JPH0728517B2 - 小型モ−タ - Google Patents
小型モ−タInfo
- Publication number
- JPH0728517B2 JPH0728517B2 JP60170010A JP17001085A JPH0728517B2 JP H0728517 B2 JPH0728517 B2 JP H0728517B2 JP 60170010 A JP60170010 A JP 60170010A JP 17001085 A JP17001085 A JP 17001085A JP H0728517 B2 JPH0728517 B2 JP H0728517B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- brush
- mentanol
- commutator
- motor
- commutator segment
- Prior art date
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- Motor Or Generator Current Collectors (AREA)
- Dc Machiner (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、例えばテープレコーダー・ビデオテープレコ
ーダーなどのテープを駆動するために使用される小型モ
ータに関するものである。
ーダーなどのテープを駆動するために使用される小型モ
ータに関するものである。
従来の技術 接点開閉回数の最も多い小型モータの例で説明すると、
一般に小型モータにおけるブラシは、大きくわけて二種
類である。一つは、弾性を有する導電材料、例えば銅・
ベリリウム銅、銅チタン合金・リン青銅・洋白の薄板材
あるいは線材に貴金属合金(例えば、Au,Pd,Pt,Ag,Cu等
及びそれらの合金)をクラッド化、又は薄板材、線材の
一部にスポット溶接の手段によって接合した構造であ
り、もう一つは、前に述べた薄板材あるいは線材の一部
に焼結カーボンブラシ(例えば、カーボン、Agカーボ
ン、Cuカーボン、AgCuカーボン、及びそれらの材料にSi
C,MoS2,Pb,エポキシ系樹脂などを添加剤として配合した
もの)を導電性接着剤、スポット溶接、あるいはカシメ
方式などの手段によって形成されているが、これらのブ
ラシを有する小型モータにおいては、コミュテータ回転
時に、ブラシしゅう動部が不必要に振動し、これによっ
てブラシしゅう動部のコミュテータ・セグメントに対す
る接触面に異常な溶着が生じることと、火花発生に伴う
黒化物(カーボン及びブラシとコミュテータ・セグメン
ト間で生ずるしゅう動摩耗粉が混じり合ったもの)と言
われる異常現象を促進する異物が生成されることがしば
しば起こり問題となる。小型モータのブラシの一例とし
て、コミュテータ・セグメントにしゅう接するブラシし
ゅう動部がモータケースの蓋などに設けられた支持手段
により支持されているブラシ基部と一体に成形されたも
のがある。その種のブラシとコミュテータ・セグメント
との接触状態を第4図に示す。
一般に小型モータにおけるブラシは、大きくわけて二種
類である。一つは、弾性を有する導電材料、例えば銅・
ベリリウム銅、銅チタン合金・リン青銅・洋白の薄板材
あるいは線材に貴金属合金(例えば、Au,Pd,Pt,Ag,Cu等
及びそれらの合金)をクラッド化、又は薄板材、線材の
一部にスポット溶接の手段によって接合した構造であ
り、もう一つは、前に述べた薄板材あるいは線材の一部
に焼結カーボンブラシ(例えば、カーボン、Agカーボ
ン、Cuカーボン、AgCuカーボン、及びそれらの材料にSi
C,MoS2,Pb,エポキシ系樹脂などを添加剤として配合した
もの)を導電性接着剤、スポット溶接、あるいはカシメ
方式などの手段によって形成されているが、これらのブ
ラシを有する小型モータにおいては、コミュテータ回転
