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JPH0734699U - 好気培養容器 - Google Patents

好気培養容器

Info

Publication number
JPH0734699U
JPH0734699U JP6532693U JP6532693U JPH0734699U JP H0734699 U JPH0734699 U JP H0734699U JP 6532693 U JP6532693 U JP 6532693U JP 6532693 U JP6532693 U JP 6532693U JP H0734699 U JPH0734699 U JP H0734699U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
culture
oxygen
medium
aerobic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6532693U
Other languages
English (en)
Inventor
昭雄 中村
明 力丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
Priority to JP6532693U priority Critical patent/JPH0734699U/ja
Publication of JPH0734699U publication Critical patent/JPH0734699U/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M23/00Constructional details, e.g. recesses, hinges
    • C12M23/24Gas permeable parts

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Clinical Laboratory Science (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 セルロース生産菌(酢酸菌)等の好気性微生
物の静置培養を、効率よく行うため、空気に直接触れる
培養容器上面の培地表面からだけでなく、容器底面およ
び側壁面からも酸素の供給を受け、全ての液面から培養
が進行するような容器であって、且つ容器自体の大量生
産が可能な好気培養容器を提供する。 【構成】 多孔質材料または繊維質材料からなる通気性
容器2の内面に、酸素透過係数が1×10-8cm3(STP)・cm/
cm2・sec・cmHg以上の非多孔質膜3を少なくとも1層形成
してなることを特徴とする好気培養容器1。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、セルロース生産菌(酢酸菌)等の好気性微生物の静置培養を効率よ く行なうための改良された好気培養容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、微生物により生産されたセルロース(以下、バイオセルロースと呼ぶ) が注目されている。バイオセルロースは、食用酢原料と同様に酢酸菌により生産 される。バイオセルロースの合成酵素は酢酸菌の菌体表面付近にあり、ここから 分子レベルに近い微小セルロースが発生し、これがリボンのようにより合わさっ て結晶化したセルロース繊維が菌体細胞外に排出される。 バイオセルロースの特徴は、繊維径が20〜50nmという超極細で、高純度であり 、結晶化度や配向性が高く、天然セルロースと比べ、剛性等の機械的特性が優れ ているなどの特徴がある。この特徴をさらに述べると、機械的特性をヤング率で 比較すると、天然セルロースや合成樹脂、合成繊維が 300〜500kgf/mm2であるの に対して、バイオセルロースは3,000kgf/mm2という高い値を示し、このフィルム をヘッドホンの音響振動板に用いると、高音域がよく聞こえ、かつ金属板のよう な残響も少ないため、低音域から高音域までカバーできる理想的な材料となる。 製紙原料として天然セルロース(パルプ)に混ぜると紙の強度が増し、薄くても 破れにくい紙ができ、且つパルプ使用量が減るため森林保全即ち環境保全にも役 立つ。また、不純物を含まないため、食品分野ではこれを原料の一部とする溶け にくいアイスクリームを作ることができ、医療分野では栄養剤や火傷の創傷被覆 剤への応用も可能である。
【0003】 さて、微生物は水、無機物及び、窒素化合物、アミノ酸等の有機物から構成さ れ、後述する必須元素からなる培地を、微生物の主要栄養素として繁殖するが、 酸素は微生物の吸収(呼吸)と密接な関係があり、微生物の種類により、遊離の 酸素を利用するものと、酸素含有化合物の形で利用するものとが存在する。また 、酸素が存在すると生育しない微生物と、酸素が生育に絶対必要な微生物とに分 類される。 すなわち、酸素のない環境でのみ生育する酪酸菌や破傷風菌、ボトリヌス菌等 は、嫌気性微生物と呼ばれ、これらは炭水化物やタンパク質などの酸素を含む化 合物の分解によって間接的に酸素を利用して生育する。 乳酸菌、大腸菌、酵母等は、酸素の存在下ではこれを利用して発育するが酸素 非存在下でも発育できるもので、酸素の存在下では呼吸により、非存在下では発 酵によりエネルギーを獲得するものでこれらは、好気嫌気性菌と呼ばれる。 また生育にあたり酸素を絶対に必要とし、酸素が欠乏すると生育が完全に停止 するカビ等の微生物は好気性微生物と呼ばれる。好気性微生物は酸素の存在下で のみ呼吸によりエネルギーを獲得できるもので、これは培地の表面に生育する性 質があるため、ペニシリン(ペニシリウム・ノタツム菌により生産される)を生 産するような場合は、タンク内の培地中に大量の無菌空気(酸素)を吹き込んで 、ペニシリン生産菌を培地内に均一に増殖させる所謂「通気撹拌培養法」を用い て効率を高めるようにしている。なお、撹拌は培地中への酸素の溶解を促進させ るために行っている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
微生物は、9種類の多量必須元素(H,C,O,N,P,K,S,Ca,Mg )と7種類の微量必須元素(Fe,Mn,Cu,Zn,Mo,B,Cl)を水、 CO2 、無機塩や、有機化合物や糖類の形で与えられ生育する。このような微生 物の栄養素の混合物を培地といい、通常、混合物の水溶液(液体培地)とするか または寒天などで固化した固体培地とする。 例えば、カルス培養のように植物細胞培養に使われるMS(Murashige-Skoog )培地は、水及び、KNO3 、NH4 NO3 等の無機成分多量要素、FeSO4 ・7H2 O、Na2 ・EDTA等の無機成分微量要素、ミオイノシトール、チミ ン塩酸塩等のビタミン類、及び炭素源としてシュークロースより構成される。 セルロースは、β−D−グルコピラノースがβ−1,4−グルコシド結合した ポリサッカライドであるが、食酢工場の醸造中の「もろみ」の表面に浮いたゲル 状物質を採取して得られる「コンニャク菌」と呼ばれる酢酸菌の一種であるアセ トバクター・キシリヌム菌やアセトバクター・パストリアヌス菌を、グルコース を始めとする単糖類やシュークロース等を炭素源とする培地で培養すると、菌体 細胞外にバイオセルロースを排出する。アセトバクター・キシリヌム菌やアセト バクター・パストリアヌス菌を次のような複合培地、すなわち水100cm3中に、D −グルコース1g ,ペプトン1g ,酵母エキス 0.3g ,NaCl 0.2g ,Na2 HPO4 (リン酸2ソーダ) 0.14g,クエン酸 0.035g からなる培地により静置 培養すると、菌は栄養源を細胞内に取り込み原形質の合成を行うための誘導期間 を経て、指数関数的に増殖する。バイオセルロース生産量もそれに従って増加す る。 セルロース・フィブリル(繊維)の成長速度は、培地 pH6.8、温度28℃で最大 となり、毎分 2.6μm、この値はグルコースが毎分 5,000個セルロース結合でつ ながることを意味している。
【0005】 さて、このセルロース生産菌(酢酸菌)は、好気性微生物であり、ビーカー、 シャーレ等のガラス容器で静置培養すると、空気と接する培地表面にバイオセル ロース膜が生じる。このバイオセルロースの平均重合度は 2,000〜6,000 であり 、綿繊維の1次細胞壁を形成するセルロースの平均重合度に相当し、またバイオ セルロース膜の基本構造は、直径約4nmのミクロフィブリルであり、1菌体が生 産するフィブリルは複数のミクロフィブリルからできており、これが多数集まっ て膜を形成している。 このバイオセルロース膜は、培地表面から下方へ向かって、1日当り1mm前後 の速度で成長が進行する。このようなガラス容器を用いた静置培養では、図3に 示すようにガラス容器は底面及び側壁面が気体透過性ゼロであり、空気と接する 面は上面(培地表面)に限られるため、バイオセルロースの生成は培地表面から 下方に(矢印6)向かってなされ、バイオセルロースの生産効率が極めて劣ると いう欠点がある。 これに対して、前記ペニシリンの例のように通気撹拌培養すると酸素が効率的 に培地全体に均一に溶解し菌体の増殖速度も大きくなり、従って生産効率は上が るが、不都合なことにこの方法をバイオセルロ−ス生産に適用すると生成したバ イオセルロ−スが切れ切れになったり、器壁に付着し回収困難になるという欠点 があり、そのため従来より静置培養以外に方法がなく、効率の高い培養方法の出 現が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は、セルロース生産菌(酢酸菌)等の好気性微生物の静置培養を、効率 よく行うための改良された培養容器に関するものであり、図1に示すように、多 孔質材料または繊維質材料からなる通気性容器2の内面に、酸素透過係数が1× 10-8cm3(STP)・cm/cm2・sec・cmHg以上の非多孔質膜3を少なくとも1層形成してな ることを特徴とする好気培養容器1である。
【0007】 本考案の好気培養容器を用いて、好気性微生物の培養を行うと、図1の培地4 は容器上面の培地表面からだけでなく、容器底面および側壁面からも酸素の供給 を受けるため、全ての培地面から培養が進行する(矢印6)利点がある。 なお、本考案の好気培養容器の形状は、図2(a)に示すようなガラス容器と 同じ円筒状のみならず、図2(b)に示すような二重円筒状としたり、空気と触 れる容器壁面を凸凹異形状とすることにより、単位時間あたりの酸素透過量を大 きくし、培養効果を高めることができる。 本考案における多孔質材料は、石灰石質、白雲石質、長石質等を原料とする素 焼き陶器、または硫酸カルシウム二水和物すなわち石膏、又はアルミナ、シリカ 、ジルコニア、マグネシア、酸化スズ、酸化鉄、酸化チタン、リン酸化合物、黒 鉛、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミニウム等のセラミックス焼結体等が挙げら れる。 本考案における繊維質材料としては、木材パルプ、リンターパルプ、コウゾ/ ミツマタ、ポリオレフィンなどから作られる洋紙、和紙、合成紙等の紙、または 絹、木綿、麻、羊毛、ビスコースレーヨン、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリ エチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、炭素繊維、ガラス繊維等の有 機質繊維や無機質繊維からなる織布または不織布が挙げられる。
【0008】 ガラス容器を用いた微生物培養では、容器及び培地などを滅菌して、培養を行 っている。これは高圧滅菌器(オートクレーブ)を用い、 110℃〜 120℃で15〜 20分間加熱殺菌を行う。従って繰返し使用する場合には、耐熱性の点から多孔質 セラミックスを使用するのがよいが、使い捨ての場合には、化学用濾紙等の紙材 料の使用が好ましい。 この通気性容器の寸法は、現在培養容器に用いられているシャーレ、ビーカー 、フラスコ等のガラス容器と同様の寸法とすればよいが、この厚さは薄すぎると 強度的に劣って取り扱い困難となり、厚すぎると通気性が悪くなるため、 0.1mm から2mmの範囲、好ましくは 0.2〜1mmの範囲とするのがよい。
【0009】 これらの多孔質材料や繊維質材料は、通気性材料であって、次に述べる気体透 過係数は、10-4cm3(STP)・cm/cm2・sec・cmHg以上、すなわち市販の気体透過率測定 器の測定範囲を超えた値を示す。 気体透過係数は、非多孔質膜について定義された、所定の温度で特定の膜と特 定の気体の系の定数である。即ち、非多孔質膜の両側に圧力差がある場合、高圧 側(p1 )から低圧側(p2 )へ気体が移動(透過)する現象がみられるが、こ の透過機構は、気体が膜に接したとき直ちに膜表面に気体が溶解する。気体 の溶解によって生じた濃度勾配によって気体が膜の中に拡散して行き、膜の他の 面に到達する。一定時間を経過すると、膜中の気体の濃度勾配は一定となり、 この状態では気体が他の面から脱着して行く速度は一定となる。 厚さ△x(cm)、表面積A(cm2 )の非多孔質膜を通して時間t(sec )の間に移動する気体の流量Q(cm3 /sec)は、フィックの拡散式(第2 法則) M/A・t=−D・dC/dx…(1) を解くことによって得られる。ここでMは移動する気体の質量(g)、Aは膜表 面積(cm2 )、Dは拡散係数(cm2 /sec)、Cは気体濃度(g/cm3 )を示す。 Q=P・(p1 −p2 )・A/△x…(2) (2)式において、Pは気体透過係数であり、単位cm3(STP)・cm/cm2・sec・cmHgで ある、Qは気体流量〔cm3(STP)/sec〕、△xは膜の厚さ(cm)、Aは膜の表面 積(cm2 )、(p1 −p2 )は圧力差(cmHg)である。なおSTPは標準 状態( 273K、1気圧)を示す。
【0010】 文献等によれば非多孔質膜の気体透過係数は、10-7〜10-10cm3(STP)・cm/cm2・s ec・cmHg の範囲にあり、例えば天然ゴムの場合、25℃において酸素透過係数Po2 は23.4×10-10cm3(STP)・cm/cm2・sec・cmHg 〔以下×10-10cm3(STP)・cm/cm2・sec・ cmHg をbarrelで表す〕、窒素透過係数PN2(以下N2はPの添字)は 9.5barrel 、ポリ塩化ビニルの場合、25℃においてPo2 は0.044barrel 、PN2は0.0115ba rrelである。
【0011】 本考案の好気培養容器において、通気性容器の内面に少なくとも1層形成され る、酸素透過係数が1×10-8cm3(STP)・cm/cm2・sec・cmHg以上、すなわち 100barr el以上の非多孔質膜としては、ポリジメチルシロキサン(PDMS)(Po2 3 52barrel)、ポリ[1−(トリメチルシリル)−1−プロピン](PMSP)( Po2 773barrel)、ポリ(フマル酸イソプロピルトリメチルシリル)(Po2 870barrel)、ポリ(フマル酸t−ブチルトリメチルシリル)(Po2 2,300ba rrel)、ポリ(フマル酸シクロヘキシルペンタメチルシロキサン)(Po2 920 barrel)、ポリ[イソプロピルトリ(ジメチルシロキサン)](Po2 1,200ba rrel)、ポリ[フマル酸ジ(トリメチルシリル)](Po2 870barrel)、ポリ [フマル酸(トリメチルシリル)メチレン](Po2 5,500barrel) 等が挙げられるが、この中には、時間の経過とともに酸素透過係数が低下するも のも含まれており、酸素透過係数が経時的に安定しているPDMS膜の使用が最 も好ましい。
【0012】 PDMSは、工業的にはシリコーンゴムと呼ばれ、側鎖官能基の種類によって 、ジメチルシリコーンゴム(MQ)、ビニル基を導入しMQの加硫特性、圧縮永 久歪、機械的強度、耐熱性等を改善したメチルビニルシリコーンゴム(VMQ) 、フェニル基を導入し耐寒性を改善したフェニルシリコーンゴム(PVMQ)、 γ−トリフロロプロピル基を導入し耐油性、耐溶剤性を改善したフロロシリコー ンゴム(FVMQ)に分類されるがVMQ膜の使用が最も好ましい。
【0013】 なお、考案者らの研究によれば、シリコーンゴムにシリカライトR と呼ばれる 特殊ゼオライト粉末を配合することにより、酸素透過係数がシリコーンゴムの数 倍向上するという知見も得られており、このような複合樹脂膜も好ましい。しか し、このような粉末を充填するときは、多孔質になりやすく、培地の液漏れが起 こりやすいため、微細孔の発生には十分注意する必要がある。
【0014】 本考案の好気培養容器において、通気性容器の内面に形成される非多孔質膜の 厚さは、これが薄すぎると微細孔の発生により培地の液漏れが発生しやすく、こ れが厚すぎると単位時間あたりの気体透過量が低下するため、1μm〜 100μm の範囲、好ましくは5〜30μmの範囲とするのがよい。 また本考案において、通気性容器の内面に形成された高酸素透過性の非多孔質 膜の内面に、さらに絹由来のフィブロイン膜を数十nmオーダーで形成することも 考えられるが、これは動物細胞培養の場合も考慮し、生体不活性のシリコーンゴ ム膜では動物細胞の足掛かりが無く、フィブロイン膜が足掛かりとなることが知 られているためである。このフィブロイン膜は厚くても40nm程度のため、シリコ ーンゴム膜の酸素透過係数に影響を与えないことを、考案者らは実験的に確認済 みである。
【0015】
【実施例】
メチルビニルシリコーンゴム・KE−1551[信越化学工業(株)製商品名]を 、厚さ30μmにカレンダーロールシーティングを行い、これを厚さ0.39mmの定性 濾紙・ワットマンNo. 3(米ワットマン社製商品名)の片面にラミネートし、プ レス成形により、接着させた。このシリコーンゴム膜ラミネート濾紙の酸素透過 係数を、加圧式ガス透過率測定機・GASPERM-100 [日本分光工業(株)製商品名 ]により、25℃において、圧力1kgf/cm2 の条件で測定したところ、 460barrel という実測値が得られた。同様に、上記の定性濾紙単独について同一条件で酸素 透過係数を測定したところ、本測定機の測定限界(106 barrel)を超え、測定不 能であった。 このシリコーンゴム膜ラミネート濾紙を用い、シリコーンゴム膜を内側として 直径45mm×深さ50mmのシャーレ(内容積 48cm3)を製作した。 次に、上記シリコーンゴム薄膜ラミネート濾紙製シャーレを使用して、D−グ ルコース 20g/ L、ペプトン5g/L、酵母エキス5g/L、Na2 HPO4 2.7g/ L、クエン酸 1.15g/Lの水溶液(pH 6.8)50cm3 を培地として、アセトバクタ ー・パストリアヌス菌の培養実験を5日間行った。この培地は上記シャーレ中に 約31mmの深さで静置され、空気と直接触れる液表面と容器底面の面積はそれぞれ 16cm2 、容器側壁面と接触する面積43cm2 であった。 この結果、液表面には 0.075g 、底部には0.05g 、側壁面には0.13g のバイオ セルロースが生成した。これを、従来通りシャーレ上面(培地表面)のみの単位 面積当りのバイオセルロース生成速度に換算すると、約 31.9g/m2 ・日となった 。 比較のために、上記と同一寸法のガラス製シャーレを使用し、上と同じ培養実 験を行ったところ、バイオセルロースは培地表面にのみ生成し、生成量は 0.075 g であり、これを培地表面単位面積当りに換算すると、約9.4g/m2 ・日となり、 本考案の好気培養容器は従来のガラス製培養容器と比べ約3倍の生産効率を示す ことが確認できた。
【0016】
【考案の効果】
本考案のような多孔質セラミックスや紙等の通気性容器の内面にシリコーンゴ ム薄膜のような高酸素透過性膜を形成した培養容器を使用して、バイオセルロー ス生産菌などの好気性微生物を静置培養すると、空気に直接触れる容器上の培地 表面からだけでなく、高酸素透過性膜を通して間接的に酸素に触れる容器側壁面 や容器底面の培地からバイオセルロース膜の生成が進行するため、効率の高い静 置培養が可能となる。 本考案の培養容器は、紙などを通気性容器として使用すれば、非常に安価であ り、滅菌せず使い捨てることも可能であり、また通気性容器として多孔質セラミ ックスを用いれば使用の都度加熱滅菌し、繰り返し使用することが可能であるの で経済的である。 また、紙等を通気性容器として使用する場合には、3本ロールリバースコータ ー、コンマコーター等を使用して、前記高酸素透過性膜を紙等と一体化して連続 的に均一に形成することができ、大量生産が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の好気培養容器とこれを使用した微生物
培養の状況を示す縦断面図である。
【図2】(a)本考案の好気培養容器の一態様(円筒シ
ャーレ状)を示す斜視図である。 (b)本考案の好気培養容器の一態様(二重円筒シャー
レ状)を示す斜視図である。
【図3】従来の培養用ガラス容器とこれを使用した微生
物培養の状況を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 本考案の好気培養容器、 2 通気性容器、 3 高酸素透過性の非多孔質膜、 4 培地、 5 生成したセルロース膜、 6 セルロース膜の成長方向を示す矢印、 7 従来のガラス製培養容器。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質材料または繊維質材料からなる通
    気性容器の内面に、酸素透過係数が1×10-8cm3(STP)・c
    m/cm2・sec・cmHg以上の非多孔質膜を少なくとも1層形成
    してなることを特徴とする好気培養容器。
JP6532693U 1993-12-07 1993-12-07 好気培養容器 Pending JPH0734699U (ja)

Priority Applications (1)

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JP6532693U JPH0734699U (ja) 1993-12-07 1993-12-07 好気培養容器

Applications Claiming Priority (1)

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JP6532693U JPH0734699U (ja) 1993-12-07 1993-12-07 好気培養容器

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JP6532693U Pending JPH0734699U (ja) 1993-12-07 1993-12-07 好気培養容器

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20050106717A1 (en) * 2003-10-08 2005-05-19 Wilson John R. Cell culture methods and devices utilizing gas permeable materials

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