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JPH0216103B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0216103B2
JPH0216103B2 JP1654984A JP1654984A JPH0216103B2 JP H0216103 B2 JPH0216103 B2 JP H0216103B2 JP 1654984 A JP1654984 A JP 1654984A JP 1654984 A JP1654984 A JP 1654984A JP H0216103 B2 JPH0216103 B2 JP H0216103B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brush
motor
commutator
polyhydric alcohol
commutator segment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP1654984A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60162449A (ja
Inventor
Hiroshi Takao
Shigenori Uda
Shigeru Kondo
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP1654984A priority Critical patent/JPS60162449A/ja
Publication of JPS60162449A publication Critical patent/JPS60162449A/ja
Publication of JPH0216103B2 publication Critical patent/JPH0216103B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
    • H01R39/00Rotary current collectors, distributors or interrupters
    • H01R39/02Details for dynamo electric machines
    • H01R39/38Brush holders
    • H01R39/39Brush holders wherein the brush is fixedly mounted in the holder
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K13/00Structural associations of current collectors with motors or generators, e.g. brush mounting plates or connections to windings; Disposition of current collectors in motors or generators; Arrangements for improving commutation
    • H02K13/006Structural associations of commutators

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Motor Or Generator Current Collectors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、例えばテープレコーダ、ビデオテー
プレコーダなどのテープを駆動する為に使用され
る小型モータに関するものである。
従来の構成とその問題点 一般に小型モータにおけるブラシは、材質の点
から大きくわけて2種類ある。
1つは弾性を有する導電材料、例えば銅、ベリ
リウム・銅、銅・チタン合金、リン青銅、洋白の
薄板材、あるいは線材に、貴金属合金(例えば、
Au、Pd、Pt、Ag等の貴金属とCuとの合金)を
クラツド化、又は前記薄板材、線材の一部にスポ
ツト溶接等の手段によつて接合した構造であり、
もう1つは前記に述べた薄板材、あるいは線材の
一部に焼結カーボン(例えば、カーボン、Agを
配合したカーボン、Cuを配合したカーボン、Ag
及びCuを配合したカーボン、及びそれらの材料
にSiC、MoS2Pb、エポキシ系樹脂等を添加剤と
して配合したカーボンを焼結したもの)を導電性
接着剤、スポツト溶接、あるいは圧着方式等の手
段によつて接合した構造であるが、これらのブラ
シを有する小型モータにおいては、コミユテータ
回転時にブラシ摺動部が不必要に振動し、これに
よつて、ブラシ摺動部とコミユテータ・セグメン
トとが接触する際にブラシ摺動部とコミユテー
タ・セグメントとの間に瞬間的に大きな摩擦力が
働くとともにブラシ摺動部とコミユテータ・セグ
メントとの間に〓間が生じると電気火花(アー
ク)が発生する。そして、前記摩擦力とアークの
ためにブラシ摺動部のコミユテータ・セグメント
に対する接触面にコミユテータ・セグメントの一
部がはぎとられて転移してしまい、この転移のた
めにブラシ摺動部の前記接触面に凹凸が生じ(以
下、この現象を溶着という)、ブラシ摺動部がコ
ミユテータ・セグメント上をなめらかに摺動する
ことができず、ブラシ摺動部の振動が激しくなる
とともに、前記ブラシ摺動部の溶着部分(凸部
分)がコミユテータ・セグメントの表面を擦過す
るためコミユテータ・セグメントに損傷を与える
という問題があつた。
また、ブラシ摺動部の不必要な振動により、ブ
ラシ摺動部とコミユテータ・セグメントとの間に
アークが発生すると、その際にモータケース内に
侵入してきた有機物(モータ組込み機器に使用し
ている接着剤、潤滑剤、樹脂部品から微量に蒸発
するもの)が不完全燃焼を起こして電気絶縁性の
ある黒色異物となり、この黒色異物と金属粉(ブ
ラシ摺動部とコミユテータ・セグメントとの摩耗
による金属粉と、アーク発生時に発生する金属粉
の酸化物)とが混りあい、絶縁性の高い黒色の異
物(以下、黒化物という)が生成される。この黒
化物がブラシ摺動部とコミユテータ・セグメント
の間に入ると正常な通電がそこなわれるという問
題があつた。
一方、小型モータのブラシの構造としては、コ
ミユテータ・セグメントに摺接するブラシ摺動部
が、例えばモータケースの蓋などに設けられた支
持手段により支持されているブラシ基部と一体に
成形されたものがある。その種のブラシとコミユ
テータ・セグメントとの接触状態を第1図に示
す。
第1図において、ブラシ支持手段1に支持され
たブラシ基部2から、折り曲げられたブラシ摺動
部3が伸びている。このブラシ摺動部3は、ブラ
シ基部2から折り曲げられていることによつて弾
性を有し、コミユテータ・セグメント4に押圧さ
れた状態で接触している。そして、この押圧力
は、ブラシ基部2とブラシ摺動部3との折り曲げ
角を適当に選ぶことによつて、必要な値にするこ
とができる。また、コミユテータ・セグメント4
は、絶縁筒5を介してモータ回転軸6に固定さ
れ、モータの回転とともに回転する。
このように、回転するコミユテータ・セグメン
ト4とブラシ摺動部3が摺接していることから、
両者の間でアークが発生し易く、このアークの発
生に伴つて電気ノイズや、ブラシ摺動部3上に前
述した溶着が発生するなど、不都合な状態が生じ
ることになる。そして、この前述した溶着の発生
はブラシの寿命を短くするのみでなく、各コミユ
テータ・セグメント4と接触し始める位置及び離
れる位置(第1図のa部)に溶着が生じると、こ
の溶着によつてブラシ摺動部にくつついた部分
(凸部分)がコミユテータ・セグメント4の表面
を擦過して損傷を与え、さらにこの擦過によつて
生じた切削屑が、互いに隣り合うコミユテータ・
セグメント4の間のギヤツプ部に溜まり、そのた
めにコミユテータ・セグメント相互間が導通され
るという不都合が発生し、モータの性能そのもの
まで低下してしまうという欠点があつた。なお、
前記ブラシ摺動部のa部においてアークがよく発
生する。
前述したようにこの最大の原因はブラシの振動
である。即ち、ブラシの振動でアークが頻繁に起
こり、これによつて溶着の発生が促進され、摺動
面の荒れを招く。荒れが大きくなるに従つて更に
アークの発生が増加し、ついにはモータに要求さ
れる特性(第6図Aに示すような安定した整流波
形特性)を得ることが不可能となり、起動できな
くなるものがある。
一般に、ブラシ摺動部3の材質は前記のごとく
貴金属合金、あるいは焼結カーボンであり、コミ
ユテータ・セグメント4の材質は、AgCu、
AgCd、AgCuCd、AgPd、AgCuTiなどの合金や
Cu、Au及びそれらの合金であり、貴金属合金を
材質とするブラシを使用した場合、ブラシ摺動部
3とコミユテータ・セグメント4がほぼ同様の金
属による材質であることから前記材質でのブラシ
摺動部3とコミユテータ・セグメント4の摩擦係
数が1.0ともなり、摺動界面で擦過傷が発生し易
い不利な組合せである。また材質が焼結カーボン
を使用したブラシの場合は、前記貴金属合金を使
用した時に比べて焼結カーボンの方が前記貴金属
合金よりもすべりやすく、ブラシ摺動部3とコミ
ユテータ・セグメント4との摩擦係数が0.2程度
に小さくなる。しかし、ブラシを構成する配合材
料中にはSiO2等の不純物が混入されており、こ
のため、摺動界面で擦過傷が発生し易い組合せに
なつている。
これらの欠点の原因となつているアークを抑制
する手段を有していない第2図aに示したブラシ
構造のもの、即ちブラシ摺動部3に振動減衰対策
を何ら講じていないものは、ブラシ摺動部の振動
が大きく、従つて常温の使用でも溶着が容易に発
生し、寿命の長い、品質のすぐれたものは得がた
い。また第2図bに示したような、ブラシ摺動部
3に振動防止用ゴム7を粘着剤8で貼付けたもの
は、常温での振動吸収がよく、アークの発生をお
さえることができるが使用上限温度の60℃近くに
なると粘着剤の粘性が著しく低下し、防振ゴム7
の摺動部への接着力が減少し、振動吸収能力が低
下してアークの発生が多くなり、寿命の短い、品
質の不安定なものとなつてしまう。さらに第2図
cに示したような、ブラシ摺動部3に振動防止用
シート9を、基材10の両面に粘着剤8を塗布し
た構成の接着材11で貼付けたものは、上記第2
図bの例と比較すると、高温での粘着剤の粘性の
低下が小さくなるが、充分とは云えず、高温での
長寿命、高品質を得ることは出来ない。
なお、この機器の使用雰囲気温度は、−10℃〜
+60℃で使用するものが多い。
発明の目的 本発明は、ブラシ摺動部と、コミユテータ・セ
グメントの摺動性の改善を図り、コミユテータ・
セグメント表面の擦過損傷によるモータ寿命の短
縮を防止し、また、テープレコーダ等の機器等へ
組込まれた場合のワウ・フラツターの低減が得ら
れる高性能の小型モータを提供するものである。
発明の効果 前記目的を達成するために、本発明はモータケ
ースと、コミユテータと、ブラシを有し、前記コ
ミユテータは導電性金属からなるコミユテータ・
セグメントを有し、前記ブラシは弾性を有する導
電材料からなるブラシ基部と導電材料からなるブ
ラシ摺動部を有し、前記ブラシ摺動部がコミユテ
ータ・セグメントに接触摺動し、前記モータケー
スはモータケースの外部の雰囲気とモータケース
の内部の雰囲気が出入可能な略密閉状態で、前記
モータケース内部に前記コミユテータとブラシを
配置した構造の小型モータにおいて、リニアーな
炭素結合または側鎖を有し、かつ分子構造中に複
数個の−OH基を有する多価アルコールを前記モ
ータケース内に入れ、前記多価アルコールの蒸発
により前記モータケース内に前記多価アルコール
の雰囲気を持たせたものである。
より具体的には、前記多価アルコールを含浸さ
せたフエルトを前記モータケース内に設置する。
または、モータ構成を簡単にするため、前記ブ
ラシのブラシ摺動部または前記ブラシ摺動部が接
触するコミユテータ表面に前記多価アルコールを
直接塗布する構成を用いてもよい。
実施例の説明 第3図、第4図及び第5図は、それぞれ本発明
の実施例を示したものである。ここで、第1図の
ものと同一名称部分には同一符号を付してあり、
12はブラシ等を保持するブラケツト、13はモ
ータハウジング、14は多価アルコールを含浸さ
せたフエルトである。なお、ブラシ摺動部3は焼
結カーボンで構成している。
第3図の実施例では、フエルト14はブラケツ
ト12上のブラシ摺動部3の近傍に配置されてお
り、また第4図の実施例では、ブラシ基部2上に
フエルト14を取り付けてある。
また、第5図の実施例では、モータハウジング
13にフエルト14を装備したものである。な
お、第5図において、15はモータ回転軸6に取
付けられる回転子鉄心、16は回転子鉄心15に
巻装された巻線、17はモータハウジング13の
内面に固定された永久磁石、18はモータ回転軸
6を支持する軸受である。
なお、これらの実施例は、いずれもブラシ基部
2の先端部にブラシ摺動部3を固着した構成にな
つているが、第1図のようにブラシ基部2から曲
げ延設されたブラシ摺動部を有し、その摺動部の
上にフエルト14を装備してもよい。
いずれの場合の実施例も、フエルト14に含浸
させている多価アルコールがモータハウジング1
3、ブラケツト12よりなるモータケース内で蒸
発するため、前記モータケース内の雰囲気が多価
アルコールによる蒸気雰囲気となり、蒸発してい
る多価アルコール分子が、その極性基(−OH)
の吸着エネルギーの吸着力でブラシ及びコミユテ
ータ・セグメント表面に吸着することを目的とし
たものであり、その手段はこの限りではない。
ところで、これまでの文献や実験などで、ブラ
シ摺動部とコミユテータ・セグメントの溶着し易
い状態、あるいは溶着や異常摩耗や導通不良の起
こり易い状態が解明されつつある。異常の起こり
易い状態は、モータ組込み機器に使用している接
着剤、潤滑剤、樹脂部品等から微量に蒸発する有
機物に例えばスチレンモノマーやトルエン等の不
飽和環状炭化水素がブラシ摺動部とコミユテー
タ・セグメントの摺動する部位の雰囲気中に存在
したり、前記不飽和環状炭化水素がフアン・デ
ル・ワールス力によつてコミユテータ・セグメン
ト自体に吸着したりしている場合である。このよ
うな場合には前述した黒化物という異常現象を促
進する異物が以下に説明する原因によつて生成す
る。
この異物生成の原因は、前記不飽和環状炭化水
素がブラシ摺動部とコミユテータ・セグメント間
のアークによつて燃焼するとき、単位体積当りの
カーボン量が多いことと、またその不飽和環状と
いう分子構造に起因するもので、結合力が強く分
解しにくいため、前記不飽和環状炭化水素が不完
全燃焼し、電気絶縁性のある黒色異物が生成され
る。さらに前記黒色異物に金属粉(ブラシ摺動部
とコミユテータ・セグメントとの摩擦による金属
摩耗粉及びアーク発生時に発生する金属粉の酸化
物)とが混りあつて絶縁性の高い黒化物が生成さ
れるのである。
一方、本発明に用いる多価アルコールは、分子
構造が不飽和環状炭化水素よりも分解し易いた
め、完全燃焼し易く、異常現象につながる黒化物
は生成しない。
そこで、前記不飽和環状炭化水素(例えばスチ
レンモノマー、トルエン等)を含浸させたフエル
トをモータケース内に配設したモータと、多価ア
ルコール(例えばプロピレングリコール、エチレ
ングリコール等)を含浸させたフエルトをモータ
ケース内に配設したモータを用いて、長期間の比
較運転実験を行つた。
モータとしては、外径30φ、高さ25mm、定格出
力0.1wのものを用いて入力電圧4.2v、入力電流25
mAとした。
この実験では、高温・低湿の場合のコミユテー
タ・セグメントに異常摩耗の発生する確率が高
く、また、たとえ高温・低湿であつてもコミユテ
ータ・セグメントに多価アルコールの吸着がある
場合には、コミユテータ・セグメントの異常現象
が緩和され、小型モータの長寿命化がはかれると
の結果が得られた。(上記実験の結果を第6図に
示す) そこで本発明では、上記現象を考慮して、第3
図、第4図、第5図の実施例で示したように、モ
ータハウジング13と、ブラケツト12で囲まれ
た内部に、多価アルコールを含浸させたフエルト
14を配置したものである。この本発明の多価ア
ルコールは、上述したように不飽和環状炭化水素
と分子構造の点(つまり、不飽和環状炭化水素は
分解しにくく、一方、本発明に用いる多価アルコ
ールは分解しやすいという点)で最も異なり、多
価アルコールが完全燃焼するため、異常現象の1
つである黒化物生成に対して最も遠い存在とな
り、多価アルコールがブラシ摺動部とコミユテー
タ・セグメントに吸着することによつて不飽和環
状炭化水素がブラシ摺動部とコミユテータ・セグ
メントに吸着するのを防止できるため、黒化物を
生成させず、さらに吸着した多価アルコールが潤
滑作用を有するため、ブラシ摺動部とコミユテー
タ・セグメントの摩擦係数を減ずるものである。
上記構成において、異常現象の発生する確率の
高い高温・低湿では、多価アルコールの蒸気圧に
みあつた雰囲気がモータケース内に得られる。こ
の2重結合を有しない、またベンゼン環を有しな
い、リニアーな炭素結合を有するか、側鎖を有す
る多価アルコールは、その分子構造中へ複数個の
−OH基を有しており、−OH基は、その極性力に
より、金属表面へ、水素結合による吸着力を有す
る。
本発明の多価アルコールの水素結合による吸着
は、不飽和環状炭化水素におけるフアン・デル・
ワールス力による吸着よりも、2倍以上強い力で
吸着するため安定な吸着状態といえる。
この本発明の多価アルコールの吸着によれば、
Pt、Au、Pd、Ag等で出来た、触媒作用の強い、
コミユテータ・セグメント及びブラシは、勿論の
こと、Cuで出来たそれ、また焼結カーボンの表
面及びそれ以外のモータケース等の金属表面へも
吸着し、前記すべての表面へ反応性の高いガス
(モータ組込み機器に使用している接着剤、潤滑
剤、樹脂部品から蒸発するスチレンモノマー、ト
ルエン等)が付着することを防止できる。
これは−OH基の吸着力が、例えばスチレンモ
ノマーやトルエンのフアンデアワールス力による
吸着より強い水素結合による吸着となるためであ
る。また、ブラシ、コミユテータ・セグメント間
のアークで、燃焼が起こる場合でも、多価アルコ
ールは、その分子構造中へ酸素を有しており、
又、不飽和環状炭化水素よりも分解しやすく、不
完全燃焼しないため接触不良となる黒化物の生成
も微少で、よく燃焼し、接点障害を起こすことが
ない。
しかも、−10℃〜+60℃が通常の使用環境範囲
となる小型モータでは1気圧下での沸点が、100
℃付近の物質から、250℃のものが特に有効であ
り、多価アルコールの種類で列記すると、 プロピレングリコール……187℃(1気圧下
での沸点) エチレングリコール……197℃(1気圧下で
の沸点) ジエチレングリコール……250℃(1気圧下
での沸点) などである。この内、沸点の低いプロピレングリ
コールなどは、蒸発しやすく吸着しにくいため、
ブラシ、コミユテータを製造した直後、あるい
は、モータとして組立を行なう際、あらかじめブ
ラシ、コミユテータの面へ、吸着させておくと一
層効果的である。
なお、沸点290℃(1気圧下での沸点)のグリ
セリンにおいても、ある条件下(例えば20℃雰囲
気)で用いる場合には、上記物質(プロピレング
リコール等)と同様の効果がある。(雰囲気温度
が60℃と20℃では40℃の差があり、40℃高い沸点
のものも用いることができる。) 前述の多価アルコール類は、多価アルコール類
の−OHがブラシ、コミユテータ表面に向くよう
に吸着した単分子膜を形成するため、潤滑性も極
めて向上し、接触部分の摩耗も著しく減少する。
(実験の結果を第6図Fに示す。) なお、前述した比較実験の結果を示す第6図に
おいて、A,Bはモータケース内雰囲気を不飽和
環状炭化水素を有するスチレンモノマー雰囲気と
した場合のモータの整流波形を示し、Aは60℃、
5%RHテスト前の整流波形、Bは60℃、5%
RH100時間テスト後の整流波形である。又、C,
Dは不飽和環状炭化水素(トルエン)をコミユテ
ータ・セグメント表面に約10μg吸着させた場合
の確認結果を示し、Cは60℃、5%RHテスト前
の整流波形、Dは60℃、5%RH300時間テスト
後の整流波形である。さらに、E,Fは本発明に
かかる多価アルコール雰囲気中の確認結果を示
し、Eは60℃、5%RHテスト前の整流波形、F
は60℃、5%RH1500時間テスト後の整流波形で
ある。
不飽和環状炭化水素を用いた実験結果B,D
は、図に示すように整流波形のみだれが激しく、
モータに回転ムラが発生する。一方、本発明にお
ける多価アルコールを用いた実験結果Fは、図に
示すように整流波形はみだれない。したがつて、
モータは安定した回転を行なえる。
なお、上述した多価アルコール(リニアーな炭
素結合を有するか、側鎖を有し、分子構造中に−
OH基を有するもの)は、例えばモノアルコール
類等の他のアルコール、他の極性基を有するもの
よりも吸着力が大きく、又、酸素を有しているの
で本発明の目的には−OH基を有する多価アルコ
ールの方が効果的である。
発明の効果 以上の説明から明らかなように本発明によれ
ば、下記の効果を奏する。
本発明の多価アルコールがコミユテータ・セ
グメント、ブラシ表面へ吸着することにより、
潤滑作用が働き、摺動部の異常摩耗や擦過損傷
が防止できる効果がある。
モータ組込み機器に用いている接着剤、潤滑
剤、樹脂部品から蒸発するスチレンモノマーや
トルエン等のベンゼン環を有する、有機ガス
(不飽和環状炭化水素)があつても、ブラシ及
びコミユテータ・セグメント表面に多価アルコ
ールが吸着しており、この多価アルコールの皮
膜でブラシ及びコミユテータ・セグメント表面
が保護され、黒化物の生成も微少となり、ブラ
シ、コミユテータ・セグメント間の接触不良を
防止出来る。また接触不良を起こさないため電
気ノイズの発生も減少し、接触不安定に伴なう
小型モータの速度の安定化も図られ、結果的に
は小型モータが使用される機器のワウ・フラツ
ターの低減が得られる効果がある。
前期及びの結果、小型モータの品質が向
上し、寿命を大幅に延ばすことが出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来例の構成図、第2図a〜cはそれ
ぞれ従来例のブラシ摺動部の構成を示す図、第3
図及び、第4図はそれぞれ本発明の実施例の構成
図、第5図a,bは本発明のさらに他の実施例に
かかる小型モータの縦断面図及び横断面図、第6
図A〜Fは従来例及び本発明の整流波形を示す図
である。 3……ブラシ摺動部、4……コミユテータ・セ
グメント、12……ブラケツト、13……ハウジ
ング、14……多価アルコールを含浸させたフエ
ルト。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 モータケースと、コミユテータと、ブラシを
    有し、前記コミユテータは導電性金属からなるコ
    ミユテータ・セグメントを有し、前記ブラシは弾
    性を有する導電材料からなるブラシ基部と導電材
    料からなるブラシ摺動部を有し、前記ブラシ摺動
    部がコミユテータ・セグメントに接触摺動し、前
    記モータケースはモータケースの外部の雰囲気と
    モータケースの内部の雰囲気が出入可能な略密閉
    状態で、前記モータケース内部に前記コミユテー
    タとブラシを配置した構造の小型モータにおい
    て、リニアーな炭素結合、または側鎖を有し、か
    つ分子構造中に複数個の−OH基を有する多価ア
    ルコールを前記モータケース内に入れ、前記多価
    アルコールの蒸発により前記モータケース内に前
    記多価アルコールの雰囲気を持たせた小型モー
    タ。
JP1654984A 1984-01-31 1984-01-31 小型モ−タ Granted JPS60162449A (ja)

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JP3254052B2 (ja) * 1993-07-23 2002-02-04 マブチモーター株式会社 小型モータ

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