[go: up one dir, main page]

JPH08104835A - 塗料組成物および意匠塗膜形成方法 - Google Patents

塗料組成物および意匠塗膜形成方法

Info

Publication number
JPH08104835A
JPH08104835A JP6264598A JP26459894A JPH08104835A JP H08104835 A JPH08104835 A JP H08104835A JP 6264598 A JP6264598 A JP 6264598A JP 26459894 A JP26459894 A JP 26459894A JP H08104835 A JPH08104835 A JP H08104835A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
coating film
pigment
lanthanum
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6264598A
Other languages
English (en)
Inventor
Michinosuke Nakada
理之介 中田
Eizo Niimi
英造 新美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP6264598A priority Critical patent/JPH08104835A/ja
Publication of JPH08104835A publication Critical patent/JPH08104835A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 深み感のある紫紅色系の高級色調塗膜を形成
することができる新規な塗料組成物と、これを用いた意
匠性塗膜形成方法を提供する。 【構成】 (1) ビヒクルおよびホウ化ランタンを含有す
る塗料組成物。(2) ビヒクル、ホウ化ランタンおよび光
輝性顔料を含有する塗料組成物。(3) 基材面にマンセル
表示系における明度がN−2以下の着色塗料を塗布する
下地塗膜形成工程と、下地塗膜面に前記(1) の着色塗料
を塗布する上塗り形成工程を、順次に施す意匠性塗膜形
成方法。(4) 基材面にマンセル表示系における明度がN
−2以下の着色塗料を塗布する下地塗膜形成工程と、下
地塗膜面に前記(2) の着色塗料を塗布する上塗り形成工
程を、順次に施す意匠性塗膜形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の車体およびそ
の部品類、自転車、家電製品、建材など各種の被塗基材
に、深みのある紫紅色系の高級色調塗膜を形成すること
ができる新規な塗料組成物および意匠性塗膜の形成方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紫紅色系の色調を現出する塗料用
顔料として、青味と紫味をもったキナクリドン系の赤色
顔料〔例えば、商品名“シンカシヤマゼンタB343
D”(チバガイギー社製)〕が知られている。しかし、
この顔料は黒色その他の着色顔料と混色して使用される
ため、明度の低下や濁りが発生し、深み感を有する色調
塗膜を得ることは困難である。また、これに光輝感を付
与するために二酸化チタンを被覆したマイカのような光
輝材を配合するとシェード部での白ぼけを生じ、該白ぼ
けの発生を抑止するために黒色顔料を添加した場合には
全体が黒く濁る現象を招く欠点がある。
【0003】一方、塗膜にパール調光沢感の光輝性を付
与するための塗料成分としてマイカ顔料が汎用されてお
り、塗膜の形成は該マイカ顔料を含む塗料を着色したカ
ラー中塗り塗膜上に塗布し、さらにクリヤーコートを形
成する3コート系の複層塗膜形成法によって行われてい
る。このような複層塗膜を形成するにあたり、より意匠
性を高める目的で、中塗り塗膜からなる下地塗膜の明度
を特定の範囲に設定する塗装技術が提案されている。
【0004】例えば特開昭61−37423号公報に
は、マンセルカラーチャートでN−4〜N−8のカラー
ベース上に6〜13%(樹脂固形分比)の主として二酸
化チタンからなる金属酸化物で被覆した雲母を含む透明
な干渉コートを塗装し、さらにトップクリヤーコートを
塗装する被覆方法が、特開昭63−143975号公報
には、明度がマンセル値N1〜N6の中塗り塗膜から成
る下地塗膜の上に、粒径が0.1〜30μm のコーティ
ングマイカ1〜30重量%を含有するマイカベース塗料
をエアー霧化型静電塗装装置で2ステージ以上にて塗布
し、かつこのマイカベース塗料が未硬化の間に、クリヤ
ー塗料をウエットオンウエットで塗装する自動車上塗り
塗装方法が開示されている。また、特開平1−2153
80号公報には、基体上に形成されたカラーベース層お
よび該カラーベース層上に形成されたマイカベース層を
もつ積層塗装物において、カラーベース層がマイカベー
ス層の明度よりもL*値で10〜30低い明度をもつ意
匠性に優れた積層塗装物が提案されている。
【0005】しかしながら、これらの塗装技術では深み
感を呈する意匠性に優れた塗膜を形成することはでき
ず、また紫紅色系の色調を得ることについては意図され
ていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、深み感
のある紫紅色系の塗膜を形成することを課題として鋭意
研究を重ねた結果、従来、塗料成分として着目されてい
なかったホウ化ランタンをビヒクルに含有させると前記
の課題が解決され、これに光輝性顔料を添加すると深み
感と光輝感を同時に発現する紫紅色の塗膜が得られるこ
とを確認した。更に、下地塗膜のマンセル表示系におけ
る明度をN2以下にしてビヒクルとホウ化ランタンを含
有する着色上塗り塗膜を形成すると、前記の色調を備え
る高級感のある意匠性塗膜を形成し得ることを解明し
た。
【0007】本発明は、かかる解明知見に基づいて開発
されたもので、その目的は、深み感のある紫紅色系の高
級色調塗膜を形成することができる新規な塗料組成物お
よびその塗料組成物を用いた意匠性塗膜形成方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による塗料組成物は、ビヒクルおよびホウ化
ランタンを含有することを構成上の特徴とする。また、
本発明の塗料組成物における別の組成系は、ビヒクル、
ホウ化ランタンおよび光輝性顔料を含有することを特徴
とする。
【0009】本発明の塗料組成物を構成するビヒクルと
しては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド
樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂から選ばれた
少なくとも1種の熱硬化性樹脂と、アミノ樹脂および/
または(ブロック)イソシアネートなどの架橋剤を混合
したものが使用される。、これら樹脂は1種に限らず2
種以上を組み合わせて使用することもできる。このほ
か、常温乾燥で硬化可能な2液型ポリウレタン樹脂やシ
リコーン樹脂などを用いることもできる。
【0010】ホウ化ランタンは紫紅色を発色させる着色
成分となるもので、LaB4 (四ホウ化ランタン)また
はLaB6 (六ホウ化ランタン)のいずれか、もしくは
これらの混合物が用いられる。これらのホウ化ランタン
は、本来的に紫紅色の金属光沢を備える立方晶系の結晶
で、通常、粉末として市販されている。性状は、LaB
6 で密度4.76g/cm3 、融点2720℃、電気比抵抗
8.9×10-6Ωcm(20 ℃) の特性を有しており、高硬
度で耐熱性、耐摩耗性に優れるセラミック質の材料であ
る。従来、例えば電子顕微鏡の陰極のような熱電子放射
材として実用されているが、塗料用の顔料として注目さ
れたことはない。
【0011】ホウ化ランタンの合成法としては、金属ラ
ンタンと金属硼素を直接固相反応させる方法や、酸化ラ
ンタンと金属ホウ素または/および炭素とを固相反応さ
せる方法もあるが、LaB6 を例に挙げると、工業的に
は酸化ランタンと酸化ホウ素との混合物を炭素で還元し
ながら下記(1) 式の固相還元反応により合成する方法、
または酸化ランタンと炭化ホウ素とを下記(2) 式の固相
還元反応により合成する方法が採られる。
【0012】 La2 3 +6B2 3 +21C→2LaB6 +21CO …(1) La2 3 +3B4 C→2LaB6 +3CO …(2)
【0013】ホウ化ランタンは、粒径0.1〜15μm
、好ましくは0.1〜5μm の微粉末とし、ビヒクル
固形分100重量部に対し5〜50重量%、好ましくは
5〜35重量%の範囲で配合分散する。この配合量が5
重量%未満では正常な紫紅色系の発色が得られず、50
重量%を越えると外観が低下する傾向を招く。
【0014】塗膜に光輝性を付与する場合にホウ化ラン
タンとともにビヒクルに添加する光輝性顔料としては、
鱗片状アルミニウム顔料、パールマイカ顔料と言われる
金属酸化物をコーティングした雲母顔料、板状酸化鉄顔
料、金属メッキガラスフレーク顔料、グラファイトなど
を挙げることができる。鱗片状アルミニウム顔料を使用
する場合の粒径は1〜50μm 、好ましくは5〜40μ
m 、より好ましくは10〜20μm の範囲に調整し、パ
ールマイカ顔料その他の光輝性顔料は粒径1〜44μm
、好ましくは5〜40μm の範囲に調整して使用に供
する。
【0015】ビヒクル、ホウ化ランタンおよび光輝性顔
料の3成分系における配合組成は、ビヒクル樹脂固形分
100重量部に対しホウ化ランタン5〜50重量部、好
ましくは5〜35重量部、光輝性顔料0.1〜10重量
部、好ましくは0.1〜6重量部の範囲に設定する。光
輝性顔料の前記配合量が0.1重量部未満では光輝性が
十分発現せずに塗膜にむらが生じ易くなり、10重量部
を越えるとホウ化ランタンによる紫紅色の発色が阻害さ
れる。ホウ化ランタンは、予めSGミル等によりビヒク
ルの一部と分散しておくことが好ましい。
【0016】ホウ化ランタンを含有する上記の塗料組成
物を用いて意匠性塗膜を形成するための本発明の方法
は、基材面にマンセル表示系における明度がN−2以下
の着色塗料を塗布する下地塗膜形成工程と、下地塗膜面
にビヒクルおよびホウ化ランタンを含有する着色塗料を
塗布する上塗り塗膜形成工程を、順次に施すことを構成
上の特徴とする。また、別態様の意匠性塗膜形成方法
は、基材面にマンセル表示系における明度がN−2以下
の着色塗料を塗布する下地塗膜形成工程と、下地塗膜面
にビヒクル、ホウ化ランタンおよび光輝性顔料を含有す
る着色塗料を塗布する上塗り塗膜形成工程を、順次に施
す構成からなる。
【0017】下地塗膜形成工程は、基材面にマンセル表
示系の明度がN−2以下の着色塗料を塗布し、好ましく
は無彩色の下地塗膜層を形成する工程である。着色顔料
としては、典型的には白色に酸化チタン、黒色にカーボ
ンブラックを使用して明度をN−1〜N−2の範囲に調
色するが、その他の塗料用に常用される有機系、無機系
の各種体質顔料も使用可能である。塗膜形成用樹脂に
は、上述したホウ化ランタンを含有する塗料組成物のビ
ヒクルと同様の樹脂類、すなわちアクリル樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アルキッド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹
脂、ポリカーボネート樹脂などの基本樹脂に、アミノ樹
脂やブロックイソシアネート等の架橋剤を混合した系が
用いられる。このほか、常温乾燥により硬化する2液型
ポリウレタン樹脂やシリコーン樹脂などを用いることも
できる。
【0018】なお、下地塗膜形成用塗料は有機溶媒型が
一般的であるが、これに限られるものではなく非水分散
液型、水溶液型、分散液型など各種の形態として塗料構
成することができる。塗装に際しては、有機溶媒、水等
の溶媒で塗装適性粘度に希釈して用いるが、塗装時の固
形分は10〜50重量%が好ましい。また、通常、塗料
用に使用される各種の添加剤を使用してもよい。形成す
る下地塗膜の乾燥膜厚は25〜50μm 、好ましくは3
0〜40μm の範囲である。下地塗膜は、上塗り塗料の
塗布前に焼き付け硬化することが一般的であるが、焼き
付けすることなく溶剤をフラッシュオフしただけで上塗
り塗布を行ってもよい。
【0019】ついで、下地塗膜面にビヒクルおよびホウ
化ランタンを含有する組成の着色塗料、またはビヒク
ル、ホウ化ランタンおよび光輝性顔料を含有する組成の
着色塗料を塗布して上塗り塗膜を形成する上塗塗膜形成
工程が施される。上塗り塗料の組成は上述したとおりで
あるが、これら主要成分のほか、従来の塗料組成物に常
用されている各種の添加剤を任意に配合することができ
る。添加剤としては、例えばドデシルベンゼンスルホン
酸等の硬化触媒、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収
剤、ベンゾフェノール系の酸化防止剤、シリコーンや有
機高分子等の表面調整剤、タレ止め剤、増粘剤などが挙
げられる。これらの成分は、通常、塗膜形成用樹脂10
0重量部に対し5重量部以下の配合量で塗料や塗膜の性
能を改善することができる。更に、本発明の効果を損ね
ない範囲で、塗料に常用される有機系または無機系の各
種着色顔料および体質顔料を使用するは可能である。
【0020】なお、上塗り塗料は有機溶媒型が一般的で
あるが、これに限られるものではなく非水分散液型、水
溶液型、分散液型など各種の形態として塗料構成するこ
とができる。塗装に際しては、有機溶剤、水等の溶媒で
塗装適性粘度に希釈して用いるが、塗装時の固形分は1
0〜50重量%が好ましい。また、形成する上塗り塗膜
の乾燥膜厚は、通常10〜30μm である。
【0021】上塗り塗膜面には、更にクリヤー塗料をト
ップコートすることが好ましい。クリヤー塗料としては
一般に常用される透明性樹脂が使用されるが、必要に応
じ透明性を損ねない範囲で着色顔料や各種添加成分を配
合してもよい。形成するトップコートの好ましい乾燥膜
厚は30〜60μm であるが、2回塗装を行ってもよ
い。
【0022】本発明の塗膜形成対象となる被塗基材は、
鉄、アルミニウム、銅もしくはこれらの合金を含む金属
類を始めとして、ガラス、セメント、コンクリートなど
の無機材料、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリアクリル、ポ
リエステル、エチレン−ポリビニルアルコール共重合
体、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボ
ネート、ポリウレタン等の樹脂成形品および各種FRP
などのプラスチック材料、木材、繊維材料が該当する。
なお、これら被塗基材に予め適宜なアンダーコートやプ
レコート処理を施すことは任意である。
【0023】塗装は被塗基材に直接行うこともできる
が、例えば自動車の塗装等においては一般に表面化成処
理後に電着塗料などによる下塗り塗装し、電着塗膜が硬
化した後に下地塗膜形成用塗料および上塗り塗料を塗装
する。塗装操作は霧化式塗装機を用い、エアスプレー塗
装、静電塗装などによって行われる。クリアー塗装は、
ウエットオンウエットで行われ、上塗り塗膜と同時に焼
付け硬化してトップコートを形成する。
【0024】このようにして形成される複層塗膜は、図
1に示すように被塗基材1の上に、明度N−2以下の下
地塗膜2、ビヒクルとホウ化ランタンもしくはこれに光
輝性顔料を含有する組成の上塗り塗膜3、およびクリヤ
ー塗膜層4が順次に形成された複層塗膜となる。
【0025】
【作用】本発明は、第1にホウ化ランタンを発色成分に
採択した点と、第2にシェード部でホウ化ランタン特有
の紫紅色を十分に発現する深み感のある色調を呈し、同
時にハイライト部において優れた光輝性を発揮する高級
塗膜の形成を可能にした点に特徴づけられる。
【0026】すなわち、ホウ化ランタンはこれまで塗料
用材料として全く注目されていなかったが、本発明に従
えば該ホウ化ランタン特有の発色色素をビヒクルに分散
させることにより紫紅色系の色調を呈する新規な塗料組
成物の提供が可能となる。そして、前記組成の塗料を予
め被塗基材上に形成した明度N−2以下に着色された下
地塗膜面に塗布する方法により、下地塗膜の吸収効果が
発揮され、ホウ化ランタンの紫紅色を鮮明に発色させる
ことが可能となるため、フリップフロップでシェード部
においても白ぼけ感や底濁り感のない深みのある塗膜を
形成することができる。更に、塗料成分に光輝性顔料を
配合すると、ハイライト部で光輝性顔料の干渉色とホウ
化ランタンの紫紅色が混じり合って、深み感と共に光輝
感を同時に発現し、かつカラーフロップのある高級色調
の紫紅色系塗膜が形成される。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。各実施例で適用した中塗り塗料(下地
塗料)、上塗り塗料および光輝性顔料等は下記のとおり
である。なお、各成分の配合量は全て固形分の重量部と
して示した。
【0028】(1) 中塗り塗料(下地塗料) “オルガS−90シーラーブラック”〔日本ペイント
(株)製〕と“オルガS−90シーラーホワイト”〔日
本ペイント(株)製〕を用い、マンセル表示系における
明度がN−1、N−2、N−4になるように調色した中
塗り塗料を調製した。 (2) 上塗り塗料 ホウ化ランタンとして、粒径10μm 以下のLaB6
末を用いた。樹脂固形分60重量部、LaB6 40重量
部、溶剤(トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチ
ル=70/15/10/5) 90重量部の組成となるように混合
し、SGミルにより十分に分散処理して上塗り塗料を調
製した。ビヒクルとなる樹脂としては、スチレン/メチ
ルメタアクリレート/エチルアクリレート・ヒドロキシ
エチルメタアクリレート/メタアクリル酸の共重合体
で、数平均分子量20000、水酸基価45、酸価1
5、固形分50%のアクリル樹脂、および“ユーバン2
0SE”〔三井東圧化学(株)製、固形分60%〕の商
品名で市販されているメラミン樹脂を用いた。
【0029】光輝性顔料(表1〜4への表示は冒頭記号
による); (Al−箔):鱗片状アルミ顔料“アルペースト7640”
〔東洋アルミニウム(株)製〕 (Mica-1) :二酸化チタン被覆雲母顔料“イリオジン10
3 WII”〔メルクジャパン社製、シルバー干渉マイカ〕 (Mica-2) :二酸化チタン被覆雲母顔料“エクステリア
マーリンスーパーブルー”〔マール社製、ブルー干渉マ
イカ〕 (Mica-3) :二酸化チタン被覆雲母顔料“エクステリア
マーリンスーパーレッド”〔マール社製、レッド干渉マ
イカ〕 (Mica-4) :酸化鉄被覆雲母顔料“NPブラックNブル
ーWII”〔メルクジャパン社製、ブラック干渉マイカ〕
【0030】実施例1〜9、比較例1 上記の各成分を表1〜3に示す組成比率で配合形成した
上塗り塗料を用い、以下の塗装工程で下地塗膜上に塗装
した。リン酸亜鉛で化成処理した厚さ0.8mmのダル鋼
板基材に、カチオン電着塗料〔日本ペイント(株)製、
“パワートップU−50”〕を乾燥塗膜が25μm にな
るように塗装したのち、160℃で30分間焼付けた。
この電着塗膜面に中塗り塗料を乾燥塗膜が40μm にな
るようにエアスプレー塗装し、140℃で30分間焼付
けして下地塗膜を形成した。
【0031】ついで、下地塗膜面に上塗り塗料を、フォ
ードカップ#4で20℃、12〜15秒となるように溶
剤(トルエン/キシレン/酢酸エチル/酢酸ブチル=70
/15/10/5)で粘度調整し、乾燥塗膜が16〜20μm に
なるように塗装した。塗装は静電塗装機〔ランズバーグ
ゲマ社製、Auto REA〕を用い霧化圧2.8kg/c
m2で行い、塗装中のブースの雰囲気は温度25℃、湿度
75%に保持した。塗装後3分間セッティングを施した
のち、アクリル樹脂系クリヤー塗料〔日本ペイント
(株)製、“スーパーラック0−100”〕を乾燥膜厚
が約35μm になるよう塗装した。ついで、約10分間
室温でセッティングしたのち、140℃で30分間焼付
けた。
【0032】このようにして基材面に形成した下地塗
膜、上塗り塗膜およびトップクリヤー塗膜からなる複層
塗膜につき、下記の基準でCIE(L* , a* , b*
表示系における色相〔明度(L* ) 、彩度(C* ) 〕の光学
測定および目視観察による白ぼけ感、底濁り感および深
み感を判定評価した。その結果を配合組成等と対比させ
て表1〜3に示した。
【0033】CIE(L* , a* , b* )表示系におけ
る色相の測定;変角測色計〔スガ試験機製、VC−1
型〕を用い、図2に示すように塗膜形成した測定試料に
対し垂線から45°の角度で光源を照明し、その照明角
度の正反射方向から光源側に30°(ハイライト方向の
受光点H)および120°(シェード方向の受光点S)
の角度で受光した。これを明度−彩度のL* a * b *
色系で測色し、明度(L* )、彩度(C* ) の値を測定
した。なお、C* は{(a*)2+(b* )21/2 で計算し
た。
【0034】目視判定評価の基準;目視観察による判定
評価の基準は、下記によった。 白ぼけ感:○なし △弱い ×強い 底濁り感:○なし △弱い ×強い 深み感 :○強い △弱い ×なし
【0035】
【表1】 〔表注〕(1) Sはシェード、Hはハイライトを示す(以下、同じ)。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】表1〜3の結果から、本発明によるホウ化
ランタンを含む塗料組成物を用い、本発明の方法に従っ
て形成した実施例1〜4の複層塗膜は、いずれも相対的
にシェード部のL* 値が低くてC* 値が高く、かつハイ
ライト部のC* 値が高くなっており、白ぼけ感、底濁り
感がなく、かつ深み感の良好な紫紅色の色調塗膜であっ
た。また、これに光輝性顔料を配合した実施例5〜8の
複層塗膜は、ハイライト部のL* 値が高くなって、優れ
た光輝感が付与されることが認められた。これに対し、
下地塗膜の明度がN−4である比較例1では、白ぼけ感
が現出し、深み感も得られなかった。
【0039】比較例2〜6 実施例で使用したホウ化ランタンを近似する色調(青色
と紫色が加味された赤色)を有するキナクリドン有機顔
料に代え、その他の顔料類として下記のもの、光輝性顔
料は実施例と同一種類のものを用い、配合組成を変えて
実施例と同様に上塗り塗料を調製した。得られた各上塗
り塗料を、被塗基材面に中塗り塗料を塗布した実施例1
と同一の下地塗膜の上に乾燥膜厚が16〜20μm にな
るように塗装して上塗り塗膜を形成した。
【0040】比較例に用いた顔料類(表4への表示は冒
頭記号による); (QC):キナクリドン有機顔料“シンカシヤマゼンタB34
3D”〔チバガイギー社製)〕 (CB):カーボンブラック顔料“カーボンブラックFW20
0 ”〔デグッサ社製〕 (Ti):チタン顔料“チタンCR−97”〔石原産業(株)
製〕 (Fe-1):酸化鉄顔料“トランスオキサイドレッド30-100
5 ”〔ヒルトンデービス社製〕 (Fe-2):酸化鉄顔料“アンカーFR−110GN ”〔東邦顔
料工業(株)製〕
【0041】このようにして基材面に形成した下地塗
膜、上塗り塗膜およびトップクリヤー塗膜からなる複層
塗膜につき、実施例と同様にしてCIE(L* , a* ,
* )表示系における色相〔明度(L* ) 、彩度(C* ) 〕
の光学測定および目視観察による白ぼけ感、底濁り感お
よび深み感を判定評価した。その結果を配合組成等の対
比させて表4に示した。
【0042】
【表4】
【0043】比較例2は、実施例3のホウ化ランタンに
代えて同色系のキナクリドン顔料を用いた塗料系に相当
するものであるが、この例では他の顔料としてカーボン
ブラック顔料やチタン顔料を混合する関係で、白ぼけ感
が生じ、深み感がなくなる結果を示している。また、光
輝性顔料を配合した組成の比較例3〜6においても白ぼ
け感、底濁り感および深み感ともに相当する実施例の塗
膜に比べて劣っていることが認められる(比較例3は実
施例5と、比較例4は実施例6と、比較例5は実施例7
と、比較例6は実施例8とそれぞれ対応する)。
【0044】上記の実施例を含めて本発明の好ましい実
施態様を挙げると、以下のようになる。 (1) ホウ化ランタンが、四ホウ化ランタン(LaB4)または
/および六ホウ化ランタン(LaB6)である塗料組成物およ
び意匠性塗膜形成方法。 (2) ビヒクル固形分100重量部に対し、ホウ化ランタ
ンの配合量が5〜50重量部、好ましくは5〜35重量
部である塗料組成物および意匠性塗膜形成方法。 (3) ビヒクル固形分100重量部に対し、ホウ化ランタ
ンの配合量が5〜50重量部、好ましくは5〜35重量
部で、光輝性顔料の配合量が0.1〜10重量部、好ま
しくは0.1〜6重量部である塗料組成物および意匠性
塗膜形成方法。 (4) 下地塗膜の色相が、無彩色である意匠性塗膜の形成
方法。 (5) 光輝性顔料が、鱗片状アルミニウム顔料、パールマ
イカ顔料と言われる金属酸化物をコーティングした雲母
顔料、板状酸化鉄顔料、金属メッキガラスフレーク顔料
またはグラファイトである塗料組成物および意匠性塗膜
形成方法。 (6) ホウ化ランタンを含有した上塗り塗膜上にウエット
オンウエットでクリヤー塗膜を形成する意匠性塗膜形成
方法。 (7) 上塗り塗膜のビヒクルが、アクリル樹脂、ポリエス
テル樹脂、アルキッド樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂から選ばれた少なくとも1種の熱硬化性樹脂
と、アミノ樹脂および/または(ブロック)イソシアネ
ートなどの架橋剤を混合したものが使用される。、これ
ら樹脂は1種に限らず2種以上を組み合わせである意匠
性塗膜形成方法。
【0045】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る塗料組成物
およびこれを用いた塗膜形成方法によれば、ホウ化ラン
タンを発色成分として使用することにより白ぼけ感や底
濁り感がなく、優れた深み感および光輝性を発揮する紫
紅色系の塗膜を形成することが可能となる。したがっ
て、高級塗色が要求される自動車車体の外面塗装をはじ
め、各種の被塗基材に対し高品質の複層塗膜を形成する
目的に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により形成された複層塗膜を示した断面
図である。
【図2】実施例における色調測定の説明図である。
【符号の説明】
1 被塗基材 2 下地塗膜層 3 上塗り塗膜層 4 クリヤー塗膜層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビヒクルおよびホウ化ランタンを含有す
    ることを特徴とする塗料組成物。
  2. 【請求項2】 ビヒクル、ホウ化ランタンおよび光輝性
    顔料を含有することを特徴とする塗料組成物。
  3. 【請求項3】 基材面にマンセル表示系における明度が
    N−2以下の着色塗料を塗布する下地塗膜形成工程と、
    下地塗膜面にビヒクルおよびホウ化ランタンを含有する
    着色塗料を塗布する上塗塗膜形成工程を、順次に施すこ
    とを特徴とする意匠性塗膜形成方法。
  4. 【請求項4】 基材面にマンセル表示系における明度が
    N−2以下の着色塗料を塗布する下地塗膜形成工程と、
    下地塗膜面にビヒクル、ホウ化ランタンおよび光輝性顔
    料を含有する着色塗料を塗布する上塗塗膜形成工程を、
    順次に施すことを特徴とする意匠性塗膜形成方法。
JP6264598A 1994-10-04 1994-10-04 塗料組成物および意匠塗膜形成方法 Pending JPH08104835A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6264598A JPH08104835A (ja) 1994-10-04 1994-10-04 塗料組成物および意匠塗膜形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6264598A JPH08104835A (ja) 1994-10-04 1994-10-04 塗料組成物および意匠塗膜形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08104835A true JPH08104835A (ja) 1996-04-23

Family

ID=17405541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6264598A Pending JPH08104835A (ja) 1994-10-04 1994-10-04 塗料組成物および意匠塗膜形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08104835A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7258923B2 (en) 2003-10-31 2007-08-21 General Electric Company Multilayered articles and method of manufacture thereof
US7399571B2 (en) 2005-05-06 2008-07-15 General Electric Company Multilayered articles and method of manufacture thereof
JP2012061451A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Nippon Paint Co Ltd 複層塗膜の形成方法
JP2012161774A (ja) * 2011-02-09 2012-08-30 Daiken Corp 天井化粧板の塗膜形成方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7258923B2 (en) 2003-10-31 2007-08-21 General Electric Company Multilayered articles and method of manufacture thereof
US7399571B2 (en) 2005-05-06 2008-07-15 General Electric Company Multilayered articles and method of manufacture thereof
JP2012061451A (ja) * 2010-09-17 2012-03-29 Nippon Paint Co Ltd 複層塗膜の形成方法
JP2012161774A (ja) * 2011-02-09 2012-08-30 Daiken Corp 天井化粧板の塗膜形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4937274A (en) Coating composition
JPH0811219B2 (ja) 塗装仕上げ方法
JP2004188291A (ja) 樹脂部品の塗装方法
JP3123697B2 (ja) 塗 膜
US5049442A (en) Opalescent coatings containing foamed metal oxides
JP3159884B2 (ja) 塗料組成物及び塗膜形成方法
JP4314469B2 (ja) 積層塗膜の形成方法、積層塗膜および塗装物
JPH08104835A (ja) 塗料組成物および意匠塗膜形成方法
JPH09323064A (ja) 光輝性塗膜形成方法及び塗装物
JPH08155384A (ja) 複層塗膜形成方法
JP2829813B2 (ja) メタリック塗料組成物およびメタリック塗膜の形成法
JP4824958B2 (ja) メタリック塗料組成物、塗膜形成方法、塗膜構造及び塗装物品
JP3386222B2 (ja) 意匠塗膜形成方法
EP0439107A1 (en) Laminar graphite containing pigment composition
JPH06254484A (ja) メタリック塗膜形成法
JPH0824894B2 (ja) 塗装仕上げ方法
JP2005144338A (ja) 塗装方法
JP2003119417A (ja) 光輝性塗料組成物、塗膜形成方法および塗装物
JP2002069380A (ja) 塗料組成物及び塗装物品
JPH05132635A (ja) グアニンを含む微妙なつやの金属性塗料
JP4079468B2 (ja) メタリック塗膜構造及びメタリック塗膜の形成方法
JP2001226612A (ja) 金属調塗料組成物、塗膜形成方法および塗装物
JPH10244213A (ja) 光輝性塗膜形成方法及びこれにより塗装された塗装物
JPH05311098A (ja) メタリツク塗料組成物及び複層塗膜形成方法
JPH09122575A (ja) メタリック塗料組成物および塗膜形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees