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JPH07252453A - コーティング用組成物 - Google Patents

コーティング用組成物

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Publication number
JPH07252453A
JPH07252453A JP4707194A JP4707194A JPH07252453A JP H07252453 A JPH07252453 A JP H07252453A JP 4707194 A JP4707194 A JP 4707194A JP 4707194 A JP4707194 A JP 4707194A JP H07252453 A JPH07252453 A JP H07252453A
Authority
JP
Japan
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polysilazane
group
coating
film
ceramic
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Application number
JP4707194A
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English (en)
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JP3447102B2 (ja
Inventor
Sunao Suzuki
直 鈴木
Hideki Matsuo
英樹 松尾
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Publication of JPH07252453A publication Critical patent/JPH07252453A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明なUV吸収性セラミックス膜を緻密かつ
高硬度の膜として入手する。 【構成】 数平均分子量100〜5万のポリシラザンを
主成分とするコーティング溶液に平均粒径0.005〜
0.1μmのZnO及び/又はTiO2 セラミックス超
微粒子を添加する。この組成物を基板上に塗布後、焼成
することにより所望のセラミックス膜が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリシラザンとセラミ
ックスの超微粒子を必須成分とするコーティング用組成
物に関し、この組成物により緻密質かつ高硬度かつ透明
なコーティング膜が得られ、かつこのコーティング膜は
UV吸収性を持ち、厚膜施工も可能である。
【0002】
【従来の技術】本出願人は先にポリシラザンにフィラー
を充填したコーティング組成物を開示している(特開平
1−203476号公報)。フィラーはセラミックス粒
子を含むが粒径はサブミクロンから数10μmあるいは
それ以上である。また、金属アルコキシド又はその縮合
多量体にもとづくゾルゲル法によるコーティング膜に粒
径5〜200nmの紫外線吸収剤を添加した紫外線防止薄
膜形成用コーティング液組成物が開示されている(特開
平5−89798号公報)。このコーティング液にはさ
らにアルコールに可溶で金属アルコキシドと相溶性のあ
る有機分散剤が添加されている。
【0003】また、ガラス表面に、有機ケイ素化合物と
金属化合物を有機溶媒に分散又は溶解した塗布液を塗布
して、ガラスに近い屈折率を持つ透明保護膜を形成する
技術(ゾルゲル法)が特開平3−150237号公報に
開示されている。具体的には、有機ケイ素化合物として
のケイ素アルコキシドに金属化合物としてアセチルアセ
トナトキレート化合物が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のポリシラザン系
コーティング用組成物は緻密で、高硬度、厚膜が可能で
ある特色を有しているが、これまで透明なUV吸収膜は
得られなかった。フィラーが可視光線を分散し、またフ
ィラーがシラザンを変質させるからである。一方、上記
のゾルゲル法では、焼成時に有機成分が抜けるため、緻
密性、硬度、膜厚の点でポリシラザン系コーティングに
及ばなかった。
【0005】そこで、本発明は、これらの問題点に鑑
み、緻密で、高硬度で透明なUV吸収性セラミックスコ
ーティングを厚膜で得ることを可能にすることを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、主として一般式(I):
【0007】
【化2】
【0008】(但し、R1 ,R2 ,R3 はそれぞれ独立
に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、またはこれらの基以外でケイ素に直
結する基が炭素である基、アルキルシリル基、アルキル
アミノ基、アルコキシ基を表わす。ただし、R1
2 ,R3 のうち少なくとも1つは水素原子である。)
で表わされる単位からなる主骨格を有する数平均分子量
が100〜5万のポリシラザンを主成分とするコーティ
ング溶液に、平均粒径0.005〜0.1μmのZnO
及び/又はTiO2 の超微粒子を添加したことを特徴と
するコーティング用組成物を提供する。
【0009】フィラーを平均粒径0.1μm以下、より
好ましくは0.05μm以下の超微粒子にすることによ
って可視光線の透過が可能になり、かつセラミックスと
してZnO又はTiO2 を選択することによりポリシラ
ザンとの相性に優れるため、目的とする緻密、硬度、透
明なセラミックス膜が得られ、かつこのセラミックコー
ティング膜は容易に10μm程度の厚膜にすることが可
能であり、また紫外線(UV)吸収性を備えているので
紫外線吸収性透明セラミックス膜として利用可能であ
る。
【0010】使用するセラミックス超微粒子の平均粒径
が小さいものは入手が困難であり、平均粒径が大きいと
透明なセラミックス膜を得ることが難かしいことから、
使用するセラミックス超微粒子の平均粒径の下限は0.
005μmであり、好ましくは0.01μmである。上
限は0.1μmであり好ましくは0.05μmである。
【0011】本発明の効果はZnO,TiO2 のセラミ
ックス超微粒子を使用することによって得られた。Zn
O,TiO2 は混合して使用できる。具体的には、例え
ば、住友セメント製ZnO分散液ZS303(粒径0.
025μm,30wt%、トルエン溶液)、又は出光興産
製TiO2 粉末IT−UD(粒径0.02μm、高分散
化処理タイプ)が好ましい。この場合は、シラザンのキ
シレン溶液に添加し、適宜攪拌又は超音波分散、ボール
ミルによる分散を行えばよい。他に、三菱マテリアル製
ZnO粉末C−30や堺工業製ZnO粉末FINEX−
25,50,75を使用することができる。この場合
は、凝集粒子を分散するため、ボールミル、振動ミル、
ペイントシェーカー、アトライターなどによる強力な処
理が必要である。適宜分散剤を加えることもできる。
【0012】用いるポリシラザンは、分子内に少なくと
もSi−H結合、あるいはN−H結合を有するポリシラ
ザンであればよく、ポリシラザン単独は勿論のこと、ポ
リシラザンと他のポリマーとの共重合体やポリシラザン
と他の化合物との混合物でも利用できる。用いるポリシ
ラザンには、鎖状、環状、あるいは架橋構造を有するも
の、あるいは分子内にこれら複数の構造を同時に有する
ものがあり、これら単独でもあるいは混合物でも利用で
きる。
【0013】用いるポリシラザンの代表例としては下記
のようなものがあるが、これらに限定されるものではな
い。セラミックス膜の硬度の点からはペルヒドロポリシ
ラザンが好ましい。一般式(I)でR1 ,R2 、及びR
3 に水素原子を有するものは、ペルヒドロポリシラザン
であり、その製造法は例えば特公昭63−16325号
公報、D. Seyferth らCommunication of Am. Cer. So
c., C-13, January 1983. に報告されている。これらの
方法で得られるものは、種々の構造を有するポリマーの
混合物であるが、基本的には分子内に鎖状部分と環状部
分を含み、
【0014】
【化3】
【0015】の化学式で表わすことができる。ペルヒド
ロポリシラザンの構造の一例を示すと下記の如くであ
る。
【0016】
【化4】
【0017】一般式(I)でR1 及びR2 に水素原子、
3 にメチル基を有するポリシラザンの製造方法は、D.
Seyferth らPolym. Prepr., Am. Chem. Soc., Div. Po
lym.Chem., 25, 10(1984)に報告されている。この方
法により得られるポリシラザンは、繰り返し単位が−
(SiH2 NCH3 )−の鎖状ポリマーと環状ポリマー
であり、いずれも架橋構造をもたない。
【0018】一般式(I)でR1 及びR3 に水素原子、
2 に有機基を有するポリオルガノ(ヒドロ)シラザン
の製造法は、D. Seyferth らPolym. Prepr., Am. Chem.
Soc., Div. Polym. Chem., 25, 10(1984)、特開昭6
1−89230号公報、同62−156135号公報に
報告されている。これらの方法により得られるポリシラ
ザンには、−(R2 SiHNH)−を繰り返し単位とし
て、主として重合度が3〜5の環状構造を有するものや
(R3 SiHNH)X 〔(R2 SiH)1.5 N〕
1-X (0.4<x<1)の化学式で示せる分子内に鎖状
構造と環状構造を同時に有するものがある。
【0019】一般式(I)でR1 に水素原子、R2 及び
3 に有機基を有するポリシラザン、またR1 及びR2
に有機基、R3 に水素原子を有するものは−(R1 2
SiNR3 )−を繰り返し単位として、主に重合度が3
〜5の環状構造を有している。用いるポリシラザンは、
上記の如く一般式(I)で表わされる単位からなる主骨
格を有するが、一般式(I)で表わされる単位は、上記
にも明らかな如く環状化することがあり、その場合には
その環状部分が末端基となり、このような環状化がされ
ない場合には、主骨格の末端はR1 ,R2 ,R3 と同様
の基又は水素であることができる。
【0020】ポリオルガノ(ヒドロ)シラザンの中に
は、D. Seyferth らCommunication ofAm. Cer. Soc., C
-132, July 1984. が報告されている様な分子内に架橋
構造を有するものもある。一例を示すと下記の如くであ
る。
【0021】
【化5】
【0022】また、特開昭49−69717号に報告さ
れている様なR1 SiX3 (X:ハロゲン)のアンモニ
ア分解によって得られる架橋構造を有するポリシラザン
(R 1 Si(NH)X )、あるいはR1 SiX3 及びR
2 2SiX2 の共アンモニア分解によって得られる下記の
構造を有するポリシラザンも出発材料として用いること
ができる。
【0023】
【化6】
【0024】さらに、下記の構造(式中、側鎖の金属原
子であるMは架橋をなしていてもよい)の如く金属原子
を含むポリメタロシラザンも出発材料として用いること
ができる。
【0025】
【化7】
【0026】その他、特開昭62−195024号に報
告されているような繰り返し単位が〔(SiH2
n (NH)m 〕及び〔(SiH2 r O〕(これらの式
中、n,m,rはそれぞれ1,2または3である)で表
わされるポリシロキサザン、特開平2−84437号に
報告されているようなポリシラザンにボロン化合物を反
応させて製造する耐熱性に優れたポリボロシラザン、特
開昭63−81122号、同63−191832号、特
開平2−77427号に報告されているようなポリシラ
ザンとメタルアルコキシドとを反応させて製造するポリ
メタロシラザン、特開平1−138108号、同1−1
38107号、同1−203429号、同1−2034
30号、同4−63833号、同3−320167号に
報告されているような分子量を増加させたり(上記公報
の前4者)、耐加水分解性を向上させた(後2者)、無
機シラザン高重合体や改質ポリシラザン、特開平2−1
75726号、同5−86200号、同5−33129
3号、同3−31326号に報告されているようなポリ
シラザンに有機成分を導入した厚膜化に有利な共重合シ
ラザン、特開平5−238827号、特願平4−272
020号、同5−93275号、同5−214268
号、同5−30750号、同5−338524号に報告
されているようなポリシラザンにセラミック化を促進す
るための触媒的化合物を付加または添加したプラスチッ
クスやアルミニウムなどの金属への施工が可能で、より
低温でセラミックス化する低温硬化タイプポリシラザン
なども同様に使用できる。
【0027】用いるポリシラザンの分子量が小さすぎる
と、焼成時の収率が低く、実用的でない。一方分子量が
大きすぎると溶液の安定性が低く、健全な膜が得られな
い。これらの理由から、用いるポリシラザンの分子量は
数平均分子量で下限は100であり好ましくは500で
ある。上限は5万であり、好ましくは10,000であ
る。
【0028】セラミックス超微粒子の添加量が少ないと
効果がなく、セラミックス超微粒子の添加量の下限は5
重量部であり、好ましくは15重量部である。一方、多
すぎると膜中に空隙が形成されることから、上限は95
重量部であり、好ましくは85重量部である。但し、こ
こでポリシラザンとセラミックス超微粒子の合計重量1
00重量部とする。
【0029】セラミックス超微粒子はポリシラザンコー
ティング溶液に均一に分散させるべきである。均一に分
散させる方法としては、高分散タイプ(ZS−303,
IT−UDなど)の場合は、適宜攪拌、超音波分散、ボ
ールミルによる分散を行なえば十分であるが、一般のセ
ラミックス超微粒子(C−30,FINEX−29,5
0,75など)の場合には必要に応じ予め市販の分散剤
を添加したシラザン溶液中でボールミル、振動ミル、ペ
イントシェーカー、アトライターなどによる強力な分散
処理を行なって均一なコーティング液とする必要があ
る。
【0030】溶剤としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭
化水素、芳香族炭化水素の炭化水素溶媒、ハロゲン化メ
タン、ハロゲン化エタン、ハロゲン化ベンゼン等のハロ
ゲン化炭化水素、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等の
エーテル類が使用できる。好ましい溶媒は、塩化メチレ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモホルム、塩化エ
チレン、塩化エチリデン、トリクロロエタン、テトラク
ロロエタン等のハロゲン化炭化水素、エチルエーテル、
イソプロピルエーテル、エチルブチルエーテル、ブチル
エーテル、1,2−ジオキシエタン、ジオキサン、ジメ
チルジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピ
ラン、セロソルブアセテート、カルビトールアセテート
等のエーテル類、ペンタンヘキサン、イソヘキサン、メ
チルペンタン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、イ
ソオクタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、エチルベンゼン等の炭化水素等であ
る。
【0031】これらの溶剤を使用する場合、ポリシラザ
ンの溶解度や溶剤の蒸発速度を調節するために、2種類
以上の溶剤を混合してもよい。溶剤の使用量(割合)は
採用するコーティング方法により作業性がよくなるよう
に、また必要な膜厚により選択され、またポリシラザン
の平均分子量、分子量分布、その構造によって異なるの
で、コーティング用組成物中溶剤は99重量%程度まで
混合することができ、好ましくは固形分濃度が3〜50
重量%の範囲で混合することができる。
【0032】コーティング用組成物には、必要に応じて
フィラーの分散剤、レベリング剤、消泡剤、帯電防止
剤、pH調整剤、表面改質剤、可塑剤、乾燥促進剤、流れ
止め剤を加えてもよい。上記の如きコーティング用組成
物は基盤に1回又は2回以上繰り返し塗布した後、焼成
し珪素−窒素−酸素系又は珪素−窒素−酸素−炭素系セ
ラミックスから成る被覆膜を形成させる。
【0033】コーティング組成物を塗布する基盤は、特
に限定されず、ガラス、プラスチックス、セラミック
ス、金属等のいずれでもよい。コーティングとしての塗
布手段としては、通常の塗布方法、つまりスピンコー
ト、浸漬、ロール塗り、バー塗り、刷毛塗り、スプレー
塗り、フロー塗り等が用いられる。又、塗布前に基盤を
ヤスリがけ、脱脂、各種ブラスト等で表面処理しておく
とコーティング組成物の付着性能は向上する。
【0034】このような方法でコーティングし、充分乾
燥させた後、加熱・焼成する。この焼成によってセラミ
ックス超微粒子含有ポリシラザンは架橋、縮合、あるい
は、焼成雰囲気によっては酸化、加水分解して硬化し、
強靱な被覆を形成する。上記焼成条件はポリシラザンの
分子量や構造などによって異なる。焼成温度はポリシラ
ザンがセラミックス化する温度、通常400℃以上が好
ましいが、より低温でセラミックス化するタイプのポリ
シラザンではそれなりの低温、例えば130〜350℃
でもよい。昇温速度は特に限定しないが、5〜20℃/
分の緩やかな昇温速度が好ましい。焼成雰囲気は酸素
中、空気中あるいは不活性ガス等のいずれであってもよ
いが、空気中がより好ましい。空気中での焼成により金
属微粒子添加ポリシラザンの酸化、あるいは空気中に共
存する水蒸気による加水分解が進行し、上記のような低
い焼成温度でSi−O結合あるいはSi−N結合を主体
とする強靱な被覆の形成が可能となる。
【0035】こうして、本発明のコーティング組成物を
焼成すると、硬度8H以上、さらには9H以上(鉛筆硬
度)の高硬度でかつ緻密なセラミックス膜が得られ、そ
の可視光透過率は80%以上、さらには95%以上にす
ることができる。なお、本発明の好ましい態様を列挙す
ると下記の如くである。 (1)請求項1記載のコーティング用組成物。
【0036】(2)ポリシラザンが、数平均分子量が2
00〜1万のペルヒドロポリシラザン(つまり上記式
(I)でR1 =R2 =R3 =Hの場合)である(1)の
コーティング用組成物。 (3)ZnO及び/又はTiO2 の平均粒径が0.05
μm以下である(1),(2)のコーティング用組成
物。
【0037】(4)(1),(2),(3)のコーティ
ング用組成物を基板に塗布してなる膜。 (5)(4)の膜を焼成してなる9H以上の硬度をも
つ、透明UVカット無機質膜。
【0038】実施例1 下記原料を用いた。 (A)東燃製ペルヒドロポリシラザンPHPS−1(M
n≒800)20wt%キシレン溶液。 (B)住友セメント製ZnO分散液ZS−303 30
wt%トルエン溶液。
【0039】(A)と(B)を混合し、スターラーで3
時間攪拌し、均一なコーティング液とした。混合比は、
全固形分(ポリシラザン+ZnO)中のZnOの割合で
0wt%,43wt%,69wt%,79wt%,92wt%とし
た。得られたコーティング液をスピンコーターにより、
石英ガラス上に塗布し(3000rpm ×20秒)、10
℃/分で昇温し400℃で1時間保持して焼成した。膜
厚は約0.5μmであった。
【0040】各サンプル(ZnO無添加膜も含む)の分
光特性を図1に示す。これによると、いずれのサンプル
も可視光の透過率は95%以上であり、超微粒ZnOが
均一に膜中で分散していることが裏づけられる。また、
ZnOによるUV吸収効果がよく現われており、92wt
%のZnO添加により(ポリシラザンが焼成後、密度2
のSiO2 になると仮定すると80 vol%に相当す
る)、厚さ約0.5μmの薄膜ながら波長360nmのU
Vが約90%カットされていることがわかる。
【0041】さらに、硬度はいずれのサンプルも9H以
上であり、極めて緻密な無機膜が形成されていることが
わかる。これは有機基を含まないペルヒドロポリシラザ
ンを用いたためであり、完全に無機質のUVカット膜と
して、特徴づけられるものである。
【0042】実施例2 下記原料を用いた。 (C)東燃製ペルヒドロポリシラザンPHPS−2(M
n≒1200)40wt%キシレン溶液。 (C)と実施例1で用いたZnO分散液(B)を混合