時に、ブラシしゅう動部が不必要に振動し、これによっ
てブラシしゅう動部のコミュテータ・セグメントに対す
る接触面に異常な溶着が生じることと、火花発生に伴う
黒化物(カーボン及びブラシとコミュテータ・セグメン
ト間で生ずるしゅう動摩耗粉が混じり合ったもの)と言
われる異常現象を促進する異物が生成されることがしば
しば起こり問題となる。小型モータのブラシの一例とし
て、コミュテータ・セグメントにしゅう接するブラシし
ゅう動部がモータケースの蓋などに設けられた支持手段
により支持されているブラシ基部と一体に成形されたも
のがある。その種のブラシとコミュテータ・セグメント
との接触状態を第4図に示す。
第4図において、ブラシ支持手段1に支持されたブラシ
基部2から、折り曲げられたブラシしゅう動部3が伸び
ている。このブラシ基部2、ブラシしゅう動部それ自体
が弾性を有しコミュテータ・セグメント4に押圧された
状態で接触している。そして、この押圧力は、ブラシ基
部2とブラシしゅう動部3との折り曲げ角を適当に選ぶ
ことによって、必要な値にすることができる。また、コ
ミュテータ・セグメント4は、整流子基部5を介してモ
ータ回転軸6に固定され、モータの回転とともに回転す
る。
基部2から、折り曲げられたブラシしゅう動部3が伸び
ている。このブラシ基部2、ブラシしゅう動部それ自体
が弾性を有しコミュテータ・セグメント4に押圧された
状態で接触している。そして、この押圧力は、ブラシ基
部2とブラシしゅう動部3との折り曲げ角を適当に選ぶ
ことによって、必要な値にすることができる。また、コ
ミュテータ・セグメント4は、整流子基部5を介してモ
ータ回転軸6に固定され、モータの回転とともに回転す
る。
発明が解決しようとする問題点 このように、しゅう接するコミュテータ・セグメント4
とブラシしゅう動部3からは、整流時及び、接触点の断
続により電気火花が発生し、この電気火花の発生に伴っ
て電気ノイズや、コミュテータ・セグメント4、ブラシ
しゅう動部3に消耗や溶着が発生するなど、不都合な状
態が生じる。
とブラシしゅう動部3からは、整流時及び、接触点の断
続により電気火花が発生し、この電気火花の発生に伴っ
て電気ノイズや、コミュテータ・セグメント4、ブラシ
しゅう動部3に消耗や溶着が発生するなど、不都合な状
態が生じる。
例えば、コミュテータ・セグメント4と接触し始める位
置及び離れる位置(第4図のa部)に溶着が生じると、
この溶着物がコミュテータ・セグメント4の表面を擦過
して損傷を与え、さらにこの擦過によって生じた切屑
が、互いに隣会うコミュテータ・セグメント4の間のギ
ャップ部(第4図のb部)に溜まり、そのためにコミュ
テータ・セグメント相互間が導通され回転不安定にな
る。
置及び離れる位置(第4図のa部)に溶着が生じると、
この溶着物がコミュテータ・セグメント4の表面を擦過
して損傷を与え、さらにこの擦過によって生じた切屑
が、互いに隣会うコミュテータ・セグメント4の間のギ
ャップ部(第4図のb部)に溜まり、そのためにコミュ
テータ・セグメント相互間が導通され回転不安定にな
る。
また例えば、消耗によりコミュテータ・セグメント表面
の面粗度が粗くなると、ブラシの振動の原因となり、電
気火花の発生を助長し、更に消耗を進行し、異常摩耗な
どの原因となったり、電気ノイズや整流位置のズレなど
モータの性能そのものを低下してしまう。
の面粗度が粗くなると、ブラシの振動の原因となり、電
気火花の発生を助長し、更に消耗を進行し、異常摩耗な
どの原因となったり、電気ノイズや整流位置のズレなど
モータの性能そのものを低下してしまう。
なお、前記ブラシしゅう動部3コミュテータ・セグメン
ト4との接触面aにおいてもっともよく電気火花が発生
する。もちろんしゅう接するコミュテータ・セグメント
4とブラシしゅう動部3には、電気火花を原因としない
機械的な摩耗も生じるのはいうまでもない。
ト4との接触面aにおいてもっともよく電気火花が発生
する。もちろんしゅう接するコミュテータ・セグメント
4とブラシしゅう動部3には、電気火花を原因としない
機械的な摩耗も生じるのはいうまでもない。
一般に、よく用いられるブラシしゅう動部3の材質は前
記のごとく貴金属合金あるいは焼結カーボンであり、コ
ミュテータ・セグメント4の材質は、Au,Pd,Ag等の貴金
属合金(例えば、AgCu,AgCd,AgCuCd,AgCuTiなど)から
なる。特に貴金属ブラシとの組み合わせでは、いずれ
も、表面エネルギーが高く両者がほぼ同様の材質である
ことから、しゅう接面で擦過傷が発生し易い不利な組み
合わせである。また、焼結カーボンブラシとの組み合わ
せにおいても、貴金属合金ブラシと較べてしゅう動抵抗
は小さくなるといえども、ブラシを構成する配合材料中
には、SiO2などの不純物が少なからず混入しており、擦
過傷の危険性はあり、また貴金属合金ブラシの場合と同
様に貴金属合金のカーボンの場合は、しゅう接面で擦過
傷が発生し易い不利な組み合わせになる。第5図(a)
の例は、これらの欠点の原因となっている電気火花を、
抑制する機械的手段を有していない構造を示す。即ちブ
ラシしゅう動部3に振動減衰対策を何等講じていないも
のは、ブラシしゅう動部の振動が大きく、火花の発生が
多くなり、溶着、消耗が起こり易い。
記のごとく貴金属合金あるいは焼結カーボンであり、コ
ミュテータ・セグメント4の材質は、Au,Pd,Ag等の貴金
属合金(例えば、AgCu,AgCd,AgCuCd,AgCuTiなど)から
なる。特に貴金属ブラシとの組み合わせでは、いずれ
も、表面エネルギーが高く両者がほぼ同様の材質である
ことから、しゅう接面で擦過傷が発生し易い不利な組み
合わせである。また、焼結カーボンブラシとの組み合わ
せにおいても、貴金属合金ブラシと較べてしゅう動抵抗
は小さくなるといえども、ブラシを構成する配合材料中
には、SiO2などの不純物が少なからず混入しており、擦
過傷の危険性はあり、また貴金属合金ブラシの場合と同
様に貴金属合金のカーボンの場合は、しゅう接面で擦過
傷が発生し易い不利な組み合わせになる。第5図(a)
の例は、これらの欠点の原因となっている電気火花を、
抑制する機械的手段を有していない構造を示す。即ちブ
ラシしゅう動部3に振動減衰対策を何等講じていないも
のは、ブラシしゅう動部の振動が大きく、火花の発生が
多くなり、溶着、消耗が起こり易い。
第5図(b)の例は、ブラシしゅう動部3に振動減衰対
策を講じた構成を示す。即ちブラシしゅう動部3に、防
振ゴム9を粘着剤8で貼り付けたものであり、常温にお
いては振動吸収がよく、火花の発生を抑えることができ
る。しかし、使用上限温度の60℃近くにおいては粘着剤
の粘性が著しく低下し、防振ゴム9のしゅう動部3との
接着力が減少し、振動吸収能力が低下して火花の発生が
多くなり、寿命の長い品質の優れたものは得難くなる。
さらに第5図(c)は、第5図(b)と同様にブラシし
ゅう動部3に振動減衰対策を講じた構造の別の例を示
す。即ちブラシしゅう動部3に防振シート12を基材10の
両面に粘着剤8を塗布した構成の接着材11で貼り付けた
ものであり、上記第5図(b)の例と比較すると、高温
での粘着剤の粘性の低下が、ある程度抑えられるものの
不充分であり、高温での長寿命、高品質を満足すること
は出来ない。
策を講じた構成を示す。即ちブラシしゅう動部3に、防
振ゴム9を粘着剤8で貼り付けたものであり、常温にお
いては振動吸収がよく、火花の発生を抑えることができ
る。しかし、使用上限温度の60℃近くにおいては粘着剤
の粘性が著しく低下し、防振ゴム9のしゅう動部3との
接着力が減少し、振動吸収能力が低下して火花の発生が
多くなり、寿命の長い品質の優れたものは得難くなる。
さらに第5図(c)は、第5図(b)と同様にブラシし
ゅう動部3に振動減衰対策を講じた構造の別の例を示
す。即ちブラシしゅう動部3に防振シート12を基材10の
両面に粘着剤8を塗布した構成の接着材11で貼り付けた
ものであり、上記第5図(b)の例と比較すると、高温
での粘着剤の粘性の低下が、ある程度抑えられるものの
不充分であり、高温での長寿命、高品質を満足すること
は出来ない。
なお、この機器の使用雰囲気温度は、−10℃〜+60℃で
使用するものが多い。
使用するものが多い。
本発明は、モータのブラシとコミュテータのしゅう動に
より発生するブラシ・コミュテータの消耗、溶着による
擦過損・機械的摩耗によるモータ寿命短絡の防止を図る
ものである。
より発生するブラシ・コミュテータの消耗、溶着による
擦過損・機械的摩耗によるモータ寿命短絡の防止を図る
ものである。
問題点を解決するための手段 前記問題点を解決するために、薄板材あるいは線状金属
弾性体からなるブラシ基部および、このブラシ基部から
延設され、あるいはこのブラシ基部の一部に固設された
ブラシしゅう動部を有するブラシを備えた小型モータに
おいて、モータケース内の一部、例えばブラケット上の
ブラシしゅう動部の近傍に、7メンタノールを含浸させ
た部材、例えばフェルトを接着剤で固着あるいは圧着方
式などの手段で着設する。
弾性体からなるブラシ基部および、このブラシ基部から
延設され、あるいはこのブラシ基部の一部に固設された
ブラシしゅう動部を有するブラシを備えた小型モータに
おいて、モータケース内の一部、例えばブラケット上の
ブラシしゅう動部の近傍に、7メンタノールを含浸させ
た部材、例えばフェルトを接着剤で固着あるいは圧着方
式などの手段で着設する。
この、7メンタノールが雰囲気温度により蒸気となり、
モータケース内は7メンタノールの雰囲気となるように
構成する。なお、モータ構成を簡単にするため、前記ブ
ラシまたはブラシしゅう動部に前記7メンタノールを直
接塗布する構成を用いてもよい。
モータケース内は7メンタノールの雰囲気となるように
構成する。なお、モータ構成を簡単にするため、前記ブ
ラシまたはブラシしゅう動部に前記7メンタノールを直
接塗布する構成を用いてもよい。
作用 これまでの文献や実験などでブラシしゅう動部とコミュ
テータ・セグメントの溶着し易い状態、あるいは溶着や
異常摩耗や導通不良の起こり易い状態が解明されつつあ
る。異常の起こり易い状態は、ブラシしゅう動部とコミ
ュテータ・セグメントがしゅう動する部位の雰囲気か、
またはコミュテータ・セグメント自体に不飽和環状炭化
水素が存在したり、吸着したりしている場合である。こ
のとき黒化物(分解生成物又はメカノケミカル反応で出
来た重合物であるカーボン様のものおよびブラシとコミ
ュテータ・セグメント間で生じるしゅう動摩耗粉が混じ
り合うもの)と言われる異常現象を促進する異物が生成
する。
テータ・セグメントの溶着し易い状態、あるいは溶着や
異常摩耗や導通不良の起こり易い状態が解明されつつあ
る。異常の起こり易い状態は、ブラシしゅう動部とコミ
ュテータ・セグメントがしゅう動する部位の雰囲気か、
またはコミュテータ・セグメント自体に不飽和環状炭化
水素が存在したり、吸着したりしている場合である。こ
のとき黒化物(分解生成物又はメカノケミカル反応で出
来た重合物であるカーボン様のものおよびブラシとコミ
ュテータ・セグメント間で生じるしゅう動摩耗粉が混じ
り合うもの)と言われる異常現象を促進する異物が生成
する。
この異物は、不飽和環状炭化水素がしゅう動部とコミュ
テータ・セグメント間のアークによって燃焼するとき単
位体積当たりのカーボン量が多く、不完全燃焼すること
と、またその分子構造に起因するものであるが、生成カ
ーボンの結合状態が密となるため、硬質のカーボンがで
きるためと思われる。
テータ・セグメント間のアークによって燃焼するとき単
位体積当たりのカーボン量が多く、不完全燃焼すること
と、またその分子構造に起因するものであるが、生成カ
ーボンの結合状態が密となるため、硬質のカーボンがで
きるためと思われる。
また不飽和環状炭化水素以外の炭化水素の雰囲気、およ
びコミュテータ・セグメントへの吸着では、その分子構
造に起因するものであるが、生成するカーボンは軟質の
ものとなり、異常現象につながらぬ事が解明されてい
る。これらの現象をもとにして、微量の炭化水素の吸着
したコミュテータ・セグメントを用いて長期間の運転実
験を行った。この実験で、 1)高温・低湿の場合のコミュテータ・セグメントに異
常摩耗の発生する確率が高い。
びコミュテータ・セグメントへの吸着では、その分子構
造に起因するものであるが、生成するカーボンは軟質の
ものとなり、異常現象につながらぬ事が解明されてい
る。これらの現象をもとにして、微量の炭化水素の吸着
したコミュテータ・セグメントを用いて長期間の運転実
験を行った。この実験で、 1)高温・低湿の場合のコミュテータ・セグメントに異
常摩耗の発生する確率が高い。
2)コミュテータ・セグメントに10μg程度のトルエン
などの不飽和環状炭化水素の吸着がある場合、コミュテ
ータ・セグメントの異常が緩和され、小型モータの長寿
命化がはかれる(ただし、継続的に不飽和環状炭化水素
の補給がない場合のデータである)結果が得られた。
などの不飽和環状炭化水素の吸着がある場合、コミュテ
ータ・セグメントの異常が緩和され、小型モータの長寿
命化がはかれる(ただし、継続的に不飽和環状炭化水素
の補給がない場合のデータである)結果が得られた。
そこで上記現象を考慮した結果、7メンタノールを用い
ると、スチレンモノマーやトルエンと異なりその分子構
造の中に酸素を有しているためによく燃焼し、異常現象
の一つである硬質の黒化物生成に対して最も遠い存在と
なり、カーボン生成があっても極めて軟質のものとなり
ブラシしゅう動部とコミュテータ・セグメントのしゅう
動抵抗を減ずる。
ると、スチレンモノマーやトルエンと異なりその分子構
造の中に酸素を有しているためによく燃焼し、異常現象
の一つである硬質の黒化物生成に対して最も遠い存在と
なり、カーボン生成があっても極めて軟質のものとなり
ブラシしゅう動部とコミュテータ・セグメントのしゅう
動抵抗を減ずる。
また、この作用は、例えば異常現象の発生する確率の高
い高温・低湿においても7メンタノールの蒸気圧にみあ
った雰囲気がモータケース内にえられることと、7メン
タノールが有する極性基により金属表面に強力に吸着す
るので充分の効果を得ることが出来る。
い高温・低湿においても7メンタノールの蒸気圧にみあ
った雰囲気がモータケース内にえられることと、7メン
タノールが有する極性基により金属表面に強力に吸着す
るので充分の効果を得ることが出来る。
また、7メンタノールを配する小型モータは、空気の流
通の少ないほぼ密閉に近い構造であるか、その小型モー
タが組み込まれる機器そのものが空気の流通の少ない構
造のものの方がが好結果が得られる。
通の少ないほぼ密閉に近い構造であるか、その小型モー
タが組み込まれる機器そのものが空気の流通の少ない構
造のものの方がが好結果が得られる。
7メンタノールの吸着で、Au,Pd,Pt,Ag,等及びその合金
の触媒作用の強い材料を用いたコミュテータ・セグメン
トおよびブラシは勿論のこと、Cuなどで出来たそれ、焼
結カーボンブラシの表面、およびそれ以外のモータを構
成する金属部品の表面へも吸着し、表面へ反応性の高い
ガス(スチレンモノマー、トルエン等)が付着すること
を防止する。これは、7メンタノールが、例えばスチレ
ンモノマー、トルエン等のファンデアワールスの引力よ
り吸着する有機ガスに比べて強力に吸着するためであ
る。本発明において有効な薬品の物質名とその性状を示
す。
の触媒作用の強い材料を用いたコミュテータ・セグメン
トおよびブラシは勿論のこと、Cuなどで出来たそれ、焼
結カーボンブラシの表面、およびそれ以外のモータを構
成する金属部品の表面へも吸着し、表面へ反応性の高い
ガス(スチレンモノマー、トルエン等)が付着すること
を防止する。これは、7メンタノールが、例えばスチレ
ンモノマー、トルエン等のファンデアワールスの引力よ
り吸着する有機ガスに比べて強力に吸着するためであ
る。本発明において有効な薬品の物質名とその性状を示
す。
分子式:C6H9(CH2OH)(iC3H7) 分子構造: 沸騰点:236℃(1気圧) 融点:20℃(1気圧) 吸水率:0%(40℃・90%RH・1気圧) 前述の7メンタノールは、ブラシ、コミュテータ・セグ
メント表面へ吸着し、単分子膜を形成するため、潤滑性
も極めて向上し、接触部分の摩耗も著しく減少する。
メント表面へ吸着し、単分子膜を形成するため、潤滑性
も極めて向上し、接触部分の摩耗も著しく減少する。
実施例 第1図、第2図および第3図は、それぞれ本発明の一実
施例を示したものである。ここで第4図のものと同一名
称部分には同一符号を付してある。図において、7は軸
受メタル、13はブラシ、14はブラシ13などを保持するブ
ラケット、15はモータケース下、16は7メンタノールを
含浸させたフェルト、17はロータコア18に巻装したマグ
ネットワイヤー、19はモータケース20の内面に固着した
フィールドマグネットである。第1図の実施例ではフェ
ルト16はブラケット14上のブラシしゅう動部3の近傍に
配置されており、また第2図の実施例ではブラシ基部2
上にフェルト16を取り付けてあり、第3図の実施例では
ブラシ13から離れたモータケース20に装備している。な
お、第1図、第2図の実施例では、いずれもブラシ基部
2の先端部にカーボンブラシより成るブラシしゅう動部
3を固着した構成になっているが、ブラシ基部2から曲
げ延設されたブラシしゅう動部を設け、そのしゅう動部
上にフェルト16を着設してもよい。
施例を示したものである。ここで第4図のものと同一名
称部分には同一符号を付してある。図において、7は軸
受メタル、13はブラシ、14はブラシ13などを保持するブ
ラケット、15はモータケース下、16は7メンタノールを
含浸させたフェルト、17はロータコア18に巻装したマグ
ネットワイヤー、19はモータケース20の内面に固着した
フィールドマグネットである。第1図の実施例ではフェ
ルト16はブラケット14上のブラシしゅう動部3の近傍に
配置されており、また第2図の実施例ではブラシ基部2
上にフェルト16を取り付けてあり、第3図の実施例では
ブラシ13から離れたモータケース20に装備している。な
お、第1図、第2図の実施例では、いずれもブラシ基部
2の先端部にカーボンブラシより成るブラシしゅう動部
3を固着した構成になっているが、ブラシ基部2から曲
げ延設されたブラシしゅう動部を設け、そのしゅう動部
上にフェルト16を着設してもよい。
また、いずれの実施例も、モータケース内の雰囲気が7
メンタノールによる蒸気雰囲気になり、ブラシおよびコ
ミュテータ・セグメント表面に7メンタノールが吸着す
る事を目的としたものであり、その手段はこの限りでは
ない。
メンタノールによる蒸気雰囲気になり、ブラシおよびコ
ミュテータ・セグメント表面に7メンタノールが吸着す
る事を目的としたものであり、その手段はこの限りでは
ない。
第6図に、従来品、比較例1)のスチレンモノマー雰囲
気中でのテスト品、比較例2)のトルエン雰囲気中での
テスト品、本発明の7メンタノール雰囲気中でのテスト
品の結果を示す。
気中でのテスト品、比較例2)のトルエン雰囲気中での
テスト品、本発明の7メンタノール雰囲気中でのテスト
品の結果を示す。
なお、7メンタノールの成分に多少の不純物があって
も、7メンタノールは、著しい効果を発揮する。
も、7メンタノールは、著しい効果を発揮する。
実施例における第6図の実験の結果を、第3図のモータ
で説明する。このモータは直流モータで、外径30mm高さ
25mmの大きさで定格出力0.1W、試験時の運転条件は、4.
2VDC、25mAである。
で説明する。このモータは直流モータで、外径30mm高さ
25mmの大きさで定格出力0.1W、試験時の運転条件は、4.
2VDC、25mAである。
このモータの空隙にポリエステルフェルト16をポリフル
オロエチレン液で洗浄し脱脂したものに、7メンタノー
ルを含浸させたものを設置したものは、7メンタノール
が徐々に蒸発し著しい効果を得ることが出来た。前記ポ
リエステルフェルト16は、その繊維の太さとみかけ比重
を変えることによって蒸発スピードのコントロールが可
能である。前記ポリエステルフェルト16のかわりに連続
発泡のプラスチックまたはゴムのスポンジを用いても著
しい効果を得ることが出来た。また、焼結されたポーラ
スなフィールドマグネット19に7メンタノールを含浸さ
せたものは、0.1ないし0.3gの保持力があり著しい効果
を得ることが出来た。また、同じように、プラスチック
製のブラケット14にブレンドしたもの、プラスチック製
の整流子基台5にブレンドしたもの、マグネットワイヤ
ー17に含浸させたもの、軸受メタル7のメタルの油にブ
レンドしたもの、マグネット19とモータケース20のすき
間に含浸させたもの、防振ゴム9にブレンドしたもの、
第5図に示す防振ゴム貼付用接着剤8にブレンドしたも
の、またポリエチレンなどの気体透過性のフィルムまた
はケースに封入し小型モータ内に設置したものも7メン
タノールを保持する力があり著しい効果を得ることが出
来た。
オロエチレン液で洗浄し脱脂したものに、7メンタノー
ルを含浸させたものを設置したものは、7メンタノール
が徐々に蒸発し著しい効果を得ることが出来た。前記ポ
リエステルフェルト16は、その繊維の太さとみかけ比重
を変えることによって蒸発スピードのコントロールが可
能である。前記ポリエステルフェルト16のかわりに連続
発泡のプラスチックまたはゴムのスポンジを用いても著
しい効果を得ることが出来た。また、焼結されたポーラ
スなフィールドマグネット19に7メンタノールを含浸さ
せたものは、0.1ないし0.3gの保持力があり著しい効果
を得ることが出来た。また、同じように、プラスチック
製のブラケット14にブレンドしたもの、プラスチック製
の整流子基台5にブレンドしたもの、マグネットワイヤ
ー17に含浸させたもの、軸受メタル7のメタルの油にブ
レンドしたもの、マグネット19とモータケース20のすき
間に含浸させたもの、防振ゴム9にブレンドしたもの、
第5図に示す防振ゴム貼付用接着剤8にブレンドしたも
の、またポリエチレンなどの気体透過性のフィルムまた
はケースに封入し小型モータ内に設置したものも7メン
タノールを保持する力があり著しい効果を得ることが出
来た。
なお、第6図において、(a)は60℃、5%RH雰囲気中
での従来品のテスト前の整流波形、300時間テスト後の
整流波形を示し、(b)は不飽和環状炭化水素スチレン
モノマー雰囲気中での60℃、5%RH雰囲気テスト前の整
流波形及び100時間テスト後の比較例1の整流波形を示
し、(c)は不飽和環状炭化水素(トルエン)をコミュ
テータ・セグメント表面に約10μg吸着させた場合にお
ける60℃、5%RH雰囲気テスト前の整流波形及び300時
間テスト後の比較例2の整流波形を示し、さらに(d)
は本発明のベンジルアルコール雰囲気における60℃、5
%雰囲気テスト前の整流波形及び1500時間テスト後の整
流波形をそれぞれ示す。
での従来品のテスト前の整流波形、300時間テスト後の
整流波形を示し、(b)は不飽和環状炭化水素スチレン
モノマー雰囲気中での60℃、5%RH雰囲気テスト前の整
流波形及び100時間テスト後の比較例1の整流波形を示
し、(c)は不飽和環状炭化水素(トルエン)をコミュ
テータ・セグメント表面に約10μg吸着させた場合にお
ける60℃、5%RH雰囲気テスト前の整流波形及び300時
間テスト後の比較例2の整流波形を示し、さらに(d)
は本発明のベンジルアルコール雰囲気における60℃、5
%雰囲気テスト前の整流波形及び1500時間テスト後の整
流波形をそれぞれ示す。
発明の効果 以上の説明から明らかなように本発明によれば、下記の
効果を奏する。
効果を奏する。
1)7メンタノールがブラシ、コミュテータ・セグメン
ト表面へ吸着することにより、潤滑作用がはたらき、し
ゅう接面の異常摩耗や溶着とそれによる擦過損傷を防止
できる効果がある。第1表にその結果の一例を示す。
ト表面へ吸着することにより、潤滑作用がはたらき、し
ゅう接面の異常摩耗や溶着とそれによる擦過損傷を防止
できる効果がある。第1表にその結果の一例を示す。
2)スチレンモノマーやトルエンなどのベンゼン環を有
する有機ガスがあってもブラシ、コミュテータ・セグメ
ント表面へ吸着した7メンタノールの皮膜で保護され、
黒化物の生成も微少となり、ブラシ、コミュテータ・セ
グメント間の接触不良の発生を防止できる。また接触不
良を起こさないため、電気ノイズの発生も減少し、小型
モータの速度の安定化も図られ、結果的には、1〜30V
程度の比較的低電圧用の小型モータが使用される機器の
ワウ・フラッターが低減する。第1表にその結果の一例
を示す。
する有機ガスがあってもブラシ、コミュテータ・セグメ
ント表面へ吸着した7メンタノールの皮膜で保護され、
黒化物の生成も微少となり、ブラシ、コミュテータ・セ
グメント間の接触不良の発生を防止できる。また接触不
良を起こさないため、電気ノイズの発生も減少し、小型
モータの速度の安定化も図られ、結果的には、1〜30V
程度の比較的低電圧用の小型モータが使用される機器の
ワウ・フラッターが低減する。第1表にその結果の一例
を示す。
3)7メンタノールの潤滑作用により一般によく用いら
れる動作電圧:1〜30V、電流値:100mA前後のマイクロモ
ータを7メンタノールの雰囲気で運転すると、電流値が
5〜10%減少し、省エネルギー化がはかれる。第1表に
その結果の一例を示す。
れる動作電圧:1〜30V、電流値:100mA前後のマイクロモ
ータを7メンタノールの雰囲気で運転すると、電流値が
5〜10%減少し、省エネルギー化がはかれる。第1表に
その結果の一例を示す。
4)7メンタノールがブラシとコミュテータのしゅう動
により発生する振動を押さえるダンピング効果を有し、
1〜10%の機械雑音の減少を可能とする。即ちブラシに
通常張りつける防振ゴムと殆ど同程度の消音効果を有す
る。第1表にその結果の一例を示す。
により発生する振動を押さえるダンピング効果を有し、
1〜10%の機械雑音の減少を可能とする。即ちブラシに
通常張りつける防振ゴムと殆ど同程度の消音効果を有す
る。第1表にその結果の一例を示す。
5)7メンタノールの吸湿性は、親水性を有する−OH基
と疎水性を有する−C−C−(炭素結合部)のバランス
が理想的であり、40℃・湿度90%RHの雰囲気中でも吸水
率は、20%以下となり金属を腐食するほど湿潤すること
なく潤滑効果の大きいものとなる。
と疎水性を有する−C−C−(炭素結合部)のバランス
が理想的であり、40℃・湿度90%RHの雰囲気中でも吸水
率は、20%以下となり金属を腐食するほど湿潤すること
なく潤滑効果の大きいものとなる。
前記1)〜5)の結果、小型モータの品質が向上し寿命
を大幅に延ばすことができた。
を大幅に延ばすことができた。
第1図および第2図はそれぞれ本発明の実施例の構成
図、第3図は本発明の実施例のモータの半断面図、第4
図は一般的なブラシ、コミュテータの構成を示す図、第
5図(a)〜(c)はそれぞれ従来例のブラシしゅう動
部の代表的構成を示す図、第6図(a)〜(d)は従来
例、比較例、本発明の実施例における小型モータの整流
波形を示す図である。 3……コミュテータしゅう動部、4……コミュテータ・
セグメント、14……ブラケット、16……フェルト、20…
…モータケース。
図、第3図は本発明の実施例のモータの半断面図、第4
図は一般的なブラシ、コミュテータの構成を示す図、第
5図(a)〜(c)はそれぞれ従来例のブラシしゅう動
部の代表的構成を示す図、第6図(a)〜(d)は従来
例、比較例、本発明の実施例における小型モータの整流
波形を示す図である。 3……コミュテータしゅう動部、4……コミュテータ・
セグメント、14……ブラケット、16……フェルト、20…
…モータケース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 滋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−31975(JP,A) 特開 昭59−6381(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】ブラシ機構部とコミュテータを有し、ブラ
シとコミュテータがしゅう動する構造の小型モータにお
いて、モータケース内に、7メンタノールの雰囲気を持
たせたことを特徴とする小型モータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60170010A JPH0728517B2 (ja) | 1985-08-01 | 1985-08-01 | 小型モ−タ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60170010A JPH0728517B2 (ja) | 1985-08-01 | 1985-08-01 | 小型モ−タ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6231345A JPS6231345A (ja) | 1987-02-10 |
JPH0728517B2 true JPH0728517B2 (ja) | 1995-03-29 |
Family
ID=15896914
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60170010A Expired - Lifetime JPH0728517B2 (ja) | 1985-08-01 | 1985-08-01 | 小型モ−タ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0728517B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6231975A (ja) * | 1985-08-01 | 1987-02-10 | 松下電器産業株式会社 | 電気接点 |
-
1985
- 1985-08-01 JP JP60170010A patent/JPH0728517B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6231345A (ja) | 1987-02-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |