えて上記(1)の方法で得た篩分け後の固
体成分を8.6kg使用すること以外は同様にして、最
終の固体触媒成分を6.6kg得た。得られた最終の固
体触媒成分の平均粒径は118μmでスパンは1.1で
あった。
分(C)に代えて上記(1)の方法で得た篩分け後の固
体成分を8.6kg使用すること以外は同様にして、最
終の固体触媒成分を6.6kg得た。得られた最終の固
体触媒成分の平均粒径は118μmでスパンは1.1で
あった。
【0073】(3)実施例1の(3)において、固体触
媒成分(F)に代えて上記(2)で得た最終の固体触媒
成分を用いること以外は同様にして予備活性化触媒を得
た。得られた予備活性化触媒を用いて実施例1の(3)
と同様にプロピレンの気相重合を行った。
媒成分(F)に代えて上記(2)で得た最終の固体触媒
成分を用いること以外は同様にして予備活性化触媒を得
た。得られた予備活性化触媒を用いて実施例1の(3)
と同様にプロピレンの気相重合を行った。
【0074】比較例7 (1)無水MgCl2 を8Kg、乾燥エタノール25.
2kgを用いたこと以外は実施例1の(1)と同様にス
プレーを行い、固体成分26.5kgを得た。該固体成
分の分析結果からこの固体成分の組成は原料の無水塩化
マグネシウムとエタノール混合物と同一組成のMgCl
2 ・6.5EtOHであり、平均粒径は125μmで、
スパンは1.4であった。
2kgを用いたこと以外は実施例1の(1)と同様にス
プレーを行い、固体成分26.5kgを得た。該固体成
分の分析結果からこの固体成分の組成は原料の無水塩化
マグネシウムとエタノール混合物と同一組成のMgCl
2 ・6.5EtOHであり、平均粒径は125μmで、
スパンは1.4であった。
【0075】上記(1)で得られた固体成分26.5k
g中のエタノールを部分的に除去するために減圧乾燥器
に移し、267Paの減圧下で35℃で22時間、45
℃で6時間、53℃で20時間、連続的に乾燥して固体
を10.6kg得た。分析結果からこの固体の組成はM
gCl2 ・1.7EtOHであった。引き続いて得られ
た固体について、篩を用いて65μm未満の小粒子及び
180μmより大きい粒子を除去したところ、平均粒径
120μm、スパン1.0の固体8.9kgが得られ
た。
g中のエタノールを部分的に除去するために減圧乾燥器
に移し、267Paの減圧下で35℃で22時間、45
℃で6時間、53℃で20時間、連続的に乾燥して固体
を10.6kg得た。分析結果からこの固体の組成はM
gCl2 ・1.7EtOHであった。引き続いて得られ
た固体について、篩を用いて65μm未満の小粒子及び
180μmより大きい粒子を除去したところ、平均粒径
120μm、スパン1.0の固体8.9kgが得られ
た。
【0076】(2)実施例1の(2)において、固体成
分(C)に代えて上記(1)の方法で得た篩分け後の固
体8.9kgのうち8.6kg使用すること以外は同様
にして、最終の固体触媒成分を6.1kg得た。得られ
た最終の固体触媒成分の平均粒径は96μmでスパンは
1.4であり、四塩化チタンとフタル酸ジイソブチルと
の接触処理中に破砕が起きていた。
分(C)に代えて上記(1)の方法で得た篩分け後の固
体8.9kgのうち8.6kg使用すること以外は同様
にして、最終の固体触媒成分を6.1kg得た。得られ
た最終の固体触媒成分の平均粒径は96μmでスパンは
1.4であり、四塩化チタンとフタル酸ジイソブチルと
の接触処理中に破砕が起きていた。
【0077】(3)実施例1の(3)において、固体触
媒成分(F)に代えて上記(2)で得た最終の固体触媒
成分を用いること以外は同様にして予備活性化触媒を得
た。得られた予備活性化触媒を用いて実施例1の(3)
と同様にプロピレンの気相重合を行った。
媒成分(F)に代えて上記(2)で得た最終の固体触媒
成分を用いること以外は同様にして予備活性化触媒を得
た。得られた予備活性化触媒を用いて実施例1の(3)
と同様にプロピレンの気相重合を行った。
【0078】比較例8 (1)実施例1の(1)と同様にして固体成分(B)1
8.8kgを得た。得られた固体成分(B)18.8k
g中のエタノールを部分的に除去する際の条件を267
Paの減圧下で35℃で20時間、45℃で4時間、5
3℃で37時間連続して行ったこと以外は実施例1の
(1)と同様に行い、固体成分6.3kgを得た。分析
結果からこの固体成分の組成はMgCl2 ・0.2Et
OHであった。更に得られた固体成分について、篩を用
いて65μm未満の小粒子及び180μmより大きい粒
子を除去したところ、平均粒径118μm、スパン1.
1の固体成分4.5kgが得られた。引き続いて上記の
固体成分(B)の製造、および減圧乾燥と篩分けを別途
同様に繰り返し、固体成分を併せて9.0kg得た。
8.8kgを得た。得られた固体成分(B)18.8k
g中のエタノールを部分的に除去する際の条件を267
Paの減圧下で35℃で20時間、45℃で4時間、5
3℃で37時間連続して行ったこと以外は実施例1の
(1)と同様に行い、固体成分6.3kgを得た。分析
結果からこの固体成分の組成はMgCl2 ・0.2Et
OHであった。更に得られた固体成分について、篩を用
いて65μm未満の小粒子及び180μmより大きい粒
子を除去したところ、平均粒径118μm、スパン1.
1の固体成分4.5kgが得られた。引き続いて上記の
固体成分(B)の製造、および減圧乾燥と篩分けを別途
同様に繰り返し、固体成分を併せて9.0kg得た。
【0079】(2)実施例1の(2)において、固体成
分(C)に代えて上記(1)の方法で得た篩分け後の固
体成分を8.6kg使用すること以外は同様にして、最
終の固体触媒成分を8.4kg得た。得られた最終の固
体触媒成分の平均粒径は118μmでスパンは1.1で
あった。
分(C)に代えて上記(1)の方法で得た篩分け後の固
体成分を8.6kg使用すること以外は同様にして、最
終の固体触媒成分を8.4kg得た。得られた最終の固
体触媒成分の平均粒径は118μmでスパンは1.1で
あった。
【0080】(3)実施例1の(3)において、固体触
媒成分(F)に代えて上記(2)で得た最終の固体触媒
成分を用いること以外は同様にして予備活性化触媒を得
た。得られた予備活性化触媒を用いて実施例1の(3)
と同様にプロピレンの気相重合を行った。
媒成分(F)に代えて上記(2)で得た最終の固体触媒
成分を用いること以外は同様にして予備活性化触媒を得
た。得られた予備活性化触媒を用いて実施例1の(3)
と同様にプロピレンの気相重合を行った。
【0081】比較例9 (1)無水MgCl2 を10kg、乾燥エタノール7.
3kgを用いた以外は実施例1の(1)と同様にスプレ
ーを行い、固体成分13.7kgを得た。該固体成分の
分析結果から、この固体成分の組成はスプレー前の塩化
マグネシウムとエタノール混合物と同じMgCl2 ・
1.5EtOHであった。得られた固体成分の平均粒径
は190μm、スパンは2.3であり、凝集体および不
定形のものが多く含まれていた。
3kgを用いた以外は実施例1の(1)と同様にスプレ
ーを行い、固体成分13.7kgを得た。該固体成分の
分析結果から、この固体成分の組成はスプレー前の塩化
マグネシウムとエタノール混合物と同じMgCl2 ・
1.5EtOHであった。得られた固体成分の平均粒径
は190μm、スパンは2.3であり、凝集体および不
定形のものが多く含まれていた。
【0082】上記の工程で得られた固体成分13.7k
g中のエタノールを部分的に除去するために減圧乾燥器
に移し、267Paの減圧下で55℃で7時間乾燥して
固体を11.2kg得た。分析結果からこの固体の組成
はMgCl2 ・1.0EtOHであった。更に得られた
固体について、篩を用いて65μm未満の小粒子及び1
80μmより大きい粒子を除去し、平均粒径が122μ
m、スパンが1.2の固体4.5kgを得た。引き続い
て上記固体成分の製造及び減圧乾燥と篩分けを別途同様
に繰り返し、固体を併せて9.0kg得た。
g中のエタノールを部分的に除去するために減圧乾燥器
に移し、267Paの減圧下で55℃で7時間乾燥して
固体を11.2kg得た。分析結果からこの固体の組成
はMgCl2 ・1.0EtOHであった。更に得られた
固体について、篩を用いて65μm未満の小粒子及び1
80μmより大きい粒子を除去し、平均粒径が122μ
m、スパンが1.2の固体4.5kgを得た。引き続い
て上記固体成分の製造及び減圧乾燥と篩分けを別途同様