し、スターラーで3時間攪拌し、均一なコーティング液
とした。混合比は、全固形分中のZnOの割合で、75
wt%(焼成後50 vol%)とした。
【0043】得られたコーティング液を、縁をマスキン
グしたステンレス板(SUS304)に流し塗り施工
し、室温で15分乾燥した。150℃で5分間プリベー
クし、溶剤を完全に飛ばしてから、400℃で1時間焼
成し、厚さ5μmのZnO含有セラミックス膜を得た。
得られた膜の硬度は9H以上であり、光学顕微鏡レベル
で、クラック、ピンホールなどの欠陥は認められず、か
つ透明であった。
【0044】実施例3 下記原料を用いた。 (D)出光興産製、TiO2 粉末IT−UD。 実施例1で用いたPHPS−1 20wt%キシレン溶液
(A)に、(D)の粉末を添加し、20分間超音波分散
し、均一なコーティング液とした。混合比は、全固形分
中のTiO2 の割合で、17wt%,29wt%,44wt%
とした。
【0045】得られたコーティング液をスピンコーター
により石英ガラス上に塗付し(3000rpm ×20
秒)、10℃/分で昇温し、400℃で1時間保持して
焼成した。膜厚は、約1μmであった。各サンプルの分
光特性を図2に示す。これによると、いずれのサンプル
も、500nmにおける可視光の透過率は、90%以上で
あり、超微粒TiO2 が均一に膜中で分散していること
が裏づけられる。また、TiO2 によるUV吸収効果
(特にUV−B)がよく現われており、44wt%のTi
2 添加により、300nmのUVが100%カットされ
ていることがわかる。
【0046】さらに、表1に示すとおり、硬度はいずれ
も9H以上であり、極めて緻密な無機膜が形成されてい
ることがわかる。また、表1より高屈折率膜としても有
用であることがわかる。
【0047】 表1 TiO2 /ペルヒドロポリシラザン系 TiO2 添加量(wt%) 屈折率 硬度 (TiO2 +シラザン)基準 0 1.46 >9H 17 1.60 >9H 29 1.64 >9H 44 1.68 >9H
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、緻密で高硬度の透明な
UV吸収性セラミックス膜が得られる。この膜は完全な
無機質で耐候性に優れる。また厚膜化も可能である。従
って、自動車ガラスや建材ガラスなどに好適である。さ
らに、高屈折率膜としても有用である。
【0049】また、厚膜で得られるため、各種基板のき
ずや孔の封止膜として使用すると、高硬度できずのつか
ないガスや水のバリア膜となる。又、機械的衝撃に強い
特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のコーティング膜の光透過性を示す。
【図2】実施例2のコーティング膜の光透過性を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主として一般式(I): 【化1】 (但し、R1 ,R2 ,R3 はそれぞれ独立に水素原子、
    アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリー
    ル基、またはこれらの基以外でケイ素に直結する基が炭
    素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、ア
    ルコキシ基を表わす。ただし、R1 ,R2 ,R3 のうち
    少なくとも1つは水素原子である。)で表わされる単位
    からなる主骨格を有する数平均分子量が100〜5万の
    ポリシラザンを主成分とするコーティング溶液に、平均
    粒径0.005〜0.1μmのZnO及び/又はTiO
    2 の超微粒子を添加したことを特徴とするコーティング
    用組成物。
JP04707194A 1994-03-17 1994-03-17 透明なuv吸収性セラミック膜の製造方法 Expired - Lifetime JP3447102B2 (ja)

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Cited By (3)

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WO2001044371A1 (fr) * 1999-12-16 2001-06-21 Asahi Glass Company, Limited Composition de polysilazane et article moule revetu comportant un objet traite elabore a partir de cette composition
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