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JPH0730081B2 - 抗コクシジウム活性および成長促進活性を有する酸性の多環式エーテル抗生物質 - Google Patents

抗コクシジウム活性および成長促進活性を有する酸性の多環式エーテル抗生物質

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Publication number
JPH0730081B2
JPH0730081B2 JP2854689A JP2854689A JPH0730081B2 JP H0730081 B2 JPH0730081 B2 JP H0730081B2 JP 2854689 A JP2854689 A JP 2854689A JP 2854689 A JP2854689 A JP 2854689A JP H0730081 B2 JPH0730081 B2 JP H0730081B2
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compound
poultry
growth
pigs
compound according
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JP2854689A
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ジヨン・フイリツプ・ダーラム
ウオールター・パトリツク・カレン
裕志 前田
淳祐 刀根
Original Assignee
フアイザー・インコーポレイテツド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by フアイザー・インコーポレイテツド filed Critical フアイザー・インコーポレイテツド
Publication of JPH01272586A publication Critical patent/JPH01272586A/ja
Publication of JPH0730081B2 publication Critical patent/JPH0730081B2/ja
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    • C07D493/00Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system
    • C07D493/02Heterocyclic compounds containing oxygen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D493/10Spiro-condensed systems
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、式: [式中、Me=CH3である] を有しかつ示したような絶対的立体化学配置を有する新
規な酸性の多環式エーテル抗生物質;その医薬上許容し
うるカチオン塩;前記抗生物質を含む家禽、牛もしくは
豚のための栄養飼料組成物;家禽における抗コクシジウ
ム剤としての使用、豚の下痢の治療もしくは予防におけ
るその使用、または牛もしくは豚における成長促進剤と
してのその使用;その発酵製造方法;並びに前記発酵法
にて前記抗生物質を産生するアクチノマズラ・sp.(Act
inomadura sp.)微生物に関するものである。
化合物(I)は、酸性の多環式エーテル群の抗生物質の
新規な種類である。この種類はモネンシン[メルクイン
デックス、第10版、メルク・アンド・カンパニー社、ニ
ュージャジー州、ラーウェー在、1983年、モノグラフN
o.6100]、ニゲリシン[同上、モノグラフNo.6390)ナ
ラシン[同上、モノグラフNo.6271]、ラサロシド[同
上、モノグラフNo.5204]およびサリノマイシン[同
上、モノグラフNo.8193]として周知されたような薬剤
を包含する。この主題はウェストレーによりアドバンス
ト・アプライド・マイクロバイオロジー、第22巻、第17
7〜223頁(1977)の「ポリエーテル抗生物質」にて検討
されている。本発明の化合物に最も近縁な構造を有する
ものはポルトマイシン、すなわちハミル等により米国特
許第4,582,822号公報に報告され、かつそれとは独立し
てクサカベ等によりヨーロッパ特許出願第158,179号;
テトラヘドロン・レタース、第28巻、第3357〜3360頁
(1987);ジャーナル・アンチバイオチックス、第40
巻、第237〜238頁(1987)に報告された抗生物質であ
る。この化合物は、本発明の化合物がα−メチル基を有
するテトラヒドロフランB−環にα−水素を有する。こ
れらの化合物は一般に制コクシジウム剤、飼料添加剤−
成長促進剤および/または豚下痢に対し有用な薬剤とし
て知られている。
アクチノマズラ・sp.ATCC 53708の培養物は、水性培地
中で好気性条件下に発酵させると、新規な酸性の多環式
エーテル抗生物質、すなわち上記の式(I)を有する化
合物を産生する。
本発明は式(I)の化合物およびその医薬上許容しうる
カチオン塩、並びにその製造方法に向けられ、この方法
は前記アクチノマズラ・sp.ATCC 53708を資化性の炭素
および窒素源からなる水性栄養培地にて回収しうる量の
式(I)の化合物が、好ましくは深部好気性条件下で生
成されるまで発酵させることを特徴とする。豚下痢の予
防もしくは治療における抗コクシジウム剤としておよび
/または成長促進剤として使用するには、化合物(I)
は必らずしも発酵培地から分離して実質的に純粋物とし
て単離する必要がなく、菌糸と混合した沈澱状(発酵培
地の濾過により回収)または全発酵培地の噴霧乾燥もし
くは凍結乾燥により得られる固体のいずれかとして粗製
状で使用される。
前記医薬上許容しうるカチオン塩は限定はしないがナト
リウム、カリウム、カルシウム、アンモニア、N,N′−
ジベンジルエチレンジアミン、N−メチルグルカミン
(メグルミン)およびジエタノールアミンの塩類を包含
する。好適カチオン塩はカリウム塩およびナトリウム塩
である。
さらに本発明は、一方では牛もしくは豚の成長を促進し
かつ/またはその飼料利用率を向上させ或いは豚におけ
る下痢を予防もしくは治療するのに有効な量の式(I)
の化合物からなる牛もしくは豚用の栄養飼料組成物に向
けられ、また他方では家禽におけるコクシジウム感染を
抑制するのに有効な量の式(I)の化合物からなる家禽
用の栄養飼料組成物に向けられる。
さらに本発明は、豚もしくは牛の成長を促進させかつ/
またはその飼料利用効率を増大させる方法にも向けら
れ、この方法は成長促進量または飼料利用効率促進量の
式(I)の化合物を特に栄養飼料組成物として豚もしく
は牛に投与することを特徴とする。さらに本発明は、豚
における下痢の予防もしくは治療方法にも向けられ、こ
の方法は豚における下痢を予防もしくは治療するのに有
効な量の式(I)の化合物を豚に投与することを特徴と
する。また本発明は家禽におけるコクシジウム感染の抑
制方法にも向けられ、この方法はコクシジウム抑制上有
効量の式(I)の化合物を特に栄養飼料組成物として家
禽に投与することを特徴とする。
最後に本発明はアクチノマズラ・sp.ATCC 53708の生物
学上純粋な培養物にも向けられ、この培養物は資化性の
炭素および窒素源からなる水性栄養培地にて発酵させた
際に回収しうる量で式(I)の化合物を産生することが
でき、さらに凍結乾燥型の培養物をも包含する。
式(I)を有する本発明の多環式エーテル抗生物質を産
生しうる培養物はアクチノマズラ・sp.と称され、メリ
ーランド州、ロックビル在のアメリカン・タイプ・カル
チャー・コレクションにタイプカルチャーとして寄託さ
れ、受託番号ATCC 53708を受けている。
この新規な培養物はトルコ国、イスタンブール、ツヅラ
にて採取された土壌試料から得られ、かつファイザー・
インコーポレーテッド社のカルチャーコレクションにお
いてN 777-1として同定された。その説明および分類は
L.H.ファング博士によって与えられた。この培養物は狭
い寸法のアクチノミセテスの菌糸(すなわち短い胞子連
鎖が形成される好気性菌糸および非断片化基質菌糸)を
形成することが判明した。全細胞分析の結果は、さらに
これがアクチノマズラ属に属することを示す。
この微生物のスラント培養物をATCC 172ブロスに移植
し、かつ振とう器にて28℃で4日間増殖させた。次い
で、これを20分間遠心分離し、減菌蒸留水で3回洗浄し
かつアクチノミセスの種類の同定に一般的に用いられる
培地に移植した。
培養物を28℃で培養しかつ結果を種々の時点で判定した
が、最も一般的には14日間で測定した。着色については
一般的用語で記載したが、正確な着色はザ・カラー・ハ
ーモニー・マニュアル、第4版からの色度表と比較して
決定した。全細胞アミノ酸および糖の分析方法は、それ
ぞれベッカー等のアプライド・マイクロバイオロジー、
第12巻、第421〜423頁(1964)およびスタネック等のア
プライド・マイクロバイオロジー、第28巻、第226〜234
頁(1974)、並びにレヘバリエールのジャーナル・ラボ
ラトリー・クリニカル・メディスン、第71巻、第934〜9
44頁(1968)に記載された方法である。
培養物は次のように同定された: 酵母抽出物−麦芽抽出物寒天(ISPNo.2培地、ディフコ
社):増殖良好、暗灰色〜黒色(ほぼ灰色シリーズ5i
h、5ml)斑点を有するクリーム色(2ca)、隆起、皺あ
り、気菌糸無し〜僅少、無色;黒色(ほぼ灰色シリー
ズ、5ml)斑点を有するリバースクリーム色〜淡黄色(2
ca,2ea);可溶性色素なし。
オートミール寒天(ISPNo.3培地、ディフコ社):増殖
中庸、クリーム色(2ca)、僅かに隆起、平滑;気菌糸
無し〜僅少、無色;リバースクリーム色(2ca);可溶
性色素クリーム色(2ca)。
無機塩−澱粉寒天(ISPNo.4培地、ディフコ社):増殖
貧弱、クリーム色(2ca)、薄い、平滑;好気性菌糸無
し〜僅少、無色;リバースクリーム色(2ca);可溶性
色素なし。
グリセリン−アスパラギン寒天(ISPNo.5培地、ディフ
コ社):成長貧弱〜中庸、クリーム色(2ca)、薄い、
平滑、気菌糸なし;リバースクリーム色(2ca);可溶
性色素なし。
ツァペック−シュークロース寒天(ワックスマン、「ザ
・アクチノミセテス」、第2巻、培地No.1、第328頁、1
961):増殖中庸〜良好、クリーム色(2ca)、やや隆
起、平滑、気菌糸なし;リバースクリーム色(2ca);
可溶性色素なし。
グルコース−アスパラギン寒天(同上、培地No.2);増
殖中庸、クリーム色(2ca)、薄い〜やや隆起、平滑〜
皺、気菌糸なし;リバースクリーム色(2ca);可溶性
色素なし。
ゴードンおよびスミスのチロシン寒天(ゴードンおよび
スミス、ジャーナル・バクテリオロジー、第69巻、第14
7〜150頁、1955):増殖中庸〜良好、クリーム色(2c
a)、僅か〜中庸の隆起、平滑〜皺、気菌糸なし;リバ
ースクリーム色(2ca);可溶性色素淡黄色(2ea)。
リンゴ酸カルシウム寒天(ワックスマン、バクテリオロ
ジー・レビュー、第21巻、第1〜29頁、1957):増殖僅
少、クリーム色(2ca)、薄い、平滑;気菌糸なし;リ
バースクリーム色(2ca);可溶性色素なし。
カゼイン寒天(ゴードンおよびスミス、同上):増殖良
好、クリーム色(2ca)、隆起、平滑〜皺、気菌糸な
し;リバース淡黄色(2ea);黄色(2ga)可溶性色素あ
り。
ベンネット寒天(ワックスマン、同上、培地No.30、第3
31頁):増殖良好、クリーム色(2ca)、隆起、皺あ
り、気菌糸なし;リバースクリーム色〜淡黄色(2ca,2e
a);可溶性色素淡黄色(2ea)。
エマーソン寒天(同上、培地No.28、第331頁):増殖中
庸、クリーム色〜淡黄色(2ca,2ea)、隆起、皺あり、
気菌糸なし;リバース黄色(2ic);可溶性色素なし。
栄養寒天(同上、培地No.14、第330頁):増殖貧弱〜中
庸、クリーム色(2ca)、薄い〜僅か隆起、気菌糸な
し;リバースクリーム色(2ca);可溶性色素なし。
ゼラチン寒天(ゴードンおよびミーム、ジャーナル・バ
クテリオロジー、第73巻、第15〜27頁、1957):増殖良
好、クリーム色(2ca)、隆起、皺あり、気菌糸なし;
リバースクリーム色〜淡黄色(2ca,2ea);可溶性色素
淡黄色(2ea)。
澱粉寒天(同上):増殖良好、クリーム色(2ca)、隆
起、皺あり、気菌糸なし;リバースクリーム色〜淡黄色
(2ca,2ea);可溶性色素なし。
馬鈴薯人参寒天(レヘバリエール、ラボラトリー・クリ
ニカル・メディスン、第71巻、第934〜944頁(1968)、
ただし30gの馬鈴薯と2.5gの人参と20gの寒天とのみを用
いる):増殖貧弱〜中庸、オフホワイト色(ほぼ灰色シ
リーズ2ba)、薄い、平滑;気菌糸無し〜僅少、無色;
リバース無色〜クリーム色(2ca);可溶性色素なし。
水道水寒天(2%):増殖貧弱、クリーム色(2ca)、
薄い、平滑;気菌糸無し〜僅少、無色;リバース無色〜
クリーム色(2ca);可溶性色素なし。
ゲージの無機培地1(ゲージ等、拮抗性アクチノミセテ
スの分類における問題点、英語版、第13頁、1957):増
殖貧弱〜中庸、クリーム色(2ca)、薄い、平滑;気菌
糸なし〜僅少、無色;リバースクリーム色(2ca);可
溶性色素なし。
ゲージの有機培地2(同上):増殖良好、クリーム色
(2ca)、隆起、皺あり、気菌糸なし;リバースクリー
ム色〜淡黄色(2ca,2ea);可溶性色素なし。
形態学的性質:無機塩−澱粉寒天上で3週間培養した後
に形態学的性質を観察した:気菌糸無色、白色〜クリー
ム色;胞子連鎖直線状、湾曲または鉤状、胞子連鎖1本
当り2〜9個の胞子;胞子球状、卵形〜長円形、直径0.
8〜1.4μmまたは1.1〜1.8×0.8〜1.2μm;走査型電子顕
微鏡により観察して平滑。
生化学的性質:メラニンの生成なし;硫化水素の生成な
し;ゼラチン液化;澱粉加水分解せず;亜硝酸への硝酸
の還元なし;ジエンセンもしくはレビンおよびシェーン
ラインのセルロースブロスにて増殖および分解なし;ミ
ルクの凝集および解膠なし;カゼイン消化陽性;チロシ
ン消化陰性;リンゴ酸カルシウム消化陰性。炭水化物の
利用:グルコース、アラビノース、フラクトース、マニ
トール、ラムノース、シュークロース、キシロース、ア
ドニトール、セロビオース、グリセリン、マルトース、
リボース、澱粉およびトレハロースを利用;イノシトー
ル、ラフィノース、ズルシトール、エリスリトール、ガ
ラクトース、ラクトース、マンノース、メレジトース、
メリビオース、α−メチル−D−グルコシド、サリシ
ン、ソルビトールおよびソルボースを利用せず。
他の陽性試験は酢酸塩および焦性ブドウ酸塩の利用;エ
スリンの加水分解;並びにキサンチンおよびヒポキサン
チンの分解を含んだ。次の試験は陰性であった:安息香
酸塩、クエン酸塩、デキストリン、乳酸塩、リング酸
塩、ムチン酸塩、修酸塩、フェノール、プロピオン酸塩
およびコハク酸塩の利用;アデニンおよびチロシンの分
解;並びにヒポ尿素の加水分解。
温度の関係 21℃ 28℃ 37℃ 45℃ 増殖良好 増殖良好 増殖良好 増殖良好 全細胞の分析:全細胞の加水分解物はメソジアミノピメ
リン酸とグルコースとガラクトースとマズロースとマン
ノースとリボースとを含有した。
培養物N 771-1はクリーム色基菌糸;短い無色の気菌
糸;直線、湾曲もしくは鉤状である短い胞子連鎖;並び
に平滑表面を有する胞子を特徴とする。これはグルコー
ス、アラビノース、フラクトース、マニトール、ラムノ
ース、シュークロース、キシロース、アドニトール、セ
ロビオース、グリセリン、マルトース、リボース、澱
粉、トレハロース、酢酸塩および焦性ブドウ酸塩を利用
した。キサンチン、ヒポキサンチンおよびエスクリンは
分解されなかった。全細胞加水分解物はメソジアミノピ
メリン酸とマズロースとの存在を示す。したがって、培
養物N 777-1はH.レヘバリエールにより規定されたよう
にアクチノマズラ属に属する。
同様なクリーム色基菌糸および/または同様な生化学的
性質を示すアクチノマズラの公知菌種はA.クレミア・サ
ブスペシース・リファマイシニ(A.cremea subsp.rifam
ycini)、A.マズラエ・サブスペシース・シマオエンシ
ス(A.madurae subsp.simaoensis)およびA.ルーチエニ
イ(A.routienii)を包含する。培養物N 777-1は、平滑
な胞子、硝酸塩の還元なし、ラフィノーズの利用なし、
並びにアラビノースおよびラムノースの利用においてA.
クレミア・サブスペシース・リファマイシニとは相違す
る。
培養物N 777-1は、無色〜橙褐色でなくクリーム色の基
菌糸、無色〜桃白色でなく無色の気菌糸、硝酸塩の還元
なし、チロシンの分解なし、並びにキサンチンの分解能
力においてA.マズラエ・サブスペシース・シマオエンシ
スとは相違する。A.ルーチエニイと対比して、これは偽
胞子の不存在;澱粉の加水分解なし、ミルクの凝集な
し、並びにマニトール、フラクトースおよびグリセリン
の利用能力において相違する。
培養物N 777-1は殆んどの生化学的試験においてA.アル
ボルテア(A.albolutea)に類似するが、澱粉の加水分
解なし、ミルクの凝集なし、褐色〜暗褐色でなくクリー
ム色の気菌糸、並びに長胞子連鎖でなく短い連鎖におい
て相違する。
上記データに基づき、培養物N 777-1はアクチノマズラ
属の一員と考えられかつアクチノマズラ・sp.と命名さ
れる。これは受託番号ATCC 53708としてアメリカン・タ
イプ・カルチャー・コレクションに寄託されている。
本発明の抗生物質化合物(I)は、本発明のアクチノマ
ズラ・sp.を約24〜約36℃にて深部条件下で攪拌および
通気しながら、たとえば砂糖、澱粉、グリセリンのよう
な炭水化物源;たとえば大豆粉、カザミノ酸、酵母抽出
物のような有機窒素物質;たとえば穀類溶解物、魚粉、
綿実粉のような成長物質;たとえば鉄、コバルト、銅、
亜鉛などの微量元素および緩衝剤としての炭酸カルシウ
ムもしくは燐酸カルシウムを包含する無機塩よりなる培
地で増殖させることにより容易に産生される。増殖が完
了した後、抗生物質は全培地をたとえばn−ブタノー
ル、メチルイソブチルケトンもしくはクロロホルムのよ
うな有機溶剤により4.0〜8.0のpH範囲で抽出することに
より、或いは沈澱した抗生物質を包含する菌糸を濾別す
ることにより(濾液は捨てる)、或いは単に全培地を噴
霧乾燥もしくは凍結乾燥することより容易に回収され
る。或いは、菌糸または全乾燥培地を前記有機溶剤の1
種で抽出する。精製された抗生物質化合物は、所望に応
じて、有機抽出物から標準的濃縮法、塩もしくは遊離酸
の生成、クロマトグラフィー、沈澱および/または結晶
化により後記に例示するように単離される。
発酵を行なう通常の方法においては、先ず最初にアクチ
ノマズラ・sp.ATCC 53708が接種されているスラントま
たはルークス瓶から植物性細胞を掻取りかつ適当な培地
上で増殖させて接種物を作成する。次いで、得られた植
物性細胞を用いて、同様に適当な増殖培地を含有する振
とうフラスコもしくは接種槽に接種する。或いは、接種
槽には振とうフラスコから接種する。適当な増殖期間
(一般に振とうフラスコでは120〜144時間、接種槽では
168〜196時間)の後、同様に適当な増殖培地を含有する
発酵槽に無菌条件下で振とうフラスコもしくは接種槽か
らの植物性ブロスを接種する。増殖の完了後(一般に約
120〜196時間)抗生物質化合物を所望に応じ一般的に上
記した方法のいずれかにより或いは後記に例示する特殊
方法により粗製型または純粋型で回収する。
式(I)の化合物は標準法によりインビトロの抗菌活性
につき試験され、その際1種もしくはそれ以上の微生物
に対する最小阻止濃度(MIC)をmcg/mlとして測定す
る。この種の1つの方法は「抗生物質感受性試験に対す
る国際協力試験」[エリクソンおよびシェリス、アクタ
・パソロジカ・エト・ミクロビオロジア・スカンジナビ
ア、サプルメント第217巻、セクションB、第64〜68(1
971)]により推奨された方法であって、脳心臓潅流(B
HI)寒天および接種物複製装置を用いる。1晩の増殖チ
ューブを標準的接種物として使用するために10倍希釈す
る(約0.002mlにおける20,000〜100,000個の細胞を寒天
表面上に載せる;BHI寒天20ml/皿1枚)。試験薬剤の初
期濃度を200mcg/mlとして、試験化合物につき12個の2
倍希釈物を用いる。37℃にて18時間後にプレートを測定
する際、単一のコロニーは無視する。試験微生物の感受
性(MIC)は、肉眼判定して完全な増殖阻止を生じうる
化合物の最小濃度として認められている。他の多環式エ
ーテル抗生物質と同様に、本発明による式(I)の化合
物は典型的にはグラム陽性の抗菌活性を示し、さらに第
(I)表に示すようにトレポネマ・ヒオディセンテリア
(Treponema hyodysenteriae)、(豚下痢の発生源)に
対する活性をも示す。
皺におけるコクシジウム感染に対する式(I)の化合物
およびその塩類の効果データは次の方法によって得られ
る。3〜5匹の10日令の病原を持たない白色レグホン若
ニワトリの群に、化合物(I)またはそのナトリウム塩
および/またはカリウム塩を均一分散させた粉末餌を給
餌する。この餌で24時間飼育した後、各ニワトリに試験
されるアイメリア(Eimeria)の特定種類の接合子を経
口接種する。3〜5匹の10日令のニワトリよりなる他の
群には、化合物(I)またはその塩を含まない同様な粉
末餌を給餌する。これらも24時間後に感染させ、かつ感
染比較として用いる。さらに3〜5匹の10日令のニワト
リよりなる他の群には抗生物質を含まない同じ粉末餌を
給餌するが、コクシジウムを感染させない。これらを正
常な比較として用いる。処理の結果をE.アセルブリナ
(E.acervulina)の場合には5日後に、また他の全ての
微生物については6日後に評価する。
抗コクシジウム活性を測定すべく使用する基準は、J.E.
リンチ、「抗コクシジウム活性の一次評価の新規な方
法」、アメリカン・ジャーナル・ベテリナリー・リサー
チ、第22巻、第324〜326頁(1961)にしたがうE.テネラ
に関する0〜4の病巣尺度;並びに他の菌種については
J.ジョンソンおよびW.H.ライド、「抗コクシジウム薬
剤:ニワトリにおけるバッテリーおよび床ペン実験にお
ける病巣評価技術」、エキスペリメンタル・パラシッ
ト、第28巻、第30〜36頁(1970)により考案された尺度
システムの改変に基づき0〜3の病巣尺度よりなってい
る。各処理群の病巣尺度を感染比較の病巣尺度により割
算して活性を測定する。この試薬において、化合物
(I)およびカチオン塩はアイメリア・テネラ(Eimeri
a tenella)、E.アセルブリナ(E.acervulina)、E.マ
キシマ(E.maxima)、E.ブルネッチ(E.brunetti)およ
びE.ネカトリックス(E.necatrix)の家禽における感染
に対し、約1.0〜25ppmのレベルでニワトリの粉末餌に混
入した場合、優秀な活性を示す。たとえば感受性のE.テ
ネラに対し式(I)の化合物は5ppm程度の低い投与量に
て100%の病巣抑制を示した。
さらに、式(I)の本発明による化合物は或る種の他の
公知抗コクシジウム剤、たとえばニカルバジン、すなわ
ち4,4′−ジニトロカルボアニリードまたはナフタレン
アミンと組合せても一般に有用であり、これはハミル等
により上記米国特許第4,582,822号公報に開示されてい
る。
家禽におけるコクシジウム症を予防し或いは抑制するに
は、本発明の化合物を適当なキャリヤにて家禽に経口投
与する。便利には、投薬は単に飲料水または家禽飼料に
て毎日の水または飼料で治療投与量の薬剤が摂取される
ように行なわれる。薬剤は、好ましくは液体濃厚物の形
態で飲料水中に直接計量して混入することができ、或い
はそのまま餌に直接添加することもでき、或いはプレミ
ックスもしくは濃厚物の形態で投与することもできる。
キャリヤ中の治療剤のプレミックスもしくは濃厚物は、
一般に餌中に薬剤を含ませるために用いられる。治療剤
は実質的に純粋な形態(たとえば遊離酸またはその医薬
上許容しうる塩)、たとえば湿潤もしくは乾燥菌糸また
は乾燥された全ブロスのような成分分析された粗製形態
とすることができる。適するキャリヤは所望に応じ水、
各種のミール、たとえば大豆油ミール、ヒマシ油ミー
ル、コーンコブミールのような液体もしくは固体であ
り、さらにミネラル混合物そのものも家禽飼料に一般的
に用いられる。特に効果的なキャリヤは家禽飼料自身で
あり、すなわち少量部の家禽飼料である。キャリアはプ
レミックスを配合する最終餌における活性物質の均一分
配を容易化させる。これは、極く少量割合の本発明によ
る強力な薬剤が必要とされるので重要である。化合物を
プレミックス中に充分に配合し、次いで餌中に配合する
ことが重要である。この点において、薬剤はたとえば大
豆油、コーン油、綿実油などの適当な油性ベヒクル或い
は揮発性有機溶剤に分散もしくは溶解させることがで
き、次いでキャリヤと配合することができる。濃厚物に
おける活性物質の割合は、仕上げ餌における薬剤の量を
適当な割合のプレミックスと餌との配合により調整して
所望レベルの治療剤を得ることができるので、広範囲に
変化させうることが了解されよう。
極めて強力な濃厚物を餌製造業者によりたとえば大豆油
粉およびその他のミールのような蛋白質キャリヤと上記
したように配合して、家禽に直接給餌するのに適した濃
厚補給物を生成させることもできる。このような場合、
家禽は通常の食餌を消費することができる。或いは、こ
の種の濃厚補給物を家禽餌に直接添加して、治療上有効
量の1種もしくはそれ以上の本発明による化合物を含有
した栄養上バランスした仕上げ餌を製造することもでき
る。たとえば双シェルブレンダでの標準法により混合物
を充分配合して、均質性を確保する。
家禽に使用するには、ここに開示した化合物の使用レベ
ルは種々異なる環境で変化する。成長期間、すなわちニ
ワトリにつき最初の5〜12週間にわたり連続した低レベ
ルの投薬が有効な予防手段である。確認された感染を治
療する場合は、より多量が感染を克服するのに必要とさ
れる。餌中の化合物(I)の使用レベルは、一般に約1.
0〜25ppmの範囲、好ましくは約2.5〜12.5ppmの範囲であ
る。飲料水で投与する場合、所望量は水の毎日の平均消
費に対する餌の毎日の平均消費の重量比をファクターと
する同じ1日投薬量を与えるような量である。
増殖の促進および/または豚もしくは牛における飼料利
用効率を増大させる式(I)の化合物およびその塩の活
性は、試験群の動物に種々の量の化合物(I)または塩
を餌中に加えて直接に測定することができる。或いは、
英国特許第1,197,826号公報は、餌中の抗生物質のイン
ビトロルーメン評価法を詳述している。
豚下痢の予防もしくは治療、或いは牛もしくは豚の成長
促進および/またはその飼料利用効率の増大に使用する
には、式(I)の化合物もしくは塩を好ましくは飼料添
加剤として投与する。飼料は、治療剤が均一分散された
餌を製造すると同様にして家禽餌の製造につき上記に詳
述したと全く同様な方法で製造される。牛もしくは豚の
飼料における化合物(I)の使用量は一般に約0.25〜25
ppmの範囲である。反芻動物において、式(I)の化合
物は反芻胃に保持される丸薬の形態で経口投与されて、
長時間(たとえば4〜8週間)にわたりほぼ一定割合で
治療剤を放出させ、飼料における上記毎日の投与量に等
しい投与量を次のように与えることもできる: 毎日の平均投与量(mg)=(0.25〜25ppm)×毎日の平
均餌消費量(kg) 以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれ
ら実施例の詳細のみに限定されないものと了解すべきで
ある。
実施例1 アクチノマズラ・sp.ATCC 53708の発酵、 ナトリウム塩としての化合物(I)の単離 スラントまたはルークス瓶における固体培地にATCC 537
08培養物を接種することによりアクチノマズラ・sp.を
増殖させ、その際準備されかつ次の組成を有するATCC培
地No.172を用いた: g/l グルコース 10 可溶性澱粉 20 酵母抽出物 5 カゼイン酵素加水分解物 1 炭酸カルシウム 1 1000mlまでの蒸溜水; KOHで7.0のpHまで調整;寒天(20)の添加 他方、次の培地の一方または他方を用いて振とうフラス
コを作成した: C′ g/l セレロース 10 大豆粉 10 コーン 5 発酵固体 コーンスターチ 10 塩化ナトリウム 5 塩化コバルト 0.002 炭酸カルシウム 1JDYTT g/l セレロース 10 コーンスターチ 5 コーンスチープリカー 5 カゼイン酵素 5 加水分解物 塩化コバルト 0.002 炭酸カルシウム 3 100mlの培地を300mlの振とうフラスコに分配し、120℃
かつ15psiで30分間殺菌した。冷却後、この培地に上記
アクチノマズラ・sp.スラント培養物から掻取られた植
物性細胞懸濁物を接種した。フラスコを毎分1.5〜2.5イ
ンチかつ150〜200サイクル(CPM)で運動する振とう機
にて5〜7日間振とうした。
他方、上記C′もしくはJDYTT培地または次の培地の1
種の3lを含有する5lの発酵槽を作成した:UK1-2 g/l セレロース 45 大豆粉 10 コーンスチープリカー 10 塩化コバルト 0.002 硫酸マグネシウム 0.10 炭酸カルシウム 3 硫酸マンガン 0.10 硫酸第二鉄 0.10 消泡剤(10重量%の酸化エチレンを含有するポリプロピ
レングリコールP2000,1ml)を添加し、かつ発酵槽を密
閉して120℃かつ15psiで45分間殺菌した。次いで、これ
らの層に1本の振とうフラスコ(約3%の接種物)を接
種し、30℃にて120〜168時間発酵させ、その際毎分1700
回転(rpm)にて攪拌すると共に液体1容積当り毎分1
容積の空気の通気速度を用いた。
発酵が完結した際(B.ズブチリスATCC6333に対する抗生
物質ディスク分析に基づく)、発酵槽を停止させかつ珪
藻土を用いて自然pHにて濾過した。濾過ケーキをメタノ
ール中にスラリー化し、減圧濃縮し、2〜3倍容積の水
で希釈し、次いで1/3〜1/2容積のメチルイソブチルケト
ンもしくはn−ブタノールのいずれかで2回抽出した。
溶剤層を吸引もしくは遠心分離により水相から分離し、
発泡させかつ減圧濃縮して式(I)の抗生物質を粘性油
として粗製状で得た。
ブロスおよびその後の回収流の生物活性は、バチルス・
ズブチリスATCC6633もしくはスタフィロコッカス・アウ
レウスATCC6538の感受性菌株を用いて追跡することがで
きる。ブロスおよび回収流における成分は、アナルテク
社のシリカゲルGFプレートを用いかつ溶出剤として酢酸
エチルを用いることにより可視化することができる。展
開したプレートにワニリン試薬(75mlのエタノールおよ
び25mlの85%燐酸における3gのワニリン)を噴霧しかつ
80℃まで加熱する。式(I)の抗生物質の生成物が紫色
斑点として出現する。さらに、展開したtlcプレートに
は塩化2,3,5-トリフェニル‐2H-テトラゾリウムー水塩
が添加されかつ35℃にて16時間培養されたS.アウレウス
もしくはB.ズブチリスのいずれかを接種した寒天を載せ
て、抗生物質を可視化することができる(橙色背景に対
し白色斑点)。
0.7lのC′もしくはJDYTT培地を含有する振とうフラス
コを作成することにより、大型発酵槽でのスケールアッ
プを行なった。振とうフラスコの接種物を28℃にて5〜
7日間発酵させ、かつこれを用いてそれぞれ100lまたは
4000lのUK1〜2培地を含有する200もしくは6000lの発酵
槽に接種した。各槽には1の接触物を用いた。7〜10
日間発酵させた後の発酵物を収穫した。
小規模の方の発酵試験の全ブロスを自然pHのメチルイソ
ブチルケトン50lで抽出した。有機抽出物をサイクロン
蒸留器および回転蒸発器で油状物まで減圧濃縮した。こ
の油状物を、ヘキサン中にスラリー化された500gのカラ
ム級シリカゲルでクロマトグラフに2回かけた。第1カ
ラムを酢酸エチルで展開すると共に、第2カラムを1:1
のCHCl3:アセトンで展開させた。生成物を含有する画
分を、上記方法のtlcによって同定した。第2シリカゲ
ルカラムからの活性画分を、最後に溶出剤としてのCHCl
3:CH3OH(19:1)を用いてフロリシルでクロマトグラフ
にかけた。生成物画分を合し、希H3PO4と共に振とう
し、次いで二塩基性燐酸ナトリウム緩衝剤と共に振とう
してナトリウム塩を生成させ、Na2SO4で脱水し、ストリ
ッピングしかつ残留物をエーテルから結晶化させて式
(I)の化合物のナトリウム塩を単離した(915mg;mp24
5-249℃.,▲[α]25 D▼=−19.0゜(c=1,CH3O
H))。
分析値: C45H77O14Naに対する計算値: C,62.47;H,8.97。
実測値:C,62.89;H,9.22。
C−13NMR[CDCl3における化学シフト(ppm),括弧内
は水素の個数]:182.8(0),110.0(0),106.0
(0),99.1(1),87.2(1),86.9(0),86.2
(1),86.2(0),84.8(1),83.4(0),82.6
(1),80.2(1),78.5(1),75.2(1),74.8
(1),74.6(1),66.4(1),60.3(3),57.9
(3),56.9(3),44.5(1),39.0(1),36.9
(1),36.8(2),35.9(2),35.4(2),35.2
(2),35.1(1),35.0(1),31.3(2),30.9
(2),30.5(1),28.2(3),27.1(2),26.1
(2),25.0(3),21.0(3),18.3(3),16.7
(3),15.3(3),13.4(3),13.1(3),11.2
(3),10.7(3)および10.6(3)。
大型タンク発酵における全ブロスの後処理は、約4000l
の全ブロスを1800lのメチルイソブチルケトンで抽出
し、溶剤をポドビエルナック抽出器で分離すると共に、
この溶剤を薄いシロップまで減圧濃縮することにより行
なった。濃厚物を同容積の純メタノールで2回トリチル
化し、メタノール不溶性の油状物から分離し、かつメタ
ノールトリチル化物をシロップまで減圧濃縮した。これ
をヘキサンで2回抽出しかつヘキサン抽出物を合してア
セトニトリルで抽出した。アセトニトリルは将来の回収
用に保持した。次いでヘキサンを減圧濃縮し、次いでシ
リカゲル上でバッチ式にクロマトグラフにかけた。シリ
カゲルを漏斗上で先ず最初にヘキサンにより、次いで塩
化メチレン、酢酸エチルおよび最後にアセトンで脱着さ
せた。
CH2Cl2および酢酸エチルの溶出物中に存在した活性画分
を濃縮し、ヘキサン中に溶解させかつ酸性の水で洗浄
し、次いで水中の1%N−メチル−D−グルカミンで抽
出した。水相に塩化ナトリウムを加塩し、次いで同容積
の酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合し、活性炭で
処理し、濾過し、pH9.0の燐酸ナトリウム緩衝液で洗浄
し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧濃縮しかつエーテル
から結晶化させて、小規模発酵の生成物と同一のナトリ
ウム塩50.8gを得た。
実施例2 遊離酸型における化合物(I) 式(I)の抗生物質の遊離酸型を次のようにして作成し
た。ナトリウム塩のクロロホルム溶液を同容積の塩酸
(pH2)と分液漏斗で激しく振とうした。相を分離させ
かつクロロホルム層を水洗し、次いで減圧蒸発させて遊
離酸を得た:mp87-90℃;▲[α]25 D▼=−6.9゜(c=
1,メタノール)。
分析値: C45H78O14・0.5H2Oに対する計算値: C,63.43;H,9.34。
実測値:C,63.35;H,9.53。
実施例3 化合物(I)のナトリウム塩 前記実施例の遊離酸(45mg)を100mlのクロロホルムに
溶解させた。水(100ml)中の炭酸ナトリウム(0.5g)
の溶液を添加し、次いで得られた混合物を分液漏斗に入
れて激しく数分間振とうした。クロロホルム層を分離
し、かつ水層を新鮮なクロロホルムで洗浄した。クロロ
ホルム抽出物を合して硫酸ナトリウムで脱水し、濾過し
かつ蒸発させて41mgのナトリウム塩を得た。mp230-235
℃;実施例1のナトリウム塩とは多形転移の関係にあ
る。
分析値: C45H77O14Naに対する計算値: C,62.47;H,8.97。
実測値:C,62.20;H,9.14。
実施例4 化合物(I)のルビジウム塩 表(I)の化合物のルビジウム塩を作成するため、遊離
酸(30mg)を50mlのクロロホルムに溶解した。炭酸ルビ
ジウム(水25ml中35mg)をクロロホルムに添加し、かつ
混合物を2時間攪拌した。有機層を分離し、かつ水層を
同容積のクロロホルムで抽出した。クロロホルム抽出物
を合して蒸発させることにより白色固体を得た。このル
ビジウム塩をエーテルからゆっくり蒸発させて再結晶化
させ、かつX線構造を得られた結晶につきJ.ボードナー
博士が決定した。
実施例5 化合物(I)のカリウム塩 式(I)の抗生物質化合物のカリウム塩を作成するため
遊離酸130mgを100mlのクロロホルムに溶解させた。水10
0mlにおけるK2CO3(100mg)を添加し、かつ得られた混
合物を数分間攪拌し、次いで分液漏斗に入れて激しく数
分間振とうした。有機相を分離しかつ減圧蒸発させて化
合物(I)を白色粉末として得た。mp255-260℃。
▲[α]25 D▼=−19.6゜(c=1,クロロホルム)。
分析値: C45H77O14Kに対する計算値: C,61.34;H,8.81。
実測値:C,60.91;H,8.83。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 17/18 D 7432−4B //(C12N 1/20 C12R 1:03) (C12P 17/18 C12R 1:03)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: [式中、Me=CH3である] を有する化合物またはその医薬上許容しうるカチオン
    塩。
  2. 【請求項2】ナトリウム塩もしくはカリウム塩としての
    請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】アクチノマズラ・sp.ATCC 53708を資化性
    の炭素および窒素源からなる水性栄養培地にて深部好気
    性条件下で、回収しうる量の前記化合物が生成されるま
    で発酵させることを特徴とする請求項1記載の化合物の
    製造方法。
  4. 【請求項4】化合物を発酵培地から分離する請求項3記
    載の方法。
  5. 【請求項5】沈澱形態の化合物を、菌糸を含む混合物と
    して発酵培地の濾過により回収する請求項3記載の方
    法。
  6. 【請求項6】化合物を全発酵培地の噴霧乾燥もしくは凍
    結乾燥により粗製型で回収する請求項3記載の方法。
  7. 【請求項7】豚における下痢を予防もしくは治療し、ま
    たは牛もしくは豚の成長を促進しかつ/またはその飼料
    利用率を向上させるのに有効な量の請求項1記載の化合
    物からなることを特徴とする牛もしくは豚用の栄養飼料
    組成物。
  8. 【請求項8】成長促進量または飼料利用効率促進量の請
    求項1記載の化合物を栄養飼料組成物として豚もしくは
    牛に投与することを特徴とする豚もしくは牛の成長を促
    進させかつ/またはその飼料利用効率を増大させる方
    法。
  9. 【請求項9】豚における下痢を予防もしくは治療するの
    に有効な量の請求項1記載の化合物を豚に投与すること
    を特徴とする豚における下痢の予防もしくは治療方法。
  10. 【請求項10】化合物を栄養飼料組成物として投与する
    請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】家禽におけるコクシジウム感染を抑制す
    るのに有効な量の請求項1記載の化合物からなることを
    特徴とする家禽用の栄養飼料組成物。
  12. 【請求項12】コクシジウム抑制上有効量の請求項1記
    載の化合物を家禽に投与することを特徴とする家禽にお
    けるコクシジウム感染の抑制方法。
  13. 【請求項13】化合物を栄養飼料組成物として家禽に投
    与する請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】資化性の炭素および窒素源からなる水性
    栄養培地にて発酵させた際に回収しうる量で請求項1記
    載の化合物を産生しうることを特徴とするアクチノマズ
    ラ・sp.ATCC 53708の生物学上純粋な培養物。
  15. 【請求項15】凍結乾燥型である請求項14記載の培養
    物。
  16. 【請求項16】アクチノマズラ・sp.ATCC 53708。
JP2854689A 1988-02-08 1989-02-07 抗コクシジウム活性および成長促進活性を有する酸性の多環式エーテル抗生物質 Expired - Lifetime JPH0730081B2 (ja)

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