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JPH07315827A - シリコンの精製方法および精製装置 - Google Patents

シリコンの精製方法および精製装置

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Publication number
JPH07315827A
JPH07315827A JP15362494A JP15362494A JPH07315827A JP H07315827 A JPH07315827 A JP H07315827A JP 15362494 A JP15362494 A JP 15362494A JP 15362494 A JP15362494 A JP 15362494A JP H07315827 A JPH07315827 A JP H07315827A
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Japan
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silicon
crucible
water
phosphorus
aluminum
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Application number
JP15362494A
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Kazuhiro Hanazawa
和浩 花澤
Kenkichi Yushimo
憲吉 湯下
Hisae Terajima
久栄 寺嶋
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B33/00Silicon; Compounds thereof
    • C01B33/02Silicon
    • C01B33/037Purification

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Silicon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】リン、アルミニウム、カルシウムがそれぞれ
0.2ppmw、10ppmw、0.5ppmw以下の
太陽電池用のシリコンを、容易かつ短時間に製造する。 【構成】複数の水冷坩堝1a、1b、1cを用い、減圧
下で坩堝内の溶融シリコン22の上部溶湯を順次下位の
坩堝に注湯し、各坩堝の壁体を冷却すると共に各坩堝内
のシリコンに電子ビーム11、13を照射し、溶融シリ
コン中の不純物(リン、アルミニウム、カルシウム)を
上位の坩堝壁に付着させると共に上位の坩堝底に残留さ
せることにより、溶融シリコン中の不純物を順次低減し
て行く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコンの精製方法及
び精製装置に関し、とりわけ電子ビーム溶解技術による
リン、アルミニウム、カルシウムの除去効果を高め、リ
ン、アルミニウム、カルシウム濃度の低いシリコンが得
られるように工夫されたシリコン中のリン、アルミニウ
ム、カルシウムの低減方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年エネルギー源の多様化の要求から太
陽光発電がエネルギー源として脚光をあび、低価格発電
装置の実用化に向け研究開発が盛んに行われている。こ
のような状況の中で、太陽電池用原料としてシリコンは
最も汎用されやすい材料であり、しかも、動力用電力供
給に使われる材料として結晶系シリコンが最も重要視さ
れている。
【0003】太陽電池用原料として用いられるシリコン
(以下SOG−Siと略す)の純度は99.9999%
(6N)以上が必要とされ、シリコン中に含有される不
純物の濃度はppmwオーダー以下まで低減する必要が
ある。従来、市販の金属シリコン(純度99.5%,以
下MG−Siと略す)から上記高純度シリコンを製造す
るには、Al、Fe、Ti等の金属不純物元素について
は固液分配係数の小さいことを利用した一方向凝固精製
により除去し、CについてはSiCの場合は凝固の際に
表面に析出させ、また固溶しているCの場合はCOとし
て除去し、また、BについてはH2 O、CO2 あるいは
2 を添加したArプラズマ溶解により除去する方法が
提案されている。
【0004】一方、リンについては蒸気圧の高いことを
利用して減圧除去する方法が提案されている。従来、リ
ンの減圧除去には長時間を要するという問題があった
が、最近、電子ビーム溶解によりシリコン中のリンが短
時間で除去可能なことが報告されており(ISIJ I
nternational,vol.32(199
2).No.5 p635−642)、脱リン工程の短
時間化が期待されている。
【0005】さらに、この電子ビーム溶解の利点とし
て、リン以外にアルミニウム、カルシウムが同時に除去
されることがあげられており、脱リン工程以外の工程の
処理時間短縮も期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
開示された電子ビーム溶解による方法ではシリコン中の
リン、アルミニウム、カルシウムの除去限界はそれぞ
れ、約3ppmw、約470ppmw、約150ppm
wであり、溶解時間が15分以上の範囲ではシリコン中
のリン、アルミニウム、カルシウム濃度はほぼ一定値と
なるため、これ以上のリン、アルミニウム、カルシウム
の低減は望めず、SOG−Siに要求される純度を得る
ためには、電子ビーム溶解法に関する検討は十分である
とは言えない。
【0007】本発明は、このような従来技術の現状に鑑
みて、電子ビーム溶解によるリン、アルミニウム、カル
シウムの蒸発除去の利点を生かして電子ビームを加熱源
とし、短時間にリン、アルミニウム、カルシウムを除去
する技術を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたもので、方法発明は、電子ビーム
溶解によりシリコンを精製するにあたり、減圧下におい
て複数の水冷坩堝を用い、上位の坩堝に固体原料シリコ
ンを供給しつつまたは固体原料シリコンを供給した後電
子ビームを照射して該固体原料シリコンを溶解し、該固
体原料シリコンを溶解しつつまたは固体原料シリコンが
溶解した後溶融シリコンを下位の坩堝に注湯し、さらに
電子ビームの照射を行ないながら該溶融シリコンを順次
下位の坩堝に注湯することを繰り返えすことを特徴とす
るシリコンの精製方法である。
【0009】装置発明は、シリコンを電子ビーム溶解に
より精製する装置において、固体原料シリコンの供給装
置と、下位の坩堝に溶融シリコンを注湯する手段を備え
た複数の水冷坩堝と、坩堝内のシリコンを溶解する電子
ビーム装置と、溶融シリコンを受納して凝固させる受器
とを真空容器内に備えたことを特徴とするシリコンの精
製装置である。
【0010】
【作用】本発明は、 (1)加熱源が清浄な電子ビームである。 (2)雰囲気が高真空の減圧下である。 (3)水冷された坩堝を用いることによって、坩堝の内
面に溶融シリコンと同種の金属の膜状の層を形成し、こ
れにより、坩堝から溶融シリコンへの不純物の汚染を防
止する。
【0011】という電子ビーム溶解の利点を最大限に生
かし、これに加えてリン、アルミニウム、カルシウムの
蒸発除去を促進すれば、シリコン中のリン、アルミニウ
ム、カルシウムをさらに低減することができるとの考え
によって完成されたものである。前述のごとく電子ビー
ム溶解によれば、溶解時間(ビームの照射時間)が15
分以上の範囲では、シリコン中のリン、アルミニウム、
カルシウム濃度はそれぞれ、約3ppmw、約470p
pmw、約150ppmwでほぼ一定となり、これ以上
の高純度化を図ることは無理であった。
【0012】本発明者らは、上述した考えに基づき鋭意
研究を行い、シリコンの高純度化が難しい理由を以下の
ように解明した。すなわち、電子ビーム溶解は溶解しよ
うとする物質の上部への一方向からの加熱による溶解方
法であるため、溶解したシリコンの底部に残留するリ
ン、アルミニウム、カルシウムを多量に含有する未溶解
原料、ならびに溶解直後に坩堝に固着したリン、アルミ
ニウム、カルシウムを多量に含有するシリコンから、溶
融シリコンへのリン、アルミニウム、カルシウムの拡散
が徐々に行われる。実際に、電子ビームにより溶解した
シリコンを坩堝中で凝固させ、坩堝内におけるシリコン
中のリン、アルミニウム、カルシウム濃度分布を調査し
