JPH07507854A - 油除去装置を備えたエンジン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 油除去装置を備えたエンジン エンジンの一つの課題はエンジンの全ての運転状態でエンジンハウジングの油を いかに確実に除去するかという点にある。

一般に、エンジンオイルはエンジンの回転部品、例えばクランク軸、釣合いおも りの外側のいわゆるサンプすなわちクランクケースの「下部」に集められる。し かし、この油除去法は例えばかなり長時間反転姿勢をとる曲芸飛行機等の航空機 用エンジンの場合には問題であり、従来の自動車エンジンの場合でも横加速によ ってメイルが回転部品の区域に達する場合には問題である。また、潤滑技術上の 理由からはできる限り空気を含まない（オイルに泡が入らない）ようにしてクラ ンクケースから油を抜き出せるようにする必要がある。

補助ポンプを用いて油を確実に除去することが試みられたが、この方法はコスト が高くなるだけでなく、ポンプが常に回転しているため、油量がごく少量の場合 には必然的に空気も運ばれ、従って、オイルに空気が含まないようにするという 課題は解決できない。

本発明の課題は、簡単な構造によって空気を含まない状態でオイルをクランクケ ースから完全に除去することができる装置を提供することにある。

本発明の上記課題は、クランクケースとこのクランクケース内で回転するエンジ ン部品、例えばクランク軸、クランクジャーナル、連接棒、釣合いおもりの外接 する面との間に小さな間隙（ギヤツブ）のみが残る状態で回転部品をエンジンハ ウジングで取り囲むことによって達成される。この構造にすると、回転部品によ ってクランクケース内に遠心流が生じ、それをオイルの搬出に利用することがで きる。

オイルはクランクケースに接線方向に設けられた流出孔を介してクランクケース から出る。オイルに加わる遠心力はオイルに加わる重力よりはるかに大きいので 、流出孔は円筒形のクランクケースの任意の場所に設けることができる。また、 遠心力によって空気とオイルとは強制的に分離される。流出孔を通る際の流出抵 抗の差を利用してオイルのみが流出孔がら出て、空気は出ないようにすることも できる。

なお、クランクケースの形状全体を回転部品と接する面に合わせる必要はなく、 クランクケースの形状をクランク軸の横領斜面に正確に合わせる必要もない。ク ランクケースの内面が一定の円筒形で、クランクケースがクランク軸の両側で回 転部品にできる限り密接していれば十分である。流出孔は各シリンダ毎に個別に 設けるのが好ましい。

以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。

図１はエンジンの一部の横断面図。

図２は直列４気筒エンジンの概念的側面図。

図１は、クランクピン３を有するクランク軸２を収容するための円筒形のクラン クケース１を示している。クランクピン３にはシリンダ５中を往復運動する図示 していないピストンに連接された連接棒４が軸支されている。クランク軸２はそ の軸線へを中心に回転する。クランク軸２には連接棒４およびピストンの重さを バランスするための釣合いおもり６が取り付けられている。この釣合いおもり６ の円筒形下側表面７とクランクケース１の内面々の間にわずかなギャップ８が残 されている。釣合いおもり６の円筒形下側表面７にクランクケース１の内面また は内面に形成した溝の中を直接摺動する摺動体（ワイパー）９をさらに取り付け ることができる。また、クランクケース１にはクランクケース１の円筒部からほ ぼ接線方向に出た流出孔ｌＯが設けられている。

図２は４つのシリンダ５と、１つの円筒形クランクケース１とを有する直列４気 筒エンジンの概念的側面図である。クランク軸にはフライホイール１１および冷 却ファン１２が取り付けられている。流出孔ｌＯは各クランク室毎に設けられ、 各管路を介してエンジン潤滑油の集合容器１３と連通している。

クランクケース１中にエンジンオイルがあれば、クランク軸の回転部品によって クランクケースｌの円筒形区域に遠心流が作られ、クランクケースｌ中にあるエ ンジンオイルはこの遠心流によって矢印１４で示す方向へ流出孔１０から放出さ れ、集合容器１３に集められる。集合容器１３に集められたオイルはこの容器か ら潤滑油として再度クランクケース１へ返送される。

オイルは実質的にクランクケース１内に生じる遠心流によって追い出され、必ず しも釣合いおもり６またはワイパー９との直接接触によって追い出されるもので はない。

上記の油の除去はクランクケース１がどんな姿勢の時でも行われる。

また、クランクケース全体が円筒形である必要はない。油除去にとって重要な一 部の区域だけを円筒形にすればよく、オイルはこの区域まで流れて来て、流出孔 を経て追い出される。

通常、釣合いおもりが最大の直径を有するので、釣合いおもり６の設計が特に重 要である。クランクケース１内の回転部品と接する面は釣合いおもり６の円筒形 下側表面７で決まると考えられるが、遠心流にはクランクケース中で回転するそ の他の部品、特にクランクビンも寄与する。油の除去を良好にするには軸線Ａ方 向の釣合いおもりの幅をできるだけ大きくするのが好ましい。

本発明の油除去装置は全種類のエンジン、例えばジーゼルエンジン、オツトーエ ンジン、直列エンジン、星形エンジンのいずれにも適している。特に、星形エン ジンの場合には本発明に従って回転部品とクランクケースとを極めて良好に設計 することができる。

国際調査磐失

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. １．クランクケース（１）と、クランク軸（２）と、シリンダ（５）と、クラン ク軸（２）のクランクピン（３）に軸支された連接棒（４）と、連接棒（４）に 連結され且つシリンダ（５）中に配置されたピストンと、エンジンオイルの除去 装置とを備えたエンジンにおいて、 クランクケース（１）とこのクランクケース（１）内で回転する部品（６，２， ３）の外接面（７）との間にわずかな間隙（８）を設け且つクランクケース（１ ）からエンジンオイルを排出するための流出孔（１０）をクランクケース（１） に設けたことを特徴とするエンジン。
2. ２．回転部品（６，２，３）によって遠心流が生じるようにクランクケース（１ ）とその内部を回転する回転部品（６，２，３）とが設計され、この遠心流を利 用してエンジンオイルを送り出し且つエンジンオイル流を周囲空気から分離する ようにした請求項１に記載のエンジン。
3. ３．流出孔（１０）がクランクケースからほぼ接線方向に延びている請求項１ま たは２に記載のエンジン。
4. ４．クランクケース（１）の少なくともエンジンオイルの排出用区域が円筒形を しており、この円筒形区域ではクランクケース（１）と回転部品の最も外側のも の、特に釣合いおもり（６）との間にわずかな間隙（８）が設けられている請求 項１〜３のいずれか一項に記載のエンジン。
5. ５．釣合いおもり（６）の外側表面が円筒形である請求項４に記載のエンジン。
6. ６．クランク軸（２）、特に釣合いおもり（６）の外側表面（７）にクランクケ ース（１）の内側表面上またはそこに形成された溝中を運動する摺動体（９）が 取り付けられている請求項１〜６のいずれか一項に記載のエンジン。