に繰り返し、固体を併せて9.0kg得た。
【0083】(2)実施例1の(2)において、固体成
分(C)に代えて上記(1)の方法で得た篩分け後の固
体を8.6kg使用すること以外は同様にして、最終の
固体触媒成分を8.4kg得た。得られた最終の固体触
媒成分の平均粒径は120μmでスパンは1.1であっ
た。
分(C)に代えて上記(1)の方法で得た篩分け後の固
体を8.6kg使用すること以外は同様にして、最終の
固体触媒成分を8.4kg得た。得られた最終の固体触
媒成分の平均粒径は120μmでスパンは1.1であっ
た。
【0084】(3)実施例1の(3)において、固体触
媒成分(F)に代えて上記(2)で得た最終の固体触媒
成分を用いること以外は同様にして予備活性化触媒を得
た。得られた予備活性化触媒を用いて実施例1の(3)
と同様にプロピレンの気相重合を行った。
媒成分(F)に代えて上記(2)で得た最終の固体触媒
成分を用いること以外は同様にして予備活性化触媒を得
た。得られた予備活性化触媒を用いて実施例1の(3)
と同様にプロピレンの気相重合を行った。
【0085】実施例2 (1)固体成分(C)の製造 無水MgCl2 を8kg、乾燥エタノール19.4kg
を用いたこと、および配管7から二流体ノズル8に導入
する加熱窒素流量を50dm3 /minとしたこと以外
は実施例1の(1)と同様にスプレーを行い、固体成分
(B)を21.9kg得た。該固体成分(B)の分析結
果から、この固体成分の組成はスプレー前の塩化マグネ
シウムとエタノール混合物(A)と同じMgCl2 ・
5.0EtOHであった。得られた固体成分(B)の平
均粒径は100μm、スパンは1.3であった。
を用いたこと、および配管7から二流体ノズル8に導入
する加熱窒素流量を50dm3 /minとしたこと以外
は実施例1の(1)と同様にスプレーを行い、固体成分
(B)を21.9kg得た。該固体成分(B)の分析結
果から、この固体成分の組成はスプレー前の塩化マグネ
シウムとエタノール混合物(A)と同じMgCl2 ・
5.0EtOHであった。得られた固体成分(B)の平
均粒径は100μm、スパンは1.3であった。
【0086】上記の工程で得られた固体成分(B)2
1.9kg中のエタノールを部分的に除去するために減
圧乾燥器に移し、267Paの減圧下で40℃で15時
間、更に50℃で3時間、引き続いて56℃で18時間
乾燥して固体成分(C)を11.0kg得た。分析結果
からこの固体成分(C)の組成はMgCl2 ・1.5E
tOHであった。該固体成分(C)について、篩を用い
て45μm未満の小粒子及び150μmより大きい粒子
を除去し、平均粒径91μm、スパン1.0の固体成分
(C)8.7kgを得た。
1.9kg中のエタノールを部分的に除去するために減
圧乾燥器に移し、267Paの減圧下で40℃で15時
間、更に50℃で3時間、引き続いて56℃で18時間
乾燥して固体成分(C)を11.0kg得た。分析結果
からこの固体成分(C)の組成はMgCl2 ・1.5E
tOHであった。該固体成分(C)について、篩を用い
て45μm未満の小粒子及び150μmより大きい粒子
を除去し、平均粒径91μm、スパン1.0の固体成分
(C)8.7kgを得た。
【0087】部分的にエタノールを除去した上記固体成
分(C)(MgCl2 ・1.5EtOH)のX線回折分
析を行った。回折角2θ=7.6度に新規なピークが現
れていたが、回折角2θ=8.8度のピークに比較して
その強度は1.5倍であった。
分(C)(MgCl2 ・1.5EtOH)のX線回折分
析を行った。回折角2θ=7.6度に新規なピークが現
れていたが、回折角2θ=8.8度のピークに比較して
その強度は1.5倍であった。
【0088】(2)オレフィン重合用固体触媒成分の製
造 実施例1の(2)において、固体成分(C)として、上
記(1)の方法で得た篩分け後の固体成分(C)を8.
6kg使用すること以外は同様にして、最終のオレフィ
ン重合用固体触媒成分である固体触媒成分(F)を5.
9kg得た。得られた固体触媒成分(F)の平均粒径は
88μmでスパンは1.0であった。
造 実施例1の(2)において、固体成分(C)として、上
記(1)の方法で得た篩分け後の固体成分(C)を8.
6kg使用すること以外は同様にして、最終のオレフィ
ン重合用固体触媒成分である固体触媒成分(F)を5.
9kg得た。得られた固体触媒成分(F)の平均粒径は
88μmでスパンは1.0であった。
【0089】(3)オレフィン重合体の製造 実施例1の(3)において固体触媒成分(F)として、
上記(2)で得た固体触媒成分(F)を用いること以外
は同様にして予備活性化触媒を得た。得られた予備活性
化触媒を用いて実施例1の(3)と同様にプロピレンの
気相重合を行った。
上記(2)で得た固体触媒成分(F)を用いること以外
は同様にして予備活性化触媒を得た。得られた予備活性
化触媒を用いて実施例1の(3)と同様にプロピレンの
気相重合を行った。
【0090】実施例3 (1)固体成分(C)の製造 無水MgCl2 を8kg、乾燥エタノール17.4kg
を用いること以外は実施例1の(1)と同様にスプレー
を行い、固体成分(B)を20.5kg得た。該固体成
分(B)の分析結果から、この固体成分の組成はスプレ
ー前の塩化マグネシウムとエタノール混合物(A)と同
じMgCl2 ・4.5EtOHであった。得られた固体
成分(B)の平均粒径は130μm、スパンは1.5で
あった。
を用いること以外は実施例1の(1)と同様にスプレー
を行い、固体成分(B)を20.5kg得た。該固体成
分(B)の分析結果から、この固体成分の組成はスプレ
ー前の塩化マグネシウムとエタノール混合物(A)と同
じMgCl2 ・4.5EtOHであった。得られた固体
成分(B)の平均粒径は130μm、スパンは1.5で
あった。
【0091】上記の工程で得られた固体成分(B)2
0.5kg中のエタノールを部分的に除去するために減
圧乾燥器に移し、267Paの減圧下で35℃で19時
間、更に45℃で4時間、引き続いて50℃で24時間
乾燥して固体成分(C)を13.5kg得た。分析結果
からこの固体成分(C)の組成はMgCl2 ・2.1E
tOHであった。該固体成分(C)について、篩を用い
て65μm未満の小粒子及び180μmより大きい粒子
を除去し、平均粒径120μm、スパン1.0の固体成
分(C)10.2kgを得た。
0.5kg中のエタノールを部分的に除去するために減
圧乾燥器に移し、267Paの減圧下で35℃で19時
間、更に45℃で4時間、引き続いて50℃で24時間
乾燥して固体成分(C)を13.5kg得た。分析結果
からこの固体成分(C)の組成はMgCl2 ・2.1E
tOHであった。該固体成分(C)について、篩を用い
て65μm未満の小粒子及び180μmより大きい粒子
を除去し、平均粒径120μm、スパン1.0の固体成
分(C)10.2kgを得た。
【0092】該固体成分(C)(MgCl2 ・2.1E
tOH)のX線回折分析を行った。回折角2θ=7〜8
度に新規なピークは現れていなかった。
tOH)のX線回折分析を行った。回折角2θ=7〜8
度に新規なピークは現れていなかった。
【0093】(2)オレフィン重合用固体触媒成分の製
造 実施例1の(2)において、固体成分(C)として、上
記(1)で得た篩分け後の固体成分(C)を8.6kg
使用すること、溶媒としてアイソパーEに代えてn−ヘ
プタンを使用とすること、電子供与体としてフタル酸ジ
イソブチルに代えてフタル酸ジ−n−ブチル1.8kg
を用いること、また固体成分(C)と四塩化チタンおよ
びフタル酸ジ−n−ブチルの接触温度を120℃とする
こと以外は同様にして、最終のオレフィン重合用固体触
媒成分である固体触媒成分(F)を5.5kg得た。得
られた固体触媒成分(F)の平均粒径は118μmで、
スパンは1.0であった。
造 実施例1の(2)において、固体成分(C)として、上
記(1)で得た篩分け後の固体成分(C)を8.6kg
使用すること、溶媒としてアイソパーEに代えてn−ヘ
プタンを使用とすること、電子供与体としてフタル酸ジ
イソブチルに代えてフタル酸ジ−n−ブチル1.8kg
を用いること、また固体成分(C)と四塩化チタンおよ
びフタル酸ジ−n−ブチルの接触温度を120℃とする
こと以外は同様にして、最終のオレフィン重合用固体触
媒成分である固体触媒成分(F)を5.5kg得た。得
られた固体触媒成分(F)の平均粒径は118μmで、
スパンは1.0であった。
【0094】(3)オレフィン重合体の製造 実施例1の(3)において、固体触媒成分(F)とし
て、上記(2)で得た固体触媒成分(F)を用いること
以外は同様にして予備活性化触媒を得た。得られた予備
活性化触媒を用いて実施例1の(3)と同様にプロピレ
ンの気相重合を行った。
て、上記(2)で得た固体触媒成分(F)を用いること
以外は同様にして予備活性化触媒を得た。得られた予備
活性化触媒を用いて実施例1の(3)と同様にプロピレ
ンの気相重合を行った。
【0095】以上の比較例5〜9、および実施例2〜3
の製造条件および重合結果を表2に示す。
の製造条件および重合結果を表2に示す。
【0096】
【表2】
【0097】
【発明の効果】本発明の主要な効果は、本発明の方法に
より得られたオレフィン重合用固体触媒成分、有機アル
ミニウム化合物、および必要に応じて電子供与体を組み
合わせた触媒をオレフィン重合に使用した場合に、運転
上の問題を発生させることなく、著しく高い重合活性で
もって、高立体規則性オレフィン重合体を長期間にわた
って安定生産できることである。前述した実施例1〜3
で明らかなように、本発明の方法により得られたオレフ
ィン重合用固体触媒成分は耐破砕性、粒度分布の狭さに
おいて優れている。特に該触媒成分を気相重合に用いた
場合には、比較的粒径が大きく、微粉重合体の発生も極
めて少なく、しかもかさ密度の高いオレフィン重合体粒
子を高重合活性でもって得ることが可能である。
より得られたオレフィン重合用固体触媒成分、有機アル
ミニウム化合物、および必要に応じて電子供与体を組み
合わせた触媒をオレフィン重合に使用した場合に、運転
上の問題を発生させることなく、著しく高い重合活性で
もって、高立体規則性オレフィン重合体を長期間にわた
って安定生産できることである。前述した実施例1〜3
で明らかなように、本発明の方法により得られたオレフ
ィン重合用固体触媒成分は耐破砕性、粒度分布の狭さに
おいて優れている。特に該触媒成分を気相重合に用いた
場合には、比較的粒径が大きく、微粉重合体の発生も極
めて少なく、しかもかさ密度の高いオレフィン重合体粒
子を高重合活性でもって得ることが可能である。
【0098】一方、本発明の方法以外の方法で得られた
固体触媒成分をオレフィン重合に適用すると、微粉重合
体の発生や重合活性が低い等の運転上の問題が生じるた
め、高立体規則性オレフィン重合体を安定して生産する
ことが不可能である(比較例1〜9)。
固体触媒成分をオレフィン重合に適用すると、微粉重合
体の発生や重合活性が低い等の運転上の問題が生じるた
め、高立体規則性オレフィン重合体を安定して生産する
ことが不可能である(比較例1〜9)。
【図1】本発明の方法を説明するための固体成分(B)
の製造装置の工程図である。
の製造装置の工程図である。
1:原料供給管 2:原料供給管 3:加圧窒素供給管 4:溶融槽 5:加熱ジャケット 6:溶融混合物(A)輸送管 7:加熱窒素供給管 8:二流体ノズル 9:スプレー塔 10:冷却ジャケット 11:不活性炭化水素溶剤(S1) 12:固体成分(B)収得配管 13:ガス排出管 14:サイクロン 15:ガス同伴固体成分(B)排出管 16:ガス排出管
【図2】実施例1で得られた固体成分(B)のX線回折
スペクトルを示す。
スペクトルを示す。
【図3】実施例1で得られた固体成分(C)のX線回折
スペクトルを示す。
スペクトルを示す。
【図4】比較例4で得られた固体成分(MgCl2 ・
1. 7EtOH)のX線回折スペクトルを示す。
1. 7EtOH)のX線回折スペクトルを示す。
【図5】本発明の方法を説明するためのオレフィン重合
体の製造工程図(フローシート)である。
体の製造工程図(フローシート)である。
Claims (4)
- 【請求項1】 a)マグネシウム化合物とアルコールの
混合物(A)を溶融状態でスプレー塔内にスプレーし、
この際スプレー塔内をアルコールの実質的な蒸発なしに
固体成分(B)が得られる温度に冷却することにより固
体成分(B)を得た後、該固体成分(B)からアルコー
ルを部分的に除去して固体成分(C)を得、しかる後固
体成分(C)にハロゲン含有チタン化合物および電子供
与体(E1)を接触させて固体成分(D)を得、更に固
体成分(D)にハロゲン含有チタン化合物を接触させて
得られる固体触媒成分(F)であって、下記ないし
の4項目の製造条件をすべて満足させて得られた該固体
触媒成分(F)ならびに 混合物(A)および固体成分(B)の組成式がMgC
l2 ・mROH(但し、Rは炭素数1〜10のアルキル
基を示し、m=3.0〜6.0である。)で示され、 固体成分(C)の組成式が、MgCl2 ・nROH
(但し、Rは炭素数1〜10のアルキル基を示し、n=
0.4〜2.8である。) で示され、 固体成分(C)のX線回折スペクトルにおいて、固体
成分(B)のX線回折スペクトルと比較して、回折角2
θ=7〜8度に新規なピークの発生がないこと、または
発生しても該新規ピークの強度が、該固体成分(C)の
X線回折スペクトルの回折角2θ=8.5〜9度に存在
する最大ピークの強度の2.0倍以下であること、更に 固体成分(C)へのハロゲン含有チタン化合物および
電子供与体の接触を沸点が90〜180℃である脂肪族
炭化水素溶媒(S)を用いて、110〜135℃の温度
下において実施すること、 b)有機アルミニウム化合物(AL)、および必要に応
じて c)電子供与体(E2) からなる触媒の存在下、オレフィンの1種以上を(共)
重合せしめることを特徴とするオレフィン(共)重合体
の製造方法。 - 【請求項2】 沸点が90〜180℃である脂肪族炭化
水素溶媒(S)がイソパラフィン混合物である請求項1
に記載の方法。 - 【請求項3】 固体触媒成分(F)の平均粒径が10〜
300μmである請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 オレフィン(共)重合体がケイ素を含ん
でいてもよい炭素数3以上のオレフィンの(共)重合
体、またはケイ素を含んでいてもよい炭素数3以上のオ
レフィンの1種以上とエチレンとの共重合体である請求
項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22266295A JPH08127616A (ja) | 1994-09-06 | 1995-08-07 | オレフィン重合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-238556 | 1994-09-06 | ||
JP23855694 | 1994-09-06 | ||
JP22266295A JPH08127616A (ja) | 1994-09-06 | 1995-08-07 | オレフィン重合体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08127616A true JPH08127616A (ja) | 1996-05-21 |
Family
ID=26524998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22266295A Pending JPH08127616A (ja) | 1994-09-06 | 1995-08-07 | オレフィン重合体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08127616A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008505227A (ja) * | 2004-07-05 | 2008-02-21 | チョングォシイヨウホワコングウフェンヨウシェンコンス | オレフィン重合のための球状触媒成分およびこれを含む触媒 |
-
1995
- 1995-08-07 JP JP22266295A patent/JPH08127616A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008505227A (ja) * | 2004-07-05 | 2008-02-21 | チョングォシイヨウホワコングウフェンヨウシェンコンス | オレフィン重合のための球状触媒成分およびこれを含む触媒 |
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