たところ、溶融シリコン底部のリン、アルミニウム、カ
ルシウム濃度が、他の部分に比べ、10倍以上も高いこ
とが確認された。したがって、この汚染を防止すれば、
シリコン中のリン、アルミニウム、カルシウムをさらに
低減することができることが明らかになった。ところ
で、Tiを電子ビーム溶解した場合の報告例(ISIJ
International,vol.32(199
2),No.5,p607−615)によると、Tiを
溶解する容器内は、完全に混合された状態にあり、容器
内におけるTi中のAl濃度はほぼ均一である、との結
果が得られており、上記シリコン中のリン、アルミニウ
ム、カルシウム濃度の不均一性は、シリコンに特有のも
のであると考えられる。
【0013】以上のことから、水冷坩堝は、複数個必要
であるという結論に至った。なぜならば、複数個の坩堝
を用いて溶融シリコンを順次他の坩堝に供給すれば、2
つ目以後の坩堝には、その坩堝の前工程にある坩堝中で
リン、アルミニウム、カルシウムがある程度除去された
シリコンのみが供給され、前工程における溶融シリコン
の底部又は坩堝壁面に残留していたリン、アルミニウ
ム、カルシウム濃度の高いシリコンが供給されないため
である。
【0014】なお、水冷坩堝が1個のみであると、溶解
したシリコンの底部に残留する未溶解原料、ならびに溶
解直後に坩堝に固着したリン、アルミニウム、カルシウ
ムを多量に含有するシリコンからの汚染のため、シリコ
ン中のリン、アルミニウム、カルシウムを完全に除去す
ることができない。この場合、もし、リン、アルミニウ
ム、カルシウムを除去可能であるとしても、長時間を要
し、大量生産には不向きなものになると考えられる。
【0015】本発明における坩堝は、水冷効果を高める
点から、熱伝導度の大きな材料が望ましく、坩堝の材質
としては、一般的に熱伝導度の大きな金属、例えば、純
銅、銅を主成分とする合金、純鉄、鉄を主成分とする合
金等があげられる。溶融シリコンを1つの坩堝から他の
坩堝へ供給するのは、連続的でもバッチ的でもよい。
【0016】また、本発明の水冷坩堝の設置位置、水冷
坩堝間の溶融シリコンの供給は、原料が供給される水冷
坩堝から、最終精製する水冷坩堝までの間に溶融シリコ
ンを供給可能であればどのようなものでもかまわない。
例えば、図1に示すように、水冷部2を有する3個の水
冷坩堝1a、1b、1cを配置し、原料である固体状の
シリコン21を最上段の水冷銅坩堝1aに供給し、電子
銃10から照射した電子ビーム11により溶解して溶融
シリコン22とし、引き続き所定時間溶解後、すなわち
リン、アルミニウム、カルシウムをある程度除去した
後、坩堝1a、を傾動させ坩堝1bに溶融シリコン22
を供給する。ここで、電子銃12から照射した電子ビー
ム13によりさらにリン、アルミニウム、カルシウムが
除去されその後、溶融シリコン22は、後段の坩堝に移
行し、同様の処理が施され、最終的には最下段の水冷銅
坩堝1cのオーバーフロー口3から黒鉛鋳型(受器)3
1内に出湯して、リン、アルミニウム、カルシウムの低
減したシリコン32となる。
【0017】好ましくは、図3に示すように、階段状に
水冷坩堝1a、1b、1cを設置し、連続的に固体原料
シリコン21を供給しながら、水冷坩堝1a、1b、1
cのオーバーフロー口3から溶融シリコン22をオーバ
ーフローさせ、連続的にリン、アルミニウム、カルシウ
ムの低減されたシリコン32を溶融状態で取り出すこと
が望ましい。
【0018】この場合、リン、アルミニウム、カルシウ
ムが最も低減され易い溶融シリコン上部溶湯を、優先的
にオーバーフローさせることが可能であるという利点も
有する。また、本発明により低減可能と考えられる不純
物として、上述したリン、アルミニウム、カルシウム以
外にシリコンよりも蒸気圧の高いNi、Ge、Cu、S
n、Ag、In、Mn、Pb、Sb、Tl等があげられ
る。
【0019】
【実施例】
〔従来例1〕本発明の溶解装置の概略図を図1に示す。
従来例1は図1の装置の一部を用いてなされたものであ
る。真空チャンバ40内に水冷銅坩堝1a、1b、1c
が3個、階段状に設置され、最大出力150kW級の電
子銃10、12を銅坩堝1a、1b、1c上に2台備え
たものである。また、精製されたシリコン32は、黒鉛
鋳型(受器)31中に回収できるようにした。ここで、
水冷銅坩堝1a、1b、1cの形状は溶湯表面で150
×200mm、深さ60mmであり、真空チャンバ40
内の圧力は1×10-4Torr、電子ビーム11、13
の出力は各々50kWである。
【0020】上記装置を用い、リン、アルミニウム、カ
ルシウムをそれぞれ、25ppmw、700ppmw、
650ppmw含有するMG−Si(純度99.5%、
直径1〜3mmの粉末状)を水冷銅坩堝1aに2kg挿
入し、電子銃10から電子ビーム11を照射することに
よりシリコンを溶解し、所定時間溶解した後、水冷銅坩
堝1aを傾動させ、水冷銅坩堝1bの上に設置した黒鉛
鋳型(受器)31に精製されたシリコン32を注入し
た。
【0021】以上のような条件で得られたシリコン32
中のリン、アルミニウム、カルシウムをICP(Induct
ively Coupled Plasma)発光分析法により分析したとこ
ろ表1のような結果が得られた。この結果によると、水
冷銅坩堝を1個しか使用しない場合、前述した文献にあ
る結果と同様に、シリコン中のリン、アルミニウム、カ
ルシウム濃度は、溶解時間30分以後ほとんど変化せ
ず、それぞれ、約3ppmw、約290ppmw、約1
50ppmwまでしか低減できないことがわかる。
【0022】
【表1】
【0023】〔実施例1〕従来例1と同一の電子ビーム
溶解装置を用い、リンを25ppmw、アルミニウム、
カルシウムをそれぞれ700ppmw含有するMG−S
i(純度99.5%、直径1〜3mmの粉末状)を水冷
銅坩堝1aに2kg挿入し、電子銃10から電子ビーム
11を照射することによりシリコンを溶解させ、所定時
間溶解した後、水冷銅坩堝1aを傾動させ、水冷銅坩堝
1bに溶融シリコン22を注入した。そして電子銃12
から水冷銅坩堝1bに向けて電子ビーム13を所定時間
照射した後、水冷銅坩堝1bを傾動させ、水冷銅坩堝1
c上に設置された黒鉛鋳型(受器)31に精製されたシ
リコン32を注入した。
【0024】以上のような条件で得られたシリコン中の
リン、アルミニウム、カルシウム濃度は表2のような結
果が得られた。この結果によると水冷銅坩堝を2個使用
した場合は、従来例に比べて容易かつ、短時間に、シリ
コン中のリン、アルミニウム、カルシウム濃度を低減可
能なことがわかる。特に合計溶解時間60分でリン、ア
ルミニウム、カルシウム濃度はそれぞれ、0.2ppm
w、10ppmw、0.5ppmw以下に低減した。
【0025】
【表2】
【0026】〔実施例2〕実施例1との同一の電子ビー
ム溶解装置を用い、リン、アルミニウム、カルシウムを
それぞれ、25ppmw、700ppmw、650pp
mw含有するMG−Si(純度99.5%、直径1〜3
mmの粉末状)を水冷銅坩堝1aに2kg挿入し、電子
銃10から電子ビーム11を照射することによりシリコ
ンを溶解させ、所定時間溶解した後、水冷銅坩堝1aを
傾動させ、水冷銅坩堝1bに溶融シリコン22を注入し
た。そして電子銃12から水冷銅坩堝1bに向けて電子
ビーム13を所定時間照射した後、水冷銅坩堝1bを傾
動させ、水冷銅坩堝1cに溶融シリコン22を注入し
た。そして電子銃12から水冷銅坩堝1cに向けて電子
ビーム13を所定時間照射した後、水冷銅坩堝1cを傾
動させ、黒鉛鋳型(受器)31に精製されたシリコン3
2を注入した。
【0027】以上のような条件で得られたシリコンの化
学分析を行ったところ、リン、アルミニウム、カルシウ
ム濃度は表3のような結果が得られた。この結果による
と水冷銅坩堝を3個使用した場合、水冷銅坩堝を2個使
用した場合に比較しても、さらに容易かつ、短時間に、
シリコン中のリン、アルミニウム、カルシウム濃度をそ
れぞれ、0.2ppmw、10ppmw、0.5ppm
w以下に低減可能なことがわかる。
【0028】上述した結果を併せて考えると、使用する
坩堝1a、1b、1cの数が多いほど、シリコン中のリ
ン、アルミニウム、カルシウムの低減が効果的に行われ
ることが容易に類推される。
【0029】
【表3】
【0030】〔従来例2〕使用した溶解装置の概略図を
図4に示す。真空チャンバ40内に水冷された銅坩堝1
aを1個設置し、最大出力150kW級の電子銃10、
12を銅坩堝1a上部に2台備えたものであり、図1に
示した溶解装置と同様の能力を有する。また、精製され
たシリコンは、黒鉛鋳型(受器)31中で回収できるよ
うにした。ここで、水冷銅坩堝1aの形状は、溶湯表面
で150×480mm、深さ60mmであり、真空チャ
ンバ40内の圧力は1×10-4Torr,電子銃10、
12からの電子ビーム11、13の出力は各々50kW
である。
【0031】上記装置を用い、リン、アルミニウム、カ
ルシウムをそれぞれ、25ppmw、700ppmw、
650ppmw含有するMG−Si(純度99.5%、
直径1〜3mmの粉末状)を水冷銅坩堝1aに5kg挿
入し、電子銃10、12からそれぞれ出力50kWの電
子ビーム11、13を溶湯表面上を走査させながら照射
することにより、シリコンを溶解し、5分間溶解した
後、原料供給装置15から原料となるMG−Siを所定
速度で供給した。その後、水冷銅坩堝1aのオーバーフ
ロー口からオーバーフローした精製された溶融シリコン
22を黒鉛鋳型(受器)31に受け、黒鉛鋳型31内に
10kgの精製されたシリコンがたまるまで電子ビーム
溶解を行った。
【0032】以上のような条件で得られたシリコンの化
学分析を行ったところ表4のような結果が得られた。こ
の結果によると、原料を連続的に供給した場合において
も、水冷銅坩堝を1個しか使用しなければ、前述した文
献及び従来例1にある結果と同様に、シリコン中のリ
ン、アルミニウム、カルシウム濃度は、原料の流入速度
を遅くしてもほとんど変化せず、それぞれ、約3ppm
w、約290ppmw、150ppmwまでしか低減で
きないことが分かる。
【0033】
【表4】
【0034】〔実施例3〕坩堝を2個とした他は従来例
2と同様とした装置の概略図を図2に示す。真空チャン
バ40内に水冷された銅坩堝1a、1bを2個設置し、
最大出力150kW級の電子銃10、12を銅坩堝1
a、1bの上部に2台備えている。また、精製されたシ
リコン22は、黒鉛鋳型(受器)31中に回収できるよ
うにした。ここで、水冷銅坩堝1a、1bの形状は、溶
湯表面で150×240mm、深さ60mmであり、従
来例2で用いた坩堝に比べ半分の溶湯表面積を持つもの
とした。すなわち2個合計で従来例2と同一の坩堝表面
積になるようにした。また、真空チャンバ40内の圧力
は1×10-4Torrとした。
【0035】上記装置を用い、リン、アルミニウム、カ
ルシウムをそれぞれ、25ppmw、700ppmw、
650ppmw含有するMG−Si(純度99.5%、
直径1〜3mmの粉末状)を水冷銅坩堝1aに2.5k
g挿入し、電子銃10から出力50kWの電子ビーム1
1を溶湯表面上を走査させながら照射することにより、
シリコンを溶解し、5分間溶解した後、原料供給装置1
5から原料シリコン21(MG−Si)を所定速度で流
入させた。その後、水冷銅坩堝1aのオーバーフロー口
3からオーバーフローした溶融シリコン22を水冷銅坩
堝1bに受け、水冷銅坩堝1aおよび水冷銅坩堝1b中
の溶融シリコン22にそれぞれ電子銃10、12からそ
れぞれ出力50kWの電子ビーム11、13を溶湯表面
上を走査させながら照射し、水冷銅坩堝1bのオーバー
フロー口3からオーバーフローした精製された溶融シリ
コン22を黒鉛鋳型(受器)31に受け、黒鉛鋳型(受
器)31内に10kgの精製されたシリコン32がたま
るまで電子ビーム溶解を行った。
【0036】以上のような条件で得られたシリコンの化
学分析を行ったところ表5のような結果が得られた。こ
の結果によると、原料を連続的に供給した場合において
も、水冷銅坩堝を2個使用し、適当な原料の流入速度を
選択すれば、実施例2にある結果と同様に、容易かつ、
短時間に、シリコン中のリン、アルミニウム、カルシウ
ム濃度をそれぞれ、0.2ppmw,10ppmw,
0.5ppmw以下に低減可能なことがわかる。
【0037】
【表5】
【0038】〔実施例4〕実施例3と同様の溶解装置で
坩堝1a、1b、1cを3個に変更した装置の概略図を
図3に示した。真空チャンバ40内に水冷銅坩堝を3個
設置し、最大出力150kW級の電子銃10、12を銅
坩堝1a、1b、1c上部に2台備えたものである。ま
た、精製されたシリコンは、黒鉛鋳型31中に回収でき
るようにした。ここで、水冷銅坩堝1a、1b、1cの
形状は、各々、溶湯表面で150×160mm、深さ6
0mmであり、実施例3で用いたものに比べ、3分の1
の溶湯表面積を持つものとした。すなわち、3個合計で
実施例3と同一となるようにした。また、真空チャンバ
40内の圧力は1×10-4Torrとした。
【0039】上記装置を用い、リン、アルミニウム、カ
ルシウムをそれぞれ、25ppmw,700ppmw,
650ppmw含有するMG−Si(純度99.5%、
直径1〜3mmの粉末状)を水冷銅坩堝1aに1.6k
g挿入し、電子銃10から出力30kWの電子ビーム1
1、13を溶湯表面上を走査させながら照射することに
より、シリコンを溶解させ、5分間溶解した後、原料供
給装置15から原料となる市販の高純度シリコンを所定
速度で供給した。その後、水冷銅坩堝1aのオーバーフ
ロー口3からオーバーフローした溶融シリコン22を水
冷銅坩堝11bを介して水冷銅坩堝1cに受け、水冷銅
坩堝1aのシリコンには電子銃10から、水冷銅坩堝1
bおよび水冷銅坩堝1c中の溶融シリコン22には、電
子銃12からそれぞれ出力50kWの電子ビーム11、
13を溶湯表面上を走査させながら照射し、水冷銅坩堝
1cのオーバーフロー口3からオーバーフローした精製
された溶融シリコン22を黒鉛鋳型(受器)31に受
け、黒鉛鋳型31内に10kgの精製されたシリコン3
2がたまるまで電子ビーム溶解を行った。
【0040】以上のような条件で得られたシリコンの化
学分析を行ったところ、表6のような結果が得られた。
この結果によると、原料を連続的に供給した場合におい
ても、水冷銅坩堝を3個使用した場合は、水冷銅坩堝を
1個もしくは2個使用した場合に比べ、適当な原料の流
入速度を選択すれば、実施例3にある結果と同様に、容
易かつ、短時間に、シリコン中のリン、アルミニウム、
カルシウム濃度をそれぞれ、0.2ppmw、10pp
mw、0.5ppmw以下に低減可能なことがわかる。
この結果からも、使用する坩堝1a、1b、1cの数が
多いほど、シリコン中のリン、アルミニウム、カルシウ
ムの低減が効果的に行われることが容易に類推される。
【0041】
【表6】
【0042】
【発明の効果】本発明は、シリコンを電子ビーム溶解す
るに当たり、溶解したシリコンの底部に残留するリン、
アルミニウム、カルシウムを多量に含有する未溶解原
料、ならびに溶解直後に水冷坩堝に固着するリン、アル
ミニウム、カルシウムを多量に含有するシリコンからの
汚染を防ぐようにしたからシリコン中のリン、アルミニ
ウム、カルシウムの低減を図ることができ、容易かつ短
時間に、シリコン中のリン、アルミニウム、カルシウム
がそれぞれ、0.2ppmw、10ppmw、0.5p
pmw以下であるシリコンが得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のシリコンの精製方法および精
製装置を示す説明図である。
【図2】本発明の実施例のシリコンの精製方法および精
製装置を示す説明図である。
【図3】本発明の実施例のシリコンの精製方法および精
製装置を示す説明図である。
【図4】従来例のシリコンの精製方法および精製装置を
示す説明図である。
【符号の説明】
1a、1b、1c 坩堝 2 水冷部 3 オーバーフロー口 10、12 電子
銃 11、13 電子ビーム 15 原料供給装
置 21、22、32 シリコン 31 黒鉛鋳型
(受器) 40 真空チャンバ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビーム溶解によりシリコンを精製す
    るにあたり、減圧下において複数の水冷坩堝を用い、上
    位の坩堝に固体原料シリコンを供給しつつまたは固体原
    料シリコンを供給した後電子ビームを照射して該固体原
    料シリコンを溶解し、該固体原料シリコンを溶解しつつ
    または固体原料シリコンが溶解した後溶融シリコンを下
    位の坩堝に注湯し、さらに電子ビームの照射を行ないな
    がら該溶融シリコンを順次下位の坩堝に注湯することを
    繰り返えすことを特徴とするシリコンの精製方法。
  2. 【請求項2】 シリコンを電子ビーム溶解により精製す
    る装置において、固体原料シリコンの供給装置と、下位
    の坩堝に溶融シリコンを注湯する手段を備えた複数の水
    冷坩堝と、坩堝内のシリコンを溶解する電子ビーム装置
    と、溶融シリコンを受納して凝固させる受器とを真空容
    器内に備えたことを特徴とするシリコンの精製装置。
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