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JPH08106097A - 液晶配向膜および液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向膜および液晶表示素子

Info

Publication number
JPH08106097A
JPH08106097A JP24311894A JP24311894A JPH08106097A JP H08106097 A JPH08106097 A JP H08106097A JP 24311894 A JP24311894 A JP 24311894A JP 24311894 A JP24311894 A JP 24311894A JP H08106097 A JPH08106097 A JP H08106097A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
group
alignment film
bis
crystal alignment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24311894A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaji Tamai
正司 玉井
Yuichi Okawa
祐一 大川
Wataru Yamashita
渉 山下
Teruhiro Yamaguchi
彰宏 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP24311894A priority Critical patent/JPH08106097A/ja
Publication of JPH08106097A publication Critical patent/JPH08106097A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Liquid Crystal (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(1) (但し、X及びYは、同一または異なる水素原子、炭素
数1〜3のアルキル基、フッ素基、塩素原子またはトリ
フルオロメチル基を示し、これらの置換基の位置はオル
ソ位でもメタ位でもよく、またRは4価の芳香族基、4
価の脂肪族基または4価の芳香族性と脂肪族性の両方を
合わせもつ複合基を示す)で表される構造単位を有する
ポリイミドを主成分とする液晶配向膜。 【効果】 本発明によれば、ポリマー中の極性成分を少
なくして不純物の吸着を減らすことができるため、焼き
付けの少ない液晶配向膜が得られる。またこの膜を用い
て得られる液晶表示素子は焼き付けが少なく、安定で良
好な表示を行うことができる。また本発明の配向膜は、
電圧保持率の改良にも寄与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶配向膜および液晶
表示素子に関し、さらに詳しくはポリイミド骨格を持つ
液晶配向膜およびこれを用いて作られた液晶表示素子に
関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、上下で一対をなす電極
基板の表面で、ネマチック液晶分子の配列方向を90度
ねじったツイストネマチック(以下TNと略す)モード
が汎用されている。また上記のねじれ角を180〜30
0度と大きくしたものも、スーパーツイステッドネマチ
ック(以下STNと略す)モードとして知られている。
また、近年、液晶表示素子でマトリクス表示やカラー表
示等を行うための、多数の画素電極とこれらのONーO
FFを行う金属−絶縁層−金属からなる素子(以下MI
M素子という)や、電界効果型薄膜トランジスタ素子
(以下TFT素子という)を用いたアクティブ型ツイス
トネマチックモードの開発が盛んに行われている。これ
ら全てのモードに共通する問題は、同一画面を長時間表
示した後、他の画面に移ったときに前の画像が残像とし
て残る焼き付けが生じることである。特に高品質の液晶
表示素子を得るためには焼き付けの改善が非常に重要で
ある。これらの残像の原因は、液晶素子にDC成分が印
加されるために、液晶配向膜界面に液晶中に含まれる不
純物のイオン成分による電気二重層が生じ、上下基盤間
で電荷の偏りが生じ、その状態で安定に保たれることに
よる電位差が原因であると考えられる。特にTFT素子
においては、素子の特性上DC成分を除去することがで
きないので、この焼き付けの問題はTN、STNよりも
目立ちやすく深刻である。またTFTモードにおいて
は、画面のちらつきを防止するために高い電圧保持率が
要求される。このような液晶表示素子に使用される配向
膜としては、おもにポリイミドやポリアミドなどの有機
系の膜が用いられる。例えば特開昭51−65960号
公報には〔化4〕
【0003】
【化4】 で表される反復単位を有するポリイミド樹脂を用いた液
晶配向膜を備えた液晶表示素子が開示されている。しか
し、このような構造を有するポリイミド配向膜を用いて
得られるポリイミド配向膜を用いた素子では、焼き付き
がおきやすいという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題を解決し、有機質からなる薄膜をラビン
グ処理することによって、焼き付けが少なく、良好な液
晶配向性が得られる液晶配向膜および液晶表示素子を得
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は焼き付けが配
向膜表面に不純物イオンによる電荷が偏って安定化する
ために生じると考え、焼き付けをなくすべく、開発研究
を進めてきた。その研究の結果、焼き付けは配向膜の表
面の極性と相関があることを見いだした。そこで本発明
者らは、ポリマーの表面の極性を小さくすることによっ
て焼き付けをなくすべく、以下の構造の骨格を有する配
向膜を開発した。具体的には、ポリマー中に含まれる−
CO−、−SO2 −のような極性原子を含む結合を炭素
の結合に変え、かつアミンの分子量を大きくすることに
よってイミド基の割合を相対的に減らし、ポリマー中の
極性成分の割合を小さくした。すなわち、本願の第1発
明は、一般式(1)〔化5〕
【0006】
【化5】 (但し、X及びYは、同一または異なる水素原子、炭素
数1〜3のアルキル基、フッ素基、塩素原子またはトリ
フルオロメチル基を示し、これらの置換基の位置はオル
ソ位でもメタ位でもよく、またRは4価の芳香族基、4
価の脂肪族基または4価の芳香族性と脂肪族性の両方を
合わせもつ複合基を示す)で表される構造単位を有する
ポリイミドを主成分とする液晶配向膜である。
【0007】本願の第2発明は、一般式(2)〔化6〕
【0008】
【化6】 (但し、Rは4価の芳香族基、4価の脂肪族基または4
価の芳香族性と脂肪族性の両方を合わせ持つ複合基を示
す)で表されるテトラカルボン酸二無水物と一般式
(3)〔化7〕
【0009】
【化7】 (但し、X及びYは、同一または異なる水素原子、炭素
数1〜3のアルキル基、フッ素基、塩素原子またはトリ
フルオロメチル基を示し、これらの置換基の位置はオル
ソ位でもメタ位でもよい)で表されるジアミノ化合物と
を溶媒中で反応させて得られるポリアミド酸を脱水縮合
することにより得られるポリイミドを主成分とする液晶
配向膜である。
【0010】さらに本願の第3発明は、前記液晶配向膜
を用いてなる液晶表示素子である。本発明にもちいられ
るジアミン化合物の具体例を示すと、1,3−ビス[4
−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジ
ル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3
−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメ
チルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−ア
ミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼ
ン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフ
ェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
1,4−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノ
キシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3
−ビス[4−(3−アミノ−6−フルオロフェノキシ)
−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス
[4−(3−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,
α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−
(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメ
チルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−ア
ミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベン
ジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノ−6
−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベ
ンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノ−6−メチル
フェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、
1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメ
チルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼ
ン、1,4−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオ
ロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベ
ンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノ−6−トリフ
ルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジ
ル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノ−6−
トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベ
ンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)−(3−メチル)−α,α−ジメチルベンジ
ル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)−(3−メチル)−α,α−ジメチルベンジル]
ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチ
ルフェノキシ)−(3−メチル)−α,α−ジメチルベ
ンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノ−
6−メチルフェノキシ)−(3−メチル)−α,α−ジ
メチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)ベンジル]ベンゼン、1,4−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)ベンジル]ベンゼン、
1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンジ
ル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノ
キシ)ベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−
アミノ−6−フルオロフェノキシ)ベンジル]ベンゼ
ン、1,4−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフ
ェノキシ)ベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−
(3−アミノ−6−フルオロフェノキシ)ベンジル]ベ
ンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノ−6−フルオ
ロフェノキシ)ベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4
−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)ベンジル]ベ
ンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノ−6−メチル
フェノキシ)ベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−
(3−アミノ−6−メチルフェノキシ)ベンジル]ベン
ゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノ−6−メチルフ
ェノキシ)ベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−
(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)ベ
ンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノ−
6−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンジル]ベンゼ
ン、1,3−ビス[4−(3−アミノ−6−トリフルオ
ロメチルフェノキシ)ベンジル]ベンゼン、1,4−ビ
ス[4−(3−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノ
キシ)ベンジル]ベンゼン、などを挙げることができ
る。
【0011】本発明に用いられるテトラカルボン酸二無
水物には、芳香族系、脂肪族系、および芳香属性と脂肪
属性を合わせ持つ複合系のいずれを用いても良い。特に
限定されるものではないが、具体例を例示すると、ピロ
メリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフ
タレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(ジカルボキシ
フェニル)エーテル二無水物、ビス(ジカルボキシフェ
ニル)スルホン二無水物、ビス(ジカルボキシフェニ
ル)メタン二無水物、ビス(ジカルボキシフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン二無水物、シクロブタンテトラカ
ルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二
無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ジ
シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ジシクロペ
ンタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(ジカルボキシ
シクロヘキシル)エーテル二無水物、ビス(ジカルボキ
シシクロヘキシル)スルホン二無水物、ビス(ジカルボ
キシシクロヘキシル)メタン二無水物等が挙げられる。
【0012】本発明の液晶配向膜において、基板への密
着性をよくするために、アミノシリコン化合物またはジ
アミノシリコン化合物を導入することができる。該シリ
コン化合物を導入した液晶配向膜の具体例としては、一
般式(4)〔化8〕
【0013】
【化8】 および/または一般式(5)〔化9〕
【0014】
【化9】 で表される構造単位(但し、一般式(4)および(5)
において、Zは炭素数1〜3のアルキレン基、R2 は炭
素数1〜6のアルキル基、Rは4価の芳香族基、4価の
脂肪族基または4価の芳香族性と脂肪族性の両方を合わ
せ持つ複合基、mは0〜4の整数を示す)を0.1〜5
0モル%、好ましくは0.1〜20モル%を含む液晶配
向膜が挙げられる。
【0015】導入されるアミノシリコン化合物の具体例
としては、以下の化合物を挙げることができる。まず一
般式(4)で表される構造単位を生成するためのアミノ
シリコン化合物〔化10〕としては、
【0016】
【化10】 などを挙げることができる。
【0017】これらのアミノシリコン化合物をポリイミ
ド系高分子に導入する場合、前記一般式(3)で表され
るジアミン化合物50モル%以下、好ましくは20モル
%以下をアミノシリコン化合物で置き換えて用いること
ができる。また一般式(5)で表される構造単位を生成
するためのジアミノシリコン化合物〔化11〕として
は、
【0018】
【化11】 (但し、式中mは0〜4の整数を示す)等を挙げること
ができ、これらジアミノシリコン化合物をポリイミド系
高分子に導入する場合、前記一般式(3)で表されるジ
アミン化合物の50モル%以下、好ましくは20モル%
以下をジアミノシリコン化合物で置き換えて用いること
ができる。
【0019】本発明の液晶配向膜を基板上に設けるに
は、一般にポリイミド化合物は溶媒に不溶であるため、
この前駆体デあるテトラカルボン酸二無水物とジアミン
化合物の縮合によって得られるポリアミド酸を溶媒に溶
かして基板上に塗布する。具体的には、ポリアミド酸を
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセ
トアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ダイグライ
ム、ブチルセロソルブ、エチルカルビトールなどの溶剤
に溶解し、0.1〜30重量%溶液、好ましくは1〜1
0重量%溶液に調製し、この溶液を刷毛塗り法、浸積
法、回転塗布法、スプレ−法、印刷法などにより塗布
し、基板上に塗膜を形成する。塗膜後、50〜400℃
で、好ましくは150〜350℃、さらに好ましくは1
80〜280℃で加熱処理を行い、溶媒除去と、脱水閉
環反応をおこなわせてポリイミド系高分子膜からなる液
晶配向膜を設ける。もし得られた高分子膜の基板への密
着性が良好でない場合には、事前に基板表面上にシラン
カップリング剤で表面処理を行った後、高分子膜を形成
することによりこれを改善できる。しかる後この被膜面
を布などで一定方向にラビングして液晶配向膜を得る。
【0020】この基板上には通常、電極、具体的にはI
TO(酸化インジウム−酸化スズ)などの透明電極が形
成されている。更に、この電極の下に基板からのアルカ
リの溶出を防止する目的で絶縁膜、偏光板、カラーフィ
ルターなどのアンダーシート膜を形成していてもよく、
また電極の上には絶縁膜、カラーフィルター膜、光透過
防止膜などのオーバーコート膜を形成してもよい。これ
らの電極、アンダーコート、オーバーコートその他のセ
ル無いの構成要素は、従来の液晶素子の構成が適用可能
である。このような基板を用いてセルを作り、液晶を注
入した後、注入口を封止する。または、液晶を基板上に
散布した後、基板を重ね合わせ、液晶が漏れないように
密封してもよい。注入される液晶としては、通常のネマ
チック液晶の他、二色性色素を添加した液晶など種々の
液晶が使用できる。
【0021】本発明のポリイミド系ポリマーを主成分と
する配向膜は、焼け付けを低減するように作用する。こ
の理由は明確ではないが、ポリマーの極性成分の割合が
小さいので、不純物イオンなどを吸着保持しにくくなる
ためと考えられる。本発明の液晶表示素子は、焼け付け
の少ない配列制御膜を備え手いることが特徴であり、電
圧保持率も高い。液晶の配向性はもちろん良好で、従来
構造のポリイミドと同程度のプチルト角をもたせること
も可能である。以下、本発明を実施例によりさらに詳し
く説明するが、本発明ではこれらの実施例に限定される
ものではない。
【0022】なお、各実施例において、焼き付けの度合
いは、C−Vカーブ法を用いて測定した。C−Vカーブ
法は、液晶セルに電圧V=±10Vの三角波(周波数
0.0036Hz)を印加し、これに25mV、1KH
zの交流を重たんさせて掃引し、かくして変化する容量
Cを記録するものである。ここで、電圧をまず正側に掃
引すると、容量が大きくなる。次に負側に掃引すると容
量は小さくなり最小値をとる。0より負側に掃引する
と、また容量は大きくなり、次に正側に掃引するとまた
小さくなる。数サイクル後の波形は図1のようになる。
ここで液晶配向膜界面に電荷の偏りが生じ安定化した場
合、電圧が正側、負側両方においてヒステリシスカーブ
を描く。残留電荷は、正側、負側両方でC−V曲線に接
線をに2本ずつ引き、これらとそれぞれV=0のときの
容量(C0)との交点(α1 〜α4)を求め、正側は正側、
負側は負側で各2点間の電圧差を求めた後、これらの平
均の電位差を求めることにより決定される。この値はセ
ルの膜厚および配向膜の膜厚が同じであれば、電荷の偏
り安定化のパラメーターとなる。すなわち、ヒステリシ
スの大きさが小さい配向膜を用いるほど焼き付けは小さ
くできる。
【0023】電圧保持率の測定は、図2(I)に示す回
路を用いて行った。該回路において、ゲートパルス幅6
9μs、周波数60Hz、波高±4.5Vの短形波Vs
をソースに印加し、ドレインの電圧VD をモニターす
る。図2(II)からも明かなように、ここで正の電圧パ
ルスVS1がかかると、次に負のパルスVS2がかかるまで
の間の電圧は正の値を示しているので、V=0とモニタ
ーした電圧VD (正の値)とで囲まれる面積(斜線部
分)を積分する。このような測定を4回行い面積の平均
値をとる。まったく電圧が減少しなかった場合の面積を
100%として、これに対する面積の相対値を算出し、
これを電圧保持率(%)とする。また、プレチルト角の
測定はクリスタルローテーション法を用いて行った。
【0024】
【実施例1】撹拌装置、温度計、コンデンサーおよび窒
素置換装置を付した200mlの4つ口フラスコに脱水
精製したN−メチル−2−ピロリドン50ml,ついで
1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α
−ジメチルベンジル]ベンゼン8.79gを仕込み撹拌
溶解した。これに溶液温度が20℃を越えないように注
意しながらピロメリット酸二無水物4.36gを装入し
撹拌を続けた。1時間後、パラアミノフェニルトリメト
キシシラン0.11gを加えて20℃で1時間撹拌反応
させた。その後、反応溶液をN−メチル−2−ピロリド
ン(NMP)60mlで希釈することにより、25℃に
おける溶液粘度2050センチポイズのポリアミド酸溶
液を得た。この溶液をブチルセロソルブ:NMP=1:
1の混合溶液で3重量%濃度になるように希釈した後、
片面にITO電極を設けた透明ガラス基板上に回転塗布
法(スピナー法)で塗布した。回転条件は5000rp
m,15秒であった。塗膜後100℃で10分乾燥した
後、オーブン中で1時間かけて200℃まで昇温を行
い、200℃で90分間加熱処理を行い、膜厚約600
Aのポリイミドを得た。このポリイミド膜が形成された
基板2枚の塗膜面をそれぞれラビング処理して液晶配向
膜とし、ラビング方向が平行で、かつ互いに対向するよ
うにセル厚6ミクロンの液晶セルを組立て、TFT用液
晶FB01(チッソ社製商品名)を封入した。封入後1
20℃で30分間アイソトロピック処理を行い、室温ま
で徐冷して液晶素子を得た。なおプレチルト角の測定に
は、メルク社の液晶ZLI−1132を入れたセル厚2
0ミクロンの液晶セルを同様にして作製して用いた。こ
の液晶素子の配向性は良好であり、この液晶のプレチル
ト角は3.6度であった。またこのセルの残留電荷な2
5℃で0.07、電圧保持率は97.5%であった。
【0025】
【実施例2】実施例1における1,3−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベ
ンゼン8.79gを1,3−ビス[4−(4−アミノ−
6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチ
ルベンジル]ベンゼン11.10gに変更した以外は実
施例1と全く同様にして液晶セルを作製した。この液晶
素子の配向性は良好であり、この液晶のプレチルト角は
1.6度であった。またこのセルの残留電荷は25℃で
0.05、電圧保持率は98.1%であった。
【0026】
【実施例3】実施例1における1,3−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベ
ンゼン8.79g、ピロメリット酸二無水物4.36g
を1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロ
メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベン
ゼン11.10g、ビス(3,4−ジカルボキシフェノ
キシ)−1、1、1、3、3、3−ヘキサフルオロプロ
パン二無水物8.88gに変更した以外は実施例1と全
く同様にして液晶セルを作製した。この液晶素子の配向
性は良好であり、この液晶プレチルト角は1.3度であ
った。またこのセルの残留電荷は25℃で0.04、電
圧保持率は98.9%であった。
【0027】
【比較例1】4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
3.46gとピロメリット酸二無水物4.36gとパラ
アミノフェニルトリメトキシシラン0.11gを重合
し、ポリアミド酸溶液を得た。この溶液をブチルセロソ
ルブ:NMP=1:1の混合溶液で希釈した後、片面に
ITO電極を設けた透明ガラス基盤上に回転塗布法(ス
ピナー法)で塗布した。回転条件は3000rpm、1
5秒であった。塗膜後100℃で10分乾燥した後、オ
ーブン中で一時間かけて200℃まで昇温を行い、20
0℃で90分間加熱処理を行い、膜厚約600Aのポリ
イミドを得た。このポリイミド膜が形成された基盤2枚
の塗膜面をそれぞれラビング処理して液晶配向膜とし、
ラビング方向が平行で、かつ互いに対向するようにセル
厚6ミクロンの液晶セルを組立、TFT用液晶FB01
(チッソ社製商品名)を封入した。封入後120℃で3
0分間アイソトロピック処理を行い、室温まで徐冷して
液晶素子を得た。なおプレチルトかくの測定には、メル
ク社の液晶ZLI−1132を入れたセル厚20ミクロ
ンの液晶セルを同様にして作製して用いた。この液晶素
子の配向性は良好であり、この液晶のプレチルト角は
0.5度であった。しかし、このセルの残留電荷は25
℃で0.90電圧保持率78.0%であった。
【0028】
【発明の効果】本願の第1〜3発明によれば、ポリマー
中の極性成分を少なくして不純物の吸着を減らすことが
できるため、焼き付けの少ない液晶配向膜が得られる。
またこの膜を用いて得られる液晶表示素子は焼き付けが
少なく、安定で良好な表示を行うことができる。また本
発明の配向膜は、電圧保持率の改良にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】C−Vヒステリシス曲線を示す図である。
【図2】電圧保持率を測定する回路図である。
フロントページの続き (72)発明者 山口 彰宏 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)〔化1〕 【化1】 (但し、X及びYは、同一または異なる水素原子、炭素
    数1〜3のアルキル基、フッ素基、塩素原子またはトリ
    フルオロメチル基を示し、これらの置換基の位置はオル
    ソ位でもメタ位でもよく、またRは4価の芳香族基、4
    価の脂肪族基または4価の芳香族性と脂肪族性の両方を
    合わせもつ複合基を示す)で表される構造単位を有する
    ポリイミドを主成分とする液晶配向膜。
  2. 【請求項2】 一般式(2)〔化2〕 【化2】 (但し、Rは4価の芳香族基、4価の脂肪族基または4
    価の芳香族性と脂肪族性の両方を合わせ持つ複合基を示
    す)で表されるテトラカルボン酸二無水物と一般式
    (3)〔化3〕 【化3】 (但し、X及びYは、同一または異なる水素原子、炭素
    数1〜3のアルキル基、フッ素基、塩素原子またはトリ
    フルオロメチル基を示し、これらの置換基の位置はオル
    ソ位でもメタ位でもよい)で表されるジアミノ化合物と
    を溶媒中で反応させて得られるポリアミド酸を脱水縮合
    することにより得られるポリイミドを主成分とする液晶
    配向膜。
  3. 【請求項3】 請求項1ないし2記載の液晶配向膜を用
    いてなる液晶表示素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6620339B1 (en) 1997-12-29 2003-09-16 Chisso Corporation Polyamic acid composition, liquid crystal aligning film, and liquid crystal display element
KR100412080B1 (ko) * 1996-07-08 2004-05-24 삼성에스디아이 주식회사 액정표시소자의배향막형성용조성물
JP2020164442A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 セイカ株式会社 5つの芳香環を有するジアミノ又はジニトロベンゼン化合物、およびその製造方法、並びにポリイミド